手っ取り早いリーダーシップ育成の場としてのプロジェクト
ちょこっと昨日のリーダーシップの話の続きです。

金井壽宏先生は著書「リーダーシップ入門」の中で、リーダーが育つ条件を整理してくださっています。

・自分がリーダーシップを直接に経験すること
・すごいリーダーだと思えるひとといっしょに仕事をして、そのひとの言動を観察すること
・それらの経験と観察からの教訓を言語化し、自分なりの持論を構築すること
・学者の理論やすぐれた実践家の持論は観賞するように読むのではなく、自分の持論を創出し肉付けするために活用すること

まさに経験とリフレクションと持論化ですね。あと、モニタリングです。まず何よりも「経験」がベースにあるのがリーダーシップ教育を難しくしています。極論をすれば、リーダーをやらせてみるしか、本当のリーダーシップ教育はできないのです。「あいつももう十分にリーダーの資格があるから、そろそろ課長でも任せてみるか」では駄目で、「あいつを課長ができるように育て上げたいから、課長にチャレンジさせてみよう」が必要なのです。これは伝統的な大企業ではなかなか難しいことです。

いろいろな会社の人と話していても、比較的小さな会社、ベンチャー的な会社の方が、リーダーシップを発揮されている方が多いように感じます。これはもう人材がいないわけですから、ストレッチして仕事をやるわけです。そして、大会社のように均質な社員ばかりの組織ではありませんから、リーダーとしても揉まれます。そんな経験の中からリーダーシップは育っていきます。ただ、伝統的大企業の中でも大きく舵を切ろうとするところも多く出ていますね。若手に子会社を任せたり、組織にダイバーシティを無理やりビルトインしたり。

でも、一番手っ取り早く、効果的なリーダーシップ育成の場は、プロジェクトだと思います。プロジェクト・リーダーであれば、若手を抜擢しやすいですよね。プロジェクトというのは各部署から人が集められ、外部の人材も多く関与しますから、リーダーシップを磨くには非常に良い場です。異なる立場とバックボーンの人を束ねるには、そのプロジェクトとしての大きくわくわくする「絵を描く」必要があります。そして、予算と期間の制約が健全なプレッシャーにもなります。ああ、この人は骨があるなぁと感じる方は、よくよく話してみると比較的若い頃に困難なプロジェクトに携わった経験があったりします。

リーダーシップ入門 (日経文庫)リーダーシップ入門 (日経文庫)
(2005/03)
金井 寿宏

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《2011年10月31日》 浜松町で学び、飲んでいるうちに、スワローズが鮮やかな勝利を決めていました。


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【2011/10/31 23:52】 | マネジメント・リーダーシップ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
大きな絵を描き、広く関連する人びとを巻き込み、…
ちょっとリーダーシップについて整理する必要が出たので、自宅の関連書籍をパラパラとみていました。何か1冊をまず人に勧めるとしたら何かなぁと思ったのですが、やっぱり金井壽宏先生の「リーダーシップ入門」あたりかな、と思います。

「リーダーシップ」に関する定義は山ほどあるのですが、この本の中で金井先生は

    「大きな絵を描き、広く関連する人びとを巻き込み、絵を実現すること」

と定義されています。私はこれがとてもしっくりきます。この定義は3つの要素に分解されます。すなわち①大きな絵を描く、②広く関連する人びとを巻き込む、③絵を実現する、です。

そして、この要素のうち最初の2つは、なぜ今、これほどまでにリーダーシップが大切だと世の中で言われているのかを端的に語っています。

まずは「大きな絵を描く」ですが、やることが決まっている世界ではことさら改めて「絵を描く」ことは求められないわけです。つまり、リーダーシップは求められないわけです。そんな世界で大切なのは、きちんと適性な管理を厳密にすること、リスクを排除することの2つです。確立された安定的なビジネスモデルのもとでビジネスを推進できる企業はこれでいいのです。イノベーターもリーダーも必要ありません。しかし、21世紀の日本にそんな状況に置かれた業界や企業が果たしてあるでしょうか。

まさに今は「やること自体が決められていない時代」に突入して久しいといえます。概して歴史的に儲かるビジネスモデルが確立している伝統的企業でリーダーシップ不全の問題が出やすいように思いますが、これは当然のことです。こうやれば儲かるという仕組みがしっかりしていた企業では、1人ひとりのリーダーがやること自体を決める必要はなかったわけですから。ひたすらリスクを低減させ、仔細にわたる管理をすれば利益は最大化したのです。でも、パラダイムが変わったのですから、リスク排除と仔細な管理に明け暮れては、そのような企業は早晩、滅び去ります。

2つ目は「広く関連する人びとを巻き込む」です。リーダーシップの対象となる範囲は会社組織上の部下だけではないですね。「絵を実現させるため」に関連する人すべてを動かす必要があるわけです。それは、社内の他部署の人間であり、仕入先であり、お客様であったりします。直属の部下であれば、人事権や予算を握っている上司にいやいやついてくるかもしれません。しかし、そうでない人を動かさなければならないのがリーダーです。そのためには命令ではなく、心を動かすことが必要になります。そして、ビジネスはますます複雑になり、「絵を実現させるため」に動いてもらわなければならない人は多岐に渡ります。社内だけを見渡しても、派遣社員・業務委託などの雇用形態が入り組み、外国人など多様な人々がいます。まさに「広く関連する人びとを巻き込む」ことなくしては成果を上げられない時代です。

という塩梅に、とても基本的なことを整理していました。

《2011年10月30日》 うーん、残念。でも、明日は勝つか引き分けるぞ。
【2011/10/30 23:05】 | マネジメント・リーダーシップ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
前職関連の会、3連続。続くときは続くもの。
今週後半は前職の皆様と多くお会いした週でした。

木曜日は東京営業部の「しあわせ会」。私が入社した時に既に60歳を超えた取締役だった方まで含めて、営業所OBの年に1回のイベントです。この会社、様々なOB会があります。OBの定義は会社を退職している人ですが、この会社、大半の人が定年まで勤め上げるので、メンバーは基本的に60歳以上です。平均年齢で60代後半でしょうか。そんな中で元営業では私が最年少。途中退職した元営業は4名だけ呼ばれており、今回はそのうち2名が参加です。参加率が低かった理由はその開催時間。以前は夕刻からだったのですが、時間が遅いと帰りの足元が危険であるため(本当の理由でしょうか…)とかいって、12時から14時の開催でした。いつまでたっても、こちらの皆様にはファーストネーム+ちゃん付けで呼ばれております。

金曜日はにっぽんお好み焼き協会の理事会で、前職の本社に。終了後、営業フロアーをふらふらとしていろいろな方から最近の情勢を伺ったり、こちらの話をしたり。その後、仙台の部長を迎えて、佐竹会長も一緒に丸の内で一杯。1時間ほどで失礼して、次の会へ。こちらは前職の元人事の仲間の会で、私が人事SSCの責任者をやっていた当時に頑張ってくれていた派遣スタッフが、旦那の仕事の都合でシンガポールに行くということで壮行会です。ちょうどCOMPANY導入で苦労をともにしたメンバーであり、ワークスアプリケーションズの歴代担当者、他社のCOMPANYつながりの皆様もお出でになり、久しぶりに時間を完全に無視して飲んでおりました。

水曜日にアルコール解禁になって良かったとつくづく思った次第です。それにしても、続くときは続くので面白いものです。

《2011年10月29日》 クライマックスシリーズ、見事な仕事運びで先勝です。
【2011/10/29 23:41】 | キャリア~全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
本気で効率化~仕事の進め方の基本(良い習慣は才能を超える)
昨日少しふれた東レ経営研究所の佐々木常夫氏のお話ですが、非常に多くのところで語られているのでご存知の方も多いと思います。ご家族の事情から、徹底的に効率的な業務進行をせざるを得ない状況においやられ、それも運命であると受け止めて、仕事を進めてこられた方です。リアルに話を聞かないとなかなか伝わらないところもあると思いますので、そこらあたりのお話は省略させていただきます。著作も多数ありますので、興味のある方はそちらをどうぞ。

以前にも少し紹介したことがありますが、佐々木氏が確か課長時代だったと思いますが、メンバーに提示していたという仕事の進め方の基本です。

仕事の進め方の基本(良い習慣は才能を超える)

1.計画主義と重点主義 …仕事の計画策定と重要度を評価する。すぐ走り出してはいけない。
2.効率主義 …最短コースを選ぶこと。通常の仕事は拙速を尊ぶ。
3.フォローアップの徹底 …自らの業務遂行の冷静な評価を行い次のレベルアップにつなげる。
4.結果主義 …仕事はそのプロセスで努力も理解するが、その結果で評価される。
5.シンプル主義 …事務処理、管理、制度、資料、会話はシンプルを持って秀とする。
6.整理整頓主義 …仕事の迅速性に繋がる。
7.常に上位者の視点 …自分より上の立場での発想は仕事の幅と内容を高度化する。
8.自己主張の明確化 …しかし他人の意見をよく聴くこと。
9.自己研鑽 …向上心は仕事を面白くする。
10.自己中心主義 …自分を大切にするとということは人を大切にすること。

佐々木氏の場合は、だらだらとした仕事を環境が許さなかったので、仕事も家事もすべて計画的戦略的に進めることせざるをえなかったといえます。しかし、これはもの凄い意思の力です。結果的には、趣味や交友範囲などの削減、絞込みを相当されたとのことです。いつかきっと良い日が来ると信じて、仕事と家事以外は極力排除して、それでも、頑張り抜かれたわけです。

私たちはどこまで真剣に長時間労働の是正を考えているでしょうか。どこまで真剣に業務の効率化を目指しているでしょうか。単なるスローガン的な残業削減は効果はありません。単なる強制的な残業削減はサービス残業を呼び起こすだけかもしれません。そうではなく、本当に削減するのだという迫力と腹決めがまずは必要です。

いずれにしても、本気で決めることですね。そして、決めたことを行動に落とし込むことですね。



【2011/10/28 23:55】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
給与アウトソーシングの進化
給与業務の委託先を変更することになり、6社コンペの末、ペイロール社を選定しました。現在、セットアップ作業に入っています。

まだ、実ユーザーにはなっていないのですが、昨日、ペイロール契約企業向けセミナーというのがあり、お邪魔してきました。ワークスアプリケーションズのCOMPANYユーザーコミッティのような会です。基調講演は東レ経営研究所の佐々木常夫さん。実は私はお話を直接聞くのは初めてだったので、これだけでもありがたかったです。そして、想像とおりに得るものがありました。それに引き続き、ユーザー事例の紹介。ケンタッキー・フライドチキンさんが昨年の導入にまつわる話をされました。委託先としっかりとパートナー関係を構築しており、非常に参考になりました。熱い思いを共有させていただきました。そのあとはペイロール社から今後のサービスリリース予定の話。当社としては早く出して!というサービスがあります。来年の春くらいでしょうか。そしてそして最後は、懇親会。多くの先輩企業の皆様と交流をすることができました。ペイロール社の社員もほとんど総出でアットホームな対応です。大変に温かみのある好感の持てる会になっていました。聞けば、今年で3回目とのことです。

実は21世紀に入ってまだ間もない頃、ペイロール社の三宿の旧オフィスに見学に行ったことがあります。前職の頃の話なのですが、もともとホストコンピューターで給与計算をしていたところ、ホストを廃止することになり、代替を検討していました。ただ、当時の給与アウトソーサーはどうにもあぶなっかしく見え、結果的にCOMPANYを購入して、人事にて内製することにしました。

たまたま、その頃に三宿に見学に行き、ペイロール社と契約をされた会社様がおられました。ほぼ同じ時に同じことを考えており、異なる結論に至ったわけです。その後、さまざまなお客様にペイロール社も育てられたようです。また、システム的な進歩もあり、今ではあまり不安なく委託を進めることができます。もちろん、セットアップのミーティングでは厳しい意見のぶつけ合いをしますが。

給与データは重要な経営データですが、給与計算自体は残念ながらノンコア業務であることは間違いありません。社員とのインターフェースの部分は貴重ですが、それとてやり方があります。アウトソーサーが自社のメンバーの気持ちでハートフルな対応をするところまで進化を遂げれば、個別企業に給与実務担当者を置くのが異常に映る時代がきっとくるでしょう。それでも残るのはインターフェースをする担当者です。これはアウトソーサーを効率的・効果的に活かすためにも重要な仕事です。そして、シェアードサービスセンターにおける給与業務というものも、自社グループ企業とアウトソーサーのインターフェースが主たる役割になると思います。

《2011年10月27日》 残業続き。お昼は「しあわせ会」でした。これはまた近日中に書きます。そうそう、今日はラーニングイノベーション論3期の最終日のようです。そして、来季もまたあるとか。なんていっているうちにR社某氏転職の話題が駆け巡ってます。会社を超えて世界はつながっていますね。
【2011/10/27 23:58】 | シェアード・サービス | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
働いて、貢献して、稼ぐ~特例子会社のポリシー
障がい者特例子会社の責任者をしていますが、わが社のポリシーです。※※※※※には社名が入ります。何よりも扶養家族としての特例子会社ではなく、戦力としての特例子会社を目指しています。

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1. 働いて、貢献して、稼ぐ

※※※※※は、特例子会社である以前に、利益を生み出す使命を持った株式会社です。そして多くのステークスホルダーのために、利潤追求と事業継続の使命を負っています。ですから、私たちはきちんと働いて、その結果として他者に貢献して、そして稼ぐ必要があります。そこに甘えはありません。「働いて、貢献して、稼ぐ」。このサイクルをきちんとまわすことによって、はじめて1人1人が成長して、自立することができると私たちは信じています。

2. 仲間同士で貢献しあうチームに

※※※※※には、精神・身体・知的とさまざまな障がいを持ったメンバーが集まっています。1人1人の事情は異なります。1人1人の得手・不得手も異なります。1人1人の志向・好み・性格も異なります。それは当然のことです。それぞれが1人の人間なのですから。そして1人1人が異なるからこそ、チームワークの精神が大切なのだと私たちは思います。1人1人が自分にできる精一杯を尽くし、仲間や会社に貢献することが本当のチームワークだと私たちは思っています。そして、私たちはそれを日々、目指しています。

3. 優れた貢献をするために最適な環境を作る

※※※※※は、株式会社であると同時に特例子会社です。特例子会社という立場を最大限に活かし、1人1人が優れた貢献をするために最適な環境を作る努力を続けます。「最適な環境」というのは「最高の環境」とは異なります。「働いて、貢献して、稼ぐ」ために最も適した環境です。そのためには、1人1人をきちんと見つめます。だから、※※※※※は管理社員との面談を多く実施し、1人1人と向き合います。

社員がそれぞれの立場、能力で仲間に貢献することが、ビジネスの成長に繋がり、それはやがては社会への貢献、そして、社会人としての誇りと自信に繋がると私は思っています。

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「貢献する力」が誰にも備わっていることを信じて、果てしなき日常の中で、明るく苦闘しています。現在、支援・管理メンバー3名、障がい者メンバー12名の小さな会社です。


《2011年10月26日》 本日からアルコール解禁です。皆様ご迷惑をおかけいたしました(?)。復活初日はお台場でした。
【2011/10/26 23:15】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
「会社を変えるリーダーになるエクゼクティブ・コーチング入門」鈴木義幸著 日本実業出版社刊
昨日はいただいた本のタイトルすら紹介するのを忘れました。で、今日は続きで書籍紹介です。

エクゼクティブ・コーチングは、いうまでもなくより良きリーダーになるために行うものです。では、より良きリーダーとは何でしょう。山ほど答えはありますが、本書を読んで改めて感じるのは、「決める」ってことだよな、ということです。ほんとに「決める」ということは難しいです。ただ、これは日頃から意識しないとできるようになりません。上司の大切な役割は、部下に決めることができる人に少しずつなってもらっていくことです。それがリーダー育成そのものです。

理路整然といろいろな案を出せるのだけど、担当としての結論を出さずに相談がくると、ちょっとイラつきますよね。もちろん最後に決めるのは上司であり、すべての意見に耳を傾け、最後は自分で決めるというのが、リーダーの役割そのものです。
しかし、「決めてください」とばかりに単なる複数案併記で相談に来る担当者をみると、担当者として一番大切なところの仕事をせずに投げ出しているような気すらします。決めるつもりで複数案を検討するのと、複数案併記して上に提出するのが仕事と思って検討するのとでは、検討の深みも迫力もまったく違ってきます。担当者といえども、その仕事に対するリーダーシップをとって欲しいとついつい思ってしまいます。

さて、本書の中身に戻りますが、本書で一番印象に残った言葉は、「決めるって決めてないからだよ」という言葉です。なぜ、ものごとが決められないか、という問への究極の答えです。決断するということをまず決めないと何も決められない、わけです。ここからついつい私たちは逃げてしまいます。しかし、リーダーであるからには、決めると決めなければ仕事はつとまりません。

『決断するのはリーダーの仕事である。それは技術ではなく、意思の問題である』。
まさにそのとおりですね。

会社を変えるリーダーになる エグゼクティブ・コーチング入門会社を変えるリーダーになる エグゼクティブ・コーチング入門
(2009/10/16)
鈴木 義幸

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《2011年10月25日》 あれやらこれやらあれこれと仕事。それと、あれこれ繋がる。こっちはすごい。さあ、明日は中抜けで病院だ。楽しみだ。
【2011/10/25 23:27】 | 書籍紹介 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
人を動かすための2つの方法
コーチングなんか知らないという経営者に対して、これだけ読めばすぐにエクゼクティブ・コーチを検討しようと思わせるような魔法のプレゼン資料ない?ってとある方に聞いたところ、やはりありませんでした。

でも、代わりにいろいろな意見とアイデアをいただきました。そして、あわせて一冊の書籍をいただきました。たまたま土曜日は移動時間が長かったため、移動の車中で読了することができました。なかなか面白く一気に読めました。

エクゼクティブ・コーチの概要を説明した上で、実際のコーチングのセッションの連続をドラマ仕立てに紹介しています。たぶん天邪鬼な人は、こんなにうまくいくわけないじゃん、というのでしょう。私もそう思います。案件毎にさまざまな苦悩とぶつかり合いがあるはずですから、いつもこうは行かないのは当然です。

改めて紐解いてみると、いろいろと「なるほど」が書かれているのですが、今日は1つだけ「人の動かし方には2種類ある」というのを紹介しましょう。

人を動かすためには、相手の何かのエネルギーに火をつけなければなりません。

1つ目は、相手の中に不安をつくり出して、相手がその不安を解消させようとするときに生まれるエネルギーを利用する方法です。成績が悪いと怒鳴り、叱り、相手を不安に陥れ、その状況から抜け出したいというエネルギーを活用するというのが代表的なパターンですね。普段はろくに言葉もかけず、良い成績をあげたときだけ「よくやった」と褒めます。どんな行為に対してどんなタイミングで褒めるかというのが、ことのほか重要になります。軽々しくちょっとした成功に褒めるのではなく、まさに伝家の宝刀のごとく「褒める」を使うのです。

もう1つは、不安ではなく安心感を与えるアプローチです。その安心感を拠り所として、相手が行動を起こすことができるように関わっていくという方法です。そのためには相手の存在自体に対する認知を与えていきます。頻繁に声をかけ、名前を呼び、ともに仕事ができることの素晴らしさを伝えていき、相手のためにまず居場所を十分に確保し、その中で相手が自由に創造的に動けるように支援していきます。ここでは、単にほめるのではなく「アクノリッジメント(存在承認)」という行為が重要視されます。声をかける、挨拶をする、話を聞いてあげる、名前を呼ぶ、その人の過去の肯定的な言動を覚えていてそのことを話題に出す……。

本書では、前者のアプローチから後者のアプローチに会社全体を変えることにより、業績回復を果たすという結果になっています。まっただ、どちらが正解ということではありません。双方を知っていることが大切であり、前者に傾斜しがちな人は、後者を折々に意識するといいのかもしれません。

私は個人的にいまでもコーチングを少しうさんくさいものと思っています。特に電話でやるというのが何となくしっくりときません。まずは自分のこの感覚を覆すことかと思っています。

《2011年10月24日》 ここのところいろいろな方のお話を聞き、やりたいこと、やらなければまずいなぁと思うことが行列を作っています。徹底的に前向きな仕事をしたいのですが、片や降ってくるものも雨あられで、そうは問屋が簡単には許さないのがビジネスの面白いところです。
【2011/10/24 23:52】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
でも、やりゃできるんだという「自信」
昨日は慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスにて、インターンシップ成果報告会。土曜日にSFCでやるので、企業担当としては少々しんどいですが、それでも行くだけの価値はあります。といっても、私は東工大に立ち寄っていたので、大幅遅刻。

インターン生、企業受入担当者、キャリアアドバイザーがごっちゃになってチームを作り、インターンシップの振り返りのディスカッションをします。キャリアアドバイザーには、MCCのキャリアアドバイザー講座卒業生の面々が……。ということで、遅刻をしてもとってもホームな感じでした。グループディスカッションのあとは、当然グループ毎に発表。で、学生の皆さんとても発表がうまい。授業・研究会の中で鍛えられています。このあたりがSFCの凄さです。

発表が終わる頃に花田光世先生が登場。最後のグループの発表の質疑応答だけ聞いて、総括の講話に入ります。

発表の質疑応答の最後は、インターンシップを終えて2カ月経った今、インターンシップに行こうと思ったときから、自分に何か変化があったと実感できることがあったら教えて欲しい、という質問でした。

これに対して発表者は、「自信」ができた、と応えました。
今までは、何かやろうと決めても、お金が大変だとか何とかいいわけをつけて結局やらないことが多かったが、今ならできる気がする。毎年、ホノルルマラソンに行こうといっていたのだけど、お金がきついからといってやめていた。でも、そんなものは解決できる話であり、今年は必ず行く。
そんな話をしていました。

花田先生は講話の冒頭でこのやりとりを取り上げます。

「自信」というのは、嫌いなことでも、嫌なことでもやれるということが自信になっている。社会に出て好きなことなんかできるはずがない、ということが理解できて、でも、やりゃできるんだという気持ちが持てる。これが「自信」。

まっ、こんな話です。こういう「自信」を持てた奴は、絶対に仕事ができますね。そして、こういった「自信」をつけさせることこそが、大学のキャリア教育の役割だと思います。自分探しや、業界研究よりも、何倍も大事です。今の就職活動のプロセスでは、この手の「自信」を持つことはなかなかできずに、逆に優秀な学生であればあるほど勘違いを起こして、それが後々にギャップとなり、いい仕事ができないという悪循環を生んでいるところもあるように感じます。

SFCのインターンシップは4週間です。そして対象は大学2年生です。受入各社ともにお客様扱いすることなく、情け容赦ないインターンシップをやります。採用目的の予定調和的な実社会と切り離されたインチキのインターンシップとはまったく異なります。でも、今年度このインターンシップを受けたのは、わずかに7人。なんてもったいない話でしょう。学生からみて魅力が理解できないのです。終了後にSFCの食堂で懇親会がありましたが、キャリアアドバイザー仲間とは、来年は募集段階から関与したいと花田先生に訴えていました。


《2011年10月23日》 堀切菖蒲園のラーメン大にオープン(11時)と同時に入って、ニンニク・野菜多めを食べただけなのですが、晩飯も喰う気にならず、本日1食です。わずかに食費は650円。この二郎系のコストパフォーマンスには驚くべきものがあります。仮に毎日こういう生活をしたとすれば、650円×365日=237,250円と、1年間を24万円くらいで生きていくことができます。でも、別に黒烏龍茶代がかかりますけどね。あと、病気になって治療代もかかるかも。

【2011/10/23 23:32】 | キャリア~学生・就職・採用 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
成熟期のパラダイムシフト
「Works」最新号のおまけ(?)についてきた「成熟期のパラダイムシフト~2020年の働くを展望する」がとてもいいです。豊富なデータをもとに解釈をして、それをポップな誌面でまとめあげるという芸当は、やっぱり今のところ「Works」編集部が抜きんでています。ほんとにとっても作りもいいんです。

で、コンテンツなのですが、タイトル通りに2020年の「働く」を展望しています。私たちのイメージからくる常識とは少々異なる解釈も並びます。項目を勝手に列挙します。

□トレンドから予測する2020年の労働市場

・「人不足」ではなく「人あまり」が大問題となる
・男性が仕事に就けず、失業率を押し上げる
・団塊ジュニアが中年になったら…
・若年層の失業率は低下、中高年は逆に上昇
・情報・サービス業従事者が全就業者の半数に
・男性が多い製造業は雇用が減り、女性が多いサービス業は雇用が増える
・専門職・技術職、サービス職が増加、労務職は減少
・正社員の減少は緩やかに
・男性の若年正社員が大幅に減少する
・女性の若年正社員比率が上昇し、男性に接近する

□人事・雇用・働き方、想定される12のシナリオ

①集団で海外に渡る「グローバル出稼ぎ」が現れる
②ミニジョブをかけ持ちするハイスキル・ワーカーが増える
③六次産業化が進み、人材の異業種間移動が活発になる
④アウトソーシングが有力産業になり、プロ人材の有力な仕事先となる
⑤社員のほとんどが「部長」という会社が生まれる
⑥主要企業で世代交代が起こり、40代の社長が続々誕生する
⑦見た目が若く、能力も高い「スーパーシニア」が活躍する
⑧日本企業が世界中で新卒採用を行い、優秀な外国人を大量採用する
⑨NPOが企業と拮抗する「雇用の受け皿」になる
⑩ジョブカラーチェンジを促進させる教育機関が充実する
⑪地元定着志向が強まり、地域の優良企業が注目される
⑫「女子力」が初めて経営に生かされる

「働く」ことに関する将来予測でもっとも重要なファクターは、経済成長率と人口増減率でしょう。この置き方で2020年の予測は大きく幅を持つわけですが、いずれにしても、経済成長に関しては超成熟、人口については減少、とこれまでの日本が経験したことのないフェーズについに本格的に入っていくわけです。

振り返ると、私が社会に出た1985年から、今年2012年にも多くの「パラダイム・シフト」があったといえます。懐かしい話なのですが、私が新卒採用担当になって初めて迎え入れた1992年採用向けに制作した入社案内のタイトルが「パラダイム・シフト」でした。私のいた製粉業界においては、きたるべき穀物の自由化という土台を揺るがす「パラダイム・シフト」の前夜という認識があり、「パラダイム・シフト」を見据えた人材戦略を考える必要があるとの危機感が強くありました。しかし、未だに日本は穀物の自由化に踏み込んでいません。来るべき「パラダイム・シフト」を人工的に無理にせき止めるつけが、後の世代に明確にまわってきます。

これまでの変化に、私たちはギリギリではありますが、それなりにしなやかに対応してきました。しかし、国家の財政は痛み、多くの矛盾が社会に顕在化してきています。税の適正分配が政治の基本的な役割だとすれば、次世代の税金まで使って日々を賄う現状は既に政治が能力を失って久しいともいえます。それでも、「成熟期のパラダイムシフト」はやってきます。

私たちにできることは何なのかを考えると胸が痛いですが、自企業の利益だけを追い求めることではないのは明白だと思います。綺麗なCSRに予算を投入しつつも、自企業の利益だけを追い求める姿勢は正しくはないでしょう。自分の仕事をまっとうし、それが自企業の利益に結びつき、自らも潤い、そして日本全体にも寄与するというロジックがつながる仕事が大切になるでしょうし、そういう仕事が世の中のマジョリティになれば「成熟期のパラダイムシフト」も乗りこえられるような気がします。また、企業姿勢でいえば、本業の中でCSRをやることが大切です。

そのためにも、まずは1人1人が外に出て、自分の中での外と中での相互作用の場を作ることかと思います。それはまた、時に大変ではあっても、本質的には楽しく面白いもののはずです。

《2011年10月22日》 本日、大學デー。東工大⇒慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス。
【2011/10/22 23:45】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
楽器で笑顔基金!
ペッカーさんという太陽のようなミュージシャンがいます。

初めてあったのは、今年の3月。そう大震災の直前のことです。

去年の7月に「日本の人事部」が主催する「HRクラブ」で私が新卒採用に関するお話をして、集まった人事担当者でディスカッションをするという会がありました。そこで出会った某社の担当者がペッカーさんを紹介してくださりました。何人もの人材育成担当者を集めて、リズムで研修をやるセッションです。そして震災後、私の会社では新入社員研修にペッカーさんをお招きしました。大いなる元気をいただきました。

5月にペッカーさんと浅草で飲みました。ペッカーさんの思いを聞きました。思いを実現させるためのキックオフのミーティングがありました。その夜、私はここ10年以上ないというレベルのミスを仕事でしでかし、ミーティングの場に一度行ったものの会社にとんぼ返りしなければならないていたらくでした。

ペッカーさんを紹介してくれた方は、7月の「HRクラブ」を主催した会社の担当者と来月、結婚します。すでに新たな命も芽生えています。

この「HRクラブ」に参加したメンバーが核になって「5時間会」という会ができ、9月には屋形船を貸し切りでセッションをやりました。そこには、【ちゑや】さんや、牛島先生や、野口先生や、平野さんも加わりました。

いろいろなものがつながっています。つながりは、さらにつながりを呼んでいます。ペッカーさんにお好み焼き協会の佐竹さんを紹介しました。気仙沼の屋台村でお好み焼き屋をやる話はとりあえず遠ざかりましたが、ペッカーさんは大阪で佐竹さんと鉄板を囲まれていました。きっと、ここからも何かが起こります。

そして、ペッカーさんの思いがかたちになりつつあります。「5時間会」のメンバーも精力的に協力していますし、様々な分野の素敵なメンバーが集まっています。

そうして「楽器で笑顔基金」のWEBサイトが立ち上がりました。是非、ご覧になってください。

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『楽器で笑顔基金』とは  ―― 私たちが活動している理由。

 2011年3月11日 午後14時46分に発生した東北の大地震、それによって引き起こされた巨大津波は、岩手、宮城、福島県の海岸一帯に甚大な被害を発生させました。多くの街、港が大きな打撃を被っています。そして沢山の人々の人生を変えてしまったのです。楽しく音楽を演奏していた学校の楽器も流されたり、塩水をかぶったりしました。
 この事態の収束には10年単位の時間がかかる事でしょう。我々はこの大災害に対してできることはなにかを考え、微力ながら資金を蓄え、楽器を購入、もしくは善意で寄贈された楽器等を自らが運搬してそれらの学校、地域に住む子供たちに届ける事で笑顔になってもらいたいと思っています。
 そして平和な暮らしに豊かな音楽のハーモニー、メロディ、気持ちの良いリズムが奏でられる様に願っています。

『楽器で笑顔基金』とは  ―― 誰に対して、何に対して活動するのでしょう。 

 大震災後、様々な支援活動が始まっています。『楽器で笑顔基金』では、音楽を大切にし、音楽全般に渡り支援する事に焦点を絞り、東北に住む子供たちに笑顔になって欲しいと考えています。

『楽器で笑顔基金』とは  ―― 活動の背景に何がありますか。

 大震災で発生した社会問題のなかで、狭い範囲かもしれませんが、音楽だけに注目いたしましても、成すべき活動は広範囲、そして長い支援の時間が必要であると考えています。物理的に、どのような地域で楽器が必要とされているのか。これまで何年もかけて歴代の音楽の先生方が揃えてきた楽器を、元の様に揃えられるのか。どのくらいの金額が必要なのか。今までの様な学校での楽器の購入方法ではいったい何年かかるのか。楽器が揃っても指導者はいるのか。我々が『楽器で笑顔基金』での活動を通じて、これらの社会問題を基金を設立し、音楽家が行動し、広く音楽を愛する人々がそのパワーを注ぎ込む事で解決して行こうと考えています。

『楽器で笑顔基金』とは  ―― どのように活動するのでしょうか。

1. 『楽器で笑顔基金』主催の支援コンサートを、開催。収益を資金といたします。
2. 『楽器で笑顔基金』の主旨に対して賛同いただける各方面に対し広く支援金を募り、基金の財源といたします。
3. 募った資金で被災地域の楽器店より購入、共に行動して頂き地域に密着した楽器の寄贈活動をおこないます。
4. 寄贈された楽器、種類に依りますが、修理を行い我々もしくは仲間の手で届けます。届けた先が、寄贈主に目に見える様、分かる様、繋げて行きます。
5. WEBサイトを運営、出来るだけ目に見えるカタチでの活動のPR、子供たちの笑顔、地域や広く世界との交流の姿を公開いたします。
6. 音楽家を被災地に派遣、音楽指導を目指します。単回では終わらない、継続する方法で音楽の輪を広げます。一カ所に一人の指導者が何度でも訪問出来る様に活動をします。
7. NPO法人『楽器で笑顔基金』として活動の報告、基金の流れを出来るだけ公開、長く続けて行ける様に活動いたします。
 
『楽器で笑顔基金』では以上の具体的な方法で活動し、子供たちの笑顔が溢れ る学校生活が取り戻せる様に、長く貢献して行きたいと考えています。音楽のパワーを信じ、音楽を愛する方は沢山いらっしゃいます。今回の復興に対する社会貢献として何かしたい、行動を起こしたいけど方法が分からない。そんな想いをお持ちの方も沢山いらっしゃることでしょう。そんな皆様が一歩でも半歩でも、前に踏み出し行動することに、『楽器で笑顔基金』がお役に立てれば幸いです。


《2011年10月21日》 いろいろといいことを思いついた。多様な人と会話をするのはやっぱりいいことです。

【2011/10/21 23:49】 | 未分類 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
求める採用人材像について
今日は求める採用人材像について、ちょっと書いてみたいと思います。

まずは、先日とある飲み会で出会い、その後に一度会議室でお話合いをしたとある採用支援会社の社長さんとのお話の中からです。

「具体性のない形容詞や美辞麗句では入社意欲も信用も獲得できませんね」
・グローバルな事業
・最先端技術を創りだします
・アットホームな社風
・安定性バツグン
・安心できる環境
・チャレンジ精神のある風土
・環境にやさしい
・創造力を活かせます
・さまざまなキャリアパス

「アタリマエの人材要件では入社動機は高まってきませんね」
・世代を超えたコミュニケーション能力があるヒト
・人に指摘されなくても問題発見できるヒト
・ストレス耐性が強いヒト
・自ら判断し、必要なときは必要な行動ができるヒト

文言はちがっても、こんな感じのアタリマエの人材要件を提示している会社は少なくないですね。しかも、出で来る面接官がとてもそんなことできているヒトには見えないなんてこともありそうです。面接官が自分でできていないことを学生に求めるなんて、無理な話ですね。

ほぼ時を同じくして、ある大学の先生がご来社されました。キャリアデザイン学会で採用・就職に関しての分科会で私がコメンテーターをつとめた際にちょっとお話をして、その続きでヒヤリングにご来社されました。いつも思うのですが、大学の先生と深く話しているともの凄い気づきがあります。それは私たちが汚れまみれのままで放置しているものに対して、とてもビュアな心で素朴な、そして本質的な質問を投げかけられるからです。これは刺激でもありますが、時に苦しくもあります。

今回もまさにそうでした。1時間くらい話をしたのですが、非常に頭の整理になりました。

その中で、求める採用要件の話がありました。当社の求める人材像を読んだ先生から、素朴な質問です。

・学生はどういう大学生活をすれば、このような人材になれるのでしょうか。
・このような学生であるかどうかは、どのように見極められるのでしょうか。

うーん、そりゃそうだよなぁ。学生からみれば、そう思うよなとまずは感じます。私は求める人材像には2パターンがあると思うのですが、1つは採用必要条件を定義している会社。当社はこちらのパターンです。当社の風土からいって、こういう傾向のある学生じゃないと無理だよ、きついよというメッセージになるものです。そして、それがクリアできれば、いろんな人がいていいよ、というものです。これに対して、ずいぶんと尖がった求める人材像を書いている会社もあります。そんな内定者ばかりきたら窮屈じゃないの、というくらい。これはこれでありでしょうが、少々学生をミスリードします。

うーん、ちょっとまとまりがないですが、残業続きで頭が疲れているのと、アルコールが飲めないので疲れた頭をリフレッシュできないので、今日はこのくらいにします。


《2011年10月20日》 社会人基礎力の1つに位置づけられている「前に踏み出す力」ですが、これはいくつになっても本当に大切です。前にさえ踏み出せれば何とかなります。それを臆病にいると、本当の意味で年をとってしまいます。




【2011/10/20 23:51】 | キャリア~学生・就職・採用 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
第3回スーパーバイザー養成・認定プログラム
キャリアカウンセリング協会から、第3回スーパーバイザー養成・認定プログラムの案内が来ました。私は一昨年に受講して、何とか初代認定をいただいた一期生です。価格は高いですが、内容・講師陣ともに非常によいカリキュラムですので、宣伝をさせてください。
興味のある方は、渡辺三枝子先生が熱く語られる、説明会だけでもまず行ってみてはどうでしょうか。11月24日にあるみたいですよ。詳しくは下記の協会からの案内を。

**************************************************

<第3回 CCAスーパーバイザー養成・認定プログラム> の募集開始いたします!

キャリアカウンセリング協会が筑波大学と共同開発いたしました、CCAスーパーバイザー養成・認定プログラムの第3期を2012年3月にスタートいたします。

キャリアカウンセラーの量(数)から質へ、世の中でキャリアカウンセラーの必要性が高まってきており、それに伴いキャリアカウンセラーの質の向上・維持に欠かせないスーパービジョンの必要性も高まってきております。本プログラムは、スーパービジョンでキャリアカウンセラーを指導するスーパーバイザーに必要な教育とスーパーバイザー自身の質の確保のための認定試験で構成されています。

★ポイント★
・スーパービジョンに必要な知識・スキル・姿勢を学びます。授業では指導するスーパーバイジー(キャリアカウンセラー)を多角的な視点でサポートするために必要な組織・人的資源やメンタルヘルスの知識も学べる本格的プログラムです。
・認定試験で合格すれば、キャリアカウンセリング協会で運営のスーパービジョンプログラムなどでの実践の場も広がります。
・国家資格 2級キャリアコンサルタント技能士に引き続き、12月に第1回目の試験が開催される1級技能士は指導者レベルとなっており、更なるステージに挑戦される方には専門教育を受けられるチャンスです。
・プログラムの内容はキャリアカウンセリング協会が目指す日本初の‘プロ(専門家)としてのキャリアカウンセラー’を養成し評価する一連の体系の一つです。体系化につきましては協会HPを参照ください。
  ⇒ http://www.career-npo.org/skillup/manabu.html

今後のステージとしてスーパーバイザーを目指される方は下記に詳細がございますのでご一読ください。なお、今回のプログラムに向けて、立教大学 教授 渡辺三枝子先生 をお迎えして説明会を実施させていただきます。文末に説明会のご案内もございますので最後までお読みいただき、ご興味ある方は是非ご参加ください。
末筆ながら、皆様の今後のご健康とご活躍をお祈り申し上げます。

            記

【プログラム名】 「第3期 CCAスーパーバイザー養成・認定プログラム」
           ※ 1 CCA=Career Counseling Association の略です。

【概要】 授業と認定試験で構成
プログラムは通学20日+ホームワーク(学習時間数約200時間)
認定試験※スーパービジョン場面のロールプレイングと口頭試問

【日時】 3月4日~7月29日 20日間 ※土日祝日中心
     ※日程の詳細はHP参照ください。
     時間 全日程共通   9:30~18:30
【講師】(敬称略, 順不同)
  立教大学 教授 渡辺 三枝子
  キャリア研修センター 田中 春秋
  神田東クリニック 副院長  吉村 靖司
  神田東クリニック MPSセンター副センター長 大庭 さよ
  学習院大学 教授 今野 浩一郎
  青山学院大学 教授 山本 寛
  東京未来大学 教授 角山 剛
  CCA専任講師 内田 雅顕
  CCA専任講師 橋本 幸晴
【会場】 茗荷谷・新橋 近辺の研修会場
【定員】 16名程度
【受講条件】
スーパーバイザーとして、キャリアカウンセリングのスキルが一定レベルを要するため下記2つの要件をみたした方を対象といたします。

①資格 GCDF-Japan資格認定後、又は標準キャリア・コンサルタント資格と同等以上の資格取得後2年以上のキャリアカウンセリング実務経験のある方(カウンセラーとしての専門教育をうけた後、キャリアカウンセリング実務経験が2年以上ある方)
   ※経験についての詳細はHP参照
②選考 カウンセリングのロールプレイ+面接で一定レベル以上の方

【費用】 ・GCDF-Japan資格者:630,000円(税込)
     ・GCDF-Japan以外の資格保持者:735,000円(税込)
  ※授業料、テキスト代、諸経費、初回認定試験料含まれます。
(再挑戦の場合は2回目以降の試験は別途料金)

■エントリー■
  エントリー・日程詳細などはコチラ↓からお願いします。
  http://www.career-npo.org/service/supervisor.html
  ※備考欄に「カウンセリングの実務経験」のご記入をお願いします。
不具合等ございましたらキャリアカウンセリング協会迄(study@career-npo.org)ご連絡ください。

【受講確定までの流れ】
   エントリー後に選考会の日程をご連絡いたします。

【継続学習時間数】  約200時間

【お申込締切り】 一次締め切り 11月28日(月)

■説明会■
このプログラムの詳細をお伝えする以外にも、渡辺三枝子先生をお迎えし、「スーパーバイザー」の役割についてのお話を伺う時間を設けました。
 ●日時  11月24日(木)  19:00~ 2時間程度
 ●会場  キャリアカウンセリング協会セミナールーム1
      東京都港区新橋1-18-21 第一日比谷ビル 7階
       http://www.career-npo.org/aboutcca/map.html
 ●内容 ・講座の概要、受講前選考、認定制度 について
       ・スーパーバイザーの役割について
       ・受講修了者からの声
 ●説明会エントリーはコチラ↓から
     http://www.career-npo.org/form/f_seminar1.html
不具合等ございましたらキャリアカウンセリング協会(study@career-npo.org)にご連絡ください。


《2011年10月19日》 千葉市の「きぼーる」に千葉県内の特例子会社の連絡会。今回は年に1回の懇親会付です。当社のメンバーが他社の社長さんからほめられていました。嬉しいことです。飲まない宴会にも少しなれました。でも、もう1週間が限度かな。
【2011/10/19 23:22】 | キャリア~全般 | トラックバック(0) | コメント(1) | page top↑
リーダーの条件の1つ/人が成長するとき
今日、聞いた「ちょっといい話」を2つ。いずれも少し私の味付けが加わっていますが。

□リーダーの条件の1つ

どんな組織でも問題は起こる、失敗はする、ミスも起こる。そんな時に、出来るだけ早く、出来るだけ正確な材料をそろえて、判断者に伝えることができるかが重要。できるだけ早く、できるだけ正確に。そして、いうまでもないが、問題から逃げないこと、顔をそらさないこと、真正面から受け止めて取り組むこと。こんなリーダーがいる組織は滅びない。問題を隠す、気づかないふりをする、適当にやり過ごす、そんな悪しきサラリーマン的な発想は組織を壊す。

□人が成長するとき

人が成長するときとして、誰かにものを教えるときと、誰かを説得しようとするとき、があげられる。

「教える」には自分がわかっていなければならない。教えることによって、自分が何を十分に理解していなかったのかがわかる。また、「教える」には相手を理解しなければならない。相手の理解度、相手のタイプなどなどである。独りよがりでは、良い教え手にはなれない。そして何よりも「教える」には情熱が必要だ。

「説得」するためには徹底的に工夫と努力が必要だ。どんな論理展開でいくか、どんなデータをどのように見せるか、切り出しはどうするか、どんな事例を集めるか、………、相手の立場やタイプを十分に考えて戦略を練る必要がある。このプロセスは間違いなく人を成長させる。そんな苦労までして人を「説得」しようというテーマに出会うには強い「思い」が必要だ。これを実現させたいという強い「思い」、これが必要だ。「思い」のないことを懸命に「説得」しようとは思わない。人を「説得」してまで実現させたいという「思い」が、結局、人を成長させる。

《2011年10月18日》 バラエティに富んだ仕事のあった日でした。まあ、いっつもか。プロ野球がどうとかいうのも、まったく気になりません。



【2011/10/18 23:32】 | キャリア~全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
『破壊と創造の人事』楠田祐・大島由紀子著 ディスカバー21刊
これまたここでのご紹介が大変に遅れてしまった仲間の著書シリーズなのですが、楠田さんと大島さんの「創造と破壊の人事」です。大島さんが運営されるWEBサイトの濃厚なコンテンツをベースに書籍化されたものですが、人事パーソンのテキストとして成り立つ素晴らしいできになっています。

何事も歴史を知ることは大切です。
常に人事の分野には新しい理論と流行が押し寄せます。そして様々なベンダーやコンサルが言葉たくみに予算を持つ企業に迫り寄ります。もちろんそれ自体が悪いことではまったくないのですが、つまみ食い的な取り組みは悲劇を招く怖れがあります。特に新たに人事の仕事をする立場になった人には、2つの歴史をきちんと学んで欲しいと思います。

1つは自社の歴史、もう1つは日本の人事の歴史。
自社の歴史を学ぶことは、自社の風土を改めて理解することにもなります。営業の仕事に例えてみればお客様について事前に調べることに他なりません。当たり前にやることです。人事だけがこれを飛ばしいいいわけがありません。なぜ、この制度がうまくいっていないのか、そんな個別史まで紐解くといいですね。

もう1つは日本の人事の歴史。
それも自社との関係において整理ができるといいですね。その意味では、本書で楠田さんの書かれている第1章「バブル崩壊からリーマンショック直前まで人事部門を巡る環境はどう変化してきたのか?」は適した読み物になっています。

そして、その上で第2章「戦略人事で成果を上げていくためのキーワード」、第4章「戦略人事になるために」が活きてきます。このあたりも本当に読んでいて共感できることが多いです。ひたすらしゃべり立てながら飲んでいる楠田さんが、どのようなスタイルで執筆をされているのかとても興味がわいてきます。執筆されているときは無言なのでしょうか。

今の人事を語る場合に、戦略人事という視点と、支援人事という視点が必ず入ってきます。これらは相反するものではなく、戦略的に人事の仕事をするためには支援人事が必ず必要になるという関係にもなります。これらと相反する場所にあるのは、管理人事です。永らくそれを最大のミッションにしてきた企業も多いため、ことさら戦略人事といわなければならないのが現状なのだと思います。

本書は発刊以来、ツイッター・フェイスブック・リアルを織り交ぜた楠田さんの販促活動もとても魅力的でした。新大阪の書店で店員にいって書棚を並べ替えさせたというつぶやきには思わず爆笑してしまいました。

日々、全国の人事を駆け回っている楠田さんですが、今の時代がそういう役割の人を求めているのは間違いありません。まだまだ楠田さんには各社を駆け巡っていただきたいなぁと思います。また、折々にご一緒させてください。

あと、大島さんのいる会社が出されている人事情報システムは実にユニークです。更新を検討されている会社は覗いてみて損はないと思います。

破壊と創造の人事破壊と創造の人事
(2011/06/16)
楠田 祐、大島 由起子 他

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《2011年10月17日》 面白い本を読み始めると止まりません。昨日から読み始めた川俣千秋の「幻詩狩り」、会社帰りには歩きながらもずっと読んでいました。1984年の作品です。
【2011/10/17 23:58】 | 書籍紹介 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
『「働くこと」を企業に大人にたずねたい』中澤二朗著 東洋経済新報社刊
ここでのご紹介が遅れていたお仲間の著書シリーズ、ジローさんです。ジローさんとは飲み友達です。ほとんど飲み会でしかお会いしていません。時折、セミナー等でお会いすることもありますが、たいていはそのあと飲んだりします。出会いは「やゑくら」という八重洲でうどんを食らう会でした。最近の「やゑくら」は、エスパーとミュージカルに傾斜しています。

これはもうジローさんの思いのつまった本です。そして東京大学の玄田有史先生がほんとに素敵な解説を寄せられています。私たち、長年人事をやっている人間にとって最も根源的な問いである「なぜ人は働くのか」、これに真正面から応えようとしている人事パーソンはそうそういません。でも、ジローさんはそれを追いかけます。

ジローさんは詩人で哲学者です。でも論理家です。飲んで話ているとものすごく情の人のように感じますが、玄田先生指摘するとおり、論理の人でもあります。情だけでは人に理解を得ることは難しいケースは少なくありません。人事という仕事には、この両方が必要なのです。経験談や事例に頼らずに、1冊の本に仕上げあげたのはものすごく強い思いの表れです。たまに広尾の商店街で行方不明になったりしますが。

「良き企業」とはどういう企業か。「良き企業人」とはどういう人か。「良き企業人」にどうしたらなれるのか。「良き社会」とはどういう社会か。これが本書で投げかけられる素朴でかつ根源的な問いです。

ジローさんは様々なモデルを提供します。

・3つの喪失…生きがいの喪失、つながりの喪失、企業活力と暮らしの土台の喪失
・2つのジレンマ…利潤のジレンマ、幸福のジレンマ
・2つの承認…成果の承認、人格の承認
・2つの時間軸…人間の時間軸(人間の論理、普通の顔)、産業の時間軸(産業の論理、会社の顔)
・3つの成果主義…ニワトリの成果主義、タマゴの成果主義、生きがい成果主義

そして極めつけは「実践NJ法」となるのですが、いずれかに興味をもたれた人は是非、本書を紐解きください。

そしてジローさんは、仕事に新しいメタファを持ちだします。一般的に仕事にはよく「壁」というメタファが用いられます。ぶつかっても跳ね返させる高い「壁」、ジローさんのいう「きつい、ものうい、いたたまれない」仕事のイメージとひどく親和性のあるメタファーです。

しかし、「仕事を通して(とおして)」「仕事を通じて(つうじて)」という表現も実はよく使われます。ここから転じて、ジローさんは「仕事とは穴」なのだといいます。穴だからこそ、それを通じて進むことができるのです。ここに玄田先生が喰いつきます。玄田先生のあとがきの言葉をそのまま借りれば次のようなことです。

「仕事に必ず自分だけの穴があることは、信念であると同時にまぎれもなく事実なのだと。中澤の言葉には、働くことを前にした若者に限らず、日々の仕事に悪戦苦闘する企業人にとっても、勇気と元気を感じさせるものがある。仕事を閉塞した壁ではなく、穴であると見なせば、その穴からはいつの日か清々しい風も吹いてくるはずだ」。

「働くこと」を企業と大人にたずねたい ―これから社会へ出る人のための仕事の物語「働くこと」を企業と大人にたずねたい ―これから社会へ出る人のための仕事の物語
(2011/02/18)
中澤二朗

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《2011年10月16日》 日曜日恒例のラーメン&映画。杏爪@西大島&猿の惑星~創世記@イクスピアリ。でも、今日の一番はイクスピアリの26歳の大道芸人です。最後の大技が決まらずに、50回くらいやり直して、最後の最後に決めました。できるまで止めません、もう1回やらせてくださいと訴えて、観客が一体となっての最後でした。
【2011/10/16 23:56】 | 書籍紹介 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
「ご機嫌な職場」 酒井穣著 東洋経済新報社刊
酒井さんのもう何冊目になるのでしょうか、ちょっと遅くなりましたが新著です。結構、すぐに読ませていただいたのでずか、ここに書くのが遅れました。ごめんなさい。本書は酒井さんか講演でノリノリでしゃべっている姿を思う浮かべながら読むとなおさらいいんじゃないかと思います。そう、ご機嫌な感じです。

まず、本書、タイトルでポイント獲得です。もちろんこれは2008年に出て話題になった「不機嫌な職場」な職場に対になることを意識されています。サブタイトルには「職場コミュニティ再構築の方法」とあります。「職場をコミュニティとしてみる大切さ」と「それが壊れつつあるので再構築しようよ」という思いがシンプルにここには込められています。

そして、酒井さんの思いは「はじめに」の最初の数行に凝縮されています。

『どうせ仕事をするなら、明るい職場がいい。いよいよこの考え方が「間違い」であることが明確になりつつあります。明るい職場の意義は「どうせ仕事をするなら」というような小さなレベルではなく、経営にとって最重要の課題になりつつあるからです。絶対に明るい職場をつくる必要があるのです』

そう、明るい職場(ご機嫌な職場)は働く社員にとって心地良いから大事なんだというだけでなく、その方が成果があがり収益があがるという経営的視野においても今や論じられる必要があるのです。

「不機嫌な職場」に多くの人が共感し、「そうそう」「うちも同じだ」と感じてしまった事実があります。多くの職場においてそこに描かれていた話は現実の話だったのです。では、なぜそれが起こったのか。第1章「ご機嫌な職場はなぜ失われたか」では、それが整理されています。

全3章のうち第3章は実践編ですが、第1章・第2章では古今東西の理論を次々と酒井さんなりに解釈しつつ引用してタペストリーのように織りなしていくという酒井さん得意の手法で論が展開されます。これって実際には相当に時間のかかる作業ではないかといつも思うのですが、1つの自分なりの手法を確立するというのは強みですし、だからこそレパートリーも作れる(本もたくさん書ける)のだとほんとにいつも感心させていただいています。

で、ご機嫌な職場が失われた理由については、3つに集約して説明されています。

最初に指摘しているのは「欲求が職場コミュニティを破壊する」。
ここではマズローの欲求ピラミッドを使った説明が面白いです。マズローの欲求ピラミッド説は、おなじみの「生理的欲求⇒安全の欲求⇒親和の欲求⇒自我の欲求⇒自己実現の欲求」の5階層によるピラミッドの奴です。大震災の直後に東京大学の中原先生が、やはりこれを引いて、真に下位欲求が脅かされる現実に直面している私たちを語られていましたが、酒井さんの論点もなるほどと思わされます。高度成長以降、つい最近までの日本においては、生理的欲求⇒安全の欲求⇒親和の欲求は自然と満たされており、自我の欲求⇒自己実現の欲求を追いかけるだけの余裕があったというのです。これらを提供してきた主役は企業です。
しかし、これが徐々に国力の低下とともに、生理的欲求⇒安全の欲求くらいは自己責任で満たせという自己責任論が台頭してきたわけです。となると、安全欲求レベルでの戦いが強まり、親和の欲求は弱体化して他人のことなど気にしていられないという社会が出現してきます。職場コミュニティの弱体化はこういった文脈の中でも語られるわけです。

こんな感じで、様々な理論が紹介され、それを現在的に酒井さん的に解釈・活用しながら話がスルスルっと展開していきます。これ以上細かく内容を紹介はしませんので、是非、実際に本をお手にしてみてください。

日本社会では、高度経済成長とともに少しずつ血縁コミュニティ・地域コミュニティが弱体化していきました。それに反して台頭したのが、職場コミュニティでした。私が社会に出た1985年というのは、職場コミュニティが日本でコミュニティをしっかりと支えていた最後の時代ではないかと思います。会社のメンバーとは家族ぐるみで付き合い、365日濃厚に時を過ごし、仕事以外の部分でも様々な関わりを持ち、何かがあれば職場が守ってくれる、という世界が普通に生きていました。やや濃厚過ぎて、社会にはいってすぐは少しウエッとするような息苦しさはあるのですが、身をまかせると心地良いものでした。確かに、生理的欲求⇒安全の欲求⇒親和の欲求は、自然に満たされていました。

その職場コミュニティが弱体化してしまうと、下手をすると日本には何も残りません。一部では、地域コミュニティの復活の動きはあります。しかし、以前のようなものを期待することは現実的ではありませんし、またそれが良いのかというとそうでもないでしょう。インターネットを通じた新たなコミュニティや、いわゆるサードプレイス的な新しいタイプのコミュニティも生まれ、育っています。これらが私たち日本人の中でどのような位置づけを持っていくかはこれからの話ですが、今のところは職場コミュニティの役割にとって代わるまでのインパクトはありません(ただし様々な可能性を秘めています)。
残業がない会社でも平日は8時間を過ごすのが「職場」です。このコミュニティがどうであるかは私たちの人生に影響を与えないわけがありません。職場コミュニティの再構築は日本社会の今日的なテーマなのです。

ただし、この観点からだけでは企業はなかなか動きません。個人の問題としてではなく、職場コミュニティの再構築こそ、企業収益回復の重要な手段の1つだという観点を投げかけたことが、本書の最大の価値ではないかと感じます。
中村ご店主の尽力により【ちゑや】インスパイア企画が今、各社で拡大しています。中村ご店主自らもこれの促進役を買ってくださっています。これも実は同じ文脈にあるものです。職場コミュニティの再構築は日本再生の大きなキーだといってもいいと思います。

そう考えると夢があります。自企業を良くするための日常の仕事が、日本を立て直すことにつながる、これは素敵なことです。この感覚を皆でもって日々、奮闘していけるとすれば本当に素敵です。そして、うまくいかなくてちょっとつらいことがあったら、是非、会社を超えて連帯しましょう。

ご機嫌な職場ご機嫌な職場
(2011/08/26)
酒井穣

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《2011年10月15日》 ホッピービバレッジ社の石渡光一会長の受章祝賀会でした。良い会でした。イベントを活用して社員のモチベーションを上げつつ、社内の一体感を醸成させようという仕掛けも見事でした。そしてホスピタリティも。体調が順調で飲めればいうことなしでした。


【2011/10/15 23:31】 | 書籍紹介 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
本当にあった怖い営業の話
月曜日の深夜に緊急外来でお腹を抱えていた時、ついつい思いだしました。

私の社会人の振り出しは、食品メーカーでの営業です。結構、がっつりと営業をしていましたが、先輩たちもツワモノぞろい。とある日の上司・先輩の会話です。

上司A「お前は胃がまだあるのか」
上司B「私は3年前に切りまして、でもまだ半分です」
先輩C「私はまだ全部あります」
上司A「Cの年になってまだ胃が全部あるとは、まだまだだなぁ」
先輩C「すみません」
上司A「いいか、営業は胃を切ってようやく一人前だ。お得意様と会社の板挟みの中で働くのが営業だ。真剣に営業をやっていれば誰だって胃潰瘍くらいにはなる。胃がないのは営業の勲章だ」

と、横にいる新入社員の私に聞かせるかの如く会話をされます。当時はとても素直だった私は、早く胃を切るくらい頑張らないとと本気で思ったものでした。

胃のまったくない上司の1人と、よく泊りがけで出張に行きました。この方、かなりのご年齢でしかも胃がないのですが、大変によくお酒を飲みます。そして酔います。で、私は最後の店からビジネスホテルまでお連れするのが仕事です。お連れしただけで終わることはあまりなく、部屋で飲もうということになります。で、その方、胃がないので冷たいものが飲めません。私の役割は自動販売機でビールを買ってきて、ユニットバスにある洗面台にお湯をはってそこでビールのお燗をつけることです。

でも、こんなことの1つひとつが勉強になりました。濃厚で強烈なお付き合いの数々、かけがえのないものでした。大学時代から、ワークライフバランスを口にする今の新入社員にはなかなか理解されないものだと思いますが、自分の原点はあそこにあるとやっぱり思います。

この手のとんでも話に近いエピソードは山ほどあるのですが、今回の深夜の病院のように、妙なときにふと思い出すものです。

《2011年10月14日》 夜からはじまった会議。熱が入りました。よい仲間と一緒に働いているなぁと思います。
【2011/10/14 23:57】 | 未分類 | トラックバック(0) | コメント(1) | page top↑
「壁をやぶる言葉」 岡本太郎著 イーストプレス刊
連休中に行った岡本太郎展で「岡本太郎の言葉」という3冊セットの本を買いました。「壁を破る言葉」「強く生きる言葉」「愛する言葉」の3分冊になっています。

で、今日は「壁を破る言葉」からいくつか。きりがないので適当な数だけにしておきますが、さすがにすべてこのように生きることは難しい、というのもまぎれもない現実です。


「限界は、考えない。人間は、はじめから限界のふちに立たされているんだから」

「なんでもいいから、まずやってみる。それだけなんだよ」

「趣味的になっては駄目だ。もっと効果的に、本質的に社会に対立する、その方法を定めることが芸術の技術だよ」

「自分の姿をありのままに直視する、それは強さだ」

「苦労した作品より、ひとりでにどんどん進んでしまったもののほうが、いつでもいい」

「昨日すでにやったこと、人のやったことと同じようなことをやるのでは、まったく意味がない」

「理論で作品はつくれない」

「同じことをくりかえすくらいなら、死んでしまえ」

「壁は自分自身だ」

「でたらめをやってごらん。口先では簡単にでたらめなら、というけれども、いざでたらめをやろうとすると、それができない」

「宇宙的ではなく宇宙なんだ」

「ひとが『あらいいわねえ』なんていうのは、『どうでもいいわね』といっているのと同じなんだよ」

「人間は自然の中からただ生まれ出てきたものではない。『人間』は作られるものだ。人間自身によって。だからまた人間の手で壊さなければ、宇宙に還元されなければならない」

「制約が多いとみんな悩んでいる。だが、制約があるからこそ、自分のしたいことを貫くのが本当の行動になると思う」

「孤独であって、充実している。そういうのが人間だ」

「若さというのは、その人の青春に対する決意で決まる」

「昔の夢によりかかったり、くよくよすることは、現在を侮辱し、おのれを貧困化することにしかならない」


壁を破る言葉壁を破る言葉
(2005/04)
岡本 太郎

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【2011/10/13 23:57】 | 書籍紹介 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
就職活動における「期待値調整」
海老原さんの「間違いだらけの新卒一括採用批判を斬る」の続きです。海老原さんの主張で私たちが最も考えるべきは「期待値調整」という概念です。

現在の新卒採用スケジュールは、各社横並び・集中的なものになっています。4月には金融を皮切りに大手・人気企業が内定を出し始めます。そして、5月末には大手・人気企業はほぼ内定を出し尽くします。こういった集中的な流れに対して、反新卒一括採用を主張する人は「通年採用」を持ちだします。大手・人気企業は1年中採用活動をするべきだということになります。

ある就職担当の先生から聞いた話です。

とある学生が持ってきた就職希望先は世の中でもトップクラスの超人気企業。それ以外の希望先も有名企業が並びます。ただ、学生も何も考えていないわけではなく、自分の大学の就職実績を調べて先輩が就職しているからという論拠を持っていました。でも、ちょっと待ってください。全学で数千人学生がいるその大学の中で、その超人気企業に入ったのは2人。もしかしたら、強い縁故があった学生かもしれません。普通であれば、数千分の2に自分がなれるとはなかなか思わないものですが、なぜか就職活動ではそのあたりがリアルに感じられず、自分も超人気・大手企業に入れるかもしれないと思う学生が大勢いるのです。しかし、日経1000社にまで拡大しても、それらに就職できる大学生は就職希望の大学生のうちの約20%だといいます。

このあたり、相場観というのが就職活動初期ではなかなかできにくいところがあるとこがよくわかります。

大学入試では偏差値という極めてわかりやすい相場がありましたが、就職活動ではそうはいきません。もちろんそれが就職活動の良いところであり、時には夢がかなうことだってあるのですが、相場観が作れないために、ずるずると現実的なターゲットを絞れずに結果的に内定取得を逃していく学生も多くいるはずです。20歳にもなればプロ野球選手にはなれないとか、歌手のデビューは難しいかなということは、誰でもわかります。それも職業相場観です。でも、これが企業選びという就職活動になるとなかなか難しいわけです。

そして、最後に相場観が形成されるのは、落ちて落ちて落ちまくることによってなのです。落ち続けることにより、知名度が高い企業以外にも良い会社がある、規模はけして大きくなくてもキラリと光る企業がある、大々的に採用広報をしていなくても人生をかけるに値する仕事がある企業がある、そんなことに少しずつ気づいていく、視野を広くしていくのは、人気・有名企業に落ちて落ちて落ちまくることでしかないと海老原さんはいいます。これはかなり同感です。

もしも大手・人気企業が通年採用をやってしまったら、いつまでも相場観を形成することができずに、残された数少ない採用枠に対して、夢を追い続ける学生が出ることは容易に想像ができます。採用活動が集中的に行われ、大手が終わったあとに中小企業が走る、総合職が終わってから一般職が走るという流れがあるからこそ、学生の相場観構築、社会的適材適所が少し前に進むのかもしれません。これが「期待値調整」です。

この「期待値調整」を早期に人工的に起こさせようと努力している方は、大学のキャリアセンターにたくさんいらっしゃいます。中小企業やBtoB企業を就職対象として意識させようという運動です。しかし、これがなかなか功を奏さないようです。いくらいっても自分だけは大手・有名企業に入れるかもしれない…、そんな思いから抜け出せないのでしょうか。その背後には親の影響もありそうです。そして多くの学生の社会観が非常に甘く薄く「幼い」という現実があります。

繰り返しになりますがキャリアセンターには、中堅企業に学生の目を向けさせようと努力している方々が実にたくさんいます。特に中堅大学ではなおさらそうです。東大・京大・旧帝大・早稲田・慶応・一橋・東工大だけでも、4.4万人もの卒業生が毎年出ます。世の中で超大手人気企業といわれる企業の採用数を合計してもいいところ2万人くらいだそうです。超大手人気企業のうち相当の企業が、学校名を無視していない採用をしていると思われる以上、これは中堅大学の学生にとっては極めて高いチャレンジです。

もちろんどこの大学にも素晴らしい学生がいることも事実であり、今の新卒一括採用がベストなやり方ではないことも確かです。でも、新卒一括採用を批判して壊すことを目指すのであれば、そのあとの絵を描かなければなりません。ですから、その絵がおぼろげながらであってもきちんと描けるまでは、私は新卒一括採用を無条件に批判することはできません。そうでなく半端な腹決めで新卒採用の改善とやらをやるから、情報提供だけ12月からなどという不思議な協定ができあがるのです。

やや散漫になりました。改めて就職活動における「期待値調整」は重要な概念です。落ちまくる以外でこれを健全に発生させることはできないでしょうか。企業側でもこの概念は活用できます。応募者の期待値調整をどう動かそうとするか、またどの時期に何を置くか、自社のポジションをどう意味づけるか、そんなことを考えることによって魅力的な採用戦略を描くことは十分に可能です。大切なのは「期待値調整」の仕方も大きな傾向はありながらも、人それぞれだということです。そして、超大手でなければ自社が採用するのはたかが数名から数十名です。70万人ほどの新卒就職希望者のうちたったそれだけの人が、ピシッと合えばいいのです。マスで勝負することには意味がありません。中堅には中堅のやり方があります。だから採用という仕事は面白いわけです。

おそらく大手企業で採用担当している若手社員よりも、中小企業で採用活動をしている若手社員の方が、格段に成長すると思いますし、人間的に魅力的なビジネスパーソンになりやすい環境にいます。

《2011年10月12日》 一昨日の急激な腹痛の原因がわからず、明日、精密検査です。で、お昼から「検査食」です。まあ、何事も経験と思ってやらないと。



【2011/10/12 22:12】 | キャリア~学生・就職・採用 | トラックバック(0) | コメント(1) | page top↑
間違いだらけの新卒一括採用批判を斬る!
ちょっと前ですが、HRmicsレビューという素敵な会に初めてお邪魔したのですが、そこで海老原さんが「間違いだらけの新卒一括採用批判を斬る!」というタイトルでお話をされました。かねてから主張されている内容ではありますが、どうも新卒採用批判が変な方向に流れている状況ですので、よい整理になりました。確かに今の新卒一括採用は完ぺきなシステムではないのは間違いないのですが、じゃあそれを壊せば解決かというとそういうことでもありません。日本の新卒一括採用が守り育ててきた良い面もあるわけで、これは日本型人事制度を壊して成果主義っぽい制度をコピーすりゃいいじゃんいう乗りで多くの日本企業がやってきた過ちと似たようメンタリズムを感じます。ただ、新卒採用の現場にいる人たちはこのようないい加減さを持ち合わせておらず、非常に健全です。今の新卒一括採用の意味をよく理解した上で、不具合点の改善に奔走しています。比較的、批判論をぶつ人は現場の外からが多いようにも思えます。まあ、中にいると天地をひっくり返すような発想は出でこないものだといわれるとそれまでですが。

さて、海老原さんが整理された新卒一括採用批判の主な論点です。

①学業阻害 …新卒一括採用があるゆえに就職活動が学業を阻害している。
②一時期に集中するのが問題。通年採用にするべきだ
③採用活動が早すぎる。もっと後ろ倒しするべきだ
④総合職採用一辺倒であり大学の専門が活かせる仕組みになっていない
⑤正社員就職の機会が新卒の際の1回だけになってしまっている
⑥新卒だけではなく、既卒にもチャンスを与えるべきだ
⑦とにかく日本型はもう古い、欧米型を見習え

確かにこんな感じでしょうか。あとはエントリーシート等のマス採用ツールに対する批判などもあるでしょう。海老原さんはこれらの批判に1つ1つ闘っていきます。

で、続きはまた明日。

《2011年11月11日》 夜中に救急病院に行くほど激しい腹痛。朝になって一番から外来へ。ただ、原因が特定できずに、また木曜日に検査です。しかも、ハードな奴。
【2011/10/11 23:35】 | キャリア~学生・就職・採用 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
女性のキャリア展望と就職活動~大学4年生の分析調査~
一昨日から先週のキャリアデザイン学会で私がコメンテーターを担当させていただいた部会の内容を勝手に整理をしています。いずれも大学生のキャリア意識に関するものであり、興味深いものでした。で。今日は最終日で「女性のキャリア展望と就職活動~大学4年生の分析調査~」という研究です。

卒業直前の4年生2月に実施したアンケートをベースにしています。2008年~2010年の3年間にわたって、同一の学部(都内、文系)にてアンケート調査を実施しています。学生のキャリア展望をやや乱暴なきらいはあるものの、「フルタイム」志向、「転職・起業」志向、「家庭・パート」志向の3つに分けて、それぞれの特徴を読み解きます。「家庭・パート」志向の学生は男性ではゼロですが、女性では実に25%も存在します。ちなみに「転職・起業」志向は、男性31%、女性22%となっています。これらの志向と、卒業後の進路・就職先での雇用形態・大企業かつ上場企業への就職割合・内内定取得数・就職先の企業から内内定を得た時期といった就職活動結果データ及び就職活動プロセス(プレエントリー数・説明会参加数・エントリー数・筆記試験数・面接数)への参加度データをクロスして集計させています。

3年間の時系列比較も丹念にされているのですが、3年というレンジですと大きなうねりを把握するというよりはその年の経済情勢による影響の方が大きく、あまり時系列比較に強烈な意義があるようには感じませんでした。もう1つ「家庭・パート」志向者に注目した整理をされていましたが、これはとても興味深いものがあります。この志向者の特徴として、就職活動のプロセスには実に積極的に参加しているのです。一昨日の研究におけるGPAポイントの高い人と似たような傾向に感じられました。ただし、内定取得率ゼロの学生もあり、けして成果が高く上がっているとは思えません。その半面、非常に多くの内定を取得している学生も出ています。

本研究の対象外なのですが、一番興味があるのはこのようなキャリア展望に対する志向の分化がいつどのような形で行われているのかという点です。今回は4年の2月という就職活動の結果が出切ってからの調査です。1年次でこの調査をしたらどうだったのか、3年の12月時点であればどうだったのか。大学生活及び就職活動がキャリア展望にどのような影響を与えているのか。これが紐解くことができたら、ものすごく意義ある研究ではないかと思います。果たして「転職・起業」志向者は大学にはいった時から、また就職活動を始めた当初から「転職・起業」志向であったのか。そこに昨日書いたようななんらかの「期待値調整」が生じているということはないのか。また、就職活動のプロセスの中で改めて親の強烈な意向にさらされて何か変容が生じたということはないか、このあたりには非常に興味があります。

今回は時間もけして十分になく、コメンテーターとしての仕事も各発表へのコメントを列挙して最後にまくしたてただけになってしまいましたが、3つの研究はそれぞれに関連する要素もあり、3つの研究を踏まえて、会場とディスカッションができれば面白いなと思いました。特に会場に大勢いらした実務家の皆さんの意見をもっともっと聞いてみたかったと思います。

いずれにしても、いい経験ができました。関係者の皆様に感謝しています。

《2011年10月10日》 会社に出てお仕事。結婚記念日なんですけどねぇ。
【2011/10/10 21:12】 | キャリア~全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
大学4年間における希望業種変化の男女間比較
昨日から先週のキャリアデザイン学会で私がコメンテーターを担当させていただいた部会の内容を勝手に整理をしています。いずれも大学生のキャリア意識に関するものであり、興味深いものでした。今日は2日目で、「大学4年間における希望業種変化の男女間比較」という研究です。

同じ学年の男女について、大学1年生(2007年)から大学4年生(2010年)までの継続調査を行っています。大学生活を経ることによって、希望業種がどう変化していくのか、特に3年後半からはじまる就職活動がそれにどういった影響を与えるのかといった点を分析されています。

分析は主に大学1年生と3年生12月時点の希望業種と、実際の就職先に関して行われています。1年生の1月から3年生の12月の間のデータと、就職活動さなかのデータをとられていないのがちょっと残念です。

ごくごく簡単に結果データを整理すると、1年生で広告・マスコミ関連が圧倒的だったのが、3年12月になると男性で食品・銀行・サービス、女性で食品・銀行・化粧品・サービスといった業界が大幅に1年次よりも伸びています。これを発表者は、堅実・身近業種への移行と整理し、銀行・保険等の安定的なイメージがある会社と、食品・サービスなどのBtoC業種への二極化が発生しているとしています。味方によっては、銀行・保険もBtoCですし、テレビCM投下量では食品・化粧品に匹敵しますから、学生の認知度が高い社名の企業が集まっている業界と見れますし、逆に食品なんかも超安定企業とみなすこともできますので、これ2軸は交差しているともいえます。
この変化については、現実志向になっていること、エントリーシートの書き方を学ぶうちに志望動機が書きやすいBtoC企業に目がいきやすい、さらにはキャリア支援・就職活動自体がバイアスを増やしているのではと、発表者は分析されています。ただ、3年の12月という時期は従来の就職活動スケジュールからみると、表面的就職情報収集がピークに達しつつある時期であり、実質的なセレクションはまだほとんど行われておらず、学生の(行きたい会社にいけるかもしれないという)期待値がマックスになっている時期でもあります。ですから、学生の希望が大手・有名企業に偏重するのはいたしかなく、そういった企業はBtoCに集中しています。学生が小さくてもきらりと光る中堅企業や、実は世界的なポジションを得ているBtoB企業がいくのは、就職活動の厳しい現実を感じ始めるもう少し先の時期です。これを海老原さんなどは「期待値調整」といっていますが、就職活動の厳しいプロセスによって現実をつきつけられて学生の気持ちに「ゆらぎ」が起こり、その結果として志望先も変容していくわけです。ある意味ではこれは就職活動によって「鍛えられた」結果だともいえます。一部のキャリアセンターではこの期待調整を早期のうちに前向きに発生させようと努力させていますが、なかなか学生は乗ってこないのが現実のようです。意味では、本研究に3年3月もしくは4年4月時点での希望業種というものがあれば、非常に興味あるデータになっていたのではないかと思われます。

本研究ではもう1つ興味深いデータが提供されています。それは、就職活動期に入るにあたって、男女ともに希望業種の幅が増えているが、その増え方には顕著な男女差がという点です。業種の増え方は女性の方が多いのですが、拡がりの幅は女性の方が狭いというのです。つまり、女性は就職活動早期に希望業種の幅を現実的に大きく広げているものの、結果的にはほとんど似かよったような業種を皆が希望しているという側面があるわけです。これは女性がつきにくい業種、女性を迎え入れていないイメージが強い業種、そもそも女性が見向きもしたくない業種が存在しているということでしょう。

私は今の職場がら、男女差をほとんど意識しない世界が普通に感じており、お付き合いをする他社の方もそういう感覚の方が多いですが、まだ世の中ではそうではない世界が多くあります。またもともとの志向の違いもありますから、キャリアセンターにいる方などにはなかなか興味深い研究成果ではないかと思います。

《2011年10月9日》 神宮球場にて広島戦。劇的なサヨナラ勝ちでいよいよ名古屋での4連戦です。体調不良で行きましたが、やはり現地に着くとビール飲み続けになります。


【2011/10/09 22:12】 | キャリア~全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
学業成績と大学生活が就職活動結果に与える影響
3連休です。実は私の場合はちょっと変則的なので昨日から日曜日までがお休みで月曜日は仕事の予定なのですが、いずれにしても3日お休みが取れているので、先週のキャリアデザイン学会で私がコメンテーターを担当させていただいた部会の内容を勝手に整理をしたいと思います。いずれも大学生のキャリア意識に関するものであり、興味深いものでした。

最初は「学業成績と大学生活が就職活動結果に与える影響」という研究です。

これはものすごく興味ありますね。私たちのチーム(CDC)でも、以前に2年間にわたって類似のテーマで発表をさせていただいています。

今回の研究の大きな特徴は、ある大学のとある学年についての4年間の縦断データをベースにしているところです。データをとるだけで4年間かかりますから、これはなかなか大変なことです。

学生時代の過ごし方の調査内容としては、入学時点で大学は第一志望であったのか、はたまた入試ルートはといったところから始まり、学業成績と大学時代の様々な過ごし方についての設問があったようです。学業成績についてはGPAをとっています。これはSが5点、Aが4点などとして成績をポイント化させる奴ですね。あとは大学1年で義務つけられているTOEFLの点も活用しています。学業生活以外の過ごし方については、授業・アルバイト・サークル・友人などの1年生後期時点での達成度、1~4年生におけるゼミ参加、バイト有無、インターン経験有無等について聞いています。

対する「就職活動結果」ですが、就職活動プロセスとして資料請求数・エントリーシート送付数・説明会参加数・筆記試験数・面接数・面接成功率(内定数/面接数)・筆記成功率(筆記試験数/内定数)・就職先雇用形態などをとっています。

ただ、研究報告内容のほとんどは学業成績であるGPAと「就職活動結果」の相関に基づくものでした。個人的には、ゼミ・サークル・アルバイト・友人等を学業成績と同様に深く追求していただけるとより興味深かったのですが、時間の問題が有意なデータがとれなかったのかはわかりませんが、今回の発表は学業成績指標であるGPAと「就職活動結果」の相関に基づくものが中心でした。

でも、それでもかなり興味ある結果が報告されています。

GPAのポイントは内定数と有意な相関を見せています。
つまり、学校の成績の良い学生はおしなべて多くの内定がとれているという傾向があるところです。これは、良いことですね。また、エントリー数の増加ともGPAのポイントは有意に正の相関をもっています。エントリー数の増加は多くの内定を得るための必要条件ともいえますので、当たり前のことかもしれません。ただし、GPAと面接成功率、筆記成功率とは有意に相関していません。これは就職活動効率があまり良くないことを意味するともいえますが、まぁそもそも面接成功率、筆記成功率という指標に本質的な意味があるかどうかは微妙です。少ないエントリー数で行きたい企業に行ければいいというパターンもありますし、たくさんのエントリーを出して、とにかく落ち続けたけれども、何とか1社だけ行きたい業界企業から内定をもらえたという喜ばしいパターンもあります。

そもそもGPAのポイントの高い学生はどんな学生なのだろうかという点も大事です。発表者は、GPAと内定数に正の相関があることについて、2つの解釈をされていました。1つ目は、就職活動においてはエントリーシートを多くの企業に短期間で書かなければならないものであり、これは意外と難易度は高く、書く能力と学業成績に相関があるとすればこれがエントリー数と相関すると考えられるという考察です。調査対象は文系学部ですので確かにそうかもしれません。そして、2つ目の考察はよりシンプルであり、GPAが高い学生は「まじめ」であり、その「まじめ」さが多くのエントリーをして結果、多くの内定をとるに至らせている、というものです。

私は、文系学部においてGPAが高い学生というのは、1つはまじめにやるべきことをコツコツやっていること、もう1つはポイントを絞って要領よく学ぶこと(というよりは試験対策など)をキチンとできること、のいずれかに長けているケースが多いように思います。就職活動においても、この特性が出ることによって、多くのエントリー数と多くの内定数という結果が出たのかもしれません。これがまじめにちゃんとやれば就職活動は怖くないというメッセージにつながるのであれば、大変な朗報です。

ただし、これは企業にとっては微妙なデータです。企業が「まじめにこつこつと働き、文章力にたけている」学生を採用したいと求める人材像に掲げているのであれば、万々歳なのでしょうが、各社の採用HPなどで見る限りは、このような採用人材像を掲げている企業はあまりみないでしょう。となると、今のエントリーシートを中心とした採用活動のやり方は、まったくもって目的から考えると間違った方法で行われているといえなくもありません

実務家がどんどん学会にも出向く世の中にやっとなってきました。また、実務家でもあり社会人大学院生でもある方が自ら発表をされるケースも当たり前になっています。今回の学会でも、企業実務における様々なヒントが得られました。是非、学会未経験の方は、足を運ばれるといいと思います。

《2011年10月8日》 昨日からの腰痛をロキソニンで抑えながら、活発に活動。午前中は銚子市内の各所をめぐり、午後は六本木・麻布十番あたりを散策。さすがにスーパービジョンに間に合う時間までには戻れませんでしたが、まぁ活動量のある日でした。ただ、腰痛、何とかしないと。






【2011/10/08 20:02】 | キャリア~全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
腰痛が…
長年の腰痛持ちです。良くなったり、ならなくなったりを繰り返していますが、何年かに1回は秋口にひどく悪化します。下手すると今回がそうなのか、本日の午後から痛みが激しくつらい思いをしています。座っていることができません。コルセットを持たずに出かけてしまったため、これは何ともなりません。

腰痛との付き合いは28歳くらいからなのですが、比較的遠いエリアを営業担当していたので、毎日200キロ程度は営業車を運転していたのが、直接の要因のように思います。学生時代にもぎっくり腰をやっていますが。営業から人事に異動してかなりよくはなったものの、いまだにこの状況です。そのため、40歳近くからは怖くてゴルフもやめました。秋のコンペシーズンで駄目になる年が続いたので。

で、いつも腰痛が激しくなると、治ったら毎日きちんと腰痛体操をしようと思うんですよね。でも、痛さがなくなると、果てしなき日常に忙殺され、そんな思いは消えてしまい…、これの繰り返しです。これって、勉強なんかも同じで、妙に忙しい時期ほど「勉強がしたい」と思うのですが、暇になるとこれがどうも。

でも、繰り返すのは嫌なので、今回は頑張ろうかな。何としても、運動不足は激しいですから。やっているのは万歩計をもって10000歩を日々意識しているくらいです。


【2011/10/07 23:49】 | 未分類 | トラックバック(0) | コメント(1) | page top↑
フェイスブック、ささいな変化
フェイスブックがかなり普通の人にも浸透してきていますね。社外の人では、メールは使用せずにフェイスブックのメッセージだけで連絡をとるようになった人も増えてきました。機能が突然アレコレ変わるので、いまだにまともに使用できていませんし、勉強しようとも思わずに使っているのですが…。

で、フェイスブックによって、劇的に変わった「ささいなこと」が2つあります。

まずは、誕生日。そこそこお友達がフェイスブック上に増えた人が、初めて向かえる誕生日にはちょっとした驚きがあります。おそらく、誰しも面と向かって「お誕生日おめでとう」と大勢にいってもらえる経験って、大人になってからはないですからね。ただ、これっていつまでも続くのかなぁとは思っています。

もう1つは「えっどうしてあいつとあいつが知り合いなの?」という関係を発見できること。なるほどと思うのと、どう想像してもわからないなぁというのもあります。これは面白いですね。そして、今日はそんな「なんで?」と思ったら、一緒に会っちゃえばいいじゃんというのを複数組み合わせた会でした。ソーシャルがリアルを拡大させることって、結構、ありますよね。

【2011/10/06 23:58】 | キャリア~全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
ああ人生に涙あり
キャリアデザイン学会の会長講演。川喜多先生が水戸黄門の主題歌をまさにキャリアの歌だといわれて、歌詞を3番まで紹介されていました。タイトルって「ああ人生に涙あり」なんですよ。知ってました?何かを求めて生きたいと思います。

「ああ人生に涙あり」


人生楽ありゃ苦もあるさ
涙の後には虹も出る
歩いてゆくんだしっかりと
自分の道をふみしめて


人生勇気が必要だ
くじけりゃ誰かが先に行く
あとから来たのに追い越され
泣くのがいやならさあ歩け


人生涙と笑顔あり
そんなに悪くはないもんだ
なんにもしないで生きるより
何かを求めて生きようよ


【2011/10/05 23:58】 | キャリア~全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
何が起こるかわからないということ
今日の茂木健一郎さんの連続ツイートは「何がおこるかわからないからこそ、希望をもって明日にのぞむ」がテーマでした。

これは確かにそのとおりだなとは思うのですが、なかなか難しいことです。まずは連続ツイート内容を引用します。

(1)あなたの脳は健康な状態にあるかどうか。一つの質問で、その様子がわかる。「あなたの人生に、いろいろ不確実なことがあると思いますが、これから何が起きるか、それが楽しみですか? それとも不安ですか?」この質問に、「楽しみ」と答えられる人は脳が健康である。

(2)人生には、不確実性が原理的に避けられない。どんなに賢くて、どんなに綿密に計画を立てても、必ず予想もできないことが起こる。だから、不確実性をいかに抱きしめるかということが、脳にとっての一番の課題になる。それを希望をもってすることが、人生のイロハのイだ。

(3)ある企業で講演した時、「あなたは不確実性が楽しみですか、それとも不安ですか?」と聞いたとき、ほとんどの人が「不安」だと答えて、私の方が不安になった。日本人は全体的に不確実性を忌避しようとしている。そのことによって、ネットとグローバル化の新文明に不適応になっている。

(4)グーグルやフェイスブックが10年後どうなっているか、予想が付かない。だからこそ、両社で働いている人々は希望を持ち、明日を楽しみにがんばっている。成長と、不確実性に希望を持つことは同じである。その感情が日本から失われたからこそ、日本の成長も止まってしまった。

(5)子どもの頃から塾通いをして、「確実に」有名大学に入れるようにする。三年の10月から新卒一括採用の就職活動をして、「食いっぱぐれのない」大企業に入ろうとする。このような振る舞いが「賢い」とされる社会では、不確実性にこそ希望を抱く、成長のエンジンは失われる。

(6)最初の質問に戻って、「何が起こるかわからない不確実な状況」が「楽しみ」であるよりはむしろ「不安」であるというのが日本人の今の姿だとすれば、日本人の脳は、平均的に言って、大変不健康であると 断ぜざるを得ない。現状がそうだとして、どうすればいいか?

(7)生まれ落ちた子どもにとって、世界は不確実なことばかりであるが、その時に助けになるのが「安全基地」である。保護者が「確実性」という「安全基地」を提供してくれるから、子どもは安心して不確実な世界を探検できる。未来に希望を持つために必要なのは、「安全基地」だ。

(8)大人にとっての安全基地とは何か。自分の脳の中に蓄積された知識であり、経験であり、技術であろう。ところが、日本の場合、それが「組織」とか「肩書き」とかいった、実質を伴わない外形的なものであるために、「挑戦のための安全基地」とはならず「自己保身の盾」になっている。

(9)自分の脳を診断してみよう。果たして、明日何が起こるかわからないという不確実性を、楽しみと感じているか。安全基地を点検しよう。組織や肩書きじゃなくて、むしろそれを失って放り出された時にそれでも生きのびる知識や技量があるか。包装紙をひっぺがせ。「真水」を増やせ。

人生に不確実性は避けられないということに反論を唱える人はいないでしょう。そして、それを「楽しみ」と思うか「不安」と感じるかは人によって違うでしょうが、あらゆる人に「楽しみ」と「不安」の双方が存在していることと思います。それは比率というか重みの問題なのかもしれません。そして、「不安」ばかりで前に踏み出せない人の「不安」を低減させる手伝いをすることは、キャリアカウンセラーの仕事のひとつでしょう。ただ、「楽しみ」を増すところまで持っていくのはなかなか難しそうに感じます。

昨日書いたキャリアデザイン学会の川喜多先生の「キャリアデザインとは想定外のことを少しずつ想定内にたぐりよせる行為でもある」という考え方は、「不安」を少しずつ減らす行為だともいえます。人生における不確実性を少しだけ確実なものに感じることにより、「不安」は減っていきます。ただ「想定外のことを少しずつ想定内にたぐりよせる行為」だけでは、「不安」を「楽しみ」に転換することはできないように感じます。茂木先生のいう「安全基地」とは、昨日書いた川喜多先生のいう「安定しない社会におけるキャリアで大切なものは、改めてベーシックな力ではないか」というものにも近いように感じます。茂木先生は「自分の脳の中に蓄積された知識であり、経験であり、技術であろう」といい、川喜多先生は「職種横断的、企業横断的、地域横断的な基本的な力。明るさ、積極性、元気、論理性、感応できる力、ヒューマンリレーションズの力……」と語られました。いずれにしても「組織や肩書きじゃなくて、むしろそれを失って放り出された時にそれでも生きのびる知識や技量があるか」という観点については、一致しているようです。

「不安」をなくすることが、「楽しみ」の域に達することに直接的につながるのか、これはやっぱり難しいところです。ただ、「不安」をなくすることによって少し開き直りやすくなるということはあるでしょう。そして、その先には「楽しみ」もあるのかもしれないと思います。

「不安」をなくす仕組みを作ることが、ある意味ではこれからの国家の最大の仕事になるのでしょう。「不安」をなくす仕組みこそが大切なインフラになるのでしょう。ただし、ぶら下がり派のモラルハザードをもたらさないようなかたちでこれを実現させることが大切です。

ひるがえって企業内で考えても、「不安」をなくすことは人事機能の大きな任務になります。ただ、これは寄らば大樹を意味しません。ここのはき違えをする社員には厳しく対峙する必要もあります。

言葉を丁寧に使っていくことが、ますます求められます。

《2011年10月4日》 喉が痛くなると、1日1缶浅田飴を舐めてしまいます。もちろんパッションです。それだけだといいのですが、2日で1本くらいのどぬーるスプレーも使ってしまいます。これは結果的に飲んでいるわけです。うーん。







【2011/10/04 22:56】 | キャリア~全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
想定外のことを少しずつ想定内にたぐりよせる行為
昨日終わったキャリアデザイン学会の会長講話からです。相変わらず、毒を含んだユーモアたっぷりの川喜多会長のお話でした。あまりちゃんとメモをとっていないので、そのままの内容にはなっていません。たぶん。

まずは、想定内・想定外という言葉について。
この言葉、震災以降、しばしば使われています。非常に意味深い言葉です。

「キャリアデザインとは想定外のことを少しずつ想定内にたぐりよせる行為でもある」と川喜多先生はいいます。

例示に出されたのは、陶芸の人間国宝の方の話。どんな名手であっても、作品が窯から出でくるまでどんなものが出てくるのかはわからないといいます。陶芸は完全工業製品とは違いますから、何もかもすべてを想定内に設定することは不可能なのです。しかし、当然ですがすべてを偶然に任せているわけではありません。全力を注いで、イメージした作品を作ろうとします。しかし、最後の最後は自然の力にゆだねることになります。まさにキャリアデザインとは「想定外のことを少しずつ想定内にたぐりよせる行為」ということを想起させる例え話です。

次に「場数」という話。
岡本太郎は「芸術は爆発だ」といいましたが、これを「芸術は場数だ」と聞き間違えた芸術家がおり、愚直に場数を踏み続けることによりその道の大家になることができたという例を出されましたが、これが真実か否かは話し手のみが知る話です。

「場数」という意味では、そのポジションに決められた範囲の仕事を「はみでる仕事」をやらせて「場数」を踏ませることは大切です。1つ前のステージで次のステージの仕事をやらせる、ことです。その意味では、大学という場所における次のステージ、つまり組織人として働くのか、独立事業主として一本立ちするのか…、いずれにしても大学の次のステージの経験を「場数」として在学中に少し踏ませることができれば、それは大学の優れたキャリア教育になるはずです。

ただ、これは大学で職業能力の実務的知識を早めに詰め込めということではありません。川喜多先生流にいえば、「すぐに役立つ知識はすぐに滅びる」となります。もちろん実務知識の集積だけでは「想定外のことを少しずつ想定内にたぐりよせる」こともできません。

でも、どんなに「場数」を踏んでもそこから学ばない人もいます。そんな人に対しては支援が必要です。

また、キャリア発達にはハードルの存在がつきものです。次のステップの「場数」を踏むというのも大変なハードルです。順調に乗り越えることができればハッピーですが、時には乗り越えられない人もいます。そのために支援者、カウンセラーが必要になるわけです。

グローバリゼーションも同様です。この道は避けることができません。しかし、ローカルな志向を持っている人をどうするのか、グローバリゼーションに乗れない人、乗りたくない人、取り残される人をどうするのか、といった問題は必ず発生します。こういう人のために寄り添って何らかの解決に導く必要があります。それはいったい誰の役割なのでしょうか。

社会はどんどん安定しない方向に進んでいます。安定しない社会におけるキャリアで大切なものは、改めてベーシックな力ではないかというのが川喜多先生のご指摘です。職種横断的、企業横断的、地域横断的な基本的な力。明るさ、積極性、元気、論理性、感応できる力、ヒューマンリレーションズの力……。

1万円札は、くしゃくしゃにされても泥にまみれても1万円の価値があります。いかなる姿になっても価値は変わりません。そんな力を持てる支援ができると素敵なのではないでしょうか。

《2011年10月3日》 昨日の日大が少し寒かったのでしょうか、昨晩から喉が痛くて困ってます。私は喉が弱く、風邪はたいてい喉にきます。あと、口内炎ですね。
【2011/10/03 23:47】 | キャリア~全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
日本キャリアデザイン学会 第2日目
日本キャリアデザイン学会の第8回研究大会が終了しました。初めて半分裏側から学会に携わりましたが、もすごく多くの方が早くから準備され、討議されてきた集大成としての2日間であることが改めてわかりました。また、発表者・報告者の皆様にとっても大切な場であることがこれも改めてよくわかりました。

「グローバル時代のキャリアデザイン~その原点から未来へ~」なるタイトルが決まり、内容も詰めつつあった時期に大震災が発生し、内容についてはかなり見直しがかかりました。しかし、震災というテーマも日本にとってグローバルを考えるにあたってある意味では適した機会なのかもしれません。

いろいろと整理をして残しておくべきことが多いのですが、今日は閉会式の余韻を受けて、閉会式で渡辺三枝子先生が話された内容から残しておきたいと思います。あまりちゃんとメモをとっていないので、お話の内容から私が受けた印象の整理になりますので、ちょっと趣旨は違うかも…。 

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キャリアデザイン学会ができた当初、どうやったらキャリアデザインが、キャリア教育が上手にできるのかという「HOW TO」を求める方々もかなり入ってきた。しかし、この学会の目的はそこではない。どうやったらいいのかではなく、どうして必要なのか、なぜそういうことがいわれるのかといった、もう1つ根っこにあるものを多様な人たちが議論をして、その先を考えていく場がここだ。

そのためにも、個に注目して個に徹底的に向き合う必要がある。そして、それによって全体が見えてくる、何か普遍的なものが感じられてくる。

個に向かい合うというのは、学生の話をただ聞くということではない。自己分析ばかりしていては、世の中の変化が見えなくなるということもある。しばしば個と社会現象は対立的にとらえられることもあるが、けして切り離せないものでもある。学生の話を聞くといっても、ただ聞いていては何だかわからなくなるということがある。心のケアは確かに重要だ。でも、それはいったい何のためにやるのか、も忘れてはいけない。就職支援とキャリア支援は確かに別物かもしれない。しかし、それは連続的なものだ。何にしても、一面的にシンプルに考えればよいわけではない。今、大学で行われている表面的なキャリア支援が、若者の早期退職を誘発している恐れはないか。

仙台のある学校関係者が語っていた。「今は日本中がとても関心を持ってくれて支援をしてくれている。でもこの関心もいずれ消えていくだろう。その時こそ我々の勝負の時だ。それからが本当に復興への取り組みの重要な仕事が始まる」。
この先、何年続くかわからない復興への取り組み、そしてこれを機会に私たちは何らかのパラダイムシフトを起こすことができるのか。キャリアデザイン学会の役割は、その先を皆で考え、そして関与していくことだ。

来年の学会は東北地方で開催する予定です。

《2011年10月2日》 シンポジウムと閉会式の会場が寒かったので、喉がちょっと痛いです。
【2011/10/02 21:15】 | キャリア~全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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