ちょっと前の東洋経済オンラインで「ガラパゴス化している、日本の女性活用 ~過度な育休や時短は、キャリアアップの妨げに」なる記事がありました。アパショナータなる組織の代表であるパク・スックチャ氏の主張です。この方、どういう立場の方なのかまったく存じ上げなかったのですが、主張されていることはいずれもうなづけます。
くるみん的な取り組みによって、ここ10年ほどで結婚や出産を機会に退職をする女性は激的に減りました。これはもの凄いことかと思います。でも、どこの企業でも政府目標とおりに指導的立場に女性が30%つけるかというと、かなりお寒い状況ではないでしょうか。就業率は高まったのに、活躍の場がけして拡がっていないのは、日本の女性活躍支援が、育児休暇や時短の推奨・拡大という偏った方向で行われてきたことに要因があるというのは、非常にうなずける話です。 ビジネスのスピードがここまで早くなると、長期間のブランクは致命的にキャリアを損傷させるリスクがあります。また、長期間の時短勤務も責任の高い仕事から遠ざける結果をどうしても招きます。大和総研の主席研究員、河口真理子氏がり現在のワークライフバランス政策に対して「家庭責任が主で、会社では、補助的な仕事を行う女性社員を大量に作り出した」と厳しい指摘をされているそうですが、ほんとうにそうであれば本末転倒ともいえます。しかし、この4月に悲喜こもごものドラマが今年もありましたが、待機児童問題は一向に解決しません。4月から立ち上がる「子ども子育て会議」では、2年間に渡って検討を行い、その後5年間で実行に移していくというプランを待機児童撲滅に対しても掲げています。要は7年経たないと解決しないといっているのですが、その頃には少子化がさらに進み、待機児童なんていなくなっているかも、という笑い話のようなことも起こりかねません。 働き方には価値観が入ってしかるべきですから、すべての子育て世代がパワフルに働くことを求めるわけにはいきません。これは男女ともにでしょう。しかし、若年労働人口が致命的に減少することが目に見えている日本としては、キャリアの空白期間をできるだけ少なくして、子育てをしながらもハードワークをこなしていくことを明るく目指せるような選択肢を社会は提供するべきですし、そういった気持の人を増やしていくことは必要なはずです。詳細は東洋経済オンラインのリンクをみていただければと思いますが、日本の手厚い育児休業、時短施策は世界的には異様だといえるようです。社会で育児を支えるインフラの構築を行ってきたつけを、企業に強制した表面的な休業・時短で補い、結果的に女性が活躍する場を狭くしてきたのが、これまでの女性活躍施策であると、皮肉な表現ができなくもありません。 在宅勤務、託児所、ベビーシッターの3つをうまく組み合わせて、育児期でも人並み以上に働きたいことを望む人に対しては、そのような環境を提供することは必要です。企業の女性活躍支援施策も大きな転換を図るべき時期ではないかと思います。長く休むことに対して制度で投資をするのではなく、早期に復帰して働こうという人に投資をするという視点が必要になっているはずです。 ![]() |
まさか5期まで続くとは…と思われた「ラーニングイノベーション論 ~あなたが変われば 人が変わる 組織が変わる」、5期の案内が慶応丸の内シティキャンパスHPにてされています。私は1期生ですが、これに参加しなければ、経営学習研究所の立ち上げにかかわることもなかったでしょうし、その他、とにかくここから生まれたものは多いです。是非、興味のある方は、参加いただければと思います。内容について、何かお問い合わせがあれば、いってください。
では、HPからの引用です。 ************************************************ 企業人材育成のあり方が、今まさに「変革」の時期を迎え、人材育成が組織や職場のニーズ、経営戦略の実現、ひいては企業変革にいかに貢献できるかが問われています。 本プログラムは、 1. 学習理論、動機理論、戦略人事の基礎知識を理解する 2. 最新の企業人材育成のトレンド(現場・支援/イノベーション・場/信頼・内省)を知る ことによって、「自社にフィットした人材育成のあり方」を見いだし、プランニングすることをめざします。 さらに自らも企業人材育成プロフェッショナルとして学び、成長し、変革する主体であることを認識し、自身や自部門の仕事をどう変革し、今後どのような新たな役割を担っていくべきなのかについても考えます。 ************************************************ カリキュラムはこんな感じです。 ずるいことにまた進化しています。 いくつか、聴講希望の講座もあります。 それにしても、講師自らがリフレクション・ムービーを作ると書かれているカリキュラムはそうそうないですよね。まあ。 ************************************************ [ファーストトラック:働く大人はいかに学び、成長するのか] Session1-1 5/10(金)14:00-14:45 イントロダクション:働く大人の学びを科学する [講師]中原 淳 東京大学 大学総合教育研究センター准教授 Session1-2 14:45-17:45 経験学習とOJT研究の現在 ~働く大人が学ぶメカニズムを探求する [ゲスト講師]松尾 睦 神戸大学大学院 経営学研究科教授 [講師]中原 淳 東京大学 大学総合教育研究センター准教授 Session1-3 18:00-21:00 「大人の学び」ワークショップ [講師]中原 淳 東京大学 大学総合教育研究センター准教授 Session2 5/16(木)10:00-18:00 ラーニングピクニック:体験!アドベンチャー教育~経験を通じた学習の実践 [ゲスト講師]難波克己 玉川大学 学術研究所・心の教育実践センター 准教授 [講師]中原 淳 東京大学 大学総合教育研究センター准教授 Session3 5/31(金)18:30-21:30 日本型戦略人的資源論とはなにか [ゲスト講師]守島基博 一橋大学大学院 商学研究科教授 [講師]中原 淳 東京大学 大学総合教育研究センター准教授 Session4 6/3(月)14:00-18:00 ラーニングピクニック:やる気をひきだすマネジメント~社員自ら創り育てるわたしたちの働く場 [ゲスト講師]久保田美紀 スターバックスジャパン株式会社人事本部人材開発部部長 [講師]中原 淳 東京大学 大学総合教育研究センター准教授 [セカンドトラック:人材育成のトレンドと事例] Session5 6/21(金)18:30-21:30 ネットワーカーとしての人材開発部門のあり方 [ゲスト講師]アキレス美知子 株式会社資生堂 執行役員 広報・お客様情報・環境・CSR・風土改革担当 [講師]中原 淳 東京大学 大学総合教育研究センター准教授 Session6 6/27(木)13:30-17:30 人材開発部門のあり方を考える:支援を手がかりに [ゲスト講師]金井壽宏 神戸大学大学院 経営学研究科 教授 [講師]中原 淳 東京大学 大学総合教育研究センター准教授 Session7 7/4(木)18:30-21:30 職場の学びを科学する [講師]中原 淳 東京大学 大学総合教育研究センター准教授 Session8 7/11(木)17:30-21:30 知識創造理論の現在 ~知識創造をめざす場のデザインとは [ゲスト講師]妹尾 大 東京工業大学 大学院社会理工学研究科 経営工学専攻准教授 [講師]中原 淳 東京大学 大学総合教育研究センター准教授 Session9 7/24(水)17:30-21:30 慣性軌道を越えて創造する:異化としてのワークショップと越境 [ゲスト講師]長岡 健 法政大学 経営学部 教授 [講師]中原 淳 東京大学 大学総合教育研究センター准教授 Session10 7/31(水)10:00-17:30 ラーニングシアター:創造的なコラボレーションを生む~インプロビゼーション(即興演劇)の展開 [ゲスト講師]高尾 隆 東京学芸大学 芸術・スポーツ科学系音楽・演劇講座演劇分野准教授 [講師]中原 淳 東京大学 大学総合教育研究センター准教授 Session11 8/7(水)18:30-21:30 研修のデザイン:教えることを科学する [講師]中原 淳 東京大学 大学総合教育研究センター准教授 [ファイナルトラック:未来をつくる] Session12-1 9/19(木)16:00-19:00 “成長するしかけ”を創る [ゲスト講師]曽山哲人 株式会社サイバーエージェント 取締役 人事本部長 [講師]中原 淳 東京大学 大学総合教育研究センター准教授 Session12-2 9/19(木)19:00-21:00 ラーニングイノベーターに聞く! ~アクションプランのそれから [講師]中原 淳 東京大学 大学総合教育研究センター准教授 Session13 10/17(木)18:30-21:30 これからの人材育成を考える ~企業内人材育成家の挑戦 [講師]中原 淳 東京大学 大学総合教育研究センター准教授 ************************************************ ついでに参加者の声もコピペしておきます。 玄人的には、どれが誰のコメントかのあてっこクイズなんかも面白いですね。 ************************************************ 「私は覚悟ができている。あなたはどうか?」との投げかけは、ガツンと揺さぶられました。私にとっては、既にそこから学びが始まってました。あまり肩肘はらず、まずは愉しむ。宣言して、やってみる。すると何かが動き出す・・・等々様々な気づきを得ました。これを機会に社内外で学びを進めていこうと思いました。事務局の振り返り、まとめがすばらしいと思います。研修は受講生、先生、事務局が皆で創ること。そのすばらしさを今回感じた次第です。ありがとうございました。そして、今後ともよろしくお願いします。 企業における人材育成の奥深さと面白さに改めて気づくことができました。プログラム構成が体系だっていて、とてもバランスが良かったと思います。(理論あり、体験あり、実例に基づいたお話あり。)また、講師陣が「今を生きる」方ばかりだったので、とても刺激を受ける場となりました。参加メンバーの意識が高く、毎回、グループディスカッションでは勉強させていただきました。取り組みは大変でしたが、事前課題、事後課題は振り返った時にとても役立つものだと思います。なんといっても事務局の方の場のしつらえ方は素晴らしいと思います。大人の学びを体験する事が出来ました。 セッション全体を通して、理論・社会的背景を踏まえた現在の状況・現場での実践バランスがよかった。それぞれ背景の異なる豪華な講師陣が登場し、講座内での交流、期を越えた交流を促進する仕掛けがあり、共に実践をしていく仲間ができ、これからの自分のキャリアやライフワークを深めるキッカケとなりました。毎回ライブ感いっぱいで、ワクワクする学びの場でした。参加しようか迷っていましたが、本当に参加して良かったです。有給とって参加した価値が十分ありました。事務局の細やかな気配り、心配りにはいつも感動でした!(感動を生む事務局ってすごい!)またMCCの講座に参加したいと思います。本当にありがとうございました! 各回の学びを受講者・先生・ゲスト・事務局それぞれが複数回いろんな形で表現できるところがすばらしい。通常、講師や事務局が「学んでいる」というのを実感することは少ないですが、すごくそれが感じられました。体を動かしたり、体験したことを、主観的に記述しながら、少しずつ自分が変わっていける過程がおもしろかった。 とにかく、講師の方々がすばらしかった。期待外れな部分はなかったですが、私のような、技術者あがりの素人には、議論の中で交わされているキーワードで理解できないものもありました。すばらしい講師陣と共に、貴重なディスカッションの時間(場)を提供していただき、ありがとうございました。毎回の講義がハッとすることの連続で、今までの受けたことのない刺激に満ちた講義でした。事務局の方々にも、色々とお世話になりありがとうございました。 まさに「理想的な大人の学び」がこのプログラム自体にあったのではと思います。私は人材育成部門に来てまもない段階で受講しましたが、経験の長さは関係なく、是非様々な方々にお勧めしたいプログラムです。こんなにも学ぶこと自体が楽しく、すぐに誰かに話したくなり、また実践していきたいと感じたのは社会人になって初めてです。本来、学ぶことは楽しい事なんでしょうね。ラップアップでの先生のコメントや余韻を残すまとめ方は絶妙です。ついつい研修内で完結することを目指してしまいますが、そうではなく、日常に繋げるためにも余韻を残すのも大事だなあと思います。事務局の存在がなければ、今の自分はないです。。とそのくらい、中原先生と自分たちを繋いでくれる大きな存在でした。プログラム中だけでなく、前後の絶妙なフォローメールや実況中継のような振り返りなど、是非色々教えていただきたいと感じましたし、研修事務局としても考えさせられました。終了後もいろんな人とのつながりの支援をしてくださる慶應MCCに大変感謝しております。 人事、組織開発というものについて、総括的な最新の所見が得られたこと。中原先生の仕切りと、各会の講師陣の方々が共に素晴らしかった。社会構成主義や、場の力というものが認知が広がり、トレンドになるという中で、さらなるアンチテーゼやその先というあたりにも興味がわいた。また、経営の視点から見た人材育成、組織開発の切り口に、より興味がわいた。 多様な講師やコンテンツで多くの学びを得ることができました。単なる講義だけでなく、セッションの進め方そのものから勉強できました。先生のご自身の知見もさることながら素晴らしいプログラム構成とファシリテーションのお蔭で、学びの多い6か月となりました。これからも追っかけますので引き続きお願い致します! 中原「キワ者」ワールドに触れられたこと。ラーニングイノベーターになりたいと本気で思えたこと。切磋琢磨し合える仲間に出会えたこと。ゆるやかなつながりの中で、ハードな学びとハードなfunが体験できたこと。オトナの成長周りの、あらゆる分野の専門家・実践家から直接話が聞けたこと。自分のチャレンジ領域が明確になってきたこと。新しいチャレンジを宣言できたこと。継続的な越境学習を実現できるという期待を持って、毎日の雑多なことに向かえるようになったこと。総じて、半年という期間をかけて、ぐるぐるできたことがよかったです。ラーニングイノベーターという言葉が、最初はよく分からなかったのですが、今は、とてもしっくりきております。いつも事務局の皆さんの支えがあってこその学びでした!今後ともよろしくお願いします! いわゆる「導管型」の学びでなく、ワークショップ形式や校外プログラムなど、頭と体を使って考え、アクションを促す内容で、あっという間に終わってしまった感じです。参加者同士のつながりを深めるための支援もあり、毎回、参加するのが楽しみでした。個人的にはインプロやダイアログ・インザ・ダークが強く印象に残っています。事務局のサポートが素晴らしく、気持ちよく学ぶことができました。修了証と一緒に頂いた手作りの冊子には本当に感動しました。生涯の宝物として、折に触れて目を通していきたいと思います。 人材育成と組織開発について理論と実践の両面から最新の知識と刺激・気づきを得られたこと。参加者同士が対話をしながら進めていったことがとても良かったです。プログラムの構成も素晴らしかったです。何よりも今期のセッションだけで終わることのない継続的な学びの仲間と出会えたことは、私の人生にとってもかけがえのない体験になったと感謝しております。期待を大いに上回るプログラムでした。常に「自分ごと」として学んでいくことができるように工夫されていたこと、ほんとうに素晴らしいプログラムでした。「ラーニングイノベーション」という講座名は当初は格好良すぎて、ちょっと自分には遠い感じもしていたのですが、今は私も「ラーニングイノベーター」の一人だと思えるようになりました。受講するかどうか、ギリギリまで悩んだのですが、受講してほんとうによかったです。中原先生のセッション、参加者同士の対話も当然のことながら、慶應MCCの皆さんの素晴らしいラーニングファシリテーターぶりに学ぶこと多々ありました。リフレクションシートやふりかえりのメール、写真、ホスピタリティ溢れる運営に感謝感謝です!事務局ではなくて、同じ場で学ぶ仲間という気持ちになれる事務局ってほんとうに素敵です。これからも一緒に学んでいきましょうね。 「聞く」だけでなく、「考え」「対話し」「気付く」ことのできる点がよかった。理論+実践のSessionがあることで、机上の空論ではなく、「実行する」という覚悟も持てた。参加者からも多くの刺激があった。人事・教育担当の仕事に行き詰まりつつあった中で、各セッション・先生のスライド・メッセージが大きな力になりました。私自身の取り組みは小さなことからになりますが、意志を持って実践します! 難しい理論・考え方を素人にも分かり易く伝える技術、適度な緊張感をもちながらゆるやかな学びの場を作り出す中原先生のお人柄は素晴らしく、一ファンになりました。教えていただいたこと対する自分自身の理解度はまだ低く、ほんの入り口に立ったというイメージですが、今後の私の人生において非常に価値を持つであろう世界観に導いて頂いたと感謝しています。知見を広げつつ実践で鍛えたいと考えます。事務局のホスピタリティは素晴らしいなと思っておりました。絶妙なタイミングで配信されるリフレクションメールをはじめ、おかげでラーニングイノベーションの半年を何とか乗り切れました。 ************************************************ この講座を中原先生と二人三脚で立ち上げた世界の事務局は、退職のより第5期には現れません。壮行会は第2金曜日です。 ![]() |
本日、慶應MCCにてメンタルコンシェルジュのセミナー。「環境変化に合わせた雇用と日本社会のあり方」と題して東京大学大学院経済学研究科の柳川範之先生が登壇されました。
柳川先生いえば、前政権時に国家戦略室フロンティア会議にて「40歳定年制」を提唱された方です。文脈をまったく読めない方々からは様々な非難の声も浴びせられたそうですが、私は大賛成です。40歳定年制の中味については、以前のブログをご参照ください。これ、溝上さんが整理してくださったものですが。 本日伺っていて改めてそうだ!と感じるのは、論の中心に「学び」「学び直し」があることです。これが何よりもポイントです。 柳川先生は実はかなり変わり種の経歴をお持ちです。小学校はシンガポールで育ち、中学校こそ日本を出たものの、すぐにブラジルへ。ブラジルではポルトガル語ができないために学校には入らせてもらえずに独学。日本に戻ってきてから大検を受けて、普通の人よりは数年遅れで慶應義塾大学通信教育課程に入学……、という感じだそうです。おそらくその生き方が影響をされているのかと思いますが、価値観の多様性をとても大切にされる方のように感じられました。「日本の働き方、日本の学びが窮屈に感じる」と語られていましたが、確かにそのとおりかもしれません。 冒頭で4つの再構築で新しい社会を創ることを提唱されました。4つとは以下のとおりです。 ①働き方の再構築 ②学び方の再構築 ③コミュニティの再構築 ④アイデンティティの再構築 実は日本社会の特徴は、このほとんどをこれまで企業が担ってきたことだと指摘されます。働き方はまだいいとして、新卒一括採用・長期雇用という流れの中で確かに「学び」は企業が施すものでした。そして、自分の会社以外の「コミュニティ」に参加できていない社員、自分の会社にしか「アイデンティティ」を感じられていない社員、すべてを企業が提供し、企業が抱え、企業が囲ってきたと確かにいえます。 であれば、再構築とは企業に頼っているこれらを企業に頼らないですむ仕組みとかたちを創ることから始まります。 ただ、どうにも心配なのは、学びの再構築を国が担うとなると、そのための助成金ができて、助成金に群がるベンダーたちが役に立たない学びを提供して勘違いした国民を乱造して、どんどん国家財政を悪化させていくだけというストーリーです。 企業はこれまでもできることはきっとやります。国もそこそこであればやってもいいです。そして、それ以外にも私たちは思いを実行に移していろいろなところで学びの場を創ればいいのです。これは私たちが取り組んでいる一般社団経営学習研究所(MALL)の取り組みにも近いものがあります。ただし、変に合目的的になり過ぎず、変にシステマチックになり過ぎず、そんな思いで進めるのが大切かなと思っています。 なんか話がずれてきました。 今日のお話、さわりしか書けていないので、また後日続きはやります。きっと。 ![]() |
慶應義塾大学丸の内シティキャンパスと慶應義塾大学SFC研究所キャリア・リソース・ラボラトリー共催の『キャリア・アドバイザー養成講座<アドバンス>』の募集が始まっています。いうまでもなく、花田光世先生の完全指導のカリキュラムです。
「アドバンス」は秋から開催される「ベーシック」の上級講座ですが、キャリアに関してそれなりの知見があれば「アドバンス」からの参加も可能です。事務局か私にでもいいので、興味のある方はご相談ください。 ホームページから案内文を引用します。6月から9月まで16回開催です。 ***************************************************** 「キャリア・アドバイザー養成講座」と同様、組織内にてキャリア開発を担当している方々を対象に、キャリアアドバイスを実践する過程においての問題や経験を共有しながら、キャリア・アドバイザーとしてのレベルをさらに高めることをねらいとしたプログラムです。キャリア・アドバイザーとしてクライアントに適した手法を用いて、適切なアドバイスを実際に行うとともに、組織開発の手法についてのスキルや知識の習得をめざします。 キャリア自律の重要性は、「個人の意識」「組織の人材マネジメント」の双方の視点で着実に浸透してきたと言われています。一方で、個人が描くキャリアビジョンと組織が期待する役割や仕事内容をどのようにして統合していくか、個の自律と組織全体の活力向上をどう両立させていくかが大きな課題となっています。組織の中にあって、個人のキャリア開発支援と組織の活性化という両面からのサポートを担う「新たな役割と機能」が求められていることは間違いありません。 「キャリア・アドバイザー養成講座」は、その新たな役割として「キャリア・アドバイザー」を提唱するとともに、キャリア・アドバイザーに必要な知識とスキルを養うことを目的とします。本アドバンスコースでは、対個人、対組織の両面において、より専門的なアプローチ方法を習得し、実際のキャリアカウンセリングやアドバイスの事例を題材に受講生相互の議論を深めることにより、「キャリア・アドバイザー」としての知見と専門性を高めます。 アドバンスコースで学ぶこと 基本となる理論やスキルを中心に学ぶベーシックコースからさらに進み、事例による実践演習や受講者間でのディスカッションを通した相互の意見交換を中心に、「組織」・「コミュニケーション」・「カウンセリング」という3つの視点からキャリア・アドバイザーとして「キャリア・アドバイザーと組織の関わり方」「キャリア・アドバイザーにとって必要なコミュニケーション技法」「各派理論から実際に活用するためのカウンセリング知識と手法」等の専門性をさらに深めます。 また、セッション以外の時間で、花田講師による個別キャリア面談を実施します。 セッションの内容 Session1 キャリア・アドバイザーとして(1)アドバイザーの役割 キャリア・アドバイザーの重要性 キャリア・アドバイザーの仕事・役割 米国におけるキャリア自律 これからの人事サービス Session2 キャリア・アドバイザーとして(2)アドバイザーの責任と自覚 必要とされる経験・バックグラウンド 必要とされる能力・資質・適性と知識 組織の活性化と個人への動機付け キャリア・アドバイザーとキャリアカウンセラー Session3 キャリア・アドバイザーの活動を活性化するサポートインフラ 人事業務との接点づくり、教育部門との役割分担 研修の活用 メンター制度の構築 これからの組織を支えるインフラ Session4 コーチングとコミュニケーション(1) コーチングの基本的な考え方の確認 コーチングスキルの理解 コーチング演習1 Session5 コーチングとコミュニケーション(2) 現場におけるコーチングの活用 コーチング演習2 Session6 コミュニケーション演習 キャリア・アドバイザーにとってのサービスとは 現場とのかかわり方について キャリア自律プログラム(CSR)の展開方法について キャリア自律(CSR)を通した行動変容 Session7・8 テスト・サーベイ開発の演習(1)(2) アンケート調査の手法 さまざまなテストの開発と評価方法 テスト・サーベイ項目の作成演習 Session9 企業内臨床心理士の活動/カウンセリングにあたっての心構え 企業内臨床心理士の位置付けと役割 企業内臨床心理士の組織内ネットワーク 事例からみる企業内臨床心理士の活動 Session10 専門家との連携 メンタルヘルスの予防、克服、復職支援 知っておくべき健康管理および安全配慮の視点 多様な精神症状の存在 連携の重要性 Session11 キャリア健診/スーパービジョン キャリア健診 成長意欲を持つための環境づくり スーパービジョンについて Session12 ユング派の心理療法 ユング派心理療法 ユング派心理療法のプロセスと「解釈」 Session13 ロジャースの来談者中心療法 カウンセラーとアドバイザー カウンセリングとは ロジャースの理論 ロジャースの来談者中心療法 Session14 ゲシュタルト心理学のカウンセリング さまざまなカウンセリング手法 人間性心理学のカウンセリング ゲシュタルト的なカウンセリング手法を考える Session15 キャリア・アドバイザーの評価と育成 キャリア・アドバイザー自身の行動のあり方 キャリア・アドバイザーとしてのレベルアップ キャリア・アドバイザーに対する評価 キャリア・アドバイザーとカウンセラーのマネジメント Session16 ライフキャリアの課題/キャリア・アドバイザーの役割 キャリア・アドバイザーの能力レベルを高める組織内インフラ キャリア・アドバイザーの能力レベルを高めるプラットフォーム これからの人事教育の役割とキャリア・アドバイザー ***************************************************** 詳細については慶應丸の内シティキャンパスのホームページをご確認ください。 この講座の立ち上げ期に尽力された「世界の事務局」がMCCを去るそうです。でも、講座と思いは残ります。いずれもしもこの講座がなくなっても、受講した私たちの中にその思いは受け継がれますし、私たちはその思いにもとづいて日々活動を続けます。そして、さらにはここでいただいたネットワークは残ります。 何かを創り上げるというのは、そういうことであり、とても素敵なことです。 ![]() |
最近、読んだ本をぜんぜんアップしてないのですが、この本は少し書いておきます。
著者の山崎亮さんは、もともと建築やランドスケープのデザインに取り組みながら、「それだけでは解決できない何か」が自らの中で無視できないほど大きくなり、現在の「コミュニティ・デザイン」に辿りついたのだといいます。先日、「カンブリア宮殿」に出演されていたので、ご覧になった方にはご理解いただけると思いますが、ぱっと聞いて分かりやすい概念ではないかもしれません。 ランドケープデザインというのは、言葉のとおり風景をデザインする仕事だそうです。個人の庭、公園、広場、大学のキャンパスなどその対象は広いですね。なるほど、よくよく考えると、そういうものってきちんとデザインされているんですね。実は細かいところまで、デザイナーは心を配っているわけです。でも、そんな公園が10年もすると人もまばらな寂しい場所になったりします。これは開園後の公園マネジメントの問題ですが、通常ここまで建築家は立ち入りません。そして、それを手掛けたのが著者の山崎亮さんです。「つくらないデザイン」への挑戦だともいえます。 建築物は人がいて初めて生きるものなのだと思います。人が集い、人が愉しみ、人が使う「場」にするために、人をどう巻き込むか、そしてそんな「場」をどう創るか、つまりコミュニティをデザインするということです。そして、この活動は、地域社会のリ・デザインにまで広がります。瀬戸内の家島や隠岐諸島の海土町の仕掛け人も山崎亮さんだったんですね。 「地域に住む人がそれぞれの地域に住む課題を自分たちで乗り越えていく」のを手伝うことが、コミュニティ・デザイナーの役割だとすると、これは極めて重要な役割です。そして、ますます重要になるはずです。行政がすべての役割を適正に担えないことは既に今の時点でも明確です。これからの私たちの国は人は減り、公共予算も減ります。人口はいずれ昔の水準に戻るともいわれています。しかし、昔の日本に戻ればいいのではなく、21世紀の新しい人口が減った日本の姿を私たち皆で模索しなければなりません。 実は私たち人事担当者が社内で奮闘していることも、コミュニティデザインなのかもしれません。制度や組織というものがランドスケープ、もっといえば「箱物」だとすると、そこで働く人、正社員だけではなく外部スタッフも含めた人がそこでどう「それぞれの組織にある課題を自分たちで乗り越えていく」ことへの支援、まさに私たちの仕事ともいえます。組織内コミュニティ・デザインです。ある意味、【ちゑや】的活動もこの文脈にあるといえます。山崎亮さんの活動をみると、効果的なワークショップを活用されています。今、人事の世界でもワークショップ流行りですが、どちらかというと新しい「手法」としてブーム的に取り入れているきらいもあるのは気になります。 「カンブリア宮殿」では、山崎流「つながる」極意のステップとして以下の3段階を整理していました。 ①自らがつながる ②住民同士がつながる ③町がつながる これは、企業組織の活性化への取り組みのステップとしても同じはずです。私たちのビジネスにおいても、山崎亮さんのような方々の活動から学ぶところは大です。ただし、私たちは行政側としての立場も組織内で持ち合わせているというか、そちらが本務として見られますから、また1つ2つ違った工夫も必要になってくるのかと思います。 自分は都市部にすんでいますが、日本の人口推移をみている限りでは、今、過疎地で起こっていることはちょっと先の未来に日本のすべてで起こることだというイマジネーションを持つ必要があります。「カンブリア宮殿」の最後に村上龍さんがまとめていた言葉は、まさにその危機意識から生まれています。 「世間」は消失しつつあるが、それに代わるコミュニティは育っていない。宗教的規範が機能している国だったら、人々は教会やモスクに集まり孤独から逃れられる。山崎さんの活動を知って、自分はシリアスな変化に気づいていなかったと思った。疲弊した地方の現実、人口減少による全国的な過疎化への想像力が足りなかった。コミュニティの復元は、単なるヒューマニズムではない。生産性の急落を防ぐという経済イシューなのだ。そして、山崎さんの活動は「ひょっとしたらすべてが手遅れかもしれない」というニヒリズムとの闘いでもある。 でも、あせっても何にもなりません。自分のフィールドでできることを自分ゴトでやるのが何よりも大切なのだと思います。頑張っている人たちの活動からパワーをいただきながら。
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私もほんとう微力ですが設立に関与しました「特定非営利法人 楽器で笑顔基金」が設立初めての「事業報告書」をまとめ、来期に向けての「事業計画書」を策定しました。そして水曜日に総会を開催しました。
この「特定非営利法人 楽器で笑顔基金」は、東日本大震災で楽器を失った学校に楽器を送り、指導者が現地に入り、音楽の力で少しでも笑顔を拡げたいとの思いで、日本のパーカッション界の草分け、ペッカー橋田さんが中心になって設立したものです。これまで何度も東北に入り活動を行い、多くの楽器を寄贈してきましたが、まだまだ活動は途上です。今回は気仙沼から新たな理事にも加わっていただき、総会の後には理事・社員でのお定まりの懇親会を行いました。実は私、大幅遅刻で総会会場にビルに到着したときには、ちょうど総会が終了して先発隊がエレベーターから降りてきたところでした。ということで、懇親会のみの参加でした。念のために事前に委任状をお送りしておいてよかったです。 で、ペッカーさんを中心にしたミュージシャンが集まり、今年も「東日本大震災復興支援チャリティ・ライブ produced by Pecker!」を3月11日に開催します。場所は池袋のサルサバー「レラオシオーネ」。私も仕事が終わり次第、駆けつけます。今回はギリギリまで仕事があるので、残念ながら受付担当はできません…。 「東日本大震災復興支援チャリティ・ライブ produced by Pecker!」 ●日時:2013年3月11日(月)19時開始 ●場所:「レラシオーネ」 〒171-0014 東京都豊島区池袋2丁目12−9 広瀬ビル-3 4階 東京メトロ 副都心線 池袋駅 C1出口からすぐ! ●参加ミュージシャン: ペッカー(perc.)/やまもと きょうこ(vo.)/Masayo(vo.)/岩村健二郎(vo.)/MAKOTO(vo.)/仲田美穂(pf.)/澁谷和利(b.)/相川等(tb.)/伊波淑(perc.) ●参加DJ: DJ Mart ●参加ダンサー: Mina Martinez/Kimi/KEN/Frank Abel Carrion ●ミュージックチャージ: 予約=3,000円 with 1ドリンク(うち2,500円を「楽器で笑顔基金」に寄付します) 当日=3,500円 with 1ドリンク(うち3,000円を「楽器で笑顔基金」に寄付します) ※楽器の寄贈も受け付けています(特別なメンテナンス無しでそのまま使えるものでお願いします)。お譲りいただけるものがあれば当日お持ちください。 ![]() |
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