なんと今年も残り2カ月、あっという間ですねぇ。プリンタの調子が悪いけど、年賀状どうしようかなぁとか思う季節です(思うだけでいっつもクリスマスくらいまでは未着手なのですが…)。さて、また半月毎の振り返りです。
10月16日 2010年の新卒採用はどうなるのでしょうか 10月17日 顧客満足度が一夜にしてゼロになるというお話 10月18日 MBTI 10月19日 心に残るリーダー 10月20日 思い込みバリュー 10月21日 上司は自分を棚に上げても良い 10月22日 多様で開放的で弱い絆 10月23日 面談の効果は実は高くはない… 10月24日 高校・大学7年間で1023万円 10月25日 仕事を進める上での基本的な考え方 10月26日 もう一度、丸善になる 10月27日 知的資本経営 10月28日 新卒採用は企業の活力 10月29日 入社半年病 10月30日 成長こそが最大のセーフティネット この半月もよく言えばバラエティに富んだ、逆にいえば脈略のない書き連ねでしたが、書くことで自分の中に蓄積がされますから、とても書いている方はお得です。 ※《2008年10月31日》 朝、仕事でばたばたしておりかなり遅刻をしましたが、東京大学でのワークプレイスラーニング2008に参加してきました。毎月のラーニングバーの巨大版という感じで安田講堂を二階席までつかって開催していました。昼休みには本郷のキャンパスが社会人で埋め尽くされて不思議な雰囲気です。内容はおいおい紹介しますね。夜は、築地の「よしふく」+2軒、関西からの来訪者らと過ごしました。 ![]() ![]() スポンサーサイト
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以前のメンバーで、今は比較的小規模の他社にて人事全般の仕事を担当している若手人事担当者から、この週末に連絡をもらいました。前々から提案をしていた「はじめての新卒採用を実施する」案件がようやくOKが出た、規模は提案よりはやや縮小したのと、既に採用戦線としては出遅れの時期からのスタートだが、とにかく頑張りたい、との話でした。彼女は当社に来る前は、確か販売業務しかやったことがなく、当社で人事の世界の魅力を体感した1人です。とても嬉しいお知らせでした。とても素直で頑張り屋さんであり、かついい雰囲気も作れる人でしたから、きっとうまくいくでしょう。
それにしても、企業にとって新卒採用をするというのは非常に大事なことです。 その企業を通じてはじめてビジネス社会を知るという若者を創るということですから、非常に責任重大ですし、いろいろな意味で企業の活力になります。上手に活用すれば既存社員の活性化にも結びつきます。また、自企業の強み・弱み・魅力・DNAといったことを深く考えさせられる機会にもなります。特に中堅企業においては、簡単な投資ではありませんし、採用決定時期と入社時期が大幅にずれる新卒採用よりはどうしても手軽な経験者採用の魅力に惹かれ気味な点があるため、なかなか二の足を踏んでしまいがちですが、何とかそこを踏ん張って欲しいと思います。 以前に、市ヶ谷の「ハーミテージきくや」で、新卒採用に取り組む「やまとダイニング」と「ホッピービバレッジ」の両経営者の熱い思いを伺ったことがありますが、まさに新卒採用っていうのはそういうものです(ちなみにこの店、生ホッピーが飲めます)。大企業で新卒採用に携わっている皆さんも、是非、年中行事だという感覚は捨てて、新卒採用というのはある意味では企業を変える活動そのものだと思って取り組んで欲しいですね。愛情をもって採用した新入社員が、胸をはって元気に仕事ができるような環境を創る、事業を創る、そんなことまでが、新卒採用担当者の仕事だ、というくらいの気概があると満点です。 ※《2008年10月28日》 とある業界団体の総会後の懇親会に参加させていただき、その後は神保町で始まっていたキャリアアドバイザー仲間の会に合流、三幸園に三階席があるのを初めて知りました。 ![]() ![]() |
朝の9時から六本木にてメンタリングの勉強会でした。朝の六本木です。
本日のテーマはMBTIの体験です。たぶん、受けるのは4回か5回目ですが、1回を除き同じタイプになっています。MBTIはもっとも普及しているアセスメント・ツールだといえますが、既に24カ国語に翻訳され、45カ国で活用されているとのこと。全世界で年間500万人もの受検者があるそうです。ブリッグスとマイヤーズが開発したタイプ・インジげーターなので、MBTIと名づけられています。ユングのタイプ論がベースとなっていますが、単に個人をタイプに分類したり、性格を診断したりすることが目的ではなく、検査結果をふまえて、専門教育を受けた認定ユーザーの指導のもとで、その結果が自分にフィットしたものかどうかを検証していく過程で、本人が自分自身に対する洞察、自己理解を深めていくという、フィードバックのプロセスが重要視されています。 「興味・関心の方向(外向・内向)」、「ものの見方(感覚・直観)」、「判断のしかた(思考・感情)」、「外界への接し方(判断的態度・知覚的態度)」の4つの指標で、人のタイプをとらえ、2の4乗で16のタイプ分類がされます。MBTIでは、よく「利き手論」で説明がされますが、例えば「ものの見方」であれば、「感覚」(S=五感を通じて観察されたり、得られた具体的な情報や事実に焦点を置く)、「直観」(N=関係性や可能性、イメージ等によって得られた情報や可能性に焦点を置く)のどちらのやり方を自然に好んで使用するかという点でタイプ分類をします。要はそれが右利き、左利きのような利き手であるわけです。ですから、例えば「感覚」のタイプの人も、「直観」を使うケースも実生活上ではあるわけです。左利きを矯正して右利きで生活している人もたくさんいますよね。うーん、ちょっとわかりにくい説明ですね、すみません。 ということで、私は「E(外向)N(直観)F(感情)P(知覚的態度)」でした。過去に「ESFP」に出たこともあります。 ※《2008年10月18日》 午後は相鉄線の星川駅まで出て、保土ヶ谷市民祭に。ここで地場のじゃがいもを使用した黒船南蛮カレーうどんの配布会の陣中見舞い…と思っていたら、売行好調で既に完売。11月から保土ヶ谷区内のお蕎麦屋さんで食べられます。 ![]() ![]() |
会社や仕事を評価する際に「働きがい」・「働きやすさ」・「仕事のやりがい」という言葉を使うことがありますね。何となく、似たような使い方をしてしまうときもありますが、これらをきちんと定義していくと、また違ったことに気付きます。「働きがいのある会社」(斎藤智文著、株式会社労務行政刊)では、わかりやすい整理がされています。多少、私の解釈を加えていますが整理してみます。
「仕事のやりがい」…あくまでも個人の内面的な動機であり、個人的に得ることができる。あくまでも個人と仕事の関係。「使命感」「達成感」「成長感」「充実感」といったものがキーワードとなる。「仕事のやりがい」を感じている人は、「仕事の遂行意欲」という意味でのモチベーションを持ちやすい。 「働きがい」…個人と仕事と所属する組織の関係。ベースには「仕事のやりがい」があり、それに加えて仕事に対しての「誇り」、マネジメントに対しての「信頼」、仲間に対しての「連帯感」といったものがキーワードになる。「働きがい」を感じている人は、「組織への貢献意欲」という意味でのモチベーションを持ちやすい。 「働きやすさ」…あくまでも不満を減少させる衛生要因が満たされている状態。「納得感」「安心感」「帰属感」あたりがキーワード。仕事に集中できる環境作りとしては大変に重要だが、これだけではモチベート要因としては不十分。 どうでしょうか。「働きがい」と「仕事のやりがい」の両方を感じている人が、何かの拍子にマネジメントに対する「信頼」に疑問を感じ、「働きがい」を失う……、こんなケースでは企業は優秀な人材を失います。ワークライフ・インテグレーションを表面的にしか理解せずに、「働きがい」よりも「働きやすさ」ばかりを重視した施策を打っていると、「帰属意識」ならぬ「寄生意識」をもった社員を増やしてしまいます。この3つの単語で、いろいろと企業の人事戦略を論じることができそうです。 この本の内容、小出しにまた紹介します。
※《2008年10月16日》 新製品の試食で夜に恵比寿に。発売日も確定しました。その後、同じの店の恵比寿店と大崎店をはしご。珍しいパターンです。大崎店は外人がいなかった…。 ![]() ![]() |
半月毎に過去のプログの整理をしていますが、半月があっという間にやってきます(でも、なぜか次の給料日はなかなか来ない…)。今回は、5日から10日にかけて、先の日本キャリアデザイン学会で素人研究として発表をさせていただいた中から、エッセンスをご紹介させていただいています。この学会での発表は2回目ですが、学会内に知り合いもだいぶできて、継続する努力の大切さも感じています。
10月 1日 SSCにおける顧客主義 ~SSC談話023~ 10月 2日 盗人に負い銭はない人材育成 10月 3日 発明王エジソン 10月 4日 結婚しない男性 10月 5日 大学生活で社会人基礎力は伸びている 10月 6日 学生の成長に影響を与える人のタイプ 10月 7日 経験の印象から… 10月 8日 学生時代の経験と学習の因果関係 10月 9日 経験学習モデルから 10月10日 好奇心がキーワード 10月11日 GCDF継続学習勉強会 10月12日 図書紹介: 『マイナス・ゼロ』 広瀬正著 (集英社文庫) 10月13日 若者と中小企業を支援する「就職Shop」 10月14日 2010年の新卒採用はどうなるのでしょうか ※《2008年10月15日》 西麻布、おそばの甲賀。やっぱり美味しい。人生相談会のようなものでした。 ![]() ![]() |
GCDFの勉強会で、「就職Shop」のお話を聞きました。
「就職Shop」については、以前にここでもご紹介をしましたが、リクルート社が展開する民間版ハローワークとでもいうものであり、これまで媒体での就職支援が主体であったリクルート社によるリアル支援機能だともいえます。ターゲットは、職歴・スキルがけして十分ではない若手層と、中小企業になります。 理念は整理してみるとおおよそ以下のようになりますでしょうか。 「職歴やスキルは不足しているが正社員で就職を希望する若年者」と「未経験の若手人材を採用する企業」のマッチングを行い、1人でも多くの若者がいきいきと働ける社会を創造することをめざして、リアル拠点の展開を行う。 リクナビなどの媒体経由の就職活動は、基本的には何でも自分でやることが求められます。紹介業を活用すればそうではありませんが、スキルも経験も乏しい人にはなかなか求人がまわってきません。結果、ネットをみて、行きたい企業を選択し、エントリーをして、面接を受ける、すべて自分で決めて、自分で動かなければなりません。自分で動き方がわかっている人には問題がありませんが、それがわからず誰かの助けが必要な層が少なからずいます。そんな層にもいい仕事をできる若者が多数います。誰かが手助けをすることによって動けるようになるような人の支援をする機能って、ありそうであまりありませんでした。相談をすることによって、求職活動を促進させるわけです。 また、なんだかんだいっても、日本は「再チャレンジ」ができない国です。就職の局面でその最たるものが「書類選考」「経験者優先」の壁です。学校を出て、最初の企業で「書類にかける良い職業経験」が出来なかった人は、「書類選考」「経験者優先」の壁を簡単にはクリアすることができません。就職Shopが企業に人材を紹介する際には、書類選考がありません。未経験OKの人物重視が前提となります。当日、本人が持参するまで、何も書類は企業側には与えられません。 実は、中小企業の選考での基本は完全な「人物重視」です。変に書類などを出させるから、経験が気になるのです。ですから、「書類選考なし」というのは合理的な考え方なのかもしれません。そのかわり、求職者と面談をしたキャリアカウンセラーがきちんと適性・志向性を見極め、本人にもあるレベルまでの腹決めをきちんとさせた上で、面接の場に送りこむわけですから、通り一遍の書面上の職歴などからの判断なんかよりも、よっぽど信頼がおけるのではないでしょうか。 けしてきれいごとではなく、日本の中小企業を支援し、日本の若者を支援する仕掛けとして、「就職Shop」は意義ある仕事をされていると実感します。何といっても、日本経済の将来のキーは「若者」と「中小企業」なのだと思いますから、とても大事なことです。 ※《2008年10月13日》 昨日・今日と7時間以上睡眠をとっています。普段は、4~5時間がやっとですが、6時間は睡眠をとらないと人はマズイとのこと。確かに7時間眠ると頭の回転は悪くないようで、今日は仕事もはかどり、本も一冊読了しました。ブックオフくらいしか外には出なかったけど…。 ![]() ![]() |
3連休の中日ですので、気楽に図書紹介です。また、SFの古典ですが今回は日本SFです。
なんと、広瀬正の小説全集全6巻が順次、集英社文庫から発刊されています。涙が出るほど懐かしいですね。以前に河出書房新社から(だったと思います)出ていたヤツそのままです。あとがきも当時のあとがきになっています。すごいです。 広瀬正は日本SF黎明期に「宇宙塵」を中心に活躍していましたが、1972年には亡くなっていますので、私は同時代経験の読者ではありません。高校生の頃、毎月1回高田馬場のビックボックスで開催されていた「古書市」の会場で、前出の広瀬正小説全集をみつけて小遣いをはたいて購入したのがファースト・コンタクトです。作品の中では古き良き東京が描かれており、第1回配本の「マイナス・ゼロ」にみられるタイムトラベル物なんかは真骨頂です。 SFの古典は皆そうですが、当時は「未来」として描かれていた時代が既に遠い過去になっています。「マイナス・ゼロ」はさらに戦前の東京が舞台になっており、我々からみると過去から過去へのタイムトラベルであり、いずれも我々の知らない懐かしの東京が舞台になるのですが、読んでいて少しも古さを感じないのはなかなか凄いことです。たぶん、「マイナス・ゼロ」はいまだにタイムトラベル物の長編小説としては、日本最高かもしれません(短編だと梶尾真治の「美亜へ贈る真珠」ってなるのが、我々世代のSFファンでしょうか)。 それにしても、広瀬正小説全集が文庫かされたのを知ったのは、既に第2回配本の「ツィス」、第3回配本の「エロス」が出た後、最近、ちゃんと書店まわりをしていない証拠です。やはり、時折歩かねば。改めて、日本SFの古典を再読したくなってきました。日本SFの古典って、日本に新しいジャンルを定着させるんだという熱い思いが著者のバックに感じられるような気がしてとても好きです。 あっ、少しも図書紹介になっていません。ネタバレにならないように、それでもいいですね。とにかく面白いです。
※《2008年10月12日》 5月と10月は休日になると葛西臨海公園に行く車が滅茶苦茶に混んで、午前中のうちは地元民は車で出かけることができなくなります。今日は秋のピークだったようです。 ![]() ![]() |
またまた続きで、先日のキャリアデザイン学会で発表した「学生が社会人基礎力を経験学習により向上させるプロセス」という研究の中から、比較的私が興味深く感じたテーマで、かつここで簡単に説明しやすいデータをご紹介していきます。6日目になりますが、そろそろ疲れたので今日で一区切りとします。用語等で不明の部分は、お手数ですが10月5日のブログに戻ってご確認ください。
今日は「思考・行動特性」が大学生の社会人基礎力の向上に与える影響についてです。 質問紙調査で6つの思考・行動特性を確認した上で、向上群・停滞群(10月5日のブログ参照)、因果関係強群・因果関係弱群(10月8日のブログ参照)の比較をしました。6つの思考・行動特性とは以下のとおりです。 ①持続⇔中断 持続…物事を最後までやり遂げる 中断…物事を途中であきらめる ②楽観⇔悲観 楽観…何とかできると思うことが多い 悲観…失敗しそうで不安になることが多い ③好奇心⇔消極 好奇心…いろいろなことを知りたい・学びたい 消極…余計なことにはあまり関わりたくない ④挑戦⇔無難 挑戦…難しいこと、初めてのことに挑戦する 無難…確実にできること、手馴れたことをする ⑤柔軟性⇔硬直性 柔軟性…人の意見を参考にしてやり方を見直す 硬直性…人の意見よりも自分のやり方を優先する ⑥他者評価⇔自己評価 他者評価…周囲の評価を重視する 自己評価…自己評価を重視する 向上群・停滞群でみると、「持続」、「楽観」、「好奇心」、「挑戦」で、向上群が有意に高い傾向が出ています。因果関係強群・因果関係弱群では、「好奇心」のみに有意な差が出ており、それもかなり強い傾向が出ました。双方に共通する要素として、「好奇心」は1つのキーワードかと思います。 プランドハプンスタンスに結びつきますね。 ※《2008年10月11日》 神戸でのイベントは無事に終えて一安心。ただし、終了後、東京に戻り夜は会議です。 ![]() ![]() |
またまた続きで、先日のキャリアデザイン学会で発表した「学生が社会人基礎力を経験学習により向上させるプロセス」という研究の中から、比較的私が興味深く感じたテーマで、かつここで簡単に説明しやすいデータをご紹介していきます。5日目になります。用語等で不明の部分は、お手数ですが10月5日のブログに戻ってご確認ください。
さて、そもそもこの研究のタイトルにもある「経験学習」について復習してみましょう。 ************************************************************* (2008年7月13日のブログより引用) デーピット・コルブという学者が「経験学習モデル」という理論を提示しています。経験を通じての学習プロセスを以下の4段階で整理し、これがサイクルとしてまわすことにより、経験から学習することができているという考え方です。 ①Concrete Experience(具体的な体験) ↓ 具体的な経験をする。 ②Reflective Observation(内省的な観察) ↓ その内容を振り返って内省する。 ③Abstract Conceptualization(抽象的な概念化) ↓ そこから得られた教訓を抽象的な仮説や概念に落とし込む ④Active Experimentation(積極的な実験) ↓ ③で得られたものを新たな状況に適用させて行動してみる (以降、①に戻ってサイクル化) おそらく人は経験から学習をする際に、このサイクルにのっとっていることが多いのかと思います。ここでまず大事なのは3つのことです。 ①何よりも行動をしてみなければ始まらない ②単に行動をするだけでなく、それを振り返ることが大事 ③単に振り返っているだけではなく、それを次の行動に振り向けることが大事 この「経験学習モデル」はあらゆる活動に適用可能かと思います。今年度のキャリアデザイン学会での発表では、大学生の成長を経験学習モデルを使って説明するというテーマに挑んでいます。9月最終週に京都です。 ************************************************************* ということで、経験学習モデルをベースにいくつかの分析をしてみました。詳細の説明は省きますが、おおよそわかったのは以下のことです。 ○向上群は停滞群(10月5日のブログ参照)よりも、1回り大きく経験学習のサイクルをまわすことが出来ている。社会人基礎力の高い層は、低い層よりも1回り大きく経験学習のサイクルをまわすことが出来ている。 ○因果関係強群は因果関係弱群(昨日のブログ参照)よりも、1回り大きく経験学習のサイクルをまわすことが出来ている。 ○それぞれの社会人基礎力の要素(前に出る力、考え抜く力、チームで働く力)毎に、経験学習のプロセスに特徴が感じられる。 ○Abstract Conceptualization(抽象的な概念化)、 Active Experimentation(積極的な実験)が弱いと、社会人基礎力の向上を阻害する傾向がみてとられる。 まだちょっとぼやけていますが、いずれにしても「経験学習モデル」は大学生・若手社員の成長・育成に使える考え方だということには、確信が持ててきています。 もう少しだけ、明日も続けます。 ※《2008年10月9日》 眠いのをこらえ、朝の新幹線で神戸入り。明日のイベントの準備です。土壇場で多少の変更もありましたが、何とか大丈夫そう。寝不足でもあり、疲れてもいましたが、準備完了後の遅い時間から、やっぱり前夜祭はしっかりやりました。 ![]() ![]() |
またまた続きで、先日のキャリアデザイン学会で発表した「学生が社会人基礎力を経験学習により向上させるプロセス」という研究の中から、比較的私が興味深く感じたテーマで、かつここで簡単に説明しやすいデータをご紹介していきます。4日目になります。用語等で不明の部分は、お手数ですが10月5日のブログに戻ってご確認ください。
今日は学生時代の活動経験の内容と、学生が得られたと認識している社会人基礎力の因果関係についてです。今回の調査票では3つの自由記述欄を設けています。そこから、この学生はどのような活動経験をしており、その経験の中からどのような学びをして自らの社会人基礎力を向上させたと認識しているのか、を読み取ろうとしています。 これを丹念に239名分、読んでいるとまずは気付くことがあります。それは、学生のいっている活動経験と成長の因果関係が明確に語ることができている学生と、こじつけ的であったり、あまり関係ないんじゃないのそれ、と感じるものであったり、そんなことはないんじゃないのと感じるものであったりというケースがあることです。そこで、前者を「因果関係強層」、後者を「因果関係弱層」として区分して、いろいろとデータを見てみました。 まず顕著なのは、自由記述欄の文字数です。「因果関係強層」は平均で130文字、「因果関係弱層」は平均で31文字と、圧倒的な差です。振り返って活動経験をありありと表現できることは重要なことだと感じます。きちんと自分の言葉で相手に伝わるように書ききれるだけ、経験を自分のものにしているということでもありますね。ただし、これは逆にきちっと書き込まれているから、読み手が因果関係が強いと感じたという部分もあるのですが…。 次に、この「因果関係強層」「因果関係弱層」と、例の「向上群」「停滞群」(10月5日のブログ参照)をぶつけてみました。結果、想定とおりというか、「因果関係強層」では「向上群」が7割弱を占めるのに対して、「因果関係弱層」では「向上群」は2割強となっており、学生時代の活動経験と得られた能力の因果関係の強さは、社会人基礎力の向上とリンクしていると考えられます。読み手に因果関係を納得させるだけの言葉でのアウトプットができている人は、経験からの学習の振り返り、自己認識ができている人だともいえますね。 明日も続けますね。 ※《2008年10月8日》 今日は恵比寿のパルテノペ(今週2回目)にて以前に外部研修で一緒のグループだった皆さんと、それぞれの会社のメンバーも含めて大勢の会です。新たなタイプ分類基準ができました。 ![]() ![]() |
昨日の続きで3日目になりますが、先日のキャリアデザイン学会で発表した「学生が社会人基礎力を経験学習により向上させるプロセス」という研究の中から、比較的私が興味深く感じたテーマで、かつここで簡単に説明しやすいデータをご紹介していきます。用語等で不明の部分は、お手数ですが10月5日のブログに戻ってご確認ください。
今日は質問紙調査の中で、社会人基礎力の向上に一番影響を与えたと思う活動経験について、どんな「印象」を持っているか、例として提示した22の形容詞の中から選択してもらうという設問のデータです。これはなかなか面白い結果が出ています。 例によって、向上群と停滞群(10月5日のブログ参照)でみてみます。 向上群が選択した形容詞、ベスト6 ①興味深い(13%) ②誇らしい(13%) ③楽しい(11%) ④面白い(9%) ⑤意義のある(7%) ⑥夢中になれる(4%) 停滞群が選択した形容詞、ベスト6 ①厳しい(9%) ②憂鬱な(9%) ③難しい(7%) ④不安な(4%) ⑤幸運な(4%) ⑥嬉しい(4%) 明らかに向上群では、ポジティブ・ワードが並んでいますね。経験をいかにポジティブにとらえることができるかは大事なことなのだと考えられますね。 ちなみに、双方に入っていない形容詞としては、以下のようなものを選択肢に用意していました。 不運な、居心地のよい、退屈な、悔しい、怖い、安心できる、むなしい、エキサイティング、簡単な、つらい さて、明日も続けますね。 ※《2008年10月7日》 今日は今は他社の人事で活躍している昔のメンバーに来てもらい、営業研修のヒントをもらいました。ちょっとじっくり考えてみます。 ![]() ![]() |
昨日の続きで、先日のキャリアデザイン学会で発表した「学生が社会人基礎力を経験学習により向上させるプロセス」という研究の中から、比較的私が興味深く感じたテーマで、かつここで簡単に説明しやすいデータをご紹介していきます。用語等で不明の部分は、お手数ですが10月5日のブログに戻ってご確認ください。
昨日は学生が間違いなく大学時代に社会人基礎力を向上させており、その中でも「ゼミ」の効果が着目される、という話まででしたが、今日は「社会人基礎力の向上に影響を与えた人のタイプ」についてです。次の7つのタイプから質問紙調査の中で選択をしてもらっています。 ①教師的…知識ややり方を教えてくれる人 ②挑戦的…私のことを思ってあえて厳しい意見・アドバイスをいってくれる人 ③理想的…お手本となる人、尊敬できる人 ④支援的…いろいろ相談にのってくれて、励ましてくれる人 ⑤仲間的…興味が一致して活動を一緒に楽しめる人 ⑥対立的…自分とは意見や考えが合わない人 ⑦妨害的…自分の行動を妨げたり、反対する人 結果は、3割ほどの学生が「理想的」をあげ、以下「支援的」と「挑戦的」がほぼ並んでいます。どうやら、いわゆるロールモデルの存在が大切だということがわかります。また、ちょっと面白いと感じたのは、向上群と停滞群(10月5日のブログ参照)の学生の比較では、向上群の学生では「理想的」「挑戦的」が停滞群に比較して相対的に多く、停滞群の学生では「支援的」「仲間的」が相対的に多いというデータが出ています。それを逆からみれば、「支援的」「仲間的」な影響者よりも、「理想的」「挑戦的」な影響者の方が、基礎力の向上に寄与するのかもしれません。 何となく真面目な話の連続で書いている方も少し疲れますが、明日も続けますね。 ※《2008年10月6日》 早くも終了2週間目でグロービスのOB会。恵比寿の店で2宴会掛け持ちでした。最後は駅前の魚くさい?立ち飲みワイン。 ![]() ![]() |
先日のキャリアデザイン学会で発表させていただいた内容から、体系的にはなりませんが、いくつか私が興味深いなぁと感じたデータをご紹介させていただきたいと思います。あまり深くご説明する場ではないと思いますので、表面的なご紹介で終始することをご容赦ください。
発表タイトルは「学生が社会人基礎力を経験学習により向上させるプロセス」であり、大学生が大学生活で経験する様々な活動を通じて、どのように成長しているかを確認し、より成長を促進する支援ができないかを考察することが目的です。研究はかねてからご紹介しているCDCという10名程度の実践コミュニティで行ってきたものであり、発表自体も3名の共同発表という形式をとりました。 ※社会人基礎力とは、経済産業省「社会人基礎力に関する研究会」が示している概念で、職場や地域社会の中で多様な人々とともに仕事を行っていく上で必要な基礎的な能力のことをいいます。 99名の新入社員に質問紙調査を行い予備調査を実施した上で、239名の大学3年生、4年生に質問紙調査を行い、そのデータをいろいろと分析しています。 まず最初に確認したのは、本当に社会人基礎力が大学時代を通じて伸びているかどうかです。調査票では、大学入学時と現在の社会人基礎力を確認しており、その差があるレベル以上開いている(=成長している)学生を「向上群」、変化がない学生を「停滞群」として、便宜上グルーピングしました。詳しい説明は避けますが、社会人基礎力は3つの切り口(前に踏み出す力、考え抜く力、チームで働く力)から成り立つのですが、3つの切り口ともに、4年生は3年生よりも向上群の比率が倍以上に増えており、少なくとも3年生から4年生の間では社会人基礎力は伸びている、それもかなり顕著に伸びていることが改めて確認できました。 次に社会人基礎力の向上に影響を与えた活動の種類について確認しています。「学業」「課外活動」「アルバイト」「その他」の4区分で質問をしていますが、かなり拮抗しながらも、「学業」「課外活動」「アルバイト」の順でした。これを「向上群」のみでみてみると、「学業」の比率が全体の1.5倍近くになり、「アルバイト」の比率が半減します。さらに詳しく、どんな「学業」かを聞いていますが、「通常の授業」に対比して「ゼミ」が圧倒的にあげられています。全体でも類似傾向が出ており、「学業」の中でも「ゼミ」の重要性が指摘できます。ただし、会場の先生との討議では、必ずしも「ゼミ」が成長に寄与していないとのデータあるとのことで、単に「ゼミ」であればいいということではないようです。どのような「ゼミ」が成長に寄与し、それと同じ効果を通常の授業でもある程度、提供できないか…、このあたりは1つのテーマだと思います。 私達は、大学生活で何か特別なことをしなくても、しっかりと普通の大学生活さえ送れば、学生は十分な成長をするはずだという大きな仮説のもとにいろいろなことを考えています。ただし、そのためには、授業のあり方、学生への支援の仕方など、今のままでは不十分な点があるように感じています。このあたりが具体的に提言し、現実に反映できるまで研究は続きます。 明日も紹介を続けますね。 ※《2008年10月5日》 遅まきながらインターネット・エクスプローラーをさっき7にあげました。XPもサービスパック3をあてました。ブラウザにはなかなか慣れません。会社のPCはまだ6なので、このズレにも困ります。 ![]() ![]() |