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年の瀬、雑感
いよいよ今日で、2011年も最終日です。寒いですけど日差しのある冬らしい天気です。誰しもが忘れられない、いろいろなことがあった2011年。そんな年の瀬の雑感で、ブログは締めくくります。

新浦安のケーズデンキ。デジタルビデオのコーナーが極限まで縮小されていました。この分野、日本企業は淘汰されてきており、すでに4社寡占になっているとか。トップがSONY、それに並ぶ2強がパナソニックで、あとはキャノンとビクターだとか。ちょっと前までは6社あったんですけどね、と店員。売り場は極端な品薄。これじゃ売り場の縮小やむなしという感じです。最大の要因はタイの水害でSONY製品の供給が止まったこと。すでに3つある価格帯のうち、中価格帯のものしか置いていません。それもあと数点とか。その余波をもろにかぶって、パナソニックの商品も極端な在庫薄になり、1品種のみしかありませんでした。世界はつながっています。

葛西のイートヨーカドーには震災前から「ふくしま市場」という福島県産品を売る特設の店舗があります。これ、結構大きなスペースをとった常設の店舗です。福島産品に強い逆風の吹く中、毎日大勢のお客様でにぎわっています。店長をはじめとしたお店の方々の地道な努力のたまものかと思います。

テレビで掃除機みたいな奴から高圧の蒸気が出る機械を紹介していました。これでガス台のゴトクなんかを掃除すると、まじでピカピカになるみたいです。と思っていたら、これが知らないうちに我が家にもありました。大掃除でも大活躍です。窓もサッシからすべてピカピカになりました。画期的な技術というよりも、既存技術を新用途応用させたタイプの商品なのだと思いますが、それもまたイノベーションですね。

私の住むマンションは400世帯ほどの比較的大型のものですが、ゴミの集積所があります。コンビニくらいの大きさなの独立した建物なのですが、31日から3日までは施錠します。で、昨日は年内のゴミを出す人で、大賑わい。日本の風習はいろいろとなくなってきていますが、大掃除という習慣はそれなりに残っているようです。会社のデスクまわりも大掃除をして、きれいになっています。新年に対する思いは日本人はかなり強いですね。2012年、どんな年にしますか。

そんな新年ですが、日本酒を飲む人が増えるようですね。西友南葛西店では、いつもの3倍くらいの売り場を日本酒に割いていました。タイミング良く売り場を変えられるか変えられないかで、売り上げは大きく変わります。毎日、同じことをやっていては駄目です。

それにしても流通は休みを知りません。イトーヨーカドー葛西店は大晦日も元旦も10時から21時まで営業です。ヨーカドー社員がお父さん、お母さんの家の子供は家族そろってのお正月というのを迎えられない宿命ですね。ヨーカドーに物を運ぶ物流業者の皆様もそうですし、日配の様々なベンダー企業の皆様、そういった企業に原材料を納入する企業の皆様……、というように連鎖は続きます。連鎖の頂点には私たち消費者・生活者がいるのですが、私たちの望み以上のものがかなえられている傾向もあるようです。ただ、それがマーケティングだといわれるとそうなのかもしれませんが。

大晦日は年越しそば。ここのところは南葛西エリア一番の蕎麦屋である「清かわ」で早めに食べるケースが多いでしょうか。今日も遅お昼ででかけました。なかなか魅力的な日本酒のラインナップを持っている店ですが、自動車でいったためアルコールは抜きです。この店の難点は、駐車場が極端に狭いこと。今日も2台が駐車場の車庫入れで接触して、おまわりさんを呼んでいました。とんだ年の瀬ですね。

多くの知り合いの大晦日の過ごし方がフェイスブックでどんどん伝わってきます。そういうと私はもうほとんどツイッターでつぶやくことがなくなりました。使うとするとフェイスブックの方ですし、ビジネスの連絡も結構、こちらで終わるケースが増えました。1年前には想像すらできなかったことです。大晦日の皆さんの過ごし方を見ていて、フェイスブックはSNSである以上に個人が気軽に発信できるメディアであることを改めて確信しました。高校一年生の頃、1年B組のメンバーを対象に「週刊いちびい」というメディアを毎週発信していました。自宅にガリ版印刷機を購入してのガリ版刷りです(ガリ版を知っている人がどのくらいいるのでしょうか)。当時、メディアを持つことは容易ではありませんでした。誰もが気軽に発信できるメディアを持てる時代、これが適正に運用されれば、ものすごく創造的な世界が生まれるに違いありません。

政治は消費税で揺れています。足を引っ張るのが自分たちの仕事だと思っている人がまだまだいるのでどうにもならないのですが、つまらない正論を吐いて思考停止を招くのはやめたいですね。

2012年、あと少しでやってきます。絶対にいい年にしましょうね。


《2011年12月31日》 今年も大変にお世話になりました。本当にありがとうございます。来年もよろしくお願いいたします。
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【2011/12/31 19:15】 | 未分類 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
越境学習について年末のどさくさに考える
今日は朝から大掃除というかお片づけ。書籍と資料の整理が大半になるのですが、今年も1年間、たくさんの書籍を購入し(半分は読まずに置いてあり)、たくさんの学びの場に赴き、その結果として部屋は紙に埋もれます。年末に多少の先入れ先出しをしないと壁がなくなります。ということで、資料類を見ながら捨てたり、整理したり…、結果的には本棚を並び変えただけで終わっているような気もしますが……。

で、片づけながら「越境学習」について考えました。私は一時期は趣味を「実践共同体」と「越境学習」と書いていましたが、今年はなんとなく「越境学習」というのがわからなくなった年でした。

「越境学習」の定義というのは実はよくわかっておらず、今のところ自分で思っているのは、職場の枠組みを超えて会社の外で何らかの経験を通して学ぶことであり、単なる講座で座学するのはこれに入りません。経験からの気づきがアンラーニングや違う発想を生むとともに、自らを自然にリテンションする効果もあるのだと思います。今回あらためていい定義がないかなとグーグルで検索したら、あらまぁたまたまヒットした上位2つが私のブログでした。

2010年12月03日「越境学習」にどうして出掛けるんだろう

2011年07月09日「越境学習」について考えたりみたりしちゃったりして…

ずいぶん前から、ちょっとした違和感を感じているんですね。それにしても、グーグルの上位にはほとんどお友達のブログが並んでいましたから、この言葉、まだまだ一般化してませんね。

よく社会人が学生に対して、大学時代迄と社会人の違いについていう話ですが、大学までは気の合う好きな仲間とだけ付き合っていてもやっていけるけど、社会に出るとそうはいかないというのがあります。上司や同僚は選べませんし、お客様にもいろいろなタイプの人がいます。同じ職場にも今までだったら絶対友達になってはいないだろうなぁという人が一人や二人はたいていいるものです。確かにこれは大きな違いです。

「越境学習」の必要性を説く人は、社内の固定的な文化・仲間・常識だけでは駄目だよね、という考え方が基本にあるかと思います。これはその通りで、社外の人との交流を常時行うのはビジネスパーソンとしては絶対に必要です。

「越境学習」は本質的には会社に言われてするものではありません。自ら必要性を感じて境界を超えるのです。で、境界を越えてどこに行くのかは当然ですが自らの選択になります。これが曲者のように最近、感じるのです。自らの選択で「越境」するわけですから、結局は「行きやすいところ」「自分に心地のよいところ」に行ってはいませんか。会社を出るという意味では「越境」なのでしょうが、逆に温いところに安住しているような感じもします。こう思い始めたのは、ラーニングイノベーション論やgcdfなどで出会う仲間が素敵過ぎて、自然につるんで学ぶ機会が増えるのですが、どんどんアウェー感が失せてしまうからです。これは大変に幸せなことなのですが、「学び道」としては微妙なところもあります。

さっきの学生の話ではないですが、会社での仕事と違って嫌な人のいるコミュニティには行かない、なんてなことになりますから、ここで話が逆転してしまいます。もちろんラーニングイノベーション論のような既成の学びの場に行く場合は、人は選択できませんから越境的なエッセンスは相当にあります。ただ、ラーニングイノベーター達が有志でやる勉強会の場合にはこのような越境性は生まれません。ましてや自分が主催する場合は無理ですね。これって1つの不思議なジレンマのようにも感じます。

ほとんど同じことがSNSの世界でも起きているように思います。ツイッターやフェイスブックでいろいろな新しい人とつながれるようになりましたが、自分がフォローしたり友達申請を受けたりするのは、同じもしくは近い「村」にいる人が中心になります。共通の興味関心で結ばれている人たちです。

なんか世の中が広がっているようで、実は狭まっているような不思議な感覚があります。ただ繋がりのキーが確実に変わっていることだけは事実です。

世の中にプチ越境、越境インターンシップ的な企画も増えました。私の感覚的には、中原先生のLearning Barや、長岡先生のイブニング・ダイアローグなんかもこれに当てはまります。こういったプチ越境は、コンテンツとしてうまくできているため、実は越境感が弱くなる宿命があります。よくわからないのですが、越境をする場合、都会を出てまずは辺境地域をさまよい、そして国境を超え、彼方の国を歩き、再び越境側の都市にたどりつくというイメージがありますが、「まわりの人とダイアローグ」という魔法の手法により、どんな人でもすぐにプチ越境ができるようになりました。都市から都市まで、辺境地域を経ずに飛行機でいける感じのお手軽さです。こういったことは確実に世の中を変えることに寄与していると思うのですが、スタイルが洗練されて一般化されるほど、予定調和の影が忍び寄ります。

こんなことをふらふらと考えられるのは、とても幸せなことだと思います。1つには越境(あくまでもプチばかりですが)するだけの時間が確保できていること。世の中をみて、これに四苦八苦している人がたくさんいます。もう2つ目は行き先があること。行き先は行き先を生みます。プチ越境拡大再生産の法則というのがたぶんあるんだとおもうのですが、前を向いてさえいれば、新しい企画がどんどん舞い込みます。これはSNSで加速されているともいえます。そして3つ目はアウトプットの場があること。越境先と仕事内容は必ずしも直結していませんが、間接的に仕事におそらく寄与することができています。これは大切なことです。そして、このブログもアウトプットの場ですが。

来年も建設的に学びさまよい続けたいと思います。
それがけして合目的的ではないのだけれども、結果的には仕事・人生にプラスになるのが真の学びの本質なような気が勝手にしています。

《2011年12月30日》 書棚がすっきりとしました。部屋のメインの本棚はHRM・キャリア関連図書の一部とフィリップ・K・ディックの著作のみになり、他のジャンルの本は駆逐されています。最終的にどうすりゃいいのかなぁ。ディックの著作は71冊ありましたが、まだ国内で販売されて入手できていないものがあります。サンリオSF文庫ですが金でかき集める手はあるのですが、それもどうかと思い…。





【2011/12/30 23:57】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
仕事納め
本日、仕事納め。私のいる会社は、最終出社日が有給奨励日となっており、お休みの人も多いので特に「納会」のようなものもなく、しみじみと仕事が終了します。20時くらいまで残業して、家路につきました。残念ながら、お正月にもだいぶ持ち帰り残業はあります。

2011年、誰しもが忘れることのできない年になりました。東京に住んでいる身としても、あの3月の暗い夜、運行が信頼できない通勤電車、続く余震、棚が空っぽのコンビニ、なくなったミネラルウォーターや乾電池、ACしかCMをやらずに次々と現地の惨状を映し出すテレビ、客のいない飲食店、ツイッターに溢れるデマ………、そんなこんながありましたが、あれが同じ今年の話だったと思えないくらい、また日常に流されている自分たちがいます。でも、まったく終わってはいません。忘れない、終わらせない、ことが私たちにできるとても大事な貢献の1つです。そして、自分ができることを何か少しでもやり続けることです。

震災の翌月には父を亡くしました。

いろいろとあった年ですが、たくさんの素敵なこともありました。もちろん多くのしんどいこともありましたが。喪中のなめ、この年の瀬は初めて年賀状を書きませんでした。初詣もいかずに元旦はお墓参りに行く予定です。ちょっと違った2012年の幕開けになりますが、徹底的に意地でもいい年にしていきましょう。

あっまだ今年は2日、残っていましたね。

《2012年12月29日》 古巣に立ち寄りカレンダーをいただいてきました。ありがとうございます。


【2011/12/29 23:31】 | 未分類 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
メディアの氾濫の中で
人事の世界でもメディアが溢れてきました。

もともとは紙媒体しかなかったところに、「日本の人事部」が草分けでしょうかweb媒体が広がってきて、「労政時報」なんかも本冊をみることは稀になってきました。web媒体は参入・撤退が容易ですから、次々の新規参入があるのは当然です。

そしてここ1~2年の顕著な特徴はリアル媒体というか、実際に各社の人事担当者を集めてのイベント的な集いが増えたことです。「HRプロ」「日本の人事部」のカンファレンスが定例化され、「Learning Bar」インスパイアな企画も増え、ワールドカフェという手法の一般化がこれに拍車をかけています。また、各ベンダーの顧客囲い込み的な企画も増えています。

こうなると、すべての媒体に目を通せませんし、すべてのイベントに足を運ぶことも不可能です。

こういったメディアには必ず作り手がいます。毎週火曜日に送信されてくる「日本の人事部」のメルマガ、毎月ボリウムのある各種事例や記事を届けてくれる「人材教育」、毎号ちょっと捻ったセンスににやりとする「Works」、このあたりについては作り手の皆様とたまたま知り合いなので、目を通す際の気持ちも変わってきます。作り手の思いを感じながら拝見することができます。メディアがリアルなかたちで、各社の人事の担当者と接点を持つことで、何らかの双方向の流れができてくるとこれはとても面白いでしょう。

たまたま今日は、思い付きで、ある方とあるメディアの方を結び付ける機会を作れました。何かの勢いで、これが記事になり、つながりがつながりを呼ぶ…、それはとても素敵なことです。


《2011年12月28日》 麹町の「文字平」さんで今年最後の忘年会。にっぽんお好み焼き協会のイベントをこちらで来年は開催する予定です。






【2011/12/28 23:57】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
人材紹介ビジネス
ここのところ人材紹介ビジネスを手がけている皆様に立て続けにお会いして、いろいろなことを伺っています。

このビジネス、商品が「人材」ということになります。その商品は複数の人材紹介会社に登録をするのですから、複数の会社が同じ商品を仕入れていることになります。そうなると、人材紹介会社としての「価値」は何であるか、非常に難しくなっていると思います。

また、ビズリーチのような人材紹介会社のコンサルタントやヘッドハンター向けに人材データを提供する会社が出てきていると、ますます各社の「独自性」とは何なのだろうと思ってしまいます。さらに、ビズリーチは一般企業にまでその人材データを提供するサービスを始めています。一般企業の人事担当者は、人材紹介会社のコンサルタントと同じデータベースにアクセスし、直接に連絡をとることができるようになっているわけです。数名の人材紹介料を考えれば、人事に1人、リサーチャー&採用担当のような担当者を置いて、検索しては連絡をとってということをずっとさせてもペイするのではないかとも思えます。さらには、リクントインのようなSNSが日本でも次の脅威として控えています。

でも、人材紹介ビジネスは生き残ると思っています。もちろん、相当に淘汰はされるでしょう。生き残るために、今、顧客にどう支持をされるかを真剣に考え、過去の踏襲ではなくイノベーティブな判断を次々とできる会社が生き残るのは、どの業界でも同じです。




【2011/12/27 23:57】 | キャリア~学生・就職・採用 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
【INHOUSE】第2回③
【INHOUSE】に関して中原先生がブログで「内製」と「内製化」を言葉として整理されています。

で、少し昔のことを思い出しました。
2000年の7月、我が家がハワイ旅行に旅立つ前の日に、前職の企業が持株会社を設立して事業別に分社をする施策を社内発表しました。翌年4月に発効予定の会社分割法制を適用させて、翌年7月に実施しようとするものです。

これを「分社化施策」といっていました。そして、翌年の7月の分社を過ぎても「分社化施策」といい続けていました。「分社化施策は成功だったのか」などといった感じで。

これには強烈な違和感がありました。私はこれを「分社施策」というべきだと思い、特に分社実施日以降に私が作成する資料などではそう表現しました。ただ、相変わらず会社全体は「分社化」といい続けました。

「~化」というのは、A地点からB地点に移ることに着目をしています。つまり分社以前という世界から、分社後という世界へ。ですから、これに着目するということは、分社という行為に着目することになります。これに対して、分社施策という言葉は、分社をした後に果たしてどうであるかということ(状態)に着目します。毎日しつこく出てくる金井先生の言葉ですが、分社化施策という言葉は、ドゥアブル的な言葉であり、分社施策という言葉は、デリバラブル的な言葉であるように感じます。ですから、分社1年後に「分社化施策は成功であったのか」を問うことに意味はなく、問うのであれば「分社施策」なのだというのが、当時の私の思いでした(もちろん金井先生のお話を伺うはるか以前のことでしたので、ドゥアブルだのデリバラブルだのという言葉は考えもしませんでしたが)。

「内製」と「内製化」を考える場合、このような言葉尻の問題に加えて、主語というか、どの登場人物に着目するのかという観点もありそうです。「内製化」という場合には、実際にインストラクション・ファシリテーションをする人により注目している感じがします。要するに、前面に出る人が外から中に変わることが「内製化」という感じがします。「~化」という言葉は、変化が目に見えないと使いにくい言葉ですから、そんな感じになるのかもしれません。昨日書いたような「丸投げ」をやめて会社担当者がイニシャティブをとることも、内製化といっていいように思いますが、ちょっと言葉としてはしっくりとしない感じもあります。

中原先生は「内製」という言葉について、「企業人材育成のあり方を、企業内部の人が、経営戦略と現場の状況をみすえた上で、自らビジョンを描き、イニシアチブをもったうえで実行可能にしていくプロセス」と定義されていました。中原先生も書かれているとおり、これって確かに人材育成の行為そのものです。でも、なぜ増田弥生さんとのセッションを経て、この定義に私たちがしっくりとしたものを感じてしまうのかということを考えると、「経営戦略と現場の状況をみすえた上で」「自らビジョンを描き」「イニシアチブをもったうえで実行可能にしていく」ということが、実は容易にはできていないという肌感覚を持っているからでしょう。

中原先生が引用されていたHall(1984)の定義では、人材育成とは「企業が経営戦略・経営目的達成のために必要なスキル、能力、コンピテンシーを同定し、これらの獲得のために従業員が学習するプロセスを促進・支援することで、人材を企業経営に計画的に供給するための活動と仕組み」とされています。

ただ、やはりここに日本の特殊性があったように感じます。「企業が経営戦略・経営目的達成のために必要なスキル、能力、コンピテンシー」というものにオリジナリティが必ずしも求められなかったのが、しばらく前までの日本企業だったのでしょう。

部下が提案を持ってきた際に経営者がする典型的な質問に「同業他社はどうしているのかね」というものがあります。「同業他社も既にやっています」と聞いて、安心して「では当社もやってみるか」という経営者と、「それじゃ当社はまったく違うやり方を考えなきゃ駄目じゃないか、ばか者」という経営者のどっちが多いでしょうか。前者のような風土であれば、丸投げもまたOK。競争優位性自体が求められていない世界ですから、同業他社で実績をあげたコンサルを使うのもありです。

言うまでもなく、これは今や昔の世界。ただ、日本のビジネスパーソンのすべてがここから脱却できているのかは疑問です。

私たちはラーニング・イノベーターを自認したいと思っているわけですから、選択する道は明確です。それにしても、今日のブログも書きながらあっちふらふら、こっちふらふらといつものとおりです、すみません。

《2011年12月26日》 折りたたみペットが壊れたので、廃棄処理しました。夜中に近い時間に粗大ゴミ置き場に現れるのは、ちょっと怪しい。
【2011/12/26 23:57】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
【INHOUSE】第2回②~丸投げ論
昨日の続きでもあるのですが、研修の丸投げについて。
基本的にありえないように思うのですが、実際にありえているようです。だいたい、次のようなパターンに収束されるのではないでしょうか、と勝手に考えました。

①担当部署に専門性が皆無であり、自助努力を志す人がいないケース

社長が「キャリア自律」の時代だ!と急に言い出し、人事に対応を投げます。テーマは、ダイバーシティでもリーダーシップ開発でもコーチングでも、何でもいいです。で、人事はなんのこっちゃわからないので、営業に来ている研修ベンダー何社かに相談をします。相談を主体的に受けて頭を使い始めればいいのですが、そうならずに「とにかく提案して」となったりします。そしてコストが大事ですから、コンペもしたりします。研修ベンダーはここぞとばかりに借り物の「狙い」から含めて提案をします。担当者はイニシャティブをまったく持っていませんから、プレゼンが綺麗でそこそこのコストのベンダーに発注します。これは極端な例ですが、結構、これに近いことやっている会社、あったりするのではないかと思います。そもそも専門性の低い(もしくはない)人事担当者というのが五万と日本にはいるのです。これは社内ローテーションの罪でもあります。ただ、専門性は低くても、仕事の本質をきちんととらえていれば、それなりにはキャッチアップできるはずなのですけどね。

②意欲的な担当者がいるのだけれども、経営を理解していないケース

これはそもそもの「丸投げ」とは少し違います。実に意欲的な担当者がいて、社外の勉強会などにも参加して、いろいろな知識を体得しています。ただ、自社のビジネスモデルを深く理解したり、自社の現場をよく体感したり、経営の目指す方向を認識したりという意識にちょっと欠けているケースです。東で良い研修カリキュラムがあると聞くと体験会に参加してみて、西で優れた先生がいるとなると話を聞きに行く、大変に素晴らしい行動力ですが、新しいものや自分のやりたいものには貪欲ですが、ただそれだけ。結局は経営ニーズに立脚していないので、コンテンツだけが浮き足立つような「丸投げ」に近いかたちに陥ります。パートナーとなる研修ベンダーがこれを正してくれるといいのですが、こんな担当者に上手に取り行った方が商売になりますから、そこに無意識の共犯関係も生まれたりするんじゃないでしょうか。

③最初は良かったんだけどというケース

何でもそうですが、二代目問題です。最初はある担当者がものすごい思いをもって研修を立ち上げます。研修後のフォローにも注力し、研修を成果に結び付けようという目線もきちんと持っています。これで2~3年ほど回って、人事異動があり担当が替わります。そして、後任は営業からきた、ある意味では人材開発の素人だったりします。タイプにもよりますが、多くは新担当としての無難な立ち上がりをします。既にある研修については、よくわからないなりに研修ベンダーのいうことを聞いてほぼ「去年のままに」実施します。1回は体験してみないと勝手なこともできないので…という正論と言い訳が渾然一体となった言葉を吐きながら。この瞬間から、思いをもって成果を目指していた研修カリキュラムが、「丸投げ」へと変容します。魂が抜け、惰性でまわるようになります。もちろんそれでも前任者の思いがずれていなければ、しばらくはそこそこの成果はあがるので、なかなか問題としては表面化しません。

これらはいずれも、神戸大学の金井先生のいうところのドゥアブルとデリバラブルの問題です。自分の仕事が、担当分担表に書かれていることを「やる」ことに位置づけるのか、それをやることによって現場もしくは経営に何かを「もたらす」ことに位置づけるのか、この違いです。「もたらす」ことに位置づけるのであれば、①②③のいずれもありえないですから。

ただ、日常では自分も含めて、結構やっちゃっているんですよ、この思想。もちろん人材開発に関わらず、人事の業務のほとんど、間接部門の仕事のほとんどにあてはまることです。


《2011年12月25日》 短い帰省先の静岡から東名高速を飛ばして帰ってきました。当面の由比あたりから冨士市を過ぎるあたりまでの富士山と海の景色はまさに絶景ですね。あのトンネルを出た瞬間の美しさは何度走ってもあせません。





【2011/12/25 22:50】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
【INHOUSE】第2回①
連休前の木曜日の晩、第2回の【INHOUSE】準備委員会なのかワークショップなのかが開催されました。しばらく前に第1回については何日か続けて書きましたので、【INHOUSE】とは何かが気になる方は、そちらもしくは中原淳先生のブログをご確認ください。

【INHOUSE】では、研修の内製化を取り扱っていたはずなのですが、今回は内製化とはそもそも何かという問が投げかけられました。といいながら、実は私は大遅刻をしまして最後の20分のみの参加。なので、前半部分は想定しての記述になります。

私が到着しますと、すでに四方におかれたホワイトボードは各グループのディスカッションの成果で埋め尽くされ、増田弥生さんが中央に立って語られています。増田弥生さんについては昨日のブログをご確認いただければと思いますが、何といっても贅沢なつくりですよね、これ。

脈略がわからずに聞いていると、増田さんは「皆さんが内製化、内製化といっているが、何のことだかよくわからない」という話をされているようです。

人材開発、組織開発というものは、そもそも自社の競争力の確保・強化のためになされるものである、というよりも人事の存在意義も自社の競争力の確保・強化のためである、であるからには、私たちの活動は何らかの意味で業績を上げること、本質的な競争力をあげることにつながらなければならない、という大前提から話が爽やかにスタートしているのです。ここをあいまいにするといろいろなことがあいまいになりますね。

例えば、××業界が得意なコンサルタントというのがいるとします。A社が業界に精通していることを理由にコンサルタントを依頼しても、おそらくそのコンサルとは××業界に精通しているというだけのことはあるので、同業のB社もC社にもアドバイスをしている…、なんてことがあれば、オリジナルな競争力の強化には結びつきませんね(あとで思ったのですが、オリジナルな競争力の強化には結びつきませんが、マイナスをゼロまで持ってくることはできる効果はあるのかなという気はします。単一性が強い1億人を超える豊かな市場という箱庭の世界ででビジネスをしていた日本では、それでも一定の効果があったのではないかとも思います。ただ、それじゃイノベーションは生まれないですね)。

どんどん【INHOUSE】から話がずれているように思いますが、自社の「オリジナルな」競争力の強化を考えると、【INHOUSE】以外にありえないのです。ただ、【INHOUSE】の定義に拡散があるので、この論の進め方は難しいです。

増田さんは、外を使う意味として、
①外でやってもOKなもの…社内でやり続けることによって付加価値を生むことが期待できないもの
②外部の人にあえて語らせた方が効果があるもの
③極めて新しいもの、極めて高い専門性を要するなど外に託す必要があるもの
の3点を挙げられていたと思います。

その前提には、あくまでも全体のグランドデザインは中の人間が行い、イニシャティブは明確に持った上で、外を使うということが求められます。そう考えると、外で評判のいい先生に「評判がいい」ということを理由に研修を頼むということはナンセンスになります。1つのピースとして、外に人に頼むということはもちろんありですが、キーワードはどうイニシャティブをとるかということです。

イニシャティブをとっていないケースの代表例に「丸投げ」というのがあります。「丸投げ」を考えることで、この問題は整理できそうな気がしますが、今日はとりあえずここまでの整理です。

《2011年12月24日》 静岡市立美術館でダ・ヴィンチ。常設展を持たない美術館というかたちもありですね。
【2011/12/24 23:05】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
「リーダーは自然体~無理せず、飾らず、ありのまま」
昨日、初めて増田弥生さんにお会いしました。【INHOUSE】企画の特別ゲストとしての登場ですが、なかなか贅沢なお話です。【INHOUSE】、内製化に対する素朴な投げかけは、実に私の中では不思議とすっきりするものでした。そのあたりについては、また近日中に時間をみつけて整理します。

ちょっと前にあるところに増田弥生さんの著書の書籍紹介を書きました。そのときから、この世界に身を置かれている魅力的なお会いしたい人だと感じていましたが、なんとなく簡単にそういった機会をいただけたわけであり、無駄に歩き回っているわけではないと勝手に自負します。ただ、昨日は予想とおりの大遅刻で、最後の20分のみの参加でした。

以前書いた書籍紹介の草稿がありましたので、ちょっと残しておきます。

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「リーダーは自然体~無理せず、飾らず、ありのまま」 増田弥生 金井壽宏 著 光文社新書刊

本書は実務家である増田弥生氏と、神戸大学の金井教授の手による作品である。増田氏は、日本企業での「ふつうの会社員」を振り出しに、リーバイス・ストラウス社日本法人にて組織開発、米国本社にてグローバルリーダーシップ開発を担当、ナイキ社にてアジア太平洋地区の人事部門トップをつとめてきた。そんな経歴の増田氏はみ自らの生き方、リーダーシップスタイルに「自然体」を強調する。

本書はいくつかの角度から読むことができ、そのどの角度からでも、素敵な気づきが得られる。リーダーシップの書として、キャリアの書として、人事という仕事を志す者の書として、そしてもう一つの読み方が、日本人として、だ。

どうも日本は過度の自信喪失に陥ってしまってはいないか。人事の世界でも、アメリカ型の仕組みを入れては副作用に右往左往するという日々が続いてきた。日本型のものすべてが良くなく、海外から借りてきた仕組みを先を競って取り入れることが人事の仕事だ、といった過去の姿は実にこっけいなものだった。

これに対して、増田氏はリーバイス時代に、自分の日本人らしさが欧米人を中心とした組織の中では付加価値になるのではないかと感じ始めたという。ここでいう日本人らしさとは、奥ゆかしさ、思いやりの深さ、謙虚さ、柔軟性、良くも悪くも空気を読みがちなところ、

そして、曖昧さ、物事の白黒をつけないところ、何でも受け入れてしまうところ……、増田氏にいわせるとこれらも含めて日本人の付加価値なのだという。事実、増田氏の会議ファシリテーションは日本人特有の曖昧な進行がかえって多様な意見を引き出すことに成功し、大変な好評を得ていたという。

日本人に生まれ、日本人の中で育ち、日本人として得た感覚は容易には捨てられない。増田氏のような、それこそ「自然体」で強みを活かす考え方こそがこれからは大切なのではないか。企業にしても同じだ。自社の捨ててはいけない特性を捨ててしまってはいないか。無理やりの風土改革よりも、今の風土の延長上で勝負する道はないのか。日本を自社に置き換えて考えると、また人事担当者としての学びにもなる。

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若手・中堅の人事担当者には是非読んで欲しい本です。ただし、別に増田氏のようになって欲しいという意味ではなく、増田氏の考え方や生き方を通じて、自分らしい生き方、そして自分らしい仕事への取り組み方というのをまず考えて欲しいと思うからです。また、自社において「人事」はどうあるべきかということもあわせて考える機会としていただければ一番だと思います。また、自分の仕事がとても順調なとき、逆にいえば、気をつけなければ間違った方向に歩いていってしまうリスクがあるときにも、読み返してみるとよい本ではないでしょうか。


《2011年12月23日》 静岡に来ました。途中で沼津に立ち寄り、懐かしい人たちと再会することができました。


【2011/12/23 23:14】 | 書籍紹介 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
400人のタイガーマスク・プロジェクト
「ワールドクリスマス・フェスティバル」というイベントが原宿代々木公園ケヤキ並木にて25日(日)に開催されます。
http://xmasfes.com/400tigermaskproject

そしてその中で「400人のタイガーマスク・プロジェクト」という企画があります。これはお互いは見ず知らずの400名の有志が代々木公園に集まり120mの世界一のロールケーキを作るというものです(現在ギネスに掲載されているのは116mだそうです)。参加者にはその世界一のロールケーキを持ち帰りいただくのですが、その場で募金を募ります。そして集まった募金を元手に、被災地の子供たちにジャングルジムを送ります。

http://xmasfes.com/400tigermaskproject-desire

キャリアアドバイザー仲間の石田さんが続けてくれている「メンタリング研究会」、今年は昨年に引き続き学生のグループと社会人のグループが交流する、ある意味グループ・メンタリング的な企画を進めました。そこで出会った1人の学生がこの企画の推進者に名を連ねています。津波で屋外遊具がすべて流され、公園やサッカー場には仮設住宅が立ち並ぶ南三陸町。ここに何かをしたいという学生の情熱からはじまった企画です。協賛者を探しての資金繰り、最終的には長野の工場をみつけたロールケーキの生地の調達、さまざまな障壁がありながらも、被災地も協力者もスタッフも笑顔になれるクリスマス企画はないだろうかと考えに考えていたった企画です。

すでにフェイスブックの公開イベントでは200名が参加表明をしています。

http://www.facebook.com/events/100117593441413/

私の古巣も小麦粉を協賛してくれました。25日は私は東京にいないので参加できませんが、彼らの夢と情熱が成就することを願っています。お時間と興味のある方、是非、代々木公園に足をお運びください。

《2011年12月21日》 【INHOUSE】2回目。22時から飲み会。いずれにしても、後日にきちんとまとめます。




【2011/12/22 23:56】 | キャリア~学生・就職・採用 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
同じことを経験しても
本日、部署の忘年会。幹事のお二人お疲れ様でした。よい会でした。
で、飲みつかれたので、今日は松尾先生の本からの引用で失礼します。
次の書評はこれ書きたいです。

「同じことを経験しても、成長する人としない人がいます。この違いはなぜ起こるのでしょうか。それは「経験から学ぶ力」の違いによるものです。どのような経験をするかは偶然によって左右されることがありますが、その偶然を引き寄せたり、そこから多くのことを吸収できるかどうかは、仕事に対する姿勢や構えによって決まります。」

神戸大学教授  松尾 睦(「経験学習入門」より)

《2011年12月21日》 今日も終電になりました。
【2011/12/21 23:58】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
「社会との対話」
本日は、慶應義塾大学日吉キャンパスにて「社会との対話」と名づけられている、インターンシップクラスの最終報告会。インターンシップを受けた企業はご招待をいただけるので、喜んで出かけてきました。

各自が15分の持ち時間の中で、パワーポイントを活用して、どんな仕事をして何を得たかをプレゼンし、そのあとで質疑応答があります。司会・進行もすべて学生が行います。今年で13年目といいますから、インターンシップとしては草分け中の草分けですね。

歴史からくるものかどうかわかりませんが、このインターシップの素晴らしいところは、縦のつながりができていることです。インターンシップ自体は商学部の2年生の授業なのですが、最終報告会の質問者の多くは1年生でした。1年生が自由に参加できる仕組みになっているようです。彼ら彼女らの多くはきっと来年にインターン生として参加してくれるのではないでしょうか。そして、3年生も多く参加し、当日の運営スタッフ役を担ってくれてたりもします。終了後、2時間に渡る懇親会が用意されており、その進行もすべて学生です。この手の懇親会って、ちょっと付き合い的に顔だけ出してそそくさと出て行く参加者も少なくないですが、2時間みっちり企業人と学生と大学の先生・職員の皆さんがあれやこれやと話をし続けました。参加企業も常連が多いようです。当社は2年目の参加で、今年も2名の素晴らしい学生が来てくれましたが、もちろん来年も受入をしたいと思っています。いろいろな人の努力で、企業・大学・学生の関わり方が少しずつ変わってくるように思います。2011年はそんな雰囲気が随所に現れた年だったと思っています。

《2011年12月20日》 結果的に日吉は遠かったです。
【2011/12/20 23:56】 | キャリア~学生・就職・採用 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
内田塾、初参加
昨日はキャリアカウンセリング協会が提供してくれる「内田塾」でした。スーパーバイザー養成講座修了者が参加できる内田先生じきじきの指導のもとでケース記録をあたる3時間の勉強会でした。私はなんだかんだいって、初参加です。本来であれば丸1日かけるようなコンテンツですが、比較的なれたメンバーが集まっているとはいえ、3時間でやるのはなかなか厳しいものがあります。

スーパーバイザーというのは、キャリアカウンセラーの向上を支援する役割です。キャリアコンサルタント1級試験はまさにこのスーパーバイザーとしてのレベルを問います。そんな中で一緒に学ばせていただけるのは、ありがたいことです。

カウンセラーがクライアントと行ったカウンセリングのケース記録をまず読み解きます。GCDFの場合、その場でメモをとらないのが普通ですから、ケース記録は逐語とは程遠く、これをどうとらえるかがまず問題です。

クラスの中では、カウンセラーにしてみたい質問をまず列挙します。質問をするからには、何か明確にしたいことがあるわけです。それも明記します。さらには、ケース記録からとらえられた、このカウンセラーの特徴(プラスの特徴、ネガティブな特徴)を整理します。そんなことを30分くらい個人作業した上でグループ討議です。そして、全体の共有、内田先生の講評と続きます。

後半は、逐語録が配布されます。現実ではありえないのですが、ケース記録を作成したのと同じ面談の逐語録になります。この逐語録をみると、いかにケース記録を用いてスーパービジョンをするのが難しいかということを再認識できます。逐語録から、どんなクライアントであるかを整理し、そのクライアントが面談の中でどう変化したのかを整理します。そして、最後には逐語録まで含めて、どのような特徴をもったカウンセラーであるのかを整理します。

久しぶりでしたが、いい3時間でした。終了後は、スーパーバイザー養成講座の同期と忘年会。乾杯はなんと22時です。でも、紹興酒ボトルのお代りを重ねて語りあいました。私はキャリアカウンセラーのスーパーバイザーという業務は一切していませんが、日常の仕事の中でスーパーバイザー養成講座で学んだことは非常に役に立っています。マネージャーとしてメンバーに対峙するとき、カウンセラーに対峙するスーパーバイザーに近い視点でメンバーの話を聞くことがしばしば有効です。

でも、飲み会で改めてやる気が出ました。来年はたぶん1級を受けてみます。私はGCDFのカリキュラムを支持し、またGCDFを取得した仲間を愛しています。1級取得者にGCDFがあまりいないようなことになるのは寂しいものがあります。だから、自分も何か貢献をしないとと思ったりします。しかし、仲間から見せてもらった1級の筆記試験は難しいですよ。

《2011年12月19日》 慶應義塾大学日吉キャンパスにてインターンシップの最終報告会。後日ここでも書くかとは思いますが、貴重な場でした。こちらが力をもらった感じです。




【2011/12/19 23:58】 | キャリア~全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
能動的惰性
まだ、ちゃんとご紹介できていないのですが、神戸大学の松尾睦先生が新著「職場が生きる 人が育つ 経験学習入門」をダイヤモンド社から出版されました。おそらく本邦初の経験学習に関するビジネス書ではないかと思います。松尾先生の理論は、このブログでも何度もご紹介していますが、今後、時間をみて本書の内容も丹念に紹介していけたらと思っています。

今日は、本書の中からはっとさせられた言葉を1つご紹介します。
それは、「能動的惰性」。

なんともいえない語感ですよね。これは経済学者のサルとホルダーが提唱した概念であり、松尾先生の著書では、
「環境が変化しているにもかかわらず、過去に成功した手法に頼り、それをさらに強化して対応しようとする成功」と説明されています。

いうまでもありません。ですから、アンラーニングとか学びほぐしが求められるのです。しかし「能動的」というくらいですから、意識してよいことだと思ってこれを行っているところが難しいところです。そしてこの主体者はおうおうにして過去の成功者でもあります。強固な成功体験があればあるほど、この罠に陥ります。過去の成功者が自らアンラーニングをすることは大変に難しいことです。また、過去の成功者に「鈴をつける」のも組織では実に大変なことです。

とここまで、この文を読まれた方。人ごとだとは思わずに、自分にあてはめて考えましょう。自分の中にもきっと「能動的惰性」は隠れています。仕事がそれなりにできる人であれば、まず何かしらはあるのではないでしょうか。もちろん、これ、自分自身にも言っているつもりです。でも、難しい……のはわかりますが。逃げないようにしましょうね。

「経験学習」入門「経験学習」入門
(2011/11/26)
松尾 睦

商品詳細を見る

アマゾンに酒井穣さんが書評を書かれていますので、ご参考にされるといいかと思います。


【2011/12/19 23:37】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
プロソル発表会in浅草
CDCというキャリア関係の企業横断的な勉強会&活動体をもう10年近くやっています。毎年、いろいろなテーマを掲げて活動していますが、今年は プロジェクト型ラーニングを用いた学生支援をやりました。「プロソル」というタイトルで、半年に渡ってほぼ月に1回実施したのですが、本日は都立産業貿易センター台東館にて、学生からの最終発表会です。

初回は問題解決手法について学び、ブレストなども経験し、といったあたりから始まり(このあたり企業内でやっているプロが集まっているので題材には事欠きません)、企業メンバーのキャリアトーク(さまざまなメンバーがいるので、これも事欠きません)等もはさみ、それぞれが興味を持つテーマを決めて、それに取り組んできました。

で、今日は他人史を軸にした3つの発表です。

発表① 《イクメン ~子育てをする、という決断》

社会でも取り上げられ、政府自体もテーマにしているので、興味を持ったといいます。保育園にいって、イクメンっぽい人を待ち伏せてインタビューしようともしたようですが(かなり怪しい行動ですね)、なかなか時間をとってもらえず、結果的にはCDCメンバーから紹介をしてもらった人にインタビューをしています。犠牲にしているものと、得られるものという切り口がなかなか面白く感じました。また、インタビューの中で、必ずしもイクメンだけにとどまらず、その方の生き方全体を感じ取ったところがいい感じです。分担関係、準備に関してもこなれていました。最後に学生からの感想として、インタビューを通じて「元気付けられた」とコメントしていました。語りで学生を元気付けられる社会人って、素晴らしいです。

発表② 《他人史発表 恩田英子氏》

「体力づくり元気げんき会」の恩田英子代表にインタビューし、他人史を整理してくれました。ご年齢は70歳とのことですが、まったく年齢を感じさせない方のようです。恩田氏のインタビューの中で印象に残った言葉をつづるという手法により、他人史をたどります。言葉の力を感じます。また、話の中でリアルなエピソードを織り交ぜてくれるので、聞く方も引き込まれます。私は始めてお名前を聞いた方ですが、一度、是非お会いしたいと聞いている人が全員感じたと思います。学生が一番、心に置き続けたいと思った言葉は、「穴に落ちたら下じゃなくて、横に堀り進めなさい」だといっていましたが、実に共感できます。恩田氏にとって仕事とは何ですか、との問には恩田氏はこう答えたとのことです。「自分が楽しみながら、人に喜ばれるように、人の役に立つこと」。「70歳だけど、この人は年寄りではない」そう学生はいっていました。そんな高齢社会人になりたいですね。

発表③ 《書籍編集者インタビュー 久保田氏》

育児をしながら、働く場を変えつつ編集者を続けてきた方にインタビューをしました。まずは話を聞きたいインタビュアーを探すまでが1つの苦労です。いろいろなツテを探すのですが、なかなかうまくいきません。チームの2人ともに、編集という仕事に憧れがあり、編集者で女性で仕事とプライベートの両立ができている人の話を聞いてみたいという括りで人を探してきました。こちらも最終的には社会人チームから紹介をしてあげたのですが、そこまでのプロセスが学びですね。メールでご挨拶してスケジュールを調整してというプロセスも同様です。忙しい中で、プライベートの時間を作る「術」、これは私たちも実に興味のある話です。


メンバーからの質問は、発表の内容に半分、発表までたどり着いたプロセスやその際の考え方・感じ方について半分という感じで、さらには今後に結びつけようという投げかけも豊富でした。さすがですね。 今回は3チームともにインタビューされた人がすべて実に魅力的な方であり、我々にも学びがたくさんありました。

そもそも私たちCDCは、学生時代の経験、学生時代の過ごし方によって、学生の成長は大きく変わるといった経験学習理論を前提にして、社会人としてどんなことを学生に提供できると、彼らの成長に寄与することができるのかというテーマを追いかけているグループです。今年はある意味では、フィールドでの実践をやってきたということになりますが、今回の一連の流れをどう整理・総括して今後の活動につなげていくかは次の課題です。

そして、何よりも今日感じたのは、大人は徹底的に前向きに生きるべきだということです。彼ら彼女らがインタビューした3人ともに実に前向きな人です。その心持ちが学生に実にプラスの作用を与えます。彼らが未来に期待を持てるかどうかに日本の将来はかかっています。大人が元気であること、大人が前向きであること、これが私たちが次の世代にできる一番のことなのです。

終了後は、昼の浅草で打ち上げです。


《2011年12月18日》地元飲みとはいえ、日曜日の21時スタートの飲み会を入れるというのは、攻撃的な発想ですね。





【2011/12/18 23:34】 | キャリア~学生・就職・採用 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
「見返りのない支援」
慶應義塾大学SFC研究所キャリアリソースラボラトリーのキャリアアドバイザー2011年12月度登録スーパービジョンでした。ちゃんと書いてみましたが、長いです。大大遅刻でしたので、ディスカッションには入れず。

最後にのセッションで花田光世先生が面白い話を取り上げられていました。

360度フィードバックを、現上司と以前の上司にやってもらうと、自由記述欄に書かれる内容に顕著な差異が出てくるというのです。

現場の上司の場合は、職場の中での問題解決や職場の活性化といった問題が良い方向に向くことに注視してしまいがちであり、スキルの向上や職場での業務プロセスの改善につながる行動に関する記述が多くなるといいます。
これに対して以前の上司は、一段高い見地からみることができ、人間力系、マインド系、動機系のコメントが並ぶというのです。
確かに現在の上司はどっぷりと当事者です。今の職場を適正に切り盛りするために、育成の観点も近視眼的になりがちな傾向が出るのでしょうか。

で、話はキャリアアドバイザーの役割に移ります。

花田先生の問です。
社員の支援の第一の提供者はあくまでも現場の上司であり、支援の本質は現場であり、キャリアアドバイザーはその補完的な役割であるというキャリアアドバイザーは多いが、違うのではないかというのです。

上司はもろに当事者であり、社員に対して「見返りのない支援」を提供することはそもそも難しい存在だというのです。ですから、その部分をキャリアアドバイザーが担う、キャリアアドバイザーこそが「見返りのない支援」を提供できるというのです。少し煙に巻かれたような感じもするのですが、以前の上司の視点をキャリアアドバイザーは当然に持ち、「見返りのない支援」を提供するのだということなのでしょう。

ただ支援というのは、ある作用をしてそれに対する反応があり、その反応が価値観的にマイナスではない結果になるという行為なのではないかと思います。だとすると、支援によって何かが必ず得られるので「見返り」はあるような気がしますし、そもそもそうでないと「なぜ支援をするのか」がわからなくなってきます。どちらかというと「合目的的ではけしてない支援」という感じだと私にはしっくりときます。

いずれにしても、職場は目的合理性に溢れています。そして、目的合理性に染まった世界では、成長の伸びしろはきっと矮小化されます。そこに違った角度からキャリアアドバイザーが関与できるといいのかなと思いました。

私は企業内専任キャリアアドバイザーという役割の人を擁する企業に在籍したことがないので、よく感覚的にわからないところがあるのですが、この問題はキャリアアドバイザーの評価のテーマにぶつかります。「見返りのない支援」を生業にする人に対して、成果主義の物差しは適用できるわけがありません。花田先生は評価をしなくていいといったことを断言させていましたが、それは確かにそうなのかなと感じます。ただ、企業全体の物差しがそれを許容してくれるかどうかですね。

《2011年12月17日》 パシフィコ横浜にてマイコミの就職活動エキスポ。年に1回くらいはこの手の大規模イベントもいいですね。立派な若者は、たくさんいます。


【2011/12/17 23:20】 | キャリア~全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
今年という年を忘れないための
今日は忘年会の最ピーク日の1つかもしれません。私も2つを掛け持ちしましたが、フェイスブック上でも、どこで飲んでるとかいったのが立て続けに流れていました。

忘年会という言葉の本質はよく理解していないのですが、今年は格別の思いを持っています。いうまでもなく、2011年3月11日を含む年が暮れようとしていることに対してです。ですから、忘年会というのは、今年あった嫌なことを忘れる会ではなく、今年という年を忘れないための会だと任じています。都心の賑やかさをみると、3月・4月のあの暗く沈んだ夜が同じ年にあったということが、感覚的に理解しにくくなってきます。東京でも余震におびえながら、商品がからっぽのコンビニを横目に、とても飲みに行くような気分にはなれずに家路を急いでいた日々が、わずかに9カ月前だったとは……。でも、忘れてはいけません。風化させてはいけません。いまだにこれは過去ではなく、まぎれもない現実として横たわっているのですから。

忘年会シーズンも後半に入ります。是非、2011年という年を、日本人として忘れないために、忘年会を数多く開催しましょう。今日は東北の酒を飲みました。

《2011年12月16日》 今日の1軒目はある会社さんがクライアントと社員のために開催したクリスマスパーティでした。そこで親戚の大学生にばったり会いましたが、世の中狭いものですねぇ。
【2011/12/16 23:59】 | 未分類 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
「感謝日誌」的に今日あったことを
私はちょっと恥ずかしい感じもするのであんまりやらない手法なのですが、「感謝日誌」的に今日あったことをたまには振り返ってみます。

①IT企業だけを集めた就活イベントが渋谷で。二日酔いの頭で直行ででかけました。今年は人事内で十分な人がいないので、新卒採用専任担当は設けず、いろいろな担当をやっている人が分担して対応しています。技術職担当のメンバーがしっかりとした準備でいい作り込みをしていました。ほんとに嬉しいです。偉い。

②そのセミナーのスピーカーに3年目の新卒社員を招いていました。緊張しつつも、しっかりと自分の言いたいことをいってました。人事からの仕込みはなしで、素で話しているだけにまたいいんですよね。

③午後からは給与アウトソーサーとの打ち合わせ。2月給与から新アウトソーサーに委託します。彼らはきちんとした仕込みをいつもしてくれています。こちらの反応にも真摯的な対応を常にしてくれ、実に信頼しています。気持ちのいい仕事ができるパートナーです。そうなると、当社のメンバーも目茶目茶忙しい中にさらにプロジェクトがオンになっているにも関わらず、頑張ることができます。カットオーバー後に打ち上げの約束もしました。打ち上げをしたい相手とプロジェクトを組んでいることは幸せなことです。

④昨日はフロア合同部署混交の忘年会。フロアで会う人の多くから、昨日の話が話題で出ます。部署を超えた飲み会は、研修以上の効果があるかもです。しかも、あれこれと幹事チームが仕込みもしてくれましたし。通りすがりに幹事の一人から「昨日は盛り上げていただきありがとうございました」と言われましたが、ただ酔っ払っていただけなのですが。

⑤ある部署のマネージャーと1時間の打ち合わせ。いろいろとやってくれているだろうなと思ってはいましたが、想像以上に頑張っています。適応障害のメンバーを3名配属している部署ですが、それぞれがちゃんと一人前以上に働いてくれています。マネージャー、素晴らしい。

⑥とある人材紹介会社から連絡。昨晩、大揉めに揉めた案件に対して、当方の立場を正確に理解してくれ、冷静な判断をいただきました。人材関連のビジネスは売り切りではないので、信頼感が何よりも大事です。ギリギリのところで、関係を保っていただけました。ありがたいです。

⑦ある社外の方にお出でいただき、今後の悪だくみ(?)。中途採用系のテーマなのですが、今まで当社でできなかったことをドンドンやろうと盛り上がりました。きっと、こういったテーマをやると担当チームは成長するに違いありません。すごく燃えてくれている奴がいるのが、何よりも嬉しいです。

⑧またまた遅刻でしたが、忘年会。お店に迷惑をかける時間までいたみたいです。当社の派遣デスクをお願いしている派遣会社との会です。私は派遣会社の応援隊です。このビジネスが健全に成長することが日本のためだと信じています。国会が馬鹿な法案を通すのは諦めたようですが、それでもまだまだ規制強化に向いているのがこの分野です。心ある皆様と、何かしたいですね。

今日は社内に半日いませんでしたが、それでも日々たくさん素敵なことが起こる場所が「会社」ですね。この感覚を就職活動をしている学生の皆さんに伝えたいですよね。

《2011年12月15日》 ついに今年もあと半月。でも、半月あればいろいろなことができますね。


【2011/12/15 23:59】 | HRM全般 | トラックバック(4) | コメント(0) | page top↑
人材紹介担当者に関する語り
私のいる会社では、年間100名以上の中途採用を実施しています。今回、ちょっと思うところがあって、お付き合いのある紹介会社のうち、8社ほどと面談(商談?)をしてみました。日常的には、担当者に任せきりであるだけに、私にとっては刺激的な面談になりました。

お話をしていて、すごくよい皆様のおかげで私たちの仕事が成り立っているんだなぁと再実感しました。また、様々なアイデアをいただきました。そんな中で、私たちクライアントからみて、素敵だなと思える担当者、あまりそうではない人ってはっきりするなという感覚を得ました。素敵な担当者の条件とは、次の3つの点かなと思います。

①相手の話を聞いて、クライアントが何を求めているのかを理解できる。

②自らがプロフェッショナルとしてクライアントに与えられるコンテンツ・情報、そして思いを明確に持っているかどうか。

③目の前にいるクライアント企業に対して、支援をしていこうという思いに溢れているかどうか。

なかなか自分も出来ていないのはよくわかりますが、プロフェッショナルとして対価を求めるからには、しっかりとまっとうして欲しいと思います。


《2011年12月14日》 フロア合同部署横断の忘年会でした。去年から開始した企画ですが、素晴らしいことだと思います。


【2011/12/14 23:57】 | キャリア~学生・就職・採用 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
「1年後の目標ができました」
「1年後の目標ができました」。

金曜日のことです。4月から特例子会社を立ち上げるという方が、私たちの特例子会社に見学に来られました。あれやこれやとお話し合いをして、一通り見学をしていただき、最後にいただいた言葉が冒頭のそれです。今年の1月5日の開所以来、試行錯誤で走ってきた私たちのスタッフにとっては、ほんとうに嬉しいコメントではないかと思います。また、こんな素敵な言葉で表現ができる方って素晴らしいですよね。

そして、私たちはがやるのは1年後に来ていただいても、まだ目標でいられるように進化し続けることです。肩ひじ張らずに粛々と日々を送ることによって、それを実現させていくことです。


《2011年12月13日》「Worksの続きの話をしよう」第2回です。対話について対話してきました。なかなかすごい会です。できれば、後日ちょっとここでも書きます。
【2011/12/13 23:45】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
【INHOUSE】!!!!!④
【INHOUSE】の続きです。

グループディスカションで、実際に【INHOUSE】を運用している身として感じる問題・課題といったのも話し会いました。

まず、異口同音に出たのは「不安」です。果たして自分がうまくやれているのか、もっといいやり方が本当はあるはずじゃないか、来てくれた人はほんとうに満足してくれたのか、自分は意味のないことを1人よがりでやっているのではないか、そんな不安がつきません。

この不安は、自分がどう「評価」されているかということにつながります。社内が相手ですから、評価したことをダイレクトに行ってくれているとは限りません。人事の人に駄目だしはしにくいだろうな、なんて思ったりもしてアンケートを眺め、1人悩みます。

「評価」の問題は逆の目線からもあります。研修ベンダーの講師が不適切なファシリテーションをした場合、研修担当者はきちっとクレームをつけるでしょう。場合によっては、ペナルティを求めることすらあるかもしれません。ここにはビジネスの関係が明確にありますから、当然のことです。研修ベンダーは求められる効果を提供するために、料金を得ているのです。厳しい時代です。決まった講座を決まった時間決まったようにやれば許されるような甘い人事部はもうないでしょう。人事部が厳しくなればなるほど、研修ベンダーはドゥアブルな存在からデリバラブルな存在に成長するわけです。

で、【INHOUSE】はどうでしょう。ファシリテーションをしているのが自分の上司だったりしたら、担当者は駄目出しを適正にできるものでしょうか。同僚だったらどうでしょうか、先輩だったらどうでしょうか。デリバラブルを実現させたいと思って始めたコンテンツが、もっとも自己満足的にドゥアブルになるリスクがあります。ここには何か仕掛けが必要です。受講生からのフィードバックがけして迎合的でなく受けられるような仕組みがあればいいのですが、逆に経営でいえば社外取締役のような機能を求めるという手もあります。

多分【INHOUSE】という言葉は、旧来的な「内製化」とは違った定義を持ってくるのではないでしょうか。新しい概念には新しい工夫とルールが必要になるのかもしれません。

また、【INHOUSE】の暴走というのは十分に考えられます。新たな仕掛けをやる場合、往々にして【INHOUSE】の発案者でありオーナーである人物が、ファシリテーションをするんじゃないかと思います。【ちゑや】の中村ご店主もそうですね。創業オーナーであり最高経営執行者であり、すべてを握った人物です。適正なフィードバックか、適正な監査機能がないと、最初はよかったものの、どんどん独善的、趣味的になるリスクはありますね。【ちゑや】は結果論なのだと思いますが、番頭やおかみが交代することにより、フィードバックが生じやすい環境を作ったのだと思います。また、外部に露出することにより、外部監査機能も得ています。さすが中村ご店主です。

そしてもう1つ、【INHOUSE】の独占禁止という視点もあります。仲間のある会社では、新入社員研修の企画・運営を入社4年目同期にゆだね、人事担当者は事務局に徹しているといいます。ここでは【INHOUSE】の実行主体は入社4年目達です。
実は今回の駒場での企画、中原先生は企画会議のイメージでメンバーを募っていました。おそらく4~5人くらいが手をあげるのではないかという感覚だったのではないかと思います。でなければ、終わったら蛇の健寿司で飲もうというはずがありません。それが結果は30名近い人数だったと思います。これはなぜでしょう。そう、【INHOUSE】は楽しいのです。不安も苦労もいろいろあるけれども、やるのが楽しいから広がってきているのです。会社を良くしようという使命感だけのはずがありません。その楽しみを人材開発担当者が独占しようとしているのが今の流れですが、おそらく【INHOUSE】の次の段階がくるのでしょう。そこでは本当に「学びあう職場」が生まれ、いろいろな意味で職場自体が、ラーニング・プレイスになるのでしょう。

その時、人材開発担当者は、今、教育ベンダーが突きつけられている【INHOUSE】に関する問題を自らが突きつけられることになるのです。

《2011年12月12日》日本お好み焼き協会の忘年会です。確かにただの飲み会でした。



【2011/12/12 23:47】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
【INHOUSE】!!!!③
【INHOUSE】続きです。

仲間の木村さんが、「内製化でぶつかりそうな壁って何だろう?」という整理をしてくれました。

①コンテンツ
②ネゴシエーション
③デリバリー
④アフターフォロー
⑤後継者育成

ときます。それぞれについて時間の都合もあり、実に簡潔に整理を語ってくれましたが、いずれも「なるほど」ものでした。

グループディスカッションは、各社がやっている【INHOUSE】を「○○系」という感じで分類してみよう、というテーマでした。私たちのグループは最初はまじめにやっていたのですが、途中から「どんな【INHOUSE】はやりやすいか、逆にどんな【INHOUSE】はやりにくいか」という議論に勝手に移っていきました。

・対象の年齢が若い方がやりやすい
・特に新人研修、入社○年目研修というのはやりやすい
・学ぶ姿勢がある人がいるとやりやすい
・技術者や研究者はちょっと難しいかな
・慣れている人がいるけど、すれている人ばかりではない
・社内のしがらみがない奴がやりやすい

などなどと出ましたが、研修ベンダーの方がこれをみてあっさりと「私たちもこれはまったく同じです」。なるほど。これも大事な観点です。

ただ、最後の奴はやっぱり【INHOUSE】ならではですね。若手の研修がやりやすいのは、相手の対応の問題もありますが、社内のしがらみが少ないといった要素もあるでしょう。特に新入社員研修というのは、人事からみると自分たちの部下も同然のメンバーですから、究極にしがらみがない状態です。若手研修担当者の練習にもうってつけですよね。

木村さんもいっていますが、【INHOUSE】の命の1つはアフターフォローにあるように感じます。担当した人間自身が社内にいるのですから、フォロー環境は整っています。あとは気持ちだけです。アフターフォローの副次的な効果は、新たな見込み客の開拓です。そして大切な支援者・ファン作りです。この地道な活動により、新しいコンテンツは定着していきます。小さく産んで暖かく徐々に育てるのがいいんでしょうね。

どうも参加メンバーのほとんどは、もともと外部に委託していたものを内製化する【INHOUSE】ではなく、新しい価値を組織にもたらす【INHOUSE】をイメージしているような感じです。これはこのメンバーの特性なのか、ほとんどの人材開発担当者が同様に感じるのか、果たして経営者はどうなのか、興味がありますね。中に入ってしまうと、もうそのあたりがよく見えません。

典型的なのは【ちゑや】的な奴で、ダイアローグを伴うものです。さらには、【INHOUSE】というタイトルに【】がついているということは…………。

そういうと企業にはもう1つの【INHOUSE】の大きな流れがあります。それはほとんどのメーカーがやっているような技術伝承型のものです。私の以前いたメーカーでも、人事とは別に技術研究所という組織があって、現場経験が豊富な皆さんが集まり、年間で何十コマも【INHOUSE】の研修を実施していました。たぶん物量的にはこの手のタイプの奴が【INHOUSE】のマジョリティかもしれません。サービス系の企業にもありますね。

【INHOUSE】は採用ベンダーを追い込むか、という議論もあります。もともと採用ベンダーを評価できる力量が人材開発担当者には求められますが、自らが採用ベンダーと同等、もしくはそれ以上の同分野での力量を持つ必要があるかというとそれは疑問です。なんかシェアード・サービスのなれの果てのようなものを想起するのですが、そんな力量を持ってしまうと、とたんに外販しようなどという経営者が出てきます。そして、それに面白みを感じるメンバーすら出てきてしまいます。当初の人材開発担当者の「デリバラブルな人事部に」という思いは横に置かれてしまいます。あげくの果てには、優秀な担当者は銭を稼げる外販を中心にアサインされて、二線級が社内を担当します。これはシェアードサービスの外販へのチャレンジで実際に生じた話です。

何事も中庸、【INHOUSE】とベンダー活用のよい折り合いが必要です。そして【INHOUSE】もコンテンツの面でベンダーの力を借ります。優良なコンテンツがあれば、講師を抱えなくても【INHOUSE】にコンテンツを提供するという形で、人材育成ベンチャーを立ち上げることが容易になってきます。

多くの人材開発担当者向けの講座では、ベンダーははじかれます。仮にそう案内パンフレットには書いていなくても、申込をしてもことごとくはずれるといいます。中原先生はここでも常識を破っています。慶應義塾大学丸の内シティキャンパスのラーニングイノベーション論には、何社もベンダーが参加していますし、Learning Barもそうでした。これが魅力です。今回の【INHOUSE】の議論に、教育ベンダーの皆様も多数参加しているって、目茶目茶シュールじゃないですか、ある意味。

《2011年12月11日》 豊洲のスーパーあおきが大好きです。とっても静岡から来たお店という品ぞろえです。




【2011/12/11 23:23】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
【INHOUSE】!!!②
【INHOUSE】の続きです。【INHOUSE】をついついイージーに考えると「内製化」と同一視してしまいますが、ちょっと考えるとそれはおかしいことに気づきます。「内製化」という言葉は明らかに「外でやっていたものを中でやるようにする」ことを意味していますが、どうも【INHOUSE】には、「そもそも本来的に外でやるのが適切ではないもの(というか中でやることが適しているもの)」が多く含まれるからです。

逆に「外製化」という言葉があります。一般的には「アウトソーシング」といっています。

例えば人事の中の業務でいうと、「そもそもこの仕事って社内でやる意味があるの?何か価値を生む仕事なの?」「高い社内人件費をかけているよりも、アウトソーシングの方が効率的で安価なんじゃないの?」「この仕事の後継者っているの?社内でやっていると継続の危険性があるんじゃないの?専門家にアウトソーシングに出した方が安全・安心なんじゃないの?」なんて意見に押されてアウトソーシングが活用されます。給与や福利厚生を丸抱えで社内でやっている会社はもうほとんどないでしょう。ピーター・F・ドラッカーは「ミッション(使命)」「ビジョン(構想)」「バリュー(価値観)」以外は何でも全部アウトソーシングできるといったと聞きます。

そんな時代に何を好き好んで「内製化」するのでしょう。ロジックがおかしくないですか。

アウトソーシングは基本的にコストを下げる、少なくとも中長期的にコストを下げて業務を安定させることが大きな目的です。そして、残った社員はより自社の独自価値を生む仕事に注力するわけです。
しかし、研修業務の内製化が語られる場面では、コスト削減が狙いだったりします。「今年の研修は予算がないので外に頼まずに中でやることにしました」。これは「アウトソーシング」を語るロジックと逆です。

給与のアウトソーシングと比較してみましょう。「今年は予算がないので、賞与計算は外に頼まずに中でやることにしました」なんてやっている会社は皆無に違いないと思います。この差はなぜでしょうか。かなりいい加減に分析してみます。

・研修業界(?)が非効率的であり、価格相場に誤りがある(高すぎる)。
・研修担当者が楽をしていた。本来、自分ができることを有償で外にやってもらい、二重コストを発生させていた。
・給与をアウトソーシングした場合、人事内の給与担当者というのは、アウトソーサーとのつなぎ役のみとなるが、研修担当者は他の仕事で使えないので、外に研修を頼んでいても中に残っている存在だ。

感覚的に私たちはNOといいたいですが、きちんとこれを否定できるでしょうか。特に2番目の「・」なんか言ってくる経営者はいそうですよ。頑張れば頑張るほど誤解されるというスパイラルに陥る可能性もありますよ。

逆に外製化についても、いくらでもちゃちゃを入れられます。結局、何をやってもちゃちゃを入れられてしまうのです。

・人材育成は専門性の高い仕事なので外に頼む必要がある。⇒お前がさぼっているだけじゃないか。
・外部のバラエティに富んだノウハウを活用するのが有効。⇒お前がさぼっているだけじゃないか。
・給与計算と違ってルーティンではないので、外部の活用が有効。⇒ルーティンでなく企業特殊性が高いのであれば、なおさら外に頼らずにお前がやれ。

これが企業内人材育成の本質です。理論的な基盤が明確にないのです。研修効果測定などを考えるといつもぶつかる課題です。何せ企業内人材育成を理論的な観点からまともに扱った本が、中原先生達のやつくらいしかないのですから。

かくもゆるい基盤の上に成り立っている企業内人材育成において、外との接合の概念である【INHOUSE】をテーマにした議論をするというのは、なかなかチャレンジングなことなのです。だから、あれだけのメンバーが集まり、あれだけ盛り上がったのではないかと思います。【INHOUSE】を考えることによって、企業内人材育成の本質にいやでも迫らざるを得ない感じもします。

そう、ドラッカーの言葉にちょっとヒントがありました。「ミッション(使命)」「ビジョン(構想)」「バリュー(価値観)」以外はアウトソーシングできるのです。逆にこの3つはアウトソーシングできないのです。となると、この3つに関わるテーマに関しては、研修ベンダーに頼むよりは【INHOUSE】が好ましいということになるとも考えられます。

事実、皆さんから寄せられた各社の事例でも、これら関係は結構あったように思います。

今日のブログですが、「内製化」の反対は「外製化」だな、と思ったところから当初書こうと思っていたことから大きくはずれてしまいました。良くあることです。

《2011年12月10日》 特例子会社の若手メンバーが千葉県障害者技能選手権で銀メダルをとりました。めでたしめでたし。












【2011/12/10 23:23】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
【INHOUSE】!!
仲間がツイッターやフェイスブックで露出していますが、昨晩【INHOUSE】の「公開研究会のための(本番に向けての)準備ワークショップ」が駒場で開催されました。これは、東京大学の中原淳先生が、「実務家と研究者の方々が参加する【INHOUSE】という公開研究会をやりますよ!」とプログで宣言している奴のプレ企画です。準備ワークショップはクローズドで行われ、参加メンバーは慶応義塾大学丸の内シティキャンパスの「ラーニングイノベーション論」のOB・OGです。協力です、この人たち。

【INHOUSE】について、中原先生はブログで以下のように書いています。

【INHOUSE】は、企業・組織の人材育成を「内製化」することに関連する方々のコミュニティであることをめざし、来年年明け以降、何らかのかたちで募集をはじめさせていただこうと思っています。ここでいう「内製化」とは、「自分の組織のメンバーを対象にして、組織につとめる実務家の方のファシリテーション・インストラクションによって創設される学習・知識創造機会」のことと定義します。要するに、ポイントは、企業組織外からの外部の「介入」を得ない、ということです。とりあえずは、この定義から物事を考えてみましょう。

準備ワークショップにはいつものように遅刻したのですが、各社で実施している【INHOUSE】の事例の持ち寄りです。これがなかなか面白いです。ものすごく多種多様、でも見つめ続けるといろいろなことが見えてくる感じもします。4~5名のグループに分かれて、細かく各社の事例を共有した上で、たんさくある【INHOUSE】を{●●系}と名づけて分類していきます。このあたりから、グループによる個性が強く出てきて、それを模造紙に落としてポスターセッションと続きます。

中原先生は開催直前のブログで、「ウチか、ソトかではない。ウチとソトがいかなる関係の中で、協働し、どのような価値をつくりだせるか」とまとめていますが、ちょっと自分でもいろいろと考えてみたいと思います。でも、今日はちょっと時間もなくイントロで終了です。


【2011/12/09 23:11】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
問題点ではなく、あるべき姿を語る
何か課題解決をするために会議なんかをしていて問題の洗い出しをすることってよくありますね。私たちがとるスタンダードなやり方です。でも、この方法には結構、わながあります。

その最大のものは、問題点は正しく指摘しにくいということです。例えば、当部の残業時間を減らそうという課題だったりすると、部長の指示があいまいだからやり直し作業が多くなるとか、課長の仕事が遅くて指示がいつもギリギリになるので、残業で対処せざるを得ないとか、日頃思っている問題点はあるはずですが、当の部長や課長がいる前ではなかなかいえませんね。

あと、もう1つ、問題点の指摘をしているとどうしても雰囲気が前向きではなく、暗い感じになりがちだという点もあげられます。

昨日のセミナーでひどくシンプルな逆転の発想を聞きました。

問題点を洗い出すのではなく、あるべき姿を皆で出すというのです。

例えば部長に文句がある人は「指示を明確に出すようにする」といえばいいのです。別に部長の批判にはなりません。課長に文句がある人は「ゆとりをもって仕事の依頼をする」といえばいいのです。実は、あるべき姿というのは、問題点の裏腹になるケースが少なくないのです。

問題点探しは、犯人探しにつながる感じがしますが、あるべき姿を考えるのは前向きで明るいですよね。ちょっとした思考の転換で雰囲気はかなり変わってくるものですね。







【2011/12/08 23:45】 | 仕事の進め方 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
アクションプランの具体性と実効性を上げるために
今日は午後から外部のセミナー、紹介用の無料コースでしたが、内容的にはフルフルで満足でした。【INHOUSE】で展開可能なコンテンツですが、コンテンツさえ確立できれば、セミナー講師を抱えなくても、市場化できるので、個人が立ち上げた研修会社にとっては、【INHOUSE】の浸透と拡大はいいことですね。

で、中味は細かく書きませんが、「アクションプランの具体性と実効性を上げるために使用を控えた方がいいワード」を書き残しておきます。

運営する。円滑化する。改善する。監督する。管理する。企画する。強化する。共有化する。検討する。効率化する。向上する。支援する。実施する。助言する。迅速化する。浸透する。遂行する。推進する。調整する。努める。定着化する。徹底する。展開する。把握する。図る。評価する。明確化する。目指す。

どれも、そうそうという感じですね。でも、自分自身の目標管理シートを開いてみてください。このワードを1つも使用していないという人はほとんどいないのではないでしょうか。

【INHOUSE】で目標設定を上手にやるための講座といったような奴を考えているのですが、今日のセミナーは別テーマのものでしたが、いろいろとアイデアが出てきました。
東京大学の中原淳先生が、今日のブログで【INHOUSE】企画のことをまた書いています。先生がどこに向かいたいと思考しているのか、100%は理解できていませんし、日々変化もされていると思いますが、ドゥアブルではなく、デリバラブルな人事を志す人たちにとっては、非常に時を得たテーマです。

皆さん、しなやかに頑張りましょう。

《2011年12月7日》 セミナー後の夜はキャリアデザイン学会の企画運営委員会。またまた遅刻です。ここのところ夜の用事に遅刻せずにいったことがないような気がします。次年度の大会は、9月15日・16日に東北学院大学でやることになりました。今日は珍しく、飲みに行く前にアップしておきます。



【2011/12/07 21:01】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
HRMに境界はありません
HMRの世界では日々新たなことが起こってます。だからこそ、私たちは野に出でそれを実感しなければならないのでしょう。ここ数カ月はそんな思いを強くしましたが、改めて今日皆様との話を思い浮かべながら、内省しました。そしてその思いを仕事に還元することが大切ですね。

《2011年11月6日》 障害者雇用についての講演をしてきましたが、話しながら悩みが深まるところも多いです。講演によるリフレクション効果です
【2011/12/06 23:58】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
創設メンバーと後任者~会が存続するということ
今日の夕方、法政大学の長岡先生がご来社されて、あれやこれやと未来に向かって話し合いをしていたのですが、たまたまその話の中で、まったく別のことに強く気付きました。

私は何でも新しいことをやるのが比較的好きです。

まだ、大企業では女性の登用・活躍がまったく進んでいない頃に、4社の男性社員で「女性活躍推進連絡会」という会をつくり、合同研修などを始めました。この会は今は大きく拡大しています。

2001年にシェアードサービスセンターを立ち上げた際には、まだシェアードサービスに対する理解が浸透していない中で苦労しましたが、同じ苦労を分かち合った他社の仲間と「食品業界SS連絡会」をつくり、夜な夜な語り合いました。この会も今ではさらに規模は拡大し、「給与担当者講座」(ベーシック、アドバンス)という各社の給与担当者の育成プラットフォームを提供しています。

人事情報システム「COMPANY」を90社目として導入し、同時期に導入した他社の皆さんと一緒に提供元のワークスアプリケーションズ社に対してあれこれと主張したりもしました。

いずれも、他社の皆さんと一緒に何かをやってきたということなのですが、どの仕事にしても会社よりも自分が前面に立ってしていたように思います。そして、一緒にいろいろと会をつくった創設メンバーというのは皆、似たような感じの人ばかりでした。

会が成功して定着するにつれて、当たり前ですがメンバーが交代していきます。ある人が転出して、その会に後任が来てくれるのは嬉しいのですが、後任者はあくまでも前任者から引き継がれた仕事として来てしまうのです。もちろん、中にはそうではない人もいます。しかし、ある意味では、会が継続するというのはそういうことなのです。

でも、会社の担当者として参加するよりも、気持ちは個人として参加する方が、同じように参加していても、充実度が違います。私も今では担当者根性で参加する会もたまにありますが、どうしても流してしまいます。

さて、長岡先生の何の話から、こんなことを考えたのでしょうか?

《2011年12月5日》 明日は7時から会議なので、4時台起床です。午後に外の講演で話さなければならないのですが、きっと眠いでしょう。
【2011/12/05 23:12】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
「複雑さへの対処」vs「変革の推進」
昨日のSHRM研究会では最後に谷内先生自らが、リーダーシップの今日的課題についての問題提起をされました。

今や街中、リーダーシップのテーマであふれています。書店な平積みもメルマガも専門誌の特集もベンダーからのDMも、リーダーシップとグローバルで埋め尽くされている感じですね。

まさにリーダーシップが求められている時代なのですね。日本はマネジメントの力で成長してきた国だといえるのではないでしょうか。ここでのパラダイム・シフトについていけていないのが、失われた20年なのかもしれません。

昨日も引用がありましたが、リーダーシップとマネジメントの相違を説明する「古典的」整理はやっぱりジョン・P. コッターの奴ですね。

マネジメントの本質「複雑さへの対処」

リーダーシップの本質「変革の推進」

マネジメントが課題達成のために用いる手法
「計画立案と予算策定」⇒「組織化と人員配置」⇒「コントロールと問題解決」

リーダーシップが課題達成のために用いる手法
「針路の設定」⇒「人の心の統合」⇒「動機付けと啓蒙」

本質の対比だけで、その差異が際立ちます。マネジメントの肝はコントロールです。粛々ときちんとやっていれば勝てるのです。しかし、リーダーシップの世界は違います。強烈なエネルギーが求められるのです。変革を成功に導く原動力はマネジメントにはありません、リーダーシップにあります。困難ではあるもののわくわくするようなビジョンを提示して、それに向けて人の気持ちを一つにして、どんな困難に出くわしても人をモチベートし続けることによって初めて、そんなエネルギーは生まれてくるですね。

ただ、コッターはマネジメントとリーダーシップはまったく別のものではあるけれども、相互補完的な要素もあるといっています。優れたリーダーは、リーダーシップを発揮して人の思いを駆り立てて変革に向けてまい進していきますが、当然マネジメントの手法を随所に活用しています。

谷内先生はリーダーシップはすべての組織に必要かという問いを投げかけました。どちらの回答もできそうな気がします。マネジメントはすべての組織に必要ではあるが、必ずしもリーダーシップが存在しなくても存続できる機能の組織はあるように思います。しかし、あらゆる組織というものが、結局のところは変革なしで生きながらえないのだと定義すれば、そうでもないように思えます。


《2011年12月4日》 喪中葉書をつくりました。あとは切手をはって投函するだけ。
【2011/12/04 23:33】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
師走の土曜日の3件
師走の土曜日、あれこれとあります。本日はトリプルヘッター。

①社長をさせていただいている障がい者特例子会社のクリスマスパーテイ。今年の1月設立なので、もうすぐ1周年です。今回は、各メンバーの家族の皆様にもお出でいただき、皆で楽しむ企画ですので、私も夫婦で参加です。幹事団があれこれと目一杯心のこもった企画と準備をしてくれたおかげもあり、素敵な会にしあがりました。たぶん、参加者の皆が、いい組織に自分がいることができ、この組織をこれからも素敵な組織であり続けるために自分も何かの貢献をしようと思ってくれたのではないかと思います。私も頑張ります。

②文京学院大学の本郷キャンパスにて、S-HRM研究会。谷内先生の主催の会ですが、素晴らしい暖かく、そして力をいただける会です。今日は、谷内先生のコマも含めて3コマの発表、そして懇親会です。谷内ゼミも既に今の2年生が19期生だそうですが、1期生からOBOGが駆けつけてくれています。この会自体は、半年に1度の開催で、私の感覚的にはほどよい周期です。今日は、3年生チームの発表もありました。谷内先生の定めているルールは、テーマに過去にあったものは選択してはいけない、簡単にできるようなテーマは選択してはいけないという2つを学生に課しているそうです。19期ともなるとテーマの選択は厳しくなります。常に、修羅場を経験し、合宿ではほとんど眠らずに討議をしているそうです。その成果を社会人に発表し、社会人から社会人の観点でコメントを受けます。これぞまさに大学教育がやるべきことだという感じがしました。微力ながら貢献はしたいと思いますので、是非、これからもお続けください。

③大学のサークルの同期(創設メンバー)の仲間の会。マンションを買ったやつがいるので、その家になだれ込むことを前提に、近隣の某庭園の観賞会+ベトナム料理を楽しむ会、その後にマンションになだれこみます。で、私は、②も遅刻、③もベトナム料理のほとんどラストオーダーからの参加です。こちらも夫婦での参加となりました。いいですね、大学時代の仲間は。

ということで、学びあり気づきあり飲みありの土曜日が終わります。明日もやらねばならないことが満載で、ほんとに師走です。ていうか、毎月そんな生活のような気もしますが。

《2011年12月3日》 地震で起きました、今朝は。





【2011/12/03 23:55】 | 未分類 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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