産労総合研究所の「賃金事情」12月20日号の巻頭記事は溝上憲文氏の「40歳定年制をめぐる議論を検証する」です。国家戦略会議フロンティア分科会の報告書で提示された人財戦略の中で出てきた概念です。
生産年齢人口の減少、社会保障予算の破綻回避という課題を踏まえて、すべての人が75歳まで働く社会を実現しないといけないという前提に立つと、従来型の定年制を見直し、有期雇用契約を通じた労働移転の円滑化、それを可能にする再教育機会の提供を義務つけるなどのドラスティックな変革が必要というのが、全体のイメージです。 溝上さんが施策提言の趣旨を整理してくれています。 ①雇用ルールを柔軟化し、企業活動の新陳代謝を促進させていくために、期限の定めのない雇用契約ではなく、有期を基本とした雇用契約とすべき。 ②有期を基本とする雇用契約が実現するまでの過渡期の政策として、定年制の概念を見直し、入社から20年目以降であれば、労使が自由に定年年齢を設定できるようにする(最速では40歳定年制を認める)。また、定年に達した後は、リタイアするのではなく、同じ職場で再度雇用契約を結んで働くことも可能とする。 ③早期定年制(例えば40歳)を選択した企業は、定年後1~2年程度の所得補償を義務付けるとともに、再教育機会を保障する。再教育機会を得たうえで、新たな職場に移動(転職)する。 ④国の役割として、労働市場の流動化が実現するまでの激変緩和措置として、企業に対する1~2年程度の所得保障の義務化と、雇用調整助成金から再教育訓練給付を支給する。また、40歳で初めて社外に出るのが難しいことから、入社10年目程度の人に「所得補償付きサバティカル休暇」を取得することを権利として認める。 細かいところは別にして、最近にない非常に面白い提言だと思います。溝上さんとは1年半ほど前に京成立石で梯子酒をして以来の仲で、その後いろいろな機会で企業人事としての意見を求めていただく機会があり、今回もヒヤリングをしていただいたので、このテーマについて結構、考える機会ができました。記事中「食品業の人事担当者」とされているのは、おおよそ私の発言かと思います。 非常に影響範囲の広いテーマなのですが、この施策の実現のための1つのキーである「再教育」というのに絞ってついて考えてみたいと思います。 企業や政府からみると「再教育」なのでしょうが、社員からみるとこれは「学び直し」となります。 ある大手企業でリストラをやった人事担当者からうかがった話です。 『最高学府を卒業した40代後半の社員に転職支援先がない。毎年、相当額の社員教育費をつぎ込んできた会社の中で、それなりに評価されてそれなりの立場にもなった人が、いざこの会社を出るとなると評価されるべき市場での価値が見いだせない。いったい私たちの人材育成、能力開発とは何だったのか。優秀な人材を確保して、長い年月をかけて市場価値のない人材に変えてきたのが、人事の仕事だったのだろうか』。 背筋が冷たくなる話ですが、けして大げさな表現ではないのが現実ではないかと思います。この社員が社会に出た22歳のときに40歳定年制が定着しており、「学び直し」が人生においていかに重要かが認識できていたら、そんなことにはならなかったのかもしれません。 ただ、この「学び直し」ということは簡単にできることではありません。40歳で急にいわれたのでは当然に遅すぎますし、入社10年目でも遅すぎると思います。そもそも「学び直し」といった不連続曲線で学びをとらえようとしている限りは難しいのではないでしょうか。 一番大切なのは「学び続ける力」なのだと思っています。この「学び続ける力」はおそらく転職をしようとしまいと、生きていく上での極めて大きな力になります。「学び続ける力」さえあれば、いざという時に自然と「学び直し」ができるはずです。ですから、報告書には「学び直しこそが最高のセーフティネット」とありますが、「学び続ける力こそが最高のセーフティネット」ではないかと考えます。 「学び続ける力」には4つの要素があると思っています。 ①継続学習力 …これは「学び続ける力」と同じことをいっているような言葉ですが、とにかく耳触りのいい言い訳を吐くことなく、休まずに学び続けることができるかどうかです。今は忙しいから時間ができたら英語の勉強をしようといっている人で、英語が堪能になる人はまずいないといっていいでしょう。 ②経験学習力 …環境は常に変化しています。自分の仕事も変わります。そういった変化する環境の中での経験をきちんと自分の力にすることができるかどうかです。経験を回す中で経験から学び、自分に不足するものを外から採り入れる、そんな経験の拡大再生産ができるかどうかです。漫然と果てしない日常の中で昨日と同じ感覚で受身の仕事をしているだけではいけません。ましてや、愚痴をこぼしてうさばらしをしているだけては、学び続ける力は育まれません。 ③越境学習力 …外に出て学ぶのが越境学習ですが、「会社」といった物理的な区切りだけでなく、とにかく自分のフランチャイズ、自分のホームを出て、学ぶ力です。越境学習力と転職の成功可能性とは、おそらくある程度の正の相関があるのではないかと思います。また、「越境学習」は「学び続ける力」のエンジンにもなります。外に出るといかに「学び続けないということが、いかに恐ろしい帰結を招く可能性が高いことか」を実感できるからです。 ④学習棄却力 …いわゆるアンラーニングです。これまでの成功体験、常識、仕事上のセオリーを時には捨てて、新たな知見や経験を受け入れることが必要になることがあります。学び直しのためには、良質の学習棄却が前提にあります。 実は「賃金事情」のヒヤリングのときは④を指摘漏らしていましたので、あらためて整理してみました。 いうまでもないことですが、この4つの力は今回の「40歳定年制」のようなドラスティックなケースにのみ効果を発揮するものではありません。変化の激しい時代にビジネスをしていく上では、もはや必須の事項なのです。この「学び続ける力の4要素」を発揮できていない人が、22歳で大企業に入ってそのままいつまでもそれなりの賃金をもらい続けることができていることがまさに雇用のミスマッチの本質の1つであり、「40歳定年制」のような荒療治が提言されるゆえんなのではないでしょうか。 そしてもう1つ、「学び続ける力」をつける役割は企業だけが担うものではありません。最も重要なプレーヤーは大学です。大学教育の中で、卒業時点でそれなりに「学び続ける力」を身につけることができれば、その人材は多くの企業から引く手あまたになるでしょう。そのためにも「学ぶ」ことの「愉しさ」と、「学ぶ」ことが何かの「役に立つ」のだということを肌感覚で若いうちに理解させることがまず大切だと思います。そして、大学教育の中身でも、学び続ける力の4つの要素を多少は意識した取り組みがあってもいいでしょう。 ヒヤリングをされて自分の意見を語る、書くというのは実にいい機会です。頭の中で日頃からぼやっとしていたものを無理やりに言語化する機会をいただけるわけですから。そんな感謝をこめて、今日のブログでは少し整理をしてみました。「賃金事情」12月22日号の記事、良い記事かと思いますので、是非、ご一読いただければと思います。 ![]() |
以前にこのブログでも紹介をいたしましたが、10年以上前から新卒採用関連でお世話になってきた辻さんが、DSS(正式名称は「大学教育と就職活動のねじれを直し、大学生の就業力を向上させる会」)という凄い本名が長い一般社団法人を立ち上げて、活動を開始しています。第1回に参加しましたが、素敵な熱気です。第2回以降の日程が決まりました。是非、一緒に行きましょう。
参加希望者は下記の案内にある連絡先メアドまで必要事項を記載してお送りください。また、あわせて私にもご連絡をいただけるとありがたいです。 ************************************************** DSS活動連絡会のご案内 DSS活動連絡会は、企業の人事担当の方々、または大学のキャリアセンターの方々にお集まり頂く会です。大学教育と就職活動のねじれを基本のテーマとしてはおりますが、幅広く、かつ気軽に意見や情報を交換できる場として、毎月定期的に開催しております。会の後には有志による懇親会も予定しております。是非DSS活動連絡会にご登録いただき、ご参加下さい。またご参加頂けない場合でも、議事録をお送りさせて頂きますので、ご登録だけでもして頂ければと思います。 ~今後の開催予定~ <第2回> 日時:1月23日(水)18:00~ 場所:学習院大学 テーマ:大学側から見た文系大学生の就職活動の動き(学習院大学キャリアセンターより) ※今回は学習院大学キャリアセンター様のご協力により教室をお借りできることになりました。企業の人事担当の方々が中心の集まりが、学内で開催されることは稀です。是非、この機会にお越しいただき他社の人事だけではなく、キャリアセンターの方々ともフランクな意見交換をしていただきたいと考えております。 <第3回> 日時:2月27日(水)18:00~ 場所:未定 テーマ:理系大学生の大学側から見た就職活動の動き(東京都市大学キャリアセンターより) <前回(第1回)の開催について> 12月10日に行われた第1回目の連絡会では、前半に常見陽平氏をお招きしてトークセッション、後半に「地アタマ」について意見交換会をしました。その後の懇親会では、ざっくばらんな情報交換が行われました。 ~参加・登録方法~ ※ご参加頂ける場合は、 1.ご氏名 2.所属 3.メールアドレス 4.お連れ様がいらっしゃる場合はその旨をご記入の上、1月16日までに、renrakukai@npo-dss.comまでご連絡ください。 ※ご参加いただけない場合でも議事録をお送り致しますので、今後のご案内が必要な方はご登録だけでもして頂ければと思います。 ~DSS活動とは?~ 大学教育と就職活動のねじれを直し、大学生の就業意欲の向上を通じての就業力の向上をはかりやすい社会を創る活動の略で、NPO法人DSSが推進している活動です。詳細は、ホームページ(http://www.npo-dss.com/)をご参照ください。 ![]() |
土曜日に開催された経営学習研究所(MALL)働く女性ラボのタイトルは「ロールモデルってそばにいる?」。
案内には次のような言葉が並びました。 *************************************** 遊び友達はいる。悩みを話せる友達もいる。 でも、働く自分の成長や夢を真剣に語り合ったこと、・・・あったかな? 仕事で輝く自分を実現するために情報収集、意見交換、人脈づくりの場を提供することで、 一人ひとりの成長支援をしたい。それが働く女性のための「Lカレッジ」です。 参加した皆さまが、あったかで、ぽわ~ん気分になりつつも、 「明日から、もう少し頑張ってみよう!」という気持ちになっているような、 まるで温泉帰りのようにほっこり、つるん、ぷるん状態で会場をあとにしていただける。 そんな場づくりをめざしています。 *************************************** 語られるのは元「日経WOMAN」編集長の野村さんです。野村さんには以前に素敵な取材を受けたことがありました。そこでラーニング・バーの話をしたのですが、たまたま取材に来られた前日に博多で中原先生と一緒にパネルに出られていたとかで、即、中原先生のところにまた取材に行かれていました。そして、数年の時を経て板谷理事のお導きでこうやって一緒に仕事をしているのですから面白いものです。 で、話を戻します。この企画、女性限定です。ということで会場には男性は4名のみ。共催のコクヨWORKSIGHT LAB.の方お2人とMALL理事2人だけです。貴重な男性でもある代表理事の中原先生と合間に雑談していた際に「男性同士の話では、あまりロールモデルっていわないよね」などという話が出ました。 確かにそうかもしれません。言葉が流通しない場合に理由は2通りあって、それはあまりに珍しいからと、あまりに当たり前だから、の2つです。さて、これはどちらでしょう。ということは置いておいて、せっかくだから自分のロールモデルについて今日はリフレクションします。 ロールモデルの定義を仮に「あーなりたいと思う、そこそこ身近なところにいる人」とします。歴史上の人物はロールモデルっていわないですよね。 若手営業マンだった頃、この定義に当てはまる上司・先輩は3名いました。いずれも、ツワモノの営業です。戦略的な人、理知的な人、豪快な人、それぞれタイプはまったく違いますが、共通していたのは、人が好きなところと、遊び好きなところ、酒好きなところでしょうか。で、自分が「あーなれたか」というといずれの方にもなれませんでした。どの人のレベルにも達することはできませんでしたが、自分なりの今はそこそこ築けたようには思っています。でも、そういうものだと思うのです。 比較的私はあちこちでモデリングする方かもしれません。モデリング中の時期には話し方とかがその対象の方にすごく似てきたりもします。いろいろな人の絵の具の色が混じって今の私がきっとできています。これって、土曜日に野村さんが語ってくれた「モザイク型ロールモデル」というのと極めて近いですね。 その後も多くのロールモデルに出会いました。上司・先輩だけでなく、後輩・部下もいます。その意味では私の感じるロールモデルの定義はちょっと違うのかもしれません。パーシャル連合という言葉が政治の世界で使われますが、パーシャル・ロールモデルみたいな感じかもしれません。 ですから、ロールモデルはけして目標とする「ゴール」ではありませんよね。ある意味では「励まし」のようなものでしょうか。マラソンの沿道で旗をふってくれているから、自分のゴールを目指して走れるよっていうような。 ※土曜日の内容がまったくわからないブログになっているので、興味のある方は、MALL理事の牧村さんのブログ、中原先生のブログをご覧ください。 ![]() 写真は当日の会場、素敵なコクヨさんの空間です。終了後、すべての机と椅子を撤収してから、主催者側一同はふーっと一息ついて残ったワインを呑み始め、そして自然にここで打ち上げやろうよということになり、また机と椅子を並べて果てしなく呑んでおりました。 |
精神科医の野口先生と、弁護士の山中先生が共同で推進されているメンタル・コンシェルジュの提供されるセミナーの案内をいただきました。もう21回目になるんですね。ほんとに野口先生の行動力には頭が下がります。
2013年最初の会は、高橋俊介先生が登場。今回もテーマは「キャリア・スリップ」を扱います。契約企業以外でお試し聴講をしたいという方、ご相談ください。 第21回メンタルコンシェルジュセミナー 「「キャリア・スリップ」をどう乗り越えていくか」 講師:高橋俊介先生 慶應義塾大学大学院 キャリア・スリップ。結婚や出産、引っ越し、子育て、ポストオフ、体調不良、シニア層、親の介護、再雇用や退職。イメージと現実が少し解離する「キャリア・スリップ」は、誰の人生にも起こり得ると言えます。平成25年度の初回である第21回メンタルコンシェルジュセミナーでは、慶應義塾大学の高橋俊介先生を御招きし、「キャリア・スリップ」について、個人や組織として対応する方法についてお聞きしたいと思います。積極的なご参加をお待ちしております。 --------------------------------------------------------------------------------------------------- 【日時】平成25年1月17日(木)19:00~20:30 【場所】慶應丸の内シティキャンパスhttp://www.keiomcc.com/ 【参加費】10000円(メンタルコンシェルジュプラン御契約企業は無料です。) 【申し込み方法】下記主催者(野口/ watarunoguchi@yahoo.co.jp)まで、メールで「御名前・御社名・所属部署/役職・メールアドレス」をご連絡ください。 【講師:高橋俊介先生】1954年東京都生まれ。1978年東京大学工学部航空学科を卒業し日本国有鉄道に入社。1984年米国プリンストン大学工学部修士課程を終了し、マッキンゼーアンドカンパニ-東京事務所に入社。1989年に世界有数の人事組織コンサルティング会社である米国のワイアットカンパニーの日本法人ワイアット株式会社(現タワーズワトソン)に入社。1993年に同社代表取締役社長に就任。1997年7月社長を退任、個人事務所ピープル ファクター コンサルティングを通じて、コンサルティング活動や講演活動、企業の人材育成支援などを行う。 2000年5月慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授に就任。個人事務所による活動に加えて、藤沢キャンパスのキャリアリソースラボラトリーを拠点とした個人主導のキャリア開発や組織の人材育成についての研究に従事。主な著書: 人材マネジメント革命(プレジデント社)、自由と自己責任のマネジメント(ダイヤモンド社)、知的資本のマネジメント (ダイヤモンド社)、キャリアショック(東洋経済新報社)、組織改革(東洋経済新報社)、キャリア論(東洋経済新報社)、組織マネジメントのプロフェッショナル(ダイヤモンド社)、部下を動かす人事戦略(共著、PHP新書)、人が育つ会社をつくる(日本経済新聞社)、新版 人材マネジメント論(東洋経済新報社)、自分らしいキャリアの作り方(PHP新書)21世紀のキャリア論―想定外変化と専門性細分化深化の時代のキャリア(東洋経済新報社)、人が育つ会社をつくる-キャリア創造のマネジメント (日本経済新聞出版)、プロフェッショナルの働き方(PHPビジネス新書)。 ------------------------------------------------------------------------------------------------------ 【主催】メンタル・コンシェルジュ 代表 野口 海 (慶應義塾大学大学院政策メディア研究科特任准教授/中央大学大学院戦略経営研究科客員教授) |
経営学習研究所(MALL)が新しいイベントをリリースしました。ただいま、お申込み受付中です。
経営学習研究所(MALL)は、アカデミアと実務家の有志が立ち上げた学びの一般社団法人です。私も理事をつとめさせていただいていますが、1人ひとりの理事が「ラボ」を持ち、それぞれが強く興味を持つ分野での企画を次々と立ち上げ、活動の幅を広げています。そして、このMALLのもう1つの活動が、「シアターMALL」「ギャラリーMALL」。こちらはラボ活動と違って、MALL理事全員が一緒に企画・運営に携わる、全体企画です。今回の「ギャラリーMALL」は6月に実施されたものに次ぐ2回目の企画になります。今後も、年に数回は開催していく予定です。 過去の全体企画の映像をご覧ください。 《シアターMALL①》 《ギャラリーMALL①》 今回は場所も趣もテーマも変えて、また新たな世界を参加者の皆様と共有できるかと思います。多くの方のご参加をお待ちしています。 お申込みは、コチラから。 ================================================================= ギャラリーMALL:対話の場づくり入門 〈対話型鑑賞〉を人材育成に活かす 2013年1月11日 SHIBAURA HOUSE ================================================================= 「チームメンバー同士の相互理解が今ひとつすすまない・・・」 「プロジェクトにかかわる人たちのお互いの理解を進めたい」 「うちの職場メンバーは、すぐに正解を求めてしまう・・・」 このような問題を抱えていらっしゃる方は、経営学習研究所 (Management Learning Laboratory : MALL)のラーニング イベント、年明け第一弾「対話型鑑賞×人材育成」がおすすめかも しれません。 ニューヨーク近代美術館で学んだ対話型鑑賞の第一人者である 福のり子先生と、阪急阪神ホールディングスグループの人材採用・ 育成担当である岡崎大輔さんとともに、近年、とみに注目されている 対話型鑑賞の手法を活かした人材育成の可能性を考えてみたいと思い ます。 ▼ 対話型鑑賞とは、ひと言でいえば「アート作品を前に、皆で対話を 行いながら鑑賞すること」です。こう表現してしまえば、非常に シンプルな鑑賞法ですが、実は、ここには様々な相互理解、チーム ビルディングの可能性がひらけています。 いうまでもなく、アート作品には正解・不正解はありません。 作品をみたときに感じる印象が隣の人と違うのもアタリマエです。 それを用いて行われるコミュニケーションは、いわんや、多種多様になります。 よって、アート作品は、人が多様な意見をぶつけ合うためのベースになります。この多様な意見をぶつけ合う場がつくられることで、アート 作品の対話型鑑賞の場は相互理解やチームビルディングへと向かっていくことになります。 「うちの上司、これまで気難しい人だと思っていたけど、意外とロマンチックなところもあるんだな」 「同じ職場のあの人、全然話したことがなかったけど、 実は感覚が近いかも?」 「はじめは納得できなかったけど、確かにあの人の言うことも一理あるな」 のようなことが起こる可能性もあります。 ・人材育成に関わっている人 ・アートは知識がないのでわからないと思っている人 ・同僚や仕事仲間のことをもっと理解したいと思っている人 ・職場のチームづくりに悩んでいる人 ・対話の場づくりをしてみたいが、やり方に困っている人 ぜひご参加ください! ▼ ギャラリーMALLは経営学習研究所(通称 MALL)が主催する 新しいタイプのラーニングイベントです。ギャラリー(gallery;画廊) というメタファーから展開していくこのイベントは、 「学びに関する“作品”(場;コンセプト;ツール)を限られた人数で深く味わう」 ことをねらいとしています。凝った「仕掛け」や 過剰な「非日常性」 を追求せず、落ち着いた空間(過剰に演出されていない空間)で、 学びに関する“作品”をナビゲーターや作者とともに、ゆっくり鑑賞 していく、「ギャラリー・トーク」のような場をつくりたいと思います。 企画:平野智紀(経営学習研究所理事) ================================================== □講師 福のり子(ふくのりこ) コロンビア大学大学院で美術教育学を学んだあと、ニューヨーク 近代美術館(MoMA)にて研修。90年代はじめより、アメリカで 唯一の日本人インディペンデント・キュレイターとして活躍。 主に現代写真の展覧会を、日米およびヨーロッパにて多数企画。 日本の美術関係者を対象に、鑑賞教育の必要性とその基礎を説く 講座をMoMAと共同で開催するなど、作品と鑑賞者のコミュニケー ションの重要性を唱えてきた。2004年度より京都造形芸術大学教授。 岡崎大輔(おかざきだいすけ) (株)阪急阪神ビジネスアソシエイトにて阪急阪神ホールディングス グループの人材採用・育成担当として勤務するかたわら、 ワークショップデザイナー育成プログラム大阪大学3期講座、 京都造形芸術大学ヴィジュアル・シンキング・ストラテジー(VTS) セミナーStep1~3を修了し、ワークショップやアート作品の対話型 鑑賞を用いた人材育成の可能性を模索している。 □主催 一般社団法人経営学習研究所 □共催 京都造形芸術大学アート・コミュニケーション研究センター □会場 SHIBAURA HOUSE JR田町駅・芝浦口より徒歩7分 http://www.shibaurahouse.jp/about/info/ □日時 2013年1月11日(金) 18:30-21:00 開場は18:00から □参加費・募集人数 おひとりさま4000円を申し受けます。 定員50名 □内容(変更の可能性あり) 18:00 開場 18:00-18:30 ウェルカムドリンク「ギャラリーMALLへようこそ」by 平野 18:30-18:55 〈対話型鑑賞〉を体験する(1)by 福 18:55-19:25 食事 19:25-19:55 〈対話型鑑賞〉を体験する(2)by 福・岡崎 19:55-20:00 休憩 20:00-20:10 〈対話型鑑賞〉とは by 福 20:10-20:40 ダイアローグ〈対話型鑑賞〉を吟味する 20:40-20:50 ラップアップ「対話の場づくりのヒント」by 中原 21:00 クローズ ======================================== □参加いただく条件 1. 本イベントの様子は、予告・許諾なく、写真・ビデオ撮影・ ストリーミング配信する可能性があります。 写真・動画は、経営学習研究所ないしは、 経営学習研究所の企画担当理事が関与するWebサイト等の広報手段、 講演資料、書籍等に許諾なく用いられる場合があります。 マスメディアによる取材に対しても、許諾なく提供することがあります。 参加に際しては、上記をご了承いただける方に限ります。 2.欠席の際には、お手数でもその旨、事務局(小池)までご連絡下さい。 人数多数の場合には、繰り上げで他の方に席をお譲りいたします。 admin [atmark] mallweb.jp 3.人数多数の場合は、抽選とさせていただきます。 12/21(金)までにお申し込みをいただき、12/24(月)には抽選結果を送信させていただきますので、あしからずご了承下さい。 |
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