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ちょっと整理です…8月後半編
8月ももう終わりですが、大学生の夏休みはまだ続きますね。うらやましい限りです。

で、この半月の振り返りです。

「人事の書棚から」シリーズは100冊を迎えました。100冊記念の日は私が雑誌に書いた書評で取り上げた4冊でした。それ以降のブログは、結構、バラエティに富んでますね。目茶、忙しいのに、よくちゃんと書いているものです(自画自賛)。

8月16日 人事の書棚から097-099
8月17日 人事の書棚から100-103
8月18日 人事の書棚から104-107
8月19日 協調と妥協の差
8月20日 疲れには2つある
8月21日 インターン生から学んだこと①
8月22日 インターン生から学んだこと②
8月23日 インターン生から学んだこと③
8月24日 エドガー・シャインの3つの問い
8月25日 マイケル・アーサーの3つの問い
8月26日 子供を未成熟な大人ではなく、大人を萎縮した子供と考える
8月27日 研修事務局という大切な役割
8月28日 社会的手抜き
8月29日 集団浅慮
8月30日 「集団」とは

《2010年8月31日》 今月の末日です。ワークスアプリケーションズ社のCOMPANYユーザー・コミッティと、アイ・キュー社の日本の人事部HRカンファレンスがだぶっている日です。両方とも聞きたい話があったのですが、結局、業務の都合でいずれも聞けず。日本の人事部の懇親会に行き、それからCOMPANYユーザー・コミッティの懇親会に合流、ぎりぎり中締めのタイミングに到着しました。二次会、三次会も行っちゃいましたけど。いずれの会でも、ブログを読んでますといってくれる方がいるのがとても励みになります。中でも、日本の人事部の火曜日のメールを書いている阿部さんが「毎日、読んでます」といってくださったのは、とても嬉しかったです。阿部さんも素敵で厳しい編集長(?)のもとであれだけのものを毎週書くのは大変だなぁと思いますので、こちらも負けずに粛々と書き続けます。


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【2010/08/31 23:05】 | 振り返り | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
「集団」とは
「社会的手抜き」と「集団浅慮」という集団が陥りがちな罠について2日間みてきました。

ところで「集団」って何なのでしょうか。

辞書的定義としては「2人以上の個人が集まった状態」です。
ですから、電車のホームで待っている同じ列にいる5人というのも「集団」だということになります。ただ、こういうたまたま人が集まっている状態の、個人間に協力すべき目標や課題は存在せず、出入りも自由な「集団」は「集合」といって区別されたりするようです。

で、ここで扱う「集団」とは、

・目標や、従うべきルール・規範が共有されており、
・目標達成に向けて、集団内に地位や役割が存在し、
・意識的な結びつきがあり、心理的な相互作用が存在している

という単なる「集合」ではない「集団」です。

集団が相互作用してくると何らかの基準ができます。これは「準拠枠」と呼ばれます。

前から順番に発表をしていくと、何となく前の人の発表に合わせて、もともと自分が言おうとしていたこととちょっと違う発表をしちゃった経験ってないですか。

「準拠枠」はメンバーにその枠組みを受容することを求めます。その組織に内在していく圧力が「組織風土」を創ります。

集団内では多数者の意見に同調する傾向がみられます。何となくわかりますよね。

ところで、集団討議と集団決定の手続きをとることにより、決定後の行動が促進されるというデータがあるそうです。レヴィンの実験といわれる奴で、第二次世界大戦時のアメリカで食肉不足を見込んでレバー食の奨励策を打った際の実験だそうです。

誰もが食べたがらないレバーについて、高い栄養素を啓蒙し、美味しく食べられる調理法を伝えることにより、レバー食を促す施策です(私はレバーが好きなのでそんな奨励策が必要な国が理解できません…。特に角のエッジが立ったレバ刺しですね。でも、痛風なのであまり食べないようにしています)。

この施策は、多くの国民を集めて2つの手法で行われました。

1つはいわゆる講義形式。そしてもう1つはグループ討議をした上で最後に参加者が決意表明をするという形式です。その結果、講義形式参加者のうち、実際にレバーを食べた人が10%にも満たなかったのに対して、討議形式参加者の32%がレバーを食べたのだそうです。

このように参加者の行動が促進させられた原因としては、以下のように整理されます。

・集団討議への参加というプロセスを経て、課題への積極的関心が高まった。
・不安などの否定的感情を表に出すことにより、変化を受け入れやすくなる心理になった。
・自己決定と意思表明をしたことにより、みんなでやったんだという集団規範が形成された。

講義式の研修をやめて、グループ討議中心の研修にすることを提案する場合に活用できる話ですね。

グループ討議式の研修をやる場合、グループ人数というのも大事です。一般的には4~5名でやることが多いかと思いますが、この人数というのは。まとまればまとまりやすいもののプレッシャーを感じやすい数でもあるそうです。どうにも発言しにくくなって討議が活性化しない可能性があることをファシリテーターは理解しておく必要があります。人数がさらに増えていくと、プレッシャーは低くなります。それは集団に個人が埋没するからです。関係性が希薄になり、自分自身の責任も希薄になる、一昨日のテーマであった「社会的手抜き」が生まれる状態ですね。

《2010年8月31日》 どうしても私のツイートは120文字以上あります。貧乏性なんですかね。ブログ向きなのかな。


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【2010/08/30 23:04】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
集団浅慮
昨日ご紹介した「社会的手抜き」に続いて、今日は「集団浅慮」についてです。

「集団浅慮」というのは、メンバーの意識が集団の維持に集中するあまりに(まとまりがよくなる、凝集性が高まるというプラス面はあるのだが)、問題解決の質が低下し、あげくの果てには浅はかで愚かな決定がなされることがあるという、集団における現象のことです。

たまに、場の流れでなんであんな結論になっちゃったんだろうということってありませんか。例えば強烈なリーダーがいて、そのリーダーに従い、和を壊すことを恐れ、中途半端な内容で安易に妥結した結論に飛びついてしまうようなことって。

「集団浅慮」が発生しやすい状況として、下記のようなことがあげられていました。

・集団のまとまりが強い
・外部からのアドバイスや情報がない
・アイデアの再検討や対案の可能性が考慮されない
・即断即決を求められるなど、集団が高いストレスにさらされている
・力の強いリーダーが存在する。

つまり、まとまりのいい集団ほど危機が大きいわけです。どうも、過去に不祥事を起こした企業の多くがこれにあたるのではないでしょうか。

「集団浅慮」状態に陥っている組織の症状としては、以下のようなものがみられます。

・力の過信 ~自分たちが失敗するはずがないという楽観的な見方が強まる
・決定の正当化 ~都合のよい情報だけにたより、外部の声に耳を貸さなくなる
・同調への圧力 ~集団の雰囲気を壊すような発言はタブーになる
・自己検閲 ~メンバーが異議や異論を自ら控えてしまう
・全員一致の幻想 ~他の誰もがそれに賛成しているように思えてくる
・集団維持への固執 ~好ましくない情報から集団を護ろうとする「お目付役」が出てくる。

大丈夫でしょうか、皆さんの組織は。
集団としてのまとまりのよさは大切なのは間違いないですが、それが故に「集団浅慮」に陥るリスクをはらんでいることを特にトップは理解している必要があります。

まとまりのいい会社ほど腐るのも早い、集団に対する忠誠心が高いからこそ不祥事に手を染めてしまう、そんなことは確かに言えますね。

《2010年8月29日》 今日のスーパーバイザー養成講座も深かった。心地よい徒労感です。終了後、中目黒に向かい、早くから飲んでいる高校の仲間に合流。ロンドンから一時帰国した奴を迎え撃ちます。聞けば、今年は卒業30周年とかでホームカミングデーがあるとのこと。卒業時に申し込むのを忘れたので同窓会に入っていないので、私には案内きてませんでした。2軒飲んで、終電チョイ前で帰宅。短い週末、おしまい。


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【2010/08/29 22:57】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
社会的手抜き
キャリアカウンセリング協会のキャリアアドバイザー養成講座の先週分の復習です。

先週は産業組織心理学の面からのアプローチで、東京国際大学の角山先生が終日、講義をされました。仕事の面でも気づきのある1日でした。

で、今日はその中で「社会的手抜き」について。
聞いたことがありますか、この言葉。

集団の中での没個性化が起こり、個人の責任が拡散されてしまうことによって発生するいわゆる手抜きのことですが、「どうせ自分がひとりくらいやらなくても、誰かがやってくれるだろう」という「free rider効果」と、「他人の分まで自分がやるのは嫌だ。皆がやらないなら自分もやらない」という「sucker効果」が代表例とのことです。ありますよね、こういうの。。

大勢の会議で安心して居眠りをしている人なんかまさにこれですね。ぶら下がり社員なんてのも、これだといえるかもしれません。国民年金を払わないなんてのも、入るのかもしれませんね。

で、「社会的手抜き」の原因って何でしょうか。

・結果や責任が個人的に問われない
・仕事の役割や意義が明確にされていない
・決まり切った手順で創意工夫の余地がない

と整理されるとのことです。なるほどですね。これは、組織的な取り組みで発生を抑えられる可能性がありそうです。

「社会的手抜き」を防止するためには、少なくとも以下の工夫が必要そうです。

・誰かが仕事をきちんと見ている
・あなたの仕事は重要な仕事だということをきちんと伝えている

「社会的手抜き」を発生させないことは、組織生産性の向上に間違いなく寄与しますし、「社会的手抜き」を放置すると真面目にやっている人のモチベーションに影響を与えます。ただし、たちが悪いのは「社会的手抜き」を実行している人たちの多くに、おそらくは自覚がないことです。逆に妙な権利意識や、被害者意識を持っている人が結構いるような気がします。

《2010年8月28日》 今日は終日、社内研修。選択心理学をベースにおいた新任マネージャー向けの研修です。なかなかフィットする講師で、結構いい感じです。この「結構いい感じ」という曖昧な総括がいけないんですよね。


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【2010/08/28 23:00】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
研修事務局という大事な役割
一週間ほど前に東京大学の中原先生がブログに「事務局」の重要性を書かれていました。

研修や勉強会というのは、講師だけでなく「事務局」の存在が重要なのであるが、それが明確に認知されていないというお話です。もちろん、講師・事務局とともに「参加者」というもう1つ極めて重要なファクターはあります。

で、事務局に関する私の思いですが、これは目茶目茶大切なものだと思っています。

事務局をしている人は、まず大きく2分されます。1つは事務局という業務の大切さを理解していて、それを少しでも良く果たそうと奮闘している人です。そしてもう1つは、自分は研修当日のロジが役割だと狭くとらえている事務局です。
申し訳ないですが、後者は事務局には値しません。ロジちゃんと呼びたいと思います。もちろん研修のロジがきちんとされていないと研修は壊れてしまいますが、あくまでもロジは必要条件であり、事務局としての十分条件は他にあります。

私はこれまでに数多くの研修・勉強会に参加させていただきました。そんな中で、何年を経てもネットワークが強固につながっている研修・勉強会とそうでないものがあります。そして、つながっている研修・勉強会を1つ1つ思い浮かべると、その大半で事務局の方の顔が目に浮かびます。また、そのうちの多くは今でも事務局の方とのご縁が切れていません。事務局の方にとっては、毎度毎度研修の受講生というのが研修の都度に目の前を通過していきますから、それらすべてと縁をつなぐというのは驚異的なことに感じますが、スーパー事務局はそんなことさえできているのではないかと感じます。

ある編集者の方と以前飲んでいたとき、その方の熱い思いを聞くにつれ、いつか作家の名前ではなく、編集者の名前で書籍が選ばれる時代が来るかもしれないと真剣に思いました。花王の丸田元社長は、ゼミの重要性を説きつつ、いつか大学の名前ではなくゼミの名前で企業は採用をするようになるのではないかと話されていました。また、いつからでしょうか、日本の歌謡曲の世界では歌手本人よりもプロデューサーが脚光を浴びたりもしています。

そんな感じて、事務局担当者の名前で研修を選ぶ、なんてことも将来には起こってくるかもしれません。

《2010年8月27日》 公私ともに超多忙。ブログ書くのが唯一の息抜きぐらいかも。ハロハロで癒しました。


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【2010/08/27 23:58】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
子供を未成熟な大人ではなく、大人を萎縮した子供と考える
「子供を未成熟な大人ではなく、大人を萎縮した子供と考える」

慶應義塾大学丸の内シティキャンパスのラーニングイノベーション論Ⅱ期生のツイッターにあった言葉ですが、たぶん先日のラーニングイノベーション論の講師の方の話からなのだと思います。前年にはなかった講座の日なので定かなことは分かりませんが。インプロとの絡みかな。

でも、いずれにしても今年一番ハッとした名言です。

実は私はしばしば、大人と子供とどちらが人間として元来あるべき姿なのだろうかと考えることがあります。昔、伊武雅刀は「私は子供に生まれないでよかったと胸をなで下ろしています」というようなことを歌っていましたが、同じ人間でも大人と子供は、ちょっと違う生き物のようなところがあります。そのはざまにあるのが「思春期」であり、それであるがためにいろいろな問題が起こります。

この名言を聞いて確かにそうだなぁと感じますが、大人は子供よりも委縮して生きてますね。そして、そのことを称して「大人になったのだ」と定義しているようにすら思えます。「きちんち委縮ができるだけ、君も大人になっんだね」という具合に。

ひょっとすると、大人が一切委縮しない世界は実にアナーキーで危険一杯の世界なのかもしれません。大人はそれを避けるがために生物の本能として「委縮」を身につけたのかもしれません。でも、子供の世界にもそれなりの秩序はあり、完全な無政府状態にはなっていませんよね。また、大人から委縮を解放しても、本当に子供になれるかも微妙です。こんなことを結構、まじめに考えたりします。

1ついえることは、今の社会では「委縮」を良しとした大人が絶対的安定多数を握っており、時折出てくる「委縮をせずに大人になった人」は、よっぽどの幸運と力量がなければ、スポイルされるということです。でも、たまにその幸運と力量を持ち合わせた人が出現し、それらの人は「天才」と称され崇め奉られますし、新しい創造的価値を世界にもたらします。

高齢化の進む日本では、ますます委縮した子供である大人が絶対的多数を得て、未成熟な大人である子供は少数派になります。これは文明の衰退を意味する可能性があります。そんな社会では、大人にさらに委縮を押し付ける風土が高まるリスクがあります。旧来的大企業の中では「社内でも適切に委縮することが出世のために一番大事なこと」になっているなんて状況ですよね、結構。

それでは、縮小再生産しか世の中にもたらすことはできません。

「子供を未成熟な大人ではなく、大人を萎縮した子供と考える」

つくづく素敵で示唆的な言葉です。

《2010年8月26日》 麹町「文字平」さんにて終了。遅くまですみませんでした。インターンシップ生との飲み会だったのですが、緊急の打ち合わせで大遅刻。改めて、人事の仕事の幅の広さを実感した日でした。それにしても、頼もしいメンバーがいろいろといてありがたいです。


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【2010/08/26 23:20】 | キャリア~全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
マイケル・アーサーの3つの問い
昨日はエドカー・シャインの3つの問いを整理しました。これは多くの方がご存知だったのではないかと思います。今日は、やはりアメリカのキャリア関連の学者であるマイケル・アーサーの3つの問についてです。これも昨日に続いて、金井壽宏先生の「働くひとのためのキャリアデザイン」を参考にいたしました。大変に良い本です。

①自分ならではの強みはどこにあるのか
②自分があることをしたいとき、それをしたいのはなぜか
③自分はこれまで誰とつながり、その関係をどのように生かしてきたのか


どうでしょうか。こちらも深いですね。
①は自分の知識・能力・スキルに関することです。自分が何ができるのかという意味ではシャインの①と同じですね。②は自分の仕事に対するアイデンティティのようなものです。違った見方をすると、モチベーションの源は何かということにもつながります。非常に大事なことですが、前提として「あることをしたいとき」とあるので、何をするべきかを悩んでいる人にはちょっとつらいかもしれません。③は対人ネットワークです。

この3つを自分について何を知っているのかという観点からいいかえると、①KNOWING HOW、②KNOWING WHY、③KNOWINH WHO となります。シャインの3つの視点同様に、節目に差し掛かっている人には役に立つ観点であり、キャリアカウンセラーとして持っておきたい引き出しの1つです。

《2010年8月25日》 ツイッターは安田講堂のサンデル先生で大盛り上がりですねぇ。


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【2010/08/25 23:20】 | キャリア~全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
エドガー・シャインの3つの問い
キャリアについて学ぶ人であれば、誰もが知る大御所エドガー・シャインは、次の3つの問いに対して内省することが、キャリアについて考える基盤を提供すると整理しています。

①自分は何が得意か
②自分自身はいったい何をやりたいのか
③どのようなことをやっている自分なら、意味を感じ、社会に役立っていると実感できるのか。


他者からの評価ではなく、自分自身の考えでこれを整理します。つまり、自己イメージを文書化するのです。これらは言いかえれば、①は能力・スキルについての自己イメージ、②は動機・欲求についての自己イメージ、③は意味・価値についての自己イメージになります。

よく、CAN・WANT・MUSTが重なるところが大事な領域だとかいう人もいます。これにも近いものがありますが、あくまでも自己イメージで整理していくところがこの世界です。もちろん自己イメージというのは、自分勝手なイメージではなく、周囲の人に適切なフィードバックをいただきながら独りよがりにならずに固めていくものです。しかし、特に②・③になると、人のフィードバックやアドバイス云々ではなく、自分の内なる声に相当に耳を傾けないと難しいですね。キャリアカウンセラーという仕事はそんなお手伝いをする仕事でもあります。

※金井壽宏先生の「働くひとのためのキャリアデザイン」を参考にしました。

働くひとのためのキャリア・デザイン (PHP新書)働くひとのためのキャリア・デザイン (PHP新書)
(2002/01)
金井 壽宏

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《2010年8月24日》 お昼から京都、日帰り。日本は狭い。往復の新幹線で仕事堪能。創業者の思いを時を隔てても企業はいかにしてメンバーに浸透させるのかを考える旅を続けていますが、今回は京都編でワコールさんと京セラさんに訪問。いずれここでも整理したいと思いますが、とても勉強させられました。終了後、終電まで京風お好み焼きの店へ。ソースではなく、だしでお好み焼きをいただきます。もちろん協会加盟店です。


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【2010/08/24 23:15】 | キャリア~全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
インターン生から学んだこと③
インターンシップ生の発表から気付かされたことの整理、3日目を続けます。詳しいことは、一昨日のブログご覧ください。まだまだいくつかあるのですが、このあたりでもうお終いにしておきたいと思います。

⑦小さい仕事を一人一人はやっているけど、協力してそれが全体で大きな仕事になっていくのですね。人事部といってもいろいろな仕事があり、それが全体で機能しているのがわかりました。

【⇒】これもちょっと模範解答っぽいですが、そのとおりです。一人一人がやる仕事は、特に最初の頃は、けしてドラマチックなことが起きたり、会社業績を左右するようなことになったりするわけでは、ほとんどの場合ないのですが、いずれもかけがえのない仕事であり、大きな絵の中の大切な欠かすことのできない1つのピースなのです。最初のうちなんか、そんな仕事ばかりです。それを世間は「雑巾がけ」と称します。でも、ピース作りに没頭するのではなく、大きな絵を観ながら仕事をすることが大切です。そして、実は「雑巾がけ」は社会人としての基礎体力を実に育てるのです。これを経験せずに過ごした人は、仮にうまくやれたとしても、どこかでつまずくリスクも持ち合わせています。

⑧厳しい状況でもどうやったら乗り越えられるか、ポジティプにとらえていくことが大切なのだと感じました。

【⇒】基本的にビジネスは大変です。厳しいことは日々襲ってきます。でも、そこから逃げたり、自分の殻にこもってしまったら社会人としての成長はお終いです。もちろん成長しないでいいという選択肢はありえますが、お薦めの選択肢ではありません。で、おっしゃる通り、それに耐えるにはものごとをいかにポジティブに考えるかが大切になります。誤解されないように追記しますが、ポジティブと能天気は違います。単なる楽観主義も違います。ポジティブにはささやかではあってもある種の算段があります。そんな算段をできるように普段から地道な努力をすることが、ポジティブ・シンキングの根底にあります。単に楽観思想だけではいけません。楽観思想ができるだけの努力があるのです。

⑨改めて社会人はなぜこんなに働くことができるのかと思いました。

【⇒】これで今回のインターンシップ生から学んだことの整理は最後にしたいと思いますが、これって極めて本質的な問ですね。これから出会うすべての企業人に質問してみると面白いと思います。
私も25年間働いていますが、ほんとうにいろんなことが起きます。もうどうにもならずに嫌になることもよくあります。つらいことも多々あります。馬鹿らしくなることもよくあります。ビールをコップごと壁に投げつけたくなるようなことはしばしばあります。でも、やっぱり本質的に仕事というものが楽しいから、面白いから働くのだと思います。
昨日、アルバイトと仕事の違いの話がありました。アルバイトのような時間が決まり、役割も決まった働き方ではなく、社会人の働き方は極端な言い方をすれば時間も関係ないですし、役割も不明確です。逆にアルバイトのように決まった時間だけ、決まった役割だけを果たそうとすると絶対に成長はありません。このあたりの感覚が肌でわかってくると、仕事が面白いから働くと感じられるようになるのかなぁと思います。そうですね、面白いという感覚と、成長というキーワードのつながりも大切な要素のように思います。
もちろん、面白いというのは単に楽しいというのとはまったく意味が違います。難しいですねえ。いずれにしても、毎日、朝から晩まで大学の講義に出るというのは、辛そうですね。きっとこれを25年間も続けることはできないでしょう。でも、私たち社会人は、毎日、朝から晩まで会社で仕事をしているのです。ですから、少なくとも大学の講義よりは面白そうな世界が待っているんだと思って、学生の皆さんは社会に飛び込んできてください。きっと、大丈夫です。前さえ向いていれば。

インターンシップ生の発表の中から、ややデフォルメした部分もありますが3日間にわたって9つ抽出して整理をしてみました。気付きをこれだけくれた2人に感謝をするとともに、改めて前途に幸あれと祈念します。何か恩返しができればするので言ってください。

《2010年8月23日》 長い月曜日。先週から飲まずに終電近くまでの残業が続いており、とても身体的には健康的な生活です。お金もなくならない。


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【2010/08/23 23:11】 | キャリア~学生・就職・採用 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
インターンシップ生から学んだこと②
昨日取り上げたインターンシップ生の最終発表からのお話、書いてみたら意外とボリウムが出てきたので今日が2日目です。インターンシップの詳細については昨日のブログを参照ください。

インターンシップ最終日の個人発表では、スタート時に掲げた目標の達成度と、インターンシップを通して得られた気づきについて話してもらったのですが、なるほどと思うことがかなりありました。インターンシップ生から、改めて教えられたという感じです。いくつか、とりあげてコメントしたいと思います(内容は若干わかりやすいように脚色しています)。

③アルバイトと仕事はどう違うのかなぁと思っていました。アルバイトは同じ仕事の反復、仕事はPDCAのサイクルをまわす、これが違いなのかと思います。


【⇒】これはかなり出来過ぎのコメントです。誰かの説明の際に聞いたり、アルバイト先の人に聞いたりした影響もあるかと思います。でも、自分の言葉にできれば、それは自分のものです。ある意味、本当にそのとおりでしょう。でも、必ずしも反復的ではないアルバイトもあります。私はゼミだけでなく、アルバイトも非常に学生の皆さんの社会人基礎力を高めることに寄与していると思っています。ただし、アルバイトの内容にもよりますね。そういう意味では、単純反復的だけてなく、PDCAサイクルを実感として回す要素があるタイプのアルバイトをやった方がいいということになるのでしょうか。かなり昔にこのブログで書いた、法政大学の諏訪先生のお話も参考にしてください。

2008年01月20日 キャリアデザイン学会第3回研究会から

④ただやりっぱなしにするのではなく、あとで振り返ること、整理をすることの大切さを実感しました。

【⇒】担当者が日々の振り返りを報告させたりしていたので、これが伝わったのは嬉しいことです。これを感じてくれないと、最後に発表会をしている意味も通じないということですからね。本当に「実感」してくれたのであれば、これからのいろいろな機会にしっかりとした、振り返り、リフレクションをしてくれることと思います。それだけでも、成長が少し約束されたようなものです。

⑤何かを質問しなければならないと思いながらも、質問するタイミングがなかなかつかめないものだと感じました。


【⇒】新入社員の代表的な悩みです。先輩に質問をしなければ仕事が進まないのに、先輩が忙しそうでなかなか聞けない。聞かずに仕事を進めてしまってミスをして、なおさら委縮して聞けなくなる……、この悪循環に陥ると、下手をするとメンタルヘルス的危機になります。入社する前に「質問をするのって大変なんだ」と実感できたのは、大きなプラスです。

⑥パソコンができるのは当たり前のこと、できないと仕事にならないことが本当に実感できた。

【⇒】これは実に大事なことです。身にしみてわかったでしょう。新入社員は覚えることがたくさんあるのです。そんな時に、エクセルやパワーポイントの基礎操作から覚えなければならない人と、それらを道具として使いこなすことができている人では、ものすごく差があります。例えばパワーポイントで企画書を作成する場合、パワポの操作で時間を費やす人は、仮に1時間時間をかけたとしても30分はパワポの操作で取られて、企画を考える時間は30分しかとれなくなってしまいます。これに対して、もともと使える人であれば、フルに企画を考える時間に使えます。どちらの企画書がよくなる可能性が高いかは自明の理です。私も以前はPCなんか会社に入ってから覚えればいいと思っていた時期もありますが、今の世の中はけしてそうではありません。ですから、内定教育ではIT教育はいまや必須です。例えばSFC卒業生が企業に人気があるのは、ITリテラシーの側面もあります。

2009年10月18日 内定期間の意味について

《2010年8月22日》 キャリアカウンセリング協会のスーパーバイザー養成講座第16回。東京国際大学の角山剛先生の講義「組織心理の応用研究」。終日の講義で少々疲れましたが、多くの気づきがありました。仕事にも反映できることが多々ありますし、「人材教育」誌の書評の方向性も講義を聴きながら固まりました。


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【2010/08/22 22:04】 | キャリア~学生・就職・採用 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
インターンシップ生から学んだこと①
今年は夏休み期間中にインターンシップ生を3人預かっています。

1人は慶應義塾大学の湘南藤沢キャンパス(SFC)の3年生、そしてもう2人はやはり慶應義塾大学の商学部の2年生、いずれも学校の正式なカリキュラムのインターンシップです。SFCは丸々1カ月とみっちりした期間があるので、もろに現場で働いてもらっています。商学部は正味で12日間と比較的短期間なので人事部で預かることにしました。いずれも8月1日からスタートしていましたが、商学部の2名は20日(金)が最終日。最後に個人別に発表をしてもらいました。゜

スタート時に掲げた目標の達成度と、インターンシップを通して得られた気づきについて話してもらったのですが、なるほどと思うことがかなりありました。インターンシップ生から、改めて教えられたという感じです。いくつか、とりあげてコメントしたいと思います(内容は若干わかりやすいように脚色しています)。

①いくつか会議に参加させていただきましたが、会議ってゼミに似ているなと感じました。3年生になったら本格的にゼミが始まるので、真剣に取り組もうと思いました。

【⇒】なるほど。ゼミと会議を比較して考えたことはなかったですが、そういわれるとそういう部分もあるかもしれません。ただし、会議にはいろいろな種類があるので、会議すべてを一括りにはできませんが…。いずれにしても、このインターンシップを通して、ゼミに真剣に取り組もうと思ってくれたことは何よりです。なぜって、大学生活において、最も社会人基礎力を伸ばしているのは、ゼミ活動なのですから(私の持論でしかありませんが)。ということで、過去のゼミ関連のブログをいくつか集めてみました。

2008年04月11日 大学ゼミのブランド化
2008年10月05日 大学生活で社会人基礎力は伸びている
2009年07月19日 金井ゼミの3つの目標
2010年03月24日 一橋大学加藤哲郎ゼミ

②何社か企業訪問に同行させていただいたが、改めて会社によって雰囲気が違うことを実感しました。

【⇒】これは当たり前のことではあるのですが、「実感した」というのが非常に大切です。そして、これを就職活動における企業選びの際に忘れないことです。
大学に入学してサークルを選択する際に何を基準にしたか……、もちろんサッカーをやりたい、テニスをやりたい、そういった分野での選択もあったでしょう。それとともに、そのサークルの雰囲気って大事な選択要素ではなかったでしょうか。そして、せっかく入ったサークルを途中で辞めてしまった人、その理由ってよくよく考えると、人間関係的な面も含めて自分に雰囲気が合わなかったからじゃありませんか。実は会社選択も似たような部分があっていいと思っています。
業種や職種というのも大事ですが、それ以上に雰囲気が大切ではないかと。早期退職者があげる退職理由第1位は常に「イメージと違った」ですが、このイメージと違ったの大半は「雰囲気」に近い部分じゃないかと思っています。
以下のブログにあるリクルートエイブリックの海老原さんの話も是非、参考にしてください。海老原さんのいう風土と、ここでいう雰囲気は基本的に同義語です。

2010年06月14日 5つの軸と10のエッジ

意外とこのテーマ、広がります。今日はここまでにして、明日に続きます。

《2010月8月21日》 親戚がなんとTDLでフラダンスを踊るというので終日TDLへ。夏休み40日の間、オーディションで選ばれた計80組のチームが、毎日2チームずつフラダンスを披露しているとのことです。ということで、静岡から出てきた皆様を応援。私たちは大学時代にTDLができたTDL世代です。TDL以前と以降では世の中が変わった…と大げさなことを言いたいくらいインパクトのある存在です。それにしても多くのアトラクションが25年以上も前にもあったというのは凄いことです。逆に意外と世界の技術の進歩は早くはないともいえます。


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【2010/08/21 21:53】 | キャリア~学生・就職・採用 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
疲れには2つある
昨日の続きで、河合隼雄先生の「働きざかりの心理学」から。この本、私がまだ大学生であった1984年に書かれています。引用する例は古くなっていますが、語られている内容はけして古くなっていません。この26年間の社会の歩みって何だったんだろうなぁとちょっと思います。

今日は2種類の「疲れ」について。

『疲れには二つある。快い疲れなどという表現があるとおり、自分の力を十分に出し切った後の疲れは、案外気持ちよく回復も早い。とこめが、自分の力を使い損ねたような疲れ、自分の力をセーブすることによる疲れとでもいうべきものは、不快感と結び付け、回復も遅いものである。』

いわゆる会議疲れという奴があります。自分があまり意味を感じない会議に出ると、どっと疲れるものです。これは河合先生のいう「自分の力をセーブすることによる疲れとでもいうべきものは、不快感と結び付け、回復も遅いものである」にあたるのでしょう。ただし、主体的に参加する会議はなぜか疲れません。もちろん、会議中は反対者の説得などのために頭をフルに回転させ、疲労困憊になるまで頑張るのですが、確かに「案外気持ちよく回復も早い」という感じです。

であれば、すべての会議に主体的に参加した方が得である、ということになりますね。

《2010年8月20日》 ラーニングイノベーション論二期生の暑気払いがあり、一期生も参加可だったのですが、残念ながら行けず。今頃、リフレクション・ツイッターがまわってるだろうなぁ。まぁ、仕事で好きなことができない時期も当然あります。今日も、頑張ってくれているメンバーがいるので。


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【2010/08/20 23:57】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
協調と妥協の差
人事考課の基準に「協調性」というのはよく見かけますよね。小学校の態度評価などでもあったような気がします。協調性があるというのは、日本社会にとっては「優れたこと」と解釈されているわけですが、ここでいう「協調性」とは何なのでしょうか。

自分の意見を押し通さずに周囲の意見をくみとって結論を出すことが「協調」だといえますが、それでは「妥協」とはどう違うのでしょうか。

河合隼雄先生の「働きざかりの心理学」の中で、「協調」と「妥協」の違いに触れられています。

『協調と妥協の差は、協調はそのことをするまでに苦しみがあるのに対して、妥協はそのことが終わってから苦しみがある点にある。協調というときは相手の存在だけでなく、自分の存在も生きていなくてはならない。両方をぶつかり合わせて、どうしようかと考えるところに苦しみがあるが、それを解決したときは新しい局面がひらかれる感じがあり、そこでは両者ともに生かされている。ところが妥協というのは、安易に自分を殺してしまっていることが多く、そこには新しいことが入って来ない』。

さて、皆さんが今日したのは、「協調」ですか「妥協」ですか。

働きざかりの心理学 (新潮文庫)働きざかりの心理学 (新潮文庫)
(1995/04)
河合 隼雄

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《2010年8月19日》 気づいてみれば3日連続で、部署での最終退社。時計の針はまだまだ今日なのでめちゃくちゃ遅いわけではないですが…。以前に比較すると、自分で何でもやろうというのは意識的に減らしていますが、まだまだメンバーへの仕事の振り方が上手でないかと少し反省。育てながら成果を出させるような健全なプレッシャーが伝えられるといいのですが。


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【2010/08/19 23:32】 | キャリア~全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
人事の書棚から104-107
続き時は続きます。3日連続で「人事の書棚から」です。

人事の書棚から:104 「サーバントリーダーシップ入門」

資生堂の池田元社長と神戸大学の金井壽宏先生の共著です。組織やメンバーを協力に引っ張っていくリーダー像ではなく、ミッションに向かって自発的に歩み始める人を後押しすることによって、組織目標を達成に導くようなリーダーシップをサーバントリーダーシップといい、かなり一般的な概念になりつつあります。
5代の社長に秘書として仕えたという池田元社長が、今度は社長として改革をリードする役回りについたとき、考え抜いた末でたどり着いたのが改革の原動力となる社員達をサーバントとして支え、ゴールに導くという方法だったといいます。そして、池田元社長の改革に理論的な支えを提供したのが金井先生です。フォロワーがリーダーに心からついてくるためにも、リーダーはフォロワーに奉仕する、そんな考え方なのですが、内的動機付けが重視される今日においては、非常にフィットするリーダーシップ論だと思います。ただし、「サーバント」という言葉の力がやや強すぎて、知らない方に対する説明には苦慮するところがあり、よく考えて使わないとまだまだ誤解されかねない概念でもあります。

サーバントリーダーシップ入門サーバントリーダーシップ入門
(2007/11/06)
金井 壽宏池田 守男

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人事の書棚から:105 「踊る大捜査線に学ぶ組織論入門」

金井壽宏先生と、田柳恵美子氏の共著。なぜ、こういう順番で取り上げたかというと、踊る大捜査線の映画化第三弾(「踊る3」)の中で、なんと「サーバントリーダー」という言葉が使われているのです。これは、本庁と所轄の相反する思いと利害を調整する役として登場する補佐官が自らの立場を説明する中で出てくるのですが、「サーバントリーダー」=「調整役」という誤ったイメージで見る人には伝わってしまいます。これは困ったことです。けして、調整役ではありませんし、「踊る3」のような両者の妥協点を強引に作る役割ではありません。
実は本書の中でも、サーバントリーダーに結構なページを割いています。室井審議官が「踊る2」の最後で「全捜査員、聞こえるか?自分の判断で動いてくれ。本部への報告は厳守だ………現場の君たちを信じる」と呼びかける感動的なシーンがありますが、そこを取り上げて、この根底にあるものこそが、サーバント・リーダーシップであると説いています。すなわち、ビジョンを言葉にして人々に呼びかけ、問題解決のためのコミュニティを組織化し、人々を説得し、権限を委譲し、主体的参加を促す、ということです。「踊るシリーズ」のテーマの1つでもある官僚主義とは対極にあるものです。
本書の説明がまったくされていませんが、踊るシリーズをみていると誰しもが組織論を云々いいたくなりますよね。それを本気でやっちゃったのが本書です。しかし、キワモノではなく、まじめな組織論の入門書として読むことができる出来上がりになっています。さすがです。

踊る大捜査線に学ぶ組織論入門踊る大捜査線に学ぶ組織論入門
(2005/09)
金井 壽宏田柳 恵美子

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人事の書棚から:106 「働くひとのためのキャリアデザイン」


こうなったらもう、今日は金井壽宏先生通しで行きます。これ2002年の発刊ですから、もう8年前の本になります。
金井先生のこの手の本は、古今東西の理解しておくべき理論が平易に紹介されているのも魅力です。リーダーシップ論であれば「リーダーシップ入門」を、モチベーション理論であれば「働くみんなのモティベーション論」「危機の時代の「やる気」学」あたりを読めば、いっぱしの理論家気取りができます(もちろん、それだけで理論家を気取ってはいけません)。本書では、金井先生の持論でもある「キャリアドリフト」(つまり、デザインしない)と「節目でのキャリアデザイン」の話がしっかりと理解できるように書かれています。キャリアの入門書としても、適しています。

働くひとのためのキャリア・デザイン (PHP新書)働くひとのためのキャリア・デザイン (PHP新書)
(2002/01)
金井 壽宏

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《2010年8月18日》 先週夏休みだったこともあり、ちょっと忙しいです。暦は休んでも仕事は休んでないもんだなぁとつくづく思います。でも、忙しいというのはありがたいこと。


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【2010/08/18 23:26】 | 書籍紹介 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
人事の書棚から100-103
めずらしく2日続けてやります。「人事の書棚から」。
気づいてみたら、100冊目ですねぇ。書き始めた動機は5月5日か昨日のブログをみていただければと思いますが、今日は100冊を記念して、過去に私が書いたことのある書評で選んだ本特集です。といっても、4回しか書いたことないのですけど…。

人事の書棚から:100 「人勢塾~ポジティブ心理学が人と組織を変える」

JMAMの「人材教育」2010年7月号。タイトルは「人事担当者を応援するポジティブ心理学の勧め」

金井壽宏先生の本です。テーマはポジティブ心理学。金井先生が一般企業の人事担当者を集めて開塾された「第1期人勢塾」の記録でもあります。ポジティブ心理学を人事と組織に応用することを目指されているのだとひしひしと感じます。そして、ポジティブ心理学を人事担当者の応援隊として、私たちに提供してくださろうとされています。書評冒頭に紹介した金井ゼミ生の「応援団には応援団がいない」という話にはちょっとぐっときます。そんな流れの中から、人事の役割の本質を考えてみた書評です。で、詳しくはバックナンバーを。

「人勢塾」 ポジティブ心理学が人と組織を鍛える「人勢塾」 ポジティブ心理学が人と組織を鍛える
(2010/04/05)
金井 壽宏

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人事の書棚から:101 「自分ごとだと人は動く」

JMAMの「人材教育」2010年3月号。タイトルは「シャインにスルーされない情報提供を行うには」

私は人事の世界には「3大思考停止ワード」というのがあると常々いっています。それは「マネジメント」「リーダーシップ」「コミュニケーション」の3つのカタカナ日本語です。これらの言葉が出てきた時には注意しなければいけません。たいていの場合、解決に近づくことはありません。「うん、それはマネジメントの問題だよね」「やっぱりリーダーシップが大切だね」「これからはコミュニケーションを良くしていきましょう」、これで何か解決するでしょうか。。
博報堂がまとめている本書は、広報・マーケティングの視点からコミュニケーションを取り扱っています。ある意味、彼らはこの道に専門家です。情報の99%がスルーされている現実を指摘した上で、スルーされない情報のためのキーワードとして「自分ごと」という概念を提示しています。「自分ごと」を訴求することの本質は、単に自分と関係があると認識させるだけではなく、情報の受け手に何らかの共感をもたらし、情報の受け手自身が他者とシェアしたいと思う、そんなレベルまでを意識する必要があります。そして「自分ごと」として情報を受けた受け手は、他者に積極的に情報を伝えようとさえします。そう、受け手が同時に情報の発信者にもなるのが今です。ということで、詳しくはバックナンバーを。

「自分ごと」だと人は動く「自分ごと」だと人は動く
(2009/11/28)
博報堂DYグループエンゲージメント研究会

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人事の書棚から:102 「社長が変われば会社は変わる!」

リクルートの「Works」93月号。タイトルは「役割や場が人材を作る、優秀な人材を埋もれされていないか」

「Works」の書評はインタビュー形式でしたのでとても楽でした。しかも、この雑誌の編集・ライターは皆様、優秀。上がってきた原稿を見て、いじりたくなることは過去に一度ありません。さて、紹介した本の著者は石渡美奈、ホッピービバレッジの三代目社長「ホッピーみーな」です。彼女が新入社員で某食品メーカーに入社した時期に、彼女の退職まで私が上司というか先輩というかという立場でした。いわゆる一般職で就職した彼女が、伝統企業の社長になるまでの姿を観ていると、まさに役割や場が(そして試練と仲間が)人を創るんだということが実感させられます。
実はこの書評の取材を受けたのは、転職した直後。改めて以前いた企業にいたメンバーの多くの基礎的優秀さを感じるとともに、大企業ではかえってそれを活かすだけの場が(特に若いうちは)与えられていないことが、日本の損失だと感じていたことを思い出します。大手・中小入り乱れての人材のダイナミックな行き来が日本の活力をきっと生むのでしょうが。そんな思いもあってのタイトルです。

「Works」は全バックナンバーをWEBで公開していますので、「Works」サイトから全文が見れますよ。

社長が変われば会社は変わる! ホッピー三代目、跡取り娘の体当たり経営改革社長が変われば会社は変わる! ホッピー三代目、跡取り娘の体当たり経営改革
(2007/09/14)
石渡美奈

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人事の書棚から:103 「アンドロイドは電気羊の夢をみるか」

産労総合研究所「企業と人材」2008年8月5・20日号。

ここの書評は「座右の名著」というタイトルです。編集者からのオーダーは「今回はなるべく変わった本を選んでいただいて結構です」。私:「じゃあ小説でもいいですか」。編集者:「ぜんぜん構いません」。私:「じゃあSFでいいですか。アンドロイドとか電気羊とか出てくる奴なんですが」。編集者:「人事系の人が読むことさえご理解いただければ………」。という感じで決まりました。
私の一番好きな作家であるフィリップ・K・ディックの代表作の1つです。映画「ブレードランナー」の原作としても知られています。何が真実であるのかは、ある意味では相対的な問題であり、常に真実らしき現実を疑え、こんな叫びがディック作品の根底からは常に聞こえてきます。疑うという能力は、ビジネスパーソンにとってもっとも大切なこと。これをせずにはやりの人事制度をコンサル主導で入れた人事パーソンがいれば、それは罪なことでしかありませんね。プロとしての職業倫理を守れてもいないといえます。久しぶりに読み直したら、この書評、とてもいいこと書いているように感じたので、バックナンバーを会社でお持ちの方、是非、ご一読ください。

アンドロイドは電気羊の夢を見るか? (ハヤカワ文庫 SF (229))アンドロイドは電気羊の夢を見るか? (ハヤカワ文庫 SF (229))
(1977/03/01)
フィリップ・K・ディック

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《2010年8月17日》 で、「人材教育」の11月号の書評が回ってくるのですが、ちょっと変化球で行こうがどうか迷ってます。


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【2010/08/17 23:16】 | 書籍紹介 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
人事の書棚から097-099
ちょっと間が空きましたが、「人事の書棚から」です。

書棚から本があふれ、部屋中のこちらこちらに山になっています。洋服ダンスの中も本だらけです。実家のグルニエも本であふれ過重により一階のドアの開きが悪くなってきましたし、我が家の押し入れスペースも圧迫されています。趣味で収集している1000冊は優に超えるSF本は捨てるわけにはいかないので、ビジネス書を中心に一部はブックオフへ、一部は段ボールに入れてさせに押入れへという移動をこのゴールデンウイークに敢行しました。でも、なかなかブックオフ送りは思いきれません。そんなこんなしているうちに、昔の本を読み始めたり、あの頃を思い出したり…、これはもう収拾がつかなくなり、こんな企画を思いつきました。当初はハイペースで紹介をしていましたが、途中からは飽きてしまい、また最近はスーパーバイザー養成講座の復習が中心になっているのでご無沙汰してましたが、まだまだ本がたくさんあるので時折はやりたいと思います。
けして、書評のレベルの内容ではありません。どちらかというと、「あの本を読んだあの頃の自分をリフレクションする」といった意味合いが強い時もあります。そして、けしてすべてが万人に対するお薦め書ということではありませんのでご容赦ください。

人事の書棚から:097 「「うつ」を治す」

キャリアカウンセリング協会のスーパーバイザー養成講座では、2回メンタルヘルスの講座があります。その2回目の前には数多くの課題図書と課題映画が出され、その中から好きなものに取り組むという仕組みになっています。何にしようか悩んだら、これを読もうとされているのが本書でした。漠然としか「うつ」を理解できていない人が読むには好適な本です。うつ病は何なのかという話をした上で、心理的治療・薬物治療・社会的治療という3つの治療のアプローチについてわかりやすい語り口で詳述しています。特に心理的治療の部分に関しては、うつ病というよりも、「難しい時代をしなやかに生きるためには」ということが書かれているようにも感じられます。認知のゆがみの話や、仕事のコントロール感の話、いずれもマネージャーとしても、一労働者としても理解しておきたい話です。こう考えると、うつ病になるというのは、実は日常の不調の延長上にある話だということが感じられてきます。

「うつ」を治す (PHP新書)「うつ」を治す (PHP新書)
(2000/04)
大野 裕

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人事の書棚から:098 「メンタルヘルスマネジメント入門」

グロービスがメンタルヘルス?と少々違和感を伴う先入観を持ってしまいがちですが、帯には「経営学とメンタルヘルスの融合」とあります。そう、メンタルヘルスは経営学も無視してはいられない存在になってきたのだともいえます。
本書ではメンタルヘルスのアプローチを4段階に分け、いかに「適応アプローチ」が重要かと説いています。①~③はちょっと意識が十分でない人や企業に対する皮肉っぽいですね。

①「見て見ぬふりアプローチ」……気にはなっても周囲は何もしないパターン。
②「自己解決アプローチ」……何とかしようとは思ってはいるが、マネージャーが自己流での解決方法に走るパータン。自分がこうやって乗り越えたから、などといった自分の経験からくる自己流の対処が中心になりがち。マネージャーがしっかりと自己の問題としてとらえるのは良いことだが、自己流だけで解決しようとはせずに、専門家の意見を参考にし、時には専門家と連携をとって対処する姿勢が本来は必要。
③「医療依存アプローチ」……メンタルヘルスに取り組んでいる企業の多くが陥りがちなアプローチ。メンタル不全を疾病としての見地からばかりとらえ、現場や人事が過度に医療に依存してしまうケース。本来であれば、職場改善、職場のマネジメントで改善できるケースも、職場問題の改善は棚に上げて、医学的な問題にすり替えて表面的な解決を図ろうとする考え方。専門家への適切なリファーは大切だが、右から左へ専門家に流すだけでは真の解決には至らないケースが多いはず。
④「適応アプローチ」……メンタル不調の原因をまずストレスに求め、職務におけるストレスを軽減させることによって状況を改善させようとする考え方。もちろん、多くは医療的なサポートを併用させるが、現場のマネジメントやリーダーシップという領域にまで入り込み、不調者がストレスにうまく適応できるように全体を適応させていく考え方。ただし、変に深追いし過ぎずに、ケースによっては早期に医療アプローチに切り替えことも必要。メンタル不調のすべての原因が職場に起因するとは限らない。

ビジネススクールで教える メンタルヘルスマネジメント入門―適応アプローチで個人と組織の活力を引き出すビジネススクールで教える メンタルヘルスマネジメント入門―適応アプローチで個人と組織の活力を引き出す
(2007/12/07)
佐藤 隆

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人事の書棚から:099 「脳からストレスを消す技術」

ストレスに勝とうとするなという言葉から本書は始まります。ストレスに強い人というのは、ストレスを打ちまかせていく人ではなく、遅い来るストレスを上手に受け流し、自分にとって適度なストレスにコントロールできる人だというのです。これはまさにその通りだと実感します。そして、そのための方法を考えるヒントは、脳科学にあります。ストレスを気持ちの問題と考えずに、脳が神経伝達物質を通じて感じるものと考えるわけです。
そんな見地からストレスをコントロールする方法は2つあります。1つはストレスを受け流す体質を作ることです。これは「セロトニン神経」を活性化させることにより実現可能です。「セロトニン神経」の活性化のためには、「太陽光むと「リズム運動」がキーになります。そして、もう1つは溜まってしまったストレスを一気に解消する機能です。これに有効なのが「涙」なのだそうです。
脳科学の進歩は、宗教家でなくても、ちょっと怖い気もしてきますが、使えるものは使っていきたいと思います。

脳からストレスを消す技術脳からストレスを消す技術
(2008/12/16)
有田 秀穂

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《2010年8月16日》 今年の2月、【ちゑや】の中村店主出演のラーニングバー後、店主も交えて本郷のチムニーで飲んでいた時に「うどん」ストラップがあったというだけのことで始まった【やゑくら】。本日は第5回。場所は中目黒の「八じゅう」。東京で唯一(?)尾道焼きが食べられるお店です。9月末からのNHK朝の連続テレビ小説は、ゲゲゲに代わって「てっぱん」。尾道→大阪の2都市が舞台になり、テーマはお好み焼きです。そうです、この秋、゜尾道焼き」は間違いなく脚光を浴びます。早いうちに、是非、中目黒へ。牛スジのキャベツ焼きと、焼きそばもお勧めです。


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【2010/08/16 23:07】 | 書籍紹介 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
ちょっと整理です…8月前半編
8月も半ばになりました。

今日はキャリアカウンセリング協会のスーパーバイザー養成講座。めずらしく朝にアップしてでかけます。一般にお盆休みも今日でお終い。明日からは、改めて「終わりなき日常」が始まります。この2週間のブログですが、スーパーバイザー養成講座の振り返りが大半でした。最初はメンタル関係の話、それから本丸のスーパービジョンの備忘録。まだまだですが、少しずつ前進はしています。

最後の3日間はその反動でしょうか。人事的視点で3つのテーマを扱いました。「障害者雇用を考える」「成果主義を考える」「プロセス評価を考える」、ちょうどお盆休みでもあり、考えるのには適したタイミングでした。いずれも、他社の方との対話の中で考えたものを整理したものです。忙しい日々ですが、定期的には外の方との対話の場を設けていきたいと思っています。ある意味、これが人事担当者の命です。

8月1日 ソーシャルスキル
8月2日 メンタルヘルスの問題を抱えたクライアント
8月3日 メンタルヘルスのアセスメント
8月4日 メンタルヘルス対応はリソースマネジメント
8月5日 スーパービジョン備忘録①
8月6日 スーパービジョン備忘録②
8月7日 スーパービジョン備忘録③
8月8日 スーパービジョン備忘録④
8月9日 スーパービジョン備忘録⑤
8月10日 スーパービジョン備忘録⑥
8月11日 スーパービジョン備忘録⑦
8月12日 障害者雇用を考える
8月13日 成果主義を考える
8月14日 プロセス評価を考える


《2010年8月15日》 終戦記念日。水曜日から会社が夏季休暇に入っていたので、明日は久しぶりに出勤です。早起き、早起き。 


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【2010/08/15 07:55】 | 振り返り | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
プロセス評価を考える
昨日はちょっと青臭く成果主義について書きましたが、お盆休みですからいいですよね。

で、今日のテーマは「プロセス評価」です。成果主義の否定というとすぐ「じゃあプロセスが大事だよね。評価の比率の75%をプロセス評価にして業績評価は25%にしよう。これで、行き過ぎた成果主義は是正されるよね。めでたし、めでたし」なんて馬鹿な話になりかねません。かなりデフォルメした例えですが、実はこれに似たようなことやっている会社ありませんか。

また「プロセス評価」というと「彼は成果は出なかったけど今期は頑張ってたよね。プロセスは評価してあげなきゃ」といきなり目茶目茶に無基準・完全定性の世界に入って疑問も感じない人も出てきます。

本来、プロセスこそ明確に測定できるものでなければありません。業務におけるプロセスとは、ビジネスモデルの中でこれをこなせば間違いなく成果が得られるという黄金律でなければなりません。だから「プロセス評価」で評価・処遇をしても会社はつぶれないのです。このプロセスをたどれば成果が間違いなく出るというプロセスを評価するから、会社はつぶれないのです。あいつは頑張ったから的プロセス評価には、会社は支払原資をいつか用意できなくなります。

例えば、月間売上目標が100万円の営業担当がいたとします。この100万円だけを指標とするのが、今、悪者にされているいわゆる成果主義です。100万円を取るためには、過去のデータから、毎日4件の商談を入れる必要があることがわかるとします。で、プロセス目標として、毎日4件の商談を入れるというのを指標に入れます。こういった新入社員が愚直にやれるような明確なレベルのプロセス目標がいくつも必要になってきます。

ただ、これだけでは不足しています。大事な点が2点あります。

1つは実は1つ1つのプロセスもまたゴールであるという視点です。ベテランからみれば、商談アポ4件をとるということはどういうことなのか説明の必要がありません。しかし、経験のない新人は「商談アポ4件とる」というプロセス指標自体がまずはゴール(仕事の成果)になるのです。そして、商談アポを1件とるためにやらなければならないプロセスというものを理解しなければなりません。これがマニュアルです。この観点からの組織としての整理がなければ、プロセス指標は砂上の楼閣でしかありません。

そしてもう1つは何事も量的側面と質的側面があるということ。データ上、毎日4件の商談をこなしていても、いずれの商談もステップを前に進められることができていなければ、意味をなしません。ですから、商談のステップ管理をプロセス管理に入れている企業も多いわけです。もちろん大事なことは、自己申告のデータだけに頼らず、上司は時折、営業同行することです。これなくして、プロセス評価の標準化はなしえません。営業以外の業務では難しい面がありますが、営業同行にあたる仕事のやり方は自分の業務ではどんなことがあるだろうかということは真剣に考えるべきかと思います。

《2010年8月14日》 それにしても昨晩にお邪魔した「山源」というホルモン屋は凄かった。最近では、ホルモン屋も空調に配慮して、もくもくしないお洒落なお店も多いですが、こちらは古式伝統にのっとったホルモンといえば煙まみれを実践しているというか、徹底しています。空調は大型エアコンがあるのですが、空気の逃げ口がありません。エアコンをつけると煙を店内で循環させることになり、もくもく度が一層高まります。ですから、あまりにもくもくで苦しくなると、お客から「しばらくエアコン止めて」とオーダーが出ます。暑さをとるか、もくもくをとるかの究極の選択です。レンタル・ゴーグルでもやれば全員借りるんじゃないかという凄さです。で、ホルモンは塩とタレと両方を食べますが、これがうまい。皆さん、ほとんどホルモンしかオーダーしません。


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【2010/08/14 22:53】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(1) | page top↑
成果主義を考える
すっごいでかいテーマです。もちろん網羅的に論じるつもりはありません。

先日たまたま評価制度を中心のコンサルタントとして独立して活躍されている方と1時間ほどフリーディスカションをさせていただく機会があり、その際にあれこれ話しながら感じたことです。

成果主義をスケープゴードにすることによって、今の人事界は成り立っているような気がして、とても嫌な気持ちになります。成果主義の弊害を説けば、それっぽく聞こえて評価されるというのがもう数年続いています。これはこれで危険なことです。成果主義全盛の時と絶対主義の王様が入れ替わっただけのような気もします。

そもそも、成果主義って自然に考えればとってもいいことです。自分が出した成果で評価され、報われるのですから。もちろん病気した時のセーフティネットであるとか、安心できる生活が維持できるような範囲内での報酬変動枠設定といったヘッジは必要ですが。

なんで成果主義がこんなにいじめられているかというと、まぁキャッチーだからということなのでしょう。

問題は成果主義が導入された背景にあります。右肩上がりの経済が終焉し、限られた市場で限られたパイを奪い合う競争構造に変化しました。特に日本国内市場を対象にしていた企業には、人口減という現実がこの事実を明確に付きつけました。そうなると、新たな価値が創造できない大半の日本企業は、労務費も一定のパイの中で運用せざるをえません。つまり、従来は全員の給与をあげた上で頑張った人にはさらに上げるという芸当ができたのに、頑張った人に報いるためには、そうでない人の給与を下げざるを得ない状況に陥ったのです。そのツールが成果主義でした。本来、激しい成果主義というのは、営業のコミッションではないですが絶対評価が前提のはずですが、日本企業がこぞって取り入れたのは、賃金総原資をコントロールするための相対分布による相対評価です。成果主義の弊害と呼ばれている多くのことが、相対分布による相対評価の弊害のようにも思えます。

また、グローバル企業はさらに厳しい状況に置かれました。すなわち、そもそも日本人の労務費が国際競争的には高すぎるということです。こちらはこちらの事情でパイの奪い合いの仕組みを入れざるをえませんでした。賃金総原資を下げたいという経営の色気の中で成果主義が論じられざるを得なかったわけです。

限られたパイを奪い合う構造の中で、成果主義だけがいじめられてはどうなのでしょうか。問題の本質を見失うような気がします。

実は、日本企業の元気を奪ったのは、限られたパイの奪い合いの中で一緒に派生したさまざまな現象だったのではないかと思います。その最たるものは、官僚主義の跋扈。限られた資源をコントロールしようとする場合、官僚主義は魅力的なツールです。戦略色のない予算配分と経費カット指令、縦割り意識の強化、管理部門の強化、前例踏襲の重視、膨大な事前説明資料……、そんな状況に陥った日本企業がどれだけあったことか。ここにさらに、内部統制による締め付け、コンプライアンス重視による冒険心のはく奪、いずれも大切なことではありますが、まっとうなリーダーシップのないところで、事なかれ的にこれらをやると元気がなくなるのは当然です。さらには持株分社が間違った運用をされ、事業会社からみれば管理階層が逆に増えたような持株会社の関与が強化された企業グループも少なくないのではないかと思います。

ということなので、成果主義人事制度だけを変えても、企業は変わらないのです。これからの人事部は、人事制度をいじっても企業なんか変わらない(もちろん人事制度も貴重なツールの1つではありますが)ことを肝に銘じて自分たちの業務分野と視野を拡大させなければなりません。現場に入り込み、経営に入り込み、あらゆるできることをしていきます。そして、そのペースにあるのは対話です。

《2010年8月13日》 今日は夏休みでこれから出かける(神田→浅草→板橋?)ので早目にアップです。


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【2010/08/13 11:46】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
障害者雇用を考える
ここのところ結構、障害者雇用について考えています。

メンバー2人が担当して、特例子会社設立を視野に入れた抜本的な雇用対策を検討しています。もちろん法定雇用率という足元の課題があってのことではありますが、金で雇用率を買うというような対応はしたくありません。

このテーマを考える時、小倉昌男さんがされていた障害者雇用についての話を思い出します。
障害者向けの作業施設で給与とはいえない低いレベルの賃金をもらって誰の役に立つのかわかない仕事をしている障害者に(すみません、言葉を選ばずに書いて)対して、自分が食えるだけの給料をしっかりと稼げる、誰かに役に立っていると実感ができる仕事を提供したい、と語られていた話です。

そして、小倉さんが立ち上げた障害者が中心となって運営する「スワンベーカリー」を見に行った時に、当時は私は小麦粉の会社にいたので、どうしてこのようなビジネスを製粉メーカーやベーカリーがやらずに、宅急便屋が思いついて実行できるのかということに、はっとさせられました。

もちろん「スワンベーカリー」の細かい実態はわかりませんが、やはり障害者雇用施策といっても、ビジネスになり、そのビジネスから給料を支払うという理想から離れてはいけないと思っています。このあたりのことは、ありがたいことに、特にいわなくてもメンバーと認識はあっているようです。

ここのところ障害者雇用に関するヒヤリングでいろいろな企業を訪れています。いずれも真剣なご担当者の言葉にはっとさせられる瞬間が何度もあるのですが、その中からビジネス化という観点で感動したのケースを2つほど勝手に紹介させてください。

①リクルート・オフィス・サポート……特例子会社ですが、実は経理・債権管理等の分野については、本体には実行部隊を持たずに、完全にこの会社に切り出しています。ってことは、まっとうな「シェアード・サービス子会社」でもあるのです。「シェアードサービス子会社」に業務を切り出して、その中から障害者向けの仕事をさらに切り出して「特例子会社」に担ってもらうという手法は、キューピー子会社の「ケイシステム」と「キューピー・アイ」等の組み合わせなどいろいろなところが取り組んでいると思いますが、ちゃんと「特例子会社」でシェアード・サービスを推進するということを同時に実現させておられます。大変に感動させられ、勇気が出る事例でした。

②ワークス・アプリケーションズ……特例子会社は設置しておられませんが、人事組織に属する障害者の皆さんが社内のカフェ・サービスをされています。カフェ・ワゴンも押して社内を巡回するそうですが、これを1杯100円で販売しています。無料の社内飲料サービスもある企業なのですが、100円を支払ってこれを購入する社員でしっかりと維持されています。もちろん100円では原価程度しか出ていないでしょうし、ビルの1階にあるスタバに比較すれば格安なのは事実ですが、きちんと有料でやるという意思に、これも勇気をいただきました。

で、いろいろとある現実の中で、当面できる最適解を探したいと思います。

《2010年8月12日》 しがらみ的野暮用で仕事も勉強も進まず、やばいです。涼しいので、夜は映画にでも行くか、とまた進みません。


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【2010/08/12 18:37】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
スーパービジョン備忘録⑦
さて、キャリアカウンセリング協会のスーパーバイザー養成講座の復習としての「もやもやぶつけ大会」の実況中継が続いています。趣旨と背景は8月7日のブログをみていただければと思いますが、先月末に中間まとめとして渡辺三枝子先生がいらして私たちのもやもやした質問にお答えいただいた内容をリフレクションしています。
あまり続けるとだんだん息苦しくなってくるので、今日で小休止としてしばらくは緩くいきます。近日中にまた復習は再開しますけど。

《もやもや⑪ 介入のタイミングを考えられていない》


【私たちのもやもや】
介入が難しい。面談を進めながら、どこでどう介入しようかということを考え切れずに、面談が流れて行ってしまうことが多い。

【渡辺先生のスーパービジョン】 「⇒⇒⇒」以下は私のコメントです。
はっきりいってやってみないとわからない。だから、やってみる。そのあとのクライアントの反応をみて、タイミングが早過ぎたのか、言い方が抽象的過ぎたのか、伝わっていなかったのかなどを判断して、修正していく。そうしないと、どんどん流れて行ってしまう。介入をしても、相手が受け止められなかった場合は、我慢しなければならない。時期をみて、同じことをいってみたり、あとで確認してみたり、のちのちにはわかってもらえるかもしれない。ちょっと延期して忍耐してみることも大切。

⇒⇒⇒それが怖いんですけど…といっても始まらないので、このクライアントを支援するという思いを持って、目の前のクライアントに集中してチャレンジです。

《もやもや⑫ 自分の基準ができていない》


【私たちのもやもや】
組織の中にカウンセラーが1人ではいっていかなければならないケースが発生することがある。その場合、いろいろな人の論理の中で翻弄される。軸がないとつらい局面がある。

【渡辺先生のスーパービジョン】 「⇒⇒⇒」以下は私のコメントです。
スーパーバイザーとなって動き出したら、あまり人を頼ってはいけない。コンサルテーションとスーパービジョンは違う。コンサルテーションは必要。ケース会議などで仲間と力を高めていくことは必要。
大学のキャリアカウンセラーは不思議と事務員らとの交流をしていない。こういった交流は積極的にやった方がいい


⇒⇒⇒はっとさせられる厳しい言葉です。「スーパーバイザーとなって動き出したら、あまり人を頼ってはいけない」、なんて厳しい言葉でしょう。私はてっきり、「スーパーバイザーといっても、さらに上のスーパーバイザーが必要だ。独りよがりにならず常に精進」とかいうように返ってくるのかなと思ってました。

《もやもや⑬ クライアントの問題を自分で解決しようとしてしまっている》

【私たちのもやもや】
カウンセリング場面では、ついつい解決策まで伝えないとだめだと感じてしまうことがある。スーパービジョン場面でも同じようなことを感じてしまう。

【渡辺先生のスーパービジョン】 「⇒⇒⇒」以下は私のコメントです。
カウンセリングの定義にかかわる問題。ただし、すべての場合において解決策を与えてはいけないと考えることもいけない。情報がなかったり、情報が間違っていることにより、ものすごく遠回りしているケースがある。ずれた思い込みをしていることが明らかになった場合は、何らかの策を与える必要がある。情報を持っていない人にいくら考えてもらっても、答えは出ない。

⇒⇒⇒「情報を持っていない人にいくら考えてもらっても、答えは出ない」、これも凄いですね。どうしても、答えはクライアント自身の中にあるなんて呪縛が強いのですが、確かにクライアントの中にないタイプの答えもあります。また、情報を与えなければ答えに近づけないこともあります。いずれにしても、0か100かで捉えてしまうことの危険性は痛感しました。

《もやもや⑭ 抽象的概念的思考力を身につける必要性は理解したが、どのようにして身につけるのがいいのか》

【私たちのもやもや】
抽象的概念的思考力を身につける重要性は認識したが、必要なものであればカリキュラムの中にもあってもいいのではないか。どのようにして身につけるのがいいのか。

【渡辺先生のスーパービジョン】 「⇒⇒⇒」以下は私のコメントです。
スーパーバイザー養成講座なのだから、既に磨いてこのプロクラムに参加して欲しいのが本音だが、いろいろな本もあるので学習して欲しい。もっと簡単にいえば、日々考える癖がつけられていればだいたいは問題ないはず。GCDFのクラスでも関係構築が前面に出てしまっているが、本来であればもっと論理的思考・抽象的概念的思考力が前面に出てもいい。特に日本人はアメリカ人ほどこの面は強くないので、補強の必要はある。

⇒⇒⇒これは専業カウンセラーの皆さんに対して、われわれビジネスパーソンの立場に基軸を置くキャリアカウンセラーが本来得意であるべき分野です。この得意であるべき分野を活かしていかなければなりません。


《2010年8月11日》 お誕生日です。寅年、獅子座です。


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【2010/08/11 18:05】 | キャリア~全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
スーパービジョン備忘録⑥
さて、キャリアカウンセリング協会のスーパーバイザー養成講座の復習としての「もやもやぶつけ大会」実況中継が続いています。趣旨と背景は8月7日のブログを。

《もやもや⑧ 自分なりのカウンセリングの定義って?》

【私たちのもやもや】
自分なりにまだ定義ができていない。あまり定義って何って思わずにこれまできてしまった。

【渡辺先生のスーパービジョン】 「⇒⇒⇒」以下は私のコメントです。

迷いだしたら、原点に戻る。原点に戻らなければいけない時に、いろいろな支援役がある中で、カウンセリングという支援方法とは何なのかということが自分の中ではっきりしているか。「課題を解決するのはクライアントだ」ということだけでは、単なる人間観レベルであり、定義としては不足している。何をめざすのかをもっていないと、スキルや方法論で終わってしまう。カウンセリングという仕事は、他の仕事とどう違うのか、理念を抑えておけばいい。カウンセリングの定義は人によってあまり違っては困る。ただし、やり方は違ってもいい。

⇒⇒⇒実は自分自身もまだ「定義」言葉で記せていません。頭の中でもやもやしているものが星雲のように少し塊になりかけているところです。このクラスが終わるまでには、定義化をすませなければいけません。

《もやもや⑨ 全体感をとらえるだけで、1つひとつの根拠がとらえなれない》

【私たちのもやもや】
面談全体の印象感でとらえてしまい、1つ1つの言葉をとらえきれていない。なぜそう考えたのかの根拠を言葉に戻って説明できない。森をみて、木を見ていないような感じの面談がどうしても多くなってしまっている。

【渡辺先生のスーパービジョン】 「⇒⇒⇒」以下は私のコメントです。

テープなしでケース記録をとることが訓練になる。真剣に支援をしようと思っていれば、いくつかポイントはとれる。残る言葉が必ずある。推量ではなく、こういうことをいったからこういうことが出てきたということが残るようになる。質問するからには意図がある。思い出せる限りでいいので、メインのことを書く習慣をつけていけば、絶対にできるようになる。
キャリアカウンセラーにとっては、クライアントと出会っているその場が勝負。終わってからああ言えば良かったとかいうことに気づいても仕方がない。話を聞きながら、クライアントが2分前にいったことと違うその違い(矛盾)をとらえないといけない。自分の中にコンテクストを作っておく。面接が終わったらすぐにケース記録を書く。義務だと思う。自分がとらえられたことを事実ベースでしっかりと書く。自分の心に気持ちがいってしまうと、自分がとらえられたことを事実ベースでしっかりと書くのは難しくなる。


⇒⇒⇒何事もそうですが、自分の心に気持ちがいってしまう時間帯がまだまだどうしても長いのだと思います。相手のことを考えているつもりなのに、実は自分の心に気持ちがいってしまう。相手に肯定されたい、間違いたくない、そんな思いがそうさせています。ということを意識していれば、いずれできるようになると信じてやるしかありません。

《もやもや⑩ 自信がなくて怖い》

【私たちのもやもや】
いろいろと学んでわかってはきているのだが、やっぱり自信がなくて怖いという思いが払拭されない。

【渡辺先生のスーパービジョン】 「⇒⇒⇒」以下は私のコメントです。

だからこうしてここで勉強しているのではないか。
逆に自信を持ってしまう方が怖い。自信をもったカウンセラーが゛果たしていいカウンセラーだろうか。間違った自信を持ったカウンセラーが世の中に多く出てしまっていることの方が問題。


⇒⇒⇒自信を持ち切れないということは、常に向上しようという思いがあるということだと解釈すればいいのかなと感じました。確かに自信家のキャリアカウンセラーとは話したいとは思いませんよね。


《2010年8月10日》 明日から夏休み、ということで、ささやかな残業後に部署のメンバー数名と広尾のピルテノペまで遠征。店長のローテーションがありましたが、皆さん、新天地で頑張ってください。


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【2010/08/10 23:48】 | キャリア~全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
スーパービジョン備忘録⑤
さて、一昨日から始めたキャリアカウンセリング協会のスーパーバイザー養成講座の復習としての「もやもやぶつけ大会」。趣旨と背景は8月7日のブログを。

《もやもや⑤ いったいキャリアカウンセラーの経験とは何なのか》

【私たちのもやもや】
アセスメントの項目の中にこの設問がある。そもそもキャリアカウンセラーとしての経験とは何なのか。何をすれば経験を積んだといえるのか。

【渡辺先生のスーパービジョン】 「⇒⇒⇒」以下は私のコメントです。

ここ(スーパーバイザー養成講座)での勉強がきっかけになって、自分の中でカウンセラーとしての何かが出てきた、何か質的な変化が自分の中に起こっている、もしもそういうことが少しでもあるのであれば、まさにこれがキャリア(勉強の積み重ね)だと思っていい。そうなると、いずれは1人でできるようになる。そして、次の段階でまた違う視点が出てくる。
ベテランは数かもしれないが、プロは質。プロのキャリアカウンセラーの経験とは数ではないことは明らか。


⇒⇒⇒ベテランとプロの差。やっぱりプロになりたいですね。遅々としているかもしれませんが、この講座で自分も成長することはできているのかなとちょっと思います。参加して本当に良かったと思っています。

《もやもや⑥ 常に100%感情をくみ取ることは可能か、またその必要性はあるのか》

【私たちのもやもや】
面談の目標にむかって、相手の必要な感情のくみ取りはしているつもりだが、あいだあいだでの感情を落としてしまっているのではないかとの心配がある。自分が勝手にセレクトして感情をくみとっているのではないかとの危惧もある。そもそも常に100%感情をくみ取る必要はあるのか。また、そんなことは果たしてできるのか。

【渡辺先生のスーパービジョン】 「⇒⇒⇒」以下は私のコメントです。

100%くみ取ることはできないと思っていい。重要と思う感情だけくみ取る傾向はどうしてもある。ただ、重要だと思っているのはあくまでもカウンセラー側の基準であることに注意が必要。大切なことは、感情は点ではなく、線だということさえ理解していればいい。流れが把握できているかどうかが大切になる。⇒⇒⇒1つひとつの言葉の裏の気持ちだけにとらわれずに、気持ちの流れ・動きを意識することも大切だということですね。ただ、あまりそうすると全体をふわっとつかむ面談になってしまうので、そうはいっても1つひとつの言葉も大切にしなければならないところに面白みがあります。

《もやもや⑦ スーパービジョンの関係構築の難しさを感じている》

【私たちのもやもや】
以下の3点から、どうもカウンセリングの場面とは違ったスーパービジョンの関係構築の難しさを感じてしまう。

①カウンセリングと違って、目的志向的にスーパーバイジーはやって来る。場合によっては、それ(目的)を変えなければならない場合がある(例:関係構築はできるのですが課題設定ができませんというカウンセラー、実は関係構築が本当の意味でできていないから次に進められていないのかもしれない)。感情的だけでない、理屈の面での関係構築も必要になる。納得性であるとか…。
②プロ同士のセッションである厳しさ。プロに信頼される関係構築が必要。部分的には相手の方が詳しい分野があっても当然。場合によると、スーパーバイジーの方が面談経験は圧倒的に多いかもしれない。
③これまでのクラスの中でのロープレでは、既に知っている者同士であり、関係構築に凄味がないので、これまで実体験ができていない。実際がどうなるのか不安である。

【渡辺先生のスーパービジョン】 「⇒⇒⇒」以下は私のコメントです。

セルフアセスメントに「若年・経験が浅いものからの指導を受けることができる」という項目をあえて入れている。そんな心構えは、スーパーバイジー・スーパーバイザーともに必要と判断をしているからだ。
いずれにしても、スーパーバイジーは、もっと発展したい、成長したいという思いがあってくることは間違いない。それだけは信じることができる。一見、論理的だが、常に防衛的・いいわけ的で、スーパーバイザーに攻撃的なスーパーバイジーもいるだろう。この場合は、躊躇せずに関係を切った方がいい。スーパーバイザーは、困ったことだけ、知りたいことだけを教えるのではない。このようなスーパーバイジーであれば続けても効果はない。

⇒⇒⇒これからのクラスでは、本当のスーパーバイジー(?)が来るそうです。そうなると、リアリティがないとかいってられません。「もっと発展したい、成長したいという思い」に対して支援的に応えることが役割です。

《2010年8月9日》 仕事も目一杯やった上ですが、夕方から「につぽんお好み焼き協会」の理事会。だいたい方向が出ました。次回の検定もよろしくお願いします。そのあとは、パルテノペ10周年記念パーティー。これがまた素敵でした。


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【2010/08/09 23:06】 | キャリア~全般 | トラックバック(0) | コメント(1) | page top↑
スーパービジョン備忘録④
さて、昨日から始めたキャリアカウンセリング協会のスーパーバイザー養成講座の復習としての「もやもやぶつけ大会」。趣旨と背景は昨日のブログを。

《もやもや③ 自分が持っているはずのことが実践の場で活かすことができない》

【私たちのもやもや】
・普段できていると思うんだけど、カウンセリングの場になるとできなくなってしまう、スーパービジョンの場になるとできなくなってしまう。そんなことがたくさんある。20のアセスメントを自己採点していると、これって普段はできてるんだけどなぁと嘆きたくなるものがいくつかある。

【渡辺先生のスーパービジョン】 「⇒⇒⇒」以下は私のコメントです。

セルフアセスメント項目の多く(特に5~20)は、人の上に立つのであれば必要な力であり、カウンセリング・スーパービジョンの場だけではなく求められる力になる。普段はできているんだけど、カウンセラーとなるとできなくなるということに、まずは気付けばいい。それから、それはどうしてなのかを考えることが大切。日常に普通できていることが、カウンセリングの場でできるようになればいい。日常生活とカウンセリングを変に区別しすぎない。ただし、カウンセリングはプロフェッショナルの世界。目的その他が制約される場なので、ある意味では普段できることがすべてそのままできるわけでなくても当たり前なところがある。例えば、特定の問題だとうまくいかないということにスーパーバイジーが気付いていれば、そこからスーパービジョンを始めればいい。何に引っかかっているのかの自己理解を助ける支援ができればいい。

⇒⇒⇒これって、私の大きな悩みでもあります。普段はできてるつもりなのになぁということが、カウンセリングの場だとできなかったり、気づかなかったりします。ただ、それを漠然と後悔しても意味がなく、どこができていないのか、特にどういうシチュエーションの時にできないことが多いのか、といったことを考えるところから進歩が始まります。スーパーバイザーはその手伝いをすればいいんですね。そして、何よりも、普段できていることができていないと気付いているということは、セルフアウェアネスの第一歩ができているということですから、大切にしなければならないことなのです。

【渡辺先生のスーパービジョン】 「⇒⇒⇒」以下は私のコメントです。

スーパービジョンとは育て上げるということ。相手がその気にならなければできない。やる気のある人であれば、どんなにスピードが遅くても育てることができる。ただし、それには気付きが必要。

⇒⇒⇒まったく人材育成の基本思想と同じです。肝に銘じましょう。


《もやもや④ 自分の思っていること、感じていることが相手にうまく伝わらない》

【渡辺先生のスーパービジョン】 「⇒⇒⇒」以下は私のコメントです。

スーパーバイザー:「どうやったらうまく表現できたなと感じるのですか?相手の反応がきっかけ?」 
スーパーバイジー:「それもあるし、自分の言葉もあるし」 
スーパーバイザー:「相手の顔は伝わってなさそう?」
スーパーバイジー:「前回はそう感じた。堂々巡りになる要因はそれじゃないかと思う」 
スーパーバイザー:「今、私に伝えてくれたが、どうですか。私にうまく伝わったと思いますか」
スーパーバイジー:「伝わっているかどうかはわからないが、伝えようと頑張った。意識することでちょっと変わるのかなということと、伝えられようと思っていただける先生がいた」


⇒⇒⇒雰囲気伝わらないと思いますが、質問をしたメンバー(ここではスーパーバイジー)に対して、いきなり三枝子先生(ここではスーパーバイザー)の公開スーパービジョンが始まった場です。三枝子先生の言葉がすべて疑問形で終わり、相手の考えを促そうとしているのが改めてよくわかります。スーパービジョン本質が少しわかりかけた瞬間でした。

【渡辺先生のスーパービジョン】 「⇒⇒⇒」以下は私のコメントです。

伝わるかどうかは相手があってのこと。相手の表情をみて、伝わらなかったら言い直す。場合によっては、伝わったかどうか相手に聞いてみる。相手の反応に敏感になる。相手の理解力、自分の話し方にもよるが、伝わらない伝わらないと考え過ぎると関心は自分の頭の中にいってしまい、相手に関心がいかなくなってしまう。自分よりも、聞いてくれている人に意識を向ける。相手の反応を重視していく。極端な場合、ここまでの話しわかった? もやもやしているところある? とか聞いてみる。自分の頭の中でぐるぐるまわしているよりもよっぽど良い。
キャリアカウンセラーがこんな悩みを持つということは、すくなくとも伝わっていないことはわかっているカウンセラーだということ。でも、自分で何が伝わっていないのかが、はっきりとしていないと課題は克服できない。1つのアドバイスとしては、自分のいいたいことを文章に書いて思考の訓練をしてみること。そして、自分で読んでみて、いいたいことかどうかを客観的にみてみる。何となくぼやっと駄目だというのでは、いつまでたっても改善にならない。


⇒⇒⇒相手に伝わっていないことを気にするということは、相手に対して申し訳ないという気持ちからなのでしょうが、実は心の集中が相手ではなく自分にいってしまっているということですね、確かにそうです。それでは良いカウンセリングはできません。そして、迷ったら素直に相手に聞いてみるというのも大切な手法です。これも何となくできないのではなく、できないのはなぜか、が大切です。そして、自分の何かのためにできないのか、相手の何かのためにできないのか。ここがまた大切なところ。

【渡辺先生のスーパービジョン】 「⇒⇒⇒」以下は私のコメントです。

肯定されることを求めていると、相手を思いやることはできない。カウンセラーはクライアントの感情が求めている答えをぴたっと言ってあげたいと思う。だから、肯定されることをいえることがいいことだととらえてしまう。その時点で、相手をみなくなってしままっている。否定されることによって、もっとその人のことがわかってくる。肯定されることを期待することはやめて、相手の反応を聞く、話してもらう。それがコミュニケーション。共感的理解とは、相手が自分に対してもっともっと自分のことを話してもらうためにすることだ。もともと人はわかりあえない存在。少しでもわかりあおうということは、プロの方から仕掛ける仕事。相手に自分のことを安心して話してもらうために共感的理解をする。ただ、相手も自分のことはよくわかっていない。多くの話をしながら、一貫性がない部分などをみて介入のタイミングをみていく。矛盾に気づく。それを論理的に組み合わせて概念的思考をする。

⇒⇒⇒これって目茶目茶大事な話です。私も含めて一人前になり切れないキャリアカウンセラーが陥りがちなところです。否定されるのが怖い、間違うのが怖い、それはクライアントではなく、自分に意識が向いている証拠です。典型的な邪念です。そして、カウンセリングには概念的思考力が必要だということ。ただし、残念ながら概念的思考力がなくても、GCDFの実技試験は通ってしまうのです(よね?)。関係構築はとても大切ですが、関係構築だけでは解決には至らないのですが。

【渡辺先生のスーパービジョン】 「⇒⇒⇒」以下は私のコメントです。

自分が期待する反応ばかりをクライアントに求めない。相手から肯定してもらいたいという自分に気づいたら、まずは自分がいいたいと思うことを相手にいってみて、それから相手のいいたいことを聞いてみる方が、相手のことがわかるようになる。
文字化されていない、その場から次々と消えていく言葉から、概念的思考をする。思考力がスーパーバイザーにはなんといっても大切になる。ケース記録は、スーパーバイジーがわかったことしか書かれていない。思考力と冷静な判断力がそこには求められる。
ノーベル物理学賞を受賞した益川氏は、相手の顔をみていると、あらっと思うことがあるという。そうやって対話をしていくことで、研究というのは1人でやるよりもはるかに進んでいいくという。研究はけして1人のものではないという。


⇒⇒⇒カウンセリングもスーパービジョンも1人相撲になってはいけません。相手に心を傾けることによりわかっていくことがある、対話のなせるわざであるのは、益川氏のいう研究と同じなのでしょう。何はともあれ「相手から肯定してもらいたいという自分」に気づいたら要注意です。自分のためにやっているのではないのですから。

《2010年8月8日》 町田に行きました。小田急から覗く多摩川べりでは、ものすごい人数がバーベキューを。うらやましいなぁとか。そうそう、最新の「Works誌」に座談会で登場しています。2号連続座談会登場も珍しいのでは。


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【2010/08/08 20:59】 | キャリア~全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
スーパービジョン備忘録③
キャリアカウンセリング協会のスーパーバイザー養成講座の復習をここのところ書き連ねています。

先月の終わりに中間まとめとして、渡辺三枝子先生がおいでになりました。まず、スーパーバイザーとしてのセルフアセスメント20項目を3段階で自己評価(①十分もっていると思う、②基本的には持っている、③不足している)します。実はこれと全く同じものを初回にやっています。初回の値と比較して、各自でリフレクションをします。そして、グループ討議。変わった項目について、何があって自分の評価が変わったのか、リフレクション、振り返りをします。プラスになった項目だけではありません。マイナスになったものもあります。学ぶことによって、言葉の定義自体も変わるのです。

そして、振り返りを踏まえて、自分自身の中でここで理解しなければならないこと、疑問点、課題というものが浮き上がってきます。改めて、今の自分が見えてきます。

渡辺三枝子先生からはこんなお話が。
「疑問がかなり浮かんできている状況だが、疑問そのものもまだすっきりしない感じのように感じる。ここまでの課題・疑問をすっきりとさせるのが今日の目的」。

でもって、もやもやぶつけ大会が始まりました。

《もやもや① 思いやる力について》


【私たちのもやもや】
・相手を思いやるために厳しいことはいわないというのは、本当に相手を思いやっていることにはならないと本当に思えるようになってきた。そうすると、そもそも「相手を思いやる」の定義が受講当初と今では変わってきた。
・相手を思いやるのは、同意・同情・励まし・なぐさめではない。基本的スタンスとして相手を思いやるということはあっても、思いやる行為というのはいったい何なのか。

【渡辺先生のスーパービジョン】 「⇒⇒⇒」以下は私のコメントです。

思いやるは、気持ち・態度の問題。でも、態度はかたちになる。態度には個人の価値観がかかわる。能力(コンピテンシー)は伸ばすことができる。あまり教育的にはできないが、思いやりを考える力は伸ばすことができる。「能力」という言葉を使っている思いには、向上させられるという思いがある。

⇒⇒⇒ちなみに「相手を思いやる力」というのがアセスメント20項目に入っています。

励ましや、慰めも、思いやりの1つだ。これをカウンセラーがやってはいけないと思ってしまう人が多い。カウンセラーは相手が元気になることが目的ではない。クライアントが自立しなければならない。慰め、励ましで終わってしまってはいけない。変なとらわれがあると、本末転倒になってしまう。

⇒⇒⇒これ、ぐっときませんか。

スーパーバイジー:「泣いてしまったクライアントをなぐさめてしまったのですが、これはいけないことですよね」
スーパーバイザー:「あなたはなぜそれがいけないことだと思うのですか?」
考えさせる力をつける。慰めていけないと思っていたら、それは間違い。正してあげる必要がある。でも、答えをいうのではない。どうして、慰めるのがよくないのかを改めて考えさせることが何よりも大切。


⇒⇒⇒スーパーバイズの基本は「投げかけ」なのです。理路整然と答えをいって「すっきり」させることが目的なのではありません。いろいろな質問、投げかけをすることにより、さらにスーパーバイザーの中に「もやもや」を生み、その中から自分で何かをつかみとらせようとするのです。それでなければ本当の「すっきり」にはたどり着けません。

思いやりとは、相手の存在を考えること。存在に思いをはせること。その方法は人によっても違う。そして、カウンセラーとしての役割を発揮するためにどう行動するかが大切。

⇒⇒⇒「存在に思いをはせる」、素敵な言葉です。よいカウンセリングをしようとすると、実は思いは相手ではなく、自分に向かってしまいます。よいカウンセリングをすることを考えるよりも、相手の存在に思いをはせることをまず考えてみたいと思います。

自分に気付く力をつける。自分に気付くことが大事。能力のレベル感にとらわれずに、自分に突き付けた時に自分ができているかどうかがわかったということ大切。自分が日頃できていないことに気付くことがまさにセルフアセスメントのポイント。いろんなレベルがある。人と比較してもあまり意味がない。自分の過去とくらべてどうかが大切。ただし、自己評価が高いだけだと、思いあがった人の可能性が高い。

⇒⇒⇒これはアセスメント全体について話された言葉です。


《もやもや② 深刻な状況にある人にどのように思いやればいいのか》

【渡辺先生のスーパービジョン】 「⇒⇒⇒」以下は私のコメントです。

この人は深刻な状況にあるんだな。と感じただけで、既に思いやることができている。自分は全能ではないので、私にできることは何なのかを考えればいい。

⇒⇒⇒深刻な状況にあるんだなと思った瞬間に「どうしよう、どうしよう」と意識が自分に向いてしまいます。「全能ではないので、私にできることは何かを考えればいい」のはわかるのですが、「私になんか何もできないんじゃないか」という不安と怖れに勝てるかどうかです。

深刻には客観的尺度はない。心理的・個人的な尺度。変に客観的してしまうことは、思いやりの気持ちを損なう可能性がある。⇒⇒⇒なるほど、です。

思いやりだけで今日はお終いになってしまいました。数日間、これ続けます。純粋に自分のために。

《2010年8月7日》 午前中だけ休日出勤して、午後はgcdfのクラス・クライアント役です。一生懸命でなかなかよいクラスでした。こちらも初心に戻ります。


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【2010/08/07 23:00】 | キャリア~全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
スーパービジョン備忘録②
キャリアカウンセリング協会主催のスーパーバイザー養成講座も残すところ6回。
改めて復習を続けていますが、昨日に引き続き備忘録的にランダムにポイントや気付きを整理してみます。

【スーパーバイザーの守秘義務】

カウンセラー(=スーパーバイジー)にとっての守秘義務と、基本的にはまったく同じく重要というか、より厳しく認識する必要がある。
カウンセラーがスーパーバイザーに話すクライアントの案件は、カウンセラーが守秘義務に基づいて聞いた内容。であるからして、守秘義務は引き継ぐ必要が当然にある。カウンセラーへの責任がある。さらには、相手がクライアント本人ではなく間接的な関係であるためにリアル感が薄いため、より細心の注意をもって守秘義務の問題を取り扱う必要がある。
また、スーパーバイザーはカウンセラーの秘密も同時に守る必要がある。それによって、カウンセラーは安心して相談ができる。さらには、スーパーバイザーはカウンセラーに守秘義務を守らせるような指導をする義務がある。

【スーパーバイザーの二重関係】

もちろん契約にもよるが、配慮をする必要はあるものの、双方の合意があれば、ある程度の軽い二重関係はあってもいいのではないか(特に終了後であれば)。ここの判断か難しい。
特に日本の場合、キャリアカウンセリングの世界はまだまだ狭い世界なので、まったくの二重関係をつくらないことは現実的に困難だという側面もある。また、カウンセラーとクライアントの関係のように過度に搾取的・依存的になるリスクは少ない。
ある意味、避けては通れない部分があり、そこのリスクを理解して進められているかが大切。リスクとは、指導内容に客観性が欠けるリスク、個人情報を漏らしやすくなるリスクなど。

スーパーバイザーとスーパーバイジーの関係は、クライアントとカウンセラー関係とは少し違う。クライアントは迷っている人だが、カウンセラーは自立している人であり、依存的関係になるリスクが違う。また、組織によっては否応なく査定者とスーパーバイザーの二重関係になる場合がある。その場合は、スーパーバイザーとしてパワーを持っていることを自覚することが大切。

アメリカのACAの倫理規定では、スーパーバイザーとスーパーバイジーの間では、「現在の対象本人」との恋愛関係・性的関係を禁止しているが、カウンセラーとクライアントの間では、専門職関係が終了した「5年後まで」禁止している。また、対象もクライアントの家族・クライアントとの恋愛関係となる人まで拡大しているというように差をつけている。

【スーパービジョンとカウンセリング】

共通点……相手の改善すべき行動・考え方・感情に目を向ける。
相違点……スーパービジョンはクライアントにとって効果のあるものを目指す。具体的に事実ベースで限定する。変に不偏的なことに還元しない。より成果思考的。
相違点……スーパービジョンは、評価的である。評価はあくまでも指導の視点を見つけるため。
相違点……クライアント⇔カウンセラー関係はクライアントからの選択・変更が可能。場合によっては、偽名すら使える。スーパーバイザー・スーパーバイジーの関係は選べない。契約関係にあるということは、スーパーバイジーも守らなくてならないことが出てくる。

スーパーバイザーに期待されるのは、スーパーバイジーをプロとして育てること。社会的な責任を遂行していくことができるようにすること。
スーパービジョンはカウンセリングではない。教師でもある。評価者でもある。

《2010年8月6日》 10月から賃金制度改定、退職金制度導入、人事情報システム導入、子会社一社合併とやることが目白押し。時間がかなりぎりぎりなところに、手のかかるトラブルなどが起こり、夏休みは自然とお仕事で大半がつぶれることになりそうです。まぁ、そんな休みの使い方もありでしょう。


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【2010/08/06 23:49】 | キャリア~全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
スーパービジョン備忘録①
キャリアカウンセリング協会主催のスーパーバイザー養成講座も残すところ6回。改めて復習を続けていますが、今日は備忘録的にランダムにポイントや気付きを整理してみます。

■【意見と事実の違いに注意】

意見は事実と論拠(=なぜならば)からなる。事実と論拠が成立していないと意見は生まれない。スーパービジョンの中でも必ずこれを意識する。スーパーバイジーが語っていることは、事実なのか意見なのか。まずはこれを意識する。
事実を抑え、その論拠を抑える。事実と意見がつながる論拠はしっかりとあるか。「なぜあなたはそう思ったのか」「それはなぜなのか」。
コンサルタントがよく使うフレームワーク。「空・雨・傘のフレームワーク」。
  西の方から黒い雲が近づいている…事実
  夕方くらいには雨が降りそうだ…意見
  だから傘を持っていた方がいい…対処
すぐに対処に入らない。まずは事実があっているかどうかの精査が大切。次に事実から意見につながる論拠があるのかを精査する。いわば事実と意見の間の「理論」のチェック。
その上で、他の対処はないのかを考える。これは意見と対処の間の「理論」のチェック。カウンセリングの中でも、構造論的なアプローチでいこう、いや発達論的なアプローチだというように、変に理論に振り回されると先に対処(=各カウンセリング理論)が出てしまって、進め方が逆になるケースが多々ある。

それは本当に事実なのか。例外的な事実ではないか。その事実から発せられている意見は論理的か。その意見をもとに考えられた対処は論理的か。事実⇒意見⇒対処の間の論理性に徹底的に着目する。

■【セルフアウェアネス】

きついことを言われてつらいのは、自分ができていると思うから、だからつらい。自分がまだまだ成長発達てきると思うとつらくない。できていると思うのにできていないと言われるとつらい。まだ足りない部分を教えられていると思う、変化できると思うことが、きついことを受け止める上でポイント。一言でいうと変化志向性。
言われても変わらない人に対して、いくら言ってもそれはいじめにしかならない。これを伝えることで相手が変わるかもしれないと人の可能性を信じること。
それが難しい人については、何か障害になっているのか、それを取り除く、アプローチを変える、視点を変える、そんな態度が大切。

■【ケース記録】

あくまでも、スーパーバイザーが対話するのは、クライアントではなくカウンセラー(=スーパーバイジー)。カウンセラーとの対話を通してクライアントへの支援をする。どんな面接だったのか、カウンセラーの癖は何か。スーパーバイザーはカウンセラーを通して、カウンセラーの問題を解決させる。カウンセラーがクライアントの問題を適性にとらえている必要がある。
その材料となるのはケース記録。ケース記録に基づいて、必要な質問をする。何を狙って質問するのか。ただし、ケース記録を書いているのは、あくまでもカウンセラー。カウンセラーのフィルターを通っている。また、バイアスがかかっている可能性もある。しかし、クライアントが話した言葉のうち、どの言葉をとったかというところではフィルターがかかっているが、とった言葉自体にはフィルターがかかっていない。書いていることをみて、スーパーバイジーの話と合わせてみれば、スーパーバイザーとしての関わりはできるはず。

■【倫理の必要性】

倫理は、ある意味でやるべきことの領域、最低水準を決めているものでもある。その職業に対する統一的な信頼感を醸成するものでもある。黙っていてもこれを理解できる人はいいが、そうでない人がカウンセリングの領域に土足ではいってくることを妨げるためにも倫理は必要になる。職業としての最低限の品質を担保するため。判断のよりどころ。個人ではなく職業としてのものだと考えて良い。
プロとして、専門家として必要なもの。責任と役割、立場から、自分を律すること、間違った方向にならないように進めるためにも必要になる。社会への約束としての倫理。社会に対して何をする人なのか、何をしない人なのかを明示するもの。
また、倫理は自分自身を守るものでもある。ここまではできるが、ここからはできない、これは違うということが明確になることにより、過重に自分でしょいこまない。周囲に対して説明がつけやすい。「やっちゃいけないことになっているんです」。文章に書かれているからこそ、断わりやすい。
難しい判断を迫られたときに、考えるときのよりどころでもある。自分自身の価値観ではなく…。

なぜこのような倫理規定ができたか、そこに至るドラマに思いをはせることも大切。倫理でいわれていることは、他のカウンセラーが過去に起こした失敗のケースの集積である。だから、判断のよりどころになる。

倫理には2つがある。禁止倫理、あるべき姿(理想の姿)。

続き、ます。

《2010年8月5日》 橋本先生が先日の渡辺三枝子先生の話は誰かが文に起こしておくといいなぁと神保町の三幸園にて話されていたとのこと。近日中に整理を始めます。


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【2010/08/05 23:44】 | キャリア~全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
メンタルヘルス対応はリソースマネジメント
キャリアカウンセリング協会主催のスーパーバイザー養成講座の復習。メンタルヘルスの問題を抱えるクライアントへの対応の3回目です。

目の前にいるクライアントがメンタルヘルス上の問題があるかもと感じた場合、3つのステップが必要になります。

①メンタルヘルス上の問題のアセスメントをする必要があるかどうか。
②上記①がYESの場合、何をどうアセスメントするか。
③上記②の結果YESの場合、どのように対処するか。

今日はいよいよ③について、つまり「どのように対処するか」です。

キャリアカウンセラーがメンタルヘルスの問題を自分で解決することはできません。できると思う必要ははありません。で、どうなるかというと「リソースマネジメント」がポイントになります。

手順は以下のとおりです。

①相談者がこれまですでにやってきていることを確認する
②リソースを確認する
③リソースを利用する上でのバリアを確認する
④どこにつなげるか(どのリソースを活用するか)を意思決定する
⑤つなげる(リソースを活用する)
⑥フォローする

既往歴を確認することは大切です。リソースの確認にもなります。過去にメンタルクリニックに通っていたのであれば、再訪してもらえばいいわけです。
まず、リファーしようと思う(バンと投げてお終いにしようとする)のではなく、クライアントの持つリソースをコーディネート、アレンジメントしようと思うことが大切です。医療機関はそのリソースマネジメントの1つです。その人の持っているリソースの中でどこにつなげると一番いいかを考えます。

①相談者がこれまですでにやってきていることを確認する
⇒「これまでどなたかに相談されたことはありますか」から入るのが定石です。

②リソースを確認する 
⇒当事者以外の上司のサポート、家族のサポート、専門家のサポート(医師を含む)。クライアントが使えるだろうリソースを頭の中に思い浮かべて聞いていきます。

③リソースを利用する上でのバリアを確認する
⇒リソースにつなごうという時になって初めて出てくることもあります。

④どこにつなげるか(どのリソースを活用するか)を意思決定する 
⑤つなげる(リソースを活用する)
⑥フォローする
⇒当日のクラスで取り扱った事例では、社内の健康相談室にリファーするという意思決定をしました。原因は明確に仕事と思われるので、社内で「事例化」した方が解決に近づきやすいのではないかとの判断によります。また、仮に医療機関につなぐのであっても、健康相談室からつないだ方がいいだろうと判断しています。このクライアントが抱える課題の場合はどこのリソースにつなぐのがよいかを個々に判断していきます。メンタルヘルス上の悪化が何から起きているのか、その解決のためには何が必要なのか、クライアントが持っているリソースには何があるのか、を理解して、どこにつながるのがクライアントにとって最も援助的かどうかを判断していきます。単にリファーするのが仕事ではありません。リファーの仕方はテクニカルなものではなく、一連のプロセスの中でのカウンセリングの意思決定のもとでアレンジされるものです。プロセスをきちんと踏んでいけば、クライアントは「どこかに投げられた」というネガティブな印象は受けません。今回のクラスのケースでは、アドバイスをしたまま放置しておくと健康相談室に行かない可能性がありそだという判断と、組織リスク上の判断から、健康相談室の看護士に直接カウンセラーから連絡をとって場を設定するというまで踏み込んだ選択肢を選んでいました。また、あわせて健康相談室訪問後にキャリア相談室への再訪のアポイントもとっています。リファーしたのであれば、その結果は必ず面談で確認することも大切です。

大切なのはとにかく「リソース・マネジメント」です。キャリアカウンセラーだけで解決しようと思うものではありません。

《2010年8月4日》 午後に障害者特例子会社に訪問。特例子会社でありながら、立派にシェアード・サービスをされている姿に感動。目茶、勉強になります。夜は人事の暑気払い。改めてこの組織、いろいろな人がいる。


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【2010/08/04 23:36】 | キャリア~全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
メンタルヘルスのアセスメント
キャリアカウンセリング協会主催のスーパーバイザー養成講座も残すところ6回。ちょっとまじめに復習を続けていきます。

キャリアカウンセリングの現場では、相当の確率でメンタル関係のクライアントをむかえることがあります。で、昨日からそんなテーマを扱っています。この勉強は現場でも直接的に役に立っています。

まずは、目の前にいるクライアントがメンタルヘルス上の問題があるかもと感じた場合、3つのステップが必要になります。

①メンタルヘルス上の問題のアセスメントをする必要があるかどうか。
②上記①がYESの場合、何をどうアセスメントするか。
③上記②の結果YESの場合、どのように対処するか。

昨日は①について整理しました。今日は②です。つまり「何をどうアセスメントする」のかです。

ポイントは「いつ頃から。どんな症状が出ているのか?」になります。以下の3つの側面から確認をしていきます。

①期間…いつころからどのくらいの間
②症状…3側面での確認(精神症状、身体症状、行動 ⇒ 気持ち・身体・行動)
③既往歴…「これまで今回のような状態になったことは?」

最大の注意点はあせってアセスメントをしないことです。アセスメントが必要だということは頭に置いておいて、まずは傾聴に集中しなければなりません。
また注意点ですが、「症状」という言葉はけしてクライアントには使ってはいけません。使うのであれば「変化」という言葉です。同様に「既往歴」という言葉も使ってはいけません。カウンセラーは医師ではありませんし、カウンセリングルームは診察室ではありません。聞くのであれば「これまで今回のような状態になったことは?」というフレーズです。また、既往歴の話が出てきたら、クライアントがどのようにこれまで対処してきたのかを確認することが大切です。それによって、クライアントがどのようなリソースを持っているのかがわかります。

メンタルヘルス上の悪化がでる3大症状別に、アセスメントについて整理します。

①うつ状態 
②不安
③精神病性症状

①うつ状態……メンタルヘルスの問題を抱えるクライアントの8割がうつ状態だと考えていいそうです。そうなると、うつ状態のアセスメントがきちんとできることが何よりも大事になります。うつ状態とうつは異なるもので、うつ病以外の病気(糖尿病、リウマチ、脳腫瘍など)、降圧剤、統合失調症の陰性症状、心理社会的要因、死別反応などでも発生します。新型うつ(例:土日はサーフィンに行くけど、平日は会社にはこれない)がいろいろと話題になりますが、これらの多くは適応障害ではないかと最近ではいわれているそうです。確かにその方がしっくりくるかもしれません。さて、うつ状態のアセスメント基準ですが、2週間以上ほとんど毎日気分が沈んだり、2週間以上物事に対して興味がわかないというように、複数の症状が2週間以上続いているかどうかがポイントです。したがって、土日にサーフィンに行けるのであれば、うつ状態とはいえませんね。複数の症状が恒常的に続いているようであれば、リファーが必要です。

②不安……心臓がドキドキ、頭が真っ白、汗が出る、といった症状です。著しく苦痛を感じる上に、社会生活に支障をきたしているのであれば、リファーが必要です。うつ状態以上に行動として表れるので具体的に本人が困っていることが多いそうです。

③精神病性症状
妄想…実際には真実でないことを真実だと思い修正不能なもの(他の人がどんなにいっても聞かない)。
幻覚…実際ないものが見えたり、聞こえたりする。高齢者の手術後には過度のストレスにより幻視がみえる。統合失調症の場合は、幻聴がほとんど。「電車の中、道路とかで聞いたことがあるか」という質問に対して、幻聴の場合はたいていが「ある」。

妄想、幻聴が疑わしいときは、びっくりしないでじっくり聞いてみることが大切だそうです。といってもびっくりしますよね。また、妄想・幻聴を強化せずに、相手の気持ちを理解することに注力します、つらさに共感することはOKです。「それだと落ち着きませんよね」。即、リファーの必要があるのですが、本人が病気の認識がないことが大半のため、リファーに導くのは難しいようです。家族まで含めてリソースを確認・検討していきます。カウンセラーにとって大変なクライアントになってしまいますが、大変だからといって放置することは危険です。

診断書の病名をみて、その病名から何かを判断することは危険とのご指摘もありました。以前は、うつ病・適応障害とは書かずに、抑うつ状態・統合失調症と書かれることが多かったですが、最近ではそうでもないそうです。ただし、主治医は常にクライアントの雇用を守ることを最重要視して、診断書を書くものだという認識は持っておく必要があります。また、抑うつ状態とうつの区分も医師次第です。
統合失調症の場合、障害年金という選択肢もあります。無理に仕事を続けることがすべて良いことだとは限りません。キャリアカウンセラーは福祉の面についての学習をすることも大切です。「こころの耳」というサイトにはほとんどのリソースが網羅されているとご紹介をいただきました。

本日の部分をもっと深めたい方は、大野裕著『「うつ」を治す』(PHP新書)がお薦めです。

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《2010年8月3日》 組織風土が全く異なる会社への人事職の転職について。神楽坂でディスカッションしました。でも、いずれにしても頑張るのが私たちの仕事なのです。考え過ぎちゃう人はシンプルにミッションを問いただすところにいけばいいのですが、仕事の問題って実はその裏にある人間関係がほとんどなんですよね。だから、大変なんです。


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【2010/08/03 23:33】 | キャリア~全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
メンタルヘルスの問題を抱えたクライアント
キャリアカウンセリング協会主催のスーパーバイザー養成講座も残すところ6回。ちょっとまじめに復習を続けていきます。グロービスの時もこんなことやってたっけなぁと懐かしく思います。

さて、キャリアカウンセリングの現場では、相当の確率でメンタル関係のクライアントをむかえることがあります。今日はそのあたりのお話です。誰しもメンタルヘルス問題のクライアントには不安になります。不安を減じるためには、知識と経験が必要です。経験は簡単には積めませんが、知識は努力でカバーできます。

では、本論に入りますが、目の前にいるクライアントがメンタルヘルス上の問題があるかもと感じた場合、3つのステップが必要になります。

①メンタルヘルス上の問題のアセスメントをする必要があるかどうか。
②上記①がYESの場合、何をどうアセスメントするか。
③上記②の結果YESの場合、どのように対処するか。

①のポイントは「職業的機能や日常の社会活動、他者との人間関係に著しい障害を起こしているか」になります。状況要因よりも、本人にどういう変化が起きているのかに注意の力点を置きます。往々にして「仕事を辞めようかと思う」といってくるケースも多いようです。
「起きれずに会社を休んだ」という場合では「無断かどうか」は大きなポイントになります。「10年近く自信をもっていた仕事だが、やめようと思っている」には、明らかな変化があります。

スーパーバイザーとしては、スーパーバイジー(=カウンセラー)がどうしてメンタルヘルスのアセスメントの必要が「ある」と判断したのか、もしくは「ない」と判断したのか、その判断論拠についてクライアントの言葉でしつこく確認することが大切です。根拠は必ずクライアントが語った言葉にあります。カウンセラーの「主観」(意見)と「事実」との区分を丹念に行うことが必要になります。

では、②以降は明日に…。

《2010年8月2日》 会社を早退して成田へ。新スカイライナーに乗りました。素敵です。で、成田では1年留学する長男の見送り。大丈夫かなぁ、と思いつつも、帰国する日が楽しみ。あわててスカイプの設定もしたけど、すごいですね、あれ。


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【2010/08/02 23:31】 | キャリア~全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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