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報酬の逆効果性
先日、ご紹介した谷内先生の「日本的雇用システムの特質と変容」の中で、成果主義の逆効果性について整理されています。成果主義の弊害についてはいろいろなところで指摘されてきましたが、ここではアメリカの心理学者のコーンと、神戸大学の金井先生の著作からの引用をベースにとてもわかりやすく整理されていますので、ご紹介させてください。項目的として7つになります。

①報酬は罰になる
報酬と罰はコインの裏表である。報酬をもらえなかった人にとっては、報酬は罰と同様の効果を持つ。こうした罰は、改善でなく、反抗と弁明、怒りを発生させやすい。

②報酬は人間関係を破壊する
報酬は配分資源が当然に限られるため、社員間に報酬をめぐる競争を助長し、集団に必要なチームワークを破壊する。人間関係やチームワークはいうまでもなく、個人が成果を上げるためにおいても必要な環境要因である。

③報酬は理由を無視する
報酬は職場における問題や原因に関係なく与えられるため、短期的成果を最大化しようとするあまり、職場における真の問題を隠したり、理由を無視したり、先送りしたりする傾向がある。その結果、組織の長期的効果を犠牲にする危険性をはらんでいる。

④報酬は冒険に水をさす
報酬は報酬を得るのに必要な仕事しかしないといった行動を人に引き起こす。これは行動主義の矛盾とでもいうべきもので、成功報酬が増すにつれて人は安易な仕事を選択する傾向がある。企業にとって必要な創造的な仕事を展開するためには、新しいことへの冒険が必要であるにもかかわらず、報酬はこれを結果的に阻害する。

⑤報酬は興味を損なわせる
報酬は罰と同様に人の内発的動機を損なわせ、ひいては仕事への興味を失わせてしまう

⑥報酬は使い出したら簡単には引けない
いったん期待する行動を引き出すために報酬を使い出したら、行動は金銭を得る手段であるという認識が人には生まれ、同じ期待する行動を引き出すためには、報酬を与え続けなければならなくなる

⑦報酬はそれを得るための手抜き(最短ルート)を選ばせる
いったん報酬への期待から行動をするようになると、行動が報酬をもたらす最短ルートを人は選ぶようになる。このような仕事の仕方は、一見すると自律的な選択にみえるが、実は報酬に統制された思考停止的な仕事の進め方である

もちろんいうまでもなく成果主義的報酬には、効果も長所もたくさんあるわけで、要は設計と運用です。このような逆効果性を理解した上で、それを打ち消すような運用の仕掛けをいかにしているかがポイントです。そのためにも、成果主義ならば成果と報酬を求めて人はやる気を出すものだという幻想をしっかりと捨て、成果主義の効果は限定的でありかつ反作用があること、報酬以外に人のやる気を喚起する大切なものがもっとある、ということをまずは経営から末端までが同じように理解をすることです。


※《2008年12月23日》 ちょっと事情があって、またSONYのVAIOを買いました。日本の景気を何とか底ざさえしようと個人的に頑張っています。皆さんも、とにかく消費拡大ですよ。それにしても、これで我が家で購入したVAIOは6台目です。CYBER-SHOTも3台買っていますから、よっぽどのSONY好きですね。

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【2008/12/23 22:03】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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