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ちょっと整理です…8月後半編
8月も終りです。江戸川区でも夏休みは短縮になっており、8月31日が夏休みの最終日ではなくなってしまっているんですね。何となく感覚が狂います。

昨日の選挙はすさまじかったですね。でも、出口調査ほどは激しい結果にはなっていません。民主でみれば、TBS:324議席、フジテレビ:321議席、テレビ朝日:315議席、テレビ東京:326議席が、結果は08議席。日本テレビはイモリが走ってました。自民党は、TBS:96議席、フジテレビ:97議席、テレビ朝日:106議席、テレビ東京:98議席が、結果は119議席。主に中四国で誤算があったように見受けられますが、自民なんかは結構大きな誤差ですね。

さて、8月後半の振り返りです。最近、いろいろなところに出没しているので書くことにはこと欠きません。もう少しちゃんと整理して書いておかないと、備忘録ブログとしては機能が損なわれる恐れがあります。

8月16日 GCDFクライアント役
8月17日 GCDFヘルピング~ヘルピング備忘録③
8月18日 「熟達化」としての学習
8月19日 「学習棄却」としての学習
8月20日 そしてアンラーニング
8月21日 「戎」
8月22日 パラダイム・シフトとオフィス・レイアウト
8月23日 「文脈の多様性」が競争力を創る
8月24日 日本的なEAPを目指して
8月25日 防衛機制
8月26日 優秀なリーダー・先輩が陥る罠
8月27日 快適職場のソフト面への適用
8月28日 「鳥藤」
8月29日 シェアード・サービスというビジネスモデルの終焉の始まり?
8月30日 お好み焼きと人材育成

《2009年8月31日》 台風は去りましたが、去らないものもいろいろとあります。


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【2009/08/31 23:10】 | 振り返り | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
お好み焼きと人材育成
木曜日の晩ににっぽんお好み焼き協会の佐竹会長を囲んだお好み焼きパーティがありました。

大阪は南方の店焼きのお店でしたが、やはりここは無理をいって佐竹会長に実演をお願いしてしまいます。本当に上手に焼いていただいたお好み焼きは美味しい。ポイントは10カ条を見ていただくとして、とにかくタッチ数が少ないんです。焼きあがるまで、コテでお好み焼きをさわるのは、ほんの数えるほど。手数の少なさに感動です。でも、簡単ではないんです。よ~く、そして暖かく、お好み焼きを見ているのです。佐竹会長曰く、「手はかけないけれども、目はかける」というわけです。

これと同じ話をどこかで聞いたと思ったのですが、このブログでも以前に紹介した永田農法です。

2008年2月27日のブログの再録です。〓〓〓〓

比較的有名な話のようですが「永田農法」という方法で栽培されたトマトは、香りがよく肉質が締まっており、甘くて美味しいそうです。この栽培方法は「スパルタ農法」などともいいますが、最小限の水と肥料しか与えないのが特徴です。この農法について創始者の永田照喜治氏は以下のように話されています。

『私の農法が「スパルタ農法」「断食農法」と呼ばれるのは食物を甘やかさないからです。人間でもそうですが、満腹だとなまけものになります。植物もたっぷりの水と肥料を与えられて育つと、まず根っこが十分に働かなくなります…。私の農法のものは白くてふわふわの細かい根っこが地上の近くにびっしりできます…。これが美味しさの秘密なのです。ぎりぎりの生育環境で養分や水分を十分に吸収するために、植物が持つ本来の生命力を取り戻したのです』。

小樽商科大学の松尾睦先生が、この「永田農法」を人材育成に当てはめて紹介しています。

○肥料や水を与えすぎると、見栄えがよいが栄養価が低く味の悪いトマトしかできない。組織においても、効率を重視してメンバーに情報や知識を与えすぎると、外見は立派だが中味のない人間ばかりが育ってしまう危険性がある。
○永田氏のいう「根っこ」は、植物が土から養分を吸い上げる力であり、人間でいえば様々な経験から知識やスキルを獲得する能力に相当する。
○植物本来の成長能力を引き出すような環境を作るのが「永田農法」の基本的な考え方だが、企業においても社員が持っている潜在能力を引き出すような環境を作り出し、自ら学ぶ力を引き出すことが大事である。
○ただし、「放任」や「しごき」が人を育てるのではない。「永田農法」は水や肥料こそ最低量に押さえるが、野菜をほったらかしにしているのではなく、「手はかけなくとも、目は細かくかける」ことを重視している。つまり、野菜がどのように成長するのかをよく理解した上で、きめ細かい管理をしている。企業の人材育成においても、人が成長するプロセスを良く理解した上で、個人が持つ潜在能力を引き出す環境を提供することが大切になる。

最後の部分につきますね。人材育成も「手はかけなくとも、目は細かくかける」が最大のキーポイントです。

ここまで。〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

実はお好み焼きを食べた翌日の金曜日の夜に、産能大の長岡先生が主宰される「イブニング・ダイアログ」で今は神戸大学に移られた松尾先生にお会いしました。なんか不思議なめぐり合わせです。

お好み焼き=永田農法=人材育成、この3者の根底に流れるものは、実はとても共通しているのです。

【過去の関連ブログ】
06月19日 お好み焼き憲章10カ条 

《2009年8月30日》 選挙でした。朝早めに行きましたが、また出口調査には声をかけてもらえませんでした。共同通信の気の弱そうな調査員がいたのですが、誰にも声をかけれていないんじゃないだろうかと心配になります。


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【2009/08/30 21:31】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
シェアード・サービスというビジネスモデルの終焉の始まり?
昨日の朝刊の記事は、びっくりしました。

住友信託銀行、パナソニック、花王の3社が作っている人事サービス・コンサルティングが、三菱商事の人事シェアードサービス子会社であるヒューマンリンクの人事関連業務受託部門を買収するとのこと。ヒューマンリンクは、ローソン等の給与計算も受けているので、受託人数はかなり多く、新会社(社名は、エイチアールワン)の受託人数は32万人になるそうです。人事サービス・コンサルティングはもともとSAPを使っており、ヒューマンリンクも三菱商事分はSAP、当然新会社でもSAPがメインシステムになるのでしょう。ヒューマンリンクは海外給与コンサルと一部教育関係の会社として存続するようです。いずれも新聞記事からの推測ですが、知人もいるので、いったいどうなるのかいろいろと聞いてみたいと思います。

この合併劇をどうみるか。

1つはシェアード・サービスというビジネスモデルの終焉の始まりである可能性が高いということです。シェアード・サービスから本格的なアウトソーシングへの移行が日本でも始まる可能性があります。成果主義の荒波を経て、日本企業の賃金体系もかなりシンプルになりました。温情的な手当や特殊な運用、複雑な勤怠管理もこの10年くらいの人事担当者の努力により相当に減っています。人事制度・勤怠管理がシンプルになれば、アウトソーシングも現実味を帯びます。

また、シェアード・サービス自体の問題もあります。設立当初はグループ利益の最大化、グループへの貢献が明確な目的であったわけですが、時とともにシェアード・サービス子会社の存続自体が自己目的化してきている傾向がどうしてもあります。そうなると、勤怠にしても給与にしても、完全に確定までを顧客企業に求め、計算だけがシェアード・サービスの仕事となる。これはこれで正しいのですが、顧客会社の運用に入り込んで、かゆいところにまで手が届く業務をやっていたからこそ、頼りになる存在であったはずが、効率的に割り切った運用をしてしまっては、サービス内容がアウトソーサーと同様になってきてしまいます。もともと高い出向者の人件費でまわしているようなシェアード・サービス子会社は、とてもではありませんがコスト競争になるとアウトソーサーには勝てません。

人事サービス・コンサルティングができたとき、私はおそらく失敗するだろうと思っていました。初期に全日空がまず離脱したときにも、やっぱりそうだよな、と思っていました。しかし、その予測は今回の報道で完全にはずれました。日本の社会は、想定を超えて変わろうとしています。

明日は選挙です。

《2009年8月29日》 今日書いたテーマとかぶるのですが、食品業界のシェアード・サービス仲間のうち、とっても熱い思いを持っている人で「熱有会」というのを作っています。そのメンバー中心で、今日は高尾山に上ってきました。稲荷山ルートからあがりましたが、これは結構、馬鹿にならないですよ。最初の30分はかなりきつく、山頂まじかの240段の階段もしんどいです。だから、ビールが美味しいんですけどね。ご存じですか、高尾山のケーブルカーを降りたあたりに「ビア・マウンテン」という大箱のビアガーデンがあります。今日も山頂から下ってから17時くらいから、そこで飲もうかなと思っていたのですが、何と1000人待ちでした。人生でこれだけの規模の「待ち」を宣告されたのは初めてです。一応、整理券はもらったものの、迷わず高尾駅前の和民まで降りることにしました。


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【2009/08/29 23:48】 | シェアード・サービス | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
「鳥藤」
この店の店名が「鳥藤」だと知っている人はあまりいないかもしれません。

「ミルクワンタン」の店として知られている有楽町B級グルメの雄です。有楽町のガード下、それも山手線の外側の極めてディープなエリアにあります。この道自体を夜に歩くのは怖いくらいの感じですし、知らないと怪しくてとても入れないエリアであり、お店です。

なんといっても「ミルクワンタン」というインパクト抜群のメニューが目玉です。ミルクスープのワンタンと、もつ煮込みを混ぜ合わせた一品ですが、食べてみないと理解できないと思います。食べてみても、なぜこのような気見合わせが存在しているのかよく理解できません。ただ、妙にやみつきになります。私は大好きです。

そしてもう1つ凄いのは、メニューがないところ。お昼はミルクワンタンにミニチャーハンが付いたものをいただきます。800円ですが、何度行ってもお店のおじさんは必ず「800万両いただきます」といいます。この予定調和的会話がたまりません。

夜もメニューがないため、勝手にあれこれ出てきます。そして、もちろん〆はミルクワンタンです。先日は2人でカウンターでおかみさんの昔話を聞きつつ焼酎を結構飲んで7000円でした。そういうと、その時は「7000万両です」とはいわれなかったような気がします。

《2009年8月28日》 本夕は産能大の長岡先生が主催される「イブニング・ダイアローグ」に初参加。想像とおりに素晴らしい会でした。改めていずれ整理して書いてみます。代官山は行きは恵比寿から歩き、帰りは中目黒に降りました。ちょうどよいタウンウォッチングになりました。


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【2009/08/28 23:04】 | 未分類 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
快適職場のソフト面への適用
労働安全衛生法第71条の2は、人事労務担当者として十分に意識しておく必要があります。

第7章の2 快適な職場環境の形成のための措置(事業者の講ずる措置)

第71条の2 
事業者は、事業場における安全衛生の水準の向上を図るため、次の措置を継続的かつ計画的に講ずることにより、快適な職場環境を形成するように努めなければならない。
 1.作業環境を快適な状態に維持管理するための措置
 2.労働者の従事する作業について、その方法を改善するための措置
 3.作業に従事することによる労働者の疲労を回復するための施設又は設備の設置又は整備
 4.前3号に掲げるもののほか、快適な職場環境を形成するため必要な措置(快適な職場環境の形成のための指針の公表等)

第71条の3 
厚生労働大臣は、前条の事業者が講ずべき快適な職場環境の形成のための措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るため必要な指針を公表するものとする。厚生労働大臣は、前項の指針に従い、事業者又はその団体に対し、必要な指導等を行うことができる。

つまり事業者は快適な職場環境を社員に提供する義務があるということです。

もともと快適な職場というのは、どちらかというとハード面での整備一辺倒の話でした。安全衛生委員会で取り扱うテーマもハード面での整備が中心でした。これが徐々に過重労働問題が大きなテーマとして加わってきました。そして、ここにきてさらに新しい動きが出てきています。

快適職場づくりのソフト面についての取り組みです。
中央労働災害防止協会の「快適職場システムづくり調査研究委員会」は、以下のとおりに「ソフト面の7領域」なるものを提示しています。

領域①「キャリア形成・人材育成」(教育・訓練、キャリア形成、キャリア・コンサルティング、自己啓発、経営方針、組織風土等)
領域②「人間関係」(仕事上の支援、協調、職場の雰囲気等)
領域③「仕事の裁量性」(仕事上の自由度、責任・判断の裁量性等)
領域④「処遇」(賃金に代表される労働条件、雇用保障等)
領域⑤「社会とのつながり」(仕事の社会性、組織の社会性等)
領域⑥「休暇・福利厚生」(休暇、労働時間、仕事と家庭の分離、サポートシステム等)
領域⑦「労働負荷」(過剰または不足の労働、仕事の量と質、身体的・心理的疲れ等)

特に領域①②③あたりはちょっとびっくりという感じですね。
もしもこのソフト面がハード面と同等に扱われるようになったとすると、これらの問題はきちんと安全衛生委員会でも取り上げるようになるでしょうし、労働基準監督署の立ち入りで、能力開発体系やキャリアカウンセリングの体制が十分でない、上司の部下支援などが十分でない、などといった是正勧告が出るなんていう世の中にいずれなる可能性もあるということです。

《2009年8月27日》 大阪に飲みに行きました。3つの趣旨を1つの宴会でやってきました。これなら、飲みにだけでも大阪に行く価値はあるのです。佐竹さん、ありがとうございます。


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【2009/08/27 23:54】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
優秀なリーダー・先輩が陥る罠
優秀なリーダー、先輩は大きな戦力になりますが、よくいわれるお話ですが、優秀なリーダー・先輩が陥りがちな典型的な罠が2つあります。

1つはメンバー・後輩にも当然、自分と同じような活動やアウトプットをすることを求めること。往々にして優秀な人は自分のどこがどう優秀なのかを理解していません。そして、メンバーや部下がなぜ仕事が上手にできないかがわかりません。スポーツの世界で優秀なプレーヤーは必ずしも優秀な監督やコーチにはなれないとよくいわれるのも、こんなあたりと共通する話です。なんでメンバーや後輩は、ちゃんとした仕事ができないのか、と常に思って仕事をしているようでは、本人にもメンバー・後輩にも大きなストレスですね。

もう1つは仕事を手ばなさないことです。メンバーや後輩に任せるよりも、明らかに自分でやった方が良いアウトプットが出せますし、短時間で仕事を仕上げることができるからです。それはそのとおりなのですが、それではメンバーも後輩も育ちませんし、自分もより高次の仕事にチャレンジする時間を創れません。最初のうちは、メンバーや後輩に仕事を頼んだ方が時間がかかって大変なのですが、それに耐えながらもメンバー・後輩を活用していく努力をしていかなければなりません。ある意味では、それがマネジメントそのものですから。

《2009年8月26日》 今日は人形町にて大発見。勘違いってあるものですね。


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【2009/08/26 23:50】 | マネジメント・リーダーシップ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
防衛機制
先週の土曜日のキャリアラボのスーパービジョンでの圧巻は、面談の中での「防衛機制」の取り扱いでした。

強い葛藤を感じたり、身体的・社会的脅威にさらされたり、自己の存在を否定されたりといったような自我が脅かされるような危険がある際には、不安の発生を防ぎ、心の安定と調和を図るために、自我が無意識に調整機能を働かせます。これが「防衛」であり、このためにとられる手段が「防衛機制」です。

抑圧、退行、置き換え、昇華、合理化、同一視、投影、反動形成、転移、分離などいろいろな「防衛機制」がありますが、人は自らを守るためにこれらの「防衛機制」を利用しています。

さて、面談における防衛機制の取り扱いです。

例えば、一般事務職として長いこと働いてきた中年期に入った女性。何度も何度も面談の冒頭部で自分の仕事は「つまらない仕事」だと繰り返す。ついついキャリアカウンセラー、キャリアドバイザーとしては、「そんなことはないんじゃないですか。周りの人は○○さんがしっかりとサポートしてくれることで随分と助かっているのかもしれませんよ」とか、「会社につまらない仕事なんてないですよ。立派に続けてこられたんじゃないですか」などと安易にラポール形成をとろうとしてしまいがちです。

これが、防衛機制の観点からはNGなのです。

例えば、もしもこの方が自分の今のやる気のなさを「自分がやっているのはつまらない仕事だからしかたがないんだ」という「合理化」の防衛機制によってギリギリでバランスをとっていたとすると、安易な追従的な気休めは、この防衛機制を壊し、ひいてはクライアント自身の気持ちを壊してしまいかねません。実は必死に構築した防衛機制によりギリギリのところで耐えているクライアントなのかもしれません。

まずは「つまらない仕事」だといっているその人自体によりそってラポールの構築、つまりGCDFでいうところの関係構築をするのが大切です。

若い人の言い訳の多くは防衛機制だと言われています。こういった意味では、部下がしてくる防衛機制による言い訳に対して、上司は論理的に論破してはいけないということになるのですが、ビジネス場面ではなかなかこのあたりは難しいです。ただ、いずれにしてもカウンセリング、ヘルピングの場面では注意したいところです。

《2009年8月25日》 短時間勤務社員制度に思いをはせ、通信の歴史に思いをはせ、そんな1日でしたが、体調は不調でした。


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【2009/08/25 22:35】 | キャリア~全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
日本的なEAPを目指して
この秋、EAPパートナーの見直しを検討しています。もちろん単にパートナー会社を見直すというのではなく、当社としてどのように活用し、人事労務全体施策の中でのEAPの仕組みをどのように位置づけて活かしていくかということを再検討するということです。

たまたま土曜日のキャリアラボのスーパービジョンでは、EAPもテーマに上がりました。

そこでお話に出ていた日本EAP協会のホームページには、EAPの定義として以下のような言葉があります。

EAP(Employee Assistance Program)は以下の2点を援助するために作られた職場を基盤としたプログラムである。
①職場組織が生産性に関連する問題を提議する。  
②社員であるクライアントが健康、結婚、家族、家計、アルコール、ドラッグ、法律、情緒、ストレス等の仕事上のパフォーマンスに影響を与えうる個人的問題を見つけ、解決する。

また、EAPのサービス対象としては、以下の3つと規定しています。
①.従業員ならびにその家族と認められる者
②.組織のリーダー
③.組織全体

さらには、EAPサービスの内容を以下のように8つに整理しています。
 
①.問題の確認・アセスメントとリファー
EAPはクライアントの抱える問題を確認しアセスメントを行い、適切な行動プランを作成し、必要な場合には、問題解決に適した手段を推薦したり、適切な援助を行う機関へ紹介するものとする。
 
②.危険への介入
EAPは従業員、その家族、および組織の直面する危険に対し、機敏な介入措置をとるするものとする。
 
③.短期的問題解決法
EAPは、問題解決のための短期的措置をいつ行うか、また専門家や地方自治体の提供する手段への紹介をいつ行うかを決めるための手続きを定めるものとする。
 
④.モニターリングおよびフォローアップ・サービス
EAPは適正なフォローアップ・サービスと、クライアントの進展についてのモニターが行われるように保証する方法を定めるものとする。
 
⑤.組織のリーダーのトレーニング
EAPは、プログラムの目的や手続きならびに、プログラムに関する組織のリーダーの役割を理解し、意思疎通を図るために、組織のリーダーをトレーニングするサービスを提供するものとする。
 
⑥.組織のリーダーへのコンサルテーション
EAPは組織のリーダーに対し、業務成績や行動および医療上の問題を抱える従業員を、EAPへマネージメント・リファーすることに関してコンサルテーションを提供する。
 
⑦.組織に関するコンサルティング
EAPは、従業員の心身の健康に強い影響を与える可能性のある問題、施策、日常業務および慣例についての相談に応じるものとする。
 
⑧.プログラムの推進と教育
EAPは、従業員、その家族と認められる者、および組織のリーダーが、プログラムを躊躇なく利用できるような雰囲気を醸成するために、プログラムを発展向上させ、広報資料の作成や広報行事を行うものとする。

定義からも明確ですが、これまでEAPにも取れられてきた役割は、メンタルヘルス等の不全に対する対処です。
特に日本ではメンタル不全対応一本という感じでこれまでのEAPはきています。
すなわち、いってみればメンタルヘルス的に「マイナス」の状態になっている人に対して、何とかして「ゼロ」に近づけられるようにもっていくというのが今のEAPのスタンスです。これに対して、花田先生がお話される「新EAP」というか「日本型のEAP」は、より予防的な見地を強化し、さらには「プラス」にしていく領域までを対象にしてはどうかというものです。ここにきて、キャリアアドバイザー・キャリアカウンセラーの役割に改めてしっかりとつながってくるわけです。

この秋には、そんなことも前提に検討をしたいと思っています。

《2009年8月24日》 夜は大井町です。びっくりしました昭和なこの街。


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【2009/08/24 23:28】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
「文脈の多様性」が競争力を創る
昨日の続きで東京工業大学の妹尾先生のお話からです。

まずは、「場」という言葉について。
日本語の「場」はいろいろな意味で使われます。単純にスペースといった意味になる場合もありますが、「場を読む」「場違い」など物理的スペースとは違った使われ方もします。

さて、同じものを見ても人によって解釈が異なることってよくありますよね。その人が持つ文脈によって、引き出す意味は変わってきます。1人1人、人が変われば解釈する文脈が変わってきます。これが人の面白いところであり、優位性なのだと私は思います。1人1人で解釈する文脈は違うのだけども、それを共有することそのものが「場」なのです。ですから、文脈の共有がうまくできない相手には「場違い」という評価が下されます。転職した際などは、このあたりが難しいですね。

さて、ちょっと話を変えます。
私たちは会社に勤めて、大勢で仕事をしています。これは1人1人で仕事をするよりも、大勢で仕事をした方が良い仕事ができるからにほかなりません。では、個人に対する組織の優位性とは何なのでしょうか?どうして良い仕事ができるのでしょうか。

パラダイムが「情報処理型」から「知識創造型」に移り変わった話を昨日しました。

「情報処理型」社会における個人に対する組織の優位性は、1人ではとても処理できないような多くの情報を処理できることでした。しかし、このパラダイムにおいては、同じ処理スピードであれば1人の労働単価が安い方が絶対的に有利です。つまり、日本はどうやっても中国に勝てなくなってしまいます。

これに対して、「知識創造型」社会における個人に対する組織の優位性は、「文脈の多様性」(variety of context)になります。1人で解釈するよりも多くの解釈が生まれ、そこから何か新たな価値、創造性が生まれるという考え方です。これであれば、労働単価の問題になりませんから、日本は中国に勝負できます。

ということは、日本企業にとってはいかに「文脈の多様性」を担保できる仕組みを作り上げるかは重要な課題だということになります。ダイバーシティが大切だといわれているのもこの話の延長上で解釈できるでしょう。そして、職場を活性化させ、行動パターンを変貌させるクリエイティブ・オフィス創り、従来の「情報処理型」オフィスからそういったオフィスにオフィス変革をすることも、「文脈の多様性」を触発させる大切な仕掛けなのです。

クリエイティブ・オフィス化というのは、何となく快適さを求めているバブリーな話でもなく、フリーアドレスにしてオフィス面積を少なくすること狙いのコスト削減の話でもなく、実は企業競争力強化のテーマなのです。

《2009年8月23日》 朝から終日、徹底的に自宅でお仕事。新聞を取りに行ったのは夕方です。でも、終わりません。そんなもんか。


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【2009/08/23 18:18】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
パラダイム・シフトとオフィス・レイアウト
木曜日は慶応MCC「ラーニング・イノベーション論」の課外企画「ラーニング・ピクニック」で日本コムシスさんに訪問、フリーアドレスを取り入れたインテリジェンス・オフィスを見学させていただきました。ここのところコクヨさんのモデル・オフィスも2回見させていただいておりますが、オフィス改善は人事としての大切な裏テーマです。

さて、見学後に伺った東京工業大学の妹尾先生のお話からです。

仕事のタイプが「定型型」から「非定型型」に変わり、ビジネス世界自体が「情報処理型」から「知識創造型」に大きくパラダイム・シフトしているにも関わらず、オフィスが旧態依然の企業があまりにも多いとのご指摘です。

ビジネス世界が「情報処理型」から「知識創造型」に大きくパラダイム・シフトしたことにより、競争の軸は明らかに「効率性」から「創造性」へと変化しました。つまり、「同じことを他社よりもうまくやること」ではなく、「他社とは違うことをやる」ことができなければ競争優位は保てなくなっています。その背景には、技術革新のスピードアップ、キャッチアップ経済の終焉、グローバル化の進行、モノあまりの時代、消費者主導型マーケットへの変容、価値観の多様化などの事象があります。

「効率性」が重視されるパラダイムでは、企業の焦点は「情報処理」「問題解決」にあり、キーワードとしては、品質、コスト、便利さ、定型、与えられたことをいかに効率的に処理するか、といった言葉が並びます。

これに対して、「独創性」が重視される新しいパラダイムでは、企業の焦点は「知識創造」「問題発見」に移り、キーワードとしては、デザイン、ソリューション、感動性、非定型、新しい価値をいかに発見して創り出すか、といった言葉に塗り替えられます。

これだけ大きなパラダイムのシフトに直面しながら、いまだにほとんどの企業のオフィスは「情報処理型」に適した旧態依然の状態です。ピラミッド型組織と、対向島型&部署固定式のレイアウトは、定型業務を効率的に進めることが求められる「情報処理型」のパラダイムにあっては実に合目的的だったわけですが、それがまだ続いているというわけです。

しかし、これに気付いた企業は既に取り組みを開始しています。

ただし、やったことの効果測定が極めて難しい分野だと思いますが、日本コムシスさんを見学させていただいた限りでは、職種にもよるのでしょうが、間違いなく効果は出ると確信しました。

《2009年8月22日》 日中は六本木アカデミーヒルズにてキャリアラボのスーパービジョン。後日、整理します。それからイクスピアリで「アマルフィ」を観ました。面白かったですが、あの内容に「アマルフィ」というタイトルをつけるなんて、さすがフジテレビですね。「天使と悪魔」同様にローマのプロモーション映画みたいな感じです。


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【2009/08/22 23:55】 | HRM全般 | トラックバック(1) | コメント(0) | page top↑
「戎」
金曜日ですので食べ物の話です。

今週も飲み屋ですが、西荻窪の「戎」です。

いい街には必ずこうい感じのやきとり屋か居酒屋がありますね。
1980年代前半からのファンです。「君の瞳に恋してる」や「君は天然色」や「レッツ・グループ」が街に流れていた頃です。
西荻窪あたりに住んでいた友人がかなりいたので、よく行きました。当時から、あのオープンエアの雰囲気は変わりません。ビール箱って便利だな、と改めて感じられる瞬間でした。夜になるとこの西荻窪南口奥の一帯が1つの別世界を作りだします。今から考えると、映画のロケみたいです。食べものメニューも豊富で、値段も安いです。ビールよりもチューハイ類が似あいます。

今ではそこそこの店舗展開をされているそうです。
でも、やっぱり西荻窪の南口です。

《2009年8月21日》 日中はきわめて濃厚に働いて、夜も濃厚に飲みました。多様なメンバーで西麻布の「おそばの甲賀」でしたが、ここにくるととにかく日本酒飲みすぎます。それはそうと、お好み焼き検定も追い込みです。


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【2009/08/21 23:56】 | 未分類 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
そしてアンラーニング
この2日間のブログ内容の整理をしていて、私は「適応的熟達者」の傾向があり、長岡先生の指摘される以下のような状況に常にあったなぁと改めて実感しています。

・さばき切れないほどの多くの業務を鮮やかに処理する能力にたけた「突貫工事のエキスパート」
・長期的ビジョン構築や本質的な問題にコミットすることが不得意な「優秀な管理者(計画遂行者)」

これって、はたから見ると大変そうですが、実は仕事さえ嫌いでなければ、とても楽なことなのです。

これからも「適応的熟達者」としての機能は目いっぱい果たしながら、「突貫工事のエキスパート」「優秀な管理者(計画遂行者)」として機能するボリウムを減らしていく必要があります。このためには、人事内のメンバーの強化と、自分自身の見直しが必要です。

自分自身の見直しとしては、やはり「学習棄却」としての学習がポイントになります。
どうしても、人は経年とともに(もっと簡単に言えば、年をとると)に習慣強化の傾向がはっきりと強まります。自らの経験から導き出した「持論」と「業務のパターン化」に溺れ、新しいことができなくなってきます。これは最近、痛感します。

では何をするのか。
やはり常に「持論」をリフレッシュすることが大切なのだと思います。そのためには「棄論」(アンラーニング)が必要です。常にアンラーニングをしつつ、「持論」をブラッシュアップする、そんな感じでしょうか。このために、何をするか。

オフサイトミーティングを提唱するスコラコンサルティングの柴田昌治さんの言葉です。
『人の話を聴けないのは、その人のこころの老化現象なのだ』
まず、人の話を聴かずして、アンラーニングはできませんね。

私は人一倍、外部に出ており、社外との交流をしています。でも、そんな社外との交流に慣れ切ってしまい、そこでも腰を据えた勝負をせずに、持論の周りで砂遊びをしているような活動がこの1年は続いていたように感じます。久しぶりに人事の仕事ができることを喜び、また今の職場に人事労務教育の仕組みが根付いていないだけに、どちらかというと「持論」をリフレッシュ、ブラッシュアップするよりも、「持論」を布教するような面が強かったように感じます。もう少し、腰を据えて社内・社外との接触をする必要がありそうです。

まだまだ相当にもやもやしていますが、自分の今に改めて気づくことができたのは幸せですし、この講座に来てよかった、と実感できるところです。

ただ外に出ればいいというわけではありません。もちろん、出ないよりは何倍もましですが。問題は、外に出て何をするかです。昨日と同じことをしていたら同じままです。といいつつ、明日も元気に出かけます。

まだまだ気持ち的には年をとりませんよ。

《2009年8月20日》 本文にも書いている「ラーニングイノベーション論」のオプション企画、「ラーニング・ピクニック」でした。といっても、ピクニックしたのは大崎から五反田までで、あとの違いは模造紙を書かなかったくらいかな。それにしても、また多くの気付きがありました。今日は、棄論モードでいたのですがこれはいいです。そして、夜は濃く、濃く、濃く。さすがに疲れてきますが、明日の夜も濃いなぁ。


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【2009/08/20 23:55】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
「学習棄却」としての学習
昨日の続きで、慶応MCCの「ラーニングイノベーション論」での長岡先生のお話からです。

学習の意味合いの違いから提示された
 ①「知識習得」としての学習
 ②「熟達化」としての学習
 ③「学習棄却」としての学習
 ④「組織学習」としての学習
これら4つのタイプの学習のうち、「熟達化」としての学習を取扱い、「適応的熟達者」の特徴と有用性を確認してきました。

「適応的熟達者」は、「行為の中での省察」(「REFLECTION IN ACTION 」)を重ねながら、不確実・不安定・矛盾に満ちた現場における混沌の中での専門家としての機能を発揮しています。「行為の中での省察」(「REFLECTION IN ACTION 」)においては、問題自体が所与のテーマとして与えられておらず、常に状況との対話を通じて、刻一刻と変わる情況を瞬時に把握して、解決すべき問題を適切に設定することが求められてきます。そして、状況の分析と対応のための行為を現場で同時かつ継続的に実行する即興的な対応が必要になります。

こんなことにたけている「適応的熟達者」は、いうまでもなく職場では頼られる存在になってくるはずです。

でも、「適応的熟達者」は「行為の中の省察」(「REFLECTION IN ACTION 」)が得意な一方、「行為についての省察」(「REFLECTION ON ACTION 」…事後に改めて省察する)が不得意になっていく傾向があります。過度の現場的な環境における熟達化の行く末には以下のような「熟達者」を生む可能性があるのです。といいますか、多くの「適応的熟達者」はほぼ間違いなく、以下の姿になっていくであろうと私は思います。

・さばき切れないほどの多くの業務を鮮やかに処理する能力にたけた「突貫工事のエキスパート」
・長期的ビジョン構築や本質的な問題にコミットすることが不得意な「優秀な管理者(計画遂行者)」

ここで改めて見直す必要があるのが、長期継続的な「経験学習」の重要性です。《経験→省察→概念化→実践》のサイクル、そしてそこからくる「マイ・セオリー作り」、この「REFLECTION ON ACTION 」(事後に改めて省察する)が「REFLECTION IN ACTION 」(行為の中での省察)とともに重要になります。

そして、「REFLECTION ON ACTION 」(事後に改めて省察する)において、重要になるのが「学習棄却」としての学習ではないでしょうか。

行為の中での省察(「REFLECTION IN ACTION 」)の連続は、マイセオリーというよりも、行動の型・思考の型のようなものを作り、自動的に新たな状況をそこに流し込み、オートマティカリーにアウトプットを生み出すという習慣強化を生み出します。ここでは効率性は最大化されますが、創造性であるとか、イノベーティブな発想というのは、どうしても置いて行かれます。企業を維持することには貢献できても、発展することには貢献できないミドルがこうしてできあがります。

「学習棄却」はある意味では、相違や変化を受け入れる行為です。これによってしか、習慣強化から離脱できる方法はありません。

そして、人事労務教育の専門家(?)としての自分は…。

《2009年8月19日》 残業が目いっぱいできる日は、どうしても日中の業務効率が下がることがあります。目いっぱいのスピードでやる必要がないからですね。本当に目いっぱいにやったら、8時間でへとへとになるはずです、頭脳労働というのは。でも、今日はかなり24時まで突っ走りましたよ。


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【2009/08/19 23:32】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
「熟達化」としての学習
慶応MCCの「ラーニングイノベーション論」での長岡先生のお話からです。

「ダイアローグチェンジ~対話による人材育成の可能性と課題」というタイトルでのお話でしたが、その冒頭での「学習の意味合いの違いが、対話の異なる側面を映し出す」という話の中で、学習の意味合いの違いから4つのタイプの学習を提示されていました。

 ①「知識習得」としての学習
 ②「熟達化」としての学習
 ③「学習棄却」としての学習
 ④「組織学習」としての学習

この中で、うーんと感じるのが何といっても②と③です。

「熟達化」としての学習についてですが、まずは「熟達化」の定義です。
 ・熟達化とは
 ・ある領域での長期経験に基づいて
 ・まとまりある知識・技能を習得し
 ・有能さを獲得していくプロセス

「熟達者」にも2つの類型があります。
 ・定型的熟達者…決まった手続きを早く正確に自動的に行える実践者
 ・適応的熟達者…変化する状況の中で、一定の手続き・課題に対して、柔軟に確実に対処できる実践者

今、職場において求められるのは、やはり「適応的熟達者」ですね。常に多方面から飛んでくるボールを冷静に手際よく打ち返すというイメージでしょうか。「行為の中での省察」(「REFLECTION IN ACTION 」)という言葉を使われていますが、これを重ねながら、不確実・不安定・矛盾に満ちた現場における混沌の中で、専門家として役割を果たしている人ですね。

この「行為の中での省察」(「REFLECTION IN ACTION 」)においては、問題自体が所与のテーマとしては与えられいないケースも多く、常に状況との対話を通じて、刻一刻と変わる情況を瞬時に把握して、解決すべき問題を適切に設定することが求められます。そして、状況の分析と対応のための行為を、現場において同時かつ継続的に実行する即興的な対応が必要になります。何となくこういうのにワクワクする人っていますよね。

この「適応的熟達者」は、まさに多忙な現場にあってさばき切れないほどの多くの業務を鮮やかに処理する力を発揮しており、上司・同僚・他部署からも頼られる、力強い存在のはずです。どこの職場にもこのような「適応的熟達者」がそれなりに配置されているからこそ、業務は効率的にまわっているのだとも考えられます。人事部にもたいていいますよね。

が、しかし…………、なのです。続きは、明日に。

《2009年8月19日》 結構、濃度の濃い残業後、ミルクワンタン鳥藤の閉店まきわに駆け込みました。夜は初めてでしたが、良いですねぇ、ここ。普通じゃぁ、ありません。


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【2009/08/18 23:25】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
GCDFヘルピング~ヘルピング備忘録③
土曜日にGCDFのヘルピングの授業でクラス・クライアント役をやった際に、クラスで出ていた話を備忘録として残しておきます。もっとちゃんとメモとればよかった。

《「知る」と「わかる」の大きな違い》
「知る」はある意味では、支配しようとする行為。知ったことによって何かをしようということが前提にある。だから「知りたがり屋」は一般的に警戒される。
これに対してGCDFは「わかる」ことを大事にする。「わかる」というのは「変わる」こと。GCDFはクライアントが言ったことに対して、わかったことを伝える。既にこの時点でGCDFは変化している。
「質問」という行為は「知ろう」とするための行為に他ならない。それでも、あなたはGCDFとして質問を続けるだろうか。
大事な人には、あなたは自分のことを「知って欲しい」と思うだろうか。それとも「わかって欲しい」と思うだろうか。

《間違ってしまった場合は》
例えば、契約社員というべきところを派遣社員といってしまった。気づいたら、まずきちんと詫びて訂正する、それでいい。誰でも間違うことはある。最もいけないのはそれをしらばっくれて進めること。間違ったことを素直に謝って訂正するという行為は、GCDFへの信頼感をどちらかというと高める。しらばくれるような人には、普通、誰も相談などしたくはないもの。

《キャリアカウンセラーの××です、と名乗るのは…》
ヘルピングの冒頭、当然まずはカウンセラーから名乗る。「キャリアカウンセラーの××です」「GCDFの××です」、実はこういった肩書きをつける名乗り方はNG。クライアントはキャリアカウンセラーのもとに相談をしにきているのだから、相手がキャリアカウンセラーだということは知っている。なのになぜ名乗ろうとするのか。
「キャリアカウンセラーの××です」と名乗ること自体に「上から目線」を感じるクライアントもいる。どこかでGCDFが優位に立とうと無意識に思っているのかもしれない。またその理由は、自信がないため「キャリアカウンセラー」と名乗って、立場を強化しようという無意識の心理が働いている、なんてことかもしれない。
「キャリアカウンセラー」と名乗らないことによる明確なプラスはあまりないかもしれないが、名乗らないことによるマイナスは何もない。言わないことによって、いろいろなことを阻害する可能性は摘める。であれば、名乗らない方が得策だ、ということになる。

《質問をするということ》
例えば街中で「道を尋ねる」質問は誰しもしたことがあるし。受けたこともあるだろう。相手が教えてくれたらどうするか。人として当然のことだが御礼の気持ちを伝えるはずだ。GCDFが質問をしたとする。あなたはきちんと御礼の気持ちを伝えているだろうか。御礼の気持ちを伝えもせずに、さらに次の質問をしたりするのは最悪。
それでは、どのように御礼の気持ちを伝えるのがよいのか。もちろん「ありがとうございました」もありだろうが、クライアントが何についてどうだといったのか、GCDFがわかったことを伝えてくれることがクライアントにとっては一番だ。質問に対して一生懸命クライアントは答える。それをどうわかったのかを伝えるのは質問者としての最低の礼儀だともいえる。

《全体を見据えて進めようとはしない》
関係構築のフェーズでは、間違っても全体像を見据えてセッションを進めようなんてことは考えないことだ。クライアントが今いったことについて、「何について」(対象)「どうだ」(感情)といったとGCDFは理解したのか、それをきちんと返す。常に目の前にいる相談にきたクライアントを忘れずに、その時その時のクライアントのいったことに着目する。どう全体を構成して進めようなんてまだ考えない。きちんと「何についてどうだ」についてわかったことを返していると、クライアントが自然にセッションは進めてくれる。とにかく「どうわかったか」を戻すことに集中する。つまり、クライアントをわかろうとすることに自らを集中する。質問なんかしている余裕はないはずだ。

《堂々巡りになるのは》
ヘルピングの関係構築の段階から、堂々巡りに話がなって進まずに苦しむGCDFも多い。そんなことに陥るのは、GCDFがクライアントがいっていることを鸚鵡返しのように、クライアントの言葉をそのまま使って返すことをただ続けている場合に多い。
GCDFはクライアントよりもほんの少しだけ前に進もうとする感覚が大切。クライアントが何かいう(ある方向に一歩踏み出す)。それに対してGCDFがクライアントの言葉をそのまま使って戻した場合、GCDFはクライアントの真横にぺったりと寄りつく感じになる。クライアントはまた次に進む方向を考えて自分の力で踏み出さなければならなくなる。これはクライアントにもかなり体力を求める話だ。そうではなく、GCDFはクライアントに寄り添いながらもほんの数センチでいいので前に踏み出すような戻しをする。クライアントが「何についてどうだ」といっているのかGCDFがわかったことを戻すということをきちんとやればこれはできる。そうするとクライアントはその流れの中でストレスなく話を続けることができる。そんな流れができれば、堂々巡りに陥ることはない。
GCDFが苦し紛れに質問をするのは、こんな堂々巡りに耐えられなくなった時であることも多い。

《クライアントのいったことを切り刻むな》
まだ慣れないGCDFはクライアントがいったことを分解して理解しようとする傾向がある。日常のビジネスでは分解思考はもちろん大切だ。ヘルピングでも有効に使える可能性はあるが、それは問題解決のフェーズの話であり、関係構築のフェーズでの話ではけしてない。なのに関係構築フェーズから、それも下手をすると最初の1フレーズ目から、クライアントのいったことを分解して切り刻んでしまう。これではなかなかクライアントは深く話してみようという気持ちに入れない。
クライアントにとっては、GCDFがわかってくれたことが大切なわけではない。まずは、わかろうとしてくれていると感じられるかが大切なのだ。そう感じたら、クライアントは話を続けることができる。クライアントは敏感だ。このGCDFが自分のいったことを切り刻もうとしているのか、カウンセラーが聞きたいことを質問しようとしているのか、それともクライアントのことをわかろうとしているのか。クライアントには伝わるものである。

《ロールプレイング振り返りシート》 
ロープレが終わったら、振り返りシートを記入する。協会のシートは設問A「ロールプレイングの中で、クライアントは話たいことを話せていたでしょうか?」から始まる。シートに記入した結果を、GCDF⇒オブザーバー⇒クライアントの順に発表してすり合わせをする。ここでGCDF役が意識すべきこと。シートの記入結果が良いことが大事ではない、クライアントとGCDFの記入結果が一致することが大事だ。つまり、GCDFがクライアントの変化をしっかりと見ることができて、気づくことができているか、ということだ。

【最近の関連ブログです】
6月27日 GCDFヘルピング~不合格時アドバイスシート
6月28日 GCDFヘルピング~ヘルピング備忘録①
6月29日 GCDFヘルピング~ヘルピング備忘録②
7月25日 GCDFヘルピングにおける沈黙のワナ

《2009年8月17日》 今日はわが人事に新人が入社。ありがたいことです。さっそく歓迎会で。


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【2009/08/17 22:53】 | キャリア~全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
GCDFクライアント役
昨日土曜日の午後はGCDFキャリアカウンセラープログラムのクラス・クライアント役のお手伝いをしてきました。全12回のクラスのうち、2日連続土日で実施する第8回と第9回の後半最大の山場の初日になりますが、この第8回にクライアント役として参加してきました。

GCDFというのはキャリアカウンセラーの資格ですが、120時間にも及ぶクラスを受講した上で、実技・筆記のテストに合格して初めて資格が付与されます。途中でホームワークがあったりもします(今回の第8回の後は翌日までのホームワークがどんとあります)。このクラスの中では3回目と8回目の回にあるヘルピング(一般にいうカウンセリングのことです)のクラスには、GCDF役をする受講生のもとに相談に来る「クライアント役」というのが外から入ります。私たちのようなGCDF取得者がキャリアカウンセリング協会を通じてお手伝いをするわけです。このお手伝いをときどき今年からさせていただいています。

私はクラスの皆さんを指導する立場ではありませんし、そんな力量もありませんので、とりあえずはクライアント役としてGCDFの応対に対してどんな気持ちになったのか、ということを正直にGCDFに戻すことで、少しでも皆さんの役に立てばと思っているのですが、これが結構難しいのです。が、今回は先生方もかなり介入いただいたこともあり、クライアント役としての気づきが多々ありました。次回以降はもう少し適切なお手伝いができそうな気がします。

そうそう、何と今回の先生はあの橋本先生です。年々マイルドになられているとの評判ではありますが、こちらが受講生よりも何となく緊張してしまいます。橋本先生に4日間ご指導いただいたアドバンスコースを思い出します。そういうとまたアドバンスコースの飲み会のスケジュール調整がまわっていました。この会「しょくの会」と名付けていますが「職」と「食」をかけています。たった4日間のセッションでしたが、強い絆でメンバーは結ばれています。

昨日入ったクラスですが、とてもいい雰囲気です。今日の第9回終了後には懇親会もやるとか。飲み会がすべていいというわけではありませんが、飲み会をやりたいという気持ちになるのは、やっぱりクラスがいい雰囲気である証拠だと思います。だって、一緒にさらに空間と時間を共有したいと思っているということですから。

《2009年8月16日》 冷房が好きでないので、夜寝るときはめったにかけないのですが、ここ数日はなぜか冷房好きに。体の代謝機能がちょっと変わったのかななんて思っていましたが、そのためか今朝からのどが痛いです。ということで、今日は暑いですが朝から冷房は不使用です。


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【2009/08/16 19:55】 | キャリア~全般 | トラックバック(0) | コメント(1) | page top↑
ちょっと整理です…8月前半編
半月に1回の振り返りです。

日々、無計画に書いているので、何を書いたのか忘れてしまいます。また、このブログに書いたのか、仕事で何かに書いたのか、だんだん渾然としてきます。そんなことを少しでも防ぐために、半月に1回振り返っているという次第です。
今回は特に後半はミャンマー・ブログでした。あえて違った局面から書きましたが、純粋に感動できるところがかなりある本でした。私には7000円の寄付の話が一番ぐっときました。
あとはあまり書けていませんが、慶応MCCの「ラーニングイノベーション論」の第9回が完了し、事実上カリキュラムは終わりました。久しぶりに人事の仕事に復帰して初めての外部講座でしたが、多忙にかまけてちゃんとしたリフレクションができずちょっと受講態度に後悔が残りますが、これからも時間を探して振り返りをしたいいと思います。ちょうど人材育成体系を構築しているときの受講だったのですが、制度構築にはあまり活かせていません。まだまだ走りながら変えていきますが。
8日にはキャリアカウンセラーのGCDF継続勉強会もやりましたが、その内容もまだ報告できていませんね。

8月1日 職場ぐるみ研修
8月2日 図書紹介:『ダイアローグ 対話する組織』中原淳+長岡健著(ダイヤモンド社刊)
8月3日 食品SS連絡会の給与実務担当者研修
8月4日 COMPANYユーザーコミッティ
8月5日 突貫工事のエキスパート
8月6日 満杯の水槽には水は注げない
8月7日 「ほし」
8月8日 図書紹介:『死にゆく子どもを救え』吉岡秀人著(冨山房インターナショナル刊) ①
8月9日 図書紹介:『死にゆく子どもを救え』吉岡秀人著(冨山房インターナショナル刊) ②
8月10日 図書紹介:『死にゆく子どもを救え』吉岡秀人著(冨山房インターナショナル刊) ③
8月11日 図書紹介:『死にゆく子どもを救え』吉岡秀人著(冨山房インターナショナル刊) ④
8月12日 図書紹介:『死にゆく子どもを救え』吉岡秀人著(冨山房インターナショナル刊) ⑤
8月13日 人材育成に関しての新しい常識
8月14日 「亀吉」


《2009年8月15日》 終戦記念日です。日中はキャリアカウンセラーの資格であるGCDFのクラス・クライアント役(明日詳しく書きます、たぶん)、夜は真のナポリピッツァ協会加盟店パルテノペ広尾店で大学のサークルの同期と会食。目茶目茶飲みました。ワイン1人1本はいったかな。帰りはなぜか恵比寿まで歩きました。


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【2009/08/15 23:58】 | 振り返り | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
「亀吉」
今日は会社自体はお休みなのですが、朝から詰めて仕事をしています。この秋に管理者層の人事賃金制度の見直しをするのですが、その細部の作りこみがまだできておらず、そのあたりをやってますが、気持だけは飲みに行ってみようと、今週金曜日の食べ物テーマは、ベタな飲み屋の紹介です。

神田西口商店街にある、とってもいい加減な感じの緩いお店です。

何がどうということも何もないのですが、気のいいマスターが好きなので頻繁にいっていました。転職して勤務地が遠くなったので、もう数カ月ご無沙汰しています。元気にやっているでしょうか。

一年中いついっても「ただちゃ豆」と「新じゃが」を勧められます(気のせいかもしれません、きっと気のせいです)。好きな比率でハーフ&ハーフのビールを頼めます(黒ビール7で普通のビール3でやってみて、みたいな…)。結構はやくからホッピー復活に力を入れてくれていました。適当に飲んでいても時間で追い出されません。身欠けニシンとホッキ貝のバター焼きがいつもあります(全体的に北海道メニューっぽい)。こんな点がセールス・ポイントでしょうか。

ホッピーみーなのファンだというので、たまたま大手町で講演会をやっていたご本人に部下と来店してもらったことがありますが、恥ずかしくて声をかけられなかったとか。最後にサイン本はいただけたようですが、記念写真とかすっかり忘れちゃったみたいです。そんなとこ、とってもいいですよね。

《2009年8月14日》 午後にちょっと床屋に行きましたが、何となく初めて入った店ですが、入り口の待合いスペースで店主のお子さんが夏休みの宿題をやっており、のんびりした雰囲気に。江戸川区の夏休みも今年から1週間近く短くなったそうで、早くも宿題の追い込みの時期のようです。今も昔も自由研究の課題で親は悩んでいます。


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【2009/08/14 23:50】 | 未分類 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
人材育成に関しての新しい常識
「100年に1度の不況」にもだいぶ慣れてきました。

細かいところでは回復基調も見え、選挙目当で景気のいい施策の話もあれこれ出てはきましたが、業種・業界によっては厳しさは続いているようです。今回の不況は単に循環的なものというよりも、何かの変節点であったと後の時代には整理されるのかもしれません。例えば、生活者の価格志向はきっとこれからも強化されていくばかりでしょう。新米が売れないという話があるそうですが、保存技術の向上だけでなく、新米にコストを払うという価値観が薄すれていることが最大の原因でしょう。それにしても、「100年に1度の不況」というのは、とてもキャッチーな言葉であり、こういうキャッチーな言葉ができると概念がさらに浸透・拡大する傾向があります。意図的にこの言葉を送りだした人がいるのだとすれぱ、これはすごいことですが。

さて、この不況で人材育成・能力開発ビジネスも苦境に陥っています。不況で予算をカットする「3K」(交際費・広告費・教育費)の1つである教育費はまたぞろ削減傾向です。かなりドラスティックな企業もあるようです。不況だから人材投資は少し横に置いて……、ということでしょうが、本当にそれでいいんでしょうか。

不況なので人材育成の費用を切り詰める、これはありかもしれせん。ただ、それが「不況なので人材育成の重要度を下げる」と映るとまずいことになります。

古典的な経営学の教科書では「ヒト」「モノ」「カネ」が経営資源の3要素として挙げられています。最近ではこれに「情報」とか「知的資産」とかを加える人もいますね。しかし、いずれにしてもこれらが並列に扱われるのには違和感を感じます。それは、「モノ」も「カネ」も勝手に生まれるものではなく、「ヒト」が作るものだからです。「情報」も「知的資産」も同様です。「ヒト」はすべての経営資源のさらにベースにあるもので、並列関係にはけしてないものです。ですから、この「ヒト」の底力をあげることこそ、企業の底力をあげることに他ならないのです。その意味では、不況期こそ、人づくりには注力しなければならないわけです。

同じ時間働いても、人のパフォーマンスには大きな差があります。同じ給料を支払っても、パフォーマンスには120%はおろか、200%以上の差がつくケースも少なくありません。これは直接に企業の競争力に影響を与えることです。不況の今だからこそ、人を育てて発揮するパフォーマンスを高めることが重要です。。

ところで、こんな不況にあっても今は良い時代だという人もいます。業界全体が好況の時は、誰もが売れるし、誰もが儲かる、いってみれば個々の企業の努力はあまり関係がなくなります。それがまさに好景気です。しかし、不況は頑張っている人と、頑張っていない人の差が明確につく時代です。確かにこちらの方が健全な時代かもしれません。ここでの差はどこからくるのでしょうか。実は好況時に浮かれることなくリーダーがひたむきに自らを磨き、地道に部下を育ててきた企業こそが、不況期にも輝けているのではないでしょうか。

だから、今こそ人事部は人材育成を考える必要があるわけです。改めて人材育成とは何か、能力開発とは何かを考える必要があるわけです。人事部がやりたい目新しいことを経営層を説得してやる「人事自己満足型人材育成」、全従業員に広くあまねくメニューを提供し出席者の半分はあくびをしている「ばらまき福利厚生型人材育成」から抜け出し、本当に「成長したいという人を育てる」「戦略上必要な人材を伸ばす」「現場の困ったを支援する」ような人材育成が今こそ必要なのだと思います。

コスト削減が急務なのであれば、お金をかける必要はありません。まずは、経営者そして組織のすべてのリーダーが「人を育てる」ことが大切なのだと心から思うことから始めればよいのだと思います。

春先から以前いた企業がお得意先向けに出している情報誌に「今こそ人づくり」というタイトルで連載をさせていただいています。初回で不況期を迎えての人材育成について書いた上で、以下のような「人材育成に関しての新しい常識」というのを整理しました。ちっとも新しくない、と思うところもありますが、ご紹介して、今日はおしまいにします。

《人材育成に関しての新しい常識》

①不況の今だから、なおさら人材育成が大切になる。
②人材育成は別に多大なコストをかけなくてもできるものだ。
③人材育成とは、社員の能力を高めることが目的ではなく、社員の能力を高めたり、経験を積ませたり、モチベーションを向上させたりする総合的な取り組みによって、結果として組織と個人のパフォーマンスをあげるためのものだ。
④リーダーが本気にならなければ、人材育成は成功しない。人材育成は連鎖するもの。
⑤リーダー自らが成長へのひたむきな努力を続けることが大切。
⑥人材育成は誰かの仕事ではない。すべてのメンバーがそれに携わっている。
⑦人材育成にはセオリーがある。自己流たけで進めるのは間違っているだけでなく、危険である。
⑧すべての人に対して同じ育成方法が通用するものではない。各自の動機に注意する必要がある。

《2009年8月13日》 昨日自宅を片づけた勢いもあり、なぜかオフィスの席周りも片付けました。明日から3日休みなのですが、仕事は片付いていません。がんばります。


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【2009/08/13 22:22】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
図書紹介:『死にゆく子どもを救え』吉岡秀人著(冨山房インターナショナル刊) ⑤
また、続きです。
著者や紹介いただいた友人には申し訳ないですが、やはり私にはちゃんとした書評は書けないようですが、本書にはあれこれと考えが広がる話がたくさんあります。

今日はまず引用からです。

*********************************************
こちらでは相変わらず、忙しい日々が続く。ひげも剃っていない。1日中、外来やら手術やらでいっぱい、いっぱいになる。
きょうは手術が1件中止になった。このチャンスにブログを更新する。
いったい何時までこんなことを続けるのかと、自分でも途方にくれる時がある。年々体力は落ちていく。10年前は20時間は働くことができた。そのとき、まだ私には1日4時間も残っていると豪語できた。
でも、今は無理。そんなことをしたら、その後の何10時間も失うことが分かった。うまく役割委譲していかなくては、とつくづく思う。
人は1人では生きていけない。しかし、1人で生きていくのだ、という気概と勇気は必要だ。だからいつも不遜にも、私は誰もいなくなっても大丈夫だと、皆の前で豪語している。
*********************************************

吉岡医師の仕事と、私達なんかがやっている仕事との比較はけして適切ではないとは思いますが、この思いについてはまったく同感です。体力の衰えと、それを冷静に受け入れなければならないとの認識についても同感です。時折、体力ほどに気力は衰えていないため、無理をし過ぎて後悔をすることはありますが、「その後の何10時間も失うこと」にもしばしば痛感させられます。でも、たまに繰り返してしまうあたりは私の弱さだと認識しています(そこを本気で強化しなければならないというほど、追い詰められていないのでしょう)。
いずれにしても、この気概、好きです。

それにしても仕事って何でしょうか。

「ワーク・ライフ・バランス」という言葉があります。仮に「ワーク」と「ライフ」を相対する、相反するものだととらえて、その両者のより良きバランスをとるのが「いい生活」だという考え方だととらえると、ここにはかなり寂しいものがあり、違和感があります。仕事は自分の時間の切り売りであり、本質的に退屈で時間消費的なモノだという前提があるのであれば(労働基準法はこの前提に則ってますね)理解できますが、仕事にある使命感を感じていたり、仕事が面白くて仕方がないという人には、あまり理解はできない感覚でしょう。特に人事なんて仕事は、そういった思いをもってやってもらわないと、社員が可哀そうです。

もちろん広い意味での「ライフ」はものすごく大切です。しかし、これは「ワーク」と相対する概念ではなく、もう少し渾然一体となった世界が良いように思います。本書でも日本の医師の働き過ぎについて言及されている部分がありますが、そういった効率性とかけ離れたところにある働き過ぎは是正する必要があるでしょうし、慢性的な長時間労働もよいわけがありません。ただ、そういったものは仕組み(例えば仕事のやり方、意志決定の方法等)の改善からアプローチするものであって、「ワーク・ライフ・バランス」の推進といった理念的なアプローチをするのはどうかと思います。間違った方に日本人が誘導されてしまわないか、ちょっと心配しています。もともと農耕系民族であるだけに、簡単に1億総草食系になりかねません。

まだまだ引用をしたい個所は多数ありますが、本書の紹介はこれでひとまず終わらせることとします。でも、まだまだいろいろと話があるので、いずれ思い出したように書くこともあるかと思います。

死にゆく子どもを救え―途上国医療現場の日記死にゆく子どもを救え―途上国医療現場の日記
(2009/07)
吉岡 秀人

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【2009/08/12 23:41】 | 書籍紹介 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
図書紹介:『死にゆく子どもを救え』吉岡秀人著(冨山房インターナショナル刊) ④
さらに図書紹介の続きです。

吉岡医師の病院は時に戦場のような姿を呈します。

1週間に50~60件という途方もない数の手術を行います。本来は小児外科が専門であるにも関わらず、明らかに他の科に属するような症状にも必要に応じて対処をせざるを得ない場合があります。整備も整っていません。停電や断水も頻繁にあります。手術中に停電になり懐中電灯で手術を続けざるを得ない日もあります。麻酔環境も不十分であり、麻酔が切れる前に手術を終わらせなければならないプレッシャーもあります。

結果、吉岡医師はどんな医師になっていくか。
恵まれた日本の病院(というと失礼なのでしょうか)で医療行為に携わるのに対して、以下のようになります。
  いやがおうでも、スピードが早くなる
  いやがおうでも、守備範囲が広くなる
文中にありますが、吉岡医師は普通の日本人医師の2倍以上の速度で手術ができるそうです。また、吉岡医師の元で働く看護士の皆さんも、日本では行っているアシスタント的(というと失礼なのでしょうか)な仕事の域を超えたリアリティのある医療行為に携わります。
本書で1番感動したというか、印象に残ったのは、こういった仕事のやり方の部分です。

ここまで激しくはないですが、何となく大企業で働く人と、ベンチャー企業で働く人の違いを想起させます。
私の今いる会社はだいぶ大きくなってはしまいましたが、まだまだベンチャー的な良さも問題点も維持しています。以前いた100年を超す伝統のある企業とはいろいろな部分でかなり違います。もちろん、双方の良い点・改善点はあるのですが、こと仕事でいえば、ベンチャー的な企業で鍛えられた方が、
  いやがおうでも、スピードが早くなる
  いやがおうでも、守備範囲が広くなる
となるのは間違いありません。吉岡医師が奮闘されているミャンマーとは比較にもなりませんが、環境的・待遇的にも大企業よりも当然に劣ります。でも、本当に真剣に仕事で自分と向き合いたいのであれば、お奨めです。個人的には、大企業で「組織として仕事をするとはどういうことか」を学んでから、ベンチャーに行くのがいいんじゃないかと思っています。また、独立起業する人も含めて、そんなチャレンジをする若者が数多く出てきて、日本でもさらに多くの新興企業が成長できるようになってくれるといいなぁと思っています。

最新の学生に関するデータが出る都度に、学生の安定志向の高まりが取りざたされます。安定志向の中にもハッピーストーリーはもちろんあるのだとは思いますが、そう遠くないうちに、強い安定志向ほどリスキーなものはない時代に知らないうちになっているかもしれません。

死にゆく子どもを救え―途上国医療現場の日記死にゆく子どもを救え―途上国医療現場の日記
(2009/07)
吉岡 秀人

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《2009年8月11日 》 知らんうちに台風も去り、傘を忘れそうな夜でした(忘れないように最近はどんな雨でも折りたたみ)。夜は神泉にて、グロービスのクリティカルシンキングのクラスのOB会、記念すべきDAY100でした。ちょっと定例のOB会も常連化してきたので、次回は最近来れない方、来てください。幸せ者を冷やかしながら、楽しい夜でした。


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【2009/08/11 23:16】 | 書籍紹介 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
図書紹介:『死にゆく子どもを救え』吉岡秀人著(冨山房インターナショナル刊) ③
昨日の続きの図書紹介です。昨日もミャンマーの話だけで書籍の内容には入らずに終わってしまいました。今日は少し入ります。

ミャンマーの吉岡医師の病院には、多くの日本人医師・看護士が働いています。吉岡医師を含めてこれらすべてがボランティアであり、無給での貢献です。

ちょっと今年の採用活動の話に飛びます。

今年は久しぶりに新卒採用面接に大量に入りました。基本的に最終面接に横串を刺そうと思い、可能な限り最終面接に入ってみました。面接で出る一般的な話題の1つに「学生時代に力を入れたこと」というのがあります。これに対して、「海外でのボランティア経験」をあげる学生が相当数います。これを深堀りして聞くと、こちらからみると「ボランティア経験」とはとてもいえず、しいていえば「ボランティア体験」といった感じのものがほとんどです。世の中には「ボランティア体験」のパッケージ・ツアーがたくさん生まれており、大学生協でそれらが予約できるような時代になっているそうです。もちろん「体験」は貴重であり、そこから次の何かが生まれる可能性はあります。これらの体験否定するつもりはまったくありませんし、多くのことを得ている学生が多いと思っています。でも、面接の場でそんな「ボランティア体験」を学生時代に1番力を入れたこととして話されると、ちょっと違うんじゃないか、3年間の学生生活のその他の時間については何を考えて何をやっていたのかを本当は聞きたいのだけれども…、と思ってしまいます。中には、就職活動でセールストークをするための「ボランティア体験」という趣もあったりするのかもしれません。そこまでいくと、本末転倒になります。

これに対して、吉岡医師のボランティアに対するスタンスは、明快かつ強烈です。ちょっと長くなりますが、前文から引用をさせてください。

*********************************************

私の元にボランティアを志し、やってくる若者の多くは「困っている人を助けたい」と言って訪れてきます。
しかし、彼らが言いうことは本心だろうか? と私は思うのです。
彼らは自分が他人を助けられるほどの人間かどうかをまだ、自分では知らないのです。
ここでの活動を通して、やがて彼らはその価値がある人間だと認識しますが、ここに来た時点ではそれがわかっていないのです。
では彼らの本心は何なのか?
私は、彼らの、困っている人たちを助けたいという気持ちを、すべてうそだとは思っていません。一部は本当で一部はうそです。その隠れている本当の心の声を、私が炙り出します。ここでの活動の中で、徐々に彼らはその答えを見つけてゆきます。
朝から夜遅くまで毎日働き続けて、彼らはへとへとになっていき、皆、苦しそうにしています。そのとき私は「こんなに多くの人たちのために働けているのに、どうしてそんなに苦しそうなのですか? あなたの願いが叶っているのになぜ苦しいのですか? 喜んでください」と言います。彼らは何も答えることができません。
ここへ来た目的の人助けを、思う存分、行っているのに、どうしてこんなにつらいのか分からないのです。しかし、やがて彼らは答えを見つけていきます。
「人助けをすることによって、自分自身が価値ある人間、生きている意味のある人間であることを知りたかったからここにきたので。そのために人を助けるという方法を選んだのだ」と。
そして、彼らはおごりを捨て、謙虚になっていきます。助けているのではなく、助けさせてもらっている。自分が存在価値のある人間だと、認識する機会をあたえてもらっている。だから、自分のお金や時間や技術を使うのは当たり前なのだと納得するのです。
ここに至って、彼らは真のボランティアとして生まれ変わります。

*********************************************

明快で強烈なスタンスは人の心を打ちます。そんな活動の日々を描いた本です。

死にゆく子どもを救え―途上国医療現場の日記死にゆく子どもを救え―途上国医療現場の日記
(2009/07)
吉岡 秀人

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《2009年8月10日》 本日の夜は以前の職場での歴代発令担当者の会です。発令担当者は、すべての人事業務の要であり、給与はもちろんのこと、採用・退職などの業務設計は発令担当者がしっかりとイニシャティブをもって行うと効率的で効果的になりますが、今の職場ではなかなかこの理念が伝わりません。まぁ人事マスタの概念もなかなかないので無理もないですが。でも、来年の今頃はきっと違っているでしょう。ところで、この会、「ラッキーピエロの会」といいます。日本でマクドナルドが攻めあぐねている街が2つあるのでするが、それは佐世保と函館です。その函館を守っているのが名店「ラッキーピエロ」のチェーンです。


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【2009/08/10 23:14】 | 書籍紹介 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
図書紹介:『死にゆく子どもを救え』吉岡秀人著(冨山房インターナショナル刊) ②
では、図書紹介、昨日の続きです。というか昨日はスタートラインにまでも立てませんでした。

まずは本書の概要をご紹介したいと思います。
勝手ながら著者の吉岡医師からの案内レターの一部を抜粋する形でご紹介をさせてください。

「……私は1995年よりミャンマーの地で医療活動に関わり始めました。そして、人生を本格的にこの活動にささげようと決意し、2004年より本格的に組織を創りミャンマー中部サガイン管区ワッチェで活動を始めました。そして、2005年より日々の活動の中で感じます事柄を、ブログという形で、その折々に書きとめてきました。この書籍は、そのブログを加筆・編集をしたものです。この書籍の内容は、他人の知識の借用ではなく、私の経験から生まれました考えや思いを様々な言の葉にのせ書き留めております。同世代の方々だけでなく、若い世代の皆様方や、人生の先輩諸氏の皆様にも、得意な私の経験智が、少しでもお役に立てればありがたく存じます。幸いにもブログという世界の中だけで埋もれてゆく運命にあった私の思いや経験が、様々な方々のご協力によって形になりましたこの書籍を、ひとりでも多くの皆様方に、読んでいただければ幸甚です。……」

ミャンマーは私たちの日本にとって、アジアの仲間の国の1つです。軍事政権や、日本人ジャーナリストの死、大水害の際に国際支援を拒絶したことなど、最近はあまりよいイメージが報道されていませんが、私も本書で初めてきちんと認識したのですが、日本人にとっては大変に大きな恩義がある国なのです。

吉岡医師の職場のあるミャンマー中部のサガインは、60年前の第2次世界大戦時に、多くの日本人が住んだ町です。そして、この地でイギリスと戦い多くの日本人が亡くなりました。また、多くの傷ついた日本人たちが、この地のビルマ人に助けられました。この地には実に20万人もの日本人が眠っているそうです。サガインには多くの日本人の手による慰霊碑があるものの、既に訪れる人は減り、碑に刻まれた日本人戦没者の名前も薄れて今や読むことはできません。私たち以下の世代で、この史実を理解している日本人がどれだけいるでしょうか。

第2次世界大戦後には、日本はアジア中の国々から戦後賠償を求められました。このときに助け舟を出してくれたのが、このミャンマー(当時はビルマ)だったそうです。日本には今、このくらいの支払い能力しかない、だからアジアの国々もこれくらいで妥協をしようじゃないか、ビルマはそんな投げかけを他の国にしつつ、一番先に賠償金額の合意をしてくれたそうです。その後、他の国々もビルマの額を基本線にして、次々と金額を決めて戦後賠償の合意が進んだそうです。さらには、戦後焼け野原と化した食糧難の日本に対して、ビルマは大量の米の供給もしてくれたそうです。

こうやって史実を振り返ると、歴史を知らないということは実に恥ずかしいことだと感じさせられます。正しい知識なくしては、正しい感謝は生まれませんから。

死にゆく子どもを救え―途上国医療現場の日記死にゆく子どもを救え―途上国医療現場の日記
(2009/07)
吉岡 秀人

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《2009年8月9日》 ほぼ終日あれこれとやっていなかったことをやりましたが、まだまだあります。整理したい資料もたくさんあるし、データ入力できていない名刺も400枚くらいたまってしまいました。でも、もうまた月曜日ですね。


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【2009/08/09 23:01】 | 書籍紹介 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
図書紹介:『死にゆく子どもを救え』吉岡秀人著(冨山房インターナショナル刊)①
ミャンマーで小児外科医として働く日本人医師、吉岡秀人さんが書かれた本です。7月の最終週の「情熱大陸」にも登場された方ですが、ご覧になった方も多いかと思います。

この本は、キャリア・アドバイザー関連の勉強会で知り合った友人からいただきました。もともと吉岡医師のブログを再構成して出版化したのが本書なのてすが、その方も本書の出版に奔走されたお1人のようです。。それだけ吉岡医師の活動というか生きざまに、心を打つものを感じられたのでしょう。たまたまのタイミングだとは思いますが、この友人はつい最近に長年勤められた会社を退職されました。私もこの1月に同じように長年勤めた会社を退職しましたので、なんとなくそういった行動には感情移入をしてしまうところがあります。

本書は友人からいただいたのですが(ブログでも紹介しなさいといわれ、ようやく約束を果たしました)、本をお送りいただいたときに添えられたレターには「これが私の今の会社での最後の仕事になりました」といった感じの言葉が書かれていました。かなり長期間にわたって勤め、1人ひとりの社員のために心を尽くして働いていた方の言葉なので、重く感じられます。1つの組織に長い期間勤め、1人ひとりの社員に愛着と愛情を感じている、そんな会社を辞めるのは、つらいとか残念だとかという言葉では語れない複雑な「思い」があるかと思います。そこでの「最後の仕事」といわれますと、ついついいろいろと考えてしまいます。

この場合の「仕事」という言葉には、不思議な重みがあります。

「キャリア」という言葉が相対的に軽く感じられるようなリアリティが「仕事」という言葉にはあります。私もこの1月10日に新卒入社以来24年9カ月勤めた会社を辞めましたが、その会社でやりたかった「仕事」がいくつもまだありました。もっともっとしたかった貢献がありました。退職にあたっては1日も年休消化はせずに、年末年始休暇もほとんど仕事をして、できる限り残された時間で最大限の仕事をやろうとしました。「最後の仕事」は完了しませんでしたが、愚直にそれを引き継いで結実させようとしてくれる後輩がいたりするのは、うれしいことです。

ちょっと感傷的になって、話が完全にズレました。図書の紹介をするつもりでした。

このような経緯で読み始めた本だからということではありませんが、本書についてヒューマニズムの観点から語ることはしません。せっかくキャリアアドバイザー仲間が精魂こめて世に出した本ですから、どちらかというとそちら側の観点から読んでみたい、というか感じてみたいと思います。

では、何も紹介をせずに前振りだけでしたが、今日はおしまいです。

死にゆく子どもを救え―途上国医療現場の日記死にゆく子どもを救え―途上国医療現場の日記
(2009/07)
吉岡 秀人

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《2009年8月8日》 久しぶりにgcdfの自主継続学習会。2003年度東京Aグループ+ゲストで計17名が集まりました。講師をお引き受けいただいた3名のおかげをもって、なかなか中身も濃いものとなりました。秋にはまたやります。もうすぐ2回目の更新ですしね。


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【2009/08/08 23:07】 | 書籍紹介 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
「ほし」
毎週金曜日は食べ物の話です。

今日は先週に続いて人形町シリーズで「ほし」です。

ここは小さな焼き鳥のお店。けしてメジャーではありません。最近はちょっとすいていることも多いですが、やっぱり大好きです。煙はもうもうです。ランチでいく場合は、とり焼きめし(焼きめしといっても普通のチャーハンをイメージしないでください、どんぶりすり切りで出てきます)にポンを頼んでボンをばらして焼きめしに乗っけて、七味唐辛子を山ほどかけるというパターンが好きです。月に1回は食べたくなります。リッチなときにはこれに栄養スープを追加。もう1本何か焼き鳥を頼みます(これもばらして焼きめしに乗せる)。食事が出てくるまでは、爪楊枝でお漬物をつまんでいます。欧風カレー屋でじゃがいもを食べながら待っているみたいな乗りです。

夜は夜でいい感じです。終わり時間は早いですが…。奥にある小上がり(というか普段は荷物置き?)で4名くらいで飲むのがいいですね。ポンは今ではどこでも置いていますが、20年ほど前にここで出会って感激したものです。

《2009年8月7日》 午後からビックサイトのe-learning worldへ。ブースの数は少しさびしめでしたが、面白い話はいろいろと聞けました。その後、品川のコクヨさん、それからインターン生との会食。途中、激しい雨に降られずぶ濡れです。日本も亜熱帯化してきています。



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【2009/08/07 23:48】 | 未分類 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
満杯の水槽には水は注げない
営業リーダー研修の中でで、担当された講師の方がが例示していたコミュニケーションに関する話です。

AさんとBさんのコミュニケーションの例です。

上司であるAさんは、部下のBさんに伝えたいこと、理解させたいことがいろいろとあります。でも、Bさんにも上司であるAさんに知ってほしいこと、伝えたいこと、相談したいことが一杯あり、Bさんの心の水槽はそんなことで一杯になっています。そんな状態で上司のAさんがBさんに対してあれこれ言っても(水をたくさん注いでも)、既に水槽は一杯なので水はただあふれるだけです。つまり上司であるAさんの言いたいことはBさんには伝わりません。

で、どうすればいいかというと、まずはBさんの水槽の水を減らすのです。それからAさんは水を注げばいいのです。つまり、話したいことで自分の水槽を一杯にしている人に対しては、まずは聞いてあげることによって水槽を空にさせるのです。空になった水槽に対して今度はAさんがいいたいことをゆっくりと注げばいいわけです。満杯の水槽に新たにさらに水を注ぐよりは、きっと上司のAさんが話したいことは、Bさんに入りやすいでしょう。

いい例えですね。でも、絵がないとわかりにくいですか?。

《2009年8月6日》 慶応MCCにてラーニングイノベーション論。あと2回で終わってしまいます。もっと毎回きちんとリフレクションをしっかりとやっておけばよかった…などと思いますが、それができないんですねぇ。今日はパフォーマンス・コンサルティングの話で、意味合い的には心から賛同できるのですが、ツールとしては何となくすっきりとしません。どうして、どう、すっきりしないのか、よく考えないと。



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【2009/08/06 23:29】 | 仕事の進め方 | トラックバック(0) | コメント(1) | page top↑
突貫工事のエキスパート
「突貫工事のエキスパート」、先日紹介している「ダイアローグ 対話する組織」にある言葉ですが、言いえて妙です。こういった概念はキーワードができるとしっくりと来ますね。

現場においてある業務に熟達した優秀な人が「陥りがちな罠」です。そう、さばき切れないほどの多くの業務を鮮やかに処理し続ける能力にたけた人です。こういう人は、とても上司からみても重宝ですよね。もちろん本人も充実感を感じて、来るボールを右へ左へ打ち続けます。常にその場では正しい判断をして仕事をさばくのですが、実はその判断からは次第に「長期ビジョン」が抜け落ちます。1つ1つの判断は正しくても、次第に方向性がずれていきます。「ダイアローグ 対話する組織」の中では、ケネディ&ジョンソン政権における優秀なブレーン達がベトナム戦争の泥沼に陥っていったプロセスを例に説明がされていますが、実にビジネス社会でもありがちだと思います。

こういった日々の格闘の中では、自らを客観視することは容易ではありません。ここで有効なのが他者との「対話」です。他者という存在は当然のことですが、自分とは異なった視点を持っていますから、自分がはまっている穴から抜け出すきっかけをくれます、というか自分が穴にはまっていることに気付かせてくれます。これもある意味では「アンラーニング」ですね。私は比較的こうなりやすいタイプの仕事の進め方をしますので、かなり意識しなければなりません。

私が得に効果的だと思うのは同じ業務分野で働いているまったく関係のない他社の人との「対話」です。そんなわけで、毎晩、あちこちと出かけていくわけです。


ダイアローグ 対話する組織ダイアローグ 対話する組織
(2009/02/27)
中原 淳長岡 健

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《2009年8月5日》 お昼から大阪へ。なかなかいい時間を過ごして、終電に飛び乗って帰京。梅田の食堂街に立ち寄っていました。完全制覇したいな、あそこ。往復の新幹線では、休む間なく仕事ができ、社内にいるよりも効率的な生活かもしれません。



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【2009/08/05 23:20】 | 仕事の進め方 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
COMPANYユーザーコミッティ
昨日は食品SS連絡会について書きましたが、今日はCOMPANYユーザーコミッティについてです。

ちょっと遅れましたが、今年も7月29日(水)に品川のパシフィックホテルにて盛大に開催されました。それにしても参加企業数はウナギ登りです。ただ、このユーザーコミッティの参加企業数を上回るスピードでCOMPANYの導入企業数は増加しているはずですから、参加率は低下しているとも考えられます。ワークスアプリケーションズも一介のベンチャー企業から存在感のあるIT企業に成長してきました。COMPANYももはや人事だけがターゲットではなくなってから久しいです。何となくユーザーコミッティも従来パターンでいつまでできるのかなぁ、ちょっと曲がり角ではないかなぁという気もしますが、これはこれでこのまま続けてほしいと思います。

今となっては私の前いた企業は古いユーザーに分類されるかと思います。導入バージョンは4.3ですから。
私は導入のプロジェクトリーダーをやってCOMPANYの魅力にとりいれられ、積極的にユーザー訪問を受けたり、講演を引き受けたりと、COMPANYの理念の普及には個人的に寄与してきたつもりです。そして、COMPANYの理念を理解できない見込客には、はっきりと「あなたの会社にはこのシステムは向かない」ともいってきました。取り組み方によって向く、向かないがはっきりするのがCOMPANYです。

もともと自分が経験して「これは良い」と思ったものは人にすすめるたちなのでしょう。GCDFも慶応MCCのキャリアアドバイザー講座もそうです。

ユーザーコミッティは2003年から出ていますが、最近では同窓会に来ているような気分です。年に一度の七夕様というか、夏休みに花火大会にあわせて田舎に戻って高校の仲間と集まっているというか、そんな感じもしています。そう思わせるのは、必ず関西ユーザー会の皆さんがあらかじめ2次会・3次会を予約してくださり、仮に本会に出られなくて参加が可能であり、特に3次会以降は毎回濃いメンバーが飲んだくれていたり、ということかがあるからでしょう。今年の4次会はいつもの場所がとれませんでしたが最後の最後まで濃いメンバーは飲んでました。最後になるとワークス比率が半分くらいになっていたでしょうか。最後はこれも恒例ですが昨年に引き続き吉野家で5次会、まだこれからラーメンを食べに行きたいという人もいましたが、そこで解散となりました。

前の会社では2005年に人事から営業に異動し、COMPANYをさわる立場から離れました。ありがたいことからその年から「殿堂」(COMPANYユーザーコミッティ名誉会員)というルールができて、初年度のメンバーに選んでいただきました。記念の時計は今の自宅のデスクにあります。名誉会員ですからCOMPANYユーザーではなくても、ユーザーコミッティは出入りできるわけです。


《2009年8月4日》 かなり久しぶりに高校の仲間と飲み会。都立戸山高校の出身なのですが、当時は学区制があり、第2学区22群。新宿区・渋谷区・目黒区・世田谷区が学区でした。ということで高校時代の友人はこちらエリアの人が多く、今日は白金台の台湾料理です。ここ、初めてきましたが、なかなか良いです。また、こよう。



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【2009/08/04 23:56】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
食品SS連絡会の給与実務担当者研修
2002年9月に発足し、現在では広義の食品に関わる17社がメンバー企業となり、活動を続けています。活動は、各社のリーダーが集まってシェアード・サービスに関する研究及び情報交換を行う年に4回の「定例会」、個別のテーマ毎に担当する実担当者が集まって各社の課題解決を皆で図るための情報交換・討議を行う「分科会」、そして今日ご紹介する「給与実務担当者研修」の3つからなります。

先週、この「給与実務担当者研修」のうち2つのコースが開講され、それぞれの懇親会に参加してきました。「給与実務担当者研修」は、各社の給与実務担当者が集まり、他社のメンバーと切磋琢磨する場です。意外と外に出る機会のない給与担当者ですが、すべての会社が日本の国内法に基づいて給与業務をやっているわけですから、悩みや課題はかなり共通です。非常に交流効果が高く、毎回かなりの盛り上がりをみせます。

「給与実務担当者研修」は以下の3つのコースから成り立っています。

①ベーシックコース…2004年から毎年1回実施しており、給与担当に新たになった新入社員・転入者を中心に給与全体の基礎を学びます。会社によっては給与業務も縦割りになっているため、社会保険10年のベテラン社員が給与全体を理解・把握するためにメンバーに名を連ねたりすることもあります。

②アドバンスコース…2006年から追加され、毎年1回実施されています。給与実務知識のみならず、給与業務におけるリーダーとして、メンバー育成やコミュニケーション等についても学びます。

③エキスパートコース…2008年からスタートしました。まだ初回を実施したのみですが、次世代のシェアード・サービス・センターを担う人材の育成を視野に入れています。

①②は3回シリーズなのですが、初回と3回目(最終回)は懇親会付です。③は泊まり込みでの実施までしています。

こう書くと、この研修設計上の「思い」が単に知識習得でないことがわかるかと思います。昨日書いた「対話(ダイアローグ)」の企業を超えた同業務を担当する人の間での促進が1つの裏目的ですね。ある意味では、業界の内のシェアード・サービス組織同士で、メンバー育成をシェアードしているともいえます。世の中にありそうでなかなかない素晴らしい取り組みだと思っています。

最後に今回のアドバンスコースの開講挨拶資料から、研修の目的を整理します。

①給与の基礎知識を確認する~自らの強み・弱みを把握し足らざる部分を補う
②コミュニケーションスキルを習得し業務を円滑に遂行する
③シェアード・サービスの目的、意義を理解する
④給与・社会保険の業務を担当するリーダーとしてあるべき姿を模索し、明日からの行動に結びつける
⑤研修の3つのキーワード
・「交流」…会社を超え同じ仕事に携わる実務者としてコミュニケーションを深める
・「気づき」…キャリア志向の高い人や、現状に悩みを抱えている人など、様々な人との交流を通じて刺激を受けると共に気づきを得る
・「悩みの共有化」…グループ内で悩みを共有化し、周囲の知恵を借りて解決策を模索する

《2009年8月3日》 バタバタした中で救急車が来たりあれこれあってちょいと疲れました。夜は人事運営の研修でしたが、自己評価的には今一つ。ちょっと突っ込み不足、ディスカッション不足、思いの込め方不足……。時間のなさなどの他責にしてはいけませんね。やはり人事の仕事は寝る時間を削ってまでこだわることです(もちろん寝る時間を削らなくてできればそれでいいのですが、凡人は才能を努力でカバーするしかありません)。そこまでやらなければ、簡単には信頼は得られません。


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【2009/08/03 23:53】 | シェアード・サービス | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
図書紹介:『ダイアローグ 対話する組織』中原淳+長岡健著(ダイヤモンド社刊)
今年の人事界のキーワードの1つとして「対話(ダイアローグ)」があげられてもいいと思いますが、中原先生と長岡先生の共著によるその名も「ダイアローグ 対話する組織」です。

本書ではまずは対話の定義を
 ①共有可能なゆるやかなテーマのもとで
 ②聞き手と話し手で担われる
 ③創造的なコミュニケーション論
とざっくりと置いています。

この前提となるのは、コミュニケーションを単なる「情報伝達としてのコミュニケーション」ではなく、「相互理解としてのコミュニケーション」としてみるとららえ方です。

これだと何となくわかったようなわからないようなといった感じですが、「雑談」や「議論」と比較することによって、「対話」についての理解は深まります。

「対話」=<雰囲気:自由なムード>の中での、<話の中身:真剣な話し合い>

「雑談」=<雰囲気:自由なムード>の中での、<話の中身:たわむれのおしゃべり>

「議論」=<雰囲気:緊迫したムード>の中での、<話の中身:真剣な話し合い>


会議などが典型例ですが、「議論」というのは、効率的な合理形成を求めるところがありますが、「対話」はその部分にとっては緩いのでしょう。その緩さが、ある意味では価値の1つです。また、自由なムードは単に緩さだけではなく、合理的具体的直接的な進行だけではなく、より情緒的、感情的な要素を求めます。「対話」を論ずるときに「物語」がツールとして有効だとされるゆえんでもあります。

「対話」がブームになるということは、「対話」的なものが欠乏していると考える人が多いからに他ならないでしょう。ここには単にコミュニケーション不足というもの以上の何かがあると思います。まじめに何かを考える、まじめに何かに取り組む、ということは絶対に大事なことです。そして、これらに能動的に取り組みつつ、これらをちゃんと楽しむという感覚が大切だと感じています。これは「雑談」でも「議論」でも実現することは難しいでしょう。自分の過去を振り返っても、いい「対話」をしていたなという人たちとは、今でも良い付き合いが続いています。

先日の慶応MCCの「ラーニングイノベーション論」では、この著者お2人のセッションが楽しめました。毎週毎週、本当に贅沢なカリキュラムです。

ダイアローグ 対話する組織ダイアローグ 対話する組織
(2009/02/27)
中原 淳長岡 健

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《2009年8月2日》 なんか半端な天気です。ブックオフに持ち込もうと段ボール2つほど本を出したのですが、雨が降ったので来週回しにしました。こうやって仕事は溜まっていきます。


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【2009/08/02 22:12】 | 書籍紹介 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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