「働き方改革」の4つの視点
以前に中原先生がブログで「働かせ方改革」について言及されていたとき、地に足をつけてそれぞれの「働き方改革」を語る場を作りたいなぁということを書いたところ、若者2人が反応してくださり、明日、打ち合わせをします。で、今日、準備をしようかなと思ったのですが、息子と近所のイタリアンに行ってしまい、そのようなことまでができず、というかよくよく考えるとあまり準備をしないでやった方がいいかなという言い訳めいた理由もあり、準備はやめてブログを書いてます。

政府が主導する「働き方改革」を「働かせ方改革」だというのは、とってもしっくりとくるのですが、要は目線をどこに置いているかというのが、一番大切なことのように思います。私の感覚でいえば、目線は4段階あるように思います。

① 自分として 
② 自分の属する企業(組織)として
③ 日本として
④ 世界(もしくは人類)として

これ別に「働き方改革」でなくても同じです。たいていの問題にはこの4つの目線があります。

何となく個人的に、国がやっている「働き方改革」が「③日本として」に合致していないような感じがしています。これがこの問題を語り合う際の1つ目の違和感かもしれません。

勤勉なHRパーソンは②の見地を強く持つものでしょうか。でも、私たち一人ひとりを考えると、まずは自分自身としての①の目線からこの問題を語らないといけません。自分は自分自身に対してどんな「働き方改革」したいのか。去年よりは今年はもっとどんな働き方をしたいのか。ここをきちんと内省する必要があります。これをやらずに、自分も求めていない「働き方改革」を②の目線でやってしまっては、たぶん不幸せなことが起こります。①と②にギャップはあって当然です。「働き方改革」に意欲的で経営者の鶴の一声でエイッとなんでもできちゃうベンチャー企業と、経営との緻密なネゴの上で企業内労働組合との繊細な交渉の上ですべてを決めている伝統的企業では立場が違います。なので、尖がった他社事例を追いかけることにあまり意味はありません。

私はというと、個人的には①と③の視点がとても強い人だと思います。その2つの視点から、②にアプローチしているように感じます。何よりも仕事の進め方に口をはさまれるのが一番嫌なタイプなので、何事も口を挟まれる前に終わらせてしまおうというところがあります。なので「自分としては」という感覚はとても大切です。また、こだわりを持たないテーマについては、どんどん相手に流されて早く終わらせてしまえ、という感じです。
ただ、もともと超ワーカホリックな方なので、「働き方改革」に対する強い「これがいい」という感覚は正直ありません。

③の視点が強い理由は2つあると思います。
1つは年齢的な要素からくる、世代継承欲求とでもいうものでしょうか。次の世代に少しでもましな日本を残していきたいという思いです。私も子を持つ親ですから、純粋の親心というのもあるかもしれませんが、それ以上に自分の存在意義を次の世代のためになにかをすることに求めたいという欲求があるのかもしれません。
もう1つは、私の最初の仕事からくるようにも思います。私は新卒で小麦粉の業界のトップシェアの企業に入りました。どの業界でも、1位と2位では大きな違いがあります。例えば、お客様の会合であいさつをするのは、製粉会社間で取り決めをしていない限り、一番取り扱いの多い会社か、業界1位の会社です。新卒で入って配属されて1か月ほどたったある日、お客様のベーカリーの新工場披露の会に呼ばれ、会社から1人で参加したのですが、座らせられたのは一番の上座、そしてご挨拶までまわってきました。22歳ですよ。文字通り、諸先輩方しかいらっしゃらない中です。でも、それが業界トップ企業というものです。トップ企業は自社のことだけを考えません。業界が反映して一番栄えるのが自分達であり、業界が衰退して一番苦しむのも自分たちです。なので、業界全体のこと、ひいては日本全体のことを考える習慣がついたような気がします今、働いている企業も「日本の食文化を守り育てる」ことをミッションとしているので、やはり視点は日本がどうなるかに自然に向かいます(ちなみに④に対する思いは不思議とまったくありません)。

えらい脱線しましたが、①と③の視点から、②に対する施策に対峙するというのが自分のスタンスになるのかと思います。最初に②ありきは、ちょっと寂しいような感じもします。

あまたにある「働き方改革」のセミナーの多くは、先進優良企業の事例発表が軸になっています。もちろん、良い例をパクるのは仕事をする上で、とても大切なことです。ただ、それが本当に自社に効くのかはわかりません。パクってくる場合も、きちんと自分としての①を持つことが何よりも大切です。また、自分なりの③を持つことはこのテーマに対しての大局観を持つことにつながります。①と③をしっかりもつことで、よい②にアプローチできるような気がします。

ということで、特段の準備なく、明日の打ち合わせに進むことになりそうです。

未亡人カレー 
※ときどき食べたくなる「未亡人カレー」。たまには夜にも行きたい。









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【2017/07/09 22:41】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
私たちは、作品ではなく、商品を提供したい
障がい者の就業継続支援B型事業所を経営する方から、素敵な話を聞きました。B型事業所とは、最低賃金以上を支払って就業支援をするA型事業所と違い、最低賃金以下の工賃を得ながら就業へ向けて経験とトレーニングを積む場です。つまり、すぐには容易には企業では働けない人が集まっている場です。

「私たちは、作品ではなく、商品を提供したい」。

その方は、飲食店も経営しており、そこで多くの障がい者のメンバーが働いています。飲食店の業務は業務単位の切り分けができるので、様々な障がい者の働く場としては適しているとのことでしたが、確かにそういえばそうかもしれません。それらのお店は、障がい者が働く店とは名打ってはいません。外からみれば、まったく普通のお店です。そして、そこで提供されるのは、「作品」ではなく「商品」なのです。

「商品」はその商品自体の価値を購買者が認め、その価値に対して対価としてのお金を払う存在です。ですから、商品自体に価値がなければ売れません。お客様の目はシビアです。こちらで販売していいるのはすべて「商品」です、その商品自体に価値を感じてお客様は足をお店に運びます。

これに対して「作品」は違います。障がい者が作ったものだから、障がい者を支援するために買ってあげよう、応援するために買ってあげよう、かわいそうだから買ってあげよう、というものです。なので、障がい者が作ったということを前面に出して販売をします。

「作品」を提供することを否定するつもりはまったくありませんが、この「商品」にこだわる姿勢、すばらしいと思います。作品を創ることは本当の仕事とはいえないかもしれませんが、商品を提供することはまさにビジネスそのものです。B型事業所の方がここまで意識をもっているのですから、私たち特例子会社をマネジメントする立場も、甘えずに自らを律してきちんとしたマネジメントを行い、それが障がい者メンバーの誇りと自己効力感と働き甲斐に結びつくような仕組みを作っていかないといけませんね。

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土曜日の〆の鰻。




【2017/06/19 22:49】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
障がい者の1年後定着率データから
昨日、精神科医の方が集まり学会で、精神障がい者の就労支援についてのシンポジウムに参加しました。そこで厚生労働省の方に興味深いデータを見せていただきましたので、記録に残しておきます。

定着率の話です。
障がい種別別に1年後の定着率(1年後に在籍している率)を出すと下記のようになるそうです。

  49.3% 精神障がい
  60.8% 身体障がい
  68.0% 知的障がい
  71.5% 発達障がい

一般的に精神障がい者の雇用は定着率の面で大変だといわれていますが、データでもそれを裏付けています。ただ、精神障がい者の中にカウントされる発達障がい者の定着率が一番高いというのが、非常に興味深いデータです。精神障がいをさらに、統合失調症、そううつ病、てんかん、その他で区分していますが、病名間での退職率の顕著な差はありません。

次に精神障がい者の「求人種類別」の1年後定着率です。求人種別というのは、求人の形態ですが、障がい者求人と一般求人に別れます。さらに一般求人では、障がいを開示しているケースと、開示せずにクローズドで就職しているケースに分けます。

  27.7% 一般求人~非開示
  45.1% 一般求人~開示
  64.2% 障がい者求人

クローズドで一般求人にて就職した場合、4人に1人程度しか1年後に残らないわけです。これはよくよく考えなければいけません。また、障がい者求人は当然に定着率は高いですが、それでも3分の1以上は1年もたないわけです。

同様の区分で発達障がい者をみると非常に興味深いデータが出ています。

  33.3% 一般求人~非開示
  33.3% 一般求人~開示
  79.5% 障がい者求人

これは驚くほどメリハリのあるデータが出ています。
開示してもしなくても一般求人では低い定着率であるのに対して、障がい者求人の定着率は実に8割に迫ります。発達障がいの特性をよく理解し、適切な環境と仕事の進め方をすれば、きわめて高い定着率で安定して仕事をし続けることができるということです。これは雇う側にとっても、働く側にとっても重要なことです。ただ、悩ましいのは、多くの企業で、障がい者求人と一般求人の間には、雇用形態と賃金の差があります。今、一番、ここのところで悩んでいるのですが、精神障がい者、発達障がい者の雇用が増えていくことにより、いろいろな議論がなされ、いろいろな知見が生まれてくることと思います。自分たちもそれに少しばかりの貢献ができればと思います。

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※鰻串が世界で一番好き。

【2017/06/18 22:17】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
「営業」は普通の新人がもっとも成長を勝ち取れる仕事
初任配属の多くを「営業」としている企業は多いですね。

もちろん需要の問題はあるでしょうが、やはりこれだけ多くの企業で大量の新入社員が営業に配属されるのは、間違いなく営業が社会に出て初めての仕事として「新人を育てる」仕事だからです。

特殊な分野のポテンシャルを明確に持っている人、すでに学生時代に社会と日常的に接触していた人を別にして、「普通の文系新入社員」にとってやはり営業は成長を勝ち取れる職場です。

その理由をいくつか整理してみます。

①.日々、多くの人に出会う。

学生社会と企業社会のもっとも大きな違いは「多様性」です。限られた人とだけ付き合っても生きていけるのが学生時代、そして、自ら選んだ人とだけ濃厚につきあえばすんだ学生時代、そこでは往々にして同質性の強い集団で生活してしまいがちです。社会ではこれが違います。実に多様な人と一緒に仕事をしていくことになります。多様性の洗礼は、内勤よりも営業の方が圧倒的に強く受けます。年間に合う人の総数がまず違いますし、その大半が社外の人であることがまた大きいです。個人的にはBtoB営業の方が、学びにつながる多様性がさらに得られやすいように感じます。

②.日々、理不尽に対峙できる。

「多様性」と並んで学生社会と企業社会の違いを表すのは「理不尽さ」ですね。社内で仕事をしていてもそれなりの「理不尽さ」は体感できますが、営業でお客様から突き付けられる「理不尽さ」は社内とは比になりません。ただ、最初は「理不尽」と思っていても、実はお客様からみれば合理性があったり、自分の準備不足に起因することだったり……、とそこに様々なリフレクションが生まれます。数年もたつと過去の「理不尽」は自分の肥やしになっています。

③.フィードバックに満ちている。

営業職ほど「フィードバック」に満ちている仕事はありません。日々、商談の中でお客様から「フィードバック」のシャワーを浴びることができます。テレアポで「ガチャン」と電話を切られるのすらある意味「フィードバック」です。これらの「フィードバック」から逃げずに真摯に立ち向かうことにより、成長は勝ち取れるものです。内勤の人が上司・先輩ら周囲のほんの限られた数名から日々いくばくかの「フィードバック」だけを得て仕事をしているのに比較して、量・質ともに営業の「フィードバック」は実に豊富です。

④.面で育ててもらえる

新人を育てる役割を担うのは上司や先輩、OJTリーダーやメンターなどが中心ではありますが、実際には新人を取り囲む多くの人が新人を育ててくれています。多くのお客様も新人の育成に一役を買ってくれているのです。多くの営業パーソンが、社内だけでなく、お客様からも鍛えられたという実感を持っているものです。

⑤.経験学習のサイクルがわかりやすくまわる。

取り扱う商品にもよりますが、1つのクライアントに1つの商材を長期間をかけて売り込むといった商売を除けば、営業の仕事は日々、経験学習のサイクルをまわすことができます。そして「持論化」のプロセスが磨けるのが営業の特性です。2軒として同じお客様はいませんが、別のお客様での経験が必ず次のお客様との商談で活きるのです。これは単に知識が増えたからということだけではありません。経験学習のサイクルがきちんと回っているからです。それは、営業というのが豊富な「フィードバック」と「リフレクション」にあふれた仕事だからです。

これから暑い季節を迎えます。
営業に配属された新人にとっては厳しい季節です。なかなか商談がうまくいかないこと、契約がとれないこともあるでしょう。でも、ちゃんと真摯に前を向いてさえいれば、間違いなく成長が勝ち取れる仕事が営業です。ちょっとくじけそうな新人営業がいたら、ここで整理した5つの成長できる理由も参考にして、目線を少しあげさせてあげてください。

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【2017/06/11 20:30】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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