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ちょっと整理です…1月後半編
毎月、月中と月末に半月分のブログを振り返っていますが、今年も既に1カ月が過ぎたことになります。こうやって、ものすごい速さで時が流れていきます。もっと、今やりたいことがあるはずなのにできない、そんな葛藤など振り向いてもくれません。でも、その中でぎりぎり何だけはやっていくかが、時を生きているということなんだと思います。

ここのところ外部に出る頻度がなかなか上がらないのですが、この半月は少ないながらも大変にインパクトをいただく機会が3回ほどありました。ブログも書くことに悩まないですむ状況が今のところ続いています。

何となく最近、タイトルが長いのが気になります。なんでだろう。

1月16日 休学して海外に出る若者を応援しよう
1月17日 ビジネスは説得のゲームである
1月18日 本当の自分を理解してもらう採用面接
1月19日 経団連の出した2013新卒採用の方向性について
1月20日 「なんべん言ったらわかるんじゃ」は上司の敗北宣言
1月21日 あなたの中の最良のものを
1月22日 1日に夜が2回くる国に行きたい
1月23日 コロキウム
1月24日 講座からのコミュニティの誕生
1月25日 ロジャースが提唱する自分らしい生き方への10か条
1月26日 会社は学ぶところではない、学んだことを使うところである
1月27日 人がえらくなっていくのは、フィードバックが減っていくプロセスである
1月28日 "キャリアデザイン学会へのお誘い
1月29日 キャリアラボSV~本日の紹介図書
1月30日 何に対して寄り添ってラポールを形成するのか


《2011年1月31日》 今週の土曜日に日本キャリアデザイン学会の今年最初の研究会があります。テーマは『演劇に生きる―演劇人キャリアの現実を見る』で、講師として越光照文氏(演出家:桐朋学園芸術短期大学学長)がご登壇されます。私は結婚式とぶつかっており行けないのですが、まだ若干ですが空きがあるようなので、興味のある方はキャリアデザイン学会HPよりお申込みください。学会広報も大切なお仕事です。

 
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【2011/01/31 23:34】 | 振り返り | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
何に対して寄り添ってラポールを形成するのか
昨日のキャリア・ラボのスーパービジョンの最後はロープレでした。

私がキャリアアドバイザー役で、相手はケースを演じます。
定年(この企業では63歳)まで5年を余して58歳でポストオフになり、本来であれば他部署に異動して担当職を務めるところが、会社の都合でポストオフ以前の部署にそのまま残り、今までの部下が上司や同僚になったというクライアントです。
周囲にどう対処してよいのかわからないながらも、変わらなきゃという気持ちは持っている、そんに方です。

ここで、ラポールの取り方について。

日常の面談系と、心の問題系ではラポールの取り方も違ってくるという話です。
GCDFのようなキャリアカウンセラーの勉強をすると、ラポールを形成する、つまり関係構築の段階では、相手の気持ちに寄り添うものだと意識します。相手の不満や悩みに寄り添って、信頼関係を得るというのが基本的な考え方です。しかし、不安や悩みにどこまで寄り添うのがいいのか。いたずらに不安や悩みに寄り添うことによって、面談が進まなくなった苦しみを感じたことはありませんか。

不安や悩みに寄り添うことにより、甘えや怒りを誘発する可能性もあります。
しかし、私たちが本当にやらなければならないことは、クライアント自身が「このキャリア・アドバイザーだったら本当に相談できる」と感じるだけのラポールを形成し、結果、自分の力で一歩前に踏み出せるようになることです。安易に不安に寄り添うことだけでは、実は解決に結びつきません。下手をすると共感ではなく、同情に陥ります。

では、何に寄り添うのか。
このクライアントであれば、変わらなければならない、でも変われない、変わりたい…、そんな気持ちに寄り添ってラポール形成をするということです。変わることは必要だと本人はよくわかっているのです。

会社に残るとしたら残り5年間。悔いのないキャリアを送るために、このアドバイザーは真剣に支援してくれようとしている、そんな評価をクライアントから得られるかどうかが勝負です。あなたにとって最善の方法は何であるのかを一緒に考えていこう、という姿勢が伝わるかどうかです。

相手が不安を感じてる場合、もちろん不安に寄り添うことは大切です。しかし、不安にだけべったりと寄り添っていては面談は前に向かって続きません。不安を理解してもらっても、解決には近づきません。

何に対して寄り添ってラポールを形成するかということは、面談を建設的に進めるために非常に重要なポイントなのです。クライアントを傷つけないようにしながらラポールを形成しようとひたすら思うのではなく、何に寄り添うことにより、本当に必要なラポールを形成できるのかを考えることは、特に日常系の面談では必要になります。

今回の演習を終えて、日頃の相談対応を振り返りつつ、ものすごく腑に落ちた話です。
私たちの仕事は、クライアントが悔いのない人生を送るためにクライアントにとって最善な方法を一緒に考え探すことなのです。

《2011年1月30日》 沖縄で買ってきた「砂肝ジャーキー」なるものが目茶目茶うまいです。食感も味も最高です。お酒のつまみにこの上ありません。これ一つでビールがジョッキ1杯いけちゃいそうな。有楽町で売っているでしょうか。ちなみに祐食品という会社の製品でした。



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【2011/01/30 18:25】 | キャリア~全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
キャリアラボSV~本日の紹介図書
本日は午前中に社内研修、午後は慶應義塾大学SFC研究所キャリアリソース・ラボラトリー(正式名称は長い)のスーパービジョン、そして夜は病院に。

花田光世先生のスーパービジョンの今回のタイトルは「働きがい:満足から前向きに生きることを通した働きがいの支援」でしたが、久しぶりにメンバー同士でのロープレ実習もあり、非常に充実していました。まあ、難しいです。

で、本日は内容にふれず、今日のクラスの中で花田先生が紹介された図書を記録に残しておきます。

モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すかモチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか
(2010/07/07)
ダニエル・ピンク

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感情と看護―人とのかかわりを職業とすることの意味 (シリーズケアをひらく)感情と看護―人とのかかわりを職業とすることの意味 (シリーズケアをひらく)
(2001/03)
武井 麻子

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キャリア教育の系譜と展開キャリア教育の系譜と展開
(2008/03/01)
仙崎 武、藤田 晃之 他

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50歳までに「生き生きした老い」を準備する50歳までに「生き生きした老い」を準備する
(2008/06/07)
ジョージ・E・ヴァイラント

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人を助けるとはどういうことか 本当の「協力関係」をつくる7つの原則人を助けるとはどういうことか 本当の「協力関係」をつくる7つの原則
(2009/08/08)
エドガー・H・シャイン

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図解 はじめる小学校キャリア教育図解 はじめる小学校キャリア教育
(2004/11)
三村 隆男

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キャリア教育の心理学―大人は、子どもと若者に何を伝えたいのかキャリア教育の心理学―大人は、子どもと若者に何を伝えたいのか
(2009/06)
下村 英雄

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恥ずかしながら既読書は1冊だけなのですが、いずれも読んでみたいものです。
で、この7冊をみて、今日はどんなお話だったのか想像がつきますか?

《2011年1月29日》 外部講師を招いた社内の研修。休日の自由参加研修にもかかわらず、様々な部署から大勢が参加してくれました。いつも冒頭で簡単な挨拶をするのですが、私の挨拶のあとで講師がいったこと。「普通、人事の方の挨拶はマイクを使ってぼそぼそとされるので、そのあとに私がマイクを使わずに大きな声で研修を始めることでインパクトをとれるのですが、今日はマイクもつかわず大きな声で挨拶をされるので、それができませんでした。元気な会社ですね」。普通の人事と違うといわれるのは、最高のほめ言葉です。


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【2011/01/29 21:05】 | キャリア~全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
キャリアデザイン学会へのお誘い
今年からキャリアデザイン学会の企画委員をつとめていますが、先日、自宅にどさっと書類が協会から届きました。何かなぁと思って袋を開けたら、入会案内パンフが大量に入っています。そうです、新規会員獲得も大切なお仕事です。

ということで、ここでもご案内をさせていただきます。さらに詳しい内容はホームページをご確認ください。ここしばらく、私と会われる際には、このパンフを渡されることを覚悟ください。一度のお好み焼き検定のパンフみたいですね。

さて、キャリアデザイン学会の会員(個人)には次の3種類があり、それぞれ入会の要件があります。

①正会員(大学院生含む)
キャリアデザイン学会にふさわしい研究・実務を行い、かつ正会員2名の推薦を得て所定の入会申込書を提出し、理事会の承認を得た者。

②学生会員
正会員2名の推薦を得て所定の入会申込書を提出し、理事会の承認を得た者。

③賛助会員(個人)
所定の入会申込書を提出し、常務理事会の承認を得た個人。

●推薦人について
入会申込にあたっては正会員2名の推薦が必要です。これについてはご相談ください。少なくとも私がご推薦できると思います。

●入会の手続き
お送りいただいた入会申込書にもとづき、毎月20日に締め切り、理事会で入会審査いたします。結果は1~2ヶ月後に郵送いたします。審査で入会を承認され た方には事務局から会員番号の通知と、初年度会費請求書をお送りしますので、請求書をお受け取りになってから2週間以内にお振込ください。自動引き落とし をご希望の方も初年度につきましては振込となります。入金確認時点で正式に会員となります。なお、お申込書提出から正式入会までの間は、研究会等の参加に つきましても、その旨をお申し出いただければ、会員と同様の扱いとさせていただきます。

●年会費(期間:4月~翌年3月まで)
正会員(社会人)10,000円/年
正会員(大学院生)5,000円/年
学生会員     3,000円/年
賛助会員     5,000円/1口 

キャリアデザイン学会は、日本におけるキャリア研究のセンターとして、研究者・実務家の出会いの場として、成長していくことを目指しています。実務家に垣根が低いのが特徴です。年に1回の研究大会の他、頻繁に今年は研究会も開催予定です。私も企画しますので、是非、楽しみにしてください。

私たちのように文系の大学を学部で出て、普通のサラリーマンをやっている人間には、学会との縁はなかなか作れませんよね。年に1万円の投資で「学会員」になれるのであれば、まあ悪くないんじゃないですか。特に人事・キャリアの世界は、大学の先生と実務家の距離が極めて近くなっている分野です。懇親会なんかも楽しめますよ。

《2011年1月28日》 本日は那覇から戻り残業。そして大幅遅れで同期会参加。入社2周年のお祝いでもあります。次回は4月です。


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【2011/01/28 23:25】 | キャリア~全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
人がえらくなっていくのは、フィードバックが減っていくプロセスである
「人がえらくなっていくのは、フィードバックが減っていくプロセスである」

EQ(心の知能指数)研究で名高いダニエル・ゴールマンが、このような警告をされているそうです。増田弥生さんと金井壽宏先生の共著「リーダーは自然体」で紹介されていた話です。

そして、フィードバックが減っていることに気づかないものです。また、気づいても、立場が上がれば上がるほど、容易にフィードバックを引き出すことが難しくなります。マネージャーに360度評価を入れるのは、こういった意味では極めて適切なことなのです。

中にはフィードバックをくれる部下や、現場社員がいます。こんな人たちはマネージャーにとっては大切な財産です。また、そんな意味では昔の部下や、仕事仲間というのも大切なものです。

リーダーは自然体 無理せず、飾らず、ありのまま (光文社新書)リーダーは自然体 無理せず、飾らず、ありのまま (光文社新書)
(2010/06/17)
増田 弥生、金井 壽宏 他

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EQ~こころの知能指数EQ~こころの知能指数
(1996/07/19)
ダニエル・ゴールマン

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《2011年1月27日》 今日は最終日で那覇入りです。ホテルに入ってすぐにモバイルで仕事をしようとしたのですが、インターネットにはつなぎるもののどうにも会社のデータベースにアクセスできません。仕方がないので、あきらめて24時から飲みに出ましたとさ。



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【2011/01/27 23:08】 | マネジメント・リーダーシップ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
会社は学ぶところではない、学んだことを使うところである
ある企業のエントリー期(最初の10年くらいでしょうか)の人材育成方針です。

①原理原則を徹底的に教える
②ラーニング・カルチャーをつけさせる
③会社は学ぶところではない、学んだことを使うところである
④自己啓発をサポートする仕組みを創る

1つ目の「原理原則」の話は本当に大事です。

エントリー期にこれを習得できなかった人は、いかに優秀であってもパフォーマンスを発揮できません。では、何が「原理原則」かというと実はこれが難しい。仕事の上での「原理原則」を学ぶ場としてもっとも適切なのは「営業」だと個人的には思っていますが、これも良い先輩と良いお客様あってのことです。学生の企業選択の場面でいえば、魅力的な先輩がいて、お客様に支持される商品力・営業力のある企業を選択するのは、自身の成長にとってプラスになると考えてもいいでしょう、

②③④は実は1つのことをいっていますね。

会社の教育責任の範囲のことです。この線引きも難しい。基本的に会社は学校ではありません。すなわち、学ぶところではありません。しかし、学ばせないと仕事にならない場合には会社は教育を提供します。しかし、その大前提は「学んだことを使って成果を出してもらう」ことに他なりません。ですから、手上げ式の研修の常連になっているだけで成果をもらたしていない人なんてのはまったくもって本末転倒、言語道断です。

ドライにいえば、仕事に必要な学びを社員個人個人が自主的にやってもらうのが会社にとっては一番良いことかもしれません。②④はそのことをいっています。とにかく社員が自主的に学ぶ風土を創る、そして自主的に学びたい人に対しては何らかのかたちでその学びをサポートする、そういうことなのだと思います。

自主的に学ぶ力をつけた人は強いです。

当然のことですが、組織を変わってもこれは活きます。人生の武器になります。豊富なカリキュラムを用意して、至れり尽くせりの教育体系を社員に提供している企業よりも、このようなポリシーで社員に接する企業の方が、本当は社員のことを深く思っているのかもしれません。

《2011年1月26日》 本日、博多に夜入りました。


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【2011/01/26 23:49】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
ロジャースが提唱する自分らしい生き方への10か条
ちょっと過去のメールを確認していたら、以前に「夕学五十講」で諸富先生が話された際の記録がで出来ました。以前のメンバーが、やはりたまたま過去のデータを整理していたら、みつけて心にしみたと連絡をくれたものです。私が受講して、感激したのでメンバーに共有したもののようです。

で、その中に『ロジャースが提唱する自分らしい生き方への10か条』が紹介されているのですが、改めて心にしみたので、ここにも残しておきたいと思います。

『ロジャースが提唱する自分らしい生き方への10か条』  カール・ロジャース

1.偽りの仮面を脱いで、あるがままの自分になる
2.「こうすべき」「こうあるべき」といった「べき」から自由になる
3.他人の期待を満たし続けるのを辞める
4.他人を喜ばせるために、自分を型にはめるのを辞める
5.自分で自分の進む方向を決める
6.結果ではなく、プロセスそのものを生きる
7.変化に伴う複雑さを生きる
8.自分自身の経験に開かれ、自分が今、何を感じているのか気付いていく
9.自分自身を信頼する
10.他人をもっと受け入れるようにする

私はロジャースを詳しく学習したことはなく、通り一遍の知識しかありませんが、1つひとつかみしめて読むといろいろなことが浮かんできます。人は生きていくのにつれて、いろいろなものをしょい込みます。それが人生を歩むことそのものですので、それ自体はどうしようもありません。でも、どんなに多くのものをしょいこんでも、それを生きるのは自分自身です。そうですよね。

《2011年1月25日》 厚生労働省の皆様との勉強会。そして、終了後には懇親会。皆様、お一人お一人が真摯に仕事に向かわれています。是非、組織として成果に結び付くといいですね。


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【2011/01/25 23:47】 | キャリア~全般 | トラックバック(0) | コメント(1) | page top↑
講座からのコミュニティの誕生
昨日の続きです。人材発達支援塾の「コロキウム」。

発表企業からの20分間の説明のあと、50分のディスカッション。この70分のサイクルを4社分まわしました。トータルで280時間。途中に素敵なティータイムをはさみますが、それでも通常の研修運営であれば、ちょっと問題のあるカリキュラム構成です。受講生の意識が続かないリスクがあります。

しかし、そんなことはまったくなく、あっという間に午後の時間が過ぎた感じです。私以外にも似たような感想を漏らしていた方が何人かいらっしゃいました。一体全体どうしてなのでしょうか。

中原先生から提示された今日の目標の1つに「各社の発表に耳を傾け、建設的かつ前向きなコメントを交わすことを通して、よりよい施策作りのお手伝いをする」というものがあり、その前提として「自社の日常は他者の非日常」との指摘がありました。

確かに「自社の日常は他者の非日常」でもあるのですが、各社の発表を聞くにつけ「他社の日常は自社の日常に極めて参考になる」ことが実感できるのです。会社規模、業種、人事のおかれた環境、これは参加企業によって様々です。共通言語がない部分もたくさんあります。しかし、他社が「日常」で奮闘されていることは、他人ごとではなくリアルに伝わってきますし、それらすべてを自社に投影して自分ごととして考えながら聞くことができます。参加者は素朴な質問を繰り出し、自社の事例を披露し、少々手厳しい意見を述べ……という感じで自然と進んでいきます。

これこそが人事という仕事の醍醐味の1つなのだと思います。

そして、この醍醐味を知らずに人事の仕事を内にこもってやっている人たちがまだいるのであれば、それはこの仕事の魅力の2割も享受していないことになります。企業を超えて悩みを分かち合い、知恵を融通し合い、それらもベースにして自社の施策に活かしていく。それも「労政時報」や「人材教育」の書面上の事例集からではなく、リアルな交流で行っていく。極端な話として、日本の人事部全体が1つの疑似組織のようにラーニングをしていく、そんな土壌がある分野なのです。

そして、何よりも私にとって良かったのは、日常から切り離されて「考える」場をいただけたことです。280分の時間中、各社の悩みや施策を伺いながら、常に自社を考えていました。濃厚に思考する場を「果てしない日常」の中で確保することは容易ではありません。また、思考する場を切り離して無理に創ってしまうと、逆になかなか思考が深まりません。各社の発表がフックとなり、思考が加速されるのです。

こんなプロセスを経ると受講生は単なる受講生同士という関係を超えてコミュニティ化してきます。もちろん全員がそうなるわけではないと思いますが、本科を超えて学びの集いが生まれます。

懇親会で中原先生ともお話ししていたのですが、この手のパターンでのコミュニティの誕生は、単に場の提供、良質のメンバーだけで生まれるものではなく、その媒介役になるのは何といっても良質のコンテンツと濃い共有プロセスなのだと思います。これがある講座と、残念ながらない、もしくはそこまでは至らない講座があります。

今回でいえば、コンテンツはまず申し分ありません。初回、2回目を合宿形式にしたのもプロセス的には成功要因でしょう。ただし、一直線にこれたのではなく、この手の講座では珍しいともいえる受講生と事務局との間での「青春学園ドラマ的な確執」もあったりしました。誰がどう作用したというのではなく、グループのダイナミズムがコミュニティを創ります。ただし、ラーニングイノベーション論的(?)なコミュニティにはなかなか成りえないとも感じました。これは、ラーニングイノベーション論が基本的に「個」で参加しているという意識の強い人が多い場であるのに対して、こちらは「組織」から参加しているという意識が強い点によるものだと思います。

テーマと趣旨がそうなっていますから、これはこれでいいんじゃないかと思います。個人的にはいろいろなタイプのコミュニティに参加している方が美味しいですしね。


《2011年1月24日》 今週のスタートは特例子会社直行から。元気をもらってスタートです。今日は、本社の業務委託元の部署の方にもお出でいただきましたが、そのお話のアプローチが素敵。自分たちがやっている仕事は意義のある仕事だとみんな理解してもらえたかな。働くは、他(はた)を楽(らく)にすること。


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【2011/01/24 23:43】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
コロキウム
人材発展支援塾も先日の木曜日で第4回、オフィシャルな会としてはあと2回を残すのみとなりました。この支援塾は東京大学の中原淳先生が主宰するものであり、企業の人材育成担当者がそれぞれペアで参加します。

理論を学び、方法論を学び、実践家の智恵を学び、そして自社の課題を探り、施策を立案し、実行し、評価するという流れが組み込まれています。極めて野心的に取り組みです。さらには、そのプロセスを参加企業他社と共有し、相互にアドバイスし合い、さらには同じ企業から派遣されているペアでの対話までが折り込まれてます。実践を伴う学び、というか実践のための学び、の仕掛けが随所になされているわけです。

今回は「コロキウム」。
「コロキウム」とはラテン語のcolloquium(談話、会談)が語源だそうですか、対話会・討論会的な場をいうようです。

ここでの流れは以下のとおりです。

まずは1企業のペアが20分間、自社の説明をします。発表内容は以下を含みます。

 ①自社が抱えている問題
 ②今、考えている施策の概要
 ③現場から出てきた生データ、声
 ④関連する、裏打ちする理論
 ⑤予想される困難

上記の③を実行するために、以前の会で定量分析、定性分析の手法・考え方について学び、定量分析のツールも提供されています。④についても神戸大学の金井壽宏先生他の論者から深い洞察を学んできました。

同時に2~3社が並行してこれを実施しますので、各社は興味のある企業のところに分かれて集います。各チームでは、ファシリテーターとポスター作成係を決めます。時間は50分。ポスターには担当者の手により手際よく、施策内容、各社からのアドバイス、実現への課題、が整理されます。

木曜日はこんなセッションを4つ続けました。これはかなりハードです。研修カリキュラム構成上では「芸がない」といわれても仕方がない構成です(もちろん間に素敵な喫茶タイムを挟むなど、必死に芸を取り込んでいましたが)。

でも、この日の午後はあっという間に時間は過ぎたのです。
明日はこのあたりを整理してみたいと思います。

《2011年1月23日》 本日はgcdfのテストクライアント役。13人の小クラスでしたが、とてもいい雰囲気のクラスです。取り組んでいる思いにも素敵なものがありました。こちらも意欲と元気をもらった感じです。


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【2011/01/23 20:32】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
1日に夜が2回くる国に行きたい
「忙しい」という言葉がきらいです。

忙しい、忙しい、大変だ、大変だ、といっている人は多いですが、私はできる限りこれはやめるようにしています。でも、時折やっぱりどうしても出てしまいます。たぶん、心が弱っている時ですかね。

「忙しい」といってしまうのは、とっても恰好が悪いことだという美学があります。本当に忙しい人、本当に大変な人はきっと「忙しい」とも「大変だ」ともいわないでしょう。「忙しい」「大変だ」という言葉を吐くことによって、自分に酔ってしまう、そして現状で満足してしまう、そんな循環が生まれ、人の成長を阻害するように思えてなりません。

Q:「最近、忙しそうだね」

A例①:「いやぁ、ぼちぼちですよ」
A例②:「ぜんぜんですよ、呑気なもんです」
A例①:「まぁ、いっつもこんなもんですよ、普通です」

ってな感じですかね。とりあえず。

でも、スケジュールが埋まっていくと、とても閉塞感があります。今月なんかもそうでしたが、早々にあいている夜がなくなると、あとはこなしていくだけ…みたいな感じが。しかも、さらに予定がかぶって楽しみにしていた企画にことごとくいけなくなる、なんてのは哀しいものがありますが、それでもけして「忙しい」わけではありません。

スケジュールでいうと、最近はほとんどのスケジュール調整がwebの調整ソフトを使って行われますね。今週だけでも、10件程度そんなメールが来ましたが、これに×の列を入れるのだけはつらいです。せっかく招いてくれる人に失礼な感じもしますし。そんな時には、1日に夜が2回くる国に行きたいなぁと思ったりします。そしたら、倍はいろいろな会に行けますからね。でも、そうすると倍のスピードで痛風も悪化し、肝臓も壊れていく可能性が高いですから、今頃はもう生きていられなかったかもしれません。ほどほどで行きたいものにすべては行けない程度の生き方もいいのかもしれません。でも、行きたいものは行きたいし…。

《2011年1月22日》 大変に遅まきながらスマートフォン・デビュー。


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【2011/01/22 23:59】 | キャリア~全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
あなたの中の最良のものを
1月5日に特例子会社の開所式を行いました。
その中で、立ち上げメンバー5名それぞれから簡単に抱負を話してもらいました。想像以上に皆、何を話すのか考えてきたようで、非常に感動的な話がいくつも聞けました。その中のお1人が披露してくれたマザー・テレサの言葉を引用します。

******************************************************

人は不合理 非論理 利己的です
気にすることなく人を愛しなさい

あなたが善をおこなうと、利己的な目的でそれをしたといわれるでしょう
気にすることなく善をおこないなさい

目的を達成しようとする時、邪魔立てする人に出会うでしょう
気にすることなくやり遂げなさい

善い行いをしても、おそらく次の日には忘れ去られるでしょう
気にすることなくし続けなさい

あなたの正直さと誠実さがあなたを傷つけるでしょう
気にすることなく正直で誠実であり続けなさい

あなたの作り上げたものが壊されるでしょう
気にすることなくつくり続けなさい

助けた相手から恩知らずの仕打ちを受けるでしょう
気にすることなく助け続けなさい

あなたの中の最良のものを世に与え続けなさい
蹴り返せるかもしれません
それでも気にすることなく最良のものを与え続けなさい


    「あなたの中の最良のものを」マザー・テレサ

******************************************************

いいわけに挫けずに、前に少しずつでも進まねばなりませんね。
彼ら5名に負けてはいられません。

《2011年1月21日》 今日の日本は凄かったですね。1名少ない逆境から追いつき、追い越し、そして冷静に守りました。今回の大会の日本は少しちがった味を出してます。きっと、2011年は日本全体が変わる契機となる年です。中国にGNPでは抜かれましたが、その意味では規模を追うのでなく、違うものを追う国になり始めてくれるのではないでしょうか。


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【2011/01/21 23:55】 | 仕事の進め方 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
「なんべん言ったらわかるんじゃ」は上司の敗北宣言
『上司が部下に対して「なんべん言ったらわかるんじゃ」と言ったら、これは上司の敗北宣言であって、「言う」と「伝える」の違いをその上司はわかっていないのです』(「リーダーシップは自然体」増田弥生・金井壽宏著 199頁)。

増田さんの話を聞いた上で金井先生が語られている部分ですが、まさにコミュニケーションの本質ですね。

『コミュニケーションとは、自分の思いが相手に正確に伝わり、それが相手の具体的な行動につながって、ようやく完結すものだと私は考えています』(同198頁)、増田さんも語っておられますが、コミュニケーションが成り立ったかどうかを決めるのは発信側ではなく、残念ながら受信側なのです。ですから、発信側はどうやれば相手に伝わるかを良く考える必要がある、つまり相手をまずはよく理解することが必要になります。そのためには良い聞き手になる必要があります。

もしかすると、個人がまったく自立していない時代は、上司が「言う」=「伝わる」だったのかもしれません。これはマネジメントの世界です。上司の職務権限で部下を服従させて働かせるという構図が効率的で効果的だった時代です。職務権限というのは、上司になれば自動的に付与されるものですから、上司は楽ですね。

今や、マネジメントの世界からリーダーシップの世界へと世の中が変わりました。新しい価値を生み出すためには、上司に服従する部下ではなく、自立した部下が必要なのです。そのために、上司にはリーダーシップが求められてきたのです。リーダーシップというものは、上司になっても自動的には付与れませんから、今の上司は大変なのです。

《2011年1月20日》 午後から人材発達支援塾。4社の発表というか悩みを共有、徐々に素敵なコミュニティ化しています。懇親会半ばで退席して品川駅から、新幹線。ただいまは名古屋です。


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【2011/01/20 23:57】 | マネジメント・リーダーシップ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
経団連の出した2013新卒採用の方向性について
もうだいぶ前になりましたが1月12日に経団連が2013年新卒採用についての方針を発表しましたね。
書くほどの内容でもないと思っていましたが、ここ数日、学生に関する話をたまたま続けて書いたので、その流れでちょっと触れてみたくなりました。

まずは毎日新聞から内容を抜粋・転用します。

**************************************************
日本経団連は12日、大学新卒者の就職活動が早期・長期化している問題で、会社説明会など採用に関する「広報活動」の開始時期を「3年生(大学院生は修士1年)の12月1日以降」とする指針を正式に発表した。対象は国内の大学や大学院に在籍する13年春入社予定の学生(現在の大学2年生)で、会員企業に順守を求める。一方、採用活動との違いが必ずしも明確でなかったインターンシップ(就業体験)については、採用活動と明確に切り離すことを検討する。

会社説明会は従来、3年生の10月ごろ始まっており、新指針でこれを2カ月遅らせることになる。同日、会見した米倉弘昌会長は「就職活動の早期・長期化により学業に支障が出ていた。将来の職業や人生を見据え、さまざま経験を積んでほしい」と2カ月遅らせる狙いを説明した。

商社の業界団体である日本貿易会は、4カ月遅らせて「3年生の2月」とすることを提案していたが、学生の業界・企業研究には一定期間が必要であることや、「冬休みをうまく活用してほしい」との理由から、12月が最適と判断したという。

一方、面接や試験など実際の内定につながる「選考活動」の開始時期は従来通り「4年生の4月以降」とした。米倉会長は「中小企業を含め業界や企業規模によって採用事情が異なり、多くの企業に開始日を順守させるのは難しい」ためと説明した。

一方で経団連によると、インターンシップについては大学3年の6月ごろに説明会、夏場に実際の体験が実施されるケースが一般的で、採用活動との違いを明確にしない企業も多いことから、「多くの学生の感覚では、6月の時点で就職活動はスタートしている」(労働政策本部)という。

経団連は、会員企業に対しては、12月以前には説明会への参加登録を求めるなど学生から個人情報を取得するような活動は自粛し、インターネットなどを通じ、説明会日程など不特定多数向けの情報だけを発信するよう求める。大学が行うセミナーなどへの参加も控えるよう求める。

一方でインターンシップについては、採用選考活動とは関係のない活動に限り認める方向で検討する。留学などで選考活動に参加できない学生には、多様な採用機会の提供に努めるよう3月末までにまとめる倫理憲章に盛り込む。
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この問題、構造があまりに複雑すぎて何を言えばいいのか正直難しいところがあります。

就職活動が単なる企業選択活動もしくは内定獲得競争になってしまっている現実をまずは少し是正できないかと思います。
これはまさに大学のキャリア教育と直接結び付く話でもあり、さらにいえば大学の授業改革にも結び付く話です。これは別に大学の就職予備校化を意味しません。さあ、就職活動だ!となってから、就職活動をするというのが、ある意味、問題なのだと感じています。
就職活動を拡大解釈すれば、「世の中で生きていく力をつけて、その力を発揮できる場所をみつける活動」だといえると思います。それが、力をつけることは横に置き、名前の知られている会社、イメージで決めたやりたい仕事、そんなことで志望企業を決めて、そこに入ることばかりに勢力を割かざるを得ないのが現状です。また、大学の授業が「世の中で生きていく力をつける」ことに役立たないと学生から見切られてるのも問題でしょう。これは授業の中で職業教育をやれということではまったくありません。授業の内容ではなく、方法をもう少し考えて欲しいということです。素晴らしいゼミ・研究会は、アカデミアの世界から逸脱することなく、まさに「世の中で生きていく力をつける」ことに寄与しています

就職活動の長期化が問題視されていますが、逆に就職活動が短期化しているのが今の大きな問題でもあります
正式面接が4月1日からとされているため、4月になると一斉に大手企業が動くわけです。とりたてマンパワーにあふれるメガバンクなどがこの時期に一気に面接⇒内定のプロセスをまわすため、極めて短期間に就職活動が収束していきます。これではまったく考える間がありません。しかも、えげつない企業は1週間とかいう短期間での学生からの確約を求めます。学生は内定先が決まらないことをおびえますので、考える間もなく就職する企業を決めてしまうわけです。6月以降にやっぱり違うかもといって就職活動を再開する学生がいるのは当然のことです。

インターンシップについては経団連の話に基本的には賛成ですが、視点がまったく間違っています。
採用選考活動に関係あるか、関係ないかはインターンシップを認める基準としては明らかにおかしいです
今は、インターンシップといってはいけない嘘のインターンシップがたくさんあるだけのことです。最低2週間以上の期間(それでも短いが…)があるものをインターンシップというとかいうように、本当に職業体験をするためには期間を含めた何が必要なのかを考え、それを基準にするのが正しいはずです。例えば1カ月のインターンシップを終え、学生もその企業に入りたいと思い、企業もその学生を獲得したいと思ったのであれば、結果的に採用に直結させて何が悪いのでしょうか。ミスマッチ解消には最高のパターンではないでしょうか。

まず「就職活動」なるものを分解し、その上で定義を見直す、その1つひとつの定義についての改革案を整理するというプロセスが必要です。日本貿易会の起案はかなり本質的な背景を踏まえてのことだと感じていたのですが、今回の経団連の議論では、日程論ばかりが前面に出るような流れになってしまったように感じます。今日の新聞に出ていた経済同友会の提言も、「選考を夏以降に」という部分のみが強調されています。このようなスケジュール論ばかりが繰り広げられて本質論がしぼむことは残念なことです。どうも問題の多くは、新聞を中心としたマスコミの取り扱いにあるような気もちょっとします。ただし、自分も自信をもって主張できる処方箋を持っていないので、採用の現場に入りながら真剣に考え続けます。


《2011月1月19日》午後は中国人留学生対象の説明会。みんな素敵な人材です。夜は、PARTY Stream をドタキャン。でも、人生すべてはうまくいきません。選択は良かったと思っています




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【2011/01/19 23:49】 | キャリア~学生・就職・採用 | トラックバック(0) | コメント(1) | page top↑
本当の自分を理解してもらう採用面接
ちょっと昨日の続きからです。

先週の土曜日にあったメンタリング研究会にスピーカーとしてご参加いただいた三井物産の副島前副社長のお話と、その後の学生・社外人混じってのセッションからです。

天下の三井物産の前副社長さんであるにも関わらず、とても気さくなお人柄ということもあるのでしょうが、学生の皆はまったく臆せずに副島さんと話をしていました。この手の勉強会に参加する学生ですから、意欲の高さは間違いなくあるので、そのあたりの影響もあるでしょう。

この元気さ奔放さをこれから本格化する就職活動の中でも是非失わないで欲しいと思います。

学生からされた採用面接に関する質問に答える折に、副島さんが漏らしていたコメントの中に、誰もが同じようにちゃんとした面接をするので面白みがなくなってきているといったような話がありました。これって日本中の面接官が似たような感覚を持っていると思います。

面接はお互いの姿をみて、採用するか、入社するかを決める大切な場です。そこで武装しきって本当の姿をみせずに終わるほどもったいないことはありません。
一次、二次面接でしたら、それでしのぐことは可能かもしれませんが、何よりも「この学生はどういう学生なのか」ということを面接の場で把握できなかった学生に対して企業は内定を出すことはできません。最後まで繕って面接が終わってしまうことは非常に損なことです。自分を理解してもらい、その自分を採用してもらうことでしか道は開けません。もちろん、礼儀は必要ですし、短い時間ですから整理して話をするのも大切です(仕事でも必要な能力です)。また、ちょっとした背伸びは好感をもたれます(仕事の中でも背伸びは大切です)。
しかし、基本的にはしっかりと自分という「素」をみせて、それを判断してもらうという姿勢が本当ではないかと思います。「素」をみせた上で、面接官が「当社には合わない」と判断して不合格にしてくれることにより、人生の回り道をしなくてすむかもしれませんし。

企業の側では「リアリスティック・ジョブ・プレビュー」という考え方がもう10年以上も前から生まれ、できるだけ採用活動で等身大の実情を学生に伝え、勘違いして志望する学生を減らしたいという流れができてきています。もちろん、まだまだそうでない企業もあるとは思いますが。

学生の側でも、リアルな自分を伝えて判断させるという流れができてきてもいいのかなと思います。ただ、そのためには企業側の面接官(特に一次、二次面接官)のレベルアップが必要ですし、また学生が就職活動に入るまでに何らかの自信をもてるだけの学生生活を送ることも大切になってきます。これらは結構、構造的な問題です。

いずれにしても、学生の皆さんに対しては、是非、土曜日のような自然体で就職活動に、そして面接選考にぶつかっていって欲しいと感じました。そんな面接は、面接官も嬉しく感じるものです。

《2011年1月18日》 昨日からまた万歩計始めました。やっぱり数字が出ると、歩こうとしますね。


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【2011/01/18 23:48】 | キャリア~学生・就職・採用 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
ビジネスは説得のゲームである
「ビジネスは説得のゲームである」。

先週の土曜日に開催された「メンタリング研究会」にて、三井物産の前副社長である副島さんから伺ったお話の中のひとことです。

副島さんは自らの仕事経験の中から得た人生観・仕事観的なものを「基本的なこと」と題したメモにおまとめになり、折々に部下に語られていたそうです。A3で3ページほどにまとめられた内容を拝見させていただきましたが、どれも納得できることであり、直接お会いした後に読み返すと、またお人柄が伝わってくる内容でもあります。

誰しも、職業経験という轍を長く残していれば、それなりに人生観・仕事観的なものは形成されるはずです。これを絶えず明文化し続けていくことは、自らのリフレクションにもなり意義あることです。

で、冒頭の言葉に戻ります。「ビジネスは説得のゲームである」。

今回の研究会のメンバーは半分は学生です。そもそもこの会は、次世代を担う学生に私たちとして何ができるのかを考える会であり、ある時期から会自体に学生を入れようということになり続けているものです。

学生には誤解することなく「ビジネスは説得のゲームである」ということを理解して欲しいと思います。

どんな素晴らしいことを考えていても、必要な人に対する説得ができない限り、それは実現できないのです。これが「ビジネスは説得のゲームである」の本質なのですが、ではこのゲームに勝つにはどうすればいいのか。

そのためには、単にビジネスに直結する知識・テクニックだけでなく、幅広い教養・真摯な姿勢・信念・柔軟性・明るさ・遊び心・話上手/聞上手といった総合的な「人間的魅力」が必要なのです。

何よりも相手に好かれなくては何もできません、相手に信頼されなければ何もできません。

このあたりが身体でわかってくると「説得のゲーム」であるビジネスは俄然面白くなってきます。そして、社会に出るために日々をどう過ごすのがいいのかも少しわかってくると思います。大学生活の中で、大学の学びの中で、そんな「人間的魅力」を磨くことは企業研究よりもとても大切なことなのです。

《2010年1月17日》 やばいです、また家族から入院者が。同じ病院にと思いましたが、だめでした(でも良かったかも)。ということで、飲み会キャンセルです。


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【2011/01/17 23:43】 | キャリア~学生・就職・採用 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
休学して海外に出る若者を応援しよう
先週の朝日新聞のコラムで、元日本学術会議会長で慶應義塾大学SFCキャンパスでも教えられている黒川清氏が「休学のすすめ~海外出る若者を応援しよう」という文を寄せられていました。黒川氏はかねてより、若者に様々な前向きなメッセージを伝えられている方です。

今回の朝日新聞のコラムについてはまったく同感です。

趣旨としては、大学の学部生には休学してでも海外に出て見聞を広めてほしいという「休学のすすめ」の話です。若い時に独立した個人として「同じ釜の飯」を食べた外国人の友人を持つことは、その後の人生の貴重な財産になると指摘されています。

大学への短期留学、途上国でのNGO活動、海外企業でのインターンシップなど、行先は問わないわけですが、いずれのパターンにしても「海外に出てみよう」という若者を後押しする体制が、今の日本においては極めて心もとないという現状を憂いています。

問題はいくつかありますが、まずは授業料の問題です。

多くの大学では未だに休学中の授業料免除の仕組みが整備れていません。大学の大義の1つが世界に通用する次世代人材の育成であるとすると、私費で留学する志ある大学生から、休学期間中も授業料を取り続けるというのは、育成よりも経営優先の視点だといわれても仕方がないところがあります。

また、海外の大学との単位の互換や、一定期間の転校制度、海外での経験を復学後の実績として何らかのかたちで活かせる仕組みなど、整備されていないことだらけです。

もう1つの大きな問題は就職活動です。大学3年生の早期の時期から就職活動に走り回り、内定をとることが自己目的化しているような状況では、グローバルな人材など育ちようがありません。誤解があるといけないので一応補足しますが、これは学生側の責任に起因するものではありません。

世間は「最近の若者は内向きである」との論調が大好きなようです。親の世代は自分たちの内向き、安定志向を棚に上げて、若者の内向き、安定志向を攻撃して安心するのが好きなようです。

まったくもって、先を生きてきた世代として何1つ環境も整備をせずに、当事者のメンタリティを攻めて何の意味があるのでしょうか。もちろん若者に対して、さらにチャレンジ精神を求めることは悪いことではありません。しかし、日本の将来を担う若者の背中を押して、どんどん武者修行をしてもらうような気持ちを、国も大学も企業も親も、そしてマスコミも共有する必要があります。

すでに国際社会の中での日本の地盤沈下は明確です。これを打開するためには、次世代グローバル人材の育成が何よりも必要です。休学して社会に出ようという若者を皆で応援し後押しすることは、日本の閉塞感を打開し、日本の将来を明るくすることに間違いなくつながります。

《2011年1月16日》 超こってりを売りにするラーメン屋でこの上なくこってりでボリューミーなメニューを親子で食べたら、かなり後悔をするような状況に陥りました。で、よくよく今週の食生活のリフレクションをしたところ、ここ5日間で7軒のラーメン屋に行ってます。これからは連食は禁止。


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【2011/01/16 21:36】 | キャリア~学生・就職・採用 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
ちょっと整理です…1月前半編
今年最初の振り返りです。
どうも何を書いたのか、書いたはしから忘れてしまうので、月に2回こういった振り返りをしています。2011年のはじめは、いろいろな人の日本を元気にしたいという思いが露出されていました。年明けから2週間が過ぎ、果てしなき日常の中でその気持ちは忙しさの中で薄れがちですが、けして忘れてはなりません。

あとは、「考える力を伸ばす教科書~ダイアローグと論理で思考力を高める」「人を助けるとはどういうことか」「リーダーは自然体」という読んだ3冊の本はいずれも年の初めに気持ちを高めるのにプラスに作用しました。

仕事的には、この半月では特例子会社の立ち上げが一番心に残ります。人事制度説明のキャラバンを開始したりと、仕事的にもあれこれと日程が詰まっており、プライベートも合わせて既に1月の夜は完全完売、2月も残日わずかという状況で、予定が入り過ぎている閉塞感みなたいものを感じています。

1月1日 あけましておめでとうございます
1月2日 対話から始まる2011年
1月3日 リデンプション(超回復)する日本
1月4日 人事の書棚から115 「考える力を伸ばす教科書~ダイアローグと論理で思考力を高める」岸本光永・渡辺三枝子著 日本経済新聞出版社
1月5日 人事の書棚から116 「人を助けるとはどういうことか」エドガー・H・シャイン著 英知出版刊
1月6日 クライアントは一段低い位置にいるため、力が弱く、支援者は一段高い位置にいるため、強力である
1月7日 本当の協力関係をつくる7つの原則
1月8日 "ラーニングイノベーション論2期生"
1月9日 特例子会社の設立に際して
1月10日 AAA3.0
1月11日 夏への扉2011
1月12日 オフショアBPOに思う
1月13日 日本人であることが付加価値になる
1月14日 3周年!!

《2011年1月15日》 本日のメンタリング研究会、登壇者は前三井物産副社長。学生半分、社会人半分のメンバーはかなり盛り上がった話し合いを続けました。


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【2011/01/15 23:12】 | 振り返り | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
3周年!!
今日の夕方、たまたま昔の仕事の仲間がお2人別々に来社されました。いずれも、社外のパートナーでしたが、本当に頼れる人達でした。あらためていろんな人の支えで仕事をしていることを再認識。こういった外のパートナーとの仕事は、なんというか仕事の本質というか、醍醐味みたいなものをとても感じます。
ありがとうございます。

ところで、今日は記念日です。このブログを初めて書き始めたのは、2011年01月14日、つまり3年前の今日です。ということは、今日1097日目がめでたいことにブログ3周年の記念日なわけです。

初回のテーマは「実践コミュニティ」でした。

2008年01月14日 「実践コミュニティ」ってご存知ですか

当時、私は前職企業からグループ会社に出向しており、営業部長の仕事をしていました。当時はあとからHRプロフェッショナル(まだまだいまだに成りきれませんが)としての浪人期間と位置付けている時期だったのですが、このブログはそんな時期にアウトプットの場を求めて始めたものです。それにしても今から思うと、あの浪人期間はいかに自分の人生を豊かにしてくれたかと感謝しています。絶対に、寄り道はするべきですね。

さて、ブログを書き始めてしばらくたった2008年01月21日には、「真似は最高の創造」の創造というタイトルでブログを書いています。

2008年01月21日 真似は最高の創造

真似は最高の創造。3年やればオリジナル」。これはホッピービバレッジの石渡社長が師と仰ぐ、株式会社武蔵野の小山社長のお言葉です。このブログは何かアウトプットをしたいと思っていた私が、以前に私の部下だったメンバーが始めたブログに触発されたのが直接のきっかけでスタートしています。今でもトッキーには本当に感謝をしなければなりせん。そして、小山社長の言葉を信じて3年間だけは1日も欠かさず続けよう、そうしたらきっとオリジナルのブログになると違いないと思って続けてきました。そして、今日がその3年目の日です。

過去を振り返ると面白いもので、けじめの日にはちゃんとそれを題材ブログを書いてるのですね。そして、いつもなぜブログを書いているのかということについて振り返りをしています。

2009年01月14日 1周年!!

2010年01月14日 2周年!!

2010年10月09日 祝!1000日連続ブログ更新…ブログを書くということのリフレクション

2周年と1000日の際にはブログを書くことのリフレクションをしています。微妙に内容が変わっているのが面白いところです。で、今日もかなり内容は重複しますが、なぜブログを書くのか(もしくはブログを続ける効能)3周年版を整理してみたいと思います。内容的には昨秋の1000日連続の時のものに加筆しています。さすがに3カ月しかたっていないので、そう大きくは変わっていません(でも、こまごまとは変わっていますよ)。

①アウトプット欲求の充足

ブログ開始時の一番強い欲求はこれでしょうね。先にふれた浪人時代、人事の業務を離れて営業に戻っていたことがありましたが、ブログを始めたのはそんなさなかです。異動のちょっと前に不惑を迎えたときに、人事関連の仕事を自分の生涯の仕事にしようと決めていたので、浪人時代でも、さまざまなところに出かけ、さまざまな人と交流して、インプットは続けていました。でも、アウトプットのない学習ほどむなしいものはありません。今は人事の仕事に戻ったので、日々、アウトプットの場に恵まれていますが、当時はそれが難しかったわけです。もちろん、営業のマネージャーとして役立つインプットもたくさんあるにはあったのですが。
で、浪人期間中にやったのが、このブログで不特定多数にアウトプットするということと、学会での発表へのチャレンジでした。たぶん、ずっと人事にいたら学会発表なんかはチャレンジしなかったかもしれません。キャリアデザイン学会で、2年続けて発表をさせていただきましたが、それだけのことでものすごく世界が広がりました。そんなキャリアデザイン学会の企画委員を昨年末から務めさせていただくことになったのもありがたいご縁です。
しかし、日常的なアウトプットのペースは、やっぱりこのブログでした。

②リフレクションの場

アウトプットを文字で行うと、想像以上にリフレクションが進みます。文字で他者に理解されるように書くという行為は本当に大切だと実感します。書きながら、初めて気付くことも少なくありません。特に「実は理解していなかったこと」に気づかされることが多いです。書こうと思って自分が理解していないがためにブログにならなかった題材がいくつあったことか。
また、これは想定外だったことですが、自分の書いた過去のブログを読むことによっても、リフレクションが深まるのです。あの頃はこんなことを考えていたのか、今より深いじゃんとか、こんな観点でみてたんだ、今の自分と何が違うんだろうとか、ブログを通して過去の自分と対話し、過去の自分と競い合います。過去の自分に負けないようにという思いが生まれるのも、日々を頑張れる原動力になります。

③備忘録として、そして検索データベースとして

この効果は日々、実感しています。常時、PCでは自分のブログを立ち上げておき、頻繁にブログ内検索をしています。学習したことの大半は、このブログに簡単でもいいので書くようにしているので、この話ってどこかで聞いたような気がするよなとか、これって以前調べたよなということがあれば、ブログ内検索で語句サーチをします。これは本当に便利です。当初から想定していた効能ではありませんが、情報は蓄積するとデータベースになる、検索という機能が雑多の情報をデータベースに変える、ということを実感します。当たり前ですが、加齢とともに記憶力が衰えています。それをカパーしてくれているのがこのブログでもあります。ですから、何かインプットしたことは備忘録的に書くように心がけています。

④「書く」こと自体が好き

子どもの頃から書くことは好きでした。一時期は新聞記者になりたいと思っていました。おじが北海道新聞の記者だったことも影響しているかもしれません。ある時期、あれこれあって逆に一番嫌な職業の1つになりましたが……。
「書く力」は大切です。「書く力」が向上すると、自然と「考える力」「読む力」も向上します。私は書くこと自体が好きなので、何か目的をもって書く場が毎日あることは苦痛よりも喜びです(たままに面倒になる日もありますが…)。ただ、人に読まれない前提のものを書くのは気持ちが続きません。ですから、日記というのは続いたことがありません。書くからには、読んでもらうことを前提にするべきだと思っています。その適度な緊張感がいいです。以前いた会社で人事の仕事をやっていた頃は、毎週月曜日の朝に必ず人事関連の知識を全メンバーにレポートを作成して送信していました(「MONDAY REPORT」)。それを作成する日曜日の夜が好きでした。
ツイッターも魅力的だと思いますが、「つぶやく」のではなく「書く」という少し折り目をただすところに、よりリフレクションが生まれるように感じます。

⑤世代継承欲求

前項の毎週月曜日の夜にメンバーに向けて人事関係の知識をレポートしていたというのも、基本的には自分が学んだことを後輩に伝えたい、残したい、自分だけで終わっては意味がない、という思いが強かったのだと思いますが、この気持ちは年齢を経るごとに強くなります。これが「世代継承欲求」なのだと思います。
自分が吸収したこと、悩み・考えたことを誰かに伝えることによって残したいという欲求は、「人生の正午」である40歳を過ぎるくらいから強くなってきました。今の会社に転職した理由の1つもこれです。不思議な転職理由ですが。
このブログはどなたが読んでいてくださるかわかりませんが、ブログを通じて不特定多数の方に対して学んだことを伝えることができています。初めて会った方が、このブログで学んだといってくださるケースが最近は結構ありますが、実はものすごく励みになっています。

⑥近況報告の場

匿名でやっているブログですが、誰が書いているかは当然知っている人には知られています。昔、ある時期に一緒に仕事をした社内・社外の仲間の多くがありがたいことに読んでくれているようで、そういった皆さんに対しては、これは私の近況報告でもあります。元気でやっているよ、というメッセージでもあります。日本にいようが、海外にいようが伝わるのが、インターネットの素敵なところです。

⑦新たなネットワークの起点

これは昨年くらいから、ちらほらと出てきました。いろいろなところでブログ読者の方にお会いします。本当にありがたいです。書評めいたことを書くと、著者の方から書き込みをいただいたりもします。著書をお送りいただいたこともありました。昨夏にはブログで書いた「同期力」というのをネタに1つのセッションを開催してくださった方もおられました(年初にその続きの飲み会があったのですがいけませんでした…)。ツイッター・フェイスブックのような動的な効果はないですが、静かな伝播力のようなものを感じます。

⑧続けること自体がキャリア

今回このブログを書くにあたって、過去のものをいくつか読み返しました。過去の自分に今の自分が負けている部分にも気づきました。キャリアとは馬車が前に進んだ後に残る轍だというメタファーがあります(というか語源ですかね)。その意味では、このブログは私の「学びの轍」だといえます。そして学びを通した「出会いの轍」だともいえます。
「真似は最高の創造。三年やればオリジナル」という言葉に従ってきて本当によかったと思います。継続しなければ轍はできません。

で、3年を経過して、当初の約束からいえば、いつこれをやめてもOKということになりました。
さて、どうしましょうか。

《2011年1月14日》 ご愛読、本当にありがとうございます。


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【2011/01/14 23:43】 | 未分類 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
日本人であることが付加価値になる
何となく日本人に元気がありません。

英語の社内公用語化に踏み込む企業が出ています。これは、けして国民性を否定する問題ではなく、汎用的に使用されている言語にあわせる行為ですから、日本人を否定するものではありません。1億数千万人しか使用していないローカルな言語で仕事をしようというところには確かに無理があります。

しかし、それと同時に日本人というもの自体をグローバルに合わせなければならないという雰囲気がちょっと世の中にあるようです。アメリカからコピーして入れてきた各種の人事制度もまさにそれです。日本人らしさというのが、ビジネス上では良くないものだと、日本人の国民性そのものを否定するような風潮は確かにあるように思います。

しかし、それで日本は世界に貢献できるのでしょうか。

元リーバイス、元ナイキの増田弥生さんが神戸大学の金井壽宏先生と書きあげた「リーダーは自然体~無理せず、飾らず、ありのまま」の中で、増田弥生さんは次のように語っておられます。

『私はリーバイスにいたときから、日本人の日本人らしさが、欧米人を中心とした組織の中では付加価値になるのではないかと薄々感じていました。日本人らしさとは、奥ゆかしさ、思いやりの深さ、謙虚さ、柔軟性、良くも悪くも空気を読んでしまいがちなこと、そしてしばしば悪い所だといよれる曖昧さ、物事の白黒をはっきりさせずに何でも受け入れてしまうことなども含まれます。そういったものを私たちが日本人の付加価値なのだと自覚して発信すれば、世界のバランスはよくなる。もっと言うと、日本人が自分たちの付加価値を発信しないことで、世界は損をしている、そんな考えをもつようになっていました。』(128ページ)

とても素敵な観点ではありませんか。

さらには、リーバイス時代に会議のファシリテーションに対して好評価を得ていたことに関しても以下のように語っておられます。

『私がファシリテーターを務めるときには、まず部屋の空気がふわっと緩むのが感じられました。私が繰り出す質問一つ、コメント一つで、議論のペースがゆったりとしたものとなり、参加者が話しやすい空気がつくられていくようでした。日本人である私は「この意見はいい」「この意見は悪い」といった白黒をつけません。いつも全体を見ながら、「なるほど、それはそうですよね」「うーん、そういうこともありますね」「ああ、そうか。そうも言えますよね」などとすべて受け入れます。そういう「なんでもあり」の感じ、よく日本人自身が日本人の悪いところだと言う「玉虫色の決着を好む」キャラクターによって、会議のすべての参加者に「自分は間違っていない」と感じてもらえ、あらゆる意見を引き出せていたようでした。』(93ページ)

私たちは生まれた民族を変えることはできません。日本人に生まれ、日本人の中で育ち、日本人として得た感覚は容易には捨てることはできません。増田さんのような、それこそ「自然体」の考え方こそがこれからは大切なように感じられます。本書の中でも金井先生が引用されていますが、ランボルト・ニーバの祈りを改めて思い出させられます。

ただし、「自然体」と「相手を受け入れない」ということとはまったく違います。「鎖国」はけして自然体ではありません。

それにしても本書、とてもお薦めです。
タイトル的にはリーダー本ですが、私個人としてはHRの道を志す20代、30代の若手中堅には是非、読んでいただきたい本だと思います。自らが進む道を考えるにあたって様々な示唆をいただけます。

リーダーは自然体 無理せず、飾らず、ありのまま (光文社新書)リーダーは自然体 無理せず、飾らず、ありのまま (光文社新書)
(2010/06/17)
増田 弥生、金井 壽宏 他

商品詳細を見る


《2011年1月13日》 障がい者特例子会社訪問。この世界は奥が深い、そして距離が近い(?)。私たちの使命は、障がい者のメンバーの職業人としての自立と、特例子会社としての自社のビジネスとしての自立、だととりあえず定義。


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【2011/01/13 23:09】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(1) | page top↑
オフショアBPOに思う
先週土曜日のAAA3.0での「2020年のアウトソーシング」という話の中で、オフショアBPOについての言及がありました。

日本で行われている業務を切り出して、中国などの海外で低コストで業務を遂行する手法ですが、既に多くの企業で活用されています。

歴史的にみると、日本はまず製造拠点を海外に求めました。安価な原材料、人件費、関税の違い等がその背景にありました。この結果、何が起こったかというと、いわゆるブルーカラーの仕事が日本から大きく失われました。

そして、今起こっているオフショアBPOの波は、主に管理間接部門におけるルーティンワークの海外移転だといえます。これらの仕事が、製造業における生産拠点が海外に移るのと同じように海外に移り始めているわけです。その結果、間接部門のルーティン業務は日本から大きく失われるようになるでしょう。

では、日本人は何をすればいいのでしょうか。

残る仕事のほとんどは、高度な判断・企画・開発・研究業務と、営業、販売という対面業務でしょう。間接部門の外部化が進むと、特に文系の学部を出た人は、エントリー的な業務としては、ほぼ営業・販売しか仕事がなくなりかねません。

もちろん日本人のすべてがこれらの業務を幸せにこなすことができれば何の問題もありません。人口減少が見込まれる中、業務の一部を海外移転するのはマクロ的には良いことでしょう。それでなければ、移民の受け入れです。

でも、日本人にもいろいろなタイプの人がいます。人との交渉は得意ではないけれども、こつこつとしっかりと自分の持ち場の責任を果たすタイプ、そんなタイプの日本人も多いのではないでしょうか(ひょっとすると増えて来ているようにも感じます)。

企業が事業ポートフォーリオを変える時には、人材ポートフォーリオの変革も行います。求められる人材像を再設計し、必要な再教育、外部からの獲得、希望退職などの代謝といった施策を打ちます。

日本もまさに事業ポートフォーリオを国家として書き変えているのだとすると、人材ポートフォーリオも変革しなければなりません。日本国民を採用・代謝するというのは馴染みませんから、大切なのは教育です。

新たなポートフォーリオを満たす人材を学校教育は輩出しなければなりません。年末のNHKの番組で、農学部も工学部も水産学部もあるのに、なぜ営業学部がないのかという話がありましたが、これなんかもまじめにとりあうべきテーマかもしれません。

小学校教育から高等教育まで、新しい日本を運営するような人材を輩出するように少しずつでもいいですから、新しい舵取りをしていかなければなりません。そして、そんな思いで動き出している人がかなり増えつつあるように感じます。何とか間に合わせたいです。

《2011年1月12日》 今晩は「ミレニアム会」。できた年はわかりますね。世紀をまたいで半年間、毎週ともに学んだ仲間の会です。官民、業界もバラエティな顔ぶれ。10年たった今も毎月第2水曜日に神保町で集まっています。


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【2011/01/12 23:40】 | シェアード・サービス | トラックバック(0) | コメント(2) | page top↑
夏への扉2011
先週の金曜日、大阪出張中にポスターを見つけました。なんと「夏への扉」が舞台化されるんですね。ポスターは、もろにピートの正面からの顔です。

アメリカSF黄金時代の御三家といえば、アイザック・アシモフ、アーサー・C・クラークとロパート・A・ハインライン。そのハインラインの不朽の名作が「夏への扉」です。特に日本のSFファンの支持度は高く、しばしばオールタイムSFベストのファン投票でトップの座に輝いています。

SFジャンルとしてはタイムマシンものです。

実は調べてみると、過去にこのブログでも2度も取り上げているみたいです。好きなんですねそれにしても、ブログで語句検索できるのは実に便利です。

2008年08月31日 図書紹介:『夏への扉』 ロバート・A・ハインライン著 (ハヤカワSF文庫)
2010年03月01日 優秀なコンサルタントとそうでないコンサルタントの違い

で、今日はこのSF小説の時間軸について考えてみたいと思います。

「夏への扉」が出版されたのは1956年。既に半世紀以上の昔です。

そして、描かれた未来の舞台は1970年。出版された当時からみれば14年後の未来です。その世界では「コールドスリープ」という技術が確立され、生きたまま冷凍されて当時の若さを保ったまま未来にいくことができています(冷凍で寝ているだけですけど)。また、主人公はこの時点で家事用ロボットを発明しています。

そして、私が初めてこれを読んだのがたぶん高校1年生だから1977年。小説の舞台よりも7年先の未来ですが、コールドスリープも家事用ロボットもまだ世の中にはかけらもありませんでした。

そして小説の中では、あれこれと紆余曲折の末に主人公は30年間の眠りにつきます。目覚めたのは2000年。今から11年前です。そして、ここでまたあれこれとあって、結果、まだ完成されていないタイムマシンを使い、主人公は過去(1970年)へとさかのぼります。

そして、今は2011年、主人公が過去に旅立って10年が経過していますが、タイムマシンなんてないですね。

土曜日のAAA3.0(昨日のブログ参照)で話題にのぼったのですが、今年の正月の新聞の記事広告で100年後の未来(だったかな)という日立の記事広告があったそうです。これに対して、慶應義塾大学の牛島先生は、昔いっていた未来とあまり変わらないなという鋭いコメントを。そうです、私も感じたのですが、ほとんど同じような絵を大阪万博を特集する子供向けの雑誌でみたような気がします。リニアモーターカーはもちろんエアカーが飛びまわる未来の交通の図です。

フィリップ・K・ディックの不朽の名作「アンドロイドは電気羊の夢をみるか」。これを映画化したハリソン・フォード主演の「ブレード・ランナー」。公開は1982年、そしてこの年以降、映画の世界では未来はユートピアではなく、ディストピアとして描かれることが普通になりました。「ブレード・ランナー」に登場する未来は荒廃が進む退廃的な未来です。

2011年になっても「夏への扉」が好まれて読まれるのは、未来というものに皆が期待を持ちたいからかもしれません。そして、その未来を自分で創っていきたいからかもしれません。これは非常に大切なことです。

以前のブログでも紹介していますが、山下達郎がずばり「夏への扉」という曲を作っています(名盤「Ride On Time」に収録)。こんな歌詞です。

 ひとつでも 信じてることさえあれば、扉はきっとみつかるさ
 もしか君 今すぐに 連れていけなくても 涙を流すことはない
 僕は 未来を創り出してる 過去へと向かい 遡る
 そしてピートと 連れ立って 君を迎えに戻るだろう
 だから リッキー ティッキー ティビー その日まで おやすみ


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《2011年1月11日》 溜池山王にてラッキーピエロの会。いやぁ、みんな大人の階段を上っていました。それにしてもいろいろな会に参加してますね。


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【2011/01/11 23:35】 | 書籍紹介 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
AAA3.0
先週の土曜日は慶應義塾大学三田キャンパスにて、「AAA3.0」という勉強会に参加しました。この会は、年に4回ほど定期的に開催されていますが、立ち上げられてすでに7年ほどになるでしょうか。私も初期のメンバーではありますが、創業メンバーではありませんので確かなことはわかりません。もともとは、シェアードサービスの研究会で一緒だったメンバーが立ち上げたと聞いています。

この会のユニークなのは、慶應義塾大学商学部のそれぞれ専門の異なる3名の先生が参加されていることです。そして、各ゼミテンも参加します(ゼミテンという言葉は一橋大学用語だとある方に指摘されたのですが、他大学ではゼミテンって言葉使用しないのでしょうか。普通にゼミのメンバーをいうときにゼミテンといっていますが)。毎回、メンバーの中から2名のスピーカーが出て、自身の専門分野について話します。中には大学生が卒論の大学院生が修論の発表をされることもあります。参加される先生の専門がそれぞれ異なることもあり、毎回の発表テーマも様々な分野に広がるのが魅力です。

私が夜や週末にでる勉強会は、人事系・育成系・キャリア系のものがどうしても中心になりますので、自分の専門外の話を気楽な中で学べるこの会は貴重な場です。

今回のテーマ2つは、①「2020年のアウトソーシング」、②「IFRSの概要とアドプションに向けた課題」。いずれも、専門性が高く、また話し手自身の考えが明確に入っており、素晴らしい内容でした。特にIFRS(国際会計基準)については、ちゃんと理解しないとやばいなぁと前から思っていたところであり、非常に平易に理解を促進させていただいたのは本当にありがたいことでした。

そして、終了後は当然のように懇親会があります。今回は試験前ということもあり学生は少なめでしたが、いつも問題意識の高い学生たちも参加してくれます。こちらとしても、業務外で学生の皆さんと接点を持てることは実に大切な機会です。

また、必ず年に1会はラーニング・ピクニックがあります。参加企業に場所を移して会を開催するというわけです。今年は次々回にサッポロビールのワイナリーに行こうなんて話が決まりました。今回、サッポロビールの方は欠席だったのですが、勝手に決まるあたりも素敵です。

そうそうこの会、一番最初は「AAA」という名前でした。それが「AAA+」となり今は「AAA3.0」。名前も常に進化をしています。

こういった勉強会が続く「こつ」はいくつかあるのですが、中心者がいること、幹事役がいること、成果志向でないこと、皆が参画意識を持つこと、専門性をもったメンバーが多くいること、遊び心があること……、このあたりは必須ですかね。

《2011年1月10日》 朝一番からコストコに。自動車のタイヤ交換をしてもらっている間にお買いもの。何を買ったというわけでもありませんが、結構なお会計に……。今日も日本の景気の下支えにひそやかな貢献をしました。


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【2011/01/10 17:31】 | キャリア~全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
特例子会社の設立に際して
特例子会社を設立しました。

日本では、障がい者の雇用促進のために、従業員54名以上を雇用する企業は、従業員全体の1.8%以上の障がい者を雇用することが義務つけられています。この雇用を促進するために、障がい者に特別な配慮をした子会社を設立し、必要な要件を満たすことを条件に、その子会社で雇用する障がい者を親会社及びグループ会社で雇用されているものとみなすことが認められていますが、それが特例子会社というものです。

ただし、単に障がい者雇用率の達成を目的にするのではなく、以下の2点について十分に理解して考える必要があると個人的には考えています。

① 特例子会社をつくったからといって、すべての障がい者の職場をそこに求めるのではなく、一般の職場でも障がい者の雇用拡大につとめ、特例子会社との二本立てでの雇用施策をとるべき。
② あくまでも特例子会社も営利を目的とした企業であり、福祉作業所的な発想で運営をしてはいけない。稼いだ分から給料を得るという企業の原則は貫く必要がある。

当社の場合は、あまりにも社員数の増加が大きく、それに対応して障がい者の雇用を増やすには、特例子会社も必要だとの判断により、ここ数カ月の突貫工事で設立にこぎつけました。

で、1月5日にその新会社の開所式を実施しました。

新規に雇用した障がい者は5名です。年度内にはさらに5名以上増やそうと考えています。いわば創業メンバーである5名には、開所式の中で1人ひとり抱負を話していただきました。

これが実は感動的でした。私たち運営に携わる側も、短期間に設立までこぎつけたことに感無量でありちょっと感傷的なモードになっていたということもありますが、5名それぞれのする話が実に素敵で感動を呼ぶのです。ビデオを撮影しておくべきでした。

共通する要素は2つありました。

1つ目は、仕事をできることに対する純粋な喜びと感謝。今回のメンバーの中には、久しぶりの就労の人もいますし、障がいを持つようになってから初めての就労の方もいます。それらの方、皆がここでこれから働けることへの素直な喜びを表明してくださるのです。俄然、われわれもやる気がでますし責任感も強まります。

そして、2つ目は、家族への感謝。年齢も家族構成も違う5名ですが、親への感謝、配偶者への感謝の言葉はとても印象的です。

働くことへの感謝、家族への感謝ともに、あまりにも当たり前過ぎて、私たちは口に出すことはなかなかありません。

私たちは、働くことに対して、下手をすると不平不満が先にきて、自分が今、仕事を得ているということに対する純粋な感謝を忘れているところがあるのではないかと思います。そんな不平不満が出るのも、仕事を得ているからこそということを忘れているところがあるのではないかと思います。感謝よりも権利が前面に出ては、それこそ良い仕事はできません。

家族への感謝もまったく同様です。

こんなあたり前のことを心の中に呼び起こしてくれただけで、特例子会社の設立を決意して本当によかったと単純に感じました。

絶対に誇れる会社にしたいと思います。
そして、それは社員全員の手で成し遂げなければなりません。

《2011年1月9日》 冬、晴れですね。昨日、血液検査の結果が出て、尿酸値がかなり戻ってました。また、ちゃんと薬飲みます。それだけじゃ解決しないんだろうけど。


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【2011/01/09 15:15】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
ラーニングイノベーション論2期生
金曜日の夜にツイッターでまたまたラーニングイノベーション論2期生がにぎやかにつぶやきあっていました。ラーニングピクニック番外編として、某中央銀行に訪問したとのこと。さらには、誕生日が近かったお2人へのサプライズ企画もあったとか。またまた飲み会では、20以上の番外企画ができたとか。とにかく、すごいパワーなんです、この集団。

ラーニングイノベーション論というのは、慶應義塾大学丸の内シティキャンパスが開催する東京大学の中原淳先生がやられている講座です。2009年度からスタートし、今年度が2期目です。で、私は前年度の第1期に参加した1期生です(えへん)。 ちなみに今年のカリキュラムはこんな感じです

この講座、コンテンツや登壇される皆様が素晴らしいのは横に置いておいて、講座終了後に受講生全体がラーニング・イノベーターを自称して、学ぶ集団として機能するのがすごいところです。学びにはたぶん何段階かがあるのだと思いますが、中原先生らが「導管教育」と称する大学の大教室で繰り広げられるような一方的に講師が知識を話し受講生はそれを吸収するというタイプが第1段階だとすると、インタラクティブなワークショップ的な仕掛けが本当に機能するのが第2段階(ラーニングイノペーション論自体はこれです)、そしてさらには自らがそれを主体となって実行しようというのが、第3段階。このメンバーはまさに第3段階を実践しています。そしてその内容が1つひとつ工夫されているだけでなく、メンバーのキャリア(仕事だけでなく人生に近い意味で使っています)に何らかの影響をきっと与えている、これはまさにラーニングイノベーターです。

実はツイッターも、フェイスブックも、私はラーニングイノベーション論2期生の影響で始めています。昨年12月には1期生、2期生合同でのダイアローグ・イン・ザ・ダーク企画で、2期生と1期生もつながり始めています。こんなつながりができたのも、何といっても第1期生として参加したからこそ。あぁ良かった。先物買いは絶対に吉です(ちなみに一期生も「学びYA」というその後企画を続けています)。

そして、講座終了後にも続くこんな集団が形成される触媒役を果たしてくれているのが、研修事務局という存在です。黒子でありながら影のファシリテーターでもある、前に出すぎないけれども、密やかなリーダーシップを発揮するそんな存在。

ラーニングイノベーション論のようなコース講座は、講師(ファシリ)と受講生と事務局の3者で作り上げるものなのだと思います。そして、それが素敵な出来栄えであれば、講座は最終日では終わりません。最終日が新たなスタートになるのです。

いずれにしても、常に暖かい刺激を送ってくれるラーニングイノベーション論2期生に、改めて感謝です。そして、それをもたらしてくれた中原先生と、世界の事務局Hさんに。

※ラーニングイノベーション論は、来期もあるそうです。興味のある方は、時折、慶應MCCのサイトをチェックください。

《2011年1月8日》 小倉百人一首第57期名人戦、見事に西郷六段が前人未到の13連覇を達成です。今、確か32歳でいらしたはずですから……、とにかくすごいです。おめでとうございます。再来週お会いする時には祝杯ですね。


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【2011/01/08 23:36】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
本当の協力関係をつくる7つの原則
ここ2日間紹介しているシャイン先生の「人を助けるとはどういうことか(原題:HELPING)」には、「本当の協力関係をつくる7つの原則」というサブタイトルがついています。

今日はこれについて整理してみます(235ページ)。

原則① 与える側も受け入れる側も用意ができているとき、効果的な支援が生じる。

原則② 支援関係が公平なものだと見なされたとき、効果的な支援が生まれる。

原則③ 支援者が適切な支援の役割を果たしているとき、支援は効果的に行われる。

原則④ あなたの言動のすべてが、人間関係の将来を決定づける介入である。

原則⑤ 効果的な支援は純粋な問いかけとともに始まる。

原則⑥ 問題を抱えている当事者(オーナー)はクライアントである。

原則⑦ すべての答えを得ることはできない。

それぞれの原則に対して、いくつかのコツが整理されています。例えば、原則⑥を例にとると以下の感じです。

コツ⑯ 関係を構築するまでは、クライアントの話の内容に関心を示しすぎないように注意すること。

コツ⑰ あなたがすべて知っていると思う問題とどれほど似ているようでも、それは他人の問題であって、あなたのものではないことを絶えず思い出そう。

これらのコツはセルフアウェアネスのポイントでもありますね。セルフアウェアネスが大事とただ漠然と意識するのではなく、自分が陥りがちな点をいくつか具体的に意識するというのは、有効な方法のように感じます。

この1つ1つの原則で、それぞれ1日分のブログを書きたくなります。ただ、7日間も続けると飽きるかな。どうするかは、明日考えます。

人を助けるとはどういうことか 本当の「協力関係」をつくる7つの原則人を助けるとはどういうことか 本当の「協力関係」をつくる7つの原則
(2009/08/08)
エドガー・H・シャイン

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《2011年1月7日》 大阪出張から帰還。いい出張でしたが、身体的にはちょっと疲れました。明日も予定が目いっぱい。


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【2011/01/07 23:41】 | キャリア~全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
クライアントは一段低い位置にいるため、力が弱く、支援者は一段高い位置にいるため、強力である
昨日、紹介したシャイン先生の「人を助けるとはどういうことか(原題:HELPING)」の中で、支援者とクライアントの位置関係の話があります。

「そもそもどんな支援関係も対等な状況にはない。クライアントは一段低い位置にいるため、力が弱く、支援者は一段高い位置にいるため、強力である。支援のプロセスで物事がうまくいかなくなる原因の大半は、当初から存在するこの不均衡を認めず、対処しないせいだ」(69ページ)。

昨年はキャリアカウンセリング協会のスーパーバイザー養成講座であれこれ建設的な苦悩をしたのですが、この要素は非常に重要です。キャリアカウンセラーは、当人が望む望まないにかかわらず、クライアントに比較して一段高いポジションにいてしまいます。しかし、経験の浅いカウンセラーはこの感覚がよくわかりません。わからないのならばまだいいのですが、困ったことに中にはこの感覚が好きだという、カウンセラーには最も向かないタイプの人も、GCDFホルダーになってしまうケースがあるのが現実です。

一段低いポジションにいるクライアントは、カウンセラーに嫌われたくないのです。カウンセラーに期待しているのです。カウンセラーを恐れているのです。そんな感情から出る言葉は、正しい言葉ではありません。だから関係構築が大切なのです。そして、関係構築をするためにも、クライアントの本当の課題を一緒に探し整理するためにも、シャイン先生のいう「控えめな質問」は大切です。

安易な支援は、クライアントの低いポジションをさらに下げることもあります、両者の関係を固定化してしまうこともあります。このことは明らかに依存関係を招きます。そして、真の解決から遠のくことを意味します。

支援者に求められるのは、クライアントのポジションを高めことです。そのために傾聴をし、控えめな質問をし、信頼関係を構築します。その先にしか自律的に意思決定と行動ができるクライアントは生まれません。

人を助けるとはどういうことか 本当の「協力関係」をつくる7つの原則人を助けるとはどういうことか 本当の「協力関係」をつくる7つの原則
(2009/08/08)
エドガー・H・シャイン

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《2011年1月6日》 夜に大阪に移動。東京駅まであと数100メートルというところで京浜東北線がストップ。東京駅のホームで火災で消火中とか。すぐ消えるものと思っていたのですが、結局40分近く缶詰になりました。そろそろと東京駅まで移動し、最初の車両だけホームに到達。全員が車両の中を歩いて、先頭車両から下車をしました。いい経験です。



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【2011/01/06 23:37】 | キャリア~全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
人事の書棚から116 「人を助けるとはどういうことか」エドガー・H・シャイン著 英知出版刊
昨年の秋から始まっている日本生産性本部の「人材発達支援塾」は、東京大学の中原淳先生が企画・運営をされている企業の人材育成担当者の勉強会です。理論を実践の中で活かすことを前提とし、各社2名で参加し、学んだ理論、学んだ事例を実践に活かすことを考えつつ、カリキュラムは進みます。かなり実験的な手法です。

その初回に神戸大学の金井壽宏先生がおいでになり、さまざまな問題提起をされました。その1つとして強くインパクトが残っているのが、「アンヘルプフル・ヘルプ」という概念です。

私たち人事の仕事をする人間は、当然ですが、経営の、そして社員の役に立つことをしたいと思って、日々の仕事をしています。でも、それが独りよがりになり、提供側は役に立つ支援だと思っているのが、提供させる側には何も役に立っていないということが果たしてないでしょうか。人事制度しかり、研修カリキュラムしかり……。これがまさに「アンヘルプフル・ヘルプ」、役立たずの支援です。

これは日常生活でも多々発生します。よくある家庭内での風景でも。

子どもが父親に勉強を教えてとやってきます。自宅で仕事をしていた父親は、嫌な顔もせずに開かれたページの勉強を教えて、役割を果たします。でも、ほんとうは子どもは勉強なんかどうでもよく、父親に学校であった話をしたかったのかもしれません。その切り口として勉強を使っただけだったのかもしれません。父親がしたのは、役立たずの支援でしかありません。

奥様がでがけに2つの洋服を指して、どっちが今日の外出にはいいか、旦那に聞きます。自宅で仕事をしていた旦那は、嫌な顔もせずに、今日の外出先の要件を聞いて、それにふさわしいと思った洋服を明示して、役割を果たします。でも、奥様がいいたかったのは、最近新しいフォーマルな洋服を買っていないので、そろそろ次のバーゲンでも買いたいなということだったのかもしれません。来週のお休みは一緒にショッピングでも行こうかと誘って欲しかったのかもしれません。そんな話を控えめに切り出そうとしたのに、見事に旦那に封殺されてしまったわけです。旦那がしたのは、役立たずの支援でしかありません。旦那は奥様が1日ご機嫌斜めの理由すらわかりません。

2011年に読んだ1冊目の記念すべき本、エドガー・H・シャイン先生の「人を助けるとはどういうことか」は、役立たずの支援に陥らないためのお話です。原題はまさにストレートに「ヘルピング」。

GCDFでは面談のことを「ヘルピング」といいますが、この「ヘルピング」の場でも、1人よがりの「アンヘルプフル・ヘルプ」をやってしまっているキャリアカウンセラーの卵の多いこと。もちろん、私もその1人です。私の気づきは、クライアントが自分の課題だといってきていることは、基本的に疑うこと、というものです。先の家庭内の2つの逸話もまさにそうです。私たちは、相手がいっていることに解をしめすことが支援だと勘違いしてしまっているところがあります。

でも、まず大切なのは本当の問題を突き止めること。シャイン先生は、そのために「控えめな質問」の大切さを説いています。

誰かを支援したいと思っている人、支援することが仕事でもある人、夫婦関係・恋人関係・親子関係・友人関係がどうもしっくりといかないと漠然と悩んでいる人、そんなすべての人にお薦めの本です。

※本書、発刊された時に気づきませんでした。先日、たまたまご協力をした英知出版の方から御礼にといただいたものです。相手の志向などをお考えの上なのでしょうか。見事なチョイスです。本当のありがとうございました。

人を助けるとはどういうことか 本当の「協力関係」をつくる7つの原則人を助けるとはどういうことか 本当の「協力関係」をつくる7つの原則
(2009/08/08)
エドガー・H・シャイン

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《2011年1月5日》 特例子会社の営業開始、午前中は開所式です。感動ものの内容はいずれまた書きます。夜はCOMPANYの導入打ち上げをワークスアプリケーションズの皆様と。昨日も今日も帰りは午前様で在社中は30分おきにミーティングがびつしり。お正月は遠いはるか過去へ。


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【2011/01/05 23:00】 | 書籍紹介 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
人事の書棚から115 「考える力を伸ばす教科書~ダイアローグと論理で思考力を高める」岸本光永・渡辺三枝子著 日本経済新聞出版社
考える力をつけるためにロジカルシンキングが必要だ、というのは極めて当たり前の話ですが、本書ではロジカルシンキングだけではなく、ダイアローグこそ、考える力をつけるために必要だと主張します。

本書の著者お2人は現在、立教大学大学院に籍を置かれます。
渡辺三枝子先生は、私たちキャリア関連の世界に興味を持つ人であれば、誰でも存じ上げている方ですが、専門分野はいうまでもなくカウンセリング心理学、職業心理学といった分野です。昨年は、スーパーバイザー養成講座で直接、ご指導をいただいたのですが、暖かくも厳しい姿勢に感動を覚えました。
そして、岸本先生は、民間企業、コンサルティング会社経営を経験されているファイナンス、事業再生、地域再生などの分野を専門とされる方です。

本書では、「考える力」を「時代の変革期を乗り越えて、新たな時代を創出す、という抽象的な、しかし、差し迫った課題を解決するのに必要な力」の総称であるとしています。課題を解決するために必要な考え力には、大きくわけて2つあるとしており、1つは「論理的に考える力」、そしてもう一つは「創造的に考える力」です。そして本書では、トレーニングによって向上可能である「論理的に考える力」に焦点を当てています。

日本人は比較的「意識的に考える」ことがそれほど重視してこなかった国民だといえます。国際化の進む社会において、以心伝心、時が自然に解決する、という手法が通用しなくなってきた今、それでは明らかに無理がきています。日本の停滞の原因の1つはここにあるともいえます。

伝統的な日本の教育は、座学が中心の導管教育・一斉授業の形式のものでした。つまり、教師が一方的に生徒に知識を効率よく伝達する手法です。これでは考える力が強まるわけがありません。マイケル・サルデル教授の「白熱教室」と比較してみれば、一目瞭然です。生徒から、それぞれの考えを引き出し、他の生徒の考えから自己の気付きを促すのが、考える教育の基本でしょう。まさに、ダイアローグとリフレクションの世界です。

ダイアローグが成立する前提として、1人1人が明確に考え、意識的に話す努力をする、というものがあるでしょう。そして、個々の人の考えには違いがあることを前提として認めることも必要となります。単一的価値観の集団出ない限り、これらは絶対に必要なことです。国際紛争の解決にはダイアローグのアプローチしかないといわれるのは、このあたりからくることなのだと思います。

そして、このために必要な要素が、クリティカル・シンキングとリフレクションだと本書では指摘しています。確かに、リフレクションなきクリティカル・シンキングは単なる相手への攻撃に終始してしまう可能性があります。

ダイアローグは、組織メンバー全員が学習し、気づき、考え、知恵を生むことを招きます。そんな組織こそ、「学習する組織」そのものです。

そんな組織を増やしていきたいものです。

考える力を伸ばす教科書―ダイアローグと論理で思考力を高める考える力を伸ばす教科書―ダイアローグと論理で思考力を高める
(2010/12/14)
渡辺 三枝子、岸本 光永 他

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《2011年1月4日》 仕事スタート。夕方からは深川不動尊にて昇段祈願。いよいよ明日から、新会社も始まります。


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リデンプション(超回復)する日本
元旦のブログでもちょっとご紹介した12月30日付日本経済新聞の「経済教室」からです。タイトルは「企業経営の課題~リーダ育成」「危機から超回復目指せ」です。著者は神戸大学の金井壽宏先生。

金井先生が近年言及されている「レジリエンス(快復力やしなやかさ)」「リデンプション(超回復)」が取り上げられています。

『ある個人が元気がなかったとしても、元気がないという静態、状態に注目するのではなく、今は元気がなくても、どうやって元気を回復するかという動態、「レジリエンス(快復力やしなやかさ)」の視点が必要である。さらには、回復するときには元の状態を上回るほど元気になり、いっそう充実していくという動態、「リデンプション(超回復)」という視点が大事である』

極めて端的にレジリエンスとリデンプションについて説明をされています。レジリエンスという概念は以前から好きでしたが、一昨年(もう昨年ではありません)に慶應義塾大学丸の内シティキャンパスの「ラーニングイノベーション論」での金井先生の講義で初めてリデンプションという言葉を聞いたときには、ちょっとその前向き過ぎる思想にびっくりさせられました。

しかし、冷静に考えると単なる前向きな精神論的な思想とはまったく異なります。本当の危機を迎えて、それと真正面から取り組むことよって初めて「超回復」は可能です。そして、歴史的には日本の戦後の復興がそれを証明しています。日本人という国民が、リデンプションを成し遂げたのが戦後の復興だといえます。また、「竜馬伝」「坂の上の雲」の時代も同様でしょう。

これらのドラマをみて、古き良き時代に思いをはせて「昔は良かった」とのんびり言っている場合ではありません。日本に元気がないという話をすることで何もしていない自分自身に免罪符を与えている場合でもありません。

私たちが生きているこの時代に、どうすれば私たちは回復、そして超回復をできるのか。金井先生はそのキーをやはり「リーダー」に求めます。

『落ち込んでも希望をもって持ち返す、さらにより高いところにもっていくことは、リーダーシップの真骨頂でもあり、リーダーについていく人の希望にもなる』。

今年は年初から「希望」を語る人が多いように感じます。

《2011年1月3日》 新年初二日酔い。結構ヘビー。病院いって豊洲のららぽーと行って、木場のギャザリア行って、近場で過ごします。夜からはお仕事モードに入ります。あっ「新参者」もみないと。


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対話から始まる2011年
昨日、元旦の朝日新聞の朝刊1面トップの記事の大見出しは「答えは対話の中に」。サブ見出しは「子どもや若者のあしたへ。希望の橋をかけたい。まず、小さな白熱教室から」。

対話を重視した小学校の授業の紹介が続きます。

『まず、スピーチを採り入れ、考えを持つ大切さと、伝える手法を教えた。次は、ディベート。賛否の立場を決め、意見をぶつけあう訓練だ。だが、「社会で生きていくためには何か足りない」と思い始めた。言いっぱなしのスピーチでも、言い合いのディベートでもない。相手の意見に耳を傾け、自分のなかで消化し、新たな意見を投げかける。その繰り返しが、みんなを高め、よい人間関係につながる……』。

単なるおしゃべりではなく、議論でもなく、合理的な合意形成を目的するのでもなく、一人称的な視座で語り合う「対話」(ダイアローグ)は、東京大学の中原先生や、産業能率大学の長岡先生らのパワーで、ここ1~2年の企業内人材育成の世界ではキーワードの1つになっています。

日本の教育は、いかに早くいかに正確に答えを出すか、いかに多くの知識を習得するか、に偏重していたともいえます。しかし、これは目指すべき方向が明確であり、求めべき解が明確であった世界でのお話です。今や、あらゆる企業が答えのない原野で苦悩しています。対話(ダイアローグ)をする組織、そしてダイアローグの中から学習する組織が、それを救う可能性があります。昨年、マイケル・サンデル教授の「白熱教室」があれだけの人気を集めたのも、うなずけることです。

「対話」(ダイアローグ)をするためには、何とはなしの安心感というか信頼感が存在している必要があるように感じます。そんな安心感というか、信頼感を組織に作るのが、リーダーの新しい役割の1つのようにも感じます。

方や、日本経済新聞の元旦朝刊のトップ記事は「3度目の奇跡」です。日本が成し遂げた過去2回の奇跡。すなわち、幕末・明治維新から列強と伍して戦うだけの日本に育てあげた明治期の日本の奇跡、そして戦後の見事なまでの復興を果たした昭和の日本の奇跡、そんな奇跡を起こした日本だから、3度目の奇跡は起こせるはずです。日本経済新聞の元旦の紙面は、冷静ながらも非常にオープンで前向きな記事が並んでいます。私は日本の閉塞感を作っている責任の相当の部分はマスコミにある、という感覚を持っていますが、この日本経済新聞の取り組みには、非常に好感が持てます。

いずれにしても、「対話」(ダイアローグ)がキーワードで始まった、2011年。
少し日本が変わるように思います。近未来からみて、2011年は日本にとって1つの節目だったよね、あのままいってたらヤバかったよね、といわれるような年にしたいですね。その土壌は草の根的にできてきているように感じています。もちろん、自分も自分の分野で多少は空回りもしながらも精一杯頑張ります。

《2011年1月2日》 大学時代のサークルの仲間が私の実家に集まり、昼間っから新年会。素晴らしい日でした。


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【2011/01/02 12:50】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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