エレベーターに乗ると、どうも自然に制御盤の前に立ってしまいます。そして、開・閉のボタンの制御に精を出してしまいます。これは、自宅のマンションのエレベーターでも気付くとやっています。
この習性、まさに新入社員の頃の刷り込みです。 新入社員として営業所に配属され、先輩・上司・顧客と一緒にエレベーターに乗る機会が多々ある中で、当然のこととして指導されました。変な話、先輩と先を争って制御盤の前の定位置を争うようなくらいでした。 ただ、改めて思うのですか、これって自社ビルをもっている会社ならではの風習かもしれませんね。高層ビルのワンフロアだけ借りている会社とはまったく違うでしょう。自社ビルで出会う人は、すべて自社の社員かお得意先・取引先、ですから、新人営業担当としては、当然エレベータへの制御は仕事です。でも、多くのテナント・オフィスの1社の立場としては、ビルで出会う人は多種多彩です。ですから、エレベーターで先輩と先を争って制御盤の前のポジションをとるなんて行動をしたら、気味悪がられること間違いありません。 エレベーターでつい、制御盤の前に立ってしまい、開・閉ボタンをコントロールしている人をみると(結構、いるものです)、しつけの厳しい自社ビルを持つ会社で社会人生活をスタートしたんだなぁ、この人、とつい思ってしまいます。 《2012年5月31日》 送別会。道路で呑んでも寒くない季節がきました。 スポンサーサイト
|
本日は各社の人事の集まる集団「ごじかん会」のスピンオフ企画、『内定者OR新入社員にどういうメッセージを発しているのか共有会』でした。
仕事終了後、19名のメンバーが集まり、8社の事例をそれこそ超濃密に交換しあいます。聴くだけではなく、伝え合う会です。ただ、8社プレゼンのあとにはディスカッションをする十分な時間までとれなかったのですが、それでもかなり濃い話し合いが続きました。そして、あとは二次会で…という例のつくりです。 それぞれ素敵な発表をされました。 内定者や新入社員に語る言葉には、担当者の愛情と思いがほんとうに満ち溢れています。うちの会社に入ってとにかく頑張って欲しい、そんな気持ちに満ち満ちています。ですから、話の内容を聞いていると、その会社の雰囲気が伝わっています。その会社の大事にしているものも感じられます。内定者や新入社員には、各社とも必ずしも「会社の公式見解」を語っているわけではないんですね。自社のことをよく理解した上で、担当者が自らの感覚と裁量、そして自分の言葉で語っているわけです。担当者が好きに何でもやれる日を新入社員研修に盛り込んでいる会社もありました。というか、結構、研修カリキュラム自体を担当者の裁量でかなり決められている会社も多いようにも思います。 いつの時代も「この会社に決めた」理由の第一位は、「人」なんです。あれだけ自己分析をしたり、業界研究をしながらも、結局、決める理由は「会った人がとても○○だったから」。だから、フロントにいる人は、熱く自分の言葉で語るわけです。それも真剣に何をどう伝えようか、ひとりひとりの担当者が考えます。そんなエッセンスを8社分、伺うことができました。 企画をされた時田さん、宮本さん、ありがとうございました。 |
先週の金曜日の「Works Symposium 2012」、午後に参加した「インタラクティブセッションA-2:採用の未来~Global War For Talent 時代の新卒採用を展望する」、最後の質疑応答の際に発言された方の言葉が非常に印象的でした。
しばらくアメリカに赴任してきて日本に戻ってきた人事マンの方。戻ってきて自社の採用業務にいそしむ採用担当者をみていて何かが変わったと感じたとのことです。 新卒採用という仕事は良くも悪くも「お祭り」です。人事としては珍しく具体的な成果が出る仕事であり、達成感を得やすい仕事でもあります。新卒採用のように若手が戦略全体を描くことができる仕事は人事の中では多くはないでしょう。大変ではあるけれども、担当者自身にとっても楽しく、面白い仕事だ、というのがその方のもともとの新卒採用という業務観です。 どうも、これが違うようなのです。 私は1992年に営業から人事に移りました。最初にやらせてもらったのが新卒採用担当。バブル末期の時期です。先の質問をされた方のいうとおりの仕事だったといえます。同じ業界の他社の新卒採用担当者とも仲良くつるみながらも真剣勝負をしていました。リクナビがオープンしてから、最後の内定を出すまで会社に泊まり込んでやりつくすんだという奴もいました。私も3カ月以上は1日も休まずに働いた時期があります。そんな高揚感がある仕事でした。 訪問してくる学生との面接も今のような画一的な面接ではありませんでした。内定出しのお電話をして内定者のお母さんやお父さんとよくお話をしました。家族の雰囲気から、この内定者は辞退しそうだななどと推察したものです。ネット採用はリアルを減じています。 過去にやった仕事で一番好きな役割はと聞かれると、初めてやった新卒採用責任者と今でも答えるでしょう。会社全体を把握できる仕事ですし、経営トップにインタビューしたり、プレゼンをしたりする機会も得られます。全社の多くの人と協力しながら創り上げていく仕事でもあります。そして何よりも、人事の中ではもっとも外に開けている仕事だともいえます。 若手の新卒採用担当者にいろいろと話を聞きたい、と思っています。 |
実は自分は「ワークショップ」という言葉の定義を正確に理解していません。ちょっと以前にワークショップ・デザインとかをやっている人に、最近の研修の多くはワークショップ化しつつあるという話をしたら、あなたは「ワークショップ」という言葉を理解できていないといわれて、それ以来、この言葉を使うのが少々怖くなってもいます。
で、本書は「ワークショップ」というタイトルです。著者の中野民夫氏はよくお名前をお聞きしますが、お会いしたことがありません。フェイスブックの共通の友人は10名いましたが、まぁなるほどという人が多いです。 神戸大学の金井壽宏先生が主宰されている今年の「人勢塾」は、組織開発が主テーマのようです。ホームページでシラバス的なものが公開されており、そこに各回の課題図書が書かれていました。そして本書もその中に入っていました。確か中野氏ご自身が、今年の「人勢塾」の極めて初めの方の回で登壇されていたと思います。 「人勢塾」の課題図書は半分以上は読んだことのある本でしたが、本書を始め未読の本も少なくありません。3年前に「ラーニングイノベーション論」に参加した時、東京大学の中原淳先生が出される課題図書を毎回難儀をしながら読みました。結構、自分のテイストではない本もありました。ただ、読んでみて本当に感謝をするのですが、課題図書として強制的に読まなければ縁がなかったような本を読む機会をもらえたということは実に貴重なことです。自分でいつも読む本を選んでいては、世界は拡がりません。 ということで、今年の「人勢塾」の課題図書のうち、未読のものを数冊、酔っぱらってアマゾンに入ったとある深夜に一気に購入していました。長々と書きましたが、これが本書との出会いです。 本書は2011年に書かれています。まだまだ日本における「ワークショップ」黎明期でしょうか。非常に熱い思いを冷静に記述されています。広告マン時代の働き方なども含めて、とても魅力的な方です。 はじめににある定義的な表現には「先生や講師から一方的に話を聞くのでなく、参加者が主体的に論議に参加したり、言葉だけでなくからだやこころを使って体験したり、相互に刺激しあい学びあう、グループによる学びと創造の方法」とあります。 こういうものが「ワークショップ」だとすると、冒頭の方に自分がなぜ否定されたのかが、まだよくわかりません。言葉の解釈というのは人の数だけありますし、ワークショップ原理主義的なスタンスもあるでしょうから、まあいいのですが、言葉の使い方は難しいなぁと改めて思います。戒めます。 「参加」「体験」「相互作用」という言葉がキーになっているようでもあります。ワークショップとは「その中で安心して成長したり生まれ変わったりするゆりかご」という表現もありました。素敵なことだと思いますが、これは一筋縄ではいかないぞ、と確かに思います。 中野氏自身のワークショップの原点は、湾岸戦争をアメリカで向かえた際に大いに困惑して「戦争を止めるためにどうしたらいいのか、何ができるのだろうか?」とジョアンナ・メイシー氏に問うたのに対して、「その問いこそが出発点です。孤立せずに、集いあい、問いあうことが力です」と返された瞬間なのだそうです。そして中野氏はジョアンナ・メイシー氏を日本に招聘することに力を入れるようになります。そして実現させます。最初の年のアクシデントのお話を含めて、凄いことです。 それぞれが自分の「出発点」を持っています。これは確かなことだと思います。
|
金曜日の「Works Symposium 2012」。午前中こそ遅刻したものの、午後はフル参加で懇親会もお開きまでいることができました。おかげでたくさんワインをいただき、会社に戻ってやる残業のはかどること、はかどること。
それはそうと、私が参加してラインナップは以下のとおりでした。 ************************************************** 第1部オープニングセッション ナビゲーション:「2020年・近未来の人と組織」 パネルディスカッション 第2部分科会 研究報告セッションC-1:勉強会は「成長の危機」を救えるか 研究報告セッションC-2:近未来のリクルーティング 研究報告セッションC-3:大卒新卒採用の展望~選考活動時期・内定辞退の実態からの考察~ インタラクティブセッションA-2:採用の未来~Global War For Talent 時代の新卒採用を展望する インタラクティブセッションA-3:学びとキャリアの未来~新人の学習意欲の委縮・ミドルの学習意欲の剥落、学び続ける組織のために職場と学習機関ができること ************************************************** 一番最初のお話は『勉強会は「成長の危機」を救えるか』。ワークス研究所豊田さんのプレゼンです。 第二次オイルショック後の第一次勉強会ブーム、円高不況時の第二次勉強会ブームに続く、勉強会ブームが2008年頃から始まっています。従来の勉強会ブームがどちらかというとミドルに近い層が主役であったのに対して、今回の勉強会ブームは20代から30代の若手が中心であることが最大の特徴です。 若手が「成長」にこだわる風潮は多くの人が感じていることと思います。若者中心の勉強家ブームはこの成長へのこだわりが根底にあると考えられますが、豊田さんが最後に付け加えた「考察」は非常に興味深いものでした。 ************************************************** 外で学ぶ若手企業人の増加は、日本企業の現場がそもそも担っていた人材育成機能が弱体化し、社外に流出している現象だともいえる。組織社会化からキャリア社会化へ、本来は社内の先輩たちが担っていた社会化エージェントが外部化している。ノミニケーションに代表されるような内省の時間・機会も外部化している。それが若手社外勉強会の隆盛の一つの見方ではないか。 ************************************************** なるほど、と感じるところは確かにありますね。人材育成機能、企業内社会化エージェント機能が未だに充実している企業では、若手の社外勉強会への参加は乏しいかどうかというあたりが実証できると面白い研究になりそうですね。ただ、結果として企業が担っていた機能が外部化しているということはいえると思うのですが、若者が学び外に出だした理由が即、それであるとは感覚的にはあまりいえないような気がします。もちろん、まったく影響がないとはいえませんが。このあたりはじっくり考えたいテーマです。 《2012年5月27日》今日は果てしないパワーポイントを作りまくっていた日です。あと、真のナポリピッツァ協会の予算・決算・議案書と。来週末はお休みがないので、厳しいなあ。 |
金曜日の「Works Symposium」、どなたが語った言葉なのか、肝心なところを忘れてしまったのですが、リーダーシップについてこんな話を聞きました。
被災地のボランティア・センターにいった。そこには、多種多様な人々が集まっている。そこには優れたリーダーがおり、ほんとうに多種多様な人々が、ムダになることのないように裁いていた。そのリーダーの行動には、2つの基軸が感じられた。一つは、多様性を大事にすること、もう一つは、きちんと自分の中に物差しをもっており本質的なところでブレないこと。良好なコンフリクトは随所に生まれたが、チームとしてそのボランティア・センターは機能していた。 同質的な人の集まりの組織であり、ヒエラルキーと権限が定められている日本の企業社会では、なかなか育たないタイプのリーダーですね。でも、日本の企業もダイバーシティを推進しています。四半世紀前の正規社員のみ、基幹事業は男性のみ、もちろん日本人のみという組織に比較すると、かなり世の中は変わってきました。25年前の人事部長が今にタイムスリップしてきたら、その職場の多様性に驚くかもしれません。 ちょっと前に、リーダーシップの反対語は「カオス」であるという話を聞きました。ボランティア・センターは、優れたリーダーがいなければ、カオスに陥っていた可能性があります。事実、それに近い実態のボランティア・センターもあったことでしょう。多様性を大切にしながら、本質的にブレないこと。非常に難しい態度です。リーダーシップの本質を感じるお話でした。 《2012年5月26日》 キャリアデザイン学会の研究会、ミニ学会的な企画でしたが、大会で発表いただくよりも、濃いやりとりができています。 |
毎年恒例、Works Symposium 2012 行ってきました。
今年も非常に得るものがありました。書き残して整理しておきたいことがたくさんあります。 でも、今日は疲れたので(というか今週はほんとに疲れたので)、ちょっと残念だった話を書くだけにしておきます。まじで、まずいですよこれ。 4月に「人材教育読書セミナー」、連休後に「HITO総合研究所シンポジウム」、いずれもありがたいお話だけを聞いて、ワールドカフェの時間、ダイアローグの時間になると帰ってしまう人事担当者があまりに多いことをこのブログで嘆きました。そして、今日もなんです。 最後のセッション、二朗さんが登場する「学びとキャリアの未来」の最後の部分、進行者が会場で周りの人とちょっとディスカッションをといいます。そして、半分冗談交じりに「ディスカションしましょうとかいうと、帰っちゃう人が結構いるんですよね」といったところ、冗談ではなくそそくさと荷物をまとめて帰る人が結構な数いるのです。確かにもう終わり間近、これ以上、ありがたいお話を聞ける時間はありません。でも、ありがたいお話を聞いて会社に戻って、何をしようというのでしょうか。 「勉強会は成長の危機を救えるか」というコマもありました。私はこれにとても期待しています。成長の危機どころか、日本の危機を救っちゃおうと能天気にいます。でも、聞くだけ聞いて、ダイアローグの時間になると帰っちゃうような勉強会の参加の仕方じゃぁ、何も変わらないですよ。 と、しつこくまた書かせていただきました。 《2012年5月25日》 仕事でちょっとしたミスをして、必死にリカバリーを一日して、帰り際に報告する際に一筋の涙をみせるのは、格好いい仕事だよね。 |
5時間会という人事の担当者の横のつながりの会があるのですが、この会のスピンオフ企画として、来週のとある夜に
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「内定者or新入社員にどういうメッセージを発しているのか共有会」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ という交流会をやります。とあるメンバーがフェイスブックに熱いメッセージを書いていたのに対して、皆が「いいね」と感じて、じゃあ他のみんなが何を伝えているのか知りたいよね…と展開したものです。私も3名の言いだしっぺの1人です。 当日は、時間の都合もあり8社の担当者が自社では何を語っているかを発表、発表をされない会社の方も8社参加されます。 採用担当者には熱い思いをもった方が多いです。特に新卒採用担当者にはその傾向が強くあります。逆にいえば、熱くなければやっていけません。前面に出る熱さ、秘めた熱さ、いろいろありますが。 そして、内定者や新入社員に対するメッセージには、その人の思いや個性が明確に出ます。会社の雰囲気や風土も出ます。その意味では、これらの比較は非常に面白いものです。 新入社員研修が終わってしばらくたった時期、今期の思いを整理するためにも、次の採用に向けての思いを固めるためにも、いい時期です。 私も何を伝えようかなと思い、内定者行事や新入社員研修で使用しているPPTをちょっとみていました。あまりにコンテンツが多く、限られた時間で何を取り上げるか、悩みどころです。 これは1つ反省なのですが、何にしても、いい過ぎのところが少しあるようです。シンプルにワンフレーズの方がビシッといくこともあります。説明しすぎが悪い癖です。 何はともあれ、来週の会が楽しみです。幹事さん、ありがとう。 《2012年5月24日》 朝一番に急な会議が入ったため、明日のワークス・シンポジウムは遅刻です。いらっしゃる皆様、お会いできるの楽しみにしています。 |
人間の持つ感情のうちで最も強いものは、他人に認められることを渇望する気持ちである
心理学者 ウィリアム・ジェームス フェイスブックがこれほどまで浸透したのは、「いいね」ボタンがあるからだと感じます。私たちは、そうそう相手に賞賛の気持ちを伝えることはできません。「いいね」ボタンはそれを極めてカジュアルなものにしました。やっぱり多くの方に「いいね」と言われるのは誰でも嬉しいものです。あなたの書き込みを読んでます、あなたの書き込み「いい」ですね。このやりとりを平易で無機質にしたのが、フェイスブックのミソの1つです。このあたりの心理に上手に這い込んだSNSと、そうでもないSNSで、自然と明暗が分かれるような感じもします。 慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス。今のSFCがあるのも、開校当時の教授陣が徹底的に学生を承認し、褒めて、自信を持たせて、日本を変えることができるのは君たちだけだというメッセージを伝え続けたからだという話を昨日ききました。これも同じ文脈に位置づいている話です。 《2012年5月23日》 ある方がつないでくれた素敵な呑み会。毎日、続いて眠いなんて言っている場合じゃない。まだまだ世界は果てしなく広いですから。 |
昨日の朝、誰もが空を見上げていました。
自宅の近くの駅の広場。海に近いので見渡しがとてもひらけています。ロータリーには多くの人が集い、みんな空を見上げていました。大きな公園が近くにあるので、公園のなぎさに向うと思われる若者たちの集団もありました。 駅のホームにあがると、ホームの東側の端っこに多くのスーツ姿の人たちが集まっています。たぶん、普段、電車に乗る場所とは違うんでしょうが、忙しい通勤時間のほんのわずかな時間を割いて、空を見上げていました。 会社近くの駅におりると、ちょうどその時間でした。太陽はもう高いところに上がっているので、ビルの谷間でも見ることができるポイントがたくさんあります。本当に多くの人が、空を見上げていました。 昨日の朝は、誰も下を向いていませんでした。 皆が、同じ方向を見ていました。 そして、「見えた」「凄い」などといいながら、みんなが笑顔でした。 その傍らをせわしげにオフィスに向う人もたくさんいました。 太陽がすっかり隠れても、日差しは残ります。気温も急速には下がりません。 何かとても幸せな気分のする月曜日の朝でした。 太陽って凄い!! |
昨日引用した「コーチングの教科書」の中に、もう1つ書き残しておきたい話がありました。
「人が1分間に話すことのできる言葉」は、個人差はかなりあるものの「100から175語」程度なのだそうです。そして、これに対して「人が1分間に聞くことのできる言葉」は「600から800語」程度だとのことです。 これが何を意味するのか。人は話すよりも5倍くらいのスピードで聞くことができるのです。ですから、誰かの話を聞く時、その人の話を聞いているだけでは、時間が余ってしまいます。余った時間に他のことができてしまうのです。もっと違う言い方をすれば、人は相手の話に集中していなくても、話を聞くだけの能力を持っているのです。 そして、これが大きな落とし穴です。相手の話に集中せずに、他のことを考えていても人の話を聞けるのですから、ついつい他のことを考えてしまうわけです。そうすると、ますます相手の話には集中をせずに、他のことに頭は向かいます。その結果、5分の1の集中すら相手に向けず、ついつい相手の話を完全に聞きそびれてしまうようになるのです。人が相手の話を聞けないのは、聞くことができる能力が高すぎるからなのです。話す能力と聞く能力のミスマッチが原因なのです。 この話は、個人的には無茶無茶、腹に落ちました。 で、ここは相手の話に集中しようというときには、自分の聞く能力を極限まで低くしようと努力することにしました。もちろん、そんなことは実際にはできませんから、イメージコントロールになります。この方法、結構、役に立ちます。聞く能力を5分の1まで低くすると、相手の話すスピードと一致してくるので、他のことを考えている余裕などまったくなくなります。真剣に相手の話を聞かざるを得ません。
《2012年5月21日》 ロンドンから一時帰国した高校の同級生を囲む会。30年以上たつけどねぇ。すごく素敵な会です。 |
部下にかける言葉として「頑張ってね」というのがありますね。
そして、「頑張ってるね」という言葉もあります。 この2つの言葉、「る」があるかどうかの違いしかありませんが、言葉をかけられる側には大きな違いがあるといいます。コーチングの一人者、伊藤守氏の著書「コーチングの教科書」で読んだ話です。 「頑張ってね」というのは、まだ、自分は十分ではないと相手に感じさせる言葉なのだそうです。頑張って欲しいという期待を伝えたいという気持ちであるのでしょうが、まだ十分に頑張れていないからいわれる言葉だという撮られるといわれれば、確かにそうです。 これに対して「頑張ってるね」というのは、自分が十分に認められていると感じさせる言葉なのだそうです。なるほどですね。 相手を褒める時には、事実を認めて、それをそのまま伝えることが大切だといわれます。まずはきちんと事実をつかむこと、事実に反したことを褒められても誰も嬉しくありません。逆に、この人ってほんとに見てくれているのかなという不信感すら生まれるかもしれません。「頑張っているね」というのは、今の状況の事実を伝えている言葉なのだといえます。 褒め殺しという言葉もありますが、意図的に誘導的に褒めてしまうことって、どうしてもよくあります。褒めることをモチベーション向上のために使おうとしつつ、自分のいい方に誘導しようという「むしのいい」やり方です。これは結構、無意識にやっていることもあります。褒める言葉に上司としての意見や評価がにじみ出ると、これは素直には聞きにくいものです。 いずれにしても、スタートは相手をよく観ることです。相手に関心をきちんと持つことです。これができずにテクニックを学んでも、気持ちは伝わりませんし、何も効果は出ません。
《2012年5月20日》 スカイツリーの下まで行ったんですが、オープン前というのに凄い人でした。スカイツリー自体のデザインはどうしても好きになれないことと、高いところが嫌いなため、あまり興味がないのですが、東京の東部であれほどの賑わいが起こることについては、本当に嬉しく思います。東部回帰の始まりです。 |
新聞というのは、つくづく面白い商品だと思います。
我が家は、祖父の代から朝日新聞一筋。あとは、日経新聞の朝刊のみをとっています。こちらは出勤途中で読む用で私が持って行って、会社で捨ててしまいます。電子版はまだ食わず嫌いをしています。しばしば、読売新聞とかが売り込みにくるのですが、売り込む際のセールストークは、ご存知のとおり、洗剤であったり、チケットであったりの付帯サービスです。商品そのものの魅力をセールストークにする営業には会ったことがありません。 別に意地悪をするわけではないのですが、読売新聞と朝日新聞の編集方針の違いについて説明して欲しいとか、販売員に聞くこともあるのですが、クリアに説明をしてもらえたことはありません。本来、コンテンツそのものがまさに商品である「新聞」という商品が、商品説明もなく販売されているのは、実に面白い現象です。変な話、良くない意味で実に日本的です。 ところで、日経新聞が変わりましたね。色の具合が、ときどき勝手に入れられている読売新聞に似ている感じがして、どうにもなれません。でも、何カ月もすると自然と慣れるんでしょうね。 就職活動を始めた学生は、日経新聞を読みます。私も日経新聞くらいは毎日読むことはよいことだと思います。ただ、新聞に書いていることは正しいことだとは絶対に思わないことです。客観的な報道なんてものはあり得ません。書き方のスタンスに色が出ますし、それ以前にどの記事を取り上げるか、どの記事にどれくらいのボリウムを割くかで色が出ます。日本人は素直なので、活字になったものは信じてしまう傾向があります。ましてや、新聞に書かれていることなんかは。ですから、本来、新聞なんかも健全な批判精神を胸にして読まないと危険なのですが、商品説明も存在しない中で購読紙が切り替えられている現状を考えると、どうも危ない国だなぁという気がします。これまでも何度も簡単に世論が作られてしまってきました。でも、これからはそれはあまりに危険です。 《2012年5月19日》 営業研修のあと、MCCに15分だけ立ち寄り、大学時代のテニスサークルの同期との飲み会に。昼間はテニスをやってたのですが、そちらは不参加。呑み会も遅刻参加です。たらふく呑みました。 |
内定を得ていない学生がまだまだ多くいます。また逆に、ここ数日にお会いしたいろいろな会社の人事の方に聞く限りでは、今年の新卒採用では、十分な内定数を充足できていない企業も少なくないようです。
広く街をながめていると、人手不足で困っている企業・店舗の話はあまたにあります。一方、マスコミの報道や公開される統計では、仕事に就けていない人が多々います。 日本の人口はマイナスに転化してきています。客観的には労働力の不足が予測されます。でも、就職氷河期なんて言葉が闊歩します。 要は、大規模なミスマッチが発生しているわけです。 大学にハローワークを置くなんていう報道が出ましたが、これらもミスマッチ解消に対するささやかな対応策です。ただ、これはミスマッチを単にマッチングの問題と考えている対応策です。要はマッチングをもう少し上手にやれば就職率は高まるものだという思想です。これはこれで正しくもあります。これで改善する余地も相当にはあります。ただし、これだけで推し進めると新たなミスマッチを生み出すことになります。マッチングの成約率向上が目標になってしまうバターンです。この結果として招くのは、早期退職率の向上と、メンタルヘルス問題の拡大です。 工場の海外移転、BPOの拡大といった物理的な側面、価値を生む本質が効率性の実現から創造性の発揮に変わったという質的な側面、さまざまな側面から私たちの国が求める人材、必要とする人材、というものが変容したわけです。逆の見方をすると、日本国内における求人内容が変わってしまったわけですね。それに対して、供給側がマクロ的にはほとんど変容できていない結果が、このミスマッチです。つまり、構造が変わってしまったのに、全体がついてこれていないわけです。 私たち実務家がこの構造の変化によるミスマッチに対してできることは多くはないでしょう。でも、けして少なくもありません。新卒採用はもうさすがに採用ベンダーのいいなり、前年補正型では駄目です。自分の会社が導入しているさまざまな仕組みも1つひとつ見直す時期です。私たちはそれができる立場にいます。 また、私たち自らが学ぶことも大切です。学ぶことなくして、健全な危機感は生まれません。学ぶことに一番の価値は、今のままの自分じゃまずいと実感できることかもしれません。そして、自分が学ぶだげではなく、自ら学ぶ人を増やすことですね。さらにいえば、自ら学ぶ人を増やすことができる人を増やすことです。これができると凄い、学びのねずみ講です。そんなことを自らも楽しみながらやることができれば一番ですね。 |
「現在の新幹線の安全性や信頼性は、神話でも何でもなく、自分たちが研鑽に研鑽を重ねて、実現してきた現実そのものである。神の手によるものでもなく、また、むハードアウェアさえ整えば自動的に達成されるワケでもなく、全て日本人の手によって、積み重ねてきた成果なのだ。」
斉藤雅夫氏(元国鉄新幹線支社車両部長、元国鉄労働科学研究所長) こんな仕事をやりたいですね。 新幹線に乗る都度に、この言葉をかみ締めるようにしたいと思います。 《2012年5月20日》 腰がいたいです。寝る時間が短いときついですね、こういうとき。 |
今年のキャリアデザイン学会は、9月15日・16日の2日間にわたって、仙台・東北学院大学にて開催されます。初日のワークショップを担当させていただくことになりました。学会ではなかなか味わえないような企画を検討しています。是非、9月15日に仙台でお逢いしましょう。
------------------------------------------------------------------------------ 日本キャリアデザイン学会 第9回研究大会 参 加 者 募集 ------------------------------------------------------------------------------ ◆開催日 2012年9月15日(土)・9月16日(日) ◆大会テーマ 前え!! 生活・家族・仕事、そしてキャリアデザイン ◆主宰校 東北学院大学 土樋(つちとい)キャンパス 8号館 〒980-8511 宮城県仙台市青葉区土樋1-3-1 (Map) ◆主なプログラム (プログラム) 第一日目 9月15日(土) 9:00 開会式 9:30 テーマ部会(№1~№4) 10:55 ワークショップ 1/テーマ部会(№5~№7) 13:30 ワークショップ 2/テーマ部会(№8~№10) 15:30 キャリアデザイン学会 会長講演 16:20 キャリア政策研究・国際交流委員会活動報告 16:40 キャリアデザイン学会 年次総会 18:00 交流懇親会(仙台国際ホテル) ※終日① 主宰校企画【ポスターセッション】 ※終日② 東日本大震災復興写真展(河北新報社協賛) 第二日目 9月16日(日) ※敬称略 7:00 被災の地視察出発(仙台駅-仙台国際ホテル-アパホテル) 9:00 石巻視察(門脇地区・日和山周辺) 12:30 東北学院大学土樋キャンパス周辺到着 13:00 基調講演 遠藤 薫 (学習院大学法学部教授) 14:15 学会企画シンポジウム (司会) 吉田祐幸 (宮城県北部地方振興事務所所長) (パネリスト) 阿部重樹 (東北学院大学経済学部教授) 針生英一 (ハリウコミュニケーションズ㈱代表取締役) 中山聖子 (NPOハーベスト代表理事) (指定討論者) 中村 恵 (学会副会長・神戸学院大学副学長) 16:15 閉会式 --------------------------------------------------------------------------------------------- CDIJ 第9回研究大会 参加募集詳細 大会テーマ 前え!! 生活・家族・仕事、そしてキャリアデザイン テーマ趣旨 2011年3月11日、東日本を襲った「東日本大震災」やそれによる原子力発電所事故は、これまで私たちが経験したことがない未曽有の災害をもたらしました。現在、復旧あるいは復興に向けて多くの方々が懸命に努力され、苦労をされておられることに、日本中そして世界中の人々が心を痛め、その勇気ある、そしてひたむきな姿に感動し、敬服し、そして心よりの声援を送っています。 個人の力が及ばない、そして自分が意図せざる自然災害、そして事故や病気によって、これまで蓄くわえ、培い、そして育てきたものが、一瞬にして失われてしまうことの恐ろしさや辛さを、多くの日本人が経験しました。これまでの平凡であった生活が消え、寄り添ってきた家族や隣人が亡くなり、そして仕事や仕事を奪われることで、将来に不安を覚え、またこれからどのように生きていくのかを、自問し、またともに考えざるをえない状況に置かれています。 このような危機的な時代や状況において、自分のキャリアをデザインすることは可能なのか。またキャリアをデザインする意味はあるのか。それを問うことは、本学会の存在意義を問うことでもあります。 今大会は、東北学院大学を主宰大学として、被災地で研究大会を開催することになりました。それは我々自身がキャリアについて、キャリアをデザインすることの意味を、真剣に問い直し、また見つめ直し、学会の将来をデザインしたいという思いからでもあります。 大会が開催されます9月中旬には、復旧や復興は今まで以上に進展し、より多くの方々が「前へ」向かって歩んでおられると思います。 |
金曜日にあったインテリジェンスHITOフォーラムで、IMD日本代表の高津さんが素敵な話をされていました。
何よりも世界が急激に変化しています。それに私たちはどの程度、対応することができているのでしょうか。時代が変わったにもかかわらず、「かつての枠組み」が「原体験」として、自分たちを支配してはいないでしょうか。 そんな人たちが、まだまだ政治・経済・社会の中枢にいるので、日本は何も変われないのかもしれません。変わってしまったことを直視せずに「かつての枠組み」の「原体験」にぬくぬくと支配され続けることをよしとしているのが私たち世代かもしれません。 そんな私たち世代のマスコミが紡ぐ言葉、「閉塞感に満ちた日本」。人口が減り、右肩下がり、内向き、政治の停滞、うつや自殺の増加、確かにこれらの現象をみれば「閉塞感」という言葉に行きつくのは自然かもしれません。ただ、このように変わってしまった世界の中で、「かつての枠組み」を維持しようという強引な発想がその「閉塞感」の前提にあります。 旧来的マスコミである新聞やテレビが、インターネットの世界で「閉塞感」を感じるのは当たり前です。変化に対応ができていないからです。「かつての枠組み」での「成功体験」があまりに強すぎて、その「原体験」をアンラーニングできないわけです。 ある若者が高津さんに真顔で聞いたそうです。「閉塞感って、なに?」と。 そう、新しい枠組みに生きるヒトにとっては、今は「閉塞感」に溢れた世界ではないのです。複数の名刺を持ち歩き、起業やNPO立ち上げをしなやかにこなし、真っ先に被災地に飛び、朝の読書会参加など組織外で学ぶことが普通になる、そして徹底的なデジタル・ネイティブ。けして、今の日本は豊穣な土地ではないかもしれませんが、少なくとも「閉塞感って、なに?」といえるだけの、新しい魅力、やるべきこと、そんなものがたくさんあります。これが数10年前の「原体験」の中で生き続けているとわからないのです。 高津さんは指摘します。「フロンティアに立つこと、は本来、エネルギーの源泉」であると。 そう、自分自身がフロンティアに立っていれば、閉塞感など感じないのです。戦後の苦難の時期を超えたあと、私たちの先輩たちはフロンティアに立ち続けて今の日本を創ったのです。 新卒採用面接をやって、今の若者は内向きだとか、自律できていないとか、質が下がったとか、したり顔で語っていて自らの力不足を責任転嫁している大企業の新卒採用担当者の皆様(いうまでもなく自分も含めていっています)。「閉塞感って、なに?」といってのけることができる若者って、結構いますよ。ただ、そんな若者が、数10年前の「原体験」の中で生きているような企業の面接になんかもうこないというのが、現実なんじゃないでしょうか。 数10年前の「原体験」を抜け出すのはとても大きな痛みを伴うんでしょう。でも、私たちの「原体験」の象徴でもある東京タワーからスカイツリーに東京の代表選手が変わる今年、ちょっと何かをやりましょう。 《2012年5月15日》 あのあと、ラーメン食いました。 |
金曜日にあったインテリジェンスHITOフォーラムでの石山さんの話で初めて知ったのですが、「人事権」という言葉は日本にしかないそうです。英訳不能の日本語の1つだそうです。石山さんが引用された人事権の定義は「企業が労働者を企業組織の中に位置づけ、その地位・役割を定め、その労働力の活用を図る権限」(菅野和夫「新・雇用社会の法」より)とあり、配置転換命令に対する拒否のケースに代表されるような、「不服従を許容しない絶対的な権限」と捉えられてきました。過去の幾多の裁判例でも、よほど特殊なケースを除いては、転勤や職種変更などは企業がその人事権の行使に基づいて実行できると容認しています。
怖いですね「人事権」。 これは従業員からみると本当に恐ろしいことなのですが、実はここには大きなトレードオフがあります。それが「解雇権乱用法理」と「人事権」のトレードオフです。ご承知のとおり、日本においては企業は容易に従業員を解雇できません。しかし、雇用さえ守れば、企業内における配転・職種転換は自由自在というのが容認されている「人事権」なのです。 でも、日本でも転職市場が整備されてきました。終身雇用という言葉も忘れられつつあります。そして何より社員のキャリアに対する意識が変わりました。つまり、「人事権」と「解雇権乱用法理」のトレードオフがベースになっていた労務法理の世界は、現実の環境とバランスがとれなくなってきているのです。 まだ多くの大企業では人事権を自由自在に振りかざしているでしょうが、優秀な社員のリテンションが 大きな課題となった今としては、当人のキャリア意識を無視した人事権の行使は、優秀人材の流出のリスクと直面します。企業のいうとおりには、そうそう社員が動かなくなったのです。その結果、液晶等の高度先端技術が日本の技術者によって韓国企業に移植されるという国難すら招いています。 また、逆に多くの企業が「解雇権乱用法理」に疲弊している面もあります。「解雇権乱用法理」に慣れた国では、ヒトごと意識でも仕事ができてしまう職場を増やすことになりかねません。 このことに対して、個人が何かをできるかというと、そう簡単で能天気なことではありません。でも、旧来のパラダイムは既に合理性を欠いていることをはっきりと認識し、少し自分の仕事にも新しい調味料を振り掛けてみることくらいはできそうです。 《2012年5月14日》 レアジョブが結構、大変なことになり、サービスを休止していますね。きっと、今晩はちょっと寂しい思いや、物足りない思いをしている人が、日本にもフィリピンにもたくさんいることでしょうね。頑張ってほしいです。 |
金曜日にあったインテリジェンスHITOフォーラムにて感じたことを書き連ねて3日目です。ただ、内容について一切包括的には触れておらず、昨日と一昨日の2日間「越境学習」についての話ばかりでしたね。今日は、頑張ろう人事のヒト、という話を整理します。
で、お話は3週間ほど前にさかのぼります。別にちゃかして書いているわけでもないのですが。 事件①2012年4月21日 「人材教育」読者セミナーにて 大手企業の人材育成関連部署であれば、必ず定期購読していると思われるJMAMの「人材教育」誌、その読者向けに読者セミナーが開催されました。第Ⅰ部は守島先生のお話+実務家を交えたパネルディスカション、第Ⅱ部は酒井さんと永井さんの2つのセッションに分かれます。そして、第Ⅲ部はワールドカフェ。で、何が事件かというと、第Ⅲ部のワールドカフェを前にして多くの参加者が帰ってしまうのです。残ったのは多分1/3くらいですかね。これからようやく本番、やっとダイアローグができるという段になってからです。ワールドカフェの場でも、各グループでの話し合いの共有化をと言われても、なかなか誰も発言せずにだんまり時間が続いたりします。 事件②2012年5月11日 インテリジェンスHITOフォーラムにて 今回の話です。テーマはタレントマネジメント。第Ⅰ部はサイバーエージェントの曽山さん、トリンプの平塚さん、資生堂のアキレスさんという、そうそうたる顔ぶれが登壇して、各社の事例紹介&パネルディスカッシン。3社の事例を交えて企業としてタレントマネジメントとどう取り組むかを論じます。そして第Ⅱ部では、自らのタレントをどうマネジメントしていくか、というテーマ。越境学習の話もここで出てくるわけです。そして、ここでは周囲の皆さんとのダイアローグの時間がたっぷり取られます。でも、この段階では会場の人数はなんと半分程度に…。壇上の進行者もこれはさすがに嘆きます。 まあ、忙しいのはお互い様だとは思うのですが、事例だけ聞いて帰るんだったら「労政時報」「人材教育」をつぶさに読めばいいような気もします。いろんな話を聞いて、それをダイアローグして、あれやこれやと思案して、自分は何を語ることができるのか、自分が語ったことは相手にどう感じられるのか、自分の弱みは何なのか、自分の考えの固定的な部分は何なのか、同じ話を聞いて他社の人事担当者は何を感じていたのか、自分とそれはどう違うのか、それはどうしてなのか、そんなことを感じて考えることこそが、明日からの仕事にも人生にも活きるはずなのですが。そんな機会を捨てて、ありがたい事例や先生のお話を聞くだけ聞いて帰っちゃっていいんでしょうか。 実は私が苦手なものの1つにカクテル・パーティがあるのですが、あのようなそれぞれの役割が決まっていない中で不特定多数とコミュニケーションをするのは実に苦手です。でも、せっかく就業時間内に来ているイベントですから、できることはすべてやって戻らないとという思いはあります。で、本来、不特定多数の皆様とのダイアローグなんて得意な分野ではないのですが、最後までいることに意義があると常に思っています。あとは慣れです。 こんなあたりを法政大学の長岡先生はさわやかにいじられます。 企業が扱う対象として、「組織」と「市場」、そして「コントロール可能」「コントロール不能」の4つをまずは持ち出されます。そもそも、旧来からのマネジメントの原則は、「市場」は「コントロール不能」なもの、「組織」は「コントロール可能」なものということでした。「組織」というのはマネジメントによってコントロール可能なものと認識されていました。わかりやすい話でいうと、会社が指示するとおりに社員は動くものと認識されていました。会社が北海道に異動だと指示すれば、社員は会社の人事権に従って単身赴任をしてでも異動したものです。そんなパラダイムに慣れ切った人は、組織で起こることのすべてはコントロールできるものと、未だに勘違いします。例えば、その前提で人事施策も打ち出すわけです。 この旧来的パラダイムから、世界は大きく変わっています。今や、組織に意識的に揺らぎを与えて革新を招きいれることなくして、企業の成長はありません。そしてその役割の一翼を担うのが人事部です。「他社事例」は今までとおりに参考にはなりますが、「他社事例」で会社を成長に導くことはできません。自分たちが揺らぎを恐れている、揺らぎを避けているようでは、役割をまっとうすることはできません。それが新しいことをやろうということです。 寡黙な人事担当者、聞くことオンリーの人事担当者では、物足りない時代なのです。自分をとっても必ずしもできているとは限りません。自分を棚にあげて語らせていただいている部分も多々あります。世の中、そんな格好よくいくもんじゃありません。 でも、とにかく「人事の奴らって、結構、面白そうじゃん。あいつら、きっといつか何かをやらかすよ」と世の中に思わせたいですね。 《2012年5月13日》 日本中が母の日でした。なんかこういう強制的なのって得意ではないのですが、そうでもないと気後れして何もしないという見方もあるし…。また、消費の喚起のためにも大きく貢献していることだろうし…。何はともあれ、日頃に感謝をこめて。 |
昨日の続き、インテリジェンスHITOフォーラムです。
「越境学習」と自分の枠組みの話を昨日は整理しました。いくら自組織から出ても、そこが自分の枠組みの中であれば、アウエー感もほどよい緊張も生まれないし、「越境学習」効果も得られないのではないか、どうも単純に組織の外に出ればいいという話ではなさそうだ、というのが昨日のお話のまとめです。 法政大学の長岡先生がまたシニカルな発言を吐く役割を演じておられました。外に出て対話をすることについてのコメントです。 外に出た対話をすることによって、スーッとした気持ちになって、翌日会社に戻る。日常から離れた場所での対話により、精神浄化作用が生まれ、カタルシスを得た当人は、また果てしなき現実の中で目の前の仕事に頑張る力を得て、日々の役割を果たすことに邁進する。 何ていいことでしょう、と感じなくもないですが、これは確かに「越境学習」ではありません。既存の枠組みを疑ったり、既存の枠組みから一歩踏み出すといったこととは無縁であり、どちらかというと既存の枠組みを変えようとせずに現実に戻ってその枠組みと改めて折り合いをつけて枠組みを強化していく、枠組みに幽閉されていく行為だともいえます。もっと平たくいえば、対話は単なるガス抜きです。「みんなと対話ができて元気をとり戻しました。また、明日から頑張る力をもらえました」って奴です。誤解されるといけないのですが、これはこれでとても良いことです。このような「サードプレイス」を持つことは、精神衛生上でも非常に力強いものです。ただ、「越境学習」がこの文脈で語られてしまうと、(大げさにいうと)日本は変わらなくなってしまうということをいいたいだけです。 やっぱり、健全なアウエー感、ちょっとした自分の中の違和感、自分に感じるもどかしさ、そんなものを持ち帰ってこそ、境界線を越えた意味があるはずてず。そして、翌日から果てしなき日常を何か変えてみようかと考えるきっかけになるはずです。そう、すっきりしたら「越境学習」としては負けなのです。 そしてよくよく考えるとこれってその場のスタンスで切り替えられるものです。もちろん、越境する場も大切ですが、越境先での心の持ちようです。例えば、せっかく越境学習の場にいっても、同じ会社の人で並んで座ってしまうのはやめる、現地でばったり会った知り合いと並んで座るのはやめる、まずはこんな小さなところから始めます。 もちろん、昨日のフォーラムでいえば、第1部の事例発表だけ聞いて、第2部ダイアログが始まる前に帰ってしまうというのは「越境学習」の入り口にも辿りついているとはいえいません。先日の「人材教育」読者セミナーで感じた違和感についてはこのブログで書きましたが、昨日のHITOフォーラムでもまったく同じことが起こりました。これが日本の人事部の今の本質なのだと思います。 これはまた明日にでも書きます。 《2012年5月12日》 結構いいことを書いたよなぁというフェイスブック上の書き込みよりも、一枚のラーメンの写真の方が「いいね」を集める現状、これってやっぱりマーケティング目的でフェイスブックを活用しようと考える場合に最大に意識すべきポイントです。 |
本日の「第2回インテリジェンスHITOフォーラム」、テーマは「タレントマネジメントの未来」。素晴らしかったです。豪華な登壇者たちがいて、またそれらの登壇者がとってつけて呼ばれたわけではなく、須東さんとの繋がりの中で来ているので、最後のパネルディスカッションなんかは、なかなか出せない雰囲気でした。考えさせられたこと、メモにとどめておきたいこと、たくさんあるので、飽きなければしばらく、ここに書き続けるかと思います。
前半は、企業の人事としてタレントマネジメントをどう考えるかということがテーマで、後半はでは自らのタレントはちゃんと磨いているのかというようなことがテーマになっていました。後半の部でいえば、その方法論として「越境学習」が取り上げられます。この言葉、「経験学習」に続いて、今年はブレイクしますね。人事の世界を「学習」という言葉が闊歩する時代になったのです。 私は2年くらい前には、趣味は「越境学習」と「実践共同体」といっていたのですが、最近はどうもすっきりとしません。 IMD日本代表の高津さんが「自分が入っている枠組みを認知しないとそもそも外に出られない」という発言をされていました。「枠組み」とは例えば会う人であり、その男女比がどうなのか、年齢はどうなのか、職業はどうなのか、国籍はどうなのか、ということです。また、見るテレビは、見るサイトは、読む本は、というのもみんな「枠組み」です。 これを聞いて感じたのは、まず「枠組みは変わる」ということ。 例えば同年齢としか交流がなかった学生が、社会人の集まりに行くことはまさに「越境」です。でも、社会人の集まりにいくことが普通になってきた人にとって、すでに社会人は自分の枠組みに入ってきます。こういう状況になると、健全な「アウエー感」というものが失われます。すでにそうなると「越境学習」の効果も薄れていくでしょう。境界線が変わったのです。 例えば今日のような場で他社の人事の皆様と交流する場合、たとえそれが初対面の人が多数であっても、ある意味では自分の枠組みの中での話であり、すでにこれは「越境学習」とは呼べないのではないかという感覚が生まれてくるわけです。ただ、構成員の半分が日本人ではない場合、これは私にとっての枠組みを超えていますので、極めて「越境性」が高まります。境界線というのは、人によってそれぞれ違うところにあるものです。ですから、一言で「越境学習」といっても、単に社外に出て学ぶという概念とは必ずしもイコールではなくなってくるのでしょう。 私は勝手に「越境学習」というのは、アウエー感があって、ちょっと居心地の悪さを感じるもの、そのために逆に刺激や新たな観点を得られるもの、という感覚があります。ですから、顔なじみの人がある程度、人事の世界に増えてしまい、そこにいることによってある種の「心地よさ」を感じるようになってしまったら、素敵な「サードプレイス」の場ではあるものの、「越境学習」の場ではもはやないのでは、というのが最近の感覚でした。 でも、法政大学の長岡先生のお話でまたまた新たな視点を感じたのです。それは、また明日。 《2012年5月11日》 またまた2つの飲み会が同じお店で開かれていたので、行ったり来たりをすることができました。偶然というのはあるものです。びっくりしましたけど。 |
日本キャリアデザイン学会では、5月26日に第42回研究会を開催します。
今回の研究会は、前回のジローさん乗りとはガラッと趣向を変えて「修士論文・博士論文 発表会」です。実はこれ、初めての企画なのですが、学会大会とは別にもう少しライトな感覚で、研究者(大学院生)の方が自らの研究成果を発表できる新たな「場」です。選考の結果、4名な研究者の皆様が発表をされます。 そして、なんと4名のうちの1人にわれらのCDC代表:高橋浩さんも入っています。ずーっと私たちCDCが追いかけ続けている経験学習に関する研究です。 新たな旅立ちをされた高橋さんを応援しに、私も行く予定です。 参加希望の方は、学会のHPからエントリーください。 CDIJ【第42回研究会】のご案内 ---------------------------------------------------------------------- CDIJ【 第42回研究会 】 ---------------------------------------------------------------------- (新企画) 修士論文・博士論文 発表会 ---------------------------------------------------------------------- ・日 時 2012年5月26日(土) 14:00~17:00 ※13:30開場 ・場 所 法政大学市ヶ谷キャンパス ボアソナードタワー25階会議室 MAP ・定 員 先着50名 ・参加費 会員/無料 一般/3,000円 --------------------------------------------------------------------- ・発表者 ※発表順は、修士論文を先に、そして氏名の50音順に致しました。(敬称略) 1. 沼田博子 修士論文 2. 小形美樹 博士論文 3. 高橋 浩 博士論文 4. 山本美奈子 博士論文 ・進行 研究会企画副委員長 山口憲二(新島学園短期大学教授) --------------------------------------------------------------------- 日本キャリアデザイン学会 第42回研究会 日 時 2012年5月26日(土)14:00~17:00 ※13:30開場 開催趣旨 研究企画委員会は、このたび「修士論文・博士論文発表会」という新企画の研究会を開催します。 その目的の第1は、キャリアデザイン関連分野を専攻する大学院生に発表機会を提供し、幅広いバックグラウンド・関心を有する参加者からのフィードバックを得てもらい、今後の研究の参考にしてもらうことであります。 そして第2の目的は、参加者に最近の大学院におけるキャリアデザイン関連分野の修士・博士論文のテーマ、研究手法等を知っていただき、参加者各自の研究・実務、教育等に資することであります。 今回、初めての試みですが多数の発表ご応募をいただき、4件の発表をいただくことになりました。どうぞ奮ってご参加ください。 テーマ 修士論文・博士論文 発表会 発表者 論文の題名 (発表順) 1. 沼田博子 関西大学大学院 修士論文 未就職卒業者支援におけるRJP的手法の有効性 2. 小形美樹 東北大学大学院 博士論文 ホワイトカラーの自立型キャリア形成 -組織から独立したコンサルタントの実証研究- 3. 高橋 浩 立正大学大学院 博士論文 青年期キャリア発達における経験学習と意味づけに関する研究 4. 山本美奈子 筑波大学大学院 博士論文 企業管理者の自己イメージ脚本と社員のメンタルヘルス ―ヘルシーカンパニー支援のSAT介入研究― 発表方法 発表時間 30分 + 質疑応答 15分 参加費 会員/無料 一般/3,000円 定 員 先着 50名 会 場 法政大学市ヶ谷キャンパス ボアソナードタワー25階セミナー室 《2012年5月10日》 昨日も今日もこってり残業。皆で残業していると、会社って結構、楽しいね、なんていっていては本来、立場上あまりよくないのですが。でも、長時間労働がチームを作るって側面もあったりしますよね。 |
慶応義塾大学丸の内シティキャンパス(略称:MCC)が発刊する「てらこや」というメルマガをご存知でしょうか。MCC卒業生にはすべて送っていただけているようです。初代編集長「いぐさ」さんに代わって、今は「ほうや」さんがもう3年ほど、編集長をつとめておられます。
今回のメルマガに「メンタルヘルスの呪縛」と題する野口海先生の語りが収録されていました。なるほどという切り口がいくつかありましたが、その中の1つ。野口先生の語りを引用します。 「今、どこの企業も口をそろえて『メンタルヘルスの問題で困っている』といいますが、大企業の多くではすでにメンタルヘルス対策を講じています。ただ、それらの対応が総務・人事といった窓口に全て集中する結果、担当者の疲弊感が非常に大きくなっている。逆に、中小企業では全く対策を講じていない場合もあり、そのような企業では当然のようにメンタルヘルス不調者がたくさん出てしまう。どちらの企業の担当者も〈メンタルヘルス対策がたいへんだ〉というのですが、両者の内実には全く違った背景が存在していると捉えるべきです。」 なるほど「メンタルヘルスで困っている」といっても2面性があるということですね。確かに、この「困っている」という奴には、すべての面で似たようなことがいえるように感じます。 丁寧にメンタルヘルス担当者が面談などの対応をやるようになると、これってメンタルヘルスの問題かいな、と首をひねりたくなるような案件まで持ち込まれて、担当者はよろず請け負い状態、なんてことに確かになりかねません。また、時には深刻な案件に対峙し、専門家へのリファーなしではとてもではないけれども判断をするわけにはいかないようなケースもあります。彼の悩みよりも、今、私が抱えている悩みの方が何倍も大きいのに、彼の悩みを聞いている私がいる……、という状況にふーっとため息をつく日もあるでしょう。 以外と、「メンタルヘルス」という言葉も思考停止ワードなのかもしれません。職場のコミュニケーションの問題、上司のマネジメントの問題は、一番弱い部下の精神健康として出るということは十分にあります。それをその当人のメンタルヘルスの問題として取り扱ってしまうだけでは、根っこは変わりません。メンタルヘルス対応を一面的にやってしまうと、そんなこともあるでしょう。 最近、ちょっと思うのですが、近未来の人事の仕事は、組織開発と採用(人材の調達)しか残らないのではないかと。メンタルヘルスの問題も、糸を手繰りながら整理していくと、組織開発につながることも多いのではないでしょうか。 |
私のいる会社では、昨日から新卒新入社員が現場配属されています。圧倒的なアウエー感の中で、1人ひとりが自らの職場てどんな2日間を過ごしたでしょうか。先輩たちは、後輩があまり強いアウエー感を感じないようにさまざまな配慮をしてくれているとは思いますが、やっぱり感じるものは感じるでしょう。なんといっても、多くの新入社員は大学生活の中で、さほど強いアウエー感を感じた経験がないはずですから。
昨日のHRM仲間の飲み会の中で「アウエー感」についての話が出ていました。 そんな中で出た話の1つが、どんなに優秀な学生であっても、アウエー感体験のない学生は、やっぱり弱い、どうしても子供っぽい、というような話です。同質的なサークルのような小宇宙の中で、いくら葛藤があっても、いくら挫折経験があっても、それがどれだけのものでしょうか。アウエー感あふれる体験の中で、自分で考え、自分の言葉でコミュニケーションし、自分で切り開く、そんな体験は重みがあります。 面接でしたり顔で挫折体験を聞く、そんな安易な面接官がたくさん世の中にはいます。就職活動時期になったら、挫折を多くしている人の方が得だというようなおかしな現象が置きます。きちんとした努力と先見性により挫折を回避できた人、持ち前のポジティブさにより他者であれば挫折と感じるようなこともきちんと受け止められる人、そんな人たちが不利をこうむります。ちょっとしたことに傷つき、挫折だ挫折だと言い張ることができる人が、いきいきと面接を受けられます。こういうタイプの人は、社内クレーマーになる可能性も大なんですけどね。 「挫折体験よりも、アウエー体験を聞こう」。採用面接官に啓蒙していきたいと思います。 《2012年5月8日》 なかなか素敵な飲み会でした。 |
仕事に愛を込めていますか。
ケアレス・ミスや、考えの浅いアウトプット、ついついメンバーのそんな仕事に対しては、具体的なミスや不足事項についての言及をしてしまいがちですが、そもそもなぜそんなことが起こったのかに思いをはせる必要があります。 その理由は一言でいえば、その仕事に対しての愛が不足しているから、愛を感じていないから、なのです。 もちろん誰しも、すべての仕事に愛を込めることは難しい面があります。でも、愛を込めて、我が子のようにかわいがった仕事に対しては、そうそうケアレス・ミスはしませんし、突っこみ不足なんかありえません。そんな仕事は、自分の大事な大事な作品なのですから。仕事が終わったあとに自分の署名をサインするような感覚で、仕事を仕上げたいものですね。 そして、私たち上司の役割は、メンバーに仕事の本質、仕事の面白さを理解させることによって、少しでも愛を感じる仕事を増やしてあげることではないかと思っています。これがなかなか難しい。 |
今年の初めくらいから始めた大人の悪だくみの1つの帰結経過である「経営学習研究所(MALL)」のキックオフ企画がいよいよ6月4日(月)に決定して、ネット上でのリリースが始まりました。フェイスブックページを創った上で、各理事が自分のWEB媒体等で拡散をするという手法で、告知を進めています。本ブログは実名ブログでないので、告知に使うには少しねじれた関係にありますが、こちらでも昨日、概要を掲載させていただきました。今日はもう少し詳しくお話を整理したいと思います。
このチームの志は、例えば「日本を学習大国にする」というようなことです。「学習大国」の定義はおそらく理事1人ひとりで完全にイコールではないと思います。でも、大きいベクトルさえずれなきゃそれはそれでいいんでしょう。「大人の学習」という概念は、綺麗に「時間割り」に閉じ込めるものではありません。 実際に「MALL」がまずやれるのは、セミナー、シンポジウム、ワークショップといったものに当面はなるでしょう。MALLという略称に込めているのは、まさに社会を「学びのショッピングモール(縁日)」のようにすることに貢献したいという思いです。そんな曖昧、猥雑さ、自由さ、愉しさも「大人の学び」の特権です。 組織の外に出る主体的学習を称する「越境学習」という言葉が一般化しつつあります。私は組織を元気にするためにも「越境学習」は実に重要だと思っています。企業発展のキーが効率化追求から創造性追求に変わってしまったのですから、組織に閉じこもるだけの人には組織を元気することがなかなかできにくい時代なのです。この組織外での学習という奴を活性化させ、普遍化させることにより、何か日本が変わるんじゃないか、そしてとにかく少しでも元気な日本を次の世代に引き継ぎたいと思うのが、私の気持ちです。 既にいたるところで萌芽があります。私が属している組織外勉強会もたくさんありますが、そこで出会う素敵な皆さんの多くが、また自らも何らかの勉強会を企画したりしています。こういった流れは、数年前と比べて非常に拡がっていると実感できます。ほんと話を大きくして恐縮ですが、この延長上できっと日本は変わっていきます。そう思うのです。 話はがらりと変わりますが、ヒトが感じる「味覚」について、甘味、酸味、塩味、苦味、うま味の5つを基本味といいます。味覚というのは面白いもので、ある最低濃度を超えた時点で初めてヒトはその味覚を感じるのです。その最低濃度を「閾値(いきち)」と称します。例えば、塩味を感じる物質をなめたとしても、閾値以下の比率のものでは、ヒトは塩味を感じないのです。そして、各基本味ごとに閾値はレベルは異なります。概して、苦味の閾値は低くなります。つまり苦味は低濃度であっても感じるのです。苦味というのは、もともとヒトが毒性を把握するための基本味なのだといわれています。ですから、低濃度でも苦味を感じることは、ヒトの命を救うために必要なのです。ほとんどの子供が小さい頃は苦い食べ物をあまり好きではないのは、毒性のある食べ物を体内に取り込まないための本能的な態度なのです。また、味に繊細な人、鈍い人がいるように、「閾値」には個人差もあります。 ごく一時期ですが、調味料の営業に携わったことがあり、その際にこの味覚における「閾値」という奴の話を知りました。しかし、この「閾値的感覚」は、様々なところで実感することがあります。i-phoneが登場して一部のとんがった人がスマホを使い始めた時期がありました。まだ、数年前のことです。しかし、今や誰もが当たり前にスマホを持ち歩きます。ある時点でスマホを持つということが「閾値」を超えたのだと思います。そうすると、それが当たり前になるのです。 それと同じようなことが、私たちの国「日本」における「学習」に起きつつあると思っています。朝活ブームも、IT勉強会カレンダーに並ぶ数々の勉強会も、そんな流れの1つです。学生の皆さんだって、ものすごく様々な活動を活性化させています。これは私たちの学生時代にはなかったことです。そんな彼らを「ゆとり世代」などといって、自分たちの世代を相対的に優位化させていてはいけません。 いずれ、今の流れが「閾値」を超えるのです。自立的に組織を超えて学ぶことが当然のこと(普通のこと)になり、そこから様々な何かがきっと生まれるのです。日本の学びが「閾値」を超え、日本が誰しもが認める(感じる)学習大国になり、その先に自立的で責任感のある元気な日本がある、そんな未来に対する思いがちょっぴり私にはあります。これが、私がこのMALLに二つ返事で参画したいと思った基本的な理由です。 MALLには中原先生、長岡先生、岡部先生というアカデミアの雄がそろわれています。中原先生のLearning Barの動員力を考えると、容易にいろいろな展開ができそうにも思います。でも、Learning Barにヒトが集まるだけでは、学習大国にはなりません。いろいろと話を聞いて吸収することは大切ですが、そんな場で何かを得られたと思ったら、こんどは小さくてもぎこちなくてもいいから自分で「場」を創ってみようかな、という連鎖が大切です。次は友達や同僚と来てみようかなという連鎖が大切です。 実務家がささやかながらも、いろいろなところでいろいろな思いで「場」を創る。日本中が学びのMALL化していく。こちらの実務家の学びの場と、あちらの学びの場が有機的に結びついたり、コラボしたりしていく、オープンで愉快な場が拡大していく、そんなために何かできないかなぁというのが、私の立場です。 といいつつ、大それたことはまったく考えていませんし、できるわけもありません。自分の身の丈+ストレッチでやることが実務家にとって、家族持ちにとっては、また大切なのです。そして、目一杯に本業をこなした上で、貴重な自分の時間を投資する話ですから、自分自身が結果的に愉しくやれなければ続きませんし、意味もないと思っています。大人の学習は、愉しくちょっと怪しくあるのが一番です。少なくとも表に見せる部分としては、そう格好つけなければいけません。。 6月4日のキックオフには、各理事がそれぞれイーゼルトークというのをやるとのことなので、それまでにもう少し思いを整理しておきたいと思います。連休の最後の日、晴天かと思ったら雷雨が襲う不安定な気圧配置の日に、ちょっと気持ちを書きとめてみました。 こんなことを一緒に考え感じてみたいな、という方、是非6月4日のMALLキックオフ企画にお出でください。テーマは新人教育。MALLのキックオフにはうってつけです。是非、一緒に面白いことをしましょう。 申し込みサイトは、コチラです。 《2012年5月6日》 今日で連休も終わり。結構、良く呑んだ連休でした。明日からまたしばらくは相当のボリウムとスピードで仕事が押し寄せますが、それもまた幸せというものです。 |
お天気の子どもの日。めずらしく午前中にアップしておきます。
志のある皆様と一緒に「経営学習研究所」という学びの推進エンジンを立ち上げることになりました。愉しく怪しいチームです。フェイスブックにて告知したご案内を引用します。 なお、本企画に関する私の思いなどは、明日に整理をしたいと思います。興味のある方、一緒に何かをやれるといいなと思われる方は是非お申込みください。あと、このサイトの貴重な読者であられるにもかかわらず、未だお目にかかれていない方がいらっしゃえば、是非、当日お会いできると嬉しいです。 *********************************************** 6月、実務家と研究者による新たな組織「経営学習研究所」(MALL : MAnagement Learning Laboratory)が立ち上がります。 このキックオフを記念して6/4(月)「これからの新人教育の話をしよう」というイベントを開催します。「新人を通じた組織開発」「新人によるイノベーション創発」の企業事例報告を中心とした人材育成事例満載の会になる予定です。今年度の新人教育を振り返り、来年度を構想しつつ、志をともにする様々な方々とのネットワーキングの場にできれば素晴らしいな、と思っております。ぜひふるってご参加下さい。 ご応募は、下記の申し込みサイトからWebにて行えます。 申し込みサイト 皆様とお会いできますこと、心より愉しみにしております。 ================================================== 「これからの新人教育の話をしよう」イベント開催決定! 新人を通じた組織開発、イノベーション創発!ついにベールを脱いだ【経営学習研究所】、 キックオフイベント開催 6月4日(月)午後6時30分 - 午後9時30分まで 株式会社内田洋行 東京ユビキタス協創広場 CANVAS ================================================== いよいよ6月、実務家と研究者による「全く新しいイニシアチブ」が立ち上がります。 非営利型一般社団法人「経営学習研究所」、略称「モール」です。 (MALL : MAnagement Learning Laboratory)(設立申請中) MALLは、経営・組織・学習に関する研究・実践の普及・振興・研究を行うために実務家と研究者がつくった新たな組織です。具体的には、実務家と研究者の協働によって「経営」「組織」「学習」に関係するセミナー、シンポジウム、ワークショップを開催していきます。将来的には・・・何が飛び出してくるかわからない・・・今から夢膨らむ謎!?の団体です。 私たちは、「モール」という名前どおり、社会を「学びのショッピングモール(縁日)」のようにすることに貢献したいと思います。「企業・組織の中の学習」を活性化することはもちろんのこと、組織外に出ても、様々な人々が自分の知識・専門性を高めるために、様々に集えるような「場」や「タネ」を仕掛けていきたいと考えています。 ほんの、ちょっとだけ大げさにいいますと、「日本を学習大国にする」これが、私たちの「志」です。 ▼ つきましては、MALLの立ち上げを記念して、また、今後のMALLの活動に多くの実務家・研究者の方々にご参加いただくことをめざして、6月4日にシアターモール(シンポジウム)を開催することになりました。 会は2部にわかれています。 第一部は「これからの新人教育を語ろう」です。 6月といいますと、新人教育が一段落ついた頃でしょうか。今年の新人教育を振り返りつつも、来年に向けて新たなネタを仕込むという意味をこめて、興味深い新人教育を行っている2社をお招きし、お話しをいただきたいと考えています。 1社目は、4年目社員が新人教育・研修を実施するという「内製化」の試みをなさっている電源開発株式会社様です。 電源開発株式会社 人財開発室 総括マネージャー 石井達也さま よりお話を伺います。 4年目社員が、新入社員研修を実施する意味とは何なのか。それは組織や4年目社員・新人個人にどのような影響を与えるのか、についてご報告いただけることと思います。その様子は、さしずめ「新人を通じた組織開発」 と形容でき、非常に興味をそそられます。 2社目は、新人だけが配属される新規事業開発の部署を運営なさっている株式会社 内田洋行さまです。 株式会社内田洋行 マーケティング本部 事業開発センター長 村浩二さま に貴重なご経験をたまわります。 経営トップからの「当社の新しい姿を創れ!」の号令のもと、全く新しい商品サービス(イノベーション)を生み出すことを目的に、既存の考えには染まっていない新人全員を敢えて一か所に配属し、社内では「鎖国」、社外の様々な応援者を巻き込みながら、活動をなさってきました。こちらのお取り組みは「新人を通じたイノベーション創発」をめざす試みとして大変興味深いものです。 2社の新人教育事例をうかがった上で、参加者の皆様で対話する場を持ちたいと考えています。 第二部は「モールと一緒に面白いことをしよう!」です。 経営学習研究所の理事(実務家・研究者)が、各自イーゼルを携え、自分が何をやっていきたいのかをプレゼンテーションさせていただきます。皆さんは、それぞれのイーゼルをまわり、ぜひ理事全員とギャラリートークをお楽しみください。もしご興味があえば、その場で面白い企画が生まれるかもしれませんね。 「これからの学びを創る」、否、「これからの学びを"皆さん"と創りたい」と願う経営学習研究所(MALL)に、ぜひご期待下さい。また、キックオフイベントへの多くの方々のご参加、心よりお待ちしております。 一般社団法人 経営学習研究所(設立準備中) 理事:田中潤、板谷和代、長岡健、岡部大介、島田徳子、平野智紀 、 牧村真帆、中原淳 監事:清水智之 事務局:古川英幸、栗村友美 ■主催 一般社団法人 経営学習研究所 ■協賛 株式会社内田洋行 ■日時 2012年6月4日(月)午後6時30分 - 午後9時30分まで 開場は6時から ■会場 株式会社内田洋行 東京ユビキタス協創広場 CANVAS http://www.uchida.co.jp/company/showroom/canvas.html ■参加費 お一人様4000円を申し受けます ■飲み物 サンドイッチ、スナック、ビール、ソフトドリンクなどをご用意しております ■内容 ・「経営学習研究所(モール)のめざすべき地平」 (中原淳・長岡健)pm6:30-6:40 ・第一部「これからの新人教育を語ろう」 ・4年が教える新人研修 新人による組織開発 (電源開発株式会社 石井達也さま) pm6:40-7:10 ・新人だけが配属される新規事業部署! 新人によるイノベーション創発 (株式会社内田洋行 村 浩二さま) pm7:10-pm7:40 ・インプレッションシェアリング pm 7:40- pm8:00 ・ダイアログpm8:00-8:20 ・オンラインラップアップ ・地下会場へ移動 ・第二部「モールと一緒に面白いことをしよう!」 ・各理事のイーゼルプレゼンテーション&ギャラリートーク pm8:35-9:10 田中潤 板谷和代 長岡健 岡部大介 島田徳子 平野智紀 牧村真帆 中原淳 ・クロージング「経営学習研究所のこれから」 pm9:20-9:30 (田中潤・板谷和代) ■参加条件 下記の諸条件をよくお読みの上、参加申し込みください。申し込みと同時に、諸条件についてはご承諾いただいているとみなします。 1.本ワークショップの様子は、予告・許諾なく、写真・ビデオ撮影・ストリーミング配信する可能性があります。写真・動画は、経営学習研究所、ないしは、経営学習研究所の企画担当理事が関与するWebサイト等の広報手段、講演資料、書籍等に許諾なく用いられる場合があります。マスメディアによる取材に対しても、許諾なく提供することがあります。参加に際しては、上記をご了承いただける方に限ります。 2.欠席の際には、お手数でもその旨、0832204 [at mark]gmail.comまで(古川)ご連絡下さい。人数多数の場合には、繰り上げで他の方に席をお譲りいたします。 3.人数多数の場合は、抽選とさせていただきます。5月15日までにお申し込みをいただき、16日には抽選結果を送信させていただきますので、あしからずご了承下さい。 以上、ご了承いただいた方は、下記のWebサイトからお申し込みください。 申し込みサイト 皆様とお会いできますこと愉しみにしております! ================================================== 《2012年5月5日》 就職した長男が研修先の海外で私の高校時代の友人と呑むといいます。不思議な気分です。 |
ヤクルトスワローズの宮本選手が史上40人目の2000本安打を達成しました。大学・社外人を経ての達成は古田捕手以来2人目、そして史上最年長での達成、過去の達成者の中で最小の本塁打数、過去の達成者の中で最多の犠打数、過去の2000本安打達成者としては実にユニークです。野村監督にして「一流の脇役」と言わせた名選手です。何人も4番打者とエース投手をお金で巨人軍にかっさられても、特段にFA補強や協力助っ人を採らなくても、スワローズは頑張ってきました。その立役者の代表選手がまさに宮本です。
私も組織のリーダーとしてやっていく中で、十分な経験と実力をもった担当者が少なくても、ヤクルトスワローズの監督になったつもりで様々な配置を考えて窮地を脱すればいいんだと何度も思ったことがあります。ある意味、これこそが組織のリーダーの醍醐味でもあるのですが、子供の頃からのヤクルトスワローズファンだからこそ、何の文句も苦しみもなくそう思えているのだと思って感謝しています。おそらく子供の頃からの巨人ファンでしたら、そういうマネジメント・スタイルは貫けずに終わっていたでしょう。 高校1年生の時、広岡ヤクルトが史上初の優勝を果たしました。その優勝が決まるという試合に午後の授業を抜けて同級生と神宮球場に駆け付けたのですが、それがどういうわけか他校と麻雀の他流試合をしに行ったと担任教師に伝わり、翌日、親と呼び出されました。駆け付けた試合は、先発の安田が打たれて敗戦。優勝は翌日に持ち越されたのですが、何せ放課後に呼び出されていたため、大切なその日は神宮球場に駆け付けることができず、松岡の好投で見事に初の優勝を果たしたものの、神宮で体感することはできませんでした。 今年は強いといわれると最下位になり、まったく期待されないと優勝したり、いろいろなドラマのある球団です。今シーズンも青木が抜け、先発・中継・抑えの軸が出遅れている中、優勝候補には名前があがってはいませんでしたが、ここまで非常にいい試合をしています。この野球スタイルが本当に好きです。 《2012年5月4日》 MALL構想が立ち上がりました。詳しくはまた後日。 |
ものをポジティブにみるか、ネガティブにみるかの例え話として、よく聞くものの1つのコップの中の水の話がありますね。コップに水が半分だけになってしまっているのをみて、もう半分しかないやと嘆くのか、まだ半分もあるよと前を向くのか。コップに半分残った水という同じ「絵」をみても、捉え方は心の持ちようによって違うわけです。
でも、コップの水が今どうなのかの解釈に悩むよりも、コップの水を一杯に満たすには、もしくは少しでも増やすためには、今、何をやればいいかを考えて欲しいと思います。そして行動して欲しいとも思います。 これも昨日終わった新入社員研修の最後に語ったことの1つです。 是非、来週からは「ジョハリの窓」の「開かれた窓」を自分なりに少しでも大きくして、配属された職場の上司や先輩としっかりとコミュニケーションをとって自分の新しい世界を切り開いて欲しいと思います。配属が希望とおりだったのか違ったのか、人それぞれだと思います。でも、「自分の配属が一番の配属だ!自分の上司が一番の上司だ!」、まずはそんな思いでスタートをしてみて欲しいです。もう研修は終わったのですから、気軽に人事に相談にこられては困ります。まずは、何かあったら自分の職場の上司・先輩にぶつかるのが基本です。そこが自分の場所なのです。ただ、私たちはずっと見守っています。 来週から、本当の新入社員生活が始まります。自信をもってぶつかりましょう。 《2012年5月3日》 雨の亀戸天満宮。雨と藤の花はあうということにしておきます。 |
ある経営者が部長に求める3つのことについて、以下のように語られたとのことです。
①決める ②責任をとる ③部下を育てる 組織管理者がやらなければならないこととしては、私もまったく同感です。 この中で特に「決める」ということをしない人が本当に多いです。したり顔で意見はいいながらも自分で決めない、十分な専門知識と経験を持っているのに自分で決めない、こういう人は組織を預かるのはちょっと無理ですね。 「決める」ためには知見と判断力(時に決断力も)が必要です。ですから新しいことを「決める」場合は必死になって知見を集める必要があります。そのために必要なのは、勉強をし続ける姿勢と、人脈でしょう。誰に聞けば何がわかるかということがわかれば、知見は容易に集まりやすくなります。 判断はある合理的な意志決定でできますが、決断レベルの「決める」は実に難しいです。知見だけではなく、胆力とでもいったものが求められます。それを磨くのは経験からでしかありません。「決断」から逃げていては、いつまでたっても胆力はつきませんし、「決める」ことができる管理者にはなれません。「決める」ということは、自分でクロージングするということでもあります。私がまだ若手担当者だった頃の話です。ある案件について、自分で結論を出すか、上司に相談をするか悩んだことがあります。結果、課長に相談をしたのですが、私の相談を受け手課長は結論を出すことができず、上司である部長に相談をしました。その部長も取りあえず常務に判断をしてもらおうと常務に話を投げます。そして驚くことに常務は社長に判断を伺いに行く、そんな話がありました。そこまで何日かかったのかはご想像にお任せしますが、その時から「できる限り自分で決める」「できる限り自分でクロージングする」ことを自分に課すようになりました。一担当者が決められないと、組織の階層エレベーターをするすると登って社長まで行ってしまう……、笑い話ではなく、結構、いろいろな会社で起こってきたことではないでしょうか。「決める」ことにより「責任」が負わされます。これが嫌で決められないという人、リスクヘッジのために上司にお伺いを立てるという人、結構いるでしょうね。 もちろん、報告・連絡・相談は大事ですよ。 《2012年5月2日》 新入社員研修、おしまい。来週の月曜日には皆、それぞれの配属先に散って出社します。 |