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目標設定に欠かせないシンプルな2つの視点
先日、社内の会議で評価について少し話ことがあったので、その際にとっさに整理したことを改めて書き残しておきます。

評価を勘違いしている人の最大の勘違いは、評価とは評価シーズンにやるということ。評価は日々の職場で常に意識されるものであり、また評価の善し悪しは8割は目標設定できまります。ですから、評価シーズンになってああだこうだ言うような話ではないのです。

評価の8割を決める目標設定、ここに力をかける必要がありますし、人事としてはここでの現場支援が実に大切になります。良い目標を立てるセオリーはたくさんあります。禁句集といったものもあります。でも、難しいことをいっても頭に残らないので、2つのことだけ最低限、頭から離れなければいいと思います。それは、次の2つの視点からの目標のチェックです。

①その目標を達成したら、会社は儲かるのか。
②その目標は、達成したのかしないのか、白黒つくのか。

この2つの質問に大手を振ってYESと応えられる目標でしたら大丈夫です。

《2012年01月31日》 またまた遅刻で、人事関連の多様な関連の会に。雲丹鍋です。目茶目茶良いです。
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【2012/01/31 23:58】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(1) | page top↑
改めてサーバント・リーダーシップの本質について
週末にサーバント・リーダーシップについての整理をしていて、改めて書籍を紐解いたのですが、資生堂の池田元社長の言葉が素敵過ぎます。

「トップのぶれない信念のもと、メンバーの意識を変えていかないかぎり、改革はなしえません。トップが描く改革ビジョンにメンバーが共感し、それを実現しようとするトップの決意、あるいは信念に動かされ、自分も改革の当事者なのだと気付き、行動に移す。そのためには、トップは自分自身の行動や信条を、メンバーたちの前にさらけ出していく必要がある。メンバーは日々のトップの姿を見て、志の高さや信念の強さを感じとるからです。そして、メンバーが行動に移すとき、トップはサーバントの精神で全力で支える。だから、改革を進めるには、トップダウン・リーダーシップとサーバント・リーダーシップの組み合わせが求められるのです。」

サーバントに徹するというのは、ものすごい強いことです。ものすごい強い意志が必要です。真のサーバント・リーダーシップというのは、理念・ビジョンが明確にトップから発信されてこそ成り立ちます。非常に強いリーダーシップなのだと改めて感じました。

サーバントリーダーシップ入門サーバントリーダーシップ入門
(2007/11/06)
金井 壽宏、池田 守男 他

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《2012年1月30日》 本夕は3件バッティング。まずは某病院に行き、お医者様と業務打ち合わせ、それから丸ビルにインテリジェンス社で須藤さんがやっている素敵な会、そしてちょっと飲み、それから歩いて丸の内のおなじみ国際ビルでキャリアアドバイザー勉強会の飲み会。閉店後のタニタ食堂も外からみてきました。いずれも遅刻とか早退とかになりがちですが、ダブルブッキングがあるおかげでみっちり残業デーが確保できるともいえます。
【2012/01/30 23:28】 | マネジメント・リーダーシップ | トラックバック(1) | コメント(0) | page top↑
忙しいのに、よく新しいことをやりますね
昨日のブログは以下のような内容で終わりました。

よく「忙しいのによくいろいろなところに顔を出しますね」、とか「忙しいのによく飲み歩いていますね」とかいわれますが、忙しいからこそ、自分の気持ちを維持するためにやっているのかもしれません。暇になったら逆にどうなるんでしょうか。社会に出てから一瞬たりとも暇になったことがないので、この気持ちは経験的にはまだわかりません。きっと今ほどは「越境学習」に積極的には参加しなくなってしまうような気がします。

で、先日、ある会社の方と話していて「忙しいのによく新しいことを始めますね」といった感じのことをいわれたのを思い出しました。

確かにそうだよなぁと自分で思うこともありますが、考え方によっては当然なのかもしれないと思ったりもします。ほんとうに、のりにのっているときというのは、どんなに夜中まで働いても「忙しい」とは思わないものです。私はけして人に「忙しい」とはいわないようにしようと常に思っていますが、それでもやっぱり「忙しい」と口にしてしまうこともあります。そんな時とはどんな時かというと、自分があまりやりたくないことで時間を費やさざるを得ない時なのではないかと思います。

忙しいという文字は「心を亡くす」と書くとおり、相当に後ろ向きな言葉だと思いますので、いやいや何かをやっている時に吐く言葉なのでしょう。そうすると、忙しい時こそ、自分がやりたい新しいことがやりたくなるというのは、まさに当然のことなのです。

忙しいなんて言葉を思い浮かべる必要がないハードワークというのが、働く人としては一番幸せなんじゃないかと思ったりします。

《2012年1月29日》 本日、同じお店で6時間飲み。休日ならではの飲み会ですねぇ。おかげで予定していた仕事や原稿執筆は、さわやかに滞ります。
【2012/01/29 23:44】 | 仕事の進め方 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
モチベーションのセルフコントロール
今日は朝から社内研修。

9時から18時までいろいろな部署から人が集まります。対象者はリーダー層。実際にメンバーを持って仕事の切り盛りを第一線でしている皆さんです。選択理論心理学をベースにした研修なのですが、扱うテーマはモチベーションになります。

前にも何度か書いていますが、私が個人的に定義している人事の世界の3大思考停止ワードは、「マネジメント」「リーダーシップ」「モチベーション」。これらの3つの言葉は、あまりにも座りがよいのでついつい頻繁に活用しますが、これらの言葉が出てきたらちょっと疑う必要があります。「やっぱりマネジメントの問題だよね」「彼のリーダーシップには問題があるよね」「今一番大切なのはモチベーションだね」などとしたり顔でいう人は実は何も考えていない可能性があります。これら3つの言葉でとどまらず、さらに一歩もっともっとリアルな言葉で踏み込む必要があります。

で、今日のテーマはリーダーシップと、モチベーションです。リーダーシップとはメンバーのモチベーションをマネジメントすることだともいえます(思考停止ワード究極の3連発です!)。

メンバーのモチベーションを維持・向上させるために最低限必要なことは何でしょうか。もちろんいろいろな回答があると思いますが、私はずーっとこう思っています。自分自身のモチベーションをセルフマネジメントすること、です。だいたいモチベーションの低い人から、モチベーションを高く持てなんていわれたくはありませんしね。

モチベーションのセルフコントロール、セルフマネジメントのために何をすればいいのか。これは人によって異なりますが、まずは自分のモチベーションの状態がどうであるかを的確に把握することでしょう。モチベーションは日々刻々と変化しますから。把握することができるようになると、だいたい何が起こると下がるのか、何が起こるとあがるのかがつかめてきます。そうすると自分なりの対処が少しだけ可能になります。

私にとっては「越境学習」はモチベーションのコントロールのためにとても大切な要素になっています。あと、美味しいものを食べることも同様です。ですから、どんなに忙しくてもこれらの要素のための時間は優先して確保します。それが忙しい中で仕事を回すために必要だということが自分でわかっているからです。

よく「忙しいのによくいろいろなところに顔を出しますね」、とか「忙しいのによく飲み歩いていますね」とかいわれますが、忙しいからこそ、自分の気持ちを維持するためにやっているのかもしれません。
暇になったら逆にどうなるんでしょうか。社会に出てから一瞬たりとも暇になったことがないので、この気持ちは経験的にはまだわかりません。きっと今ほどは「越境学習」に積極的には参加しなくなってしまうような気がします。

《2012年1月28日》 研修後18時から会議。結構、面白いことになりそうな、そんな感じもあったりします。来月はお休み2日だけの予定。個人的な用事も満載なので、時間の使い方と体調管理がポイントになりますね。



【2012/01/28 23:54】 | モチベーション | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
ダボス会議での渡辺謙さんのスピーチから
多くのところで引用されているダボス会議で1月25日に俳優の渡辺謙さんがされたスピーチを引用します。 

19世紀末に来日した宣教師のコメント「人々はすべからく貧しく、汚れた着物を着、家もみすぼらしい。しかし皆笑顔が絶えず、子供は楽しく走り回り、老人は皆に見守られながら暮らしている。世界中でこんなに幸福に満ちあふれた国は見たことがないと」。これが100余年前の日本です。ブータンの国民総幸福度を想起される方も少なくないのではないでしょか。
私たちが得たもの、失ったものを考えても仕方がありません。大切なのは、次の世代に何を引き継ぐかです。誰かが教えてくれたアフリカのことわざのとおりです。

「この世は親が遺してくれた遺産ではない。子供たちからの借り物なのだ。」

子供たちからの借り物を痛めてはいけません。ましてや、借りていながら膨大な借金を子供たちに押し付けてはいけません。そうですよね。
*************************************************************

 初めまして、俳優をしております渡辺謙と申します。

 まず、昨年の大震災の折に、多くのサポート、メッセージをいただいたこと、本当にありがとうございます。皆さんからの力を私たちの勇気に変えて前に進んで行こうと思っています。

 私はさまざまな作品の「役」を通して、これまでいろんな時代を生きて来ました。日本の1000年前の貴族、500年前の武将、そして数々の侍たち。さらには近代の軍人や一般の町人たちも。その時代にはその時代の価値観があり、人々の生き方も変化してきました。役を作るために日本の歴史を学ぶことで、さまざまなことを知りました。ただ、時にはインカ帝国の最後の皇帝アタワルパと言う役もありましたが…。

 その中で、私がもっとも好きな時代が明治です。19世紀末の日本。そう、映画「ラストサムライ」の時代です。260年という長きにわたって国を閉じ、外国との接触を避けて来た日本が、国を開いたころの話です。そのころの日本は貧しかった。封建主義が人々を支配し、民主主義などというものは皆目存在しませんでした。人々は圧政や貧困に苦しみ生きていた。私は教科書でそう教わりました。

 しかし、当時日本を訪れた外国の宣教師たちが書いた文章にはこう書いてあります。人々はすべからく貧しく、汚れた着物を着、家もみすぼらしい。しかし皆笑顔が絶えず、子供は楽しく走り回り、老人は皆に見守られながら暮らしている。世界中でこんなに幸福に満ちあふれた国は見たことがないと。

 それから日本にはさまざまなことが起こりました。長い戦争の果てに、荒れ果てた焦土から新しい日本を築く時代に移りました。

 私は「戦後はもう終わった」と叫ばれていたころ、1959年に農村で、教師の次男坊として産まれました。まだ蒸気機関車が走り、学校の後は山や川で遊ぶ暮らしでした。冬は雪に閉じ込められ、決して豊かな暮らしではなかった気がします。しかし私が俳優と言う仕事を始めたころから、今までの三十年あまり、社会は激変しました。携帯電話、インターネット、本当に子供のころのSF小説のような暮らしが当たり前のようにできるようになりました。物質的な豊かさは飽和状態になって来ました。文明は僕たちの想像をも超えてしまったのです。そして映画は飛び出すようにもなってしまったのです。

 そんな時代に、私たちは大地震を経験したのです。それまで美しく多くの幸を恵んでくれた海は、多くの命を飲み込み、生活のすべてを流し去ってしまいました。電気は途絶え、携帯電話やインターネットもつながらず、人は行き場を失いました。そこに何が残っていたか。何も持たない人間でした。しかし人が人を救い、支え、寄り添う行為がありました。それはどんな世代や職業や地位の違いも必要なかったのです。それは私たちが持っていた「絆」という文化だったのです。

 「絆」、漢字では半分の糸と書きます。半分の糸がどこかの誰かとつながっているという意味です。困っている人がいれば助ける。おなかがすいている人がいれば分け合う。人として当たり前の行為です。そこにはそれまでの歴史や国境すら存在しませんでした。多くの外国から支援者がやって来てくれました。絆は世界ともつながっていたのです。人と人が運命的で強く、でもさりげなくつながって行く「絆」は、すべてが流されてしまった荒野に残された光だったのです。

 いま日本は、少しずつ震災や津波の傷を癒やし、その「絆」を頼りに前進しようともがいています。

 国は栄えて行くべきだ、経済や文明は発展していくべきだ、人は進化して行くべきだ。私たちはそうして前へ前へ進み、上を見上げて来ました。しかし度を超えた成長は無理を呼びます。日本には「足るを知る」という言葉があります。自分に必要な物を知っていると言う意味です。人間が一人生きて行く為の物質はそんなに多くないはずです。こんなに電気に頼らなくても人間は生きて行けるはずです。「原子力」という、人間が最後までコントロールできない物質に頼って生きて行く恐怖を味わった今、再生エネルギーに大きく舵を取らなければ、子供たちに未来を手渡すことはかなわないと感じています。

 私たちはもっとシンプルでつつましい、新しい「幸福」というものを創造する力があると信じています。がれきの荒野を見た私たちだからこそ、今までと違う「新しい日本」を作りたいと切に願っているのです。今あるものを捨て、今までやって来たことを変えるのは大きな痛みと勇気が必要です。しかし、今やらなければ未来は見えて来ません。心から笑いながら、支え合いながら生きて行く日本を、皆さまにお見せできるよう努力しようと思っています。そしてこの「絆」を世界の皆さまともつないで行きたいと思っています。

《2012年1月27日》 千葉にて特例子会社の新年会。飲むと普段と違ったキャラクターが見られるのがまた楽しいですね。幹事さん、お疲れ様でした。
【2012/01/27 23:22】 | キャリア~全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
判断と決断…決めるには2つのタイプがある② ~学生へのお話⑬
「決断」と「判断」の違いについて、昨日は書きました。

なぜ「判断」で就職先を決めることがよくないか。ここをよく理解して欲しいと思います。

「判断」は合理的な意思決定です。そのためには、分析が必要です。様々な要素(判断材料)を集めて、1つひとつ分析をかけて、トータルでより良い方を選びます。点数化をしたり、メリット・デメリットの対比をしたり、そんなことをよくしますね。

ですけど、どうでしょう。せっかく合理的に決めた結論ですが、新たな判断要素がみつかると結論が変わる可能性があります。A案とB案があり74対65でA案に決めたところ、新たにA案にマイナス10ポイントとなる判断材料がみつかったらA案は64となり、結論はB案に変わってしまうのです。

就職活動で何人の社員に会えるでしょうか。会った社員がみんな素敵で、こんな先輩たちと一緒に働きたいという動機で就職先を決めたとします。でも、会った社員の何十倍も会っていない社員がいるわけです。直属の先輩がほんとうに苦手なタイプかもしれません。付き合いたくないタイプの人が一杯いるかもしれません。どんなに就職活動を続けても、そこそこ以上の規模の企業を選ぶのであれば、全社員に会うなどということは無理です。

また、人以外についても、就職活動の中で知れるその企業のことなんてほんの数%です。でも、それだけの条件で決めなければならないのが就職活動なのです。

いつの時代も新卒社員の早期退職理由の一番は「こんなはずじゃなかった」です。そりゃそうです。「こんなはず」である方がおかしいのです。就職活動で知ることができるのは、その企業のほんの一部です。「こんなはずじゃない」ことがたくさん待っていると思わなければなりません。そんな「こんなはずじゃない」ことに出会った時、「判断」の結論は変わります。そうなると後悔が大きくなります。そして「こんなはずじゃなかった」といってその企業を去る人が出てきます。

だから「判断」で決めるのはお薦めできないのです。「決断」で決めても、もちろんいろいろ揺らぐことはありますが、しんどい状態を最後に乗りこえるパワーは「自分自身が決めた会社だから、もう少し自分を信じて頑張ろう」という気持ちです。「決断」で決めた人は、「判断」で決めた人よりも、こんな気持ちを持ちやすいのは間違いありません。

最後にもう1つ。

実は企業側も内定を出す際に「判断」でき決められません。どんなに工夫をしても、採用活動で把握できるのは、その学生のほんの一部です。完全な「判断」を下すだけの材料をそろえるには接触が不足し過ぎています。でも、可能な限り、様々な工夫をして材料は集めます。それでも最後に決めるのは、「彼(彼女)なら、当社でやってくれそうだ」という思いをもとにした「決断」です。

就職活動、採用活動とは、双方がよりよい「決断」をするための材料を提供しあう場なのです。ただし、すべての材料をそろえることができない場です。そんな材料から、私たちは最も良い決め方をするのです。



【2012/01/26 23:55】 | キャリア~学生・就職・採用 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
判断と決断…決めるには2つのタイプがある① ~学生へのお話⑫
先々週の土曜日からずーっと書き続けている採用活動で学生に話している小ネタ・シリーズですが、そろそろ飽きてもきたので最後のお話にします。この話は昨年の採用セミナーのおしまいに必ず引用しました。もともとは慶應義塾大学の花田光世先生からキャリアラボのスーパービジョンの際に伺った話です。

かなり前にブログでも整理していますのでご参照ください。

《2009年4月8日》就職活動における決断と判断

昨日の「釜石の奇跡」の話にしても、自分の頭で主体的に決定するということは、就職活動だけでなく、これから生きる上で実に重要なことです。
就職活動ではものすごい情報が押し寄せてきて、他者の都合でスケジュールが勝手に動く中で、学生は翻弄されつつも、多くの「決定」が求められます。これからは逃げることができません。

一番大きな決定は、複数内定をとった場合にどの企業を選択するか、でしょうが、院に行くか、教職はどうするか、公務員を狙うかといった進路上の選択もあります。さらには、どの企業にエントリーを出すか、セミナーがかぶったがどっちに行くか、エントリーカードに何を書くか、セミナーで座席はどのあたりに座るか、質問はしたいが手をあげるか、面接でのこの質問にどう回答するか、とにかく1つ1つで決定が求められます。ある意味、これは社会にでるために非常によい訓練の場です。

そして、「決める」という行為には2つのタイプがあるのです。
それは、「判断」と「決断」。ごくごくシンプルに花田先生からいただいた区分を書いておきます。

「判断」とは………合理的な意思決定。
「決断」とは………自分自身が最終的に意思で決めること。

つまり合理的にロジカルに決定できるのが「判断」であり、「決断」とは必ずしもロジカルなものではなく、意思をもって決めること。すなわち正解などない世界、ということになります。

「判断」も「決断」も難しいのですが、「判断」というのはいわゆる地頭が良い人であれば、それなりにできます。しかし「決断」はそうはいきません。頭の良さだけでは乗り越えられないものがあります。

実社会ではこの双方が求められます。
「判断」は仕事の中で日々求められるといっていいでしょう。そして「判断」は訓練と経験によってある程度は上手になることができます。ある種のセオリーがある世界です。これが適切にできる人は「切れる奴」と呼ばれることもあるでしょうし、何よりも効率的に仕事ができます。でも、こういった人が伸び悩むこともあります。伸び悩みの1つのパターンは「判断」はできるけれども「決断」ができないというパターンです。一般的に、立場・役割があがると「決断」の機会は増えます。合理的には決められないこと、過去のデータだけでは決められないことを決めなければならないということが増えてきます。ここを乗り越えられるかは、成長の1つのポイントです。

でも「決断」が必要なのは何も上位役職者ばかりではありません。新入社員にしても「決断」の機会は日常的に発生します。新入社員が一番最初に経験する典型的な「決断」は、何かミスをしてしまったときに先輩にきちんと報告するか、うやむやで逃げようとするかの決断です。よほど大きいミスの場合は誰でも相談する以外にないと「判断」できるのですが、これって意外と難しいのです。それは、ばれる確率がよくわからないからです。ばれなければ得られるメリットが多いため、相談しないという「判断」はありえます。でも、悪いことはとにかく報告しなさいと新入社員研修で教わったよななどということも思い出します。で、なかなか合理的な意思決定は難しいわけです。

就職活動の結果、この企業に入ると最終的に決定することはまさに「決断」の世界です。
メリット・デメリット分析をして、各要素をポイント化して点数比較をして、そんな合理的なアプローチでも結論はでます。それに基づいて「判断」で行き先を決めることは可能は可能です。でも、合理的な意思決定とは、意思決定ができるだけの材料が集まることが前提となります。就職活動でそれだけの材料を集められるでしょうか。よほどの長期のインターンシップをしてもそれはなかなか困難です。人によっては、親に何を言われても、友達に何を言われても、この会社に行くと自分で決める人もいます。これはあきらかに「決断」です。もちろん、いずれにしても結果は保証されるものではありません。

今日でこのシリーズは終わりのつもりだったのですが、長くなったので明日に続くこととします。

《2012年1月25日》 キャリアデザイン学会企画運営委員会。今年の大会は9月に仙台でやりますよ。


【2012/01/25 23:53】 | キャリア~学生・就職・採用 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
自分の頭で考える ~学生へのお話⑪
先週の土曜日からずーっと続けてここのところ採用セミナーなどで学生に話をしている小ネタを記録しています。会社説明はメンバーたちがきちんとやってくれているので、セミナーの都度に私はかなり違う角度からの話をさせてもらっています。小ネタのモジュールのストックから、与えられた時間と相手の雰囲気によって構成させて話すのですが、小ネタの内容も少しずつ変わりますし、増えていきます。

今日は「自分の頭で考える」という話です。

昨秋にWORKSの勉強会で群馬大学の片田敏孝教授から伺ったお話が引用元です。既にマスコミで様々な機会で紹介されていますので、聞いたことのある人も多いと思います。ここでは、片田先生自身が責任者をされている群馬大学広域首都圏防災研究センターのホームページをリンクしておきますので、是非、ご一読ください。

また、私も感動のあまりに話を伺った直後に4日に渡ってブログに残していますので、あわせてご確認いただければと思います。

人が死なない防災~釜石の奇跡①
想定にとらわれるな~釜石の奇跡②
率先避難者たれ~釜石の奇跡③
釜石に住むためのお作法~釜石の奇跡④

釜石市は東日本大震災での大津波の被害をまぬかれませんでした。しかし、釜石市の小学生1927人、中学生999人のうち、残念にも津波の犠牲のなったのは5人だったといいます。これは周辺の市区町村と比較すると、確かに奇跡的な数字なのです。

釜石市には「釜石市津波浸水予測図」というハザードマップがあり、そこには想定される津波の最大の高さが等高線のように描かれています。このお話の舞台である釜石東中学校と鵜住居小学校は、このマップによると津波が来ないエリアにあります。そして、過去のいかなる津波も両校のある場所には届いていません。ですから、ハザードマップを見ると子どもたちは安心するわけです。片田先生の教えは、一言でいえば「これを信じるな」なのだといえます。そして、津波が来たら自分で考えて自分で逃げろ、というものです。行政が提供するハザードマップはあくまでも過去のデータを参照に作成したものであり、未来が常に過去のデータとおりになるわけではありません。そんなものを信じずにやばいと思ったら逃げる、それが大切だとひたすら教えたのです。さらに片田先生の教えの素晴らしいところは、君たちが逃げる姿をみて他の人も逃げる、そのことによって他の人の命も救えるんだ、と教えているところです。

事実、彼らは、川の水が引くのをみて自らの主体的な意思で逃げました。川下にある中学校の生徒が高台に逃げるのをみて、中学校の並びで少しだけ川上にある小学校の児童も逃げ始めたといいます。そして、津波は両校を完全に呑みこみました。彼らが最初の避難所としていた高台すら呑みこんだのです。その時には生徒たちは自主的にさらに奥の山へと逃げたといいます。

釜石の奇跡は奇跡ではないのです。

自分の頭を人に委ねてはいないでしょうか。自分の主体的な意思とは何でしょうか。ハザードマップをやみくもに信じて生きてはいないでしょうか。

就職活動ではものすごい量の情報が押し寄せてきます。親もいろいろと干渉をしてくるでしょう。友達の動きもあせりをさそいます。自分の頭を人に委ねずに、自分で主体的に意思を持って決める、就職活動の中で忘れないで欲しいことです。

そして私たちは2011年を忘れてはいけません。

【2012/01/24 23:31】 | キャリア~学生・就職・採用 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
4つの日本③ ~学生へのお話⑩
「4つの日本」の3回目です。

「緑の日本=伝統的企業」、「青の日本=外資系企業」、「赤の日本=ベンチャー系企業」、「茶の日本=地場企業」というちょっと強引な分類ですが、シンプルなカテゴザイズとは、そもそも強引なものです。

ただ、企業は生きています。経営は固定的なものではありません。例えば「赤の日本」にも成長を遂げ規模が大きくなることによって、様々な変容が訪れます。社員の平均勤続が上がり、平均年齢もあがります。普通は「赤の日本」にはない退職年金制度なども検討されると、少し「緑の日本」に近づきます。そもそも今の「緑の日本」の多くは創業時には「赤の日本」だったわけですしね。「赤の日本」の中には「青の日本」的な経営を志すところも出てきます。また、一部分では「緑の日本」の良さを身につけながらも、精神は「赤の日本」を維持する戦略をとる企業も多いでしょう。「茶の日本」の中にも「赤の日本」的な経営を志向するようになる企業もあります。このように、4つのカテゴリーは緩やかな境界で区分されており、企業それぞれが動きを持っているのです。

また、「緑の日本」でも真のグローバル化のために「青の日本」に近づこうとするところも出てきました。逆に日本進出から長い「青の日本」はかなり「緑の日本」的な色彩を帯びています。また、「緑の日本」が社内ベンチャーで「赤の日本」を作ろうという動きもあります。そして何よりもドラスティックなのは、「緑の日本」が外資にM&Aされて一夜にして「青の日本」になるケースでしょうか。これは「赤の日本」「茶の日本」にもありえることです。内定をもらった時は「緑の日本」だったのだけども、入社の時点では「青の日本」ということだってあるのです。

これは大切なことですね。すでに「一生、勤め上げる」ということが、明確に揺らいできているのが今なのですから。就職活動の場では、これらのことをよく念頭に置かなければなりません。一生働く場をどう選ぶかということから、自分の貴重な20代をどう働くかということに、重要なポイントが移りつつあるのです。その働き方次第で、それからの自分が変わってくるともいえます。

《2012年1月23日》 東京プリンスホテルの会議室にて「リベラルアーツ入門」第1回。2月、3月と毎月1回の3回シリーズです。今まで、食わず嫌い的な分野でしたが、視野が少し変わりました。




【2012/01/23 23:16】 | キャリア~学生・就職・採用 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
4つの日本② ~学生へのお話⑨
昨日の続きの話になります。昨日のブログを読まないとよくわからないと思いますので、こちらをご参照ください。テーマは「4つの日本」です。

私は24年10カ月勤務した創業1900年の会社を辞め、設立2000年の会社に移りました。意外なほどにカルチャーショックはなかったのですが、同じ日本にある企業なのだけれども、ものすごい違いだなと感じる部分は多々ありました。伝統的企業にいると、人事担当としてあれこれ外に出ても、出会う他社の人事担当者の多くは、はやり伝統的企業の人事担当者でした。これが新しい会社に移ると、ベンチャー、ベンチャー上がりの企業、ど外資系企業と広がりました。今の会社はベンチャー上がり企業に分類できると思いますが、実は転職の前年には外資系企業の人事職が決まっており、オファーレターにサインをしながらも最終的に断ったということがありました。この会社とはかなりじっくりとお話をしてきたのですが、やはり前の会社とも今の会社とも大きく違うなぁというのが実感です。私などは転職経験が非常に少ないですが、多くの経験を持つ人であれば、もっと上手にこのあたりの話ができるのだと思いますが。

で、今の会社でいろいろと人事の施策に取り組んでいて、あらためて同じ日本にある会社でも、ずいぶんとベースになるところが違うなぁと実感しました。日本には伝統的企業、ベンチャー&ベンチャー上がり企業、外資系企業という3つの日本があると漠然と感じていました。これを間違って入るとえらいことになるかもなぁとも思いました。

そんなところで伺ったのが、昨日ご紹介した中島豊さんの「今日の企業に存在する2種類の人事体系」、すなわち「グリーン人事体系:内部労働市場重視型人事体系」と「Ⅱ.ブルー人事体系:外部労働市場重視型人材体系」の話です。伝統的企業はグリーン、つまり「緑の日本」、外資系企業はブルー、「青の日本」ですね。

でも日本にある企業はこれだけではありません。

そこで第三のタイプとして「赤の日本」が出てきます。これはいわゆるベンチャー(及びそこから離脱しつつある)企業になります。多くで創業者が健在であり、理念が重視されています。急スピードでビジネスを展開しており、意思決定は概して素早く、重視されるのはやはりスピードです。年次管理はなく、実力主義の傾向は明確で、経営層の年齢は若いです。業務ボリウムは多く、労働条件は比較的苛酷なケースが多く、組織的にはサークル的な乗りがありそれで乗り切れているといえます。独立して起業する人も少ないありません。ただ、福利厚生・研修制度などでは見劣りする傾向がありますが、企業によってはかなりユニークな取り組みをしている場合もあります。やはり、緑の日本とも青の日本とも違った日本がそこにはあります。

一昨年の秋に徳島大学でIT4社合同勝手セミナーをやったのですが、その時にこの話をしようと思って整理していて大きな漏れに気づきました。それが第四の日本で「茶の日本」です。これは地場企業。絶対数ではこれが一番多いですね。地域に密着した経営を行い、概して規模は小さく、経営は家族的。人事制度などの仕組み面では、緑の日本の小型版的な傾向はありますが、賃金水準は高くありません。一部の企業は赤の日本的なベンチャースピリットに富んでいますが、また一部の企業は大手企業の傘下に入って生き残りをかけていたりもします。

この4つの違いは、仕事のやり方に大きな影響を与えます。また、仕事のやり方だけではなく、生活にも大きな影響を与えるはずです。そんな視点を学生の皆さんに与えて、企業選択の軸を複線化させたいと思い、この話もよくするようになりました。

ただ、この分類は固定的なものではありません。ここもまた学生に語る必要がある部分なのでずか、続きはまた明日。

《2012年1月22日》 昼から経験者採用の合同選考会、そのあと「楽器で笑顔基金」の理事会と懇親会。なかなかの日曜日でした。




【2012/01/22 23:04】 | キャリア~学生・就職・採用 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
4つの日本① ~学生へのお話⑧
今週の火曜日に就職活動生向けのセミナーを開催したのですが、通常とは少し違うタイプのものになりました。私も1時間をもらったのですが、今回は一切会社説明はしないという前提であれこれと話しました。ただ、自社をいろいろと引用するので、間接的な会社説明にはなっているのですが。その中でいろいろな話をしたのですが、先週の土曜日からこのブログに書き続けている「学生へのお話」は、その時に話している内容です。1時間で話せるのは結構なボリウムですよね。先日お聞きした話ですが、90分の講義だと新書本半分のコンテンツを話そうと思えば話せるそうです。

で、ついでなので来年忘れないようにもう少し書き連ねておきます。

業界研究という言葉がありますが、おおよそ就職活動の中では業界、職種というカテゴリーが一般的に使われます。金融志望だとか、食品メーカーに入りたいとか…。でも、同じ業界といっても様々な企業があり、仕事のやり方や生活はそれによって大きく変わります。で、ちょっと違った視点を提示するために4つの日本という話をしています。

一昨年、生産性本部で中原先生が担当された人材発達支援塾に参加させていただいたのですが、ここにこられた中島豊さんがグリーン人事体系とブルー人事体系という話をされました。これが実に秀逸なメタファーで感動したものです。

「今日の企業に存在する2種類の人事体系」について、2010年10月26日のブログの内容から再録します。

Ⅰ.グリーン人事体系:内部労働市場重視型人事体系

新卒社員を採用して育成し、配置転換によって社員を社内に配置する。人事ローテーションは組織の活性化と、人材の育成の目的を持つ。低業績社員も他の職務に再配置して活用する。組織は社長と頂点とするヒエラルキーを構成し、組織の一体感が醸成され、上司や先輩を目標として自己のキャリア形成を考えることがモチベーションの源泉ともなる。
グリーン人事体系の特徴としては、包括的な契約関係がベースとなり、長期雇用によるロイヤリティの涵養、協調性や一体感の醸成、部門横断的で画一的な報酬システム、雇用の保証と相対的には低廉な賃金水準、等があげられる。

①採用:多数の新卒を採用。例外的に転職市場から中途採用。職務・勤務地は限定しない採用。
②配置転換:柔軟で広範なローテーション。「組織の活性化と低業績者を他の職務へ再配置」「多様な職務経験によるスキルの形成」
③昇進・昇格:職位・職責の向上
④教育訓練:OJTを中心に、手厚い教育研修を行う
⑤報酬:統一的賃金制度(相対的に低い賃金水準)
⑥退職:定年までの雇用保障が原則
⑦コミットメント(モチベーションの維持):雇用の保証によるロイヤリティ・組織的一体感や協調性。社長を頂点としたヒエラルキーの形成と昇進・昇格
★営業規模(組織力)で収益を追求する産業資本主義的業種・職種に適する

Ⅱ.ブルー人事体系:外部労働市場重視型人材体系

外資系等に顕著にみられる、必要な人材を転職市場から調達し、また放出する仕組みをともなった体系。外部労働市場から即戦力の人材を調達するため、報酬水準は市場が決める。専門性が高い社員が中心となり、異動や職務の変更は原則行われない。業績の上がらない社員は外に放出されることになる。
ブルー人事体系の特徴としては、個別的な契約関係がベースになり、スペシャリティの高い社員が集まり、個別的で市場に連動した報酬システムが機能する、雇用の保証はなく、相対的には高い賃金となる、等があげられる。

①採用:不足する人材を転職市場から不定期に採用。少数精鋭の新卒を選抜採用。職務・勤務地限定の採用。
②配置転換:例外的な育成的ローテーション以外は原則行わない。
③昇進・昇格:高報酬を得られる職務への変更。
④教育訓練:社員個人のキャリア開発のサポートが中心。
⑤報酬:転職市場が規定、マーケットプライス(相対的に高い賃金水準)
⑥退職:低業績者を社外に放出
⑦コミットメント(モチベーションの維持):労働市場における評価(タイトル・ポジションの獲得や、スキルアップに伴う報酬の増加)
★社員のスペシャリティ(個人技能)により収益を上げる金融資本主義的業種・職種に適する

ブルーというのは目の色から来ているのではありません。京浜東北線の色からきています。緑はいうまでもなく山手線ですね。山手線のようにグリーンの会社は、ぐるぐると人材を回して育成しているわけです。ほんと素敵なメタファーだと思います。

で、4つの日本の話は、明日に続きます。



【2012/01/21 23:48】 | キャリア~学生・就職・採用 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
理不尽な就職活動 ~学生へのお話⑦
採用活動の中や、大学にお邪魔してキャリア関連のお話をする際にしゃべっていることを先週末から整理しています。今日は「理不尽」についてです。

慶應義塾大学キャリアリソースラボラトリーでお世話になっている花田光世先生は、ことあるごとに学生に対して世の中の理不尽さを語られています。

学生からみると本当に就職活動は曖昧さと理不尽さに満ち満ちています。

・エントリーシートに何を書けばいいのかわからない。
・どうして面接で落とされたのかがわからない。
・そもそも採用スケジュール自体が明示されない。

大学ではきちんと時間割が明確にあり、シラバスが授業の内容を説明してくれ、試験の範囲が公開され、レポートの〆切は当然通知されます。どちらかというと、年々曖昧さが少なくなり、人工的に整理されてきている感じがします。それが大学までのルールです。

でも、社会の常識は違います。見積書にいくらと書けば他社に勝てるかは誰も教えてくれません。どうすればこの社長は当社の商品を買ってくれるかの基準は明示されません。それどころか誰が決定権を持っているキーマンなのかもわかりません。お客様の機嫌が悪いと怒られますし、せっかく売り込んだ新規顧客が倒産して焦げ付きが出て、膨大な努力の果てに上司に叱られることだってあります。何もかもが曖昧で理不尽なのですが、それを1つひとつ自分の頭で考えて乗り越えていくのが仕事です。

過去のこのブログでも何度か書きましたが、就職活動が曖昧で理不尽な要素があるのは、これが大学の論理ではなく、普通の社会の論理でできている世界だからです。そう思うのがよいのではないでしょうか。社会というのは卒業方式ではなく、入学方式で人を向かい入れます。大学を優秀な成績で卒業しても、社会で貢献ができない人は受け入れることができません。社会で貢献をできる1つの条件が、曖昧さと理不尽と共存できるということなのだといえるのかもしれません。

【2012/01/20 23:51】 | キャリア~学生・就職・採用 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
人生は要約できない ~学生へのお話⑥
先週末から、ここのところ採用活動などの場面で学生に語っている話を少し整理しながら書いています。過去のブログで何らかのかたちで取り扱った内容が多く、重複するのですがあくつか意図もあり、あえてそうしています。今日は「人生は要約できない」という話なのですが、昨年の秋にブログに書いた話です。

伊坂幸太郎作品はほとんど読んでいますが、ストーリーの魅力以外に登場人物の会話にちりばめられた洒落たフレーズも魅力の1つです。そんなフレーズの1つがこれです。

人生は要約できない。要約した時に抜け落ちる部分こそが、その人の人生なのだ」。

                 伊坂幸太郎「モダンタイムス」より

これを読んだときに私はすぐに「履歴書」と「職務経歴書」を思い浮かべました。職業病といってもいいかもしれません。

この時期、日本中の新卒採用担当者は「人生を要約した書類」をたくさん読むことになります。それは「履歴書」「エントリーシート」と呼ばれるものです。そこには、その人の人生がまさに要約されています。しかも、大半のものがやや恣意的にストレッチして要約されています。でも、要約された「履歴書」「職務経歴書」では、その人の本当の人生はわかりません。本当の人生がわからないと、本当に仕事をしてもらえるのか、本当に社風に合って力を発揮してもらえそうなのかがわかりません。

ですから「要約した時に抜け落ちる部分」を面接でしっかりと見ることが必要になります。でも、これがなかなか容易ではありません。面接でも、要約した自分だけを見せようとする人が多々いるからです。私たちは本当のその人の人生に触れて採用をしたいと常に思っています。それがミスマッチを減らす最大の方法であるとも思っています。

大学生活を要約するどころか、一点に集約して語る学生すら多くいます。大学生活で何をやっていたのか、普段は何に興味をもってどんな生活をしているのかを知りたくていろいろと質問しているのに、わずかに10日間だけ行った海外ボランティアの話をえんえんとする学生もいます。そうではなく「要約した時に抜け落ちる部分」を是非、語ってください。たぶんそれがあなたの素顔です。

そして長い会社生活では、素顔を見せないわけにはいきません。であれば、自分の素顔がその会社に合うのか、しっかりと見てもらった方がいいに決まっています。それがミスマッチを減らす最大の方法に違いないと思います。「要約した時に抜け落ちる部分」を語ってもらえるような、面接をきちんとやりたいものです。昨日まで書いていた「経験学習のサイクル」からのアプローチというのは、比較的使いやすくわかりやすいのですが、「抜け落ちた部分を語ってもらう面接」のやり方はなかなかまだ整理できません。ただ「経験学習のサイクル」からのアブーチは、昨日も書いたとおり、それが単なる単発のイベントなのか、経験学習のサイクルとなったのかはつかみ取ることできます。そのサイクルの中には「要約したときに抜け落ちる」話が多々出てくることも多いでしょう。

また、逆に学生の皆さんの側にも、要約した自分で内定をとる危険性といったものも理解して欲しいと思います。

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《2011年1月19日》今夜は東京工業大学の中国人留学生新年パーティにお邪魔しました。各大学の留学生会の代表も集まり、かなり賑やかな会です。今年は日中国交回復40周年なんですね。

【2012/01/19 23:36】 | キャリア~学生・就職・採用 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
大学生のための経験学習④ ~学生へのお話⑤
昨日できりがつくはずだったのですが、もう1日「大学生のための経験学習」の話を続けます。

昨日のブログでは、採用担当者の仕事というのは「過去に何をやった人かではなく、これから入社して何をやってくれる人かを見極める」ことだと書きました。そして、面接官が大学生活のことを聞くのは、過去を評価しようとしているのではなく、過去から未来を類推しようとしているのだと書きました。その際のキーワードは「再現性」です。「なかなかやるな」という経験をしている学生が、企業に入っても同じように「なかなかやるな」になれるのかどうかが再現性です。

ここで神戸大学の松尾先生の「経験学習」のサイクルを思い出してください。

経験学習のサイクルは「具体的経験をする」「内省する」「教訓を引き出す(持論化する)」「新しい状況に適用する」であり、このサイクルよりよく回す3つのキーワードは、「ストレッチ」「リフレクション」「エンジョイメント」でした。

ここでポイントになるのは「教訓を引き出す(持論化する)」です。何かの経験を単発的なものに終わらせずに、自分の腹にきちんと落とし、自分なりにそれをおぼろげながらでも体系化できている人は、再現性が期待できます。何よりも、偶然や他力本願ではなかったことがよくわかります。

昨日書いた次の3つの面接官が質問を掘り下げて確認することの①②は、このあたりを確認することでよくわかります。

①それは、たまたまできちゃった事実ではないのか
②実は、他人がやったことを自分のことのように語ってはいないか
③単なる、限られた同質的な人間関係の中でのドラマではないか

面接官は何か過去の経験を聞いた場合、「経験学習」のサイクルを意識して追加質問をすればいいのです。

その行動をどうリフレクションしたのか、周りの人とのかかわりはどうだったか、自分はそこから何を得たのか、そしてその後の活動はどう変わったのか………。

おそらく良い面接官は、経験学習理論など知らなくても、質問の掘り下げによって、果たして学生が経験学習のサイクルを回せているのかどうか、つまり経験から学習する力があるのかどうかを聞いています。同じ「学園祭実行委員として学園祭の運営をした」という経験をしても、それを単発のイベントで終わらせてしまい、経験学習のサイクルとして回すことができてない学生と、きちんとそれが自然とできている学生がいます。単発のイベントの羅列は、それがいかに華々しいものであっても、面接官の心はなかなか打ちません。

《2011年1月18日》 本日はLIN論の会@慶應丸の内シティキャンパス。世界の事務局登場です。


【2012/01/18 23:22】 | キャリア~学生・就職・採用 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
大学生のための経験学習③ ~学生へのお話④
もう1日「大学生のための経験学習」を続けます。

ある著名なヘッドハンターの方が著書で次のようなことを言われていました。

「ヘッドハンティングとは、その候補者の過去ではなく、将来を買うことだ」

まさにそのとおりだと思います。ヘッドハンティングという世界では、どうしても華麗な経歴などが気になるところがありますが、過去にすごい業績を出していても、自社に入ってから出してもらえないのでは何の意味もありません。そして、この考えは新卒採用でもまったく同じです。

採用担当者の仕事というのは「過去に何をやった人かではなく、これから入社して何をやってくれる人かを見極める」ことです。でも、これは実に難しいことです。それこそ霊能力でもない限り、できっこありません。

そこで面接官はどうするか。

新卒採用面接での代表的な質問の1つに「学生時代に力を入れたこと」を聞くというのがあります。私たちのような霊能力がない人にとっては、未来とは過去から類推する以外に知る方法はありません。「学生時代に力を入れたこと」を質問するのは、そのことに興味があったり、そのことがどのくらい凄いかを聞いて評価をしようとしているのではありません。過去にやったことを評価しても何も意味はないのです。過去にやったことから類推して「当社に入ったら何をやってくれそうか」を見きわめようとしているのです。

ですから、そのあとの質問で掘り下げて次のようなことを確認します。

①それは、たまたまできちゃった事実ではないのか
②実は、他人がやったことを自分のことのように語ってはいないか
③単なる、限られた同質的な人間関係の中でのドラマではないか

要は企業に入ってからの再現性を確認しているのです。
①と②に再現性がないのは説明するまでもありませんね。③に再現性がないのは、社会とは多様で複雑な人間関係で構成されているものだからです。

以前にここでも書きましたが、トライアンフの樋口社長は学生と社会人の置かれている場所の違いを以下のように整理されています。

最も大きな違い⇒ 学生:選べる、社会人:選べない
コミュニティ⇒ 学生:同質、社会人:異質
考える環境⇒ 学生:自己中心、社会人:顧客中心
取り組みの同期⇒ 学生:やりたい、社会人:やるべき
責任⇒ 学生:個人、社会人:企業
評価⇒ 学生:自分、社会人:他人

その上で、面接で語られる学生時代のハイライトが「仲間内の揉めごとへの対応(限られた同質的な人間関係の中でのドラマ)」である学生が実に多いことを嘆かれ、「仲間内の揉めごとへの対応」というのは学生が自ら「選べる」「同質」のコミュニティ内での話であり、「自己中心」の価値観で判断し結果も「自分」で評価できてしまう話であり、社会に出てから「仕事ができるかどうか」の材料は一切得られないのです。なるほど同感です。


《2012年1月17日》 本日、特別採用セミナーを開催しました。私の持ち時間は1時間、会社の話は1つもしません。このブログでは「学生へのお話」として今日で4日続けて書いていますが、こんなような話をしました。結構なコンテンツ量があり、まだ1週間くらいはこの話でブログを書き続けることができそうです。




【2012/01/17 23:27】 | キャリア~学生・就職・採用 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
大学生のための経験学習② ~学生へのお話③
土曜日のAAA3.0(慶應義塾大学商学部の3人の先生が中心となった実務家と学生も交えた学びの会)では、2つの発表がありました。最初のものは、大学4年生から「効率的な研修マネジメントについて」という卒論テーマを扱ったもので、管理会計・シェアードサービスを学んできた学生がその観点から研修マネジメントをとらえるという意欲的なテーマにチャレンジして、なかなか面白い内容になっていました。そしてもう一つは某人材育成ベンダーの方から「企業における人材育成の潮流について」というテーマでの発表です。誤解をされるといけませんが、この会、別に人材育成をテーマにした勉強会ではなく、たまたま今回はテーマがかぶっただけです。

「企業における人材育成の潮流について」の話の中で、経済産業省の「平成21年度就職支援体制調査事業」の報告書からの引用がありました。これは、日本人学生が自分に不足していると思う能力要素と、企業が学生に不足していると思う能力要素を比較したものです。顕著に差異があるものが、いくつかありニヤリとさせられます。

企業が不足していると認識している割に、学生はそう感じていない項目(それぞれが不足していると思っている比率です)

コミュニケーション能力 ⇒ 企業19.0%、学生8.0%
主体性 ⇒ 企業20.4%、学生5.6%
粘り強さ ⇒ 企業15.3%、学生3.0%

学生が不足していると認識している割に、企業はそう感じていない項目

語学力 ⇒ 学生16.5%、企業0.4%
業界に関する専門知識 ⇒ 学生11.8%、企業1.0%
簿記 ⇒ 学生10.2%、企業0.1%

すさまじい勘違いが学生側に生じていますね。もちろん企業が学生の語学力に満足している結果というわけではありません。要は、学生に最低限満たして欲しいことが、大学や学生にきちんと伝わっていないということです。就職準備で語学や簿記を学ぶのは立派なことです。ただ、それよりも大切なことがあるわけです。

コミュニケーション能力、主体性、粘り強さというのは、教えられて身につくものではありません。こういった力を身につけるためには、まずは何よりもそれが求められていることが認知されることと、大学生活の場でそれらが学べる仕掛けを用意することでしょうか。簿記の講座ばかりをやるのは逆に大学生をミスリードします。

ここで昨日のブログの話(経験学習)に戻ります。
やはりこれも「経験学習」のサイクルをまわすことが一番でしょう。もちろん大学は就職予備校ではありませんから、企業が求めることにいたずらに対応する必要はありません。しかし、例えばこの調査で企業側が求めているコミュニケーション能力、主体性、粘り強さというのは、大学で良い研究をするためにも実にプラスになる要素でしょう。

もちろん入社時に語学も簿記もでき業界知識も持っている人材がいるのはありがたいことです。ただ特に新卒採用では「伸びしろ」が大切です。「伸びしろ」がある人材とは、経験から学ぶ力がある人、経験学習のサイクルを自らまわすことができる人だと思います(それに加えて地頭は良いにこしたことはありませんが、地頭力というのも実は実態を把握するのが難しいものです)。

学生時代の経歴はちっとも華々しくなく、入社時も少々バッとしていない新人だったのに、しばらくたつとメキメキと成長してくる人がいるというのは、若手育成担当者であれば結構、経験することではないでしょうか。彼ら彼女らは経験から学ぶ力が高いのではないかと思います。そして、そんな人材を採用した新卒採用担当者は鼻が高いですね。

《2012年1月16日》 少々体調が低下気味で、打ち合わせでも自己評価的に精彩を欠きました。もったいないことです。今日は早目に寝ます。明日は5時前に起きなきゃいけませんし。
【2012/01/16 22:35】 | キャリア~学生・就職・採用 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
大学生のための経験学習① ~学生へのお話②
昨日のAAA3.0(慶應義塾大学商学部の3人の先生が中心となった実務家と学生も交えた学びの会)でも「経験学習」の話が出ましたが、学生の皆さんにお話をするまとまった時間があるときには、よく「経験学習」の話をします。人が育つ仕組みとしてはこの考え方が実にしっくりときます。

「学習」の定義はいろいろとあるでしょうが「経験によって、比較的永続的な認知変化・行動変化・情動変化が起こること」だとすれば、そもそも学習自体の成り立ちに「経験」があるので、「経験学習」という言葉はナンセンスな話になります。ただ、私たちが「経験学習」という時における「経験」とは、知識の単純なインプットではなく、リアルな現実体現のことをさします。

神戸大学の松尾睦先生の整理を引用すれば、経験学習のサイクルは「具体的経験をする」「内省する」「教訓を引き出す(持論化する)」「新しい状況に適用する」であり、このサイクルが適正に回ることにより、人は経験から学習をすることができます。ですから、大学生のキャリア支援(昨日出ていたような就業力向上支援も同様です)を考える場合は、大学生活において自然のこのサイクルを回すことができるようなちょっとした支援をすればよいわけです。お金をかけたプログラムを導入する必要はありません。ゼミや授業や課外活動の中にこの要素は必ずあるはずです。

松尾先生の引用ばかりで恐縮ですが、「経験学習」のサイクルをよりよく回すには3つのキーワードがあります。それは「ストレッチ」「リフレクション」「エンジョイメント」の3つです。このブログでもすでに10回近くこの話は書いていると思います。

企業の目標管理でもそうですが、背を伸ばせば届くような…というのが「ストレッチ」ですね。のんべんだらりと過ごすのではなく、そんな経験をすることです。昨日のAAA3.0では今度の3月で卒業する大学4年生が、大勢の企業の大先輩に対して、卒論の内容をプレゼンし、いろいろな意見をもらっていました。プレゼンの最初には明らかに緊張をされているのが見受けられましたが、まさに「ストレッチ」な経験だといえるでしょう。また、卒論のテーマ自体もなかなか「ストレッチ」しているものでした。

そして、その場で多くのフィードバックを受けます。もろちん卒論作成のプロセスで、ゼミの指導教官からの直接・間接の様々なフィードバックもあったでしょう。また、ゼミの仲間からもあったはずです。それらが意味ある「リフレクション」を呼び起こします。

卒論執筆作業もとらえようによっては難行苦行になってしまいますが、この大学4年生は自分がやりたいテーマを探し出し、様々な人との関わりの中で研究を深めています。けして単なる難行苦行ではなかったのではないかと思います。「エンジョイメント」というのは、能天気に楽しいという意味ではありません。自分がやるべきことの中に、やりがいや面白みをどう見つけていくかということです。

良いゼミというのは、このように「経験学習」のサイクルが自然とまわるところがあります。通常の授業や大学生活でも、これを少し意識することでいろいろなことが変わってくるように思います。もちろん大学に入るまで待つ必要もなく、幼少期から意識してもいいわけですが。

花王の丸田元社長が新聞のインタビューで、いずれは企業が採用時に意識するのは何大学の学生かということではなく、何ゼミの学生なのかという時代が来るだろうと話されていたのがとても印象に残っています。これはけして有名な先生のゼミだということではなく、経験学習のサイクルを回すことを促進できているゼミという観点ではないかと思います。つまり、人が育っているゼミです。

「経験学習」入門「経験学習」入門
(2011/11/26)
松尾 睦

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《2012年1月15日》 昔ですと成人の日ですね。月曜日を祝日にするようになってから、ちょっと感覚が狂います。でも、実はこれ安定的にお休みがあるのでいいことなのです。今年は魔の年で、祝日が3つも土曜日にあります。ということは、週休土日2日制の企業で働く人にとっては、お休みを3日損するということです。さっそく来月の11日がそうですね。
【2012/01/15 23:18】 | キャリア~学生・就職・採用 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
安定志向、進化と岩とコマ ~学生への話から①
ここ数年、特にいわれているのは、若者の安定志向、学生の安定志向。確かに公務員人気のデータなどは明確にありますので、そういう傾向はあるのかもしれません。でも、ちょっとひねって考えてみましょう。

まずは、果たして安定志向というものが良くないものなのか、どうかです。私たちは人間である前に生物ですが、種の生存が本能にあります。良くはわかりませんが、生物の進化というのは、種が生存し続けるために環境に適応し続けることそのものなのかと思います。環境に安定的に適応するために、自らを変えるのが進化なのだと思いますが、安定的な形態に進化しても、また環境も変わっていくので、進化に終わりはありません。こう考えていくと、安定を求めることは生物の本能だともいえます。ですから、安定志向というのは、本能に刷り込まれたものであり、けして良くないものではないということになります。

次の問題は、今の言われている「安定」の中味です。

誰しもが理解しているはずですが、今の世の中で本当の意味で安定した会社はありません。「当社は安定しているからね」という社員がいる会社ほど危険なことはありません。「やる気のない奴集まれ」といっているようなものです。

私の大学時代の仲間の就職先を思い浮かべると、転職をしていない人でも、就職した時の会社名と今いる会社名が同じという人はほとんどいません。特に金融系で合従連衡が激しくあった影響もありますが、そんなものです。安定企業の代名詞のような巨大インフラ企業も1つのことでガラリと変わるということを昨年、私たちは目の当たりにしました。

もともとの出典はわかりませんが、私のいる会社の創業者が、安定には2つのタイプがあるといっています。

1つは「岩のような安定」。今、いわれている安定はどうやらこのタイプを指すことが多いようです。確かになかなか動かずにがっちりとしていますが、存在している基盤が少し揺らぐと修復不能な事態に陥ります。

もう1つは「コマのような安定」。高速で回転するコマは見た目には静止しているかのごとく見えます。そして一点で地面で接しており、場所を変えることができるため、地盤が多少ゆらいでも回り続けることができます。ただ、安定を維持し続けるためには、自ら回転し続ける継続的な努力が必須です。

生物が安定を求めて進化する、という場合の安定とは、岩のような安定ではけしてありません。進化とは休むことのない世界です。そして、本当の安定とはそのような不断の努力によって初めてもたらされるものだとも考えられます。安定志向って素晴らしいではないでしょうか。自分が選んで入った会社がたとえおかしくなっても、自分で高速のコマをまわすことができていれば、それはもう何とかなります。岩になってしまっては、一緒に沈没するだけです。

この話は以前にもブログで書いていますが、学生に話す場でときどき使います。採用セミナーが始まっていますが、昨日のブログにも書いたとおり、会社説明とは無関係な話をする時間を時折持たせてもらっています。そんな時には、与えられた時間に応じて話す内容を選んでいるのですが、自分の整理のためにも、よく話している内容について、ここにも書き残して行こうかと思います。

《2012年1月14日》 慶應義塾大学の先生方のネットワークによるAAA3.0でした。風邪気味、寝不足で、二次会の後半は眠くて眠くて…でした。確かに年は重ねていますからね。
【2012/01/14 23:46】 | キャリア~学生・就職・採用 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
採用側のフラストレーション
新卒採用活動(就職活動)もかなり本格化してきました。

少ない回数ですが、イベント的な合同説明会や学内セミナーに私も足を運びます。また、企業セミナーでも話をします。いつも悩ましいのは時間不足です。イベント的な合同説明会では、人数と数をこなす必要があるため、1回あたりの時間が限られます。学内セミナーも、結構短い時間で切られます。

採用広報とは、学生が決断をするための材料を提供する場になります。ですから、自社のビジネスモデルを簡潔に理解してもらい、また自社の職場の様子をイメージしてもらうことが必要になります。まじめに考えると時間がかかります。担当者的にはあれも話したい、これも伝えたいとなります。これは良いことですが、なかなかかないません。また、学生と接していると、社会に出るにあたってという観点や、就職活動の中で迷子にならないようにという観点から、いろいろと伝えてあげたい話も出てきます。これもやり始めると時間がかかります。そして、何よりも、一方通行の情報提供ではなく、それなりにインタラクティブに話を進めたいのですが、同じ時間内でこれをやるとコンテンツ量はかなり削減しなければなりません。

ということで、実は企業の担当者側でも、フラストレーションがたまります。ですから聞く方も不十分でフラストレーションがたまったり、満足感が満たされなかったりということが多々あるでしょう。もちろん短時間で数多くの会社の話を聞きたいというニーズの方が勝っている人も多いのでしょうが。

で、その解消のために、学内セミナーなどに来ていただいた学生のうち、希望する人を対象に濃くだらだら(?)したセミナーをやろうということにしました。担当者は自社のビジネスモデルなどを思う存分みっちりと語り、私は一切、会社の話はしません。もちろん採用プロセスとは別の流れです。そんなのを来週やろうということにしました。暇じゃないんですけどね。

《2012年1月13日》 冷蔵庫が壊れかけたので購入しました。世の中には電機製品崩壊ドミノというのがあり、1つ駄目になるとなぜか次々に駄目になります。洗濯機、電子レンジあたりが悲鳴をあげつつあります。


【2012/01/13 23:39】 | キャリア~学生・就職・採用 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
ディスカッション・パートナー
何回かここにも書きましたが、年初から研修ベンダーさんを数多くお呼びしています。お願いしているのは、フリーディスカッションさせてください、ということです。もちろんその中で各社の強みやウリも改めてお聞きしますし、自社の悩みもあれこれと話します。そうやったディスカッションの中で自分たちの考えは拡がり、そして整理されます。さらに、その場で私と同席する担当者の間でもディスカションができますし、私の思いを担当者に自然に伝えることもできますし、担当者の問題意識も改めて理解することもできます。時に、ベンダーさんの存在を忘れて、社内ディスカッションになってしまうような場面も出てきます。

年末に中途採用ベンダーさんを7~8社お呼びしたのが(これは明確な目的意識があったのですが)、これが実に刺激的だったのに味をしめて、その勢いで始めた企画なのですが、非常に実がありました(まだ半分も終わっていませんので過去形は間違いです)。私は今は基本的にはルーティンの実担当は持たない立場ですから、下手をすると担当者から同席の依頼がない限り、外部ベンダーの方とはまったく会わずに生きていくこともできます。事実、忙しいとそれがないがしろにされていました。今回の一連のフリーディスカッションで、それが実にもったいないことだと再認識しました。ただ、担当者があまりにやりにくくなるようなことではいけないので、でっぱり方には注意する必要があります。

今日、お会いした1社の方に「こんなので忙しいのにお呼びして申し訳ないね」といったようなことを行ったところ、「いえいえ、私を是非、ディスカッション・パートナーと思って呼んでください」と実に嬉しいお答えが帰ってきました。そう、誰もディスカッション・パートナーは必要です。社内だけで十分に調達できない場合は、社外に健全なディスカッション・パートナーを見つけることは大切なことです。また、こちらも魅力的なディスカッションの吹っかけ役である必要もあるでしょうか。

年初から改めて意識していることが、もう1つあります。それは、とてもベタですが、各部署の現場の方の話を聞くことです。最初はヒヤリングをたくさんやろうと思っていたのですが、ちょっと方針転換することにしました。ヒヤリングと称したものもやりますが、どちらかというとテーマを決めた打ち合わせをお願いして時間をとってもらい、実はそのテーマのことには時間を半分も使わずに、それから膨らませてあれこれとフリー・ディスカッションをして実情を伺う方が有効のような気がしたわけです。今日も2部署の方にそんな時間をいただきましたが、外の方とのフリーディスカッションと、現場の皆さんとのフリーディスカッションを両輪にしてまわしながら、考えを深めていくというのをしばらく続けようかと思います。

あと、書きながら思ったのですが、私たちも現場のマネージャーの皆さんの良きディスカッション・パートナーである必要もありますね。

《2011年1月12日》 寒い、寒い、寒い…………。そんな日でしたね。今日の緊急地震速報はどうしてあんなに皆なったんでしょうか。
【2012/01/12 23:30】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
「カタリバ11年の軌跡」~キャリアデザイン学会研究会ご案内
私も企画運営委員として加入している日本キャリアデザイン学会の次回研究会で、カタリバの今村代表が登壇されます。ご興味のある方は、学会ホームページからお申し込みください。非学会員でも参加可能です。ただし、当日会費が必要となります。

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      CDIJ【 第39回研究会 】
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            カタリバ11年の軌跡
  ~設立から高校生との「カタリバ」、そして、被災地での教育支援へ~       
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  ・日 時    2012年2月4日(土) 14:00~16:00 ※13:30開場
  ・場 所    法政大学市ヶ谷キャンパス ボアソナードタワー25階会議室
  ・定 員    先着50名
  ・参加費   会員/無料 一般/3,000円
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  主な内容
  「創設から11年目を迎えたNPOカタリバの創業者で代表理事の
  今村久美さんにおいでいただき、これまでの活動や震災の被災地
  で子供の教育のために心血を注いでいる現在の活動などのお話を
  お聞きします。」
      カタリバHP
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講 師 今村久美 (NPOカタリバ代表理事)

岐阜県高山市生まれ。慶應義塾大学環境情報学部卒業。2001年に任意団体NPOカタリバを設立し、高校生のためのキャリア学習プログラム「カタリ場」を開始。2006年には法人格を取得し、全国約400の高校、約90000人の高校生に「カタリ場」を提供してきた。2011年度は東日本大震災を受け、被災地域の放課後学校「コラボ・スクール」を発案。第一校目の「女川向学館」を宮城県女川町で開校し、被災地の子どもに対する継続的な支援を行っている。2008年「日経ウーマンオブザイヤー」受賞。2009年内閣府「女性のチャレンジ賞」受賞。文部科学省生涯学習政策局政策課教育復興支援員。明治学院大学非常勤講師。

テーマ カタリバ11年の軌跡
~設立から高校生との「カタリバ」、そして、被災地での教育支援へ~

趣 旨 地方から首都圏の大学に入学し過ごす日常の中で、子供たちが、地方と都会、学歴、所得などの格差なく未来への希望と想像力を持てる機会が得られることの大切さを実感し、その実現を目指して、2人の女子学生が立ち上げ、育ててきたカタリバ。現在までに、約10万人の高校生に、4000人の若者との出会いとカタリバ(かたり場)を提供し、震災後は、全壊地区の宮城県女川町と、岩手県大槌町で放課後学校を開校しています。こうした活動を通して、カタリバが見てきたもの、感じ、考えてきたことを、創設者で代表理事の今村久美さんに語っていただきます。創業、失敗の許される環境での若者の力、キャリア、教育、震災後の社会と子供たち・・改めてこの時代状況の中でのキーワードが見えそうです。


《2012年1月11日》 一橋大学の国立キャンパス⇒東京大学の本郷キャンパスと大学続きの1日でした。国立は寒かった。
【2012/01/11 23:15】 | キャリア~全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
対現場意識が二極化しているという話
ここのところ続けている研修ベンダーさんとの1時間ディスカッション。いずれも大変に刺激になります。先日は「丸投げ」の話を書きましたが、ちょっとその関連で今日も書いてみます。

能力開発担当者の対現場意識というのは、どうやら見事に二極分化しつつあるようです。

現場に踏み込みたくないという態度が明確な人事部、能力開発担当というのがあるそうです。特に規模の大きい会社の方に多いそうです。まあ、現場に踏み込んでも、協力してくれないだろうし、そんなマンパワーもないし、そもそも別に踏み込みたくもないし、というないないづくしが理由でしょうか。

となると、何のために仕事をやっているのでしょうか。仮に研修を実施したとしたら、その結果、現場はどうなったのかに興味がわかないというのはなかなか不思議です。サーベイやアセスメントの空爆によって、現場を把握しているのかもしれませんが。

方や、目茶目茶、現場に入る込む担当者というのもまた少なからずいるようで、これも増えているようです。とにかく自分が現場に対して何か貢献をしたい支援をしたいという思いが強く、始終現場のマネージャーとあれやこれやとやっているような人です。こういったタイプの人は、圧倒的に女性が多いようです。ただ、これを個人でやり過ぎると担当が交代した際のギャップの問題が出ます。ですから、そんな中でもさらに聡明な人は、その思いを仕組みに落とそうとするわけです。そうすると、やや思いは薄れても、後任は嫌でも似たようなアプローチをすることになります。大切ですね、そんな考え方。

《2012年1月10日》 先週末に思いついて東京大学の佐藤博樹先生のところに当社のビジネス上の相談にお邪魔しました。思えば、企業と大学の先生の距離というのはずいぶんと近くなったものです。これはお互いにとって、すごくいいことだと思います。と勝手に思っています。
【2012/01/10 23:33】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
繁盛店と結果としての予定調和
東京大学の中原淳先生が、ラーニングを仕掛けたい人々、新しいラーニングを創造したいと思う人々(中原先生いわく「ラーニングプロデューサー」及び予備軍)のために【ファン】(本当は発音記号なのですが、打てません。fanとfunのかけ言葉ですね)という「怪しさ満点の勉強会らしきもの?」を始められました。まずは口火として、金曜日にユーストで2時間にわたる企画がリリースされています。もちろんリアルタイムでは見られないので、週末にでもと思っていましたが、どうにも時間が確保できずに、前半しかまだ見ていません。

ファン・コミュニティについての話から、たまたま仕事からみで感じたことを今日は整理します。舘野さんはコミュニティにおけるファンを中間管理職としてとらえる比喩を使われていました。なるほど立場的には似ているなと思いますが、ただ中間管理職というのは役割として与えられたものであり、ボランティア性の部分では差異があります。いずれにしても、何かに例えて考えることは、とても有益です。

流行っている飲食店には必ず常連がいます。逆にいえば、良い常連を確保できない飲食店は長くは続きません。テレビで放映されて一気に行列店になっても、常連が確保できなければ翌月は閑古鳥が鳴きます。いわゆるフラッシュ・マーケティング(グルーポンみたいなやつですね)なんかも一瞬はお客が押し寄せても、何度も使うと逆に下手をすると常連をつぶす施策になりかねません。繁盛店作りとは、常連作りに他なりません。常連を作るには、いうまでもなく2つのステップがあります。まずは、取りあえず1回、足を運ばせること。そして、次は1回、足を運んだ顧客に「もう一度来たい」と思わせることです。前者も容易ではありませんが、何よりも大変なのは後者です。そして厳しいことに、常連は必ずある比率で消えていきます。転勤、転居、卒業、ライフステージの変化、などなど、なかなか人はずーっと同じ店に通い続けることはできません。

常連は店を育てます。常連の目と舌は以前の店と今日の店を比較します。店主や料理人とコミュニケーションをとるようになった常連は、良いところを褒めもし、問題点を指摘もします。また、常連を離さない、飽きさせないために、店は新たなメニューやサービスを継続的に考えなければなりません。でも、本当に大切な部分まで変えてしまうと逆に常連が離れていくこともあります。この頃合いは実に難しいものがあります。常連は自らの意思で店を決める存在です。そして何より大きいのは、常連は店の雰囲気を作ります。これはもう、店主が想定したものを超えていく強さがあります。ただ、常連の結束が強すぎると、一見の客が入りずらくなります。常連も最初は一見です。一見の客がまったく入りずらくなるのもまた問題です。ただ、常連が「これぞ」というその店にあった人を同伴して訪れることにより、その問題はある程度解決することもあります。常連が「これぞ」という人に紹介する店は、間違いなく繁盛するといえます。紹介された人も、おそらくリピーターになるでしょう。その意味では、常連は大切な営業担当でもあります。

例えば、Learning Barにも多くの常連がいたと思います。あの雰囲気は、中原先生と、準備に奔走してくれていた学生の皆さんと、参加者が作っています。参加者のコアにはリピーターが機能していた面もあるでしょう。そして、雰囲気に合わない初訪者は自然と去っていきます。そうなると、だんだん雰囲気が濃くなり、それを「結果としての予定調和」と呼ぶ人も出てくるでしょう。そうすると、新しもの好きの店主であれば少しものたりなくなります。別ブラントの新店を出したくなるわけです。そうして、私たちはますます素晴らしいものを楽しむ機会を得ることができます。



【2012/01/09 23:59】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
採用活動をはじめるにあたっての雑感
来週から、採用関連のセミナーで話をするので、今日はPPTの原稿をつくったり、あれこれと思いをはせたりとして半日くらいを過ごしました。採用セミナーで話をするといっても、私の場合は会社の説明をするわけではありません(そういうことをするタイプのセミナーもありますが)。どちらかというと、仕事について、また仕事を選択することについて、といったような広い話をさせていただきます。また、再来週に大学で1コマ講義させていただく(経営学概論の中の一コマ)ので、その構成もふわふわと考えたりしましたが、そこでも学生に何を伝えたいかということを改めて考えたりしました。

私たちは幸せなことに、数合わせの採用をするつもりはまったくありません。採用充足数で採用担当者を評価するつもりも毛頭ありません。もちろん自社の魅力を適正に学生に伝えて欲しいと思いますし、きちんとアトラクトすることが自分達の大事な役割だと担当には理解してほしいと思います。ただ、何よりも社会人として魅力的な人であって欲しいと思います。学生たちが社会に出る入口としての就職活動、そこで出会う社会人が生き生きとしているか、ボヤキばかりの連続か、これは彼ら彼女らの「働く」というイメージに大きな差をつけます。また、意地悪な面接や、必要のない拘束や、高飛車な態度は、やって欲しくありません。もちろん仕事の中ではダークなこともありますし、結果的に相手を傷つけることになることもでて来ます。でも、採用活動でそんなことをやる必要はありません。

優秀な人材を採用することは、企業にとって実に大切なことです。ですから採用は大切な仕事です。ただ、経験者採用と新卒採用では少し違います。私たちは社会人代表として彼らと対峙するのですから、社会人としての誇りとプライドを持つ必要があります。彼ら彼女らに働くということにまず前向きになってもらい、働く壁をきちんと乗り越えさせてあげる役割があるともいえます。そんなことがまったく必要のないような突き抜けた学生もたくさんいますが、大多数の学生は迷い悩んでいますから。

10年くらい前から、他社の人事の仲間と学生支援のチームを回しています。昨年は、少ない人数ながらも直接、学生と接しながら彼ら彼女らの成長を実感しました。また、こちらもずいぶんと長くなりますが、友人が立ち上げた学生に対して社会人がメンタリングをする世界を作ろうというグループに入り、こちらでも昨年は直接学生と接点が持っていました。同じようなことを考える人がとても増えているような気がします。いろいろなご案内もいただきます。就職支援を前面に出しながらも、きちんとメンタリングをしているような取り組みも増えています。逆にテクニックに終始する支援を延々としている取り組みもあります。

採用活動の場面の中でも、学生の成長を支援しようという態度の人事担当者は非常に多くなっています。また、成長を実感できてこちらが嬉しくなるような場面にも多く遭遇します。不合格を出す学生に対しても、後につながるようなフィードバックをしてあげる人事担当者も多いです。ただ、もちろんそうでない人事担当者もいます。また、フィードバックが面接テクニックだけになってしまうような人事担当者もいます。

毎年、学生との年齢差が開いていきます。ただ、自分にはどうもそれがきちんと実感できないのですが。私よりもずいぶんと若い採用担当者の多くに、ここまで書いてきたポジティブな方向での変化がここ1~2年、富に感じられます。そういったタイプの人が外に出て集まっているという傾向があるのかもしれませんが、少なくとも小さなうねりにはなっているような気がします。

大学の先生方、大学のキャリアセンターの方々、採用ベンダーの皆様と企業がさらによく連携して、また採用活動の場以外での学生との接点をさらに多くもって、新しい何かができる素地ができてきています。

書き始めるときに思っていたこととまるで違う方向の話をだらだらと書きましたが、学生を力づけ、学生に力づけられるシーズンが本格的に始まります。

《2011年1月8日》 今年の目標としてとにかく1日1万歩は歩き、年間で400万歩は歩こうといっています。今のところはクリアなんですけど。





【2012/01/08 23:58】 | キャリア~学生・就職・採用 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
「丸投げ」の話
先日、ある研修ベンダーから聞いた「丸投げ」の話です。

研修自体を「丸投げ」したり、企画提案まで「丸投げ」するというのは、まぁ聞く話ですが、研修フォローを「丸投げ」しているという話です。
今や研修をやること自体が自己目的化しているような能力開発担当者はさすがに減っており、研修前⇒研修⇒研修後までをトータルでデザインできて初めて少なからず研修の効果を担保できるとの認識を持っていると思います。その会社の担当者もたぶんそういう思いはあるのでしょう。だから事後フォローを入れたのでしょう(もしかすると研修ベンダーの意見を無判断に取り入れているのかもしれません)。

ただ、そのやり方が「丸投げ」です。

その理由がまた振るっています。「人事の人だと、誰もほんとのこといわないでしょ。だから、やってよ」。まあ、確かにそんな傾向はもちろんあります。だから、人事担当者は皆、必死に現場との関係構築をしようと努力しているわけです。信頼を得ようと努力しているわけです。研修のあとは、現場に入り込む最大のチャンスです。

そして、そういった企業に限って、サーベイやアセスメントが好きなのだそうです。様々なデータをもとに現場はどうなっている、現場は何を求めているなどということを理論構築して経営層とのやりとりをするのでしょうか。ほとんど現場との対話をせずに。

ほんとにそんな人事部があるのかどうかはわかりませんが、そんな話を聞いて思い浮かべるのは、CNNが流す湾岸戦争のミサイルによる空爆の映像です。あの時に私たちがまず感じたのは、リアル感のない映像の中での戦争でした。でも、実際の現場はリアルそのものです。壮絶な死体も累々としてあります。データではなく、1つひとつの事実にリアルに迫ることによって、本当の施策は出てくるはずなのですけどね。

ただ、自分も少なからずそんな楽をしてしまう傾向があるんじゃないかと、常に疑っていかないといけないですね。いずれにしても、いろいろな人と四方山話をしていると、いろんなことを感じ、考えることができます。

【2012/01/07 23:58】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
ストレッチ系の学ぶ力~経験学習の3要素
神戸大学の松尾睦先生が整理されている経験から学ぶための3要素のうち、昨日はエンジョイメントを取り扱いましたが、今日は基本に戻ってストレッチについてみてみます。

 ①ストレッチ…問題意識を持って、新規性のある課題に取り組む
 ②リフレクション…行為を振り返り、知識・スキルを身につけ修正する
 ③エンジョイメント…仕事のやりがいや意義を見つける

成長のためにはストレッチが必要、背伸びが必要ということは、多くの人が指摘します。スポーツの世界なんかでもそうですね。このストレッチには2つの難しさがあるようです。

1つ目はどのくらいストレッチすればいいのか。
松尾先生がラーニングイノベーション論に登壇された際にうかがった話では、プロジェクトマネーシャーの場合は一般的には120%、コンサルタントの世界では150%かもしれないといったお話でした。製粉業界の出荷目標だと101%でもストレッチなのですが。その際に、松尾先生の話を受けて中原先生がわれわれ受講生に「あなたはどのくらいのストレッチが適切だと思うか」という問いをされました。110%から150%までばらつきましたが、120%と130%にかなり集中していました。ただ、この問題、テーマと相手によっておのずと考え方は変わってきます。そのあたりの臨機応変さも必要なのかもしれません。

そしてもう1つはストレッチする機会が与えられない人はどうすればいいのか。
私は幸いにも仕事に恵まれた方であり、あまりそういった気持に陥った経験がありません。でも、成長意欲が高い人がストレッチの機会を与えられないということは、非常にきつい状況だということは理解できます。

こういったことも踏まえて松尾先生は3つの方策を整理されています。(P75)

方策① 挑戦するための土台を作る
方策② 周囲の信頼を得てストレッチ経験を呼び込む
方策③ できることをテコにして挑戦を広げる

比較的伝統的大手企業においては、本当に激しいストレッチ経験は20代後半から30代にかけて巡ってくるケースが多いようです。それまでに自らの土台をどう作っているかで、ストレッチ経験を乗りこえられるかどうかはかなり違ってきます。もちろんだからといって合目的的に経験を積む必要ないのですが、何にしても与えられた仕事を徹底的にこなすことなのでしょう、しかも自分なりの視点を持って、オリジナルを意識して。そうこうしていると方策②のように誰かがみてくれていて、さらには方策③のように世界が広がってくるというものでしょうか。

もう1つの問題である過剰なストレッチへの対応というのは、なかなか難しいものがあります。ますます、出来る人に仕事がまわってくる時代です。組織の仕事を適切にデザインしないと、まったくストレッチのない仕事をやっている8割の人と、目茶目茶ストレッチに満ちた仕事をしている2割の人という組織ができあがってしまいます。そんな中で、給与水準が歴然と違えばいいですが、横並び的な処遇が続くと、もう2割の人は気持ちが持たない可能性があります。

過剰なストレッチに陥っている場合の対処策の1つとしては、他者との関係があげられます。自分でやりきれない場合は、他者を使う以外になかなか方策はありません。指揮命令系統以外の人をうまく自分の仕事に使うことができれば、過剰なストレッチを対処することが可能になります。他に、何かいい方法、ないですかねぇ。

《2011年1月6日》 新年始業3日目。とりあえずは追っかけられる感なく仕事ができていますが、明日も昼からお仕事です。


【2012/01/06 23:52】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
エンジョイメント系の学ぶ力~経験学習の3要素
神戸大学の松尾睦先生が整理されている経験から学ぶための3要素の復習です。

 ①ストレッチ…問題意識を持って、新規性のある課題に取り組む
 ②リフレクション…行為を振り返り、知識・スキルを身につけ修正する
 ③エンジョイメント…仕事のやりがいや意義を見つける

私がこのお話を始めて伺ったのは、ラーニングイノベーション論だったはずですが、ストレッチとリフレクションというのは、そりゃそうだよなと誰しもが思うものですが、これにエンジョイメントという言葉を加えられたところが、松尾先生の素晴らしいところではないかと感動したのを覚えています。そう、人はストレッチとリフレクションだけだと続かないのです。ストレッチとリフレクションだけだと、誰もが「仙人」になってしまいそうです。

ただ、エンジョイメントという日本でもおなじみの言葉を使用したがために、誤解を受ける可能性も出てきます。極端な誤解でいえば「楽しけりゃいい」という感じで楽しみを追及していくというとらえ方です。

松尾先生の定義は「エンジョイメントとは、仕事自体に関心を持ち、やりがいや面白さを感じることで意欲が高まる状態、および仕事をやりきることで達成感や成長感を感じている状態を指します」(P104)とあります。

ただ、これも定義ですので、やや綺麗過ぎます。現実のインタビューからの言葉が重みを持つのでこれもいくつか引用させてください。

『やりたいことにこだわり過ぎる人は伸びません「サラリーマンとはこういうものだ」と腹をくくり、達観できる人は伸びます。腹をくくり、覚悟を持って臨めば、成長のための根っこができるのです』(多くのヘッドハンティング業務を経験してきた経営者)

『自分に合う仕事なんかないですよ。自分が仕事に合わせないといけないでしょう。だって、まるで経験のない人が、あれもダメ、これもダメと言っていたら、やる仕事なんてありませんよ。没頭すれば、その仕事がだんだん好きになりますよ』(すきや橋次郎 小野二郎氏)

『イヤなことでも集中して続けていると、面白いとか面白くないとかの境界があいまいになり、肯定的な変化が起きます。なんだか楽しくなる瞬間や、「これは何だろう?」という意外な発見です。そうした面白さの兆候が現れてきたら、それも逃さずに深掘りすると、当初つまらないと感じていた仕事にも、やりがいを感じるようになります』(とあるマネージャー)

これらのインタビューを読むと、エンジョイメントの意味が少しわかってきます。

松尾先生はエンジョイメントを得るための方策として3点をあげています。(P105)

方策1.集中し、面白さの兆候を見逃さない
方策2.仕事の背景を考え、意味を見いだす
方策3.達観して、後から来る喜びを待つ

逆に指導者側もこれを意識すればいいのですが、指導者が意識して直接的に提供できるのは、方策2だけかもしれません。方策1は何よりも本人が前向きに、もしくはせめてニュートラルに仕事をとらえない限り難しいところがあります。最初の配属場所をずっといやだいやだと思っている新入社員にはなかなか難しいところがあります。方策3については、なかなか若手には厳しいものがあります。成長実感というのは必ずしもすぐには得られないものだということを受け入れられない「せっかち者」がどうしても増えています。

実は、ストレッチ、リフレクション、エンジョイメントの3要素のうち、エンジョイメント系が一番大切なのではないかと思います。これがある程度、満たされることによって、ストレッチ系、リフレクション系は結果としてついてくるところもあります。

《2012年1月5日》 始業2日目。正月の雰囲気はもうまるでないですねぇ。でも、やっぱり仕事は楽しいです。

【2012/01/05 23:28】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
OJTで人材をつぶす指導者の傾向&OJTチェックリスト
まだ「経験学習入門」からの引用は続きます。本書では最後の方はOJTについて扱っています。ところで、OJTについて松尾先生が監修された「DLL」という診断がダイヤモンド社から出ているのはご存知ですか。

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OJTの機能不全が叫ばれる今、若手社員の育成担当者に目指すべき指導方法を明示し、育成の原則を身につけさせることが重要です。DLLは優れたOJT指導の方法を科学的に分析し、明確化した診断プログラムです。DLLを活用することにより、今まで現場まかせだったOJT指導担当者の指導の実態が「見える化」できます。また、OJT指導担当者が自らの指導の良い点・悪い点を把握し、指導の改善につなげることができます。DLLは神戸大学大学院・経営学研究科教授 松尾 睦氏とダイヤモンド社による共同研究を基に開発されました。

1.優れたOJT指導の方法を明確化! ~優れたOJT指導担当者の指導方法を科学的に分析して作成されています。
2.OJT指導者のタイプ診断により、特徴の把握が容易! ~OJT指導者をタイプ分け。それぞれの特徴をわかり易く解説するとともに、改善点も指摘しています
3.最先端の学術的知見を基に開発! ~経験学習、熟達化研究の分野において、最先端の研究を行う松尾 睦・神戸大学大学院教授による、「OJTの指導方法と指導能力の関係」についての調査・分析を基に開発されました
4.問題指導を起こしやすい指導行動を指南! ~現場における具体的な指導がわかり、問題につながる行動をわかりやすく指摘します。
5.利便性の高いWEB診断! ~WEBによる診断は場所・時間の制約が少なく、個人情報も安全に守られています。
********************************************

別に宣伝をするわけではないですが、以上が概要です。OJTは日本企業の伝統的な育成手法でしたが、あまりに科学化されておらず、現場任せであるのが欠点であり、昨今では「OJTの崩壊」を誰もが指摘しています。今から考えると、身が方上がりの成長を日本全体が享受してきた「あの時代」だからたまたま偶然に機能していたもののようにする思えます。ただ、OJTにはいくつかのつぼがあり、以前はたまたま偶然につぼを押さえていたのでOJTが機能していたと考えると、意識的につぼを押さえることができればいいじゃないかという考えに至ります。そんな思いで若手の育成を再検討しようという方には役にたつところが多分にあるかと思います。

話が横にそれてそのまま行ってしまいそうですが、今日、書き残しておきたかったのは「人材をつぶす指導者の傾向」についてです。松尾先生は膨大な調査の結果、ある程度、人材をつぶす傾向のある人を整理されています(P182)。

人材をつぶす傾向の強い指導者とは、おおよそ以下のような傾向がみてとれます。

□1年目の社員に対して ……「目標のストレッチ」と「ポジティブ・フィードバック」が不足している。成長のイメージを持たせたり、成長を期待することと、成長していることを伝えることが不足している。ある意味「放ったらかし」の指導方法をとっている。

□2年目の社員に対して ……「目標のストレッチ」が過剰になる傾向がある。懸命に手を伸ばしても届きそうもない目標を持たせたり、過度に成長を期待することによって、つぶれてしまう若者が出ている。

一言でいうと「一年目の放置と二年目以降のスパルタが若手をつぶす」ということになりますね。

こういった様々な考察を踏まえて「経験学習入門」では、OJT診断チェックリストを提供しています。12の項目についてセルフチェックすることにより、自らのOJT力を自己診断し、強みと弱みを自己認識することができます。こういったチェックリストの活用は時には大切です。

〓OJT診断チェックリスト〓

《目標のストレッチ》
①懸命に手を伸ばせば届く目標を立てさせている
②成長のイメージを持たせている
③成長を期待していることを伝えている

《進捗確認と相談》
④こちらから声をかけている
⑤定期的に個別ミーティングを行い、しっかり聞いている
⑥こまめに時間をとり、取り組みが見えるようにしている

《内省の促進》
⑦成功失敗の原因を本人に語らせている
⑧成功失敗のパターンを認識させている
⑨より良い方法を考えてもらっている

《ポジティブ・フィードバック》
⑩成功失敗にかかわらず、まずは労をねぎらっている
⑪まず良い点を伝えてから、問題点を指摘している
⑫普段の仕事の中で成長したと感じた部分を伝えている


《2012年1月4日》 本日、仕事始め。午前中は普通に本社で仕事をして(正月雰囲気まるでなし)、午後から千葉の特例子会社に。1周年を迎えるので、ちょっと改まって記念式典。創業メンバー4名に対して勤続1年表彰。これまで1年もったことがないという人もいるだろうけど、ここでは皆が頑張っている、きっと長く勤めてくれるはず、そんな思いで一杯。終了後、門前仲町まで行き、深川不動尊にて祈願。ものすごくいい場所で太鼓の音を30分、腹の底から聞きました。


【2012/01/04 22:48】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(1) | page top↑
「ノウイング」(Knowing)」
続きますが、松尾睦先生の「経験学習入門」の中で「ノウイング」(Knowing)」という言葉がストレッチ系の学ぶ力の背景にある理論の1つとして紹介されています。

『クックとブラウンという研究者は、知識は人から人へ、書物から人へと移転されるものではない、と主張しています。彼らによれば、人は、他者の知識や書物の知識を「道具として」使用しながら、新しい知識を作りだしているのです。こうした知識を作りだすす行為を彼らは「ノウイング」(Knowing)」と呼んでいます。』(P84)

このあと自転車の乗り方が例として使われていますが、多くの人が親に自転車の後ろを持ってもらいながら、ハンドルの持ち方、重心の使い方などを説明されて、苦労の結果として自転車に乗れるようになりますが、その言葉にしたがって自転車に乗れるのではなく、言葉を拠り所にして自ら苦労の末に自転車に乗れるようになる、というものですね。つまり私たちは自転車の乗り方という「知」を創造したのだと松尾先生はいっています。

そして、企業において「ノウイング」が死に瀕していると指摘されています。その張本人の1つは、組織内のノウハウを共有し、業務を効率化するために作られた知識データベースの普及です。引けばいい前例がそこにあるのですから人は考えなくなります。この考えないということの回避と、効率化をどう共存させるかは大きなテーマです。前著「経験からの学習」ではこのことを「知識共有のジレンマ」としてとりあげていました。まさに大きなジレンマですね。大学生のレポートでインターネットからのコピペが横行するのも同じ文脈の話です。

もちろん「記憶」という行為を外部に委ねて、あたかもクラウドコンピューティングのようにインターネットから情報を取り出すというのは、あっていいのだと思います。ただし、経験学習サイクルにおける「内省」と「教訓の引き出し」はそれでは絶対にできません。得た情報に何らかのオリジナリティを加えなければ、それは誰がやってもいいことです。自分なりの知を創造することはできませんし、存在意義を主張することもできません。ただし、高度にシステム化されたビジネスの中では、人が何も加工を加えずに知識データベースのとおりに仕事をすることによって成果をもたらすというモデルもありです。ただし、この場合、モデルの創設者には莫大な利益が落ちるでしょうが、1人ひとりの働き手は代替が可能な存在ですから、低コストの労働力として扱われることになります。機械化するよりもコストが安いから、機械化が難しいから、存在しているというだけになりかねません。考えないというのは実に怖いことです。

ガンダムにもマジンガーZにも人が乗っています。あれはロボットがマシーンとしてプログラムされた動きをするよりも、様々な情報を集めて、直感や意地や勇気や愛といった感情すら交えて人が行動を決めた方が高い成果を出せるからに他なりません。以下に高度に機械化されても、人が「考える」ことさえあきらめなければ、人の価値があるという明確な例だと思っています。

「ノウイング」(Knowing)」という言葉を職場の中でも少し意識をしてみましょう。

《2012年1月3日》 六本木へ。やっている店、少ないですねぇ。


【2012/01/03 18:31】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
素直な人、素直になれなくて
採用したい人材像で「素直な人」をあげる人事担当者は少なくありません。どんな若手が伸びますかという質問に「素直な人」と回答する諸先輩も多いんじゃないでしょうか。でも、「素直な人」ってどんな人でしょうか。相手がいうことを何でも、ハイハイと聞く人を指して「素直な人」といっているわけではないと思います。

昨日ご紹介した松尾睦先生の「経験学習入門」に東京消防庁で「伝説の救助隊長」といわれた元消防隊長の方が語られた言葉が載っています。

「伸びる人材は素直な人です。僕が言う素直な人とは、良いと思ったことを合理的に吸収していける人間です」。

そんです他者から言われたことを何でもかんでも盲目的に受け入れてしまうのではなく、他者の意見をよく吟味して自分がなるほどそうだと思ったことは積極的に取り入れることができる人が「素直な人」なのではないでしょうか。合理的ではないと判断したことは、受け入れなくてもいいわけですが、それはあくまでも「未来に開かれた合理性」で決めるべきものであり、過去の意地やプライドで決めるものでもありませんし、今の怠惰や億劫さで逃げるものでもありません。

簡単なようでこれがなかなかできません。プライド、怠惰、意地、億劫、様々な要因で人は「素直」にはなかなかなれないのです。そして、これは経験を積むほど難しくなるきらいがあるので要注意です。

「他者からのフィードバックを取捨選択し、本質的なものを見きわめて受け入れ、未来につなげること」(同書96頁)が何よりも大切だと松尾先生は書かれていますが、まさにこれがフィードバックを受ける極意です。この場合、結構、「誰が言ったか」がキーになります。残念ながら人間は感情の生き物ですから、言われる人によっては「素直」になれないこともままあります。ですから、自分が「素直」に耳を傾けることができる人を何人持つかというのはとても大切です。そういった存在は、まさにメンターだといってもいいでしょう。

逆にこの人のいうことはどうしても「素直」に聞けないなという人もいますよね。それは無理をする必要はありません。人の感情というのは自然に湧いてくるものですから、どうこうできるものではないのです。これは大切なことです。ただ、「この人のいうことはどうしても素直に聞けていない」ということをきちんと認識することができていれば大丈夫です。「セルフ・アウェアネス」ですね。「素直」になることは難しいですが、自分が今、どんな状態であるかに気づき意識していることは、意識して鍛錬すればできるはずです。

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《2012年1月2日》 初詣のかわりにお墓参りにいってきました。昨年亡くなった父が浦安公園墓地に眠っているのですが、大みそかの日に添えた花はまだまだ元気に見守ってくれていました。この墓地は、家族が皆、市内の人なので、墓参り頻度が非常に高いように思えます。いずれのお墓も綺麗な花が飾っていました。



【2012/01/02 22:12】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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