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学業成績と大学生活が就職活動結果に与える影響
3連休です。実は私の場合はちょっと変則的なので昨日から日曜日までがお休みで月曜日は仕事の予定なのですが、いずれにしても3日お休みが取れているので、先週のキャリアデザイン学会で私がコメンテーターを担当させていただいた部会の内容を勝手に整理をしたいと思います。いずれも大学生のキャリア意識に関するものであり、興味深いものでした。

最初は「学業成績と大学生活が就職活動結果に与える影響」という研究です。

これはものすごく興味ありますね。私たちのチーム(CDC)でも、以前に2年間にわたって類似のテーマで発表をさせていただいています。

今回の研究の大きな特徴は、ある大学のとある学年についての4年間の縦断データをベースにしているところです。データをとるだけで4年間かかりますから、これはなかなか大変なことです。

学生時代の過ごし方の調査内容としては、入学時点で大学は第一志望であったのか、はたまた入試ルートはといったところから始まり、学業成績と大学時代の様々な過ごし方についての設問があったようです。学業成績についてはGPAをとっています。これはSが5点、Aが4点などとして成績をポイント化させる奴ですね。あとは大学1年で義務つけられているTOEFLの点も活用しています。学業生活以外の過ごし方については、授業・アルバイト・サークル・友人などの1年生後期時点での達成度、1~4年生におけるゼミ参加、バイト有無、インターン経験有無等について聞いています。

対する「就職活動結果」ですが、就職活動プロセスとして資料請求数・エントリーシート送付数・説明会参加数・筆記試験数・面接数・面接成功率(内定数/面接数)・筆記成功率(筆記試験数/内定数)・就職先雇用形態などをとっています。

ただ、研究報告内容のほとんどは学業成績であるGPAと「就職活動結果」の相関に基づくものでした。個人的には、ゼミ・サークル・アルバイト・友人等を学業成績と同様に深く追求していただけるとより興味深かったのですが、時間の問題が有意なデータがとれなかったのかはわかりませんが、今回の発表は学業成績指標であるGPAと「就職活動結果」の相関に基づくものが中心でした。

でも、それでもかなり興味ある結果が報告されています。

GPAのポイントは内定数と有意な相関を見せています。
つまり、学校の成績の良い学生はおしなべて多くの内定がとれているという傾向があるところです。これは、良いことですね。また、エントリー数の増加ともGPAのポイントは有意に正の相関をもっています。エントリー数の増加は多くの内定を得るための必要条件ともいえますので、当たり前のことかもしれません。ただし、GPAと面接成功率、筆記成功率とは有意に相関していません。これは就職活動効率があまり良くないことを意味するともいえますが、まぁそもそも面接成功率、筆記成功率という指標に本質的な意味があるかどうかは微妙です。少ないエントリー数で行きたい企業に行ければいいというパターンもありますし、たくさんのエントリーを出して、とにかく落ち続けたけれども、何とか1社だけ行きたい業界企業から内定をもらえたという喜ばしいパターンもあります。

そもそもGPAのポイントの高い学生はどんな学生なのだろうかという点も大事です。発表者は、GPAと内定数に正の相関があることについて、2つの解釈をされていました。1つ目は、就職活動においてはエントリーシートを多くの企業に短期間で書かなければならないものであり、これは意外と難易度は高く、書く能力と学業成績に相関があるとすればこれがエントリー数と相関すると考えられるという考察です。調査対象は文系学部ですので確かにそうかもしれません。そして、2つ目の考察はよりシンプルであり、GPAが高い学生は「まじめ」であり、その「まじめ」さが多くのエントリーをして結果、多くの内定をとるに至らせている、というものです。

私は、文系学部においてGPAが高い学生というのは、1つはまじめにやるべきことをコツコツやっていること、もう1つはポイントを絞って要領よく学ぶこと(というよりは試験対策など)をキチンとできること、のいずれかに長けているケースが多いように思います。就職活動においても、この特性が出ることによって、多くのエントリー数と多くの内定数という結果が出たのかもしれません。これがまじめにちゃんとやれば就職活動は怖くないというメッセージにつながるのであれば、大変な朗報です。

ただし、これは企業にとっては微妙なデータです。企業が「まじめにこつこつと働き、文章力にたけている」学生を採用したいと求める人材像に掲げているのであれば、万々歳なのでしょうが、各社の採用HPなどで見る限りは、このような採用人材像を掲げている企業はあまりみないでしょう。となると、今のエントリーシートを中心とした採用活動のやり方は、まったくもって目的から考えると間違った方法で行われているといえなくもありません

実務家がどんどん学会にも出向く世の中にやっとなってきました。また、実務家でもあり社会人大学院生でもある方が自ら発表をされるケースも当たり前になっています。今回の学会でも、企業実務における様々なヒントが得られました。是非、学会未経験の方は、足を運ばれるといいと思います。

《2011年10月8日》 昨日からの腰痛をロキソニンで抑えながら、活発に活動。午前中は銚子市内の各所をめぐり、午後は六本木・麻布十番あたりを散策。さすがにスーパービジョンに間に合う時間までには戻れませんでしたが、まぁ活動量のある日でした。ただ、腰痛、何とかしないと。






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【2011/10/08 20:02】 | キャリア~全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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