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ちょっと整理です…11月後半編
11月も終わりです。っていうことは、今年もあと1カ月。毎年毎年、通り過ぎるのが早くなりますが、今年も本当にいろいろなことがありました。

で、この半月の振り返りです。「職場学習論」からの引用、支援塾からの話、中原先生絡みが多いですねぇ。

11月16日 認知的徒弟制
11月17日 私にとっての業務支援・内省支援・精神支援
11月18日 「職場における能力向上」私の場合
11月19日 現場を支援し、経営に資するための問題解決法~支援塾②
11月20日 日本企業は人を育てる以外に生きる道はない
11月21日 社会人がMBAに行く動機、MOTに行く動機
11月22日 大型投資によって学習が強制される
11月23日 日本型戦略人事の要
11月24日 課長、イキイキ働いていますか~NHKクローズアップ現代
11月25日 ギャップアプローチによる切り離された就職教育
11月26日 互報性規範
11月27日 けど、これで終いやない、これからや
11月28日 内定がとれない~新・就職氷河期
11月29日 我々に残されている時間はもうない~「人材教育」12月号から

《2010年11月30日》 喉が痛くて声が出ない、といっていつつ、あと今年も1カ月。明日もまた病院行こうかなぁ。



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【2010/11/30 23:32】 | 振り返り | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
我々に残されている時間はもうない~「人材教育」12月号から
「人材教育」12月号の特集は「21世紀初頭10年の人づくりを振り返る」。

またしても、とても意欲的な紙面です。まったくもって、あの編集スタッフには頭が下がります。とにかく頑張っている人には応援したくなりますね。できることでしたら、なんでも頼んでください。

で、その特集の中で、我らがスーパーバイザー、慶應義塾大学の花田先生が「個の自律時代の仕組み構築を急げ」という濃厚な文を寄せておられます。先日、湘南藤沢キャンパスのインターンシップ報告会でも、多くのデータを駆使して日本の大変に厳しい状況を提示されていましたが、今回もその流れでの話であり、手遅れになるまでに人事の仕組みの再構築が必要と力強く説かれています。

冒頭で説明されている私たち日本が対峙している3つの世界の話が印象的です。

1つ目は、サムソンや中国企業といったアグレッシブな経営と活動を繰り広げる新しいライバル達の世界です。彼らは徹底的な達成志向と意欲を涵養するために報酬や昇進で強力な成果主義を展開し、成功者に対してはポストと報酬で報いてきています。一説にはサムソンには300人以上もの1億円プレーヤーがいるとか。外的報酬によるモチベーション管理を人事の中枢に据えた本当に徹底的な成果主義が貫かれているわけです。

2つ目は、オランダ、ノルウェー・スウェーデン等の北欧国家らを中心としたワーク・ライフ・バランスや、ワーク・シェアリングの動きです。

そして3つ目は、米国企業に顕著にみられる、資本の論理を徹底化するいわゆるグローバル・スタンダードの流れです。

この3つの流れの中で日本は翻弄させられて、自らの立ち位置を失っているかに見えます。
米国流のグローバルスタンダードには後追い的に対応し、北欧的な仕事と生活の調和にもスタンスが確立できないままに対応しています。しかしサムスン・中国的な動きにはすでに対応する意欲すら失っているやに見えます。確かにそんな状況かもしれません。

ただし、間違いないことは、この3つのいずれに徹底対応しても、私たちの未来はないことです。私たちの未来は、日本企業にとって可能な方策を考えて徹底的に推し進めることでしかありません。

『今、私たち人事パースンに求められているのは、この躊躇をやめ、「今」を乗り切り、「将来の可能性」を切り拓く人事モデルの展開と実践である。それがあって初めて、今の時代にマッチした、自己責任、当事者意識を持った課題達成志向モデルを構築できるものと考えがえる。そして、それに対する腹をくくった、積極的な企業支援プログラムの展が重要となる』

その施策として例の「自律的成長・発達ロードマップ」が提示されます。

最後のパラグラフを引用して終えたいと思いますが、もう前例主義や、他社事例主義に奔走している場合でないことは、すべての人事パーソンが認識しなければなりません。私たちのやるべきことは、山積されています。何としても、日常対応の比率を下げて、戦略的な時間をまず確保しなければなりません。ぬくぬくとした日常業務に逃げ込んで、嬉々として多忙を謳歌しているのは罪です。

『さて今、私たちが乗り越えなければいけないさまざまな課題に対して、我々人事パースンはどこまで危機意識と当事者意識、そして勇気を持って組織をデザインし、実践しようとしているだろうか。繰り返すが、我々に残されている時間はもうないことを認識するべきである』。

《2010年11月29日》 神保町の三幸苑にてキャリアカウンセリング協会のSV養成講座メンバーでの会、橋本先生・内田先生付きですよ。GCDF的には超贅沢。仕事ではものすごく寂しいことがあった日ですが、こうやってモチベーションの自己調整をやって生きていくしかないのが、プロフェッショナルのビジネスパーソンですね。まだまだですけど。自らの社会資本の充実は、強く良い仕事をするためにも大切、ということを改めて痛感。


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【2010/11/29 23:11】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
内定がとれない~新・就職氷河期
ちょっと前ですが、11月24日のクローズアップ現代は「内定がとれない~新・就職氷河期」。

2010年3月卒業の大学卒業者54.1万人のうち、パート・アルバイト就業者が1.9万人、無就業者が8.7万人、さらには卒業せずに留年の道を選択した人が7.2万人というデータを掲げて、昨今の就職難を説明していますが、それはそのとおりなのだと思います。

大手の人事担当者が何人か社名を出さずにインタビューに答え、厳選採用を貫くことを説明していましたが、このあたりはどんなんでしょうか。ちょっと一言いいたくなります。

日本の大学生の就職難の最大の要因は、やはり日本の労働法制に起因する部分が大きいように感じます。解雇に対する縛りの厳しさと、就業規則の不利益変更に対する縛りの厳しさ、この2つが完全に既得権益者を守り、未来のある若者を仕事から遠ざけています。

もちろんこの2つの縛りをゆるゆるにしてしまっては、高齢者の解雇・減給が横行し、社会不安に陥ります。ですが、今の若者に歪の大半を寄せるような仕掛けは、日本の活力を生殺し的に減退させているようにしか思えません。

厳選採用を前面に出す大手企業も、まだまだ相当数の「給料とおりに機能していない社員」を抱えています。JALのような経営危機にまで至らないと、なかなか解雇に踏み切りにくいのが日本の仕組みです。1人の給与で3~4名の学生を雇用できるような収入を得ている人が、けして高いパフォーマンスを出さずに日々を暮らすことを良しとしているような企業が、学生にだけ「厳選採用」といっているのは、滑稽にも感じます。なぜ、学生には厳選を求めて、社員には厳選を求めないのか…、ということです。社員に「厳選」を求めることを日本の労働法制はとても困難にしているのです。

ちょっと感情的になりましたが、番組では打開の活路を中小企業に求めています。
これは賛成です。事業仕分け対象になりましたが、ジョブカードのようなものに予算をかけるのではなく、とにかく中小企業振興に税制面も含めた支援をすることが、一番の雇用対策になるのではないかと常日頃から思っています。

中原先生の出演で、たまたまクローズアップ現代をみるようになりましたが、骨のある企画をいろいろとやっているんですね。

《2010年11月28日》 第2回お好み焼き検定、無事に完了しました。知り合いがずいぶんと受けに来てくれて嬉しかったです。皆様が合格していますことを祈念いたします。


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【2010/11/28 23:01】 | キャリア~学生・就職・採用 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
けど、これで終いやない、これからや
明日はいよいよ「にっぽんお好み焼き協会」主催の「第2回お好み焼き検定」開催日です。

私は日清製粉会場にてスタッフとして働いている予定ですので、同会場でご受検される知り合いの予定の方は、是非、見つけてお声掛けください。多少、ばたばたしている時間帯もあるかとは思いますが…。

さて、「にっぽんお好み焼き協会」の佐竹会長が技術指導をつとめておられるNHKの連続テレビ小説「てっぱん」ですが、新たな展開に今週から入っています。あかりがいよいよ関西焼きにチャレンジ、その師匠役がおばあちゃんですね。例によって週末にまとめ視聴しました。

新しいことを覚えるとき、新しいことにチャレンジするとき、これはまさに「学び」の場です。この「学び」の場の醍醐味では、いろいろなドラマがあります。

お好み焼きを焼く手本をなぜ見せてくれないのかという「あかり」に対して、おばあちゃんは目で覚えるものではなく、身体で覚えるものだから、自分で作ってみろといいます。

お好み焼きを美味しく焼くことに集中して鉄板ばかりみてお好み焼きを焼いていた「あかり」に対して、おばあちゃんは1枚のお好み焼きを焼くのにわずか3秒しか鉄板から目を離していないと厳しく指摘します。食べていただくお客様をまったくみずに、ただお好み焼きの焼き手になっているわけです。鉄板の方ばかりをみて、お客様をまったくみていないわけですね。

しかし、そんなおばあちゃんが家を出た娘について、「あかり」(娘は「あかね」の母親で既に亡くなっています)にこんな風に語るのです。
「ちはるのこと何にも知らんかったんや。鉄板の方ばかりみてて、娘には背を向けてたんやな」。

おばあちゃんのお好み焼きには、とても追い付けないという「あかり」は、ふるさと尾道のソウルフードともいえる「いりこ」に目をつけます。

「うちはこれが自分の味じゃと思います」
「けど、これで終いやない、これからや」

そして、おばあちゃんからの素敵な誕生日プレゼント。
「誕生日なんやってな、今日。一枚だけ焼くや」

ストレッチ・フィードバック・エンジョイメント。素晴らしい経験に満ち溢れています。このブログ読んだだけじゃわからないという方、是非「てっぱん」をご覧ください。過去の内容については、NHKのホームページをご覧になれば追いつけます。

そして、まだまだ「学び」は続きます。

《2010年11月27日》 昨晩は、イブニング・ダイアローグと、自想の会と、HRM研究会の3つが重なり、どれに行こうかと苦悩する日でしたが、結局、体調不良でいずれもかなわず…となったにも関わらず、23時まで残業をしているという意味不明の夜でした。体調不良で働いていると、切れ味も悪くなるのですが、皆がいろいろと拾ってくれて、仕事はチームでやってるんだなぁとあらためて実感です。ありがたい、ありがたい。明日までに治さねば。気合い入れて眠るようにします。


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【2010/11/27 19:56】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
互報性規範
ちょっと前に、東京大学の中原淳先生の最新図書「職場学習論」を振り返りながら、自分の「職場生活」を何となく振り返るというブログをたらたら書いていましたが、最終章までたどり着いていなかったので、今日は本書のメインである第4章「誰からのどのような支援が能力向上に資するのか?」に行ってみます。

で、第4章は、第2章の「職場における他者からの支援」と第3章の「職場における能力向上」の掛け合わせです。誰からのどのような支援が、職場における能力向上に影響を受けているのか。世の中の人材育成関係者にとっては、絶対に押さえておかなければならないことです。

「上司」の支援の「能力向上」について面白い結果が出てます。

「上司」の「内省支援」と「精神支援」は能力向上に影響を与えていますが、「業務支援」はそうでもないという面白い結果が出ています。実は第2章の分析結果からみると、上司は量的にもっとも「精神支援」は与えていない立場なのですが、「能力向上」にはそのわずかなはずの「精神支援」が影響を与えているということです。逆に上司はもっとも「業務支援」をしている立場なのですが、それは「能力開発」には影響をあまり与えていないのです。

ここから上司はもっと「精神支援」をすべきと考えるべきか、滅多にやらない「精神支援」だから効くんだょねえととらえるべきかは難しいところがありますが、1つだけいえることは、やっぱり部下にとって上司という存在は極めて大きいことです。上司はまずはそれを意識する必要があります。

また、第4章では、各支援に影響を及ぼす組織風土についての分析も行っていますが、もっとも影響を与えるのは「互報性規範」とのことです。「互報性規範」とは、「困ったときにお互い助け合っている」「他者を助ければ、今度は自分が困っているときに誰かが助けてくれるように自分の職場はできている」「人から親切にしてもらった場合、自分も職場の他の人に親切にしようという気持ちになる」という規範です。

この「互報性規範」が強い職場では「内省支援」が強まります。なんかとてもわかる気がしますね。そして、「互報性規範」を高めるために最も影響を与えるのは、その職場の上司の立ち振る舞いなのです。ただし、ここにも方程式はありません。その上司のスタイルとスタンスで戦略的にこれをやるしかないのです。

それにしても「互報性規範」は素敵ですね。今日も「互報」(?)にたくさん助けられました。これが「規範」になるのは大切ですね。「互報性規範」というのは、一生懸命頑張っている姿があってこそ、生まれるものです。


《2011年11月26日》 今朝、徳島阿波踊り空港に行くタクシーで、行き先を告げようとしたら、声がでませんでした。かなり、やばいです。


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【2010/11/26 23:24】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
ギャップアプローチによる切り離された就職活動支援
ちょっと前のことですが、ある人材ビジネスの会社関係の方が訪れ、企画中の新商品についての意見を求められました。就職難にあえぐ、大学生向けの企画です。就職支援サービス・ビジネスですね。

就職活動を成功に導くには、まずはギャップの理解・把握が大切だといわれます。

そして、「内定獲得に必要な条件」をどれだけ充足しているのかを測るアセスメントを開発中とのことでした。この「内定獲得に必要な条件」には、企業を問わずに普遍的なものと、特定的企業におけるものと、2つがあります。なるほどです。前者は社会人基礎力に近いものになるのでしょう。
アセスメントでは、志望先企業の「内定獲得に必要な条件」と、今の自分自身とのギャップを資質・能力等にわたって明確化します。ビジネス界でもよくとるギャップ・アプローチですね。まあ、ここまではありかなあとも思います。

当然、ギャップをみつけたからには、問題解決フェーズに移ります。
アセスメントによって明らかになったギャップに対して、社会人基礎力ならぬ「就職基礎力的」なるものの強化と、必要な資質の習得・強化、当該企業に求められる能力の習得・強化を図るプログラムを提供するとのことです。そして、その提供先として想定しているのは、あくまでも大学ではなく、就職予備校的な人たちのとこと。ここがどうなんでしょう。

確かに今の企業の入り口、すなわち採用戦線はかなりテクニカルなものになってきてしまっています。それは問題であり、テクニカルであるがゆえに、この手の手法が有効になる面は残念ながらあります。しかし、新入社員がリアルにつく仕事はけしてそうではありません。テクニカルだけで切り抜けられないものなのです。
また、仮にギャップ・アプローチでいくにしても、そのギャップは就職予備校で埋めるのではなく、大学生活そのものの送り方で埋めて欲しいとは思わないのでしょうか。

ちょっと前にご紹介したS女子大学のキャリアセンター長の方から聞いた『外注業者が提供するキャリア教育のメニューは良くできており、それなりの「気づき」を学生にもたらすものの、あくまでもパターン化された「気づき」であり、実生活から得られる「気づき」とはまったくレベルが異なる』という言葉を改めて思い出します。
大切なのは、大学生活そのものから得られる「気づき」であり、私たちはそれを促進させる必要があります。けして、切り離されたところで、ギャップアプローチでそれをやってはいけません。ますます就職が自己目的化してしまいます。

ギャップ・アプローチの反対にあるのは、ポジティブ・アプローチです。

ポジティブ・アプローチというものの流れは、以下のようになります。

強み・価値を発見する ⇒ どうありたいか、最大の可能性を描く ⇒ 現実的達成状態を共有化する ⇒ 新しい取り組みを始める

「ギャップ・アプローチ」が問題点を解決して常に平衡を保とうという作用をしがちなのに対して、「ポジティブ・アプローチ」は拡張的意識を持った考え方だともいえます。できない点、駄目な点に着目して改善するのではなく、「何が大切なのか」「何が可能なのか」を考えていきます。いきおい、他責的な発言は陰を潜め、自責的・自律的なトーンが強まります。こんなアプローチで頑張っている学生をふるい落とすような採用活動はやりたくありませんね。

《過去の関連ブログから》
2009年01月08日 ギャップアプローチ
2009年01月19日 ポジティブアプローチ
2010年11月11日 パターン化された気づきと実生活から得られる気づき

《2010年11月25日》 徳島大学で採用セミナー。4社合同での手作りセミナーです。


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【2010/11/25 23:47】 | HRM全般 | トラックバック(1) | コメント(0) | page top↑
課長、イキイキ働いていますか~NHKクローズアップ現代
いきなりタイトルバックは夜の新橋でした。

11月22日(月)のNHK「クローズアップ現代」のタイトルは「課長、イキイキ働いていますか」、東京大学の中原先生がなんとスーツ姿で出演されていました。特にお役には立てなかったのですが、私も何回かディレクターの方からお電話をいただき勝手なことを話させていただきましたが、それにしてもテレビ番組を1つ創るのにどれだけのスタッフの労力がかかっているのかは、常々感心します。

で、課長の話なのですが、本当に古くて新しい課題です。これだけ繰り返し繰り返し、時代を超えて何度も課長がテーマになるということは、やはりこれが日本企業の強みの源泉の1つであることは間違いないのでしょう。

私にとっても「課長」は非常に思い入れのあるテーマです。
このあたりの経緯を過去に書いたブログから引用します。

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私は1994年に1年間、当時の社会経済生産性本部の経営アカデミー人事労務コースに1年間通わせていただきました。まったくこの1年間が私の仕事人生を変えたといまえす。私は1992年に営業から人事に異動、2年間採用と若手教育を担当したところで、営業への配転希望を上司に伝えたのですが、当時の上司が「採用だけをやって人事経験者ですなんて顔をした奴をつくるわけにはいかない」といって、さわやかにこれを拒否。その時に経営アカデミーに通うように合わせて指示をいただきました。経営アカデミーでは第一級の講師陣から人事全般の極めて広範囲にわたる講義を聴き、メンバーによるグループ研究が1年間にわたって毎週行われます。当時のノートは大事にとってあります。合宿、自主合宿なども盛んで、とにかく考えに考える1年間でした。私たちのグループが選んだ研究課題は「課長の機能と実態~飛び出せ課長」でした。中間管理職不要論が活発になる中、直感的に課長は必要、ミドルは大切と感じていたのが、テーマ選定の理由です。まだまだミドルというよりも課長というのがしっくりときた時代です。

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今回の番組では、あえて「ミドル」とはいわずに「課長」といっていましたが、これによって情緒度が増してきます。
今の課長を取り巻く典型的な問題は、冒頭の2人のサラリーマンへの街頭インタビューで語りつくされていたともいえます。すなわち、次の2つの問題です。

①課長は上と下の板挟み
②自分のこともやりつつ下も束ねなければならない(課長のプレマネ化)

このことが課長にプレッシャーだけでなく、精神的な孤独をもたらします。課長のプレーイングマネージャー化について、たまたま「人材教育」の最新号にデータがありますが、1985年にはプレマネ課長が16.8%しかいなかったのが、2005年には91.3%とか。でも、個人的にはプレマネだから、面白いというのもあるようには思うんですけどね。

経営が掲げた課題を自分の職場にあったように解釈し、自らが大きなビジョンを描いて、メンバーに腹落ちさせて行動させる、これが課長の役割であり、これが機能していたからこそ、日本の組織は強固でいられた、中原先生はそんな整理をされていましたが、そのとおりだと思います。で、これをプレマネでやるのが素敵なように思うのですが…。ただ、いずれにしても闇雲で一方通行的な会社から課長への期待感では、中原先生のいう「課長オチ」をもたらすだけで、何も解決にはなりません。。

実はこのプレッシャーと孤独感、本質的には部長になっても、執行役員になっても、常務取締役になっても、基本的には組織で雇われ人としてのサラリーマンをやっている限りは変わらず続きます。でも、いつもテーマにあがるのは課長です。島耕作も「課長」の時が一番面白かったですし。これは適度な現場感がリアルな情感を招いているからでしょうか。それもプレマネだからのように思うのですか。

2010年05月21日 人事の書棚から 037-039

《2010年11月24日》 風邪にはとても良い生姜のホットカクテルでした。ありがとうございます。


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【2010/11/24 23:36】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
日本型戦略人事の要
人材育成支援塾第2回、東京理科大学佐々木先生のお話を受けての東京大学中原淳先生のラップ・アップ。

テーマは「日本型」戦略人事。
「手術」と「漢方・はり」のメタファーです。

①外部労働市場をベースに考える人事、中島さんのいうブルー人事、もしくはアングロサクソン型戦略人事。

社会の雇用流動性の高さを背景にして、戦略の変化に応じて市場から「個として人材」を調達します。戦略にあった人材を市場から調達し、取り替えることが常態となっているわけです。発想の根本にあるのはあくまでも「個」です。

②内部労働市場をベースに考える人事、中島さんのいうグリーン人事、そう日本型戦略人事。

外部労働市場が未発達で、内部労働市場が発達している日本では、戦略変化があっても「今いる人たち」で回さなければなりません。つまり「今いる人たち」に「頑張って」もらうマネジメントが必須になります。「個」の概念が強くはない日本では、簡単にこれを取り替えることができません。

この①が「手術」であり、この②が「漢方・はり」だということです。

では、私たちの企業が立脚する「漢方・はり」の世界がやらねばならないこととは何でしょうか。
必死に戦略をまわしている「普通の人たち」が戦略を回し続けるために必要な「ケア」とは何でしょうか。中原先生は以下の3つを指摘されていました。

①組織風土のケア………策定される戦略がそもそも組織風土にマッチングできているか、戦略を受け入れる組織信頼の向上。

②マネージャーのケア………戦略が現場マネージャーに理解され、彼らが熱意と思いを持って職場でのリーダーシップを発揮しきれるかどうか。

③職場のケア………戦略が職場の末端の人にまで十分に理解され、自らの行動を変容させて、やる気をもって仕事に取り組んでいるかどうか。

これにのケアにおいて、人事に求められる役割って大きいと思いませんか。日本企業には日本企業なりの戦略の回し方があるのです。そこでのキーは人です。ですから、人事が戦略的でないことは、企業に対して罪だといってもいいでしょう。アメリカ型企業の何倍も人事は重要な役回りを持っているように感じます。

中原先生のメタファーの続きでちょっと言葉遊びをするのであれば、ちゃんと「漢方・はり」の治療にいかず、栄養ドリンクや湿布薬、サプリメントでごまかし続けている組織も実は多いでしょう。局面によっては、緊急手術が必要になる会社もあるかもしれません。「漢方・はり」でじっくりと治しているだけの時間的な余裕を既に失ってしまいつつある企業もあるかもしれません。

「日本型」戦略人事を考えるにあたっての、「インフラ」としての「職場」、「キーマン」としての「職場マネージャー」、「資本」としての「組織風土」、そしてこの「職場」「職場マネージャー」「組織風土」が危ない…という中原先生の指摘は、ほとんどの企業が他人事では聞けない指摘です。

《2010年11月23日》 午後から休日出勤、人事部長にはほんとに色んな仕事があるんです。で、やること終えてから、木曜日にやるIT関連4社合同での徳島大学企画、講演PPT完成。またしても、時間の3倍くらいのボリウムです。中島さんの緑の人事、青の人事から広がり、赤と茶色を入れて、4つの日本というお話ができました。あと、小田霧響子も出てきます。採用担当者からは、あの番組って徳島でやっているんですかという冷静な問いかけが…。


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【2010/11/23 23:31】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
大型投資によって学習が強制される
人材発達支援塾第2回にお出でいただいた東京理科大学の佐々木先生のお話から続けます。

今日は、大型投資によって学習が強制される、という話です。

例えば、韓国の半導体メーカー。びっくりするほどの巨額の投資をして工場を建設します。そして、高性能の機械をそこに据えます。
で、そうなりますと、工場が完成するまでに、工場をまわせるだけの人材を育てなければなりません。工場稼働開始日は決まっているわけですから、とにかくそこまでに必要な人数のスタッフを育てる…、確かに学習は強制されます。何となく、国家が自体が成長している様子が伝わってきます。

工場完成までに必要な人数のスタッフを育てるために、韓国の企業が目をつけたのが、日本の技術者です。工場立ち上げの初期は、日本の技術者の力によってこれらの工場は稼働することができていたわけです。

日本企業はこれまで極めて安価なコストで技術者を活用してきました。ここでいう技術者とは、先端的な研究をしている研究者のことではなく、工場を日々まわしている現場のプロセス技術者です。日本企業はこれらの高い技術をもった社員を、社員が高いロイヤリティを企業に対してもっていたのをいいことに、実は安価なコストで会社に縛りつけていたわけです。

日本の技術者は、一般的に現年収の3倍の給与でオファーして気持ちは傾かないそうです。それだけまだ会社に対してのロイヤリティが強くあると考えていいでしょう。しかし、現年収の5~10倍の給与でオファーするとさすがに契約書に印を押すとのことです。なんとなく、この金額感、わかる気もします。で、多くの技術が韓国を始めとする競合国に移転させてしまいました。

それにしても、日本企業の大型投資の案件は減りました。特に国内での案件は極めて少数でしょう。そして、大型投資の減少とともに、学習も衰えていると考えると、物哀しい思いがします。



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【2010/11/22 23:28】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
社会人がMBAに行く動機、MOTに行く動機
昨日ご紹介した佐々木先生は東京理科大学のMOTで教えられています。

東京理科大学のMOTは飯田橋キャンパスという都心立地にある技術経営を研究する社会人のための大学院です。

ほとんどの学生が企業内研究者や技術者であり、技術者が戦略やマネジメントを学ぶだけでなく、技術や知識を根幹に添えた新しい経営を創造・発信・実現することを目的としているとのことです。設立時には、相当頑張って企業に営業をかけて企業派遣を促進しないと厳しいだろう、との推測だったそうですが、ふたをあけると予想を反して自費参加の学生が多いとのこと。2年間で200万円ほどの費用がかかるといいますから、参加する方の学びへの意欲には相当なものがあります。

佐々木先生からうかがった「MOT」に通う社会人と、「MBA」に通う社会人の違いの話にはなるほどと思いました。

MBAにくる社会人は、専門性を高めたいとの思いが前提にあります。ちょっと極論ですが、文系学部を卒業した人にはさしたる専門性はありません。私は社会学士ですが、別に社会学が自分の専門とはとてもいえません。多くの文系学部を出た人は同様ではないでしょうか。ですから、専門性を極めていない不安がゆえに、MBAにいくわけです。

MOTの場合、これはまったく逆なのです。専門性を極めているがゆえの不安により社会人はMOTの門を叩きます。実は専門性を極めるというのは、非常にリスクのあることなのです。企業内でその専門性のニースがなくなった瞬間に、失業するリスクに直面します。それを回避するための選択が、MOTなのです。

専門性を極めるとリストラされやすいという指摘は新鮮でしたが、確かにそのとおりです。資格予備校や通信教育業者なんかは、資格を取得して専門性を高めようと声高に叫び、それが雇用のセーフティネットにもなるという宣伝をしていますが、本当に雇用のセーフティネットになるのは実は単なる専門性ではないですね。

《2010年11月21日》 今日は病院に行く以外は基本的にオフだったので、原稿書きと講演の準備を半日以上やってました。原稿書きって、乗り始めるまでが大変だけど、乗ると言霊が乗り移ったようなスピードで進むんですよね。で、〆切直前までなかなか言霊ってやってこないんですよね。面白いものです。

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【2010/11/21 23:31】 | キャリア~全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
日本企業は人を育てる以外に生きる道はない
人材発達支援塾第2回2日目。東京理科大学の佐々木圭吾先生から「戦略、理念、そしてHRD」と題したセッションをいただきました。結構、今まで考えたようで考えていなかった観点がいくつかあり、とても新鮮でした。

その中でにあった「日本企業は人を育てる以外に生きる道はない」という話をまずはご紹介します。これって、確かにそのとおりです。

日本企業は、新卒一括採用で調達した人材を人事ローテーションを行いながら内部育成する「内部労働市場型」の人材戦略をとっていますが、近年ではこれの見直しの必要性を指摘する声もかなりみられます。外部市場から必要な人材を調達する方が合理的・効率的であるという考え方です。いわゆる米国型モデルの「外部労働市場型」です。「戦略を今いる人で頑張ってもらうしかない」日本企業に対しても「戦略にあった人材を市場で選んで、取り替える」という方法です。

これに対して、佐々木先生は「日本が米国モデルを採用しても同じ賃金では世界一優秀な人材を調達することはできない」と断言されます。確かにそりゃそうです、どこに今いるのかわかりませんが、世界一優秀な人材が東洋の異国で働こうと思うには、現在もらっているよりも相当に有利な条件をオファーせざるをえないでしょう。ですから、米国型モデルを全面的に取り入れて世界一優秀な人材を調達するには、日本企業は極めて高いコストを払わなければならないという前提があるのです。

となると、日本企業はヒトを育てなければ国際競争に勝てないことを改めて認識する必要があります。

新卒一括採用を中心に、安価なうちに従業員を獲得して、実践的な社内教育システムの中で経済価値を高めていく、そういうことです。佐々木先生の感覚では、グローバルで戦う日本企業ほどこのモデルをとっているとのことです。面白いことに、ドメスティックであれば、前者も成り立つといのうが佐々木先生の見解です。

で、「日本企業は人を育てる以外に生きる道はない」ということになるのですが、これには1つ但し書きがあります。それは、「日本企業が《日本国内で》生き残るためには」ということです。つまり、活動の拠点としての日本を捨てることまで考えれば、前提がまったく変わってくるのです。

こちらの選択をする日本企業が増えないようにすることは、政治の仕事でしょうか。

《2011年11月20日》 人材発達支援塾第2回、2時過ぎまで議論が続き寝不足です。で、田園都市線は遠かった。でも、久しぶりに20時に仕事から帰宅。でも、よくよく考えたら今日は土曜日でした。仕事をしている方がおかしい。


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【2010/11/20 21:33】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
現場を支援し、経営に資するための問題解決法~支援塾②
今日と明日は東京大学の中原淳先生が主宰される「人材発達支援塾」の第2回。今日のゲストは長岡健先生とダイヤモンド社の永田氏。久しぶりに、中原・長岡両先生のからみを体験できました。かなりソフトでしたけど。

今回のテーマは「現場を支援し、経営に資するための「問題解決法≒方法論」について学ぶ」です。前回は金井壽宏先生と中島豊氏をお招きして、人事はどうあるべきかといった理念的な思いを皆で考えました。今回はそれを実現するための方法論、すなわち武器を磨く、という流れです。

問題解決プロセスとして、IDEALの考え方をまずは中原先生からご紹介いただきました。

I:問題は何かを見定める
D:問題を定義する
E:さまざまな方略・手法を検討する(打ち手を考える)
A:実際にやりぬく
L:効果を検証し、学ぶ   

このIとDが問題定式化のステップ、そしてEALが問題解決のステップになります。概してどうしても軽視されてしまうのは問題の定式化の部分であり、今回はこの部分を学びます。やっぱり誰しも解決に飛びつくのが好きなのですね。
人事としては「I:問題は何かを見定める」のステップでは、トップ、現場を回って問題は何かを聞き取る(定性的手法)ことと、さまざまなツールを活用し、現在の状況を可視化する(定量的な手法)ことが必要です。そしてそれをもとに「D:問題を定義する」のステップでは、人事部として問題を定義するわけです。確かにこれを曖昧にやって、解決に走っても仕方がありませんね。グロービスのクリティカル・シンキングを少し思い出します。HOWに入らずに、WHATを繰り返すという奴です。

定性的手法については長岡先生が、定量的手法についてはダイヤモンド社の永田さんがご担当されました。そのあたりは後日に詳しくまた。

方法論について、中原先生が「スポットライト」の比喩を用いて説明されていました。
すべてを照らし出す万能の方法論はなく、いかなる方法論にしても現実のうちある部分を照らし出すことしかできません。そして、照らし出すということは、逆の視点からみればまったく照らされない闇をつくることでもあります。ですから、全体像を知るためには、さまざまな方法論を絡み合わせてデータを解釈しなければなりません。つまり、スポットライトを増やすことです。ビジュアルが頭に浮かぶ素敵な比喩ですね。
今日の最後に長岡先生の話のさわりの部分だけ。
こんなお話で始まりました。

「発見」は「現場」で起こるんじゃない、「書斎」で起こる!

詳しく話を聞かないと誤解されがちなセリフですが、この中原先生への喧嘩の売り方(?)がやっぱり素敵な長岡先生でした。

《2010年11月19日》 人材発達支援塾、第2回。次回は、宿題早くやります。それにしても、昨日と今日の新幹線の中は徹底的に働いたものです。



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【2010/11/19 21:43】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
「職場における能力向上」私の場合
東京大学の中原淳先生の最新著書「職場学習論」の第2章に関連して昨日は書きましたので、今日は第3章です。別に順番に1冊を追う必要はないのですが、ちょっと追いたいので追っています。

第2章では「職場における他者からの支援」について扱われていましたが、第3章は「職場における能力向上」についてです。まず、職場における能力向上を6つの観点からとらえて調査をされています。

①業務能力向上
②他部門理解向上
③他部門調整能力向上
④視野拡大
⑤自己理解促進
⑥タフネス向上

あまり通常には用いない能力の指標区分かなと感じます。「他部門」関連が2つあること、「視野拡大」「自己理解促進」を能力としてとらえていることが新鮮な感じを受けましたが、これらはまさに大切なことです。これらを職種別に分析したりされているのですが、何といってもこの本の神髄は次の第4章で、第2章の「職場における他者からの支援」と第3章の「職場における能力向上」をクロスさせている部分です。

この6指標につい、自分のことをまた振り返ってみたいと思います。

①業務能力向上は、若い頃にしっかり叩き込まれた「型」が役に立っています。仕事が変わるたびに新しい業務能力を獲得する必要がありますが、その獲得の仕方のフレームワークが自分の中に創れると、たいていの業務能力であれば効率的効果的短期的に得ることが可能です。「業務能力向上」については、何を学びとるかよりも、どう学びとるかが大切なものだと思います。

②他部門理解向上は、営業の時に技術者や工場に動いてもらわないとお客様が求めるサービスを提供できないといった際に磨かれました。あの課長が「よし、やろう」といってくれない背景には、どんな事情があり、どんなメカニズムで意思決定をしているのだろう、要はお客様に商品を営業するのとほとんど同じようなスタンスを持つことだったと思います。

③他部門調整能力向上も、②の延長で磨かれたと思います。また、人事に異動してからは、これが仕事の大半だったとも思えます。中原先生の調査では「事務職」は低めに出ていますが、「人事職」だけに限るとどうなるでしょうか。もちろん世の中には調整不要な高圧的人事・権力的人事というのもありますが、様々だとは思いますが。これは社会における仕事の醍醐味です。

④視野拡大についてです。「職場学習論」に記述されているケースはおそらく私のケースだと思うのですが、何といっても「いる場所」を変えることが一番です。ただ「いる場所」を変えるというのは相当なリスクを伴いますから、そこまではどうもという人は、疑似的にそれをやればいいのです。それが「越境学習」です。

⑤自己理解促進については、未だによくわかりません。下位設問としては「自分のマイナス面を素直に受け入れることができるようになった」「以前の自分を冷静に振り返られるようになった」が設定されているようです。「マイナス面を受け入れられる」ようにはなったとは思いますが、「素直に」は無理です。「以前の自分は」今日もこうして「振り返って」いますが、果たして「冷静」にできているか。わかりません。今年の自分のテーマに「セルフアウェアネスの強化」を掲げています。意識するとさすがに少しは向上するものです。

⑥タフネス向上も難しいです。私は根っこのタフネスさというのは、かなり先天的なものだと思っています。ただ、先天的に必ずしもタフネスさが強くなくても、それを補う手段を得ることによってタフネスさは強化できるものだと思っています。私はもともとタフネスさは強くない方だと思うので、必死にそれをカバーしようと努力している面はあります。大切なのは「ソーシャルサポート」を活用する力、引き出す力と、モチベーションを自己管理する力です。これらには誰にも通用する手法というのはありませんが、自分なりの方法を少しずつ確立していくことが何よりも大切だと思います。

《2010年11月18日》 今日は大阪。いい日でした。


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【2010/11/18 23:21】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
私にとっての業務支援・内省支援・精神支援
1冊の本から何日もブログを書いていますが、また東京大学の中原淳先生の「職場学習論」からです。本書の中では、「職場における他者からの支援」を3つに類型化しています。

「業務支援」
「内省支援」
「精神支援」

今でこそ、すーっと受け入れられますが、3年前にこの話を聞いていたら、「業務支援」「精神支援」というのはよくわかるけど、「内省支援」というのはたぶんしっくりこなかったでしょうね。それだけ、ここ数年で「内省」「リフレクション」という言葉は私たちの中でも一般化しています。大昔から、PDCAサイクルを回すためには「振り返り」が大切だという言い方はしていましたが、「振り返り支援」では様になりませんので、言葉は大切です。

で、それぞれの支援を主に職場において誰から受けているのか。職場を取り巻く人として「上司」「上位者・先輩」「同僚・同期」「部下・後輩」の4つについて調査をされています。

「業務支援」…「上司」が1番。以下「上位者・先輩」「同僚・同期」「部下・後輩」の順。
「内省支援」…「部下・後輩」を除く3者から同様に得ている。
「精神支援」…「同僚・同期」が最大。以下「上位者・先輩」「部下・後輩」「上司」の順。

あとの章でこれらの支援がどう能力開発に結びついているのかという分析が入るのですが、今日のところはそこまで行かずに支援の提供者にとどまって考えたいと思います。

そこで、自分はどうであったかということを考えてみたいと思います。
これは明らかに自分の成長のステージによって違ったと思います。

入社してとにかく我武者羅に24時間働いていた頃、当時はテレビコマーシャルでも「24時間働けますか」といっていたぐらいですから、それが当然のことと感じていた頃です。そう、20代後半までですね。

「業務支援」はやっぱり「上司」かな。「上位者・先輩」も大きかったですね。私はモデリングの力が優れているというか、心酔した方のスタイルを無意識に取り入れるところがあるようで、当時の上司の行動様式・思考様式にはものすごい影響を受けています。

「内省支援」は難しいです。果たして当時の自分がどれだけ内省していたものか。おそらく無意識にしてしいたのでしょうが、明確な認識はありません。ただ、変に内省しなきゃと意識する最近の風潮よりも、最初のうちは無意識に内省するだけでもいいんじゃないかと思います。行動の中で内省をしてひたすら回すことによって十分に成長できた時期だと思います。また、それで疲弊しないだけの「精神支援」があったということでもあるのでしょう。実は、一番「内省支援」を受けたのは、社内の誰でもなく、何といっても「お客様」です。会社の上司に言われることとまったく同じことでも、お客様から言われたことは嫌でも染み入ります。これがあるので「営業職」というのは、企業社会へのエントリーには最適な職種だと思っています。

本当だともっと大局的な内省をする機会をもった方がよかったのかもしれません。場合によると、それが人事の育成担当の役割だったのかもしれません。

「精神支援」は何と言っても「同僚・同期」、特に同期ですね。これは大きい。同期がたくさんいる時代・会社に最初に入ったことは何といっても幸せです。会社の前に大型バスを横付けさせて同期スキーツアーとかもよく行ったものです。「精神支援」には充ち溢れだ時代であり、会社でした。

次は、リーダー職、マネジメント職になるあたりからの話です。
これは30代半ばから現在まで続いています。

まず「業務支援」ですが、もう支援を受けている立場ではないのですが、実は「部下・後輩」が大きいと思います。たまたまかもしれませんが、既に「上司」「上位者・先輩」から業務において学ぶべきことはあまりなく、逆に「部下・後輩」からはいろいろと学ぶことがあるという日々か続いてきたように思います。ただ、当然だと思いますが、経年とともに「業務支援」のニーズは大幅に小さくなりますね。

「内省支援」は「業務支援」と反比例して重要度が増します。逆にいえば、もう今必要なのはこれがほとんど、という感じもあります。「内省支援」の担い手になってくださる人は多いです。「上司」「上位者・先輩」「同僚・同期」「部下・後輩」いずれもありますが、社内では一番は「部下・後輩」でしょうか。でも、社内全部をたしたよりも「社外」の位置づけが大きいかもしれません。「社外で同じ仕事をしている仲間」と協働することによる「内省支援」には絶大なものがあります。

「精神支援」も経年とともに大幅に減ってきます。でも、とても大事なものです。ただこれも立場上もあり、今更「上司」「上位者・先輩」「同僚・同期」「部下・後輩」のいずれにも強く依存するわけにはいきません。でも、一番はといえばやっぱり「部下・後輩」かな。そして何といっても「内省支援」同様に「社外」ですね。また、職場をさらに離れますが、究極的には「家族」でしょう。経年とともにさらにワークとライフは分断できないものになってきますから。



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【2010/11/17 23:18】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
認知的徒弟制
東京大学の中原淳先生の最新著書「職場学習論」を読んで、「認知的徒弟制」という言葉を初めて知りました。

学習主体の熟達プロセスについていっているのですが、このプロセスには次の4つの外部介入の在り方があるというモデルのようです。

①モデリング……熟達者が模範を示し、学習者はそれをみて真似ること。
②コーチング……熟達者が手取り足取り学習者を指導したり、助言したりすること。
③スキャフォルディング……自分でできることは学習者に独力でやらせてみて、できないところだけを支援すること。
④フェイディング……さらにだんだんと支援を少なくして、学習者を自律に導いていくこと。

なるほど、まさに新人育成のプロセスです。

今をさかのぼること25年前、私が新卒新入社員として配属された営業所に初出勤した日、営業所長からいただいた訓示の中で「うちは徒弟制度で新人は育てているから、とにかくついて来い」と言われたことを今でも覚えています。あれこれ窮屈に感じることもありましたが、私が作る入社当時を表すレゴ(「works100号参照」(?))は、むせかえるほど濃厚な人間関係にあふれています。そして象徴的なのは自動車のレゴ・パーツで、営業同行の車中で学ぶことの多かったこと。何といっても上司や先輩と相対での密室ですからね。特に私は静岡・神奈川担当でしたから、走行距離は平均200キロ強、時間もたっぷりありました。時にはお客様を乗せて走ることも。

当時の営業所長は、モデリングという言葉も、コーチングという言葉も、スキャフォルディングという言葉も、フェイディングという言葉も、当然知りもしなかったでしょう。でも、本当に完成された徒弟制度だったなぁと今から思うと感じられます。
私の社会人としての基礎(行動様式も思考様式も)はここでできたと思っています。
本当にありがとうございます。

《2010年11月16日》 先月はこんなに忙しい月はないなぁと思っていたら、今週のこの激しさは何だ。


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【2010/11/16 23:10】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
ちょっと整理です…11月前半編
11月も半ば、気候も寒くなってきました。
今年もあっという間に終わってしまいますね。
で、今月前半のブログの振り返りです。
お好み焼き検定、28日(日)です。今週はニッポン放送をお楽しみに。
「てっぱん」も開かずの間が開き、いよいよこれからです。

11月1日 試験直前大復習~SV講座:初回面談
11月2日 試験直前大復習~SV講座:全体
11月3日 新卒採用の現状をどう考えるか
11月4日 人事の書棚から107-109
11月5日 人事の書棚から113-113
11月6日 ワークライフインテグレーション再び
11月7日 人事の書棚から114 「職場学習論」中原淳著 東京大学出版会"
11月8日 今年の一文字
11月9日 第2回お好み焼き検定~11月28日(日)に迫りました
11月10日 親しみの法則
11月11日 パターン化された気づきと実生活から得られる気づき
11月12日 就職活動があるので留学に行けない
11月13日 組織社会化論~新卒新入社員について
11月14日 組織社会化論~経験者採用者について

《2010年11月15日》 人形町の名店「我や」閉店。何はともあれ、駆けつけますよね。で、深夜まで飲みました。


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【2010/11/15 23:37】 | 振り返り | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
組織社会化論~経験者採用者について
今日も組織社会化論についてです。

昨日と同じ引用ですが、東京大学の中原淳先生の最新著作「職場学習論」では、組織社会化論の定義として下記の2つを紹介しています。

「個人が組織の役割を想定するのに必要な社会的知識や技術を習得し組織の成員となっていくプロセス」

「新参者が、参入する組織の新たな役割や規範や価値を習得し、変化し、適応していく過程」

昨日は新卒新入社員の組織社会化について考えましたが、今日は経験者採用者の組織社会化について考えたいと思います。経験者採用者の組織社会化というのは、新卒新入社員のようにシンプルではなく、また極めてリアルなものがあります。

どんな会社にも「風土」というものがあります。それに馴染まずに、その組織で生活をするのは楽なことではありません。ですから、ある程度は組織社会化してくれないと、軋轢からつぶれるリスクがあります。しかし、組織社会化し過ぎると面白みがなくなりますし、何よりも新たな価値を持ち込んでもらえません。これは人事担当として悩むところです。

あるヘッドハンティング会社の社長は、入社して半年間はその企業のやり方で徹底的に働き、疑問に思ったこと、腹に据えかねたことは、手帳に書い連ねておくこと、けして表には出さない、という指導をした上で、送り出す際に手帳をプレゼントしているそうです。そして、半年たってから、いろいろと考えて手帳に書き連ねていたことを建設的に出していく、そのときには周囲はあなたの意見を聞いてくれるようになってくれているはずだ。というようなことをいわれていました。これは、新参者たるもの、まずは自らの組織社会化をまずは優先させろというメッセージでもあります。

もう一つこのテーマで思い出すのは、慶應義塾大学の高橋俊介先生が何かの著作で書かれていた「適応すれども、同化せず」という言葉です。

社会組織化というのは、基本的には「適応」のプロセスなのだと思いますが、それが行き過ぎて「同化」まで求めてしまっている傾向はないか。これは、意識しなければなりません。

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(2010/11/05)
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《2010年11月14日》 日本の女バレが勝ちました。32年ぶりのメダルだそうだから、高校生のとき以来ですね。こういうトップレベルの試合をみていると、明らかに「流れ」というものがあり、それをどうつかむか、離さないかで勝負が決まります。これはビジネスでも同じですよね。スポーツ以上に「流れ」が見えにくいだけです。


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【2010/11/14 22:01】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
組織社会化論~新卒新入社員について
組織社会化論は、私たち企業で人材教育に関係する者として、非常に大切な観点です。

東京大学の中原淳先生の最新著作「職場学習論」では、組織社会化論の定義を2つ紹介しています。

「個人が組織の役割を想定するのに必要な社会的知識や技術を習得し組織の成員となっていくプロセス」

「新参者が、参入する組織の新たな役割や規範や価値を習得し、変化し、適応していく過程」

企業において、組織社会化をもっとも理解しやすい存在は、新卒新入社員でしょう。

新卒新入社員における組織社会化とは、二面性があるように思います。すなわち、社会全般に対する組織社会化と、当該組織に対する組織社会化です。前者はビジネス社会一般に対する適応であり、後者は入社した固有企業に対する適用です。強いていえば、前者は「社会社会化」、後者は「会社社会化」とでもなるでしょうか。

そのいずれもが、入社した企業において行われるところがポイントです。

「組織社会化とは、組織という制約の中で、組織にとって益のある現実的行動を発達させる、組織参入時のプロセス」との記述が「職場学習論」の中にもありますが、ポイントは「組織にとって益のある現実的行動」ですね。ですから、「組織にとって益のないもの」はこの時点でスポイルされるわけです。尖っていた新入社員が入社した後に急速に角が取れていく、なんていう現象は、企業にとって組織社会化が成功したということなのかもしれません。それを称して「成長したな」という先輩もいるわけですから、組織の同一化機能はきわめて強いものがあります。

近年は新卒内定者研修を強化する傾向があり、これは組織社会化の早期化・強化現象だといえます。

企業が新卒新入社員の組織社会化を急ぐ理由は何でしょうか。

企業の面からみれば、組織社会化できた新卒新入社員は「適応」できた新卒新入社員です。上手に組織社会化ができない新卒新入社員は「不適応」者です。そして、不適応者の多くが、早期退職の道を選択したり、メンタルヘルス的問題に陥ったりすることを現実経験から知っています。企業にとってこれらは是非とも避けたいことです。組織社会化を急ぐことにより、新入社員が「小さくまとまってしまう」リスクを持つとしても、組織社会化されないことによるリスクよりもベターであるとの意識があるわけです。

新卒新入社員の組織社会化を考える際に、どうにも私にはわからないことがあります。

企業は明らかに組織社会化の促進を強化しています。採用段階・内定段階での取り組み、内定者教育の強化、入社時研修の再強化、メンター制度の導入、OJT制度の見直し、いずれも組織社会化の促進施策だともいえます。

よくわからないのはその背景です。

従来よりも新卒新入社員の組織社会化が容易ではなくなったという現実があるのかどうかという点です。危険なほどに組織社会化(この場合は会社社会化)しやすい新卒新入社員が増えているのではないかという疑念と、企業生活ができるだけの組織社会化(この場合は社会社会化)をするには相当に鍛えないと駄目だなとう新卒新入社員が増えているのではないかという疑念と、そのはざまで組織社会化の必要性は高まっているのか。

逆の観点からみると、強固に組織社会化されないと、耐えがたい組織が増えているのかもしれないという疑念もあります。ソーシャルサポートの力が低下した組織では、深く組織社会化しないと組織に溶け込むことができないのかもしれません。

果たして新卒新入社員育成担当者は、このあたりをどうとらえて業務設計をしているのでしょうか。

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《2010年11月13日》 今日はこれから大学の同期会、行ってきまーす。



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【2010/11/13 16:38】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
就職活動があるので留学に行けない
日本の若者が国内にこもっている…という話がありますが、アメリカの世論調査企業ギャラップ社が発表した調査結果でもそれが裏付けられたといいます。これは10月9日に発表した「移住に関する意識の国際調査」(世界148か国の成人35万人を対象)というものですが、原文を読んでいるわけではないので曖昧なところはご容赦ください。

この調査によるとアジア諸国・地域の若者たちがこぞって国外へ移住したがっている中で、日本とシンガポールだけは例外だという結果が出ているそうです。ギャラップ社は、少子高齢化が進む両国にとってよい傾向だと分析しているとのことですが、うーんです。

この中で、アジア各国からの頭脳流出が問題視されています。他国への移住を希望する高学歴者が全員移住した場合、台湾で高学歴層の約3分の1が、韓国・香港でも3割近くが流出してしまうという結果だそうです。日本はそれらに比較するとかなり少ないですが、高学歴層の13%が流出してしまう結果だそうです。これって、すごい数じゃないですか。
 
で、また就職戦線・採用戦線の話です。

各大学では正式・提携を含めて、多くの留学プログラムが提供されています。夏季休暇中のみといったものも多くありますが、本格的なものは9月から翌年6月までの1年間の留学ができるというのがスタンダードです。大学の正式・提携留学プログラムの場合、留学先での単位を認定する仕組みが結構入っているので、約1年間留学をしても頑張って単位をとれば4年間で卒業が可能です。基礎的な学びを終えた大学3年生の9月から、大学4年生の6月までの留学が本来の典型的なパターンでしょうか。

で、そこで立ちはだかるのが日本における就職活動の壁。

現行の就職活動スケジュールを考えると、大学3年生の9月から大学4年生の6月をブランクにするというのはあり得ないことです。そのために、留学を断念している、もしくは留学を視野にいれようともしない大学生が相当数いるのではないでしょうか。もちろん大学を5年間で卒業することを前提に留学に行けばいいのですが、そんなに裕福な学生ばかりではありません。

これらの学生に対して、外資系企業はさまざまな手を提供しています。帰国した6月以降にインターンシップを行い、そのまま雇用につなげるとか。こういった対象となる学生の頭脳は結果的に海外流出してしまうわけです。今の採用活動が、大学生が世界に目を向ける機会を奪っているとともに、数少ない海外に目の行っている頭脳の海外流出を促しているとも極力できます。

やはり、今の採用活動の常識、絶対に変えなければなりません。

《2010年11月12日》 キャリアカウンセラー協会のスーパーバイザー認定試験、今日が最終日。社会人の都合を配慮して複数の試験日程が設定されています。で、私は文化の日に受験済みなのですが、他の日程に受けた人も夜の新橋に集まっての打ち上げです。私が着いたのは21時30分。私たちは後にも先にも、一期生。素敵でありかつ責任のある立場です。合格しても、合格しなくても、一期生には変わりありません。で、次は合否発表後の29日に神保町のキャリアカウンセラーの聖地「三幸園」で飲みます。



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【2010/11/12 23:56】 | キャリア~学生・就職・採用 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
パターン化された気づきと実生活から得られる気づき
来月早々に「経験学習論と大学生の学びについて」というタイトルでしゃべらないといけないことになっているので、今日はちょっと考えてみました。そもそもこのオファーをいただいたのは、2007年と2008年のキャリアデザイン学会でCDCという企業横断的な人事担当者の会で行った発表内容がご縁ですので、それを単に振り返っただけなのですが…。

この研究では、816名の大学生に対する定量調査と、6つの大学のキャリアセンター担当者、大学へのキャリア支援施策販売をビジネスにする企業、企業に対する採用業務支援をビジネスにする企業、参加メンバー企業の若手好業績社員19名へのインタビュー、という定性的な調査を行ったのですが、特にインタビューを見直してみると、実に本質的な語りがいくつかあります。

そんな中から1つ。

『外注業者が提供するキャリア教育のメニューは良くできており、それなりの「気づき」を学生にもたらすものの、あくまでもパターン化された「気づき」であり、実生活から得られる「気づき」とはまったくレベルが異なる』。

某大学のキャリアセンターの責任者の方の言葉です。キャリアカウンセリング協会のメルマガにこの方が寄稿している文章を読み、この人にならば素敵なインタビューができると確信し、キャリアカウンセリング協会の事務局にご紹介の労を依頼し、その上でお会いした方です。本当に強い思いと信念をお持ちの方でした。

この「パターン化された気づき」の怖いのは、本人がその気になってしまうことと、「パターン化した採用面接」しかしていない大半の企業には「就職活動」という局地戦では通用してしまうことが比較的頻繁にあることです。しかし、実際に社会に出て試練にぶつかった後は「パターン化された気づき」では応用が利きません。これはあくまでも「気づきの疑似体験」でしかないからです。

で、私たちの使命は、1人でも多くの大学生に「パターン化された気づき」ではなく、「実生活から得られる気づき」を伝えることです。私がインターンシップを大切にしているのもこのためです。私たち1人1人が影響を与えられる学生はほんの数名かもしれませんが、1人でも多くの企業人が同じ思いを持てば、これを日本中に拡げられます。

就職のための切り離されたキャリア教育ではなく、大学での学習生活・課外活動全体が実は優れたキャリア教育になりえるものであり、それを機能させることが大切でなのです。ただ、昨今の就職難を誤ってとらえている人たちが、善意を持ってそれをさらに良くない方向に誘導しようとしている風潮が心配です。

《2010年11月11日》 今日は「立ち飲みの日」。でも、飲まずに病院でした。ソーシャルワーカーとお話しましたが、難しいですねえ。


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【2010/11/11 22:50】 | キャリア~学生・就職・採用 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
親しみの法則
土曜日にやった「ファシリテーション研修」。

冒頭でグループ内自己紹介をやるのですが、講師からいくつか紹介内容が指定され、その中でプライベートの話も扱います(マイ・ブームをいうとかいう感じの奴でした)。

アイスブレークを兼ねて、冒頭にグループ内で自己紹介をするケースは多いですが、自己紹介でプライベートの内容を意識的に織り込ませるのはなぜでしょうか。

それはプライベートのことを話しあった方が、距離が縮まるからです。

そんな話を説明しながら、引き続いて講師が紹介したしたのは、ザイアンスの親しみの法則。これには3つあります。

□熟知性の法則……当たり前ですが、人は知らない人には距離をおきますし、場合によっては攻撃的にすらなります。なるべく接点を増やしてお互いを知っていくことですね。

□類似性の法則……たまたま共通点がみつかったことだけで、もの凄く人間関係の距離が縮まったことってありませんか。これが類似性の法則です。初対面の人とは、小さいことでもいいから共通するものを探すというのも大切なことですね。

□解放性の法則……お互いに自己開示が上手にできると、これは距離が縮まります。自己開示のひとつのきっかけは、プライベートなことを話すことです。

チームメンバー同士でこれが実現されていると、確かにいいチームになりますね。

《2010年11月10日》 日吉から帰還。障害者雇用に取り組む企業を扱っている事業があるとの話をインターン生から聞いて、本日訪問です。久しぶりに大学の授業を受講しました。で、終了後は人材育成関係者が日吉で飲む会。近隣に住む皆様が次々訪れます。人事の世界って、間に人を1人入れるとだいたいみんな知り合いになるのが凄い。次の約束がいくつか決まるのも凄い。つくづくいい職業をやっていると思います。


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【2010/11/10 23:20】 | コミュニケーション | トラックバック(0) | コメント(1) | page top↑
第2回お好み焼き検定~11月28日(日)に迫りました
さて、再度「にっぽんお好み焼き協会」が主催する「第2回お好み焼き検定」のご案内です。私も理事として、当日は受付か試験監督をやってます。

ちょっと話は変わりますが、本日はニッポン放送のイマジン・スタジオにお邪魔して「看板娘ホッピー・ミーナのHOPPY HAPPY BAR」の収録を立ち会ってきました。ホッピービバレッジの石渡美奈新社長が長らくやっているラジオの帯番組です。

今日のゲストはわれらが「にっぽんお好み焼き協会」の佐竹会長。来週1週間分の収録を手早く行いました。

放送時刻は下記のとおりですよ。

ニッポン放送 月~金 21:57-22:00
ラジオ大阪  月~金 20:26-20:29
東海ラジオ  月~金 21:57-22:00

垣花アナの軽妙な振りと、ミーナの明るいノリもあり、最初は緊張気味だった佐竹会長も後半はノリノリでした。ミーナも佐竹会長も3代目、そして一度は外に出て家業に戻った仲、さらには2人とも間違ったお好み焼き、間違ったホッピーの飲まれ方に心から哀しんで正しい本物を広げようとしている、そんなつながりがありました。それにしても、この3名、ホッピー飲みながら収録するんですよ。

さて、今日の放送での1番の話題は、きたる11月28日(日)に実施予定の「お好み焼き検定」でした。昨年に第1回を実施して、実に540名もの合格者を輩出している検定です。私もちゃんと合格しました。

検定料は3150円で、盛りだくさんのお土産付です。現在のところ、日清フーズのお好み焼き粉、ブルドックソースのお好み焼きソース、ホッピービバレッジのホッピー、正田醤油のタバスコ醤油(?)などが予定されています。これだけでかなり検定料のもとが取れます。

試験は50問のマークシート方式、4択です。WEBから申し込みをすると、要点集というテキストがダウンロードされますので、これを使って学習してください。ちゃんとやれば、必ず合格するはずです。もっと学習したい方は「関西焼き完全読本」で学んでください。ただ、今回は初級なので要点集レベルで十分に合格できます。

で、特別大サービスで今日は昨年の問題例をいくつかご紹介してみます。試験のイメージを固めてみてください。

問題: 関西風お好み焼きの特徴は外はカリッと、中は何でしょう?

①ふわっ、②べたっ、③もちっ、④とろっ

問題: お好み焼きをふっくら焼き上げるための大切なポイントとなるのは何ですか?

①油、②天かす(揚げ玉)、③空気、④醤油

問題: お好み焼きをふっくらと焼くこつで間違っているものはどれでしょうか?

①生地は厚みを持たせておく、②鉄板温度は高めに、③押さえない、④よく叩く

問題: 最初にお好み焼きをひっくり返すタイミングは、お好み焼きがどんな状態のときでしょうか

①焦げたにおいがしてきたとき、②ぱちぱちと音がしてきたとき、③縁が黄色くなったとき、④煙が出てきたとき

問題: お好み焼きを焼く時間の目安は、裏○分、表○分、裏○分。○の中の数字で適当なのは?

①2:5:3、②10:10:10、③5:5:5、④8:8:8

問題:日本で1番、人口1人あたりのお好み焼き店が多いのはどこですか?

①北海道、②富山県、③徳島県、④福岡県

問題:日本全国にはお好み焼き店が何軒ありますか?

①5000軒、②18000軒、③50000軒、④80000軒

さて、いかがでしょうか。何問くらい自信がありますか。これらの問題がマスターできれば、お好み焼きのうんちく王にもなれますし、美味しいお好み焼きをつくるポイントはしっかりと理解できます。答えを知りたい方は、今すぐに検定を申し込んで、要点集をダウンロードしてみてください。

では、28日(日)に検定会場でお会いしましょう。
お申し込みは、コチラまで。

関西焼き完全読本―うまいお好み焼き・おいしい鉄板焼き・全レシピ関西焼き完全読本―うまいお好み焼き・おいしい鉄板焼き・全レシピ
(2007/12)
若竹学園

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《2010年11月9日》 ニッポン放送のイマジン・スタジオ、素敵でした。でも、仕事の展開は素敵にはいかず、日本大学に行けずに夜が終わってしまいます。


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【2010/11/09 22:03】 | 未分類 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
今年の一文字
この1週間、ツイッターの世界では日本郵政の「今年の一文字」の話がずいぶんと行きかっていましたね。これは日本郵政が年賀状販売促進のために作ったサイトで、自分のツイッターのアカウントを入れると、画面上で自分の書いた今年のツイッターが日付順に流れていき(これがいいリフレクションになるのです)、最後に自分が今年これまでのツイッターで一番多く使った「今年の一文字」が出るという仕組みです(トップ10まで出ます)。

皆さんがこの結果をツイートするのですが、中原淳先生や金井寿宏先生は、なるほどさすがに「学」、糸井重里さんは「思」、であるとか、それぞれその人らしいなるほど!という文字が選ばれています。

で、私の場合は「会」。203文字つぶやいていたらしいです。

これもなるほどなぁと思いました。
たまたま先日、中原淳先生とLearning Barについて話をする機会があったのですが、Learning
Barでお話をうかがった方のうち、かなり多くの方に直接お話をまた聞きに会いにいっていることに気づきました。その結果、ビジネスになった方もいます。つまり、聞くだけでなく、もう一度会うというのを自然とやってたということです。

これに限らず、何かあると私はよく人に会いに行きます。何か新しいことをやる場合、まずは近いことをやっている人に会いにいきます。考えているよりも、知っている方、経験をされている方の知恵をお借りしようということです。また、何かでご一緒した方も、できる限り別の場所で改めてお会いするようにつとめています。もちろん限界はありますが。

あらためて、これが自分の仕事のスタイルであり、ライフスタイルなんだなぁと感じました。だから、夜の予定がなかなか空かないんだなぁとも思いました。

《2010年11月8日》 一昨日の戸山高校同窓会、昨日の銀座手打ちうどんの会と、いろいろな意味で激しい会が続いたので、今日はちょっと力が抜けた状態。でも、気合い入れて働きました、とさ。



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【2010/11/08 23:49】 | キャリア~全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
人事の書棚から114 「職場学習論」中原淳著 東京大学出版会
*************************************************************

……僕は君の「未来」を思う。
 君が大きくなる頃、この国の企業や組織はどうなっているだろうか。君が勤務する職場は、どのようになっているのだろうか。君は、君自身を成長させてくれる素敵な他者、ともに働き汗を流せる仲間に、何人巡り会えることができるだろうか。
 そんなことを密に思いながら、今は、筆をおこう。
 きっと「未来」は明るい。否、「明るくしなければならない」。私たちの後に続く世代のために、我々の力で、それを明るく照らし出す他にはないのである。

*************************************************************

東京大学の中原淳先生の新著にして初の単独執筆本「職場学習論」は、こんな言葉で締めくくられています。本書は、東京大学出版会から発刊された、いわゆる学術書です。先行研究の整理から始まり、統計処理を駆使した分析・考察により仮説を検証するというプロセスを踏んだ本です。ただ、それに豊富なインタビューによる定性的でリアルなエッセンスが見事に織り込まれており、極めて読みやすい学術書に仕立てあがっています。

そして、読んで感動できる学術書に仕上がっています。すべての人材育成関連者だけでなく、ラインマネージャーに読んで欲しい本です。素直な読後感は、「やっぱり会社って素敵じゃないか」「やっぱり仕事って素敵じゃないか」、そして「やっぱり日本って素敵じゃないか」ということです。そんなことを学術的な見地からいってくださることは、実務家にとってもものすごい心の支えになります。

冒頭でご紹介した中原先生の結びの言葉にはとても驚きました。

実は、この言葉は私の仕事に対する動機そのものなのです。365日24時間仕事のことを考える原動力は、まさにこの気持ちです。自分みたいな小さな存在が何をできるのかはわかりませんが、次の世代のために未来を明るくしなければならないという思いがかけねなしで仕事の原動力になっています。転職した理由もそこにあります。そして、日々あれこれと学びを彷徨い歩いているのも、次の世代のために未来を明るくすることにもっと上手に寄与できることはないかというのを模索しているためでもあり、少しでもそういったことに寄与できるように自分を育てるためでもあります。小さいことでもいいですから、今の大人の世代に属する人たちが、特に人材育成という未来を創る仕事に携わっている人たちが、こういった思いを共有できたら、これはもの凄い可能性が拓けることだと思っています。

こんなに情緒的に学術書の紹介をしていいのかよくわかりませんが、情緒的な紹介をされる学術書というのは、なかなかないと思います。

多くの方に読んでいただきたいので、もう少しだけちゃんとした紹介も付け加えます。

本書が解き明かそうとしているのは、主に以下の2点です。

①人は職場において、どのような人々から、どのような支援を受けたり、どのようなコミュニケーションを営んだりしながら、能力の向上を果たしているのか。

②職場における人々の学習を支える他者からの支援やコミュニケーションに影響を与える、職場の組織要因にはどのようなものがあるのか。

視点はあくまでも「他者」にあります。

本書は6章構成になっています。

第1章は『「職場における学習」の背景をさぐる』として、広く先行研究の紹介があります。中原先生の教えを受けている人であれば、いずれも耳にはした理論が、改めて整理されています。日本のHRを取り巻く環境の変化を歴史的におったり、組織社会化論・経験学習論・組織学習論のおさらいがあります。職場学習論というのは、経験学習論に職場を取り巻く上司・上位者・同僚・同期・部下などの他者からの作用の要素を強く加えたものだとも解釈できます。

第2章から第5章までが、本論になります。
まずは、第2章で職場における多くのタイプの他者の、誰からどのような支援を得ているのかが丁寧に分析されています。その結果、支援の種類を「業務支援」「内省支援」「精神支援」の3つに区分します。その上で、誰がどのような支援を多くしているのかを整理します。
第3章では、職場における能力向上に着目します。向上する能力を「業務能力向上」「他部門理解向上」「他部門調整能力向上」「視野拡大」「自己理解促進」「タフネス向上」の7つに区分します。
そして、何といっても読み応えがあるのが第4章であり、第2章と第3章の結果から、誰がどのような能力向上に寄与しているのかを解き明かします。この章からは、私たちが取り組むべきことをたくさん示唆いただきました。それらについては、またおいおいい整理してブログにも書きます。
そして、第5章では『職場コミュニケーションと能力向上』と題して、業務経験談と能力向上の関係等を解き明かします。ここではマネージャーの振る舞いについても言及されます。
最後の第6章では感動的なまとめとなるのですが、越境学習についても触れられます。これはたぶん次のラーニングバー本(学術書ではないですが)で少し趣を変えて引き継がれるのではないでしょうか。

かなり整理して文字に残しておきたい内容があることと、リフレクションしながら考えを深めたいことがあるので、何度かにわけてまたこのブログでも取り扱わせていただくことになるかと思います。

本書の第2章から第4章までの調査のベースになった富士ゼロックス総合教育研究所と神戸大学の松尾睦先生との共同研究の結果がまとまった際に、富士ゼロックスの営業が「絶対に興味を持たれる調査が出ましたよ」と持ってきていただいたことを思い出します。また、中原先生には、弊社にもインタビューにお出でいただき、私と人事の若手メンバー、営業の若手リーダーにインタビューをいただきました。明らかにそれと思われる引用が何箇所もあり、うれしい限りです。また、他者の目から自社の良さを改めて指摘された感じもし、勇気が出ます。

気づいたらまた情緒的になってきました。

ある意味、この本は中原先生の「働く大人の学習・成長」に関するここまでの6年間の取り組みの集大成であり、これからの一歩への宣戦布告的な本です。

本書は、先般ご来社いただいた際に頂戴したのですが、その際に添えられたレターには「次作の専門書では、何年か先になりますが、経営学習論についてまとめていきたいと考えております」とこれまた凄いことが宣言されています。職場というのは「場」ですから、ある意味では「学習論」は成り立たせやすい概念ではないかと思いますが、「経営」にそれを語るとなると、また一段違ったご苦労があると思います。

いずれにしても、大学という場に身を置かれる専門家である先生方が、実業にどっぶり漬かっている私たちとの交流を続けながら、双方に刺激的なアウトプットがなされるということが当たり前のようになってくると、日本という国の中で、まだまだ魅力的な化学反応が生まれるはずです。それが冒頭の先生の思い、そして私自身の働く動機というか、生きている意義、にきっと結びつくはずだと信じています。

『君は、君自身を成長させてくれる素敵な他者、ともに働き汗を流せる仲間に、何人巡り会えることができるだろうか』。そんな場と仕掛けを作るのは、間違いなく、私たちの仕事です。それが企業内ラーニング・イノベーターが取り組むべき大切な仕事です。

読了後、すぐにブログを書いたのは初めてですかね。酒井穣さんがメルマガの増刊号を出した気持ちがとってもよくわかりました。

職場学習論―仕事の学びを科学する職場学習論―仕事の学びを科学する
(2010/11/05)
中原 淳

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《2010年11月7日》 あまりにも感動できたので、夜をまたずにブログをアップ。もうじき、【やゑくら】派生企画、手打ちうどんの会です。


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【2010/11/07 14:15】 | 書籍紹介 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
ワークライフインテグレーション再び
昨日のブログで酒井穣氏の「これからの思考の教科書」から以下のような引用をしました。

『近年「ワーク・ライフ・バランス」という言葉をよく耳にするようになりましたが、私はこの言葉があまり好きではありません。ワーク・ライフ・バランスとは、それを求める者に、各場面で「仕事」と「人生(家庭)」の二者択一を迫るものだからです』(P176)

バランスというとついついシーソーが思い出されます。

家庭に傾くと仕事が軽くなり、仕事に傾くと家庭が軽くなり、そんな絵です。ただ一度しかない自分の人生、ワークとライフを二者選択的に考えるのではなく、両方を取れるようなことが考えられないものでしょうか。仕事の中でよく対峙することがあると思いますが、二者選択的な思考法は、非常に世界を狭いものにします。どんな時にでも、二者択一ではなく、両方得られないかを考えることにより、人の成長は促進されるようにも思います。

慶應義塾大学SFC研究所キャリアリソースラボラトリーの花田光世先生や高橋俊介先生は、早くから「ワーク・ライフ・インテグレーション」という言葉を使われています。私もこの言葉を支持します。

10月29日(金)に法政大学であったシンポジウム「新卒採用の現状をどう考えるか 大学と企業との対話」で某社のJIRO部長に会いました。終了後の懇親会で大学3年生と飲んだのですが、彼女らは11月20日に東レ研究所の佐々木氏を招いてのイベントを準備しているそうなのですが、彼女の口から「ワーク・ライフ・バランス」という言葉が出ました。働いてもいないのに「ワーク・ライフ・バランス」がわかるのかなぁと思うのですが、そこでたまたま私がJIRO部長に「今日、ここでこうやって懇親会で飲んでいるのはワークですか、ライフですか」と聞いてみたら「もちろんライフ」との回答が返ってきました。私も答えは同じで「ライフ」です。

法政大学に来て新卒採用の現状の情報を収集したり、大学の先生方とネットワークを構築するのは、もちろん仕事の一環ではあります。でも、感覚的には間違いなく「ライフ」です。このあたりの感覚を理解していただくのは難しいのですが、仕事としてやっている「ライフ」も大量にあります。休日に自宅でやっている「ワーク」もたくさんあります。たぶん、幸せな働き方をしていると「ワーク」と「ライフ」は統合されてきます。表面的な「ワーク・ライフ・バランス」思想は、日本の労働法と同じで、「ワーク」と「ライフ」を二者択一で切り離そうとする危険さがあります。それでは、けしていい仕事はできないでしょうし、わくわくした人生も送りにくいのではないでしょうか。

大学3年生は、これは「ライフ」というJIRO部長に、「そういう考えっていいな」と言っていました。是非、そういう何かをつかんで欲しいなと思います。ただ、そういう何かは必死に「ワーク」に取り組んだ末に見えてくるということも忘れてはなりません。

《2010年11月6日》 休日出勤のあと、高校の同窓会。東京都立戸山高校、自由で呑気でいい学校でした。大学受験準備は卒業してからという感じで、高校生活自体を楽しんでいる人が多かった高校です。3年生の時の戸山祭のために制作した映画が会場で流れます。それを見ている29年後の仲間たち。学年の半分もの人が高田馬場に集まったのも凄いです。ただ、同窓会の副会長さんからは、同窓会費を払っているのは1割しかいないとのお叱りも。



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【2010/11/06 23:15】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
人事の書棚から113-113
もう1日、「人事の書棚から」です。

人事の書棚から:113 「これからの思考の教科書」

遅くなってしまいましたが酒井穣さんの最新著作です。素敵な表紙ですよね。さすが。

タイトルとおりに思考法の本です。ちまたの思考本といえば、ロジカルシンキングを突き詰める本、創造性的な方面の本に2分されているように感じますが、本書はそれらを包括したまさに本当の思考法の本です。
全体は3つの章立てになっています。①ロジカルシンキング(垂直思考)、②ラテラルシンキング(水平思考)、③インテグレーティブ・シンキングの3つです。

ロジカルシンキングについては、簡潔にわかりやすく全体像が整理されています。ロジカルシンキングの入り口を平易に理解したいという人は、ロジカルシンキングだけを書いた本を買うよりも、本書を買って第1章を読んだ方がいいんじゃないでしょうか。ラテラルシンキングについては、書籍でこれを伝えるのはかなり難しいところがあります。これに果敢にチャレンジされています。そして、本書の本質は何といっても第3章、インテグレーティブ・シンキングにあります。酒井さんも言及されていますが、インテグレーティブ・シンキングこそ、人間が人間である営みだと私も感じます。

本書の内容はこのくらいにします。

酒井さんの書籍は一通り読んでいますが、共感できることが多く、基本的な思想や思いに近いところをいつも感じます。本書の記述の中で、いくつかそんなところをピックアップしてみます。

①『近年「ワーク・ライフ・バランス」という言葉をよく耳にするようになりましたが、私はこの言葉があまり好きではありません。ワーク・ライフ・バランスとは、それを求める者に、各場面で「仕事」と「人生(家庭)」の二者択一を迫るものだからです』(P176)

本当にそのとおりです。慶應義塾大学SFC研究所キャリアリソースラボラトリーの花田光世先生や高橋俊介先生は、早くから「ワーク・ライフ・インテグレーション」という言葉を使われていました。ここにこそ、インテグレーティブ・シンキングの発揮が望まれます。二者択一で生きていては、本当に幸せになることは難しいと思います。

②「意識的か否かにかかわらず、この世界には、それを求めている人にしか見えないことがたくさんある」(P125)

テーマを持って生きることの重要性を説明する中での言葉ですが、これも実感できます。常にテーマを持ち、意識していると、世界からいろいろな情報が入ってきます。そして、情報と情報をつなげることにより、発想が生まれます。仕事についてはまさにそうで、18時の終礼チャイムと同時に仕事脳をしまってしまうのでなく、24時間オープンにしておくことによって、自らを助けてくれる発想が生まれてくるものです。仕事ができる人と、仕事ができない人の差は、そんなところにあります。

③「創造力だけで勝負できる場所などどこにも存在しないのであって、地道に積み上げたスキル(基礎)」の上に、そのスキルの文脈の範囲内においてのみ花咲くのが価値のある創造性だということです。

うーん、またまた同感。価値のある創造性というのは、夢想ではなりませんから、リアルな積み上げの上で初めて意味をなすわけで、リアルな積み上げをいかにできるかが大切になります。天才的と見える人も実はしっかりとした積み上げもしていたりするのです。創造性というのは、ふわっとしたものではないのです。

これからの思考の教科書 ~論理、直感、統合ー現場に必要な3つの考え方~これからの思考の教科書 ~論理、直感、統合ー現場に必要な3つの考え方~
(2010/09/28)
酒井 穣

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このコーナー、私の書棚にある本から毎回3冊選んで、一言コメントをするのが趣旨ですが、今回はついつい長くなったので、1冊だけにしておきます。特別ですね。

《2010年11月5日》 さて、明日は普通に出社して研修立ち合い。ただ、途中で抜けて同窓会です。東京都立戸山高校、素敵な高校だったな。学校内で、戸山祭で各クラスが競って作った映画を何本か見るらしいよ。そのあとは、高田馬場。私は城北会に入っていないみたいで行方不明卒業者らしいが、開催されるのを友達から教えてもらえた。来週は大学の同窓会。年をとると同窓会は増えるらしい。


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【2010/11/05 23:29】 | 書籍紹介 | トラックバック(0) | コメント(2) | page top↑
人事の書棚から110-112
かなり久しぶりですが「人事の書棚から」です。この企画は今年の5月の連休から始めていますが、私の部屋の書棚にある人事関連の本をランダムに紹介しているものです。バックナンバーに興味のある方は、左側にある「カテゴリー」の「書籍案内」をクリックしてください。


人事の書棚から:110 「ポジティブな人だけがうまくいく3:1の法則」

「支援塾」第1回の金井壽宏先生の課題図書の1冊でした(課題図書は3冊もありました)。
ポジティブ心理学の本です。世の中にはポジティブ本はあふれています。変なポジティブ信仰がはびこり、どうもポジティブはすべて肯定されるべき良いものと理解されてしまい、『全国民が躍起になってなんだか見当違いの痛々しい明るさをそれはそれは忙しく演じてきた』というような状況を引き起こしてきてしまった感じがします。本書ではこれを冷静にとらえています。

『人間の脳に不意に浮かび上がる気分に無価値なものはひとつもない。すべてが重要な役割を持っている。暗さ、寂しさ、怒り、このようなネガティブな気分は、そのときのその人にとって、しても必要だからわいてくるのである。(中略)そんな脳のシグナルを無視して、やたらに「ポジティブが一番」と大声で笑い合い、心の奥と対峙せずに自己をもみ消す毎日。(中略)それはジワジワと心身を蝕み、病理へとつながっていく危険な生き方である。』

実証研究から、ポジティビティ:ネガティビティ=3:1を黄金比率と導いています。本書202ページにはポジティビティ:ネガティビティの算出表あります。定期的にこれをやってみて、自己チェックをすることも有効かもしれません。

ポジティブな人だけがうまくいく3:1の法則ポジティブな人だけがうまくいく3:1の法則
(2010/06/24)
バーバラ・フレドリクソン

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人事の書棚から:111 「人材育成とキャリアデザイン支援」

川喜多喬先生の著書です。キャリアカウンセリング協会のスーパーバイザー養成講座にお出でいただいたのを機会に頂戴してしまいました。サブタイトルに「人材マネジメントの基本哲学」とありますが、そのとおりで、川喜多哲学のエッセンスが詰まっています。語り口調もいつもの川喜多節です。少しキャリアのことを考えた後に読むのに適していると思います。

人材育成とキャリアデザイン支援人材育成とキャリアデザイン支援
(2009/11/09)
川喜多 喬

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人事の書棚から:112 「チームを活性化し人材を育てる360度フィードバック」

HRアドバンテージの相原さんと南雲さんの著書です。360度評価ではなく、360度フィードバックであることがポイントです。当社でも何度もご一緒に議論させていただき、若干のトライアルなどもしているのですが、どううまく活用していくのがいいのかが、まだ整理しきれていません。360度に興味がある人には適した本です。

360度フィードバック―チームを活性化し人材を育てる360度フィードバック―チームを活性化し人材を育てる
(2009/03)
相原 孝夫南雲 道朋

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《2010年11月4日》 今日は3件、印象的な来客が。忙しい中で時間を確保するだけの意味があります。ありがとう、と感謝日誌っぽく終わります。


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【2010/11/04 23:19】 | 書籍紹介 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
新卒採用の現状をどう考えるか
10月29日(金)に法政大学であったシンポジウム「新卒採用の現状をどう考えるか 大学と企業との対話」はなかなか刺激的でした。大学教育側・企業側・大学キャリアセンター側の3つの視点で新卒採用について深堀します。第Ⅰ部では15分ずつ、各人からの問題提起があり、第Ⅱ部はパネルディスカッションになります。第Ⅰ部はショートムビーを何本も連続してみている雰囲気でした。

企業代表はキャノンマーケティングとベネッセの2社。キャノンマーケティングといえば例の「訳あって、今年の採用活動に出遅れます」の会社ですね。ベネッセは鬼沢課長が登壇されていました。

それにしても、改めて今の採用慣習はやっぱりなんとかしなければならないと思いました。その意味では、大学・企業・学生がお互いの本音をぶつけ合う、今回のような機会は貴重です。

上西先生からは、「企業はそんなに学生の母集団の数が必要なのですか」「企業はなぜ特定の大学だけに絞って採用活動をしたり、TOEICの点を指定して学生を絞り込んだりしないのですか」「企業はエントリーシートを何に活用しているのですか」という素朴かつ本質的な問題提起がありました。

ちょっと社名の知られている企業であれば、今や数万人のプレエントリーがあります。果たして企業はそれほどの母集団が必要なのか、確かにそのとおりです。ただ企業にとって「入社したい人」=「採用したい人」であれば、母集団拡大施策を打つ必要はないのですが、「入社したい人」=「採用したい人」が成り立たないので、黙ってても応募してくる「入社したい人」以外にも、自社を訴求して「採用したい人」がより多く入った母集団を創りたいという思いはあるわけです。ただ、それでも何も数万という規模のプレエントリーまで求めてはいません。ここで、思惑と現実のずれが生じます。

先日発刊された「Works」誌を読む限りでは、アメリカや韓国では大学指名の採用は当たり前のようです。日本では、なぜ「大学名不問」が喝采を浴び、大学での足切りが「学歴差別」といわれるのか、これは確かによくわかりません。男女差別は法的に問題ですが、学歴差別はなぜいけないのでしょうか。どうせうちの大学からは採用するつもりがないなら、先に言ってくれというのが、大学・学生の本音であり、これはまさにそのとおりだと思います。特に酷いのが外国人留学生への対応であり、外国人留学生に門戸を開くつもりがないのであればこれは明言するべきです。某大学の中国人留学生と飲んだ時に、彼ら彼女らはこれを強く訴えていました。採る気がないなら、期待させるな、と。

どうも新卒採用の問題について書くと、思いが散漫になり、整理ができません。
逆に現状の日本における最適な新卒採用の形態とは何かというアプローチから整理をしてみる必要がありそうです。このテーマは時間をつくって必ずどこかで取り組みます。

《2010年11月3日》 文化の日、晴天でしたね。中央大学の学園祭ではGlobal人事Bandが大活躍をしていたようですが、同じ頃、私はキャリアカウンセリング協会のスーパーバイザー認定試験を受験。筆記1時間&実技30分+口頭試問20分というのをやってきました。なにせ30分しかロープレがないので、非常に忙しく、かなりあわただしい第ゼロ次スーパービジョンとなりましたが、まぁ現状でやれることしかできないし、その場でのやれることはやったので、いくつも後悔は残るところはあるものの、とやかく考えても仕方がありません。1ついえるのは、この分野で何かもっと貢献をしていきたいし、そのためにさらに学びを続けていきたいということです。幸いなことに素敵な仲間もまた増えたことですので、頑張ります。



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【2010/11/03 22:43】 | キャリア~学生・就職・採用 | トラックバック(1) | コメント(0) | page top↑
試験直前大復習~SV講座:全体
明日はいよいよキャリアカウンセリング協会のスーパーバイザー認定試験の当日です。まぁ、GCDFでさえ1回落ちているので、容易にはいかないと思っていますが、直前に気になる点を整理します。時間不足のため、あくまでもざくっとですが。

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「自分はカウンセラーのときとは違ったことができる自分だ」と明確に意識すること大切。私ならこのクライアントに××する、というカウンセラー目線だけに陥ってしまってはいけない。スーパーバイジーにかわって、カウンセラーの役割をしない。それではスーパーバイザー自身の小型版を作るだけ。私の考え方のとおりに考えてみてくれというのは、自分流の押し付けでしかない。スーパーバイジーは、違った視点をもらった喜びは得られるが、その人らしい自律したキャリアカウンセラーにはなれない。

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最終的にはスーパーバイジーを一人の人間として成長させる。依存的にしてはいけない、最後は一人で解決できるようにする。スーパーバイザーはけして後見人ではない。

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3つの視点で確認すること(内田先生より)。
①クライアントは具体的に何を言ったのか
②カウンセラーはクライアントの話を聞いたときにどう思ったのか
③そしてカウンセラーはどう応答したのか

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橋本先生が提示された【スーパービジョンで取り扱う課題】の6つについて。

【スーパービジョンでとりあつかう課題】
A:バイジーがいう課題
B:バイザーがとらえたバイジーの課題
C:バイザーがとらえた「クライアントがとらえているであろうクライアントの課題」
D:バイザーがとらえたクライアントの問題
E:(カウンセラーがとらえた)クライアントがとらえたクライアントの問題
F:カウンセラーがとらえたクライアントの問題

***********************************************************

意見は事実と論拠(=なぜならば)からなる。事実と論拠が成立していないと意見は生まれない。スーパービジョンの中でも必ずこれを意識する。スーパーバイジーが語っていることは、事実なのか意見なのか。まずはこれを意識する。
事実を抑え、その論拠を抑える。事実と意見がつながる論拠はしっかりとあるか。「なぜあなたはそう思ったのか」「それはなぜなのか」。
コンサルタントがよく使うフレームワーク。「空・雨・傘のフレームワーク」。
  西の方から黒い雲が近づいている…事実
  夕方くらいには雨が降りそうだ…意見
  だから傘を持っていた方がいい…対処
すぐに対処に入らない。まずは事実があっているかどうかの精査が大切。次に事実から意見につながる論拠があるのかを精査する。いわば事実と意見の間の「理論」のチェック。
その上で、他の対処はないのかを考える。これは意見と対処の間の「理論」のチェック。カウンセリングの中でも、構造論的なアプローチでいこう、いや発達論的なアプローチだというように、変に理論に振り回されると先に対処(=各カウンセリング理論)が出てしまって、進め方が逆になるケースが多々ある。

それは本当に事実なのか。例外的な事実ではないか。その事実から発せられている意見は論理的か。その意見をもとに考えられた対処は論理的か。事実⇒意見⇒対処の間の論理性に徹底的に着目する。

***********************************************************

スーパーバイジー:「泣いてしまったクライアントをなぐさめてしまったのですが、これはいけないことですよね」
スーパーバイザー:「あなたはなぜそれがいけないことだと思うのですか?」
考えさせる力をつける。慰めていけないと思っていたら、それは間違い。正してあげる必要がある。でも、答えをいうのではない。どうして、慰めるのがよくないのかを改めて考えさせることが何よりも大切。

《2010年11月2日》 アメリカにいる息子の誕生日。メールやスカイプのなかった時代はさぞかし大変だっただろう。ただ、今は別の「大変」がたくさんある。


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【2010/11/02 23:37】 | キャリア~全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
試験直前大復習~SV講座:初回面談
11月3日文化の日はキャリアカウンセリング協会のスーパーバイザー認定試験です。

実技試験と筆記試験がありますが、スーパービジョン場面(ゼロ次面談)のロープレ30分+口頭試問、というのが実技試験になります。30分という極めて短いロープレはかなり厳しいですね。どんなスーパーバイジーがいらっしゃるのでしょうか。

で、試験対策ではないですが、今日はゼロ次面談について整理してみます。

キャリアカウンセリング協会の実施するスーパービジョンは、キャリアカウンセラーを対象に行うものですが、基本形は全5回となっています。そしてゼロ次面談とは、その5回の面談を実施する前に行うもので、スーパーバイザーとスーパーバイジー(キャリアカウンセラー)が初めて会う場でもあります。

ゼロ次面談の目的
○関係構築
○スーパーバイジーの評価(理解)
○目標設定
○契約の合意

流れはパターンにもよりますが、以下のように進むのがよいように考えます。

①自己紹介〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
ここはスーパーバイザーとスーパーバイジーの関係構築の始まりの部分ですから重要です。信頼関係を構築するということは、自分の一部を相手に委ねるということです。役割関係が人間関係に置換されることでもあります。人間関係はとは他には代替できない役割関係のことです。最初のうちは、スーパーバイザーとスーパーバイジーという役割関係であるものが、関係構築が進むことによって、この人という固有名詞を伴った人間関係に変わります。この人にかけてみようという気持ちをもってもらえるような関係構築が必要です。
自己紹介自体は時間的な問題もありますから、簡潔である必要がありますが、スーパーバイジーが安心できるような内容である必要もあります。定型パターンを持っておきながらも、相手の属性や雰囲気に合わせてアレンジした方がいいですかね。

②スーパービジョンの目的・流れの説明〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
これは③のあとにやってもいいようにも思いますが、③で目標を説明してもらった流れでケースに進んだ方がスムーズだと思うので、ここで自己紹介に引き続いて説明します。スーパービジョンの大目的は、キャリアカウンセラーとしての成長そのものですが、個別の目的はスーパーバイジーによって異なります。スーパーバイザーは教育的・評価的・支援的にこれに相対します。今回のゼロ次面談では、これからの5回にわたる目標を設定していきます。ただし、目標は途中で修正を必要とする場合があります。こういったことを簡潔に説明し、必要があれば質問を受けます。

③スーパーバイジーの情報を得る〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
自己紹介を終えたら、スーパーバイジーについての情報を得る段階です。漠然と自己紹介をしていただくよりも、スーパーバイザーから質問をするかたちの方がよさそうです。ただ、やや自由に話してもらえるような余地はあった方がいいと思います。いうまでもありませんが、このステップでも関係構築については意識して進める必要があります。ですから、雰囲気の作りやすい聞き方が求められますが、少なくとも、次のようなことは、ここで確認しておく必要があります。

・スーパービジョンの経験があるかどうか
・カウンセラーとしてどこでどんなことを学んできたのか
・カウンセラーとしての経験(日常的にどんなクライアントを対象に、どのくらいの頻度でキャリアカウンセリングの経験を積んでいるのか、クライアントが抱える問題にはどのようなテーマが多いのか)
・今回のスーパービジョンの目的は(動機につながる)

このステップでスーパーバイジーの全体像をざくっとつかんでおく必要があります。必要があれば補足質問も行います。ただし、あまり強固な仮説をここで創り過ぎるとあとで引っ張られる可能性があるので注意が必要です。スーパービジョンの目的・動機は確認しますが、これが必ずしも問題点とは限らないことにも留意が必要です。スーパーバイザーは、スーパーバイジーが「これが課題です」といって持ってきた課題については、基本的にはひっくり返して真の課題を探した方がいいというくらいの感覚でいいようです。

④ケース記録をあたる〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
スーパーバイジーとして感じているスーパーピジョンの目的、自らの課題を確認した上で、持参したケース記録の確認に入ります。

ケース記録はその場でみせられるので、じっくりと読みこんでいる時間がありません。まず最初に背景や概要を説明してもらった方が頭に入りやすいでしょう。その上で、ケース記録にそって簡潔に説明を求めます。気になったところは、ケース記録に書き込みながら話を聞きますが、とにかく忙しいです。
次にシート2の方を確認します。「クライアント自身が問題と思っているクライアントの問題」「カウンセラーがとらえたクライアントの問題」から順に入ります。

ケース記録を確認する中で、スーパーバイジーが目標・課題として掲げていることと、実際のカウンセリングの場でやっていることにズレがないのかをチェックします。スーパーバイジーができるといっていることと、実際にカウンセリングの場でできていないことの差がないかをチェックします。これらがわかればしめたものです。また、スーバイジーの思い込みがないかもよくチェックします。

さらには、持参したケースはいつもの典型的なケースなのか、それとも特異的なケースなのかも確認をする必要があります。特異的だという場合は、具体的にどこがどう特異的なのか、いつもはどうなのかも確認します。

このステップで何よりも重要なのは、スーパービジョンに入らないことです。あくまでもゼロ次面談は、目標を定めるまでが目的です。スーパービジョンには入ってはいけません。

⑤目標の設定・合意〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
当初にスーパーバイジーが言っていた目標にそのままなる場合もあるでしょうが、修正される場合も多いかと思います。目標については合意が大切ですが、スーパーバイザー側から投げかける必要がありすま。その際に、役割関係から相手が腹落ちしていなくても「ok」といってしまう可能性があることをよく理解しなければなりません。願わくばこの段階までに、不承不承でもok出しをしてしまう関係ではなく、違うと思ったら違うといえる関係ににまで、関係構築が進んでいるといいのですが…。

「関係構築はできているのですが、そこから先がうまく進まなくて」といってくるスーパーバイジー、しかし一緒にケース記録をあたっていくと、実は関係構築がうまくできていないことに問題があるというケースもあります。この場合、そこのズレは指摘する必要があるわけです。

《良くない目標》○やることが具体的に絞れない目標。例:「誰にでも完璧なカウンセリングができるカウンセラーになりたい」
○カウンセリングになってしまう目標。例:「自分の性格を変えたいんです」
○特定の理論を学ぶ目標

《良い目標》○スーパーバイジーの状況にあったもの
○具体的であるもの
○コンピテンシーに当てはまるもの

《コンピテンシー》………【基盤としてのコンピテンシー】
①セルフアウエアネス
②分析的思考
③ケースマネジメント
④専門性の向上
………【カウンセリング場面におけるコンピテンシー】
⑤関係構築力
⑥プロセス構築
⑦クライアント評価
⑧意思決定
⑨介入行動
………【特定場面】
⑩臨床的判断
⑪組織・人的資源管理からの観点・判断・対応
⑫グループダイナミクスの活用

⑥契約を交わす〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

てな感じでしょうか。
で、30分の実技試験のあと、口頭試問があります。何となく流れでやってしまっていると、口頭試問でしっかりとした話ができません。常に自分はパイジーに対して、何のために何をしようとしているのか、意識をしたいと思います。

《2010年11月1日》 障害者雇用のための特例子会社を作ることにしました。しかも超スピードで。理想的なものはできないですが、最善を尽くさなきゃです。担当も頑張っています。


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【2010/11/01 23:34】 | キャリア~全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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