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メンタルヘルスのアセスメント
キャリアカウンセリング協会主催のスーパーバイザー養成講座も残すところ6回。ちょっとまじめに復習を続けていきます。

キャリアカウンセリングの現場では、相当の確率でメンタル関係のクライアントをむかえることがあります。で、昨日からそんなテーマを扱っています。この勉強は現場でも直接的に役に立っています。

まずは、目の前にいるクライアントがメンタルヘルス上の問題があるかもと感じた場合、3つのステップが必要になります。

①メンタルヘルス上の問題のアセスメントをする必要があるかどうか。
②上記①がYESの場合、何をどうアセスメントするか。
③上記②の結果YESの場合、どのように対処するか。

昨日は①について整理しました。今日は②です。つまり「何をどうアセスメントする」のかです。

ポイントは「いつ頃から。どんな症状が出ているのか?」になります。以下の3つの側面から確認をしていきます。

①期間…いつころからどのくらいの間
②症状…3側面での確認(精神症状、身体症状、行動 ⇒ 気持ち・身体・行動)
③既往歴…「これまで今回のような状態になったことは?」

最大の注意点はあせってアセスメントをしないことです。アセスメントが必要だということは頭に置いておいて、まずは傾聴に集中しなければなりません。
また注意点ですが、「症状」という言葉はけしてクライアントには使ってはいけません。使うのであれば「変化」という言葉です。同様に「既往歴」という言葉も使ってはいけません。カウンセラーは医師ではありませんし、カウンセリングルームは診察室ではありません。聞くのであれば「これまで今回のような状態になったことは?」というフレーズです。また、既往歴の話が出てきたら、クライアントがどのようにこれまで対処してきたのかを確認することが大切です。それによって、クライアントがどのようなリソースを持っているのかがわかります。

メンタルヘルス上の悪化がでる3大症状別に、アセスメントについて整理します。

①うつ状態 
②不安
③精神病性症状

①うつ状態……メンタルヘルスの問題を抱えるクライアントの8割がうつ状態だと考えていいそうです。そうなると、うつ状態のアセスメントがきちんとできることが何よりも大事になります。うつ状態とうつは異なるもので、うつ病以外の病気(糖尿病、リウマチ、脳腫瘍など)、降圧剤、統合失調症の陰性症状、心理社会的要因、死別反応などでも発生します。新型うつ(例:土日はサーフィンに行くけど、平日は会社にはこれない)がいろいろと話題になりますが、これらの多くは適応障害ではないかと最近ではいわれているそうです。確かにその方がしっくりくるかもしれません。さて、うつ状態のアセスメント基準ですが、2週間以上ほとんど毎日気分が沈んだり、2週間以上物事に対して興味がわかないというように、複数の症状が2週間以上続いているかどうかがポイントです。したがって、土日にサーフィンに行けるのであれば、うつ状態とはいえませんね。複数の症状が恒常的に続いているようであれば、リファーが必要です。

②不安……心臓がドキドキ、頭が真っ白、汗が出る、といった症状です。著しく苦痛を感じる上に、社会生活に支障をきたしているのであれば、リファーが必要です。うつ状態以上に行動として表れるので具体的に本人が困っていることが多いそうです。

③精神病性症状
妄想…実際には真実でないことを真実だと思い修正不能なもの(他の人がどんなにいっても聞かない)。
幻覚…実際ないものが見えたり、聞こえたりする。高齢者の手術後には過度のストレスにより幻視がみえる。統合失調症の場合は、幻聴がほとんど。「電車の中、道路とかで聞いたことがあるか」という質問に対して、幻聴の場合はたいていが「ある」。

妄想、幻聴が疑わしいときは、びっくりしないでじっくり聞いてみることが大切だそうです。といってもびっくりしますよね。また、妄想・幻聴を強化せずに、相手の気持ちを理解することに注力します、つらさに共感することはOKです。「それだと落ち着きませんよね」。即、リファーの必要があるのですが、本人が病気の認識がないことが大半のため、リファーに導くのは難しいようです。家族まで含めてリソースを確認・検討していきます。カウンセラーにとって大変なクライアントになってしまいますが、大変だからといって放置することは危険です。

診断書の病名をみて、その病名から何かを判断することは危険とのご指摘もありました。以前は、うつ病・適応障害とは書かずに、抑うつ状態・統合失調症と書かれることが多かったですが、最近ではそうでもないそうです。ただし、主治医は常にクライアントの雇用を守ることを最重要視して、診断書を書くものだという認識は持っておく必要があります。また、抑うつ状態とうつの区分も医師次第です。
統合失調症の場合、障害年金という選択肢もあります。無理に仕事を続けることがすべて良いことだとは限りません。キャリアカウンセラーは福祉の面についての学習をすることも大切です。「こころの耳」というサイトにはほとんどのリソースが網羅されているとご紹介をいただきました。

本日の部分をもっと深めたい方は、大野裕著『「うつ」を治す』(PHP新書)がお薦めです。

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《2010年8月3日》 組織風土が全く異なる会社への人事職の転職について。神楽坂でディスカッションしました。でも、いずれにしても頑張るのが私たちの仕事なのです。考え過ぎちゃう人はシンプルにミッションを問いただすところにいけばいいのですが、仕事の問題って実はその裏にある人間関係がほとんどなんですよね。だから、大変なんです。


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【2010/08/03 23:33】 | キャリア~全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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