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内発的動機付けと外発的動機付け
さらに、Learning bar「みんなでやる気を科学する」からのお話を続けます。

今日は岡山大学から近畿大学経営学部に移られたばかりの山下京先生による『ワークモティベーションの測定』と題したお話についてです。山下先生は大変に味のあるお話ぶりの方でした。
  
詳細は割愛しますが、動機付けを「外発的動機付け」「内発的動機付け」の2種類に分けて分析をされています。改めてこの2つを整理すると、以下の感じですね。

「外発的動機付け」…外からの力(報酬や罰)によって動機付けられる場合
「内発的動機付け」…何の外的報酬や外的罰も与えられないのに、自発的に行動が生じている場合

この2つは相互補完関係、すなわち一方が上がれは他方は下がるという傾向にあるそうです。逆相関、トレードオフの関係だともいえます。

こういったことを前提に、128社120万人分の調査データを分析し、それを各企業の財務諸表とマッチングするなどして、ワーク・モチベーションと企業業績の関係を導き出したのが山下先生の研究です。企業実務家の立場でこのデータをみると、やるべき施策を打つか打たないかの意志判断をする際の貴重な論拠となるなとまずは感じます。

企業データの調査からは、内発的動機付けが一定以上なければ企業業績はあがらないといった関係が読み取れます。それに対して外発発動機付けがあるからといって企業業績はあがらないとも読み取れます。その意味では、内発的動機付けを軽視してきた一連の成果主義の潮流は、見直されてしかるべきであり、あらためて日本型の企業文化の確立が必要になるといった論調が導かれます。

さて、ここからが面白いのですが、企業がどんな施策を打つと、外的動機付け・内的動機付けが上がり下がりするのかを分析されています。

例えば、企業の施策のうち、内発的動機付けを上げて外発的動機付けを下げる要因としては、賃金の年功制、組合関与の高さ、長期借入金の比率、内部留保率、新卒採用重視などがあげられます。

内発的動機付けを上げるだけに作用するものは、人件費・福利厚生費の高さ、会社関与の高さ、売上高設備投資率、役員の内部昇進比率、非正規従業員の少なさ、などです。

外発的動機付けだけを上げるのは、能力成果主義、株主への配分重視、などです。ちなみに、30歳従業員の年収格差を100万円つけた場合、外発的動機付けがまったくつけない場合に比較して8.9ポイント上昇するそうです。

細かくは紹介しきれませんが、個々のデータはかなり興味深いものです。

短期利益を追い過ぎず、ヒトを重視した経営が内発的動機付けのためには必須であり、これはいわゆる日本型雇用慣行に近いものであるということを明らかにされています。ある意味では日本型雇用慣行の効果を支持するような研究結果だともいえます。

とはいっても、単純に旧来的日本型雇用慣行に戻るのが良いわけではありませんし、もはやそれができる
環境でもないでしょう。人事担当者としては、こういったことを意識しつつ、1つ1つの施策を真剣に検討していくことです。とにかく一面的な視野には陥らないことです。そのためにはやっぱり幅広い勉強が必要なんですね。

《2009年4月21日》 朝から数えてみたら、面接も入れると打ち合わせが18件。明日も数えてみたら、さらに多くて20件。今日も明日も明後日も、お昼も打ち合わせです。でも、私の打ち合わせ内容は基本的には人事関連の話ばかり。幅広いといっても限度があります。それに対して社長業というのは、あらゆる種類の打ち合わせに頭を切り替えて対処しなければなりませんから、本当に頭が下がりますね。


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【2009/04/21 23:57】 | モチベーション | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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