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障害者雇用納付金勘定の今そこにある危機
障害者雇用についてマクロ的に見てみましょう。

障害者雇用数は、平成14年に24.6万人から、綿々と増加を続け、平成23年には36.6万人となっています。雇用率でみると、1.47%が平成22年には1.68%まで向上しました。平成22年7月に短時間労働者が算入されるようになり分母が増えたため、平成23年には1.65と若干低下しています。ただ、法定雇用率は1.8%ですから、まだ未達状態であることは間違いありません。

障害者雇用の促進のために、雇用納付金制度があるのはよくご存知だと思います。

常用労働者200名超の雇用率未達成企業から納付金を徴収し、雇用率達成企業などに対して調整金・報奨金を支給するとともに、各種助成金を支給する仕組みです。

例えば、納付金の徴収は不足1名あたり5万円/月、達成企業への調整金の支給は超過1名あたり2.7万円/月です。障害者雇用率は1.8%ですが、これに4名不足する企業は、5万円×12カ月×4名=240万円の納付が求められることになります。達成率が極度に悪い場合は、社名公開等のペナルティもあります。

ある程度、経済の原理で雇用率を高めようとしているのが雇用納付金制度です。その成果によって冒頭の向上具合がもたらされたということにもなります。しかし、雇用率の向上は良いのですが、障害者雇用納付金勘定に大変なことが起こっているのはあまり知られていません。

雇用率の向上によって、平成18年には納付金等による収入(212億円)を調整金等による支出(226億円)が上回ります。つまり単年度赤字に陥ったわけです。ただし、それ以前に450億円という莫大な累積黒字があったため、これを取り崩すことで今日まで成り立っています。なんか、日本という国にはあらゆるところでこういった図式がまかり通っているようです。

しかし、平成19年度以降も、雇用率は高まり、平成22年には単年度で99億円もの赤字になり、累積黒字も158億円まで減りました。誰がどう考えても、このままいくと平成24年には累積黒字を食いつぶすことになります。

障害者雇用促進法では、法定雇用率は少なくとも5年毎に政令で見直すとしています。前回の改定が平成19年ですので、実は今年がこの改定年になります。

何でもそうですが、財政赤字を解消するためには、収入を増やすか、支出を減らすしかありません。支出を減らすためには、調整金・報奨金の単価を下げたり、基準を高めたりすることになります。そして、収入を増やすためには、法定雇用率を高める以外にはありません。在籍目的のみで雇用率を云々するものではありませんが、現在1.8%の法定雇用率が、いずれ上がることは間違いないと思っていいでしょう。


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【2012/03/27 23:55】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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