大晦日です。東京地方は晴天の大晦日でした。
たまたま自家用車が使用できないので、徒歩で買い物などで動いていたら、万歩計は2万歩近くになり、よく歩いたという満足感を得るとともに、毎日2万歩あるくのってちょっと無理だよななどとも改めて思いました。とりあえず来年は、毎日1万歩と、週に2回の完全休肝日、ビールは乾杯の一杯だけ、体重マイナス5キロ、が目標です。 さて、今年最後の振り返りですが、この2週間は以下のようなラインナップでした。 12月14日 30代のときの仕事 12月16日 インバスケット演習 12月17日 内省型リーダーシップ① 12月18日 内省型リーダーシップ② 12月19日 マクドナルドと価格 12月20日 図書紹介:『日本的雇用システムの特質と変容』谷内篤博著(泉文堂) 12月21日 E型リーダーシップ 12月22日 SSCとクレーム ~SSC談話034~ 12月23日 成果主義の逆効果性 12月24日 プロフェッショナルの定義 12月25日 図書紹介:『科学的手法で絶対に成功する採用面接』 伊藤朋子著(幻冬舎) 12月26日 中途採用と派遣市況について 12月27日 転がる石に苔はつかない~ローリング30 12月28日 図書紹介:『働きがいのある会社』 斎藤智文著(労務行政刊) 12月29日 「プライド」と「意地」の呪縛 12月30日 どれだけたくさんのことをしたかではなく、どれだけ心をこめたかです ようやく退職することを今の会社でオープンにできたため、結構、感慨深い内容が揃っています。それにしても、退職予定日を延ばして、年休も取らずに辞めるなんて、最後まで滅私奉公ですねぇ。まあ、世話になった人も本当に多いので、ちゃんとしてあげたいですからね。 そうそう話は完全に変わりますが、先日の「サラリーマンNEO」。何とセクスィー部長がワコールで大暴れしているではないですか。以前は、グリコの太郎さんが出たり、この番組ってCOMPANY関西ユーザー会づいていますね。あまりのスピードで、知っている人が出たかどうかわかりませんでしたが、ただ意味もなく羨ましいです。……、年末最後に書く話でもなかったですね。 来年もよろしくお願いいたします。 ※《2008年12月31日》 久しぶりに紅白を観ての年越しです。水谷豊とスピードも良かったけど、やぱりミスチルがいい感じでしたね。 ![]() ![]() スポンサーサイト
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ちょっと前に出て結構、話題になりました。「働きがい」は今、キーワードの1つですね。
アメリカに本部のあるGPTW(Great Place to Works Institute)は、フォーチュン誌と一緒に1998年から「100 Best Company to Works for in America」(最も働きがいのある会社ベスト100)を公表しており、多くの経営者・人事部門・経営企画部門・広報部門にとっても、このベスト100入りは1つの指標になっているようです。既に30カ国以上で同様に取り組みがあり、日本でも2007年に第1回「働きがいのある会社」リストが発表されています。 本書後半では、日欧米の「働きがいのある会社」ベストにリスティングされた企業の紹介がされていますが、是非とも読み込んで欲しいのは、そういった後半の事例ではなく、前半部分の「働きがい」とは何か、「働きがい」をどう考えるか、といった部分です。「Great Place to Works モデル」においては、「働きがい」のある会社は、「従業員が、勤務している会社や経営者・管理者を信頼し、自分の仕事や商品・サービスに誇りを持ち、一緒に働いている仲間と連帯感を持てる会社」とされています。これをベースに5つのディメンションからなる57の設問に従業員自身が回答することによってリスティングは行われます。 その5つのディメンションとは以下のとおりです。国を超えて普遍的なものだといっていいでしょう。 ①【信用】従業員が会社や経営・管理層を信用しているか。 ②【尊敬】会社が従業員を大切な「人」として尊敬しているか。 ③【公正】適切な評価や処遇がされているか。えこひいきや差別がないか。 ④【誇り】従業員が自分の仕事や会社が提供する商品・サービスに誇りを持っているか。 ⑤【連帯感】自分らしくいられるか。自分の所属する組織の仲間と連帯感が持てるか。 「働きがい」は「満足度」とは異なる概念です。給与水準を上げたり、福利厚生を充実させたり、綺麗なオフィスを用意すれば、それなりに「満足度」は上がりますが、それだけで人が「働きがい」をもって仕事をするわけではありません。この人のようになりたいという上司の存在、頑張ったときに「よくやったな」といってくれる上司や先輩、常にフェアに経営から公開される情報、社会に対して誇りを持てる商品やサービス、苦労している時に手助けをしてくれる仲間、そんなようなことからいい意味での帰属意識が生まれ、それが「働きがい」につながっていきます。その意味では、「働きがい」を高めることは、コストのかからない頭のいい-+施策だともいえます。 ある会社の中堅社員がこんなことをいっていました。「当社はこんなに給与水準が高いのに、なぜか社員が満足していない。低い給与でも、いきいきと働いている他社の社員をみたりすると、いろいろと考えさせられる」。この疑問が「働きがい」アプローチの第一歩でもあります。
※《2008年12月28日》 1月1日付で後任が来るので、机の片付けに出社。退職までの出社日は明日を入れて5日間だけなので、ほとんどの私物を持ち帰りました。さすが24年間、いろんなガラクタめいた私物がありましたよ。個人で業務文書はあまり持たない方なので、机の引き出し7割程度が私物でした。いろいろと持ち帰った自宅の自室が満タン状態です。 ![]() ![]() |
転がる石に苔はつかない
杉本 祥郎(株式会社シナジック代表取締役) 知人から教えていただいた言葉です。 トヨタ自動車出身で、大企業とベンチャーマインド企業の結合による新価値創造を目指す企業である株式会社シナジックを立ち上げられた杉本氏の言葉だとのこと。そういうと、吉田拓郎の歌に「ローリング・サーティ」という奴がありましたが、拓郎は「動けない花になるな、転がる石になれ」といっていました。まったく同じですね。 高校生の頃には「ローリング・サーティ」の気持ち理解できませんでしたが、サーティという年齢もはるか昔になりつつある今、しっかりと意志をもって転がる石を演じられるかどうかも、1つの勝負です。 ローリング30 動けない花になるな ローリング30 転がる石になれ 過ぎ去った過去は断ち切ってしまえ 青春の長さ測るものはない 身体より老けた心など持つな 流れ行く時にさからって泳げ 自分のカラを突き破り 愚かな笑顔など見せるな 振り向いた昨日に恥じないように 仰ぎ見る明日に恥じないように ローリング30 動けない花になるな ローリング30 夢吹く風になれ ローリング30 ローリング30 なまぬるい日々に流される者よ 俺だけは違う身を切って生きる 三叉路があれば石ころの道よ 躓いた痛みバネにして歩け 心の汗も流さずに やさしさなどとお笑いぐささ 着いてくる世代に恥じないように 届かない世代に恥じないように ローリング30 動けない花になるな ローリング30 飛び立つ鳥になれ ローリング30 ローリング 30 こんな歌です。 着いてくる世代に恥じないように 届かない世代に恥じないように こんな思いは意地でも持ち続けたいです。
※《2008年12月27日》 真昼間からパルテノペ品川店にて、1人1本ワインを空けちゃってました。酔っ払っていたので、ついついいわれるままに後輩に奢ってもらっちゃいましたが、恐縮です。恩返しをしなくては。 ![]() ![]() |
エン・ジャパンが11月に「中途採用市況について」のアンケートをしています。
世界同時不況の影響で、期間工や派遣スタッフが大量に切られた、なんてニュースが横行していますが、いうまでもなく中途採用市況も影響を受けます。そりゃ、あのトヨタが最高益一転赤字になるのですから、現在の経済状況は半端なものではありません。 Q:有効求人倍率が低下していますが、これまでとの違いを感じられますか? ①特に変化は感じない…28% ②中途募集で応募者を集めやすくなった…25% ③人材紹介会社からの人材の紹介が増えた…18% ④良い応募者が減った…18% ⑤求人をかけなくなったので判断がつかない…17% ⑥派遣会社からの人材の紹介が増えた…14% 中途採用の需給というのは、実は景気変動の先行指数なので、ここにきて急な変化は思っているほどないのかもしれません。不景気は中途採用の需給に対して2つのバネとなります。ひとつはわかりやすいですが求人企業・求人数が減ること、もう1つは優秀な人が退職することをためらって求職者数が減ること。 派遣切りがとやかく言われていますが、新聞報道で出ているのはほとんどが現場作業者であり、もともとの派遣のコアであった事務派遣で大規模な派遣切りが相次いでいるわけではありません。もちろん、一部ではそれなりに目立った動きは出ているようですが。どちらかというと需給に影響があるのは、不景気で仕事が見つかりにくくなってくることを見越して、派遣スタッフの契約更新率が高まり、空き席が従来ほど出てこなくなっていることではないかと思います。その意味では事務派遣も需要もかなり低落しています。切られたというよりは、辞めなくなったので、需要が減っているという側面もあるように感じます。 何の世界でもそうですが、需給は慎重に見極めなければなりません。 ※《2008年12月26日》 今日は同期会。同期会はいつも「じのもん家」です。それにしても、たくさん送別会をしていただいて幸せものです。 ![]() ![]() |
今年の6月から参加させていただいている人事関連の実践コミュニティである「S-HRM研究会」の主宰者である谷内先生の著作であることと、久しぶりに体系的に日本的雇用システムでも振り返ってみるか、という気持ちもあり一読してみました。
成果主義ブームの反動で、日本的雇用システムの再評価を指摘する人も多いですが、いずれにしても、その時のブームや世の中的雰囲気に乗せられやすいのが人事という仕事をしている人達です。これは自戒を込めていうのですが、潮流にのったことをやっているとマイナス評価されにくい、カドが立ちにくい、経営に説明がしやすい、何となくかっこいい、こんな心理が奥底では働いてしまっているのではないでしょうか。また、それだけではなく、勉強不足も大きな理由のように感じます。時流にのった話は嫌でも情報が入ってきますし、いろいろなベンダーからの売り込みがあります。時流で儲けようという人はどこの世界にもたくさんいます。それが本当に良いことなのかを見極めるためには、自ら相当に勉強をする必要があります。 そんな意味では、「成果主義の見直し…」なんてことをいう人事担当者には、是非、なぜ日本企業がこれほどまでも一気に成果主義に傾斜したのか、それまでの日本的雇用システムとはどんなものだったのか、またそういったシステムが出来上がるまでの歴史的プロセス、またその歴史的背景とはどのようなものがあったのか、こういったことをしっかりと勉強してから、「見直し発言」をして欲しいものです。そうしないと翻弄される社員が可哀想です。 さて、そんな勉強目的としては本書はなかなかお薦めです。大学の「日本的雇用システム論」講座のテキストといった雰囲気で、用語と史実にきちっとこだわりながら、日本的雇用システムの歴史を俯瞰できます。 それにしても、「S-HRM研究会」は素敵な実践コミュニティです。これだけ長く続いている人事関連実践コミュニティは珍しいのではないでしょうか。理論的主柱がいる、有能かつ献身的な運営幹事がいる、一種の緩さがある、必ず飲み会がセットされている、場所の提供者がある、この会をみていると実践コミュニティ成功の法則が整理できそうです。私は、2007年のキャリアデザイン学会に参加したのがきっかけでお声がけをいただくようになりましたので、やはり動くことの大事さを改めて感じます。感謝です。 ※いつもながら、本欄の図書紹介は、本の内容を紹介する「書評」というよりは、本を読んで私が感じたことを紹介しているだけになってしまいます…、まぁ仕方がないでしょう。
※《2008年12月20日》 健康のために今月から2つのことをやっています。ひとつは毎朝、体重を量ること、もうひとつは万歩計をつけること。これをしばらくやると自然にやせるのではないかと思ったのですが、怒涛の忘年会シーズンと重なり、ほとんど効果は出ていません。 ![]() ![]() |
12月も半ば、今年もあと2週間です。ここのところ毎年毎年が最近になくいろんなことがあった年だなぁという感じで過ぎていきます。時の流れが早く感じるということは、年々進歩しているんだと勝手に肯定的にとっています。
さて、今月前半のブログテーマの振り返りです。 12月01日 景気動向指数の構成要素 12月02日 不景気時の採用 12月03日 日本を元気にしないと… 12月04日 大学の「就職力」 12月05日 図書紹介:『日本のブルーオーシャン戦略』安部義彦・池上重輔著(ファーストプレス刊) 12月06日 図書紹介:『ハイドゥナン1~4』藤崎慎吾著(ハヤカワJA文庫) 12月07日 人材育成学会 12月08日 段取りを作らせ、それをまず確認する 12月09日 仕事を趣味としてとらえること 12月10日 仕事のレベルを趣味で決めさせない ~SSC談話033~ 12月11日 出来る人のレベルを水準にしない 12月12日 出来る奴に仕事をまわすのが真の公平 12月13日 マイナスの思考スパラル 12月14日 30代のときの仕事 2週間に1回、自分で何を書いたかを思い出すために、振り返りをしていますが、今年は大晦日に最後の振り返りを残すのみとなりました。それにしても、早い。 ※《2008年12月15日》 日本橋室町の「兎月」というお店で会食。後任との引継ぎの開始でもあります。 ![]() ![]() |
先週、私の指示の甘さで、何度かメンバーに不要なやり直しをさせるといったことがありました。マネージャーとして、メンバーが持ってきた成果物をみた際に、やっていることは間違っていないのだが、どうもちょっとした方向性や、整理の仕方、見せ方が違うので、やり直しを命じざるをえないことは、しばしばあるものです。でも、このやり直しっていうのが組織としては大変なムダです。マネージャーとしても、メンバーのやり直し業務を削減できる指示の仕方とはどうあるべきか、を考えることは実に大切なことです。
これに効果的な方法として、メンバーにまずはどのような仕事をするのか「段取り」を作らせ、それを実作業に入る前にチェックしてあげるというやり方があります。仕事を受けたら、行き当たりばったりに、もしくは猪突猛進で仕事に着手するのではなく、まず「段取り」を設計する習慣をつけさせ、その「段取り」が適切かどうかを実作業に入る前にマネージャーが確認をしてあげるわけです。正しい「段取り」ができていて、それなりの能力が本人にあれば、たいていの仕事はうまくいくものです。また、「段取り」が上手に作れない場合、何かはっきりした原因があるはずです。基本的な知識の習得ができていないとか、組織間の連携の問題であるとか……。 「段取り」については、DIPSのTB(タスクブレイクダウン)の考え方にかなり学びました。 DIPSとTBの話はよろしければ過去のブログをご参考ください。年月がたっても、やはりよい考え方だと思います。 知的生産性向上システムDIPS、懐かしいなぁ~DIPSから① 業務のブレイクダウン(TB)①~DIPSから② 業務のブレイクダウン(TB)②~DIPSから③ 業務のブレイクダウン(TB)③~DIPSから④ 《2008年12月8日》 昼から大阪で、そのまま泊。大阪では飲みたい人がたくさんいます。今日は社内で。とても暖かい気持ちになれた日でした、感謝します。 ![]() ![]() |
昨日、人材育成学会第6回年次大会に参加してきました。
この学会ははじめての参加です。複数の企業人で構成している研究・実践グループであるCDCという実践コミュニティがあるのですが、ここ2年間は企業人でも研究発表はできるはず!ということで、年に2回の学会発表をしています。今年は私がキャリアデザイン学会で発表させていただき、今回は仲間が発表することになったので、学会員ではありませんが参加してきました。CDCは第7セッションで「大学生の社会人基礎力育成のための提言~経験学習理論と因果性一貫性の視点から~」というタイトルでの発表でした。内容的には、この2年間の集大成といった感じもあり、ちょっと感動しながら聞いていました。 学会というのは何となく私たち一般の企業人には敷居が高い感じがしますが、行けば行ったで、いろいろなネットワークの拡大があり、本当に有益です(もちろん研究発表内容をお聞きすること自体がまず有益なのですが)。今回は初めて、学会懇親会にも参加してきました。私は休日に大学に行く…となると条件反射的にスーツではなく、普段着で行ってしまうのですが、懇親会会場では滅多にスーツ姿はみれない大会実行委員長の花田先生を含めて、皆様がビジネスのドレスコード。ちょっと気が引けましたが、いろいろな方にいろいろな方を紹介していただき、また活動の幅を広げられそうです。とはいっても、なかなか1人で慣れない学会の懇親会等I参加するのは厳しいものがあり、仲間と一緒に活動する大切さを改めて感じました。 この夏までメンターをやらしてもらっていた学生の皆さんが事務局として随所で手伝いに活躍して、懇親会にも参加していました。こういう経験自体が、彼ら彼女らのプラスになるはずです。お疲れ様でした。 【過去の関連ブログです】 CDC 実践コミュニティ キャリアデザイン学会 メンター ※《2008年12月7日》 昨日に続いて、今日も慶應義塾大学です。今日は三田なので往復が楽です。AAA+という実践コミュニティなのですが、3つの非常に面白いプレゼンを聞けました。それにしても、母校でもないのですが、慶應にはよく縁があります。早稲田にいくことはないんですが。 ![]() ![]() |
たまにはSF小説からも。何せ私の大学卒論は日本SFの歴史に関してですから。
さて、これは文庫で4冊、長いお話です。 ハイドゥナンというのは、予那国島の南にあるという伝説の島です。この本を解説する際に、小松左京の名著「日本沈没」がよく引き合いに出されますが、「日本沈没」では日本全土が沈むのに対して、「ハイドゥナン」では沖縄の南西諸島が沈むという話であり、「日本沈没」ではごくごく一部除いて本当に日本が最後には沈んでしまいますが、「ハイドゥナン」では一部の島は沈むものの、南西諸島全体が沈むことからは救うことができたという点が大きな違いです。その救い方は、同じ著者の「蛍女」につながる部分+最新鋭の技術+強い思いのあるメンバーの決死の努力、ということで、リアルに徹した「日本沈没」とはこのあたりも違います。といっても、よくわからないでしょうが、いずれにしても4冊を読み続けさせるだけのことはある、人を引き込むストーリーがある良い小説です。 「日本沈没」を読んだのは、小学校か中学校でしたか、時期はよく記憶していませんが、上野から札幌に向かう寝台列車の中だったことを覚えています。はじめて聞く「プレートテクトニクス理論」に驚き、自分が今、立っている地盤の下に、そんな世界があるのかという事実に驚愕し、気づいてみたら高校では文系なのに「地学Ⅱ」まで選択してしまいました。 小説の影響は大きいです。
※《2008年12月6日》 慶應湘南藤沢キャンパスまでいって、日本人材育成学会に参加してきました。SFCに晴れた日に行けたのは久しぶりです。昼のパネルディスカッションからの参加にしたのですが、11時30分頃にJR東海道本線から横浜市営地下鉄に戸塚駅で乗り換えようとしたとき、支那そばやの本店が戸塚駅近くに先月できたという話を聞いたのを思い出し、立ち寄りました。3名並んでいるだけで、小さな子供ありのファミリー客も複数いて郊外のラーメン屋さんという素敵な客層でしたが、本当に良かったです。悩んだ末に塩にしましたが、次にSFCに行くときは醤油も食べます。でも、並んじゃうんだろうな、どんどん。あれっ、学会の報告を何も書いていません。 ![]() ![]() |
「ブルーオーシャン戦略」についてはちゃんと学んだことがなく、従来とは異なる競争軸を設定して、莫大な新規需要を創造する戦略というようなイメージだけで、結構、日常の仕事の中で使用しちゃってきました。さすがに、それじゃまずいと思い、W・チャン・キムとレネ・モボルニュの「ブルーオーシャン戦略」を読もうと思ったところで、読みやすそうなこの本を見つけてしまい、ついついこちらを読みました。結構、正解だったんじゃないかと…。
新木場駅からふじみ野駅へ往復する電車の中で余裕で読めましたから、平易で読みやすい本であり、かつ戦略の全体像がおそらく間違いなく書かれており、さらには日本企業の例示が多数あり、理解をしやすい本です。 マイケル・ポーターらによるの競争戦略(ブルーオーシャン戦略に対比していえば、レッドオーシャン戦略)とはまったく異なるアプローチになるわけですが、別にどちらが優れているということばいなく、レッドオーシャン戦略ももちろん必要であり、ブルーオーシャン戦略で入った市場が10年後(10年もてば素晴らしいですね)にはレッドオーシャン戦略で対抗しなければならなくなるといったようなこともある、と考えると位置付けがわかりやすくなります。 何といってもこの戦略の根本をなすのは、「バリューイノベーション」の考え方ですが、コストダウンと高いバリューの提供をトレードオフの存在ではないと位置付けたところが、ポイントでしょうか。コストを押し下げながら、買い手のバリューを上げることが必要になるので、そのためにはいたずらに総花的な高付加価値ではなく、「除去」する部分、「減少」させる部分を明確にさせた上で、「増加」する部分、「創造」する部分でバリューを提供していくという考え方です。単なる段階的な業務改善・効率化によって、コストオフを実現するのではなく、明確に「除去」と「減少」に取り組むところが肝です。常識をまずは横に置いてみて、果たして何を捨てられるのか、この部分は現実的にはかなり難しいことです。私たち実務家が実は一番苦手なのは、資源の明確な傾斜配分をすることと、明確なプライオリティをつけることですから。 進める手順についても、通常とは異なります。 ①買い手にとっての「比類なきユーティリティ」の提供、 ②売上を最大化できる価格の設定、 ③十分な利益を上げられるだけのコスト管理、 ④導入、 という流れで、コスト・オン的な価格設定は前提となっていません。ですから、ここでも「除去」と「減少」がポイントになりますね。 ざくっと説明をしただけなので、わかりにくいことこの上ないかと思いますが、この戦略ではいろいろなフレームワークが具体的に提供されています。「戦略キャンパス」「フォー・アクション・フレームワーク」なんかは日常でもかなり使えそうです。それから、戦略の実施にあたって想定される様々なハードルに対しての克服法がビルドインされている点も秀逸です。「ティッピング・ポイント・リーダーシップ」「フェア・プロセス」というこれらの概念は、別にブルーオーシャン戦略だけでなく、組織に何か新しいことをもたらそうとする場合には大変に参考になる考え方です。 でも、「ブルーオーシャン」というネーミングがやっぱり凄いですね。一言で本質を表すパワーがあります。
※《2008年12月5日》 ラーメンデータバンクの大崎代表を招いての講演、氏は1万6千杯のラーメンを食べたといいます。さすが、日本一ラーメンを食べた男です。でも、やっぱり年齢とともにこってりとした奴、強烈に濃い奴はつらくなってきているとのこと。あと、神田靖国通り近辺は新たな激戦区になったとのこと。確かに、有力な新店が続々できています。私は今日も食べましたが、須田町の「磯野」なんか素敵だと思いますが。ところで、夜はラーニングバーで、今回が3回目の出席。今回は「大人の学びって何だろう」とのワークショップを青山こどもの城で。ギリギリの到着でしたが、いいブロックも作れました。 ![]() ![]() |
さて、昨日に続いて今日も景気の悪い話です。
新聞では内定切りなんかが話題になっていますが、不景気時の採用について、先日紹介したリクルートエージェント社の「HR MICS」誌に面白い記事があります。 なんだかんだいっても日本型雇用は連綿と続いており、実態はほとんど変わっていない。優秀な人材が大量に大手企業に入り、横並び的な過酷な競争の中でゴールまで走る。仮に脱落者が出ても、大量に優秀な人材を確保しているので、社内のいたるところに代替人材がおり、会社が受けるダメージは小さい。こんな極めて合理的な仕組みを日本の大企業が捨てるわけがない、というのがまずは前提です。これはそれなりにうなずける話です。部分修正はあったものの、日本型雇用のベーシックな部分は確かに変わったとはいえません。 この記事では、この仕組みの問題点を2つ指摘しています。 ①秀才かつ横並びで育った大手企業の社員は、平時には強いが、乱世に舵取りする能力に欠如するきらいがある。 ②旧来産業から新興分野へのダイナミックな人材配置が行われない。そのため、新しい産業が育つ余地が少ない。 この2点では確かにアメリカ型の社会の方が優れているように感じられます。であるのに、なぜ日本経済がここまで対抗できているのか。この記事ではこの回答を不況期の採用に見出しています。つまり、連綿と続く日本型の仕組みの調整機能が「不況期の採用」にあったというのです。 ポイントは以下の3つです。 ①不況期は、新興・中堅企業が人材を獲得できる最大のチャンス。 ②不況期は、大手・人気企業が「乱世の蛮勇」を獲得できる最大のチャンス。 ③不況期は、旧来産業から新産業へと世代交代が促される最大のチャンス。 つまり不況によって、社会がかき回される効果により日本型社会・日本型雇用は延命されているというのです。日本型社会・日本型雇用の不完全な点が補強・是正されているというのです。そうだよなぁ、と実感します。 ※②なんかについては少々解説がいるかと思いますが、興味のある方は是非、リクルートエージェント社から「HR MICS」誌を取り寄せてご覧ください。 ※《2008年12月2日》 お昼は人形町で「キラク」に寄りましたが、ポークソテーの味が変わっているのにびっくり。もう一回、いずれ試してみますが、人形町で一番好きなメニューだっだけにかなりショックです。夜は、梅が丘にてピッツァ・マニアが集う会。ピッツァが好きだというだけの共通点でこれだけの人が集まるとは素晴らしいことです。 ![]() ![]() |