半月に一度、振り返り特集をやろうとして、これで3回目。脈略がありそうで、なさそんなタイトルの羅列が今回も続いています。本当は、テーマを絞って、複数のブログを作った方が親切なのかなぁとか思いますが、まぁ続いているだけ立派だと思っています。
2月16日 キャリア・デベロップメント・コミュニティ 2月17日 時短とコミットメント 2月18日 人を動かす 2月19日 お客様の不満 2月20日 才能は努力とともについてくる 2月21日 業務改善の目的と罠 2月22日 学生はどんな局面に遅刻をしないか 2月23日 図書紹介:『死神の精度』伊坂幸太郎著(文春文庫) 2月24日 次世代DVD規格に考える 2月25日 「ムリ・ムダ・ムラ」と「ストレッチ」 2月26日 健康診断と労働安全衛生法と書籍 2月27日 「永田農法」と人材育成 2月28日 給与シェアードサービスセンターの役割 ~SSC談話005~ 何となく仕事の進め方的なことを考えた日が多かったですね。2月17日、2月21日、2月25日なんかそうですかね。2月16日の「キャリア・デベロップメント・コミュニティ」というのは私の参加する実践共同体の1つですがこの日の中では「自己効力感」なんかを扱いました。 名言系では、2月17日、2月18日、2月20日があります。言葉は力です。 シェアードサービスには2月28日の1回しかふれられませんでした。 このブログを書き始めたメリットとして、ものごとを正確にとらえようという習慣が少しはつきつつあります。曖昧な把握や記録では、飲み会で話のネタにすることはできても、文字に残して人に伝えることはなかなかできません。結果的に、メモをとったり、コピーをとったりという基本的な習慣が少しつきつつあるのはいいことでしょう。また、書くにあたって、本当にそうだったかな、何てことも確認したりもします。もちろん、日本語もちゃんと考えます。 この半月に一度の「振り返り」ですが、ネタを考えないでいいために書くのが簡単そうにみえますが、実はリンクを張るのがとても面倒でなかなか時間をとられます。 ※ 《2008年2月29日》 1月に立ち上げたばかりの日本ロジスティクス研究所の方と会食しながらお話を聞きました。新しいことに取り組まれようとされている方は素敵です。 ![]() スポンサーサイト
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比較的有名な話のようですが「永田農法」という方法で栽培されたトマトは、香りがよく肉質が締まっており、甘くて美味しいそうです。この栽培方法は「スパルタ農法」などともいいますが、最小限の水と肥料しか与えないのが特徴です。この農法について創始者の永田照喜治氏は以下のように話されています。
『私の農法が「スパルタ農法」「断食農法」と呼ばれるのは食物を甘やかさないからです。人間でもそうですが、満腹だとなまけものになります。植物もたっぷりの水と肥料を与えられて育つと、まず根っこが十分に働かなくなります…。私の農法のものは白くてふわふわの細かい根っこが地上の近くにびっしりできます…。これが美味しさの秘密なのです。ぎりぎりの生育環境で養分や水分を十分に吸収するために、植物が持つ本来の生命力を取り戻したのです』。 小樽商科大学の松尾睦先生が、この「永田農法」を人材育成に当てはめて紹介しています。 ○肥料や水を与えすぎると、見栄えがよいが栄養価が低く味の悪いトマトしかできない。組織においても、効率を重視してメンバーに情報や知識を与えすぎると、外見は立派だが中味のない人間ばかりが育ってしまう危険性がある。 ○永田氏のいう「根っこ」は、植物が土から養分を吸い上げる力であり、人間でいえば様々な経験から知識やスキルを獲得する能力に相当する。 ○植物本来の成長能力を引き出すような環境を作るのが「永田農法」の基本的な考え方だが、企業においても社員が持っている潜在能力を引き出すような環境を作り出し、自ら学ぶ力を引き出すことが大事である。 ○ただし、「放任」や「しごき」が人を育てるのではない。「永田農法」は水や肥料こそ最低量に押さえるが、野菜をほったらかしにしているのではなく、「手はかけなくとも、目は細かくかける」ことを重視している。つまり、野菜がどのように成長するのかをよく理解した上で、きめ細かい管理をしている。企業の人材育成においても、人が成長するプロセスを良く理解した上で、個人が持つ潜在能力を引き出す環境を提供することが大切になる。 最後の部分につきますね。人材育成も「手はかけなくとも、目は細かくかける」が最大のキーポイントです。
※ 《2008年2月27日》 いやいや本日は仕事で頭に来ることが多く……、でも、夜には素敵な仲間と話し合うことができ、トータルではOKな日でした。中小企業ですか社員の採用を考えていると、一緒に育成のこともあれこれと考えます。これが採用をする効果の1つかもしれません。いずれにしても、明日も素敵な日になりますように。 ![]() |
あまり言えた話ではありませんが、定期健康診断を受診せずにほったらかしにしてしまっていました。人間ドックで代替しようと思っていたのですが、なかなか人間ドックの日が決められず、年度末が近づいたところで、会社から強制的に定期健康診断受診の要請を受け、昨日、受診してきました。
そもそも健康診断は、労働安全衛生法により事業者に義務付けられているもので、健康診断には大きく分けて「一般健康診断」と「特殊健康診断」の2種類があります。一般健康診断の中でも一般的なのが、「定期健康診断」「雇入時健康診断」「海外派遣労働者に対する健康診断」でしょうか。私が受診したのは「定期健康診断」ですが、この4月から例のメタボ対策の一環で「腹囲測定」が項目に追加されます。既に2007年度から先取りして実施しているケースも多いようで、昨日は私もやられてきました。 ところで、この腹囲測定。以下の測定方法も認められています。 ①着衣の上からの測定すること。ただし、実測値から1.5センチを差し引く。 ②健康診断会場にて受診者が自己測定すること。 本当に希望する人が、どのくらいいるものでしょうかね。ちなみに昨日の健康診断での腹囲測定では、①・②の選択肢なんて与えられずに測られましたが…。 さて、この健康診断を義務つけている労働安全衛生法ですが、あまり普段は意識されない法律だともいえます。しかし、私たちが健康で安全な職業生活を送るためには極めて重要な法律ですし、労働基準監督署の是正勧告を受けるのもこの法律がらみのことがかなり多いようです。この法律について平易に書かれた書籍をご紹介しましょう。
さて、先日、この書籍の著者のお1人と、この書籍を手がけた編集者の方とご一緒する機会がありました。たまたまCDCという実践共同体で書籍を出したいね、という話があり、編集者の方のお話でもまずは聞いてみようと思ったところに、タイミングよく素晴らしい方をご紹介していただいた次第です。細かくは説明をしませんが、この書籍の発刊にも編集者サイドのしたたかな計算と、熱い思いがきちんとあります。ある意味「マーケティング的」要素があるような、ある意味「勘と感覚」重視的な要素があるような微妙なラインです。また、同じ編集者の方が、まったくタイプやジャンルの違う書籍を手がけているのにもびっくりしました。 いただいたいろいろなアドバイスから、本を出すということについて、2つ。 ①書き手が書きたい本ではなく、読み手が読みたい本を。読み手を誰と想定するのか。 ②本当に本を出したいと思ったら、常にそのことを考えていること。 特に②はやっぱりすべてのことに通じると思いますが、そのとおりですね。 考えてみよっと。 ※ 《2008年2月26日》 当社で20代前半の社員を若干名、急遽採用することになりました。果たして、どうなることやら楽しみです。 ![]() |
次世代DVD規格の決着がつきましたね。SONYファンの私としてはよかったことですが、今回の件にはいろいろと考えさせられますね。
東芝の撤退判断についての是非はいろいろな人がいろいろというでしょうが、ワーナー・ブラザーズの離反、それに続いてのアメリカ小売大手のブルーレイ・ディスク支持宣言を受け、勝ち目がないと感じてからの判断のスピードは早かったと感じます。もちろん既に数百億円という損失は見込まれているでしょうし、購入者やマスコミがあれこれと批判はすることと思います。しかし、この判断がさらに遅ければ損失額もさらに脹らむでしょうし、被害を被る消費者も増えたことと思います。 東芝の推進したHD-DVDは、国内ではまだレコーダー2万台、プレーヤー1万台、対応パソコン2万台の5万台しか販売されていないそうです(海外ではプレーヤー70万台、対応パソコン27万台で、なぜか合計はちょっきり100万台)。もう随分と昔のことですが、13年間の長きに渡って続いたVHS・ベータ戦争では、国内だけで400万台のベータ方式ユーザーが犠牲になったとのことですから、今回のケースは消費者には良い早期決着だったといえます。また、ごくごく初期に規格統一や撤退判断がされたわけではなく、そこそこ両陣営が競い、その結果として実売価格がかなり下がってきた後の決定であったのも、消費者にとってはありがたい時期だったといえるでしょう。 私は個人的には東芝の西田社長が、ここでも選択と集中を明確に行った、なかなか凄い決断だと感じます。同時にフラッシュメモリーの新工場建設を発表し、「選択」だけでなく「集中」もアピールしたあたりに気概が感じられます。ひょっとすると、数年後にはフラッシュメモリーがすべてのディスク類を一掃しているかもしれませんし。 それにしても、このようなハードの覇権争いが、ワーナー・ブラザーズの離反というソフトがキーになって結論がつくのが今の時代の象徴です。さらに、映画等の画像情報の視聴が、ハードの媒体を経由せず、ネット経由に移行するという、究極のソフト化も既に起こりつつありますね。製造業に身を置くものとして、考えるべきことは多そうです。 ※ 《2008年2月24日》 ところで、生命保険会社の今のコマーシャルって完全に横並びで、私たちは丁寧に説明をしています、といってお客様を社員が訪問するタイプのばかりになってしまいましたね。確かに説明不足でいろいろと批判を浴びたので、気持ちはわかりますが、あまりに単純すぎるような。そもそも、「商品の説明をきちんとする」「お客様の状況が変わったら、新たな状況に合わせたプランを紹介する」なんてことは、他の業界の営業担当ははるか昔からやっている、あまりに当たり前のことのように思うのですが。そんな当たり前のことをやっているというのを説明するために公共の電波と数年万円にのぼる広告宣伝費を使うなら、その分を配当金にまわしてくれた方が嬉しいなぁとか思います。でも、どこの業界も中に入ると中の事情があるんでしょうね、きっと。申し訳ありませんが、食品業界はまだ値上げをせざるを得ない状況が続いていますので、よろしくお願いいたします。 ![]() |
いわゆる作家読みというのでしょうか。作家が気に入るとその作家の作品を深く読むことがあります。そんな中で必ず単行本が発刊されると購入する作家が出てきます。以前はそれこそ大勢いましたが、今は4名です。その次のランクとして、文庫になれば必ず買う、単行本もこれというのは買う、ブックオフでそこそこの価格だったら即買う、という2番手グループの作家がいます。伊坂幸太郎はまさにそんな作家、とにかく面白いです。
一番最初に読んだのは「オーデュボンの祈り」。妙にシュールでそれでも妙な現実感はあるし、引き込まれるプロットがきっちり構築されており、語り口はクールでありつつほどよく脱力系、非常に映像的でもあり、素晴らしい世界でした。その後、新書・文庫化されている作品はすべて(といってもそんなに滅茶苦茶はまだありませんが)読みましたが、いずれも面白いです。登場人物が微妙に作品間を行き来するあたりの遊びも楽しいです。 この「死神の精度」は単行本出版から2年半を経て文庫化されたものですが、映画が来月公開されるのにあわせた出版ですね。主人公は死神。この死神はまるで会社のような組織の「調査部」という部署に所属しており、人間社会に派遣されます。そして、死すべき運命の人間を1週間、観察(?)し、その死を「可」とするか「見送り」とするか判断し、「可」の場合は8日目にその死を見届けます。病死と自殺は死神の管轄外になります。でもこの死神、クールなようでとてもゆるくてズレています。音楽好きでCDショップで視聴をするのが楽しみだったりします。映画では金城武が演じるようですね。伊坂作品の映画化は、「陽気なギャングが地球を回す」「アヒルと鴨のコインロッカー」が既にあり、「重力ピエロ」も来年計画されているようです。おそらく作者自体も映画が好きなのでしょう、時折、作中で登場人物が語ります。そうそう、よく登場人物が語るんです、伊坂作品では。語るのっていいですね。 週末に1冊くらいは気軽な図書紹介を…。というのを先週は忘れていました。
※ 《2008年2月23日》 すさまじい春一番でした。ちょっと外、歩けませんでしたね。東西線も京葉線も止まってました。ところで、サッカー2008年東アジア選手権での岡田監督のインタビューは素敵でしたね。最終の韓国戦で引き分けて優勝を逃した直後のインタビューの一節です。 インタビュアー:「選手たちをどう評価しますか」 岡田監督:「評価っていったって、我々は一緒に戦ってますから」 ![]() |
物流改善について勉強をする必要が出てきており、本をつまみ読んでいます。その中でなかなかわかりやすい考え方に出会いました。ちょっと、要約をしてみます。
「物流における業務改善への取り組みを行う企業は多いが、目的が明確になっていない場合が多い。基本的には物流における業務改善の目的は、コスト削減のはず。もしも物流業務を社員主体でまわし、その企業が社員の雇用を守る方針の企業であり、社員の配転が容易でないのであれば、いくら業務を改善させても、社員をクビにしない限り、投入経費は変わらないのでコスト削減にはならない。改善が自己目的化して、真の目的を見失っている改善運動が相当に多い」。 といったような趣旨の話です。 これって、他の業務でもいえていますよね。業務改善ってことばざわりが良いので何かとても仕事をしているような気がしますが、その結果として投入経費が減らなければ、何も実質的な効果は出ていないんですよね。これが業務改善の罠です。 ただ、このケースにあてはまらないパターンが2つあります。 1つは業務改善をして創出した余力で新規の顧客を受注するなどといった余力創造目的の業務改善です。 もう1つは固定費の変動費化を図るための業務改善。例えば「仕事の見える化」を進めて、正社員を派遣スタッフに切り替えるのなんかもそうですね。変動費化が進めば、今度はさらなる業務改善によって(変動費化した)投入経費を削減することが可能になります。 おそらくいまどき「業務改善」を口にしない職場の方が少ないでしょう。皆さんの職場のメンバーは「業務改善」の目的について、同じ見解を職場全体で共有化できているでしょうか。業務改善運動そのものが仕事になってしまっていたりしませんか。それこそ、手段の目的化の良い例ですね。
※ 《2月21日》 進めていたプロジェクトも紆余曲折を経て、順調にいけば明日に承認されます。ようやく楽しい、明日に向けての実務フェースが始ります。 ![]() |
「死ぬまで他人に恨まれたい方は、人を辛らつに批判してさえおけばよろしい。その批判が当たっていればいるほど、効果はてきめんだ。およそ人を扱う場合には、相手を論理の動物だと思ってはならない。相手は感情の動物であり、しかも偏見に満ち、自尊心と虚栄心によって行動するということをよく心得ておかねばならない」(「人を動かす」創元社刊新装版27ページ)
これって、やっちゃうんですよね。正しい批判という奴を。最近も他の部署との会議でやってしまいました。でも、確かにこのとおりだと思います。正しければ許されるというわけではないんですねぇ。正しければ、最終的にOKというわけでもないんですよね。自分も含めてまったく行動の理由って論理ではなく感情ですからね。特に自尊心と虚栄心がドライブになることって確かに多いです。完全にはできなくても、少しでも意識する努力をしていかないといけませんね。 ところで、このフレーズは、D・カーネギーの「人を動かす」の冒頭の章からの引用です。昨年末にあれやこれやとメールのやり取りがあり、20年振りくらいに読んでみることにしました。しかも、普段やっている悪しき速読はせずに、1日1節しか読まないというルールをつくって読み始めました。最短でも読了には37日かかるはずです。じっくりと読むと、時代を超えてこの本が支持され続けてきたことが改めてよくわかります。 「人を動かす秘訣は、この世にただひとつしかない。この事実に気づいている人は、はなはだ少ないように思われる。しかし、人を動かす秘訣は、まちがいなく、ひとつしかないのである。すなわち、みずから動きたくなる気持ちを起こさせること…これが、秘訣だ。かさねていうが、これ以外に秘訣はない」(「人を動かす」創元社刊新装版33ページ)
※ 《2月18日(月)》 年末から左手の中指の間接が痛く、指が曲がりません。以前にここでも書きましたが、腱鞘炎からくる「ばね指」という症状のこと。パソコンをやめたら少しは良くなるかもしれません、キーボードが壊れそうになるほど強く叩いてますから。今は週に2回ほど通院してレーザーを当ててますか、いっこうに良くならず、何となく頭痛まで併発するようなこともあるので、手術でもするしかないかなぁとも考えてます。ただ、手術って小さいのも含めて生まれて一度もしたことがないので、何となく嫌なんですが…。 ![]() |
昨日は、キャリア・デベロップメント・コミュニティ(CDC)というキャリア関係の実践共同体の検討会が夜にありました。
この会は、そもそもはある教育団体の呼び掛けによりできたものですが、企業内でキャリアカウンセラーの資格をとる人が増加している実態と、企業内でキャリアカウンセラーに相談したいニーズを持つ人が増加している実態がある中で、その有効なマッチング・架け橋ができないだろうかという思いで2002年に始まっています。その後、いろいろと紆余曲折を経て、現在は完全に個人的な集まりになっており、大学生を中心としたキャリア形成の研究をしつつ、何らかのキャリア支援が具体的にできないかを模索して定期的にディスカッション・研究活動をするチームになっています。素敵なメンバーの皆さんのチームです。昨年は2つの学会で発表もさせていただき、いろいろとネットワークも拡大してきました。楽しみながら素人研究を続けつつも、いずれどこかで何かのかたちで社会に役立つことができないかと考えています。 以前このプログでも紹介したとおり、昨年の段階で「大学生の成長が活動への参加の仕方と相関をしていること」がほぼ証明できており、今年はそれを具体的に解き明かすべく研究を進めようとしています。先日に大学生へのプレインタビューを実施し、昨晩はその後の進め方についての検討をしました。開始後1時間30分はまったりと進んでいましたが、後半は一転して議論が白熱しました。このあたりも不思議なメンバーです。「自己効力感」と「意味づけ」が昨日の後半部分の議論のキーワードだったかと思います。 自己効力感(Self Efficacy) 自分がある具体的な状況において適切な行動を成功裡に遂行できるという予測、確信。ある意味では自分に対しての信頼度だともいえる。高い自己効力感を持つ人は、自分の成功をイメージし、物事を成功に結びつけていくことがしやすいが、逆に自己効力感が低い人は、失敗ばかりをイメージし、物事がうまく進まないことをくよくよ考えがちになるといわれる。カナダ人の心理学者バンデューラの提唱。 バンデューラによる自己効力感を高める方法は、以下の4つ。 ①成功体験、②モデリング、③社会的説得、④心身状態 GCDFの理論の勉強みたいで懐かしいですね。若手には何よりも①成功体験が必要だと感じますし、結構、②モデリングもあるかなとも思います。それにしても、バンデューラの名前が出るとGCDFのクラスの時の土田先生の駄洒落を思い出します。 ※昨日、メンバーの1人が、ネットで「CDC」で検索しても何もヒットしないというので、ちょっと書いてみました。無理かなぁ。本日はキャリア・リソース・ラボラトリーのスーパービジョンでした。今年度1年分のGCDF継続学習証明として24時間分をいただき、もう左団扇状態ですが、技能検定はどうしましょうかね。 ![]() |
1月末に引き続き、半月を振り返ってみます。こうやって並べてみると、相変わらず脈略なくテーマが並んでいます。まあ、ずっとこんな感じで続きますかね。
2月 1日 個の視点に立った現場の活性化~HRD JAPAN 2008 2月 2日 活動は「どう取り組むか」が重要~大学生の社会人基礎力調査から 2月 3日 GCDFにおける関係構築 2月 4日 「相談」~ホウレンソウから 2月 5日 「報告」「連絡」~ホウレンソウから 2月 6日 大学生に学ぶ 2月 7日 シェアード・サービス・センターの価格体系① ~SSC談話002~ 2月 8日 シェアード・サービス・センターの価格体系② ~SSC談話003~ 2月 9日 シェアード・サービス・センターの価格体系③ ~SSC談話004~ 2月10日 図書紹介:『空中ブランコ』奥田英朗(文春文庫) 2月11日 「あなたが大切だ」~昔の公共広告機構のポスターから 2月12日 メンタリング概論 2月13日 メンターって何をする人? 2月14日 メンタリング3夜目 2月15日 ちょっと整理です…2月前半編 シェアード・サービス・センターの価格体系(2月 7日・2月 8日・2月 9日)の話と、メンタリングの話(2月12日・2月13日・2月14日)に熱が入っていますね。前者はちゃんとABC管理だとか、運営面から説明しないとわかりにくいなぁと読み返して改めて思います。メンタリングは、丸の内での勉強会での影響で、きちんと復習してみたいと思い、お付き合いいただいた感じです。 大学生ネタ(2月 2日・2月 6日)も相変わらず続いてます。就職活動がピークに入りつつあります。また、動き出したら超短期決戦で一気に進みそうな流れですね。 マネジメント関連では、やっぱり「報告・連絡・相談(ホウレンソウ)」(2月 4日・2月 5日)、これは永遠ですね。単に上から部下に求めるものではなく、これはリーダー像の反映なのだと思います。リーダー像という意味では、公共広告機構(2月11日)の話もありました。そういった現場リーダーの支援という意味では、HRDの花田先生の言葉(2月 1日)も関係してきます。 ※ 《2月15日(金)》 ブログも1ヵ月続きましたねぇ。今のところ毎日書けてます。とりあえずは3年分くらいはやるつもりですが、無理がたたるようなことまでしてはやりませんよ。 ![]() |
昨日からのメンタリングの続きです。
では、メンタリング・プログラムの中で、メンターは何をやるのでしょうか。 昨日と同じ慶應義塾大学の渡辺直登先生の整理は以下のとおりです(日本人材マネジメント協会「第44回HRcafe」より)。 ①対話と交流の時間を ②定期的・継続的にとって ③プロテジェの話をよくきき ④プロテジェの求めに応じて ⑤助言・支援を行う 普通のことばかり並んでいて、ちょっと拍子抜けしますよね。別にメンタリングに特別な技法があるわけではなく、特別なことをしなければならないものでもありません。メンターとメンティの「関係性」そのものに重要な意味があるわけです。 メンターがメンティに対して行うサポートについては、心理・社会的サポート、キャリア的サポートに分けて9つの観点のサポートがあるとされています。 心理・社会的サポート ①モデルを示す ②メンティを受け入れ、尊重する(受容と確認) ③心配や悩みごとの相談をする(カウンセリング) ④同時代人として交流する(友好) キャリア的サポート ⑤後見人として支援する(スポンサーシップ) ⑥上層部やパワーのある人に推薦する ⑦知識・スキル・態度を教える(訓練・コーチング) ⑧リスクからメンティを守る(保護) ⑨挑戦しがいがある仕事を与える(チャレンジ) こうなると少し難しそうになってきますね。「メンタリングに特別な技法はない」といってもいきなりメンターをやれ、といわれた人は少し困惑しますよね。そこで、私はメンタリング・プログラムを(特に企業内で)円滑に進めるためには、以下の5つの要素が必要だと思っています。 ①メンターが安心できるだけの初期教育の場を設定すること ②メンタリングはメンティだけでなく、メンターをも育てる仕組みであることを理解させること ③職場の上司にメンタリングの意義と効果を理解させ、少なくとも反対勢力にさせないこと ④綿密にトータルとしてのプログラムが設計されていること ⑤常に事務局が存在感を発揮し、メンターと一緒に歩む姿勢・行動をみせること ①については、例えば新入社員がメンタリング対象であれば今の新入社員の気質・特性や過ごしてきた環境等の説明とともに、簡単な「傾聴スキル」は是非、伝授してあげたいところです。③はもちろん上司が推進者になればベストですが、そうとばかりはいかないので、せめて反対者・妨害者・あまりに冷たい傍観者にはさせないことです。そんな努力も含めて、⑤の事務局の存在感が何よりも大事です。 さて、もう1回、明日に続きます。 《2月13日(水)》 本日、お会いした方から、過去のブログについてのコメントをいただきました。「キャリアにはアップもダウンもない」との話がとても心にしみたと…。毎日、書く元気がでますね。育成には適正なフィードバックが一番ききます。 ![]() |
日曜日くらいは業務的な内容はやめて、気楽な図書紹介です。私は出張往復の新幹線では主に読書で過ごすのですが(飛行機がきらいなので出張の大半は新幹線です)、先日、たまたま手持ちの本がなかったので駅で買った文庫本がこの本です。奥田英朗氏の作品自体、読んだことがなかったのですが、この本と連作前作になる「イン・ザ・プール」は単行本の時から興味がありながらも、なんとなく表紙の絵がフィットせずに読んでいませんでした。そういうのって、ありますよね。
ということで、たまたま開いた本ですが、すっごく面白いじゃないですか。「イン・ザ・プール」「サウスバウンド」と映画化が続いていますが、確かにこれもとても映像イメージがわきやすい作品です。あれこれと悩み深き患者が訪れる伊良部総合病院の精神科で出会う破天荒な担当医伊良部一郎、なんだかんだありながらも伊良部医師の奇行に結局は患者が癒されて気づきを得ていく、というパターンですが、なかなかすがすがしいのです。 患者になるのは、サーカスの空中ブランコのスター、プロ野球の人気選手、人気女流作家、ヤクザの抜擢された若頭、出世が約束されている大学病院の医師、といったやや非日常的な人達ばかりなのですが、実は彼らの悩みは、ことの大小は別にすれば誰もがある時期に感じている悩みなのです。ある種の成功パターンで順調に進んできたものが、ふと気づくといつのまにか何かがズレてきて、今までと何かが違ってうまくまわらなくなってしまっている、そんなはずはないと、もがけばもがくほどうまくいかない……、そんな感じでしょうか。 悩んだ時に駆け込む伊良部総合病院が近くにはない我々としては、自分の気持ちや生活の中に、意識的に伊良部医師的なものを持つのがいいのだと思います。
※昨晩のニュースで明日は東京も一面の雪景色でしょう、といっていたので楽しみにしていたら、どうも東京東部では雪にならなかったようです。少し残念。 ![]() |
このテーマ、3日目です。シェアード・サービス・センター(以降、SSC)の価格体系について、自己流の考え方を勝手に書いてきましたが、昨日は⑤まででした。
①配賦方式ではない業務単位の仔細で具体的な価格体系の整備が大切 ②そのためにはきちんとした原価計算が必要 ③ただし原価計算で出した原価をそのまま利用して単価を決めてはいけない ④原価から導き出した単価は、市場価格に対して競争できる合理的な価格であるか ⑤原価から導き出した単価は、安定したサービスを継続し続けられる合理的な価格であるか 今日はこれに4つ追加しておしまいにしたいと思います。 ⑥仕事の量と質と、請求金額とがリンクする仕掛けが必要 ⑦業務の効率化に協力してくれた顧客会社がメリットを享受できる仕掛けが必要 ⑧業務の効率化を阻害している顧客会社により負担を求める仕掛けが必要 ⑨何よりもメンバーが納得して仕事に取り組める体系であることが重要 上記の⑥は昨日の最後の部分でも触れましたが、できれば毎月の受託した業務量によって請求金額が自動的にきちんと変わるのがいいですね。でも、仕事のボリウムっていうのは、受託人数だけで決まるものではありません。例えば、同じ業務であっても、複雑な仕事を求める顧客会社と単純な仕事でよい顧客会社では単価を変える必要があります。こういった単価システムをきちんとつくっておくと、SSC側の業務効率化も進めやすくなります。 例えば、SSCの業務効率化に都合のよいやり方の場合の単価を、都合の悪いやり方の場合よりも、意識的に低い単価に設定するという考え方もあります。今まで勤怠の連絡を紙でもらい、SSC担当者が手入力していたものをwebのセルフエントリーに変えてもらう場合も、「SSCの業務改善のために、仕事の進め方の変更をお願いします」だと、何を勝手なことをいってるんだという感じに移りますが、「こういうふうにやり方に変えていただければ、受託料金も下がりますし、メリットが出ますよ」といえば、相談にも乗ってもらいやすいのではないでしょうか。制度や運用もシンプルにする提案を単価引下げとセットでもっていくのが⑦の考え方です。いずれにしても、SSCの論理をただ振り回すのではなく、相手の立場にたつことが大事です。 たくさんの顧客会社の中には、いわゆるお行儀の悪い会社もあるはずです。締切を守らない、締切後の変更を依頼してくる、出されたデータは間違いだらけ、制度変更の直前にいきなり連絡をしてくる……、なんて会社です。こういった会社の要望に対応することによって、SSC全体の運営コストがあがり、そのコスト上昇分をちゃんと締切を守ってくれた会社も併せて等しく負担してもらうのは、SSCとしては心苦しいですね。そこで生まれるのが⑧の考え方です。複雑な制度を導入すれば単価を上げますし、何よりも締切を守らなかった場合や、イレギュラーな処理を求めて来た場合には特別料金を徴収するという仕組みが効果的です。この方が明らかに公平なやり方ですし、お行儀の悪い会社もコストに影響するので、そうそう無理は言ってこなくなるという効果もあります。また、最後の⑨にもつながりますし、実務をやっている担当者としても納得のいく考え方ではないでしょうか。 いずれにしても、SSC以前と比較してどのように組織としての意思をもって工夫を入れていくかがとても大事なことだと思います。特に価格体系というものは、メンバーにも顧客企業にも「変わった」というメッセージを伝えやすいツールだと思います。 ※本日、朝一番からコストコ・ホールセールです。あの売り場感覚は好きです。 ![]() |
昨日の続きです。
シェアード・サービス・センター(以降、SSC)の価格体系について、以下のことを昨日は好き勝手に書いていたと思います。 ①配賦方式ではない業務単位の仔細で具体的な価格体系の整備が大切 ②そのためにはきちんとした原価計算が必要 ③ただし原価計算で出した原価をそのまま利用して単価を決めてはいけない ④原価から導き出した単価は、市場価格に対して競争できる合理的な価格であるか ⑤原価から導き出した単価は、安定したサービスを継続し続けられる合理的な価格であるか 今日は⑤の説明です。SSCは自身の都合で事業をやめることができません。グループ戦略の中での役割を担っているわけですから、収益性が落ちたから廃業するという勝手はそうそう通用しません(逆にグループ戦略の中で突然に潰されるリスクはあるのですが…)。ですから、「安定したサービスを継続し続けられる合理的な価格体系であるか」はとても大事な観点です。 業務にもよりますが、わかりやすそうには見えるものの単純な「単価×数」の価格体系は避ける必要があります。仕事に価格をつけろ、といってもこのような単純な構造はいけません。私は基本的には「基本料金+(単価×数)」の価格体系をとっていました。SSCのコストも他の事業と同じく、固定費と変動費からなります。SSCでいう固定費とは、事務所経費・社員人件費・基幹システム維持費が主でしょうか。この固定費を可能な限り「基本料金」部分でまかない、「単価×数」の部分で変動費をまかなうことができれば理想的ですよね。しかし、もともと間接部門では、固定比率相当部分が相当に高かったことと思います。ですから、もともとの間接部門の感覚で業務設計をすると、「基本料金」が非常に高く、逆に単価は非常に低くなり、結果的には配賦に極めて近いものになります。これでは意味がありません。 そこで、SSCに求められるのは、固定費の最小化、変動費の最大化施策だと考えます。これによって、本当の単価制に近づくことができます。固定費の最小化のためには、人件費中の明らかに固定的である社員の占める比率を下げたり、派遣・委託についても固定的なものは可能な限り減らし、当用買いできるような方策を考える、システムについても同様……、といったところです。さらに固定費を削減するためには、季節業務は外注するという手もあります。給与関係で真っ先に手を打ったのは、年末調整と地方税の年度更新でした。アウトソーシングにはそのインターフェース部分にそれなりのノウハウが必要ですので、SSCがそのインターフェースを担うのは1つの考え方だと思います。場合によっては、将来の理想のSSC像は社員は1~2名しかおかないアウトソーシング・コーディネーターではないかとも一時期は考えていました。 この考え方で単価表をつくると、例えば月次給与計算業務では、会社規模別に定めた「給与基本料金」と、「各給与業務の単価×サービス提供人数」となります。各給与業務とは、月次給与計算・所得税計算・地方税計算・社会保険事務・財形制度運営……と細分化して、それぞれに単価をつけていきます。グループ会社が何までを選択するかは自由です。社員が1000名の会社でも、20名の会社でも、同じようにかかるコストが当然にありますので、基本料金はいただく必要があるわけです。この体系でいくと人数が多い会社の方が結果的には1人あたりの単価はかなり安く委託ができ、スケールメリットは提供できます。 でも、これだけではまだ不十分。例えば、給与計算の場合では社員が1000名で1つの賃金制度の会社よりも、社員は200名だけれども4つの異なる賃金制度がある会社の方が実は手間がかかったりします。ですから、「給与基本料金」とは別に「賃金制度運用基本料金」といったものを制度数だけ請求し、業務の負荷と受託料のバランスをとります。 とはいっても、完全に固定費を基本料金でまかなえるほどの変動費化はさすがに無理です。このあたりは、SSCに急に発注がまったくこなくなることはないだろう…と多少の甘えがあってもいいかと思います。何事も「0」か「100」ではないですから。 何だか複雑な話になってきましたが、大事なことは以下の2つです。 ①業務が増えれば料金も上がる、業務が減れば料金も下がるという当たり前のことがオートマチックに成立する仕組みができていること ②大きな変化があってもSSCとして安定したサービスを提供し続けられる仕組み(固定費をある程度はカバーできる仕組み)が組み込まれていること ②についてですが、例えば何かの都合である業務の対象人数が10000人から5000人に減ったとします。当然、業務が減るのでコストはそこそこ下がりますが、システムを捨てられるわけでもなく、人数が変わっても同じようにやらなければならない部分の仕事もありますから、原価は半分には絶対になりません。そんなケースでもそれなりには耐えられる仕組みがあるかどうかです。 どういうわけやら、また長くなってしまいました。料金については、もう1回続きを書かせてください。次はもう少しシンプルな話です。 ※終日、社内や親会社でいつくかの会議。会議の合間に仕事の処理をしますが、どうもちょこっと雑になります。特に相談への対応が雑になる、いけませんね。 ![]() |
週に1回はシェアード・サービス・センター(以降、SSC)の運営について書くことにしようかなと思います。この仕組みって、やっぱり必要だと思うのですが、担当されている人にとってはその運営はなかなか難しいと感じますので応援を少しでもしたいです。もちろん学術的な専門家ではないので、実務経験から感じたこと・得たことどまりとなりますし、私が経験したのは人事SSCなのでやや偏りがあるかもしれません。いずれにしても、私はSSCという形態にまだ大変な期待をしています。そんな思いも込めつつ書きたいと思います。多くのテーマは別にSSCだけに関係するテーマではなく、組織全般に通用する話かもしれません。
ただし、今日のテーマはいきなり面倒な話「価格体系」の話ですので、SSC固有の課題ですかね。 SSC設立の大きな意義の1つは、従来は単に一定基準でコストを配賦していた間接部門の業務について、きちんとした単価を付け、それをサービスの対価とすることだと思います。これは仕事の本質を変えることです。SSCを設立しても、旧来の配賦と変わらないような価格体系のSSCも見受けられますが、個人的には理解ができません。 価格体系・単価表の整備によって、間接業務が「専門サービス」という商品になり、コスト感覚とか、品質管理意識とか、顧客意識とかいうものが芽生え、比較的内向きであった間接業務の担当者にも企業家としての意識が生まれ、それらが業務改善へのエンジンとなっていき、最終的にはグループの収益・価値へ貢献ができるというプラスのスパイラルを生み出すことが大切です。これなくして、SSC設立の意味はないといってもいいくらいだと思います。 グループ全体の経営が厳しくなり、グループ企業のコスト意識がさらに高まってきた場合、曖昧な価格体系のSSCではグループ企業からの価格引下げ交渉に対して有効な交渉が出来ません。もともとグループ企業は間接業務の専門サービスに対価としての料金を払う習慣を持っていませんから、往々にして「当社のSSCは高い」と思いがちです。漠然とした価格引下げ要請にコスト削減で対応していてはメンバーのモチベーションは下がります。少なくとも市場価格との比較論の中で、広い意味でのサービスの質の比較も持ち出し、価格交渉ができるようなロジカルな価格体系は絶対に必要です。 業務に単価を付けるためには、当たり前のことですが原価計算が必要です。間接業務の多くでは、SSCという概念が導入されるまでこの原価計算がほとんどされていなかったのではないかと思います。きちんと業務別の原価計算をするだけでも、仕事のスタンスは大きく変わります。 間接業務の原価は、例えば私の経験した人事部門でいえば、大きく3つに分解されると思います。①人件費、②システム使用料、③外部支払い経費、とでもなりますでしょうか。それぞれを業務別に分解すれば、原価計算は可能になります。私が立ち上げた人事・給与専門のSSCでも、それなりに原価計算をすると、年末調整の計算1人あたりいくら、新卒採用1人あたりいくら、新任管理者研修1人あたりいくら、賞与金の計算1人あたりいくら、人事異動の通知1回あたりいくらという原価が出ます。 でも、この原価をそのまま単価にしてはいけません。次の2つの点が大事です。 ①市場価格に対して競争できる合理的な価格であるかどうか ②安定したサービスを継続し続けられる合理的な価格であるかどうか 市場価格については、今やほとんどの業務で入手可能です。ただし、同じ「年末調整の計算」といっても、仕事の幅や深さは違いますから、仕事の中味をよく確認して比較する必要があります。 そして、あまりに市場価格とかけ離れた業務があった場合には、次のことを疑います。 ①何か仕事のやり方にひどく非効率的な部分があるのではないか ②何かあまり必要とされていない過剰なサービスを提供しているのではないか このような場合、当初は赤字の価格設定をして業務の改善を図る、何てこともあっていいと思いますが、いずれにしても市場価格と比較することにより、自社の業務を客観的に見直すことができます。私がSSCを立ち上げた際には、その前年に人事給与アウトソーサーからとったフルアウトソーシングの見積もりを比較すべき市場価格に設定しました。かなりの回数のヒヤリングと、それなりの業務分析の上で出していただいた見積りなので、比較対象としてはよかったと思います。受注できかなったアウトソーサーの方には恐縮ですが。 さて、価格体系をつくるためのポイントというか工夫は他にもいろいろとあります。ちょっと長くなったので次回で、ということにさせてください。 あれやこれやで仕事でばたついていますが、夜は慶応丸の内に行き、勉強会。このような会を運営される方には頭が下がります。テーマはメンタリング、熱い人達は話すのが本当に好きです。 ![]() |
先日、キャリアカウンセリング協会のお手伝いをしてきたこともあり、あらためてGCDFにおけるヘルピング(いわゆるカウンセリングのことをGCDFではこう称します)の難しさを実感し、苦闘していた日々を思い起こしました。GCDFはヘルピングにおける関係構築段階を徹底的に重要視しますが、これは日常のマネジメントや人間関係にも応用できるものです。ちょっとこのあたりを整理してみたいと思います。
ヘルピングのプロセスでは、良い関係構築ができた場合、クライアント(相談者)の中で以下のような変化が生まれると考えられます。 ①ちょっと話してみた ②この人にはわかってもらえた ③どうやら何でも話せそうだ ④自ら話し出す ⑤自分なりに新しい視点に気づく ヘルピングというのは、カウンセラー側が何かを教えたり、説得したりする場ではありません。ですから、最終的には⑤の気づきを呼び起こすことが大切ですよね。①⇒②⇒③⇒④⇒⑤と段階が進むのであれば、⑤の実現のためにはまずは②の段階にたどり着く必要があります。人が話したこと(外側のこと)と、本当にいいたいこと(内側のこと)はおうおうにしてイコールではありません。④の段階で内側のことまで話してもらうためには、まずは②の段階を通過する必要が絶対にあります。つまり「この人にはわかってもらえた」という感覚を相手にいかに持ってもらえるかが大事です。そして初めて「どうやら何でも話せそうだ」と思ってくれるのです。 仮に①の段階でGCDF側が「相手の気持ち」(内側のこと)を明確に理解することができたとします。でも、それだけでは十分ではありません。あくまでも相手が「わかってもらえた」と感じることができるように、GCDFから相手に「自分がわかった」ことを伝える必要があります。その結果、はじめて相手はこのGCDFには私のことを「わかってもらえた」と実感できるわけです。GCDFの頭の中にだけ理解があっても、意味がないんですね。これって、普段のコミュニケーションを考える上でもとても大事なことです。話はずれますが、上司の「声がけ」が大事たというのにもつながりますね。 ですから、GCDFの関係構築段階では「わかったことを伝える」ことを非常に大事にします。なんだ簡単なことじゃないかと思うかもしれませんが、これが実に難しいんです。人がいう言葉は、「何について」(客観的な対象)と、「どうだ」(それに対して感じている気持ち)に分かれます。「何について」を理解できたことを返してあげても、この人はちゃんと話を聞いてはいるなとまでは思ってくれますが、「わかってもらえた」とまでは相手は感じません。「どうだ」という気持ちの部分を理解したということを返すことが出来てはじめて、「わかってもらえた」感が出ます。このあたりを繰り返し学習するのですが、これが難しいのです(ここでの説明自体も難しくなってしまっていますね)。 なかなか私たちのビジネスの日常では、頭の中で理解をしても、それを相手に伝える努力をするということについては、訓練されていません。また、私たちはビジネス社会の中で、効率化・明確化・客観化を求める癖がついています。さらには、現状分析を徹底的に行った上で考察に入る癖も染みついています。そこでは、どうしても感情が置き去りになり、そうして人間関係の中での失敗を生みます。少なくとも、日常生活の中で①~③までの関係を周囲の人と構築できたのであれば、いろいろなことがスムーズに進むのではないかと思います。だいたい「この人はわかってくれるな」という実感がないとなかなか本気の話なんかできませんものね。 都内も雪でしたね。結構、根性を見せて夕方までは振り続けました。家がTDLから近いからではないですが、都心で雪が降るのをみると、きっとジャングルクルーズはシュールな姿を見せているんだろうな、こんな日は案内のお兄さんはどんなアドリブをかますのだろうかと考えてしまいます。 ![]() |
昨年、仲間と大学生についての研究を行い、日本キャリアデザイン学会で発表をする機会がありました。大学生のどんな活動が「社会人基礎力」の向上に寄与しているのか(成長に結びついているのか)をみたのですが、どうも「何に」「どの程度」参加するということよりも、「どのように」参加するのかといったことが、成長には関係があるようです。ある意味では当たり前のことのようにも思いますが、データでも検証はできており、それなりの反響をいただくことができました。
質問紙調査の中から1つデータを例示しますが、選択肢として示した13種類の「活動への参加状況(参加の仕方)」について、社会人基礎力が高い層と低い層での差異のが大きかった順に並べたものが以下の1位から13位の羅列です。つまり、より上位にあるものほど、成長に寄与する「参加の仕方」であり、下位にあるものほど成長にはあまり関係のない「参加の仕方」だといえます。13位の「その活動へは、ほとんど毎回参加(出席)している」はダントツの最下位であり、何でもいいから参加すればいいということではまったくないことがわかります。4位に「成功体験」があるものの、「失敗体験」は12位と、この落差にも注目したいところです。 1位:その活動における自分の責任はかなり重いものである。 2位:その活動では、うまくやるために常に考えたり工夫をしている。 3位:その活動における自分の役割はちゃんとはたしている。 4位:その活動では印象に残る「うまくいった、成功した経験」がたくさんある。 5位:その活動を通じて、自分の考え方や意識はずいぶん変わったと思う。 6位:その活動では、年上の人や社会人と接することが多い。 7位:その活動に対してはかなりのエネルギーをそそいでいる。 8位:その活動を通じて、自分の行動はずいぶん変わったと思う。 9位:その活動は自分の将来のためにかなり役に立つと思う。 10位:その活動では、自分の役割をはたすために、結構苦労している。 11位:その活動で得たことは一生忘れないと思う。 12位:その活動では印象に残る「失敗経験」がたくさんある。 13位:その活動へは、ほとんど毎回参加(出席)している。 先日、就職活動真っ最中の学生と話していて、このデータの新たな活用方法を思いつきました。 自分の学生生活を振り返っても、面接の中で何をアピールすればいいのかなかなか決められないという学生の皆さん。皆さんの学生生活の中で、上記の上位にランク(上位5つでしょうか)されているような感覚を得られた活動経験をちょっと無理矢理にでも思い出してみてください。それを自分の言葉で整理すれば、面接でのアピール材料にきっとなるはずです。たぶん、真剣に思い出せば、いくつかは相手に説明できる活動経験は出てくると思います。その活動経験を思い出して、自分の言葉で整理していく段階で、その活動経験に対しての自分なりの意味づけがきちんとできれば、きっと面接官にも説得力のある話にできるはずです。今回の調査からいえば、きっとそれらの活動経験は皆さんを少なからず成長させているはずですから。 左手の中指がうまく曲がらなくなりました。ずっと直らないので、病院に行ったら腱鞘炎からくる「ばね指(弾発指)」だとの診断。指の関節が滑らかに動かずに、びっく箱を開けたときに飛び出すばねのような動きをするのです。治癒はまったくしませんが、説明が腑に落ちると何となくすっきりするものです。 ![]() |
来週は「HRD JAPAN 2008」がありますね。本業が人事でなくなると、なかなかこの手のイベントには費用的に行きにくくなることもあり、私は残念ながら行く予定はないのですが…。今年のテーマは「人材の活力が組織の未来を創る」だそうです。
「人材教育2月号」で「HRD JAPAN 2008」の誌上プレビューが掲載されていますが、その中で慶應義塾大学の花田光世先生がプログラムにみるここ数年の変化について、以下のように書かれています。 『一昨年までみられた「成果主義」「報酬」といったテーマが姿を消し、「コミュニケーション」「キャリアサポート」「働きがい」といった、「個人」を中心に据えたテーマが多くなっている…(中略)…この流れは、成果主義の進展に対する1つの調整結果の表れでもある』 重視されてきているのは、まさに「個の視点に立った現場の活性化」です。このような課題に人事が踏み込まざるを得なくなった背景には、モチベーションやモラルの低下、事業環境の変化による人材の不適合の問題等があるとされていますが、確かにここ十数年ほどの人事施策は、人事制度構築・導入に視点が偏りがちであり、個人レベルへの支援は相当に後手にまわっていたと実感します。その歪は間違いなく来ています。 こういった背景の中で、人材に対しての新たな視点を早く確立できた会社が競争優位に立つのではないかと切に思います。 昨日は都下の国立まで赴き、大学生の皆さんと終電まで飲んでいました。国立って、国分寺と立川の間にあるから、国立っていうってご存知ですよね。 ![]() |
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