先日、キャリアカウンセリング協会のお手伝いをしてきたこともあり、あらためてGCDFにおけるヘルピング(いわゆるカウンセリングのことをGCDFではこう称します)の難しさを実感し、苦闘していた日々を思い起こしました。GCDFはヘルピングにおける関係構築段階を徹底的に重要視しますが、これは日常のマネジメントや人間関係にも応用できるものです。ちょっとこのあたりを整理してみたいと思います。
ヘルピングのプロセスでは、良い関係構築ができた場合、クライアント(相談者)の中で以下のような変化が生まれると考えられます。 ①ちょっと話してみた ②この人にはわかってもらえた ③どうやら何でも話せそうだ ④自ら話し出す ⑤自分なりに新しい視点に気づく ヘルピングというのは、カウンセラー側が何かを教えたり、説得したりする場ではありません。ですから、最終的には⑤の気づきを呼び起こすことが大切ですよね。①⇒②⇒③⇒④⇒⑤と段階が進むのであれば、⑤の実現のためにはまずは②の段階にたどり着く必要があります。人が話したこと(外側のこと)と、本当にいいたいこと(内側のこと)はおうおうにしてイコールではありません。④の段階で内側のことまで話してもらうためには、まずは②の段階を通過する必要が絶対にあります。つまり「この人にはわかってもらえた」という感覚を相手にいかに持ってもらえるかが大事です。そして初めて「どうやら何でも話せそうだ」と思ってくれるのです。 仮に①の段階でGCDF側が「相手の気持ち」(内側のこと)を明確に理解することができたとします。でも、それだけでは十分ではありません。あくまでも相手が「わかってもらえた」と感じることができるように、GCDFから相手に「自分がわかった」ことを伝える必要があります。その結果、はじめて相手はこのGCDFには私のことを「わかってもらえた」と実感できるわけです。GCDFの頭の中にだけ理解があっても、意味がないんですね。これって、普段のコミュニケーションを考える上でもとても大事なことです。話はずれますが、上司の「声がけ」が大事たというのにもつながりますね。 ですから、GCDFの関係構築段階では「わかったことを伝える」ことを非常に大事にします。なんだ簡単なことじゃないかと思うかもしれませんが、これが実に難しいんです。人がいう言葉は、「何について」(客観的な対象)と、「どうだ」(それに対して感じている気持ち)に分かれます。「何について」を理解できたことを返してあげても、この人はちゃんと話を聞いてはいるなとまでは思ってくれますが、「わかってもらえた」とまでは相手は感じません。「どうだ」という気持ちの部分を理解したということを返すことが出来てはじめて、「わかってもらえた」感が出ます。このあたりを繰り返し学習するのですが、これが難しいのです(ここでの説明自体も難しくなってしまっていますね)。 なかなか私たちのビジネスの日常では、頭の中で理解をしても、それを相手に伝える努力をするということについては、訓練されていません。また、私たちはビジネス社会の中で、効率化・明確化・客観化を求める癖がついています。さらには、現状分析を徹底的に行った上で考察に入る癖も染みついています。そこでは、どうしても感情が置き去りになり、そうして人間関係の中での失敗を生みます。少なくとも、日常生活の中で①~③までの関係を周囲の人と構築できたのであれば、いろいろなことがスムーズに進むのではないかと思います。だいたい「この人はわかってくれるな」という実感がないとなかなか本気の話なんかできませんものね。 都内も雪でしたね。結構、根性を見せて夕方までは振り続けました。家がTDLから近いからではないですが、都心で雪が降るのをみると、きっとジャングルクルーズはシュールな姿を見せているんだろうな、こんな日は案内のお兄さんはどんなアドリブをかますのだろうかと考えてしまいます。 ![]() スポンサーサイト
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