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オフショアBPOに思う
先週土曜日のAAA3.0での「2020年のアウトソーシング」という話の中で、オフショアBPOについての言及がありました。

日本で行われている業務を切り出して、中国などの海外で低コストで業務を遂行する手法ですが、既に多くの企業で活用されています。

歴史的にみると、日本はまず製造拠点を海外に求めました。安価な原材料、人件費、関税の違い等がその背景にありました。この結果、何が起こったかというと、いわゆるブルーカラーの仕事が日本から大きく失われました。

そして、今起こっているオフショアBPOの波は、主に管理間接部門におけるルーティンワークの海外移転だといえます。これらの仕事が、製造業における生産拠点が海外に移るのと同じように海外に移り始めているわけです。その結果、間接部門のルーティン業務は日本から大きく失われるようになるでしょう。

では、日本人は何をすればいいのでしょうか。

残る仕事のほとんどは、高度な判断・企画・開発・研究業務と、営業、販売という対面業務でしょう。間接部門の外部化が進むと、特に文系の学部を出た人は、エントリー的な業務としては、ほぼ営業・販売しか仕事がなくなりかねません。

もちろん日本人のすべてがこれらの業務を幸せにこなすことができれば何の問題もありません。人口減少が見込まれる中、業務の一部を海外移転するのはマクロ的には良いことでしょう。それでなければ、移民の受け入れです。

でも、日本人にもいろいろなタイプの人がいます。人との交渉は得意ではないけれども、こつこつとしっかりと自分の持ち場の責任を果たすタイプ、そんなタイプの日本人も多いのではないでしょうか(ひょっとすると増えて来ているようにも感じます)。

企業が事業ポートフォーリオを変える時には、人材ポートフォーリオの変革も行います。求められる人材像を再設計し、必要な再教育、外部からの獲得、希望退職などの代謝といった施策を打ちます。

日本もまさに事業ポートフォーリオを国家として書き変えているのだとすると、人材ポートフォーリオも変革しなければなりません。日本国民を採用・代謝するというのは馴染みませんから、大切なのは教育です。

新たなポートフォーリオを満たす人材を学校教育は輩出しなければなりません。年末のNHKの番組で、農学部も工学部も水産学部もあるのに、なぜ営業学部がないのかという話がありましたが、これなんかもまじめにとりあうべきテーマかもしれません。

小学校教育から高等教育まで、新しい日本を運営するような人材を輩出するように少しずつでもいいですから、新しい舵取りをしていかなければなりません。そして、そんな思いで動き出している人がかなり増えつつあるように感じます。何とか間に合わせたいです。

《2011年1月12日》 今晩は「ミレニアム会」。できた年はわかりますね。世紀をまたいで半年間、毎週ともに学んだ仲間の会です。官民、業界もバラエティな顔ぶれ。10年たった今も毎月第2水曜日に神保町で集まっています。


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【2011/01/12 23:40】 | シェアード・サービス | トラックバック(0) | コメント(2) | page top↑
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