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キャリアにはアップもダウンもない
キャリアにはアップもダウンもない

「キャリアカウンセリング入門~人と仕事の橋渡し~」(渡辺三枝子・E.L.ハー著、ナカニシヤ出版)のまえがきにあった言葉です。渡辺三枝子先生がキャリア発達の著名な理論家であるサビカス博士にあった際に、冗談めかして「私のキャリアはアップしたのかダウンしたのかわからないが、満足している」といったのに対して、サビカス博士は真顔で「キャリアにはアップもダウンもないんだ。キャリアカウンセラーはアップとかダウンとか考えてはいけない」とピシッと話されたそうです。

とても、キャリアの本質をとらえた素晴らしい言葉だと思います。絶対的・客観的な物差しによるアップとかダウンとかいうものはキャリアには似合いません。強いていえば、その人らしいキャリアであるとか、らしくないキャリアであるとか、いずれにしてもキャリアの価値を判断するのは他者ではなく、自分だと考えていいのでしょう。だから、他人からみたら羨ましいような立場を捨てて、別の世界に飛び込む、なんてことが世の中ではよくあるわけです。

私は肌感覚で体験できていませんが、おそらく高度成長経済期には、キャリアについての社会共通のアップ・ダウンのおおよその物差しがあったのかもしれません。そして、日本社会はまだ本当の意味でそこから脱皮しきれておらず、このような表現が今でも通っているのかもしれません。いくつかの企業内にキャリアセンターが設立され、個のキャリア支援に着目することが企業業績の向上のためにも必要であると気づく経営者が出てきていますが、まだまだ少数派です。社内のキャリア研修を「キャリアアップ研修」と称している企業も今でもまだあります。企業の決めたキャリアアップの物差しに社員が喜んで自らを合わせるという幻想は捨てなければなりません。企業が求めるアップは、ある社員にとってはダウンかもしれません。絶対的な物差しの喪失が世の中のマネジメントを難しく、そして面白くしているのです。

それにしても、「キャリアにはアップもダウンもない」、しびれる名言ですね。一生にいくつかは、こんな名言を吐いてみたいですね。

キャリアカウンセリング入門―人と仕事の橋渡しキャリアカウンセリング入門―人と仕事の橋渡し
(2001/09)
渡辺 三枝子、エドウィン・L. ハー 他

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千秋楽の結びの一番はしびれましたね。数年ぶりです、相撲面白いって思ったの。昨日はキャリアカウンセリング協会のお手伝いでした。何事もとても勉強になります。特に今回は勉強になった気がします。
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【2008/01/27 23:15】 | キャリア~全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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