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給与担当者を孤独にさせない
本日は給与アウトソーサーである株式会社ペイロールが年に1度開催する「ご契約企業様向けセミナー」でした。当社は今年2月の給与計算から同社に委託をしています。

今日講演は藤原和博氏。「仕事力を高めるコミュニケーションとは」とのタイトルでしたが、ここでは簡単にまとめられないような実にすばらしい内容でした(遅刻して最初の1/3は聞けていないのです、流れが完全に把握できておらず、ちょっとまとめるのはやめておきます)。それに引き続き、導入会社1社から導入事例の説明。なんと先日のキャリアインテグレート研究会でお会いした方がプレゼンテーターでした。

で、ここまでが第Ⅰ部。終了後は第Ⅱ部という名の懇親会です。

今回は諸先輩会社様のいる中で、なぜか乾杯の挨拶と音頭を担当いたしました。前に立つととても大勢の方が集まっているのが改めてわかります。アウトソーサーにはあれこれといいたいこともたくさんあり、私に制御のつかない場面でマイクを持たせるリスクをとるこの会社はすごいなと思い、発言ではもちろんですが個別の案件は自重しました。

ただ、ひとつだけペイロール社にお願いと期待を伝えました。

給与担当者というのは難しい存在です。それ自体、企業に利益をもたらすことはありません。仕事的にも地味です。多くの社員は、水道のじゃぐちをひねれば水が出るのと同じように、給与支給日になると自動的に給与が出ると勘違いしています。給与業務の詳細などしるよしもありません。さらには、直属の上司や人事部長すら、わかっていない組織もたくさんあります。ちゃんと計算が終えられて当たり前、誤支給などしたら、たるんでると切り捨てられます。でも、毎月、勤怠を〆て、給与を支払うというのは大変なことなのです。でも、この苦労を本当に理解できるのは、実際に給与業務をやった人だけでしょう。

給与をアウトソーシングに出しても、一般的には担当者はゼロにはなりません。インターフェース的業務は何にしても必ず残ります。でも、担当者の数は当然ですが大幅に減らすことになります。ただでも、理解者が少ない給与担当者はますます社内の理解者を減らすことになります。

給与アウトソーサーには給与担当者を孤独にはして欲しくないのです。

ペイロール社の担当には、同じ会社の仲間のような意識で給与担当者と日々、接していただきたいですし、切磋琢磨もして欲しいと思います。時には建設的なギスギスした議論もありです。

そして、お願いしたいのはそれだけではありません。ペイロール社という給与アウトソーサーを通じて、日本中の企業の給与担当者とつながる機会も作っていただきたいのです。そして、今日はまさにそんな機会でした。他社のベストプラクティスを学ぶ、他社の担当からやる気・元気をもらう、そんな絆をつくるのも、給与アウトソーサーの役割だと、私は期待させていただきます。

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【2012/10/31 23:05】 | シェアード・サービス | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
リーダーが意識すべき2つだけのこと、「業務の全体像を共有する」「人の気持ちに配慮する」
個人と組織が成果を高めるためには、2つのコミュニケーションが大切です。先週の土曜日にそんなことを伝える研修を初めてリーダーになった若手社員向けに実施しました。

その2つのコミュニケーションとは「パフォーマンス・コミュニケーション」と「メンテナンス・コミュニケーション」です。

「パフォーマンス・コミュニケーション」では、業務の全体像を共有します。ここで大切なのは、業務の全体像を説明すればいいのではなく、共有、つまり共通理解することです。なぜ、これが必要かというと、業務の全体像がわからないと、人のモチベーションは下がるものだからです。

ビジョン・目的・目標、価値観・行動規準・ルール、目標達成の具体例、明確な役割、進捗状況など、メンバーときちんと共有しながら業務を進めることです。

「メンテナンス・コミュニケーション」では、人の気持ちに配慮します。なぜ、これが必要かというと、気持ちへの配慮がないと、人のモチベーションは下がるものだからです。

声掛け・名前を呼ぶ、認める・感謝する・ねぎらう、意見をきく、任せる、勇気づける、そんなことです。

リーダーは意識してやっているのでなくても、名前を呼ばれない、無視される、役割が与えられない、意味が理解できていないことをやらされる、自分の意志での行動を妨げられる、好奇心を満たすことを否定される……、そんなことがあると、メンバーのモチベーションは低下していきます。

それに対して、名前を呼ばれる、声をかけられる、役割を与えられる、やっていることの意味を理解することができる、自分の意志で動ける、好奇心を持つ、なんてことが日常で普通に起こっていれば、メンバーのモチベーションは高まっていきます。

簡単なことですが、果てしなき日常の中ではこれがなかなかできません。「業務の全体像を共有する」「人の気持ちに配慮する」、常に念仏のように唱えていると、少しずつできるようになっていくものです。自分の意識を信じましょう。

【2012/10/22 23:14】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(1) | page top↑
役職定年~制度か運用か~節目~学び直し~越境学習
ソニーが役職定年制度を再導入するという記事がありました。

ソニーは、年功、年齢にとらわれずに個々人の役割と力量を重視する人事制度を2000年に導入した際に、一旦は役職定年制を廃止していました。確かに、能力主義や成果主義と、年齢基準の役職定年制は矛盾する制度です。極端な話、定年制すら矛盾します。その意味では当時のソニーの判断については「やるな」と感じていました。

しかし、来年4月からこれを復活させるそうです。

幹部社員の高齢化が進んでいるため、組織の若返りと社内の活性化を狙うというのが理由として挙げられていますが、対象者の他社への転職支援等も視野に入っているようです。事業部長以上で57歳、統轄部長で55歳、担当部長や統括課長で53歳が役職定年年齢だといいます。統轄部長だとか担当部長だとかと聞くと、結構組織が重層化していて大変そうだなぁという様子が伺えます。

以降、ソニーの例を離れて一般的な話です。

ある意味では、役職定年制度というのは、運用で改革をすることを放棄すると宣言する制度です。役職定年制度なんかなくても、確固たる意志を持って運用をすれば、事業部長以上57歳、統轄部長55歳、担当部長や統括課長53歳で、役職を外すことは可能なわけです。でも、役職定年という大義名分がないと、なかなかそれができないということです。

制度でやるか、運用でやるか、これは難しい話です。

制度でやる利点は、明確なメッセージ性を打ち出せること、比較的運用の徹底が容易であること、そして傷つく人が少ないことでしょうか。「君には来年の4月で事業部長をやめてもらいたい」というよりも、「君にはもっと事業部長を続けてもらいたいのだが、役職定年制度上、来年でやめてもらわざるを得ないんだ」という方がとても引導を渡す上司としては楽です。こういった大義名分がないと、なかなか運用が徹底できないということが現実には間違いなくあります。でも、ほんとはその気になれば、制度なんかなくても同じことはできるわけです。ただし、運用で実行することには、なかなかシビアなものがあります。でも、本来「個」をみる人事制度というのは、そういうシビアなもののはずです。

今の時代に役職定年制度を検討するということには、実はもう1つ別の文脈があります。

雇用の延長の問題です。そして、役職につく年齢が弱年齢化している問題です。例えばソニーの平井社長は52歳です。以前の日本の大企業の社長といえば、還暦を超えた人がなるものでした。これが50歳代、40歳代に移ってきています。この動きは加速することでしょう。それに対して、雇用は65歳まで延ばされます。いずれはこれは70歳にまでなるでしょう。これはどう考えても、どこかで人工的に「節目」をつくらなければうまくいきません。

野田佳彦首相が議長をつとめる国家戦略会議のフロンティア分科会が、40歳定年制を打ち出しました。でも、産業界も労働界もあえて黙殺しているような感じがします。40歳定年制がいいのかどうかは別として、「節目」をつくれない企業も個人もおそらくいずれは不幸なことになるのではないかという気がします。この部会の座長を務めた東京大学大学院経済学研究科の柳川教授は「社会の変化が早くなっているので、(40歳で)学び直しの機会が必要」と主張されているといいますが、まさにそのように感じます。学び直しもしない人が、そのまま企業に居座って出世してしまうような組織にはイノベーションは期待できません。

ただ、この問題も制度ではなく、運用でも解決可能です。
企業が仕組みとして導入しなくても、個人の努力で解決することは可能です。さらには、同じ企業に在籍し続けても、本人の思いと努力次第では「学び直し」をすることも可能です。ただ、これには非常に大きなエネルギーが必要になります。そして、「越境学習」はこのエネルギーの一つに成り得るのではないかと最近思っています。

【2012/10/21 20:48】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
「キャリア・スリップ」をどう乗り越えていくか~メンタルコンシェルジェ主催セミナー
メンタルヘルスの課題に悩まれている人事担当者は多いことと思います。単に病気への対応ということだけではなく、マネジメント風土や職場風土との関連はもちろん、就業規則や労働安全管理、長時間労働抑制施策なども絡みます。テーマによっては弁護士との相談が必要なことも出できますが、精神科医と弁護士というのはまったく異なる分野ですので自然な連携を期待できるはずもなく、会社としては間に入って逆に悩みが深まるなんてこともあるでしょう。

そんな現状を変えるべく、精神科医の野口先生と弁護士の山中先生が立ち上げたのが「メンタル・コンシェルジェ」というサービスです。お二方とは、先日の産業組織心理学会のパネルディスカッションでもご一緒させていただきましたが、登壇していた私にとって非常に考えさせられる時間にもなりました。いつも連携をとらせていただいており感謝しています。

このメンタル・コンシェルジェが年に10回ほど、実に毎回興味深いセミナーを開催しています。第2期最後のセミナーがリリースされており、会員以外にも有料ではありますが門戸が開放されていますので、ご案内したいと思います。登壇されるのは花田光世先生。テーマは「キャリア・スリップ」。なるほど言い得て妙な言葉です。このテーマを花田先生が取り扱うとどうなるか、とても愉しみです。当日は私も参加予定ですが、もしもご興味のある方がお出ででしたら、下記の案内を参考にして、野口先生まで直接、ご連絡ください。

第20回メンタルコンシェルジュセミナー(今年度最終回)

「「キャリア・スリップ」をどう乗り越えていくか」
講師:花田光世先生  慶應義塾大学 総合政策学部 教授

キャリア・スリップ。結婚や出産、引っ越し、子育て、ポストオフ、体調不良、シニア層、親の介護、再雇用や退職。イメージと現実が少し解離する「キャリア・スリップ」は、誰の人生にも起こり得ると言えます。

第20回メンタルコンシェルジュセミナーでは、慶應義塾大学総合政策学部の花田光世先生を御招きして、個人や組織として「キャリア・スリップ」にどのように対応するべきか、お聞きしたいと思います。先生の御話を踏まえ、質疑・ディスカッションの時間を取る予定です。積極的なご参加をお待ちしております。
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【日時】平成24年11月8日(木)19:00~21:00
【場所】慶應丸の内シティキャンパスhttp://www.keiomcc.com/
【参加費】10000円(メンタルコンシェルジュプラン御契約企業は無料です。)
【申し込み方法】下記主催者(野口/ watarunoguchi@yahoo.co.jp)まで、メールで「御名前・御社名・所属部署/役職・メールアドレス」をご連絡ください。
【講師:花田 光世先生】
1948年生まれ。71年慶應義塾大学文学部卒後、南カリフォルニア大学で教育心理学修士号、社会学博士号を取得。同大研究員、米カリフォルニア大学ロスアンジェルス校講師などを経て、91年から現職。アウトソーシング協議会会長。「人事制度における競争原理の実態」で、組織学会賞を受賞。主な著書に「コア人材の機能と条件」(「ダイヤモンド ハーバード・ビジネス」)など。海外の学術誌を含め論文多数。
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【主催】メンタル・コンシェルジュ 代表 野口 海

【2012/10/20 19:40】 | キャリア~全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
第4回お好み焼き検定 11月18日(日)の実施です
告知です。

今年で第4回目になる「お好み焼き検定」のリリースがされています。

この検定は「にっぽんお好み焼き協会」が主催するもので、お好み焼きの魅力、美味しさ、愉しさをもっともっと広く世の中にお伝えしたいという思いのもと、毎年秋に実施しています。昨年には初めて「上級検定」も実施、ただし上級は当面は2年に1回の実施としているので、今回実施するのは「初級検定」のみです。

「初級検定」はマークシート方式で実技はありません。お好み焼きの歴史、作り方、材料、地域性など、幅広い知識が求められます。でも、心配はいりません。お申し込みをいただいた方は、web上から「要点集」がダウンロードできます。これぞ虎の巻で、これさえ読破し、それなりに記憶すれば、検定は合格間違いなし(?)のはずです。合格者には、名刺大のプラスティックカードの合格証が授与されます。飲み屋でさっと出せば、格好の話題になります。そして、合格証の裏には「お好み焼き10カ条」が記されています。

東京2会場、大阪1会場で、11月18日(日)に実施します。

お申し込みはコチラから。当日、会場でお会いできるのを愉しみにしています。

【2012/10/15 22:55】 | 未分類 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
授業の中身より、単位のことばかり、考えていました
採用面接で大学での「学び」について質問しているでしょうか。「大学時代に力を入れたこと」ではなく、「大学で何を学びましたか」という質問をしているでしょうか。私は意識して質問するようにしているのですが、そんな問いに対してさえ、多くの学生がサークル活動、ボランティア、アルバイトの話を返します。

そして、多くの採用担当者は、大学での学び、成績については面接の場でほとんど問いません。そのかわりにアルバイトやサークル活動が面接のメインテーマになります。それがわかっていれば、学生は授業なんかにうつつを抜かすよりは、少しでもエピソードとできる課外活動に力を入れるのは当然のことです。

つまり、以下のような「日本の就職活動における負のスパイラル」が蔓延しているのが今の就職活動です。

企業(採用担当者)…課外活動のみを評価する
  ↓
学生…課外活動のみに力を入れて、楽に単位がとれる授業を望む
  ↓
大学(講師)…楽な授業をした方が生徒が集まり評価されるため、授業の質が低下。学生に対する評価も公正でないものになる。
  ↓
学生…授業の質が低くなることで授業離れが進み、課外活動のみに取り組む学生が増える
  ↓
企業(採用担当者)…課外活動のみを評価する


こんな思いで一般社団法人「大学教育と就職活動のねじれを直し、大学生の就業力を向上させる会」(略称DSS)を立ち上げたのが辻さんです。

辻さんとは、前職時代にアイジャスト(当時、辻さんが率いていた会社)に面接官教育や面接官ハンドブックなどでお知恵を借りたのが縁です。もともとは1歳上の先輩と辻さんが飲み仲間だつたことから紹介をいただきました。その後、ほとんどお会いすることもなかったのですが、今回、DSSの設立1周年報告会で、改めて熱い思いを伺うことができました。

趣旨にはまったく賛同します。
そして、かたや大学内では心ある先生方が、骨太なゼミを立ち上げています。そこには素晴らしい「学び」があります。経営学習研究所(MALL)に絡まれている皆様はまさにそういうチャレンジを行っています。何ゼミに入っていたのか(どんな授業をとっていたのか)、そこでどんな評価を得たのか、これを企業が採用の材料にすることをまずはDSSは目指しています。

辻さんの目指す「正のスパイラルが生まれる就職活動」は以下のとおりです。

企業(採用担当者)…課外活動と大学の成績の両方を評価する
  ↓
学生…課外活動とともに授業にも熱心に取り組む
  ↓
大学(講師)…優秀な人材を輩出するために、指導法の工夫に努める。大学の成績が学生の就職に直結するため、学生の評価も公正になる
  ↓
学生…面白い授業が増えることで意欲的に授業に取り組み、授業と課外活動の両方で自分を磨いた学生が増える
  ↓
企業(採用担当者)…課外活動とともに授業にも熱心に取り組む



DSSのパンフには「授業の中身より、単位のことばかり、考えていました」とあります。

私たち採用に携わる者は、何を考えて、今年の面接に臨みますか。私たち企業の人間にも「日本の学び」をどうするのか、考える義務はあるように感じます。

【2012/10/09 22:50】 | キャリア~学生・就職・採用 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
書籍紹介: 『人間の達人 本田宗一郎』 伊丹敬之著
会社の3階に突然に書店ができました。それも結構な規模です。もちろん突然できたのではなく、予告のポスターなども貼ってあったようですが、あまりに身近でまったく気づきませんでした。いずれにしても、書店好きの自分としては、ことのほか喜ばしいことです。ということで、さっそくオープン初日であるこの金曜日、に4冊ほど目についた本を買って帰りました。そのうちの1冊がこれです。

本田宗一郎という稀有な経営者、そして既に歴史上の人物について、今年になって伊丹先生が書いた本です。

私は今のところ4台続けてホンダ車に乗っています。大学生のときに始めて買ったのが、三菱自動車。その次が日産自動車。社会人になってからはトヨタ自動車。そして、4台目にして初めてホンダ車を買います。それから綿々とホンダ車を乗り換えています。SONY同様にやっぱりなんとなく好きな会社、ブランドなんだと思います。是非とも頑張り続けてほしい会社です。

で、そんな会社なのですが、本田宗一郎という創業者について書かれた書籍、そして自身が書いた書籍はよくよく考えると読んだことがありませんでした。というか、偉大な経済人について書かれた書籍、偉大な経済人が書いた書籍というのは、あまり読んでないんですね。振り返ると。それから歴史物もほとんど読んでいません。たぶんこういう傾向になっているのは、これらの書籍は過去のことを書いているからではないかと思うのですが、本書の中で本田宗一郎も市場調査について過去に聞いても仕方がない的なことをいっていました。

実に人に厳しく、そして人に暖かい方だったようです。現場を大切にする反面、きちんとした理論・原理原則も大切にされていたようです。ある種、明確な哲学と思想を感じられます。

カリスマ的な創業者が退任したあと、それも二人三脚できた藤沢副社長も一緒に退任したのですから、その後のホンダを危惧した人も少なくはなかったのではないかと思います。しかも、会長に残るなどして院政を敷いたわけでもなさそうです。

それでありながら、1973年の社長退任時には3900億円であった売上高が、本田宗一郎氏が逝去した1991には4兆3900億円になっていたという(ちなみに2011年度は単体2兆7400億円、連結で7兆9500億円)、つまり社長退任で企業の勢いが衰えるどころか、さらなる成長を遂げたというのは、もの凄いことです。

おそらくこれは、偉大な創業オーナーが一線から退いた後も、その思想と哲学が残ったからではないかと思います。「人間尊重」の精神、「三つの喜び」、これらが価値基準、行動基準として根付いていたからではないかと推察します。是非、ホンダさんにお邪魔して、今の取り組みを伺ってみたくなりました。さっそく週明けにアポとり依頼をしてみます。

人間の達人 本田宗一郎人間の達人 本田宗一郎
(2012/06/08)
伊丹 敬之

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【2012/10/07 23:18】 | 書籍紹介 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
ボランティア経験は新卒採用選考で評価されるのか
あるところから、新卒採用選考の中で企業は学生時代のボランティア経験は評価しているのか、プラスに考慮されるのか、といったような取材を受けました。確かに、最近ではエントリーシートや履歴書にボランティア経験を書く人は極めて多くなっています。そして、海外ボランティアなんかについても、ツアーが大量に出回っている状況であり、その敷居は低くなっています。ある意味、お金と時間があれば、誰でもボランティアができるという、ちょっと不思議な時代になったともいえます。

で、私の回答です。

ボランティア経験をすることはもちろん良いことだとは思いますが、それだからといって単純に採用選考で「プラスに考慮されるか」というと、けしてそうでもありません。まず、ボランティアといってもいろいろなバリエーションがあります。そして何よりも大切なのは、単にボランティアをやったという事実ではなく、ボランティアを通じて何を考え、何を感じ、そして何を学ぶことができたかです。人は学びとることによって成長します。自ら成長できるエンジンを持っている人であれは大歓迎です。ボランティアという経験からきちんと何かを学びとり、自分自身の成長に結び付けられた人であれば、仕事の中でもきっと成長が期待できます。

つまり、ボランティアも他の経験も同じだというのが私のスタンスです。良い意味でも悪い意味でも、敷居が低くなった今、行くことが大切なのではなく、そこで何を考え、そこから何を学んだかをやはり尋ねたいわけです。それが言葉につむげない人は、ボランティアもただの旅行だったのかもしれません。


【2012/10/06 11:33】 | キャリア~学生・就職・採用 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
「MALL☆ドラムサークル ~MALLと一緒にドラムサークルを体感し、人材育成について考える~」
思いを同じくする仲間が集まって創設し、私も理事をつとめさせていただいている経営学習研究所(MALL)では、8人の理事がそれぞれ自分のラボを立ち上げて活動を開始しています。私のラボは、sMALLラポ。このラボへの思いを書きはじめると長くなりますので、今日は割愛し、先週の日曜日にsMALLラボとしての第1回企画「MALL☆ドラムサークル ~MALLと一緒にドラムサークルを体感し、人材育成について考える~」を開催しましたので、簡単に報告をします。

内容の概要については、こちらの案内をまずご確認ください。怒涛の4部構成です。

今回の企画は、内田洋行総合教育研究所様との共催で会場は内田洋行様の「東京ユビキタス協創広場CANVAS地下1階」。オフィスピルの地下とは思えないようなイベントに最適なスペースでした。ここに人数分のドラム類を持込みます。今回は、ドラム・サークルの第一人者であるペッカー橋田さんの全面協力をいただいており、この素晴らしい企画が実現しています。ドラムとはいっていますが、持込まれているのは大小にぎやかなラテンパーカッションです。そう、タイコです。

60人弱分のカラフルな椅子が円形をつくって並べられ、椅子ひとつにひとつのドラムが配置されます。会場に入った人は三々五々、イスに座ります。そして最初はちょっと遠慮がちに自分の前のドラムに触ります。次にはちょっと叩いてみます。不思議なものです。人は目の前にドラムがあるとつい叩く習性があるんですね。開始10分ほど前にはかなり人が集まり、部屋中に様々なドラムの音色が響きあいます。この音色は階段を通じて1階の受付にも伝わるようで、開始時刻前にきたにもかかわらず「あれ、もう始まっている」と勘違いして、あせって走って会場に入ってこられる人も何人かいました。

そして開始時刻。ペッカーさんが中央に進み、ファシリテートをはじめます。イベントとしての何の予告もなしに、リズムが刻まれます。当初の予定だと、最初に中原代表理事からMALLの説明をしていただいたりなどという段取りもあったのですが、この場の流れを切ることがとてももったいなく感じられ、異例の走り出しとなりました。でも、誰も異を唱える表情は表しません。

当日のツイートのまとめを今回のディレクター見習いでもある研究員の小池君が創ってくれましたので、雰囲気を味わってください。写真をみないと会場の雰囲気は伝わらないと思います。

さらにはこちらでは、中原先生が撮影された映像もあります。どうでしょうか、伝わりますか。一番最後の奴だけは第2部のものです。中原先生、ほんとにありがとうございます。












私が初めてペッカーさんに出会ったのは、東日本大震災の4日ほど前だったと思います。今回の第2部にあたる内容をその時には体感させていただき、「これっ何かに使わなきゃ」と強く思いました。そして震災直後の当社の新入社員研修に無理をいってベッカーさんを招き、新入社員と一緒にドラムサークルを実現させました。余震・計画停電・暗い飲食店…、そんな東京でした。
その後もいろいろな人にドラムサークルについて語るのですが、私のボキャブラリーの問題もあってかなかなか伝わりません。こりゃやってみる意外にないよなというのが私の結論で、MALLを設立したときから、MALLにベッカーさんを呼ぼうと思っていました。

目の前に太鼓があると自然と誰もが叩く、最初に能書きなんかなくてもすーっとワークショップが始まりすべての参加者がそれを受容している、誰もが太鼓を叩きながら自然と表情が緩んでいく、子供がはいってもぜんぜん妨げにならない、始まってすぐに様々な「はっ」と感じることがありました。

今回はMALLの枠組みで実施したイベントですが、様々な方のご協力を得ました。これがまた学びになります。そして、ディレクター見習いの小池君との事前のやりとり、台風情報と鉄道運行情報をウォッチしながらの当日の予定の変更に告ぐ変更、こういったことも私にとっては学びになりました。何よりもベッカーさんのファシリ、太鼓を使ってのドラムサークルは私も初めてだっただけに感動ものでした。

第3部はリフレクションの時間。何人かになって振り返りをしていただきます。その結果を紙に書いて壁に貼ります。ここで活躍したのは、受付とフードの準備を手伝ってくれた長岡ゼミの2人。黒子でありつつ効率的に動きます。カメラマンを依頼した広告研究会の時代を超えた後輩、佐谷さんもいい動きをしてくれます。

壁に貼られたリフレクションの内容は、ゆるいといえばゆるい内容、単なるストレートな感覚の表現が多かったように感じました。それにも理由があるような気がします。
ちょっと抜粋しますね。

『リズムとビートは人類共通』
『強制ではなく共生』
『表現することのハードルが「話す」よりも「たたく」方が低い』
『ドラムはたたけば音が出るので誰でも参加できる』
『失敗しても大丈夫!!』
『コミュニケーションが苦手な人でもやれる。体が不自由な人でもやれる』
『うまい下手がなく誰でもできる』
『カラオケでマイク持たない人もタイコは叩ける!タイコたたいて悲しくなる人はいない』
『研修ではなく組織開発』
『言葉の壁を乗り越えることができるので日本人以外の人とも!?』
『輪になったこと=目に見える連帯感っていい!!』
『瞬間的に枠をとっぱらえる』
『まるでドラムを叩くように自然に言葉が出る』
『仲間の個性を早く知れる研修』
『誰でもすぐできる楽器』
『研修と呼ぶと抵抗感?』
『チームビルディングの手法としてGOOD』
『一体感と信頼感を感じることができる』
『自然とチームワークができる』
『輪が大事』
『バーチャルチームのチームビルディングによい』
『年齢、経験をとわず誰でもリーダーシップがとれる』
『やったあとの振り返りの時間が重要』
『純粋に楽しい』
『新卒研修に相性がいい』
『どうやって管理職にタイコを叩かせるか』
『個人の気づきと学びを中心にする』
『今、自分がやっていることの貢献度が目に見えやすい』
『参加している実感、チームという実感、一緒に作るあげる実感、でも音の大きさは課題かも』
『どう使う…プロジェクト立ち上げ、新人、専門職、SE・研究職、役員会…』
『何に使える…アイスブレイク、チームワーク、コミュニケーション、ブレイクスルー、クリエイティビティ、チェンジスクール』
『非日常の体験の共有による一体感』
『一体感の場作りに有効、明日の内定式でさっそく使う(シェイカーをつかって)』
『言葉いらないところが逆にいいかも…、グローバルな研修に』
『難しいところ…会場探し、音が出る、広さ』
『(社内で導入するためには)学術的な裏づけがいる、関連本などがあると説明できるけど』
『費用対効果を伝えづらい』
『前例をつくってほしい。今、使っている会社にもっと効果を伝えて欲しい』
『キックオフミーティングのオープニングステージとかに』
『階層の異なる、例えば上司・部下のチームでドラムサークルはうまくいく?意見は出る?』
『「楽しかった!」「熱中した!」の共有』
『短い時間で感情的一体感が得られる』
『中堅同士でやったらどうなる?』
『「皆で」同じリズムを刻む心地よさ』
『ハメをはずしやすい、意外性が見えやすいのはタイコならでは!!』
『アイコンタクト、握手、いいね!、行動で好意を示す、気持ちを表現するっていい』

ということで場は台風を気にしながら、最後の第4部へ。ホッピーとメゾンカイザーの宴です。

本当にすべての参加者の皆様、スタッフの皆様、協力者の皆様、ありがとうございました。主催者として早く報告だけは書かないとまずいなと思い書き上げたものですので、今日は内容の紹介にほぼ終始しましたが、いずれは自分自身のリフレクションもしたいと思います。

【2012/10/02 22:40】 | 経営学習研究所(MALL) | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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