半月に1回の振り返りです。
こうやって振り返ってみると、一週間前に何のテーマで書いたかもあんまりちゃんと記憶していないものですねぇ。これからの人生が思いやられますが、記憶にとどめさせるためには、しつこく振り返るしかありませんから、この半月に1回の振り返りもまさにそれが目的です。リンクをいちいちはるのが面倒ではありますが。 ちなみに本日でこのブログも200回目になります。200回、毎日何か考えて書いていれば、やっていないよりもいろいろな蓄積があることでしょう。何よりも、学んだことを何でここに書いておけば、ブログの検索機能でいつでも見つけられるのがありがたいです。 7月18日 ストレス対策のためのセルフケア 7月19日 2008年度就職戦線総括~毎コミ 7月20日 今年の新入社員は母性的マネジメントを求めている 7月21日 人の脳は48時間で4分の3を忘れるもの 7月22日 あなたはどのような方法で学習をしていますか 7月23日 SSCは「できない」といったら負け ~SSC談話023~ 7月24日 人事の失われた10年 7月25日 愚直に実行! 7月26日 ジャック・ウエルチの「4Eリーダーシップ」 7月27日 インストラクターの心構え 7月28日 平成20年度「労働経済白書」から 7月29日 野村再生工場と「認知」 7月30日 忙しいというと、心が…… それにしても、7月後半は、仕事・仕事以外の活動・プライベートともに多忙な時期でした。 どうしてでしょうか、だいたいいつもどれかが激しく忙しくなると、3つとも激しく忙しくなるというパターンが多いです。いずれも待ったなしなので、結果的に余暇というか自分の時間がなかなかとれなくなりますねぇ。でも、昨日の話のとおり、忙しい時に忙しいといっては、ビジネスパーソンとしては失格ですから、忙しい時こそ、いい意味でヘラヘラした態度をしたいものです。難しいですけどね。 忙しかったからかどうかはわかりませんが、この2週間の内容はバラエティに富んで、どこかを深めたという感じではなかったようです。それが良くないことではありませんが。 ※《2008年7月31日》 残念、本日はJMAMでのCDCに出られませんでした。人材育成学会についての身のある検討がされたみたいです。 ![]() ![]() スポンサーサイト
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平成20年度の「労働経済白書」が厚生労働省からリリースされています。要約版にざくっと目を通しただけですが、その中に「働くことに関する意識とその変化(第2章第1節)」というぐたりがあります。
要約すれば、 □仕事に関する満足度を持つ人の割合は、1990年代半ば以降、長期的低下傾向にあった。 □それが、今回の景気回復で若干の改善がみられる。 □長期的な満足感の低下には、正規以外の従業員が増加してきたことも影響している。 てな感じでしょうか。あまり突っ込んでの分析はここではされていません。また、別のデータから日本の若年層の仕事に対する満足度は、比較できる他の国のデータと比較して低い、との分析も提示されています。 この調査では、「仕事の満足度」を「雇用の安定」「仕事のやりがい」「休暇のとりやすさ」「収入の増加」の4つの側面からとらえています(内閣府「国民選好度調査」)。結果、「十分満たされている」「かなり満たされている」と回答した人の数値は以下のように変遷しています。 「雇用の安定」 1978年:32%、1993年:26%、2005年:18% 「仕事のやりがい」 1978年:30%、1993年:21%、2005年:17% 「休暇のとりやすさ」 1978年:28%、1993年:25%、2005年:18% 「収入の増加」 1978年:23%、1993年:14%、2005年: 6% これだけ仕事に対する満足度が低下している国民もそれほど多くはないのではないでしょうか。 提示した数値だけではわかりませんが、確かに「休暇のとりやすさ」以外は、2000年以降は横ばい・持ち直し傾向にはなってきています。ただし、その絶対値自体の低さ自体も気になります。職場の5人に1人も「仕事のやりがい」に満足していない(満足は17%)ようでは、職場がギスギスするのも仕方がありません(因果関係が逆なのかもしれませんが)。また、収入の増加に満足がいく人が6%しかいないにもかかわらず、労働組合組織率が低迷したままなのも変な話です。もちろん、これらのデータは全労働者からの抽出調査のはずですから、大企業だけの数値をとるとかなり違ったデータが出たりするのかもしれませんが。 厚生労働省は、これらの原因の多くを非正規労働者の増大と、それに伴う低賃金労働者の増大に求めています。もちろんそれにも大きな要素がありますが、何となく日本の多くの企業における近視眼的な経営が遠因にあるように感じられます。単に雇用関係だけでなく「働かせ方」「評価方法」といった日常のソフト面にも着目の必要がありますね。 ※《2008年7月28日》 本日はグロービスのクリティカルシンキングの2回目。日中、仕事が激しく、低いテンションから入りましたが、クリティカルドリンキングの2軒目までいってきました。コメントはまたゆっくりと。 ![]() ![]() |
前にちょっと触れましたが、グロービスの「クリティカル・シンキング」のクラスに出ています。最年長集団の1人です。そこでは、受講期間中の3カ月、まずは学んだことを「愚直に継続!」しようといわれています。まさに、そのとおりだと思います。
ちなみに、私は「愚直」という言葉が好きです。 中谷巌一橋大学名誉教授が指し示している「すぐれたリーダーになるための4つの資質」というのがあります。そこでは「愚直に実行」という言葉が使われています。 ①志がある ②ビジョンと説明能力がある ③愚直な実行力がある ④「身をもって示す」姿勢がある いうまでもなく、①から④までは連鎖しています。志を持ち、志を具体的な行動に移すためのビジョンがあり(ビジョンは志を具体的に落とすために必要)、そのビジョンの意味を人々に明確に示す説明能力があり、それを愚直に実行する力があり、自らが身をもって示す姿勢を持っている。こんなリーダーになりたいですね。
《2008年7月25日》 本日、お休みを取って静岡に来ています。初めてハイウェイバスで来ましたが、新幹線の半額程度のコストパフォーマンスですね。ただし、時間も倍以上かかります。 ![]() ![]() |
リンクアンドモチベーション社が少し前に「新入社員モチベーション調査2008」というものを発表しています。 同社のプレスリリースから、長くなりますがポイント部分を転載しますね。かなり、興味ある内容になっています。
*********************************************************** 1.【入社動機】「仕事のやりがい」と同時に、「安定」も求めている 「給与や休日休暇の充実」、「会社の財務状況・顧客基盤の安定」の重要度がそれぞれ顕著な上昇を見せました。これは過去2年間には見られなかった変化であり、今年度の新入社員は安定志向が強いと、リンクアンドモチベーションは考えます。また、調査項目全体の中では「会社の事業の優位性や成長性」の重要度が一番高く、以降「事業の社会的意義」、「会社理念への共感」となり、具体的な仕事内容よりも、企業の打ち出す姿勢に関する項目の重要度が高くなっています。 2.【上司・先輩への期待】重要度が軒並み上昇。「母性的」なマネジメントを求める傾向に。 「持ち味や特徴をおさえてくれる」、「意見を聞き入れてくれる」、「褒めてくれる」といった母性的な指導を求める意識が上位の項目となっており、厳しく指導されながら働くのではなく、自分らしくのびのびと仕事をさせてほしいという傾向がみられます。 また、全ての項目において重要度が軒並み高くなりました。マネジメントへの期待の高さが窺えます。 3.【職場への期待】活発に議論でき、相互理解が進んでいる一体感溢れる職場を求めている。 例年同様、「会社選び」「上司・先輩」に関する項目より重要度が高く、職場に対する期待の高さが窺えます。特に、「発言が活発」「スムーズな連携」といった職場の一体感に関する項目の重要度が依然高くなっています。また、「顧客(或いは関連部署)への迅速な対応」、「顧客(或いは関連部署)のニーズを取り入れること」のポイントが下落しており、顧客志向が重視される世の中の傾向と逆行している点が懸念されます。 《まとめ》 結果から、リンクアンドモチベーションでは、今年度の新入社員は仕事のやりがいを重視するものの、「好待遇」や「安定」を「母性的なマネジメント」のもとで手に入れたいと考えている傾向があると考えます。上記の観点から、「やりがいのある仕事をしたい」一方で、「厳しさには耐えられない」という新入社員が増えていることが推測されます。背景には、「ゆとり教育」や、2008年新卒入社者の求人倍率は2.14倍で、16年振りに2倍を超えるなど(リクルートワークス研究所)、「採用売り手市場」といった就職環境が軟化したことが考えられます。今年の新卒入社者には、“厳しい環境で揉まれた経験がある人”が少ないのではないでしょうか。 《受け入れる企業で求められること》 ~「甘え」を許さず、社会人としての厳しさを伝えきる~ 会社や上司に対して、多くのことを期待してしまっている新入社員が増えており、この「甘え」を持った状態で社会人をスタートすると、「やりがいもないし、給料も安い」「マネジャーが厳しくてついていけない」といった状況につながり、戦力化の遅れや、ネガティブな転職の増加のリスクが上昇しかねません。受け入れる企業では、新入社員のポテンシャルを十分に引き出すためにも、彼・彼女らの「甘え」を許すことなく、社会人としての厳しさを伝えきる役割が求められています。 *********************************************************** ということになっているみたいです。「母性的」なマネジメントを求めているというのが、大きなポイントだと思います。ある意味では、企業におけるマネジメント・人材育成は「父性」の世界だったのではないかと思います。ただし、新入社員の世代では、家庭でも学校でも既に父性喪失傾向が強いのではないかと思います。その流れが、企業にまで及ぶようになったということは、大きな社会的課題だと思います。 詳細をご覧になりたい方は、同社のホームページをご覧ください。 ※《2008年7月20日》 外も暑いし、脚も不調のため、ほぼ自宅に。バタバタと過ごしてきた仕事の整理等をしてました。着手したかった勉強まではたどり着かず。とにかく買った本が山高く積まれています。 ![]() ![]() |
毎日コミュニケーションズが、2009年採用の新卒者採用状況と学生の就職活動状況をまとめた「2008年度 就職戦線総括」を発表しています。総じて、企業の採用意欲は高い水準を維持したものの、採用基準はより「質」重視に転換したと整理しています。
概要としては、 ○早期からのセミナー開催が定着 いわゆるオープンセミナーを年内に開催した木々洋画、前年の44.9%から60.3%に増加しています。 ○学生はエントリーを絞る傾向が 2007年10月から2008年5月までの累積エントリー数は、前年の81.5件から66.3件に15.2件も減少。文系男子だけでーみると、101.6件から76.6件に何と26.0件も減少しています。 ○企業も質重視に転換 採用基準を「前年より厳しくする」とした企業は、前年の12.0%から15.1%と3.1%アップ、上場企業のみに絞ってみると8.6%から15.6%と、アップ率は特に顕著。 早期化の問題を除いては、少し「まとも」になったといえなくもないですが、それでもエントリーシートでの足きり等の構造的な問題は解決できていません。そんな中で、今年も多くの学生と話しましたが、就職活動を彼らはたくましく乗り切ってきています。 先般、私達の今年の研究のために大学生にとったアンケートで、「学生時代で自分の能力・スキルなどの社会人基礎力をもっとも高めるきっかけとなった活動は何か」といった問をしてみました。4年生ではかなりが就職活動をあげるのではないかと思いましたが、意外とかなりの少数。今回のアンケート対象大学が、一橋大学と慶應義塾大学という就職戦線ではかなり有利な大学だったからでしょうか。 毎コミの調査結果を詳しく見たい方は、同社の「毎コミ採用サポネット」をご覧ください。 ※《2008年7月19日》 昨晩、岡山に泊まったため、午前中に新幹線で帰郷。夏休みスタート、ということでしょうか。新幹線は超満員です。早めに指定席を買っておいてよかったです。 ![]() ![]() |
月の半ばは少々過ぎましたが、7月前半の整理です。繰り返しの説明になりますが、半月毎に整理をしているのは、完全に自分のためで、日々アトランダムに自分の引き出しから書いているため、何を書いたか3日後には忘れてしまっている状態です。何でも学んだことをここに書いておけば、ブログ検索をすれば情報を引き出せる…、というのもブログを書いている目的のひとつですが、過去に書いたのを失念してまったく同じ内容を書くのも読んでくださっている方に失礼なので、少しでも何を書いたか記憶に残るように半月毎に整理をしている次第です。それにしても、1月14日から1日も休まずに書いているので、ようやく半年ですねぇ。結構な蓄積になりました。それにしても、ブログ内検索の機能は便利です。
7月1日 組織を盛り上げるには 7月2日 approachabilety 7月3日 引継書 7月4日 大手企業グループ傘下の派遣会社 7月5日 先生が好きだから教科が好きになる 7月6日 情報はビジネスパーソンの餌 7月7日 情報は最も安価にモチベート効果をもたらす 7月8日 SSCにおける情報階層化の悪 ~SSC談話022~ 7月9日 ホスピタリティの教科書 7月10日 ラーニング・バー 7月11日 勉強するほど危機感は大きくなる 7月12日 オープンな情報環境が育成の土壌をつくる 7月13日 コルブの経験学習モデル 7月14日 「一皮むけた経験」の1/4は人事異動からみ 今回は異動直後であり、バタバタしていましたが、結構いろんな内容が並んでいます。横着しないで参考図書をちゃんと載せるようにしました。情報階層化の悪について4日間、書いていますね。ちょっと感じるものがあったんでしょう。「approachabilety」「先生が好きだから教科が好きになる」「勉強するほど危機感は大きくなる」は普遍的で大事なことだと思います。ゼミ訪問を受けた日大の学生さんから、「先生が好きだから教科が好きになる」についての共感のメールもいただきました。先生達、頑張って欲しいです。 ※《2008年7月17日》 本日は恵比寿パルテノペ。昨日は横浜ヴィア・パルテノペ。2日とも食後酒のグラッパ&リモンチェッロまで堪能しています。 ![]() ![]() |
昨日は主にコッターによるリーダーとマネージャーの違いについて整理しましたが、いうまでもなくリーダーとマネージャーは二者択一的なものではありません。
1人1人の中にはリーダー的な素養とマネージャー的な素養の双方があり、日々の業務にはどちらも必要になっているのだと思います。リーダーシップ的要素ばかりだと、組織はガチャガチャで非効率とになりやすいですし、マネージャー的要素ばかりだと新たな何かが生まれてきません。ただ、個々人それぞれどちらの素養が強いかというのはあるはずなので、自分のタイプを知ることも大事です。その上で、現在の環境や役割に基づいて、どちらを強めるかを判断すればいいわけです。 会社にとっても同じで、経営環境によってマネージャー的素養の強い取締役とリーダー的素養の強い取締役の比率を適切に調整していかなければ、継続的な発展は難しいのではないでしょうか。 マネジメントはあくまでもスキル的要素が強いので、スキルを学習すればある程度の習熟は約束されます。その意味では、企業の能力開発部門の役割です。しっかりとしたマネジメント強化プログラムを提供すれば、ある程度は計算して強化することが可能だと思います。 それに対して、リーダーシップは少し難しいです。 コッターによれば「リーダーに共通する特性のうち、約1/3が遺伝的な要素か幼少期の経験に根ざすもの」とされています。また、それ以外の部分についてもスキルとして学ぶよりは、「一皮むけた経験」に代表されるように「経験」からの学びが大切なように感じられます。企業が次世代経営者育成施策の中ににある種の「修羅場経験」を位置付けようとしているのも、このような文脈で理解すればいいでしょう。となると、リーダーシップ開発は、マネジメントスキルトレーニングとは異なり、能力開発部門の役割というよりは、経営の役割そのものともいえますね。 最後に、慶應義塾大学の高橋俊介教授の定義。この区分、結構、個人的に好きです。 マネージャー:部下を使って課題を達成する能力。 リーダー: 部下でない、つまり命令権限がない人を説得し、納得させ、協力を仰がなければ絶対に実現できない課題を達成する能力。 このお話は高橋先生の以下の図書の中で語られています。
※《2008年7月16日》 本日より、松葉杖なしにチャレンジ。大丈夫そうな感じでですが、逆に右脚と背中が妙に筋肉痛です。松葉杖は1日50円で借りているので早く返したいですが、今週中は病院にいく時間がありそうもないです。そうそう、昨日の朝の通勤時、松葉杖をついて地下鉄に乗ったら、同年輩の紳士に座席をゆずってもらいました。前にいた人が微笑んで席をたったので、最初は何が起こったのかわかりませんでした。松葉杖生活をしてみて、やっぱり日本は素敵だと思ったことがいくつかあります。 ![]() ![]() |
昨日は「経験学習プロセス」の話をしましたが、数年前にリクルート・ワークスと神戸大学の金井先生らが行った一連のリーダーシップ研究で、「仕事で一皮むけた経験」に関する調査があります。リーダーシップは修羅場経験によって培われ、これを「一皮むけた経験」と表現されています。
この調査の中で、「一皮むけた経験」の1/4が人事異動からみの経験であるとして、育成的見地からの人事異動の重要性の見直しの必要性に触れており、「人事異動はリーダーシップ開発の宝庫」であると整理しています。 私も異動直後であり、あれやこれやと苦労しています。今回の異動は、畑違い・未経験の業務への異動といっても良く、仕事のやり方・外部の人間関係・基本的な業務知識がわからない中で、マネジメントの役割を担う必要があります。まぁ上司のフォローとメンバーがしっかりしているので何とかなっていますが、異動でリーダーシップが開発されるなら有難いものだと思います。そういった中で、論文締切があったり、外部研修派遣があったり、足を怪我したりと忙しいのですが……。 南カリフォルニア大学のマッコール教授は、人事異動をAリストとBリストに分けて考えるべきだといっています。 Aリスト:その任務に必要な条件を備えている人のリスト。 Bリスト:その任務に就かせると、どのような人がもっとも鍛えられるだろうかというリスト 通常の人事異動は当然ですが、Aリストをもとに実施されます。Bリストはいわゆる育成配置です。「ちょっと彼には荷が重いかもしれないけど、任せてみるか。ひょっとして化けるかもしれないし」、といったところでしょうか。 このBリスト異動を科学的に実施しようというのがマッコールの主張です。そのためには、企業内にはどのような業務があり、その任務を全うすることにより、どのような知識・スキル・態度が身につくのかということが整理されている必要がありますね。また、人事・教育と経営が極めて近いものである必要もあります。 リクルート・ワークスと神戸大学の金井先生らが行った一連のリーダーシップ研究については、少し前の書籍ですが、以下の書籍に詳しく記述されています。
※《2008年7月14日》 本日から縁あってグロービスのクリティカルシンキングのコースに3ヶ月隔週にて通うことになりました。3時間あっという間でしたよ。徐々にいろいろ書いていきますね。楽しそうな人がたくさんいて、また飲み会が増えそうです。医者には少なくとも一週間は飲むなといわれたのですが…。 ![]() ![]() |
デーピット・コルブという学者が「経験学習モデル」という理論を提示しています。経験を通じての学習プロセスを以下の4段階で整理し、これがサイクルとしてまわすことにより、経験から学習することができているという考え方です。
①Concrete Experience(具体的な体験) ↓ 具体的な経験をする。 ②Reflective Observation(内省的な観察) ↓ その内容を振り返って内省する。 ③Abstract Conceptualization(抽象的な概念化) ↓ そこから得られた教訓を抽象的な仮説や概念に落とし込む ④Active Experimentation(積極的な実験) ↓ ③で得られたものを新たな状況に適用させて行動してみる (以降、①に戻ってサイクル化) おそらく人は経験から学習をする際に、このサイクルにのっとっていることが多いのかと思います。ここでまず大事なのは3つのことです。 ①何よりも行動をしてみなければ始まらない ②単に行動をするだけでなく、それを振り返ることが大事 ③単に振り返っているだけではなく、それを次の行動に振り向けることが大事 この「経験学習モデル」はあらゆる活動に適用可能かと思います。今年度のキャリアデザイン学会での発表では、大学生の成長を経験学習モデルを使って説明するというテーマに挑んでいます。9月最終週に京都です。 「経験学習」に興味のある方には、以下の書籍がお薦めです。
※《2008年7月13日》 昨日・本日と自宅で静養。おかげて脚の痛みも引いてきました。あと1~2日、大事をみて松葉杖をつけば、あとは何とかなりそうです。昨日は原宿でのホッピービバレッジのイベントに行けずに残念。きっといい会を作っていたに違いない。 ![]() ![]() |
6日・7日・8日と3日間にかけて取り扱ったオープンな情報環境が人を育てる話、たとえ話を作ってみました。組織内での階層的な情報伝達をやめて、オープンな情報環境を作ることにより、意識改革・人材育成はできるという発想に基づいています。イメージしている職場は人事SSCですが、他の職場にも一般化できるように感じられます。
あれ??な上司の例①~メンバーに対して 《こんな思いがある上司なのに》 どうしてうちのメンバーは参画意識が乏しいのだろう。もっとメンバーにしっかりとした参画意識を持たせたい。 《こんなことを日々やっちゃっている》 何か業務が発生しても、すぐには担当者を検討に入れずに、方向性が決まった頃から仕事をおろす 《だから部下はこんな感じ》 決まってから作業だけやれってこと?もっときちんと仕事に参画したいのに。どうせ自分は作業者だから…。 《オープンな情報環境の中では》 話のスタートから参画させてもらうのって、やっぱりやる気が出る。仕事に対する意欲も変わってくるし、必要な勉強も自分からしなきゃと思ってくる。 あれ??な上司の例②~中間管理者(リーダークラス)に対して 《こんな思いがある上司なのに》 リーダークラスには特に成長をして欲しい。そのためにできる育成施策にはとにかく取り組んで行きたい。 《こんなことを日々やっちゃっている》 情報はメンバー全員に流す前にリーダークラスだけを集めて、階層をもって伝達させる。 《だから部下はこんな感じ》 リーダークラスは情報という武器で、部下に対して絶対的な優位性があるため、部下との競争(切磋琢磨)が生まれない(安泰状態)。 《オープンな情報環境の中では》 リーダークラスにもメンバーにも同時に情報を渡すということは、リーダーは、①専門性、②マネジメント力、のいずれかで部下に勝らないとまずい!という健全なプレッシャーを持つようになる。必要な勉強も自分からしなきゃと思ってくる。 どうでしょうか。 いずれも、「必要な勉強も自分からしなきゃと思ってくる」に結びつくのがいいところだと思っていますが。そうなりさえすれば、自然とすべてがうまくまわると思うので。 ※《2008年7月12日》 足がまだ痛いので、楽しみにしていた原宿でのホッピー・ビバレッジ社のイベントにもいけずに、家にてくすぶっていました。健康第一ですね。足が治ったら、ちょっと運動することにしますよ。 ![]() ![]() |
報告がかなり遅れましたが、6月13日に東京大学の中原淳先生の「ラーニング・バー」に初めて出てきました。150人くらいはいたでしょうか。今や倍率2倍くらいだそうですから、初回応募で参加できたのはラッキーですね。でも、3割近くが初回参加者だったみたいです。
普通の勉強会が、 聞く⇒聞く⇒聞く⇒帰る というように構成されているのに対して、 ラーニングバーは、 聞く⇒考える⇒対話⇒気付く と構成されます。そしてこのプロセスがまさに「学ぶ」ということそのものだとのことです。 構成はよく練られていて、質問タイムが入ったり、ブレイクが入ったり、周囲の人との話し合いの時間があったり。お話を聞きながら携帯から質問を入れると、最後に整理して回答をしていただいたり。あっという間の3時間です。また、特筆すべきは「バー」というだけあって、軽食とアルコールが出ます。軽食はいろいろな種類のサンドウィッチ、アルコールはビールにワイン。 ちなみにホームページによると、正式名称は「組織学習・組織人材の最先端の話題をあつかう研究者と実務家のための研究会」というらしいです。先月は、株式会社リクルート ワークス研究所 WORKS編集長の高津尚志さんをメインスピーカーとする「組織が大切にしている価値観や理念といったものをどのように広めることができるのか?」についてのディスカッションです。著書「感じるマネジメント」(以前にここでもご紹介しました)をベースに、リクルートのチームがデンソー社がデンソースピリットを世界中に浸透させるために一緒にどのような取り組みをしてきたか、そのキーでもあった「物語」の重要性について、そして最後は高津氏自身の内面的な話まで、本当にあっという間でした。その間、私は缶ビールを3本いただきましたが。
《2008年7月10日》 4日間にわたるお客様との研修会の3日目で打ち上げてきな懇親会です。まぁ盛り上がりました。これなら担当者もOKです。 ![]() ![]() |
日本語の「おもてなし」という言葉も素敵ですが、外来語の「ホスピタリティ」という言葉も素敵ですね。相互に訳語として通用するのでしょうが、何となくそれぞれに違うニュアンスも感じられるところがまたいいですね。
さて、ホスピタリティというと、CS絡みでよく名前が出てくるのが「リッツ・カールトン」。私はまだ宿泊したことがないので実感はできていません。昨夏に勤務していた会社が直営しているレストランのホール・キッチン全メンバーに対する研修で講師をすることになった際、メインテーマにしたのがやっぱりこのホスピタリティでした。その際に付け焼刃的に何冊か本を読んだのですが、その1つが元リッツカールトン大阪の営業統括支配人だった林田正光氏の「ホスピタリティの教科書~お客様の感動を生むまごころのおもてなし」でした。たまたま、キャリア関係の論文を書くためにある本を探していたら、この本が出てきたので、ついついまた拾い読みしてしまいました。その中から、「これは」というフレーズをいくつかご紹介します。 《「これは」というフレーズ①》 プロとは「そこまでやるのか」という人の総称です。 お客様からお金をもらっている、という事実だけではプロとはいえません。 「そこまでやるのか」はお客様が「感動」されたことを表現する言葉なのです。 賢くなったお客様は消費行動に「感動」を求めているのです。 《「これは」というフレーズ②》 いつも新しいことに身を触れさせ、勉強をしていると、自信が出てくると思います。 自信が出てくると、どんなときでも落ち着けるようになります。 落ち着くと謙虚にもなれます。 《「これは」というフレーズ③》 最上級のサービスは「明るく楽しい仕事」から どうですか。どれもしびれるでしょ。
※《2008年7月9日》 本日の夜は汐留にてCDCの例会。珍しく2週連続です。秋のキャリアデザイン学会での発表について、論文論旨集の原稿を確定させ、定性データの分析の進め方を検討。ここでまた新たな登場人物が現れ、KJ法の改良版のレクチャーを受け、これで進めることとしました。それにしてもこの会、人間交差点みたいなところもあります。 ![]() ![]() |
昨日・一昨日に続いて、さらにもう1日、情報とマネジメントの話です。
今日はシェアード・サービス・センター(SSC)に関して考えてみましょう。この2日間続けた情報についての話は、特にSSCでは大切な話ですよ。何といっても、SSCでとても大事なことの1つは情報をフラット化させ、階層的させないことです。つまり、限られた管理者層だけでなく、実務担当者にいたるまで同じ情報を同時に提供することが大切です(もちろん超大組織だと難しいですけど)。役職や職掌でこれに階層をつけることは、組織として命取りになりかねません。 特に人事SSCでは陥りがちですが、人事というセクションは取り扱う情報の性質から、情報管理を階層的にする習慣がつきがちです。例えば役員の異動情報は部長以上、管理職の異動情報は課長以上…、評価や給与なんかでも同じように階層でデータを管理する習性がついています。これはこれで職務上、いたしかたのないところです。しかし、人事部がSSCになれば、例え異動情報であってもデータは単なるデータとして扱い、きちっとした個人情報管理・守秘義務遵守の体制を敷けばいいのですが、これがなかなか頭を切り替えられません。効率化をそぐ大きな要因の1つです。 問題は効率化だけにとどまりません。情報の階層化はこの2日間みてきたように、メンバーのモチベーションに大きく影響をします。SSCにおいては、リーダーは全員に同じ情報を与えることが基本です。リーダーがまず理解すべきことは、SSCの花形プレーヤーは実務担当者だということです。実務担当者に必要な情報を早めに与えることによってはじめて自主的な効率化への取組みが成り立ち、花形プレーヤーが活きてきます。 このように、情報の階層化は花形プレーヤーである実務担当者のやる気を失わせる大きな要因の1つですが、もう1つ大きな問題をもたらします。 それは、情報の階層化は中間管理者をつぶす、ということです。情報を階層化させて実務担当者には与えずに中間管理者にだけ与えるという習慣を続けると、中間管理者は情報量で部下と差を自然に持ててしまうため、本当にするべき必死な努力・勉強をしなくなります。もたらされる情報に差がなくなれば、マネジメント力か専門知識かで部下を凌駕しなければ管理者としての地位を守れませんから、自然と必死に切磋琢磨をして育っていくはずです。つまり、情報の階層化が、中間管理者の成長の機会を奪っているのです。このあたりがなかなか理解できていない管理者は多いのではないかと思います。 最後にめずらしくまとめです。「SSCの情報の階層化」の3つの弊害。 ①効率化のための改善の機会を失う ②やる気のある実務担当者のモチベーションを下げる ③中間マネジメント層の成長の機会を奪う どうでしょうか。そうはいっても、と反論のある方もいるかとは思いますが。 ※「SSC談話」のシリーズは、私が人事SSCを立ち上げ、リーダーとして3年間試行錯誤の経験をしたことをベースに書いています。すでに異動して2年以上を経ていることと、あくまでも事業範囲が人事・給与・教育・採用のSSCであったことを割り引いてお読みください。不定期に思いつきで書いています。また「Q&A」のシリーズは、某社のSSCの勉強会でお話をさせていただいた際のQ&Aからです。非常に印象的な企画でしたので引用させていただいています。もちろん表現は少々変えて内容を普遍化させていますので、一般的な話としてお受取ください。SSCに興味のある方は、左側の「カテゴリー」欄から「シェアード・サービス」を選択し、過去のバックナンバーも是非、ご参照ください。 ※《2008年7月8日》 午後から上福岡の社員研修所に。お得意先を集めての研修です。結構、おとなしいかなぁと心配していましたが、20時から懇親会は元気になり安心です。帰り道、気づいたらみずほ台のココイチでカレーを食べていました。 ![]() ![]() |
昨日に続いてマネジメントと情報の話です。
昨日はちょっとマイナスの面からみましたが、今日はブラスのサイドから表現をしてみましょう。結局同じことをいっているんですけどね。 メンバーのモチベーションを維持・向上させるのが大変といっているマネージャーの皆さん、そういいつつ情報を止めてしまったりはしていませんか。適切に情報を流していかないと、部下は信頼されていない、作業だけやればよくて改善提案なんか求められていない、自主的な参画なんか求められていない、と感じてしまいます。それに対して、きちんと情報を流せば、信頼感・連帯感が自然と生まれ、メンバーはモチベートされていきます。 メールの写の使い方1つをとっても上手な人っていますよね(BCCは基本的に駄目ですね)。情報を止めているマネージャーはひょっとすると、異動させて中抜きさせちゃった方が組織はよくなるかも。 ※《2008年7月7日》 本日は仕事でちょっと失敗、メンバーが頑張っているだけに悔いが残ります。まぁ、移ったばっかなのでもう少し勘弁してもらわねば、です。夜遅くには、別の部署にお邪魔して議論。いろいろあります。それにしても、織姫さんは今日はかわいそうですね。 ![]() ![]() |
ちょっと前の日本経済新聞(6月28日付)からです。
厚生労働省が大手企業グループ参加の派遣会社259事業場に対して実施したアンケート調査によると、大手企業グループ傘下の派遣会社で働く派遣スタッフのうち、81.8がグループ企業への派遣であり、スタッフ全員をグループ企業にのみ派遣している派遣会社が31.1%にのぽったとのこと。これを受けて、厚生労働省の研究会では、正社員を不適正に派遣スタッフに置き換えることを防止するために、何らかの規制が必要との認識で一致したとのこと。 少し派遣業界のことがわかっている人からみれば、これって昔からあった当たり前の話であり、大手企業が派遣スタッフを社員に戻そうという動きが出てきた時期になってから「規制が必要」というのも妙な話です。また、大手企業グループ傘下の派遣会社だけでは人員がとてもではないですが充足し切れずに、一般の派遣会社も併用している企業が大半であることにも触れておらず、大手企業が正社員雇用の代わりに傘下の派遣会社に登録させて派遣を受けているようにとられかねません(確かにそんな一面もあるので、こういう取られ方をしてしまうのですが)。 新聞記事も結構、記者の仮説を強化するかたちで材料を取材して創っていくというプロセスが多いのではないかと感じます。既に仮説があるのですから、ある意味ではスキーマが働き、材料の吟味段階でも無意識に恣意的になることはやむをえないでしょう。 そんな目線で新聞記事は読む必要がありますね。 《2008年7月4日》 今回導入するCRMソフトの導入の進め方のヒヤリングで、同じソフトを導入している先輩である飲料メーカーさんに訪問。非常に親切にお教えをいただきました。実は、この会社、以前にCOMPANY導入検討フェーズで当社にヒヤリングで訪問されたのですが、何とびっくり、私同様に当時人事にいて当社にヒヤリングでご来社された方が、営業部署に移ってこのCRMソフトの導入・定着化を担当されており、本日の説明者でした。やっぱり世界は狭いです。ちなみにこの会社、結局、人事給与システムはADPSです。 ![]() ![]() |
「approachability」という単語を聞かれたことがありますか。
聞いたことがなくても、「approach」+「ability」ですから、だいたい推測がつくかとは思いますが、日本語でいうと「話しかけやすさ」「親しみやすさ」「近づきやすさ」という感じになるでしょうか。 先週に飲んだ仲間から聞いた初めて聞いた単語ですが、素晴らしく良い言葉ですね。上司たる者、マネージャーたる者、リーダーたる者、先輩たる者、すべてに必要不可欠な能力(態度?)です。が、忙しい日常で常にこれを維持するのは大変なことです。 私は現在、メーカーの営業部門の本社機構で、全国の営業担当者をとりまとめる立場にいます。私の部署が「approachability」を持っていなければ、必要な情報は上がってきませんし、切実な相談も投げかけられません。おそらく、コミュニケーションを求められるすべての部署で、この「approachability」は重要な要素になるはずです。 こういう思いは以前から強く持っていましたが、言葉をみつけると、さらに明確になります。 ※《2008年7月2日》 本日の夜はCDC(キャリアデベロップメントコミュニティ)の検討会。キャリアデザイン学会の論文集原稿提出が来週に迫っており、急ピッチで検討を進めています。相変わらず素敵なチームワークです。週末は頑張らないと。 ![]() ![]() |