はい、6月もお仕舞いです。ということは、2008年も既に半分が終わってしまったということ。夏至も過ぎたので、これからは日没も早くなるばかり、う~ん早いですね。
ということで、私が自分で自分が何を書いたかを思い出すためにやっている半月毎の整理です。 6月16日 終電間際の吉野家でみたOJT 6月17日 2種類の自動制御(シーケンス制御とフィードバック制御) ~SSC談話019~ 6月18日 大学時代の活動・経験によって学ぶこと 6月19日 食品SS連絡会「給与実務者研修」 ~SSC談話020~ 6月20日 海外旅行と非正規雇用者 6月21日 遅くなりましたが、ちょっと整理です…6月前半編 6月22日 ミドルの持つ人脈 6月23日 自己開示の返報性 6月24日 ミドルのポジション 6月25日 ミドルのモチベーション 6月26日 適応すれども同化せず 6月27日 ノルウェー会 6月28日 中小企業活性化機構 6月29日 品質管理委員会の反省 ~SSC談話021~ 今回は22日から25日は、WORKSシンポジウムの「ミドルのブレークスルー」からみの話が続きました。6月前半からかなり続いてますが、やっぱりインパクトが強かったです。 6月26日には私自身の仕事が変わりました。このブログでは、引き続きよろしくお願いします。 《6月30日》 オフィスレイアウト替え、荷解きで大変です。 ![]() ![]() スポンサーサイト
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以前に責任者をつとめていた人事SSCでの話です。「品質管理委員会」というのを設けていました。
何か品質事故があると、当事者はただちに上司と関係者に声をかけて、品質管理委員会を召集します(上司が召集するのではないところが1つのポイントです)。この委員会では、対処方法の検討と二次災害防止施策を決定して、皆で分担してそれに即座にあたります。また、品質事故はきちんと台帳に記入し、一段落後に再発防止施策を検討して、それも記録します。品質事故とその対処を組織の財産として残すこともとても大事なことです。委員会の位置付けとしては必要なものだったと思いますし、機能できていたと思います。 品質管理という言葉は、顧客満足という言葉とともに、間接部門がSSCに衣替えすることによって、身近に意識をするようになる言葉です。 ところで、先日、まったく別のことを考えていて、この品質管理委員会のよくなかった点に思い至りました。それは、開催を急ぐため、たいていが職場のオープンスペースで実施していた点です。他のメンバーからも見えてしまい、また話し合い内容も聞かれるような場所で、自分の失敗を説明し、その対処を検討してもらっていた部下はさぞかしつらい思いをしていたでしょう。もちろん即座の開催が重要なので、会議室があくまで我慢しているわけにもいかないことと、別にミスをしかるのではなく、対処と二次災害防止策を検討するのが目的でしたので、当時はあまり意識しなかったのですが、やはり「褒めるのは皆の前で、しかるのは部屋に入って一対一で」の原則はこれにも適用すべきだったのです。内容を周知徹底・共有化するのであれば、後にメンバー全員に顛末をメールすればよかっただけのことです。 やっぱり何事もどっぷりつかってしまうといけません。鳥瞰的な目線を意識してもたなければいけません。 ※「SSC談話」のシリーズは、私が人事SSCを立ち上げ、リーダーとして3年間試行錯誤の経験をしたことをベースに書いています。すでに異動して2年以上を経ていることと、あくまでも事業範囲が人事・給与・教育・採用のSSCであったことを割り引いてお読みください。不定期に思いつきで書いています。また「Q&A」のシリーズは、某社のSSCの勉強会でお話をさせていただいた際のQ&Aからです。非常に印象的な企画でしたので引用させていただいています。もちろん表現は少々変えて内容を普遍化させていますので、一般的な話としてお受取ください。SSCに興味のある方は、左側の「カテゴリー」欄から「シェアード・サービス」を選択し、過去のバックナンバーも是非、ご参照ください。 《2008年6月29日》 今日みたいな雨の日は終日家にいて好きな小説でも読むのがいいんですが、出かけなければならない用事がありずっと外でした。世の中には「サザエさん症候群」というのがあり、日曜日の夕方に「サザエさん」をみると明日は会社だなぁと憂鬱になるとか。私の場合は「サラリーマンNEO症候群」ですかね。どうして、あそこまでさわやかにくだらないんだろう。「世界の社食から」のキャノンは良かったですね。 ![]() ![]() |
「WORKS」誌最新号の特集「ミドルのブレイクスルー」の最後に書かれていた大久保幸夫ワークス研究所所長のまとめの中から。
ミドルの「仕事での成長実感」のスコアが、ジュニアやシニアよりも低いことを問題視した上で、ミドルの「仕事での成長実感」が何によって左右されているかの分析結果を整理されています。大変に示唆に富みます。 ①シニアやジュニアと比較しての「仕事負担感に関する不満」は成長実感に対してマイナス。 ②キャリア展望があると成長実感にブラス ③ジュニアのうちに多くの成功・失敗体験を積まないと成長実感にマイナス。 ④育成責任がある部下の人数が多いほど、また部下のメンタルヘルス対処を期待されているほど、成長実感にプラス ⑤労働時間が少な過ぎず、多過ぎずの時に、最も成長実感がある(45時間~60時間/週程度の適度の忙しさが成長実感にプラス)。 ⑥ミドルマネージャーの平均在任年数は7年間だが、この年数を超えると成長実感は低下する。 これらの問題の解決には、あらゆる人事的課題に着手する必要がありますね。多くの企業がこれに気づいてきています。先日の学習するミドル・学習しないミドルでもありましたが、ジュニア時代の過ごし方がミドル時代のあり方に顕著に影響を及ぼしています。その意味では今のミドル問題は、ある部分はバブル入社問題なのかもしれません。 《2008年6月25日》 本日はキャリアカウンセラー仲間が私の異動を祝して、ではないか、まぁそんな集まりがありました。こういう人達と集まると、暖かい気持ちと元気がもらえます。 ![]() ![]() |
昨日の内容の続きですが、ミドルが人脈を構築するプロセスにおいて「自己開示」「信頼」「自信」の3つをキーとなる要素としていました。確かに実感できます。特に「自己開示」というのは大切なように思います。
「自己開示」とは、自分の持っている情報を他人に向かって多く開示することに他なりませんが、自分の考えや意見を他人に知ってもらおうという行動をとることによって、相手も同様なレベルの情報を返そうという傾向が強いそうです。こういった現象は、心理学の世界では「自己開示の返報性」と呼んでいるそうです。 とはいっても、しょっちゅう自己開示はしていられませんし、初めて会った人にその都度、自己開示しているのも変な感じです。その意味でも「一緒に苦労した経験」が人脈構築には影響があるのは当たり前のことなのかもしれません。一緒に時を過ごす中で自己開示がなされ、徐々に相手への信頼が醸成されていくことになりますね。 この話、GIVE&TAKEの話とも少し関係が出てきますね。 ※《2008年6月23日》 部署の送別会。企業人になって3回目の主賓です。異動回数は非常にこれまで少ない方です。お餞別に焼酎サーバをもらいました。1升以上入りそうです。 ![]() ![]() |
だいぶ遅くなったのですが、6月前半のブログの整理です。今週は忙しくてなかなか整理ができなかったのですが、やっておかないと、片っ端から書いたものが何だったかを忘れていってしまいますので。とりあえず15日分までを整理しておきます。
今月前半は以下のようなコンテンツとなりました。 6月1日 朝、出社をしたらメンバーの顔を正面からまず見よう 6月2日 GIVE&TAKE 6月3日 物語がリアルに価値観を伝える 6月4日 Q&A⑥安定と改革・改善は果たしてトレードオフか ~SSC談話017~ 6月5日 Q&A⑦「思い」を理解する重要性 ~SSC談話018~ 6月6日 留学生30万人計画と日本の教育投資 6月7日 図書紹介: 『ユービック』 フィリップ・K・ディック著 (早川文庫) 6月8日 ミドルと世代継承性① 6月9日 ミドルと世代継承性② 6月10日 ミドルと世代継承性③ 6月11日 「ありがとう」は伝染する 6月12日 生まれ変わっても今の女子中学生にはなりたくない 6月13日 今の大学生の特性は… ~R-CAPから 6月14日 図書紹介: 『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』 フィリップ・K・ディック著 (早川文庫) 6月15日 節目年齢について考える ワークス・シンポジウムで聞いた「ミドルと世代継承性」について3夜続いています。このテーマって、ほんとうにいろいろなところにつながります。ちなみにこのブログ、一応毎回「カテゴリー」に区分しているのですが、「ミドルと世代継承性」については、6月8日が「キャリア~全般」、6月9日が「モチベーション」、6月10日が「HMR全般」とたまたまですが、いずれも異なるカテゴリーに分類をしていました。つまり、そういうこと……です。 ディックの書評も書く必要があったので、2冊とりあげていますね。懐かしいです。未読の方は、チャレンジしてみてください。6月11日:「ありがとう」は伝染する、6月12日:生まれ変わっても今の女子中学生にはなりたくない、あたりは是非、読んでいただきたいお話です。 ※《2008年6月21日》 午前中はコストコに。やっぱり楽しいですね、ここは。夕方から引継書の残りを執筆。明日に続くです。 ![]() ![]() |
以前に紹介した食品業界の人事系シェアードサービスセンターの集まりである食品SS連絡会の定期会合が昨日ありました。
この会、単に情報交換をするだけでなく、様々な活動をしています。その中でも特筆すべきは「給与実務担当者研修」という3回シリーズの講習会を毎年、自らでカリキュラムを設計し、運営していることです。今年で確か5年目になると思いますが、また募集が始まりました。 給与担当者というのは、社内では自分達以外に同じ仕事をしている人がいない寂しい存在なのですが、社外に出ればどこの会社でも似たような仕事をしている人がいます。結構、1人で業務改善で悩んでいたりするのですが、他社の同じ業務の担当者と交流しながら研修を受けると、何か大きいブレークスルーが生まれるのではないかというのが、研修設立当初の思いです。しかも、業界が同じであれば比較的共通項も多く、真の交流が生まれやすい環境があります。この狙いは見事に当たり、毎年かなりの盛り上がりをみせています。新たに給与担当者になった社員への動機付けとしても、とても機能していると思います。 3年目からは既に研修を受講して次のリーダークラスを期待されている層向けに「アドバンスコース」というのも立ち上げています。今年のカリキュラムでは、事例研究・コミュニケーションスキルの向上・自組織や自分の課題を考える、などといった内容が並んでいます。 この研修の特徴(キーワード) ①『交流』: 「個人&グループワーク」を通し、会社間を超え同じ仕事に携わる実務者としてコミュニケーションを深める。 ②『気づき』: キャリア志向の高い人や現状に悩みを抱えている人が、ディスカッション主体に進められていく研修の中で「気づき」を得る。 ③『悩みの共有化』: 事前に「悩みシート」を配布&回収、講師からの適切なアドバイスを受けつつ、グループ内での悩みの共有化を図り、解決策を模索する。 ベーシックコース(基礎コース)の狙い:給与実務担当者の1年間をシミュレーションし、必要となる知識・スキルを確認する。 アドバンスコース(中級コース)の狙い:給与・社会保険の基礎を習得した者を対象として、将来のリーダークラスを育成する。 シェアード・サービス・センターでは実務担当者が主役です。主役にスポットをあてたなかなか素晴らしい研修だと自認しています。 ちなみにベーシックコース、アドバンスコースという名称は、慶応MCCのキャリアアドバイザー講座からのパクリです。慶応MCCさん、ありがとうございます。 ※《2008年6月19日》 今日の夜は慶應義塾大学SFC花田研究室のメンター対応です。神田の日清製粉本社まではるぱる来てもらい3時間ほどディスカッション、その後は西口商店街で飲みました。若者もよく学んでいます。負けていられません。 ![]() ![]() |
CDCの活動の一環で、ある企業の新人対象に行った質問紙調査の結果から、「学生生活を通じて顕著に身につけた能力」についての回答を整理し、社会人基礎力の3つの要素別に分類してみたところ、要素毎に顕著に使用されるフレーズや経験の内容・特徴というものがあることがわかりました。
以下は、活動や経験を通じて学んだ内容を社会人基礎力の3つの要素別に整理したものです。CDCの仲間が整理してくれたものをそのまま引用しています。 ■前に踏み出す力 失敗を恐れずチャレンジする楽しさ 自分自身に正直に、感じたことを表現し伝える 人に自信と勇気を与える「言葉」の大切さ 自ら熱意を伝えて行動に移すことの重要さ 「自分でも何かを作り出すことができる」という自信 忍耐力(案を出して何度も叩かれて、動じなくなった) ■考え抜く力 目的と手段を履き違えないこと 当たり前のことに対して疑問を持つこと 仮説-検証サイクルを回すことの大切さ 目的と現状のギャップを考えること 同じ方向から見てはいけないこと 他人に積極的に自分のアイディアを示すことで良いアイディアが生まれてくるということ ■チームで働く力 自分の主張と周囲の意見のバランスを考える 相手の話を聴くことの大切さ 一人の意見を皆で膨らませるとうまくいく 予測して先回りして動くこと チームワークの重要性、楽しさ、難しさ 仕事を抱え込まずメンバーに振ることの大切さ 理不尽に対してどのように対処すべきか考える なかなか社会人でもそんなことできてないぞ、というレベルの内容が結構、並んでいますが、間違いなく学生自体の活動経験から大事なことを数多く学生は学んでいることがわかります。このメカニズムを少しでも解き明かし、最終的にはそれを何かの役に立てていただくことが、当面のCDCの目標になっています。 ※《2008年6月18日》 本日は食品SS連絡会という食品業界のシェアードサービス担当者の会に参加したあと、ノルウェー会という食品業界の元採用担当者が中心の不思議の会と、懐かしい会が続きました。体調不良も少し治った様な… ![]() ![]() |
先週の土曜日に続けて、フィリップ・K・ディックの作品紹介です。例の書評はこの本にすることにしようと思っています。大丈夫かなぁ。明日にでも書いてみます。
とにかくディックの作品の魅力は、何が真実であるかという問題は、気づいてみると相対的な問題になってしまっており、結果的には常に現実を疑えということになるところですかね。これって、ビジネス感覚的にも大事なことだと思うんですよね。 本書の舞台は核戦争で半廃墟となった未来の世界です(ディックの作品にはこんな舞台設定が多いです。冷戦時代というのはこういう感覚が身近だったのでしょうか。怖いことです)。地球には一握りの人間だけが住み、多くは火星への移住を余儀なくされています。火星での過酷な生活を支援するために移住者にはアンドロイドが配給されています。アンドロイドはいわゆるロボットではなく、生物的有機的に作られているので、まったく人間そっくり。人間のように感情も持ち、模造された記憶すら持っています。 主人公であるデッカードは、火星で罪を犯し地球に逃げ込んだアンドロイドを始末することによって賞金を稼ぐことを職業としています。そして、最強のアンドロイドチームが地球に逃げ込み、その始末を命じられます。アンドロイドは人間とまったく区別がつかないので、なによりもまずアンドロイドであることを証明してから始末をしないと、間違えて人間を殺すことになりかねません。そこで使用するテストが、感情移入度テストという質問法なんですね。修羅場で悠長に質問法を使うあたりがなんともいえません。アンドロイドの一部は自分を人間だと思い込む記憶を植え付けられているケースもあります。感情移入テストによって初めて自分がアンドロイドだったことを知る…なんてドラマも出てきます。こうなると、誰が人間で誰がアンドロイドなのかが渾然としてきます。一時は主人公自身も、自分はもしかしてアンドロイドだったんではないかと思い、自らに感情移入度テストを試す、なんてちょっと哀しい場面も出てきます。 この作品の素敵な別のモチーフが、電気動物達です。放射能により地球の動物の大半が絶命しており、動物は大変な貴重品です。本物の動物をもてない人は、本物そっくりの電気動物で心を癒しています。主人公のデッカードも、もともとは本物の羊をもっていたのですが、ある日に病死して以来、隣人にもばれないように電気羊を飼っています。まるで本物の羊のように大事に……。電気猫、電気蜘蛛、電気ヒキガエルなども重要な登場人物になっています。 本書はハリソン・フォード主演の名作映画「ブレード・ランナー」の原作としても知られています。ディック作品は実は数多く映画化されているんですね。原作と相当にテイストが違うのも多いですが。
※《2008年6月14日》 本日は昼はメンタリングの勉強会、ただし、残念ながら時間的にほとんど参加できずに山手線の某駅にお邪魔して別の勉強会。駅長さんがアテンドしてくださり、駅の裏側見学もありました。 ![]() ![]() |
昨年の11月に慶応丸の内の「夕学五十講」で聞いた明治大学の諸富祥彦先生の「ひとりの時間が自分らしさを作る~孤独であるためのレッスン」の中で伺った話です。ちょっと思うところあって、突然、多くの方に伝えたくなりました。
冒頭の部分で、まずこんな話をされていました。 「私は生まれ変わっても今の女子中学生にはなりたくない。コテコテの人間関係の中で歯を食いしばって生きている子が多い。自分らしく生きるなんていうのはとんでもない。薄っぺらな人間関係を作るために、ものすごく気を使って疲れきりながらも何とか生きている。」 本当にそうなんでしょうね。それに続いて、働く母親に対してのアドバイスです。 「働く母親へのアドバイス。もっとも家庭に時間を割くべき子供の年代は、小学5年生から中学1年生。特に女子はこの時期は大変。幼少期には逆に専業主婦ではない方がかえって良い。育児は本当に重労働。1人だけでこなせるものではなく、専業主婦として1日中、子供と一緒では自然と不機嫌な顔で子供に向かってしまいがち。大変な育児という仕事の任せられる部分は他人に任せて外に働きに出て、家庭にいることができる限られた時間は「笑顔」で過ごしてあげるのがいい。」 企業もこのような声を参考にして、子育支援施策を検討する必要がありますが、少しずれていますね。 「不登校で久しぶりに学校に来た女子中学生の話。「先生、1人でいるのってそんなに悪いことでしょうか」。自分は友達といるよりも、1人で絵を描いたり、本を読んだりしている方が好きなのだが、大人は皆、友達を作れという。」 「30代女性。友人を作れ作れと親や先生に言われて、無理して友人を作ってきた。でも、頑張って作った友人で今でも続いている友人はほとんどいない。本当にあの努力は意味があったのかと思う。無理に友人を作る必要はないんだよ、といってくれる大人に早く出会いたかった」 友達がたくさんいるのがいいこと、1人でいるのはおかしなこと、といった脅迫概念が親からも先生からも友達からテレビからも迫り来ているわけです。「KY」という言葉がちょっと前に流行りましたが、これも「KY」な人が増えていることが問題なのではなく、実は「KY」でないことを強制する価値観の全体主義体制化が当たり前になっていることの方が本当は怖いのです。 諸富先生のお話は、是非、一度ライブで聴いてみてください。すごいです。 とりあえず、ここのあたりの話を深めたい方は、以下の本をどうぞ。私はその場でサイン本を買ってしまいましたよ。また、サインがお茶目なんです。
※《2008年6月12日》 今日は朝から大阪市内まわり。久しぶりに帰りの新幹線では、飲みもせず、居眠りもせず、仕事をし続けて帰りました。腰にはよくないです。 ![]() ![]() |
昨日の世代継承性の話の中で、世代継承性が企業内でミドルの上司と若手の部下という間で世代を超えて伝播されているということに触れましたが、今日も伝播(伝染)の話です。
伝染病もそうですが、悪いことは伝染しやすいものですが、実はよいものもきちんと伝染するのです。世代継承性が世代を超えて伝染していくように。 例えば、朝に会社にきたときに、誰も挨拶をしない職場ってありますよね。でも、粘り強く挨拶をしていると、誰かがいずれ返してきます。これはまさに「挨拶」の伝染ですね。 また、「CSの前にESあり」といいますが、これは従業員の得た満足から、顧客にも満足して欲しいといった気持ちを呼び起こすという、「S」が伝染していく仕組みを狙っての話です。 さて、関西にあるヨリタ歯科クリニックはご存知でしょうか。「患者が選ぶ良い歯科医院No1」に選ばれた歯科クリニックであり、CS・ホスピタリティのケースにしばしば登場しますが、そちらの寄田院長の言葉です。 「ありがとうは伝染する」 ヨリタ歯科クリニックのホームページは本当に歯医者ですか?というような素敵さです。その中でも、「2008年 夢 寄田幸司の年間行動目標」というのを是非、まずは読んでみてください。非常に熱くて思いが明解です。「変わることのないクリニックの文化」も素敵です。これを実践しようと日々取り組みを休まないところは頭が下がります。メンバーがそれにきちんとコミットしているのも素晴らしい。家が遠いので、実際に診察にお邪魔することができないのが残念ですが。近くの方、実際に診察を受けたら是非結果を教えてください。 「2008年 夢 寄田幸司の年間行動目標」から、「ありがとう」についての話をちょっと引用しますね。 =================================== ●ありがとうの言葉を言い続けます 「ありがとう」は、日本で一番美しい言葉だと思っています。言っても聞いても気持ち良いです。 多くの「ありがとう」が聞けるため、私は出来るだけ多くの「ありがとう」を今年も周囲の人に言い続けます。患者様とメンバーとの「ありがとう」。メンバーとメンバーとの「ありがとう」。私とメンバーとの「ありがとう」。両親や家族への「ありがとう」。そして自分自身への「ありがとう」。「ありがとう」の言葉があふれる医院、それが私の理想の歯科医院です。 当院では、たとえ治療中であってもあなたとチームメンバーの間で、楽しく会話がはずみます。あなたに接するドクターや、衛生士、健康アドバイザーなど全てのメンバーが、あなたに笑顔で話しかけます。歯科医院だからと言って、話しづらい、声をかけづらい雰囲気ではありません。なぜでしょうか。それには理由があります。少しでもあなたに ”健康の大切さを知ってもらいたい” ”歯に対する知識を持ってもらいたい” ”今までとは違うかたちで、歯科医院に関わって頂きたい” との願いから、常にフレンドリーに接しています。そうです、あなたと共に、喜びを分かち合いたいのです。 =================================== さて、昨日はあなたは何回くらい「ありがとう」をいいましたか? ※《2008年6月11日》 京都でお蕎麦屋さんの全国大会です。京都らしい様々な「おもてなし」がありました。「おもてなし」って言葉の方が、「ホスピタリティ」よりもいいですねぇ。 ![]() ![]() |
さて、世代継承性、第3夜です。
企業をはじめ、組織という存在では「継承」という概念は非常に大切なものです。知見・経験・ノウハウの継承だけでなく、理念・ビジョン・思いの「継承」……、ある意味ではきちんと世代継承ができている企業は、それだけて競争力を1つ確保しているともいえます。 「WORKSシンポジウム2008」における「ミドル期に強まる世代継承性~ミドルは、なぜ、部下を育て、次世代に新しい価値を遺そうとするのか」という分科会で、笠井研究員(GCDFアドバンスコースの同級生です)の発表された内容は実に企業人として示唆に富みます。 この研究はミドルへのインタビュー調査をベースとしていますが、世代継承性が高いミドルに共通することとして、「若いときに上司から受けた温かな関係がミドルになったときの部下や次世代への思いの礎になっている」ことを指摘しています。つまり、上司が部下の世代継承性をはぐくんでいるのです。また、「世代継承性は『人を育てることになる人』を育てることなのではないか」とも整理されていますが、これは実に大事なことですね。世代継承性が企業内でミドルの上司と若手の部下という間で世代を超えて伝播されていくわけです。 近年になってこの伝播の仕組みが切れてしまった、また風前の灯になっている企業は少なくないのではないでしょうか。「若いときに上司から受けた温かな関係」を経験できなかった人がミドルになった時、彼・彼女らはミドルとしての世代継承性を発揮できる可能性は低くなるのではないでしょうか。そこで、企業としての世代継承は途切れてしまいます。これは仕組みで補え切れない大切なものです。だから、ミドルの役割は重要だということもできます。 ミドルは、企業の過去からの伝統を現在に合うように再創造して、次世代にあわせながら次の世代に手渡します。ミドルは立場上、部下育成の職責を持つわけですから、世代継承的な行動はそもそも役割としても求められているものです。ただし、そういった職務上の要請によるものだけでなく、ミドル個人の内的欲求から世代継承性への関心と、その行動が高まることが企業の強さにつながるはずです。 エクリソンらの研究からいえば、人の中にはミドル期を過ぎると世代継承性への関心が強まる仕組みがビルトインされていると考えていいいでしょう。問題は企業風土・環境が、ミドル自身の内的欲求を強化するか弱体化させるかですね。強化させる仕組みが自然とできていれば、企業の教育投資は大変に効率化されることと思いますし、おそらく社員の帰属意識・会社に対するロイヤリティといったものも、非常に高い水準になるのかと思います。 ※《2008年6月10日》 このテーマ、もっと書きたい気がしますが、3日続けると書く方もちょっと飽きるので、今回はこのくらいにします。本日は恵比寿パルテノペのあと、満腹の腹をゆすって先月末にできた恵比寿横丁に。山下ショッピングセンター跡にできた13店舗の小規模店舗の集積施設ですが、既にオープン10日で店舗の優劣がついているのには、外食産業の厳しさを感じます。いずれにしても、なかなか良い商業施設です。 ![]() ![]() |
このブログを日々継続している(これでも結構、忙しいんです)心理的促進要因として、「世代継承欲求」で説明したことがありますが、「世代継承性」という言葉をあまり定義せずにこれまでは使っていました。先月のWORKSシンポジウムで「ミドル期に強まる世代継承性」という分科会があり、これに参加してかなり頭が整理されました。
「世代継承性」という言葉は、50年ほど前にエリク・エリクソンという心理学者が提唱したもので、エリクソンは「将来世代の幸福に対する成人の関心、あるいは関与」としています。 世代継承性がわかりやすく発揮されているのが、まずは何よりも親の子育てですね。しかし、世代継承性は何も子育てだけで現われるものではなく、仕事の中や、地域社会、ボランティア等でも発揮されます。WORKSシンポジウムでは、「世代継承性」研究の一人者であるダン・マックアダムス教授のインタビュー映像が上映され、そこで「世代継承性」の基礎知識を得ることが出来ました。 エリクソンによると、「人は中年期にさしかかると、世代継承性を担うという心理的な課題に取り組むようになる」傾向があるそうです。30代、40代、50代と中年期を歩むにつれて、人はその関心を自分の利益に関することから、家族・あるいは共同体、そして自分が将来世代に遺していく世界へと広げていくものだとしています。私達はいつかこの世を去ります。私達の多くは、死んだ後も何か足跡を残したいと自然に思うようです。ポジティブな意味で、世界に何らかの影響を与えることを望んでいます。そうした望みは中年期になる(ある意味、残り人生の少なさを無意識に感じてくると)と、次第に強く意識されてくるようです。 ミドルと世代継承性は大変に重要な関連性を持っているようです。 明日ももう少し、この「世代継承性」について続けさせてください。 ※《2008年6月8日》 天気も不良なせいか、ちょっと体調不良です。やるべき雑務がたまっていたのですが、あまりはかどらずに週をあけるのはいやですねぇ。明日が親父の誕生日なので夕方にシェ・タニのケーキを買って訪ねていきましたが、いよいよ後期高齢者になります。ところで、ある本でミドルを年齢によって前期ミドルと後期ミドルに区分している話がありましたが、私は文句なく後期ミドルにあてはまっていました。 ![]() ![]() |
原題は「UBIK」。1966年の発刊であり、同年にはあの「アンドロイドは電気羊の夢をみるか?」(ハリソン・フォード主演映画「ブレード・ランナー」の原作)も書かれており、フィリップ・K・ディックが長編を矢継ぎ早に書いていた時期にあたります。私はこの頃の作品群が一番好きですねぇ。
今、ちょっと必要があって、ディックの作品群の再読を始めています。何から読もうかなぁと思って最初に手にとったのが、この「ユービック」です。「アンドロイドは電気羊の夢をみるか?」「火星のタイムスリップ」「パーマー・エルドリッチの3つの聖痕」「宇宙の眼」あたりで悩みましたが。 ということで、休日なのでたまには趣味のSF本からの紹介です。 「必要があって」というのは、ある雑誌の書評を頼まれたのですが、自分に影響を与えた好きな本を選択していいとのこと。その雑誌の専門分野(人事労務)の書籍ではつまらないから何にしようかなぁと、思っていて、そうだディックにしよう、と思いついたということです。ただ、その雑誌のテイストにあうような書き方ができるかなぁと思案しましたが、「すべての現実が疑わしい…」というディックの作品のモチーフ自体が、今の世の中で仕事をする我々に非常に共通しており、「疑う」という恐ろしくも健全な態度の重要性を再認識しようといった、わかったようなわからないような話になりそうな気がします。 さて、本書ですが、ストーリー自体も非常にわかりやすく面白い本です。「超能力者」とその超能力を無効化させることができる「不活性者」が企業に雇われて対峙している世界。超能力者狩りのために月面に集まった不活性者の集団は、相手の罠にはまり爆破事件に巻き込まれる。辛くも地球に逃げ戻ったものの、不思議な退行現象に直面し、仲間が1人ひとり急速な老化により命を失っていく。そして、この退行現象を止めるのは「ユービック」というスプレー缶。でも、実はこの世界自体が……、そしてどちらが現実なのか…。うーん、何だかわかりませんね、これだけ読んでも。やっぱり書評は苦手だな。でも、面白いですよ。ディックの入門書としてもいいかもしれません。各章の最初に「ユービック商品(?)」の宣伝が入っているのがお茶目です。 こんな小説が40年も前に書かれているんですね。この小説の舞台は当時からみれば遠い未来であった1992年。現実社会では、バブルが終わらんとしていた頃ですね。
※《2008年6月7日》 本日は東武東上線のふじみ野にある文京学院大学で開催された「S-HRM」にて、我々のグループCDCで昨年のキャリアデザイン学会で発表されていただいた研究内容を発表させていただく機会を頂戴し、都合のつけられたメンバー4名で行って参りました。素晴らしい人ばかりいらっしゃって、懇親会の最後までお邪魔させていただきました。何と13年間も続いている会だとのこと、いろいろと歴史を伺いましたが、やはりいろいろなところに素敵な方がたくさんいらっしゃるものです。ちょっと帰りは遠かったですけど。久しぶりに社員研修所(上福岡)で懇親会に出てきた気分です。 ![]() ![]() |
私の母校でも随分と外国人留学生が増えたように感じますが、現在の日本国内に在学する留学生数は11万8千人と、10年前のほぼ倍の規模に増加したそうです。しかし、アメリカの56万5千人、イギリスの36万6千人と比較すると依然としてかなり少ない数で、留学生が学生全体に占める比率も3.3%にとどまり、イギリスの24.9%、ドイツの12.2%等に比較してかなり少ない水準に落ち着いています。
4月に中央教育審議会が行った教育振興基本計画に関する答申には、留学生30万人計画が盛り込まれています。留学生の受入にはそれなりのコストがかかるものであり、12万人弱を30万人に持っていくためには、周到な投資計画が必要となるものですが、省庁間の綱引きもあって教育振興基本計画には投資目標額は明記されていないそうです。予算的な目処のない中で人数の目標だけ掲げられているということになります。 以前にこのブログでも以前にこのブログでも扱ったことがありますが、日本の教育投資の貧弱さには憂慮すべきものがあります。5月26日付の日本経済新聞にて、お茶の水大学の郷学長(中央教育審議会大学分科会、制度・教育部会長)がやはりこの教育投資に憂慮する話を書かれていました。 高等教育への公財政支出のGDP比、学生1人あたりの教育費等の指標では、日本はアメリカの半分程度にとどまっています。また、OECD諸国の1人あたりの教育費は過去5年間で各国平均では2割増えているにも関わらず、日本はマイナスとのこと。次世代への投資を日本だけが怠っているわけです。社会保険料・国債発行などで巨額の負債を次世代に押し付けようとしているわけですから、せめて教育投資くらいは他の先進国並みの大盤振る舞いはしてあげたいものです。 実は大学教育の実態というのは、なかなか私たちに伝わってきていません。このあたりを郷学長はいろいろと指摘されています。 博士課程在学者の多くが奨学金を受けて持ち時間すべてを学業に投入できるような教育基盤が整っている他の先進国に比較して、日本の博士課程在学者の約7割が経済的な理由からアルバイトをせざるを得ず、学業に専念できる状態ではないこと。大学進学率が高まってきているものの、先進国の中では日本は低位に位置すること。学生の構成が若者に偏重し、OECD平均では20%程度いる25歳以上の学生は日本では3%程度にとどまること、等々。 このテーマ、我々も関心と問題意識を持つ必要があります。日本の高等教育投資を拡大することを公約に掲げる政党には投票をしたいですね。他の政策はあまりどうせ変わりませんから、多分。 ※《2008年6月6日》 夜には西麻布の「アルポルト」へ。初めてお邪魔しましたが、料理もホスピタリティもよいですねぇ。シェフの1つのあり方ですね。夏の初めのメニューでした。広尾から歩くと、最後の坂がきついです。 ![]() ![]() |
このところシェアードサービスセンターのネタから遠ざかっていましたが、久しぶりに取り扱ってみます。
以前に某社のシェアードサービスセンター(以降、SSC)の勉強会でお話をさせていただいた際のQ&Aからです。表現は少々変えて内容を普遍化させていますので、一般的な話しとしてお受取ください。1カ月くらい前に何回か連続でやった奴の続きです。数えてみたら、第6回でした。 質問⑥: 人事給与業務が持つ業務特性の1つに「安定化発想」とでもいうものがあると思います。1つのミスが取り返しのつかないことになりかねませんから、より安定的な業務の進め方が大事だという考え方です。 これに対して、SSCが組織特性として求められているのは「業務改善・改革スパイラル」であり、この2つはトレードオフの関係になると感じています。安定させつつ破壊し、また安定させては破壊するという自己矛盾を内包しつつ、この自己否定的な改革を定着させることが本当にできるものなのでしょうか。 回答⑥: 業務改善は、今よりももっと効率的・効果的で安定化した姿を実現するために実施するものですから、安定と業務改善はけしてトレードオフにはならないと思います。明日も今日と同じ体制・コストで仕事ができるという前提はすでに壊れてきています。経営の目線の変化、世の中の潮流をみて、常に変化をしつづけていくのが、最大の安定化施策と思わざるをえない時代になってしまったということでしょう。 そのために、業務改善・改革に伴う一時的な混乱はありえますが、よく考えてこれに取り組むことは、将来の大混乱・大惨劇・大きな競争力の低下を回避していることにきっとなるはずです。以前に書いた「担当者三年交代論」という考え方も似たような発想から来ています。 表面的な安定こそ崩壊の兆しであるかもしれない、ということは本当にありえます。 ただ、ここで留意すべきことが2点あります。 まず、1点はSSCが設立されて「改善」が業績評価の基準となってくると、「改善の自己目的化現象」が生まれかねません。つまり、何かを良くするために改善をするのではなく、改善自体が目的であるかのように感じてしまうことです。改善は必要があるから、より良いやり方があるからやるものであり、重箱のスミをつつくようにやるものではありません。 もう1点は担当者の心の問題です。慣れたやり方を変えることは、人間誰しも抵抗があるものです。WINDOWS VISTAを使ってみて、XPに戻してくれ!といいたくなるようなことと同じです。単に「変えろ」というのではなく、担当者の気持ちをきちんと受け止めた上で、不安を軽減させながら改善に着手しないと、改善が足元から崩れることもあるでしょう。 ※「SSC談話」のシリーズは、私が人事SSCを立ち上げ、リーダーとして3年間試行錯誤の経験をしたことをベースに書いています。すでに異動して2年以上を経ていることと、あくまでも事業範囲が人事・給与・教育・採用のSSCであったことを割り引いてお読みください。不定期に思いつきで書いています。また「Q&A」のシリーズは、某社のSSCの勉強会でお話をさせていただいた際のQ&Aからです。非常に印象的な企画でしたので引用させていただいています。もちろん表現は少々変えて内容を普遍化させていますので、一般的な話としてお受取ください。SSCに興味のある方は、左側の「カテゴリー」欄から「シェアード・サービス」を選択し、過去のバックナンバーも是非、ご参照ください。 ※《2008年6月4日》 本日は松本前泊で長野まわり。松本は東京から本当に行きにくいですね。「あずさ」でいっても、長野新幹線経由でいっても、2時間半は見込みますし、本数が少ない。でも、逆にそうだからこそいつも前泊で訪問します。これに対して長野市になると新幹線でヒュといけるので、日帰りです。地元経済的にはどちらが有利なのでしょうか。 ![]() ![]() |
トヨタ自動車がリクルートに使用しているDVDを見る機会がありました。素直にとても感動しました。DVDの内容の中心は、ある日の物語です。
トヨタ自動車のアメリカ初の製造拠点での真冬のある日の物語です(場所は忘れました)。その日は猛吹雪で、夕方になるにつれてさらに吹雪は強まり、日本人駐在員の幹部たちはこれでは夜勤のアメリカ人社員がとてもではないが出社してこないだろうから、夜の操業は停止せざるを得ないか…と覚悟していました。 ところが、昼勤時間が終了して夜勤時間に入っても、工場はきちんと稼動しています。現場をみてみると、昼勤の社員達が皆、自主的に残って作業を続けており、「こんな吹雪で工場を止めるわけにはいかないから、夜勤の奴らがこれるまで俺達がとにかく工場をまわし続けるよ。これがトヨタのやり方だろ」と涼しい顔をしていうのです。 そしてしばらく後、事務所の窓から外をみた工場幹部の目には、さらに奇跡的な光景が飛び込んできます。数メートル先の視界もおぼつかない猛吹雪の中、工場を目指して出勤しようとしている夜勤の社員達の車の列がゆっくりとではありますが着実に暗闇の中を近づいており、ヘッドライトの灯りが吹雪の中で川のように連なっているのです。 私の文章力ではなかなか感動が伝わらないと思いますが、映像と音楽をともなって、この話を聞くと何ともじ~んとくるものがあります。そして物語のあとに、過去のトヨタ自動車の経営者達が残した経営や仕事に対する金言がフェード・イン&アウトして、面々とトヨタ自動車が引継いできた理念であるとか思想であるとか価値観であるとか、トヨタ自動車が大事にしていること、が学生に伝わる仕掛けになっています。 このDVDがなぜ人の心を打つのか。 それは物語によってトヨタ自動車の理念を語っているからです。社長が出てきてとうとうと熱く語っても、おそらくこのインパクトはありません。物語が語る重要性ってあるんじゃないでしょうか。 そんなことを思っていたときにたまたま「感じるマネジメント」という本を読みました。価値観を伝えるのに、いかに物語が有効かということがしっかりと説明されていました。読んだタイミングに不思議さを感じました。 この書籍については、改めて落ち着いて扱いたいと思います。
※《2008年6月3日》 本日は引き継ぎまわりで8時45分熊谷スタート。雨の引継まわりは嫌ですねぇ。ひょんなことから、昼食を2回食べる羽目になり、苦しかったです。 ![]() ![]() |
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