「今年の新入社員はルンバ型」なんてことに引っ張られない育成を!
月曜日から新卒新入社員が社会に入ってきます。

毎年、彼らはいろいろとレッテル付けをされる宿命にありますが、その代表的な奴に「今年の新入社員は○○型」というのがあります。現在では、公益財団法人日本生産性本部から発表されています。一昨年からなくなったとばかり思っていたのですが、存続していたんですね。それにしても、何となく最近は安易な名付けになっているように感じますが、今年も嫌になるほどとても安易です。

今年の新入社員は「ロボット掃除機型」。「ルンバ型」といえないのは商標ですので仕方がありません。

その理由としては、「一見どれも均一的で区別がつきにくいが、部屋の隅々まで効率的に動き回り家事など時間の短縮に役立つ(就職活動期間が2か月短縮されたなかで、効率よく会社訪問をすることが求められた)。しかし段差(プレッシャー)に弱く、たまに行方不明になったり、裏返しになってもがき続けたりすることもある。能力を発揮させるには環境整備(職場のフォローや丁寧な育成)が必要。」だとのことです。

まあ、自らが自律的に動き、あれこれぶつかりながらも役割を果たそうと懸命に頑張るという意味では、素晴らしいことではないかと思います。どちらかというと問題なのは、ルンバに任せてマネジメントをしない受け入れ側ではないかとも思います。その意味では、昨今の新入社員の受け入れ態勢こそ、下手すると「ロボット掃除機型」の新入社員を期待している、それこそが問題なのではないかとも思ったりしてしまいます。

このようなタイプ分類は、何よりも面白いですし、全体像をとらえるには多少は役に立ちます。しかし、人は1人ひとり違うもの。安易なレッテル付けに振り回されずに、1人ひとりの特性や持ち味をみて育成をしたいものです。レッテルに振り回されて個をみない先輩たちこそが問題です。

とはいえ、面白いといえば面白いので、1973年以降の「●●型」を整理してみましょう。自分が社会に出た頃、自分たちはどうみられていたのか振り返るのもいいものですね。今の新入社員にレッテルを貼ることの無意味さをきっと感じることができると思います。

 1973年 パンダ型
 1974年 ムーミン型
 1975年 カモメのジョナサン型
 1976年 たいやきクン型
 1977年 人工芝型
 1978年 カラオケ型
 1979年 お子様ランチ型
 1980年 コインロッカー型
 1981年 漢方薬型
 1982年 瞬間湯沸かし器型
 1983年 麻雀牌型
 1984年 コピー食品型
 1985年 使い捨てカイロ型
 1986年 日替わり定食型
 1987年 テレフォンカード型
 1988年 養殖ハマチ型
 1989年 液晶テレビ型
 1990年 タイヤチェーン型
 1991年 お仕立券付ワイシャツ型
 1992年 バーコード型
 1993年 もつ鍋型
 1994年 浄水器型
 1995年 四コママンガ型
 1996年 床暖房型
 1997年 ボディシャンプー型
 1998年 再生紙型
 1999年 形態安定シャツ型
 2000年 栄養補助食品型
 2001年 キシリトールガム型
 2002年 ボディピロー(抱きつき枕)型
 2003年 カメラ付ケータイ型
 2004年 ネットオークション型
 2005年 発光ダイオード型 
 2006年 ブログ型
 2007年 デイトレーダー型
 2008年 カーリング型 
 2009年 エコパック型
 2010年 ETC型
 2011年 はやぶさ型 (震災のため発表は自粛)
 2012年 奇跡の一本松型
 2013年 ロボット掃除機型

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【2013/03/30 22:30】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
変えようとしている側が実は一番変われていない
昨日のSFC研究所キャリアラボのスーパーバイザーでの花田光世先生のお話からもう1つ。

高年齢者雇用安定法の改正により、65歳までの継続雇用が企業に義務つけられます。定年を65歳まで延長する企業も出てきています。65歳まで雇用を延長するということは、ほとんどの人か年下の後輩の部下になる経験をするということです。それもかなりの期間に渡って。これは特に新しい話ではないのですが、新卒一括採用中心の企業においては、成果主義により処遇の年功制は薄れたものの、未だに年齢の意識は色濃くあるのではないでしょうか。

まさにそんなエピソードです。先生が携わったある企業でのキャリア研修でのお話です。60歳を目前に控えた社員が対象で、事務局は人事の若手社員。年齢的には場合によっては親子もありえるというくらいの開きでしょうか。人事のこの若手社員は事務局としてのサービス精神からでしょうか、冒頭にこんな挨拶をします。

「本日ここの場にいる中では私が一番の年下になります。研修中何かありましたら、何でも私たちにお申し付けください」。

さっと聞き流せば別に気にならない台詞ですが、ここが定年再雇用前の人を集めたキャリア研修ということでしたら、少々気になる話です。再雇用によりポストをはずれ、自分よりも一回りも二回りも年下の上司の指示を受ける立場になるかもしれない人達が相手です。原則的には「上司は年上、部下は年下」という平和な時代を過ごしてきた人達に、これからは違うということを腹落ちしてもらわなければいけない研修でもあるわけです。そんな状況に対して、人事の担当者の側が変われていないのです。年上を敬う気持ちは何があっても大切だとは思いますが、職場の中での仕事においては年齢は関係なくなるのです。

でも、こういうことって、私たちの仕事の中にはよくあります。認識しろと言っている自分が実は一番できていないということに気づいて、恥ずかしくなる経験をされた人も少なくはないはずです。他者の目でみて指摘をいただくか、自らがきちんと内省することでしか、これらに気づき、これらを改善することはできないのかと思います。難しいです。

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【2013/03/24 23:01】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
キャリアアドバイザーの第二・第三世代はサラリーマン化している
2003年度に慶應MCCキャリアアドバイザー養成講座ベーシックに通い、翌2004年度にはアドバンスを連続受講。そして、2005年度からSFC研究所キャリアラボの登録キャリアアドバイザーとして、花田光世先生のスーパービジョンにずっと隔月で参加させていただいています。

で、本日が2012年度の最終回。ごくわずかの遅刻で参加することができました。

いろいろメモとして残しておきたいことがありますが、これからまた出かけるので1つだけ。キャリアアドバイザーの第二・第三世代というお話についてです。花田先生曰く「キャリアアドバイザーの第二・第三世代はサラリーマン化している」と。つまり、与えられたミッション・役割に基づいて、与えられたことをやっているだけの存在になってしまっているとの指摘です。

といっても、そもそもキャリアアドバイザーは企業内の存在ですから、皆、サラリーマンです。仕方がないんじゃないのという気もしますが……。でも、これはとても本質的なお話でもあります。

第一世代のキャリアアドバイザーというのは、当然ですがその企業の中で前人未到の道を歩まざるを得ない運命にありました。企業内キャリア自律なんてものが役に立つのかという罵声を浴びながら、1つひとつ障壁を片づけ、1つひとりを説得をして、それぞれの企業でキャリアという概念を定着させてきたわけです。そんなことですから、命じられてキャリアアドバイザーになったという人はあまりいないわけです。勝手にアングラからやり始めたり、一生懸命企画を出して辿りついたり、人それぞれでしょうが、いずれにしても大半の人が自分がやりたくて始めたのです。それがわずかに10年前のことですから、時代は意外と早く動いているものです。
やりたくて始めるわけですし、周囲の理解はないわけですから、それこそ「サラリーマン根性」では仕事が進みません。勝手に外とのネットワークを創り、そこから多くのことを学び、社内でも理解者を増やしていく、各企業でいろいろなドラマがあったことかと思います。

そして、第一世代も異動で別の仕事に移ったり、引退をしたりしていきます。その時点で、企業内でキャリアアドバイザーというものが認知されていれば、当然のごとく後任がアサインされます。第二世代です。一部の人は希望して着任できたのでしょうが、意に反して着任した人もいるかもしれません。いずれにしても「仕事」としてキャリアアドバイザーをやることになったわけです。いうまでもなく、第一世代は、仕事としてやっていたわけではありません。自分を突き動かす何かがあってやり始めたわけです。この差は大きいです。さらに第三世代となると、創業の第一世代と一緒に仕事をする経験を持てていないのですから、さらに役割で仕事をするようになるのはいたしかたありません。

実はこれはキャリアアドバイザーだけの話ではありません。あらゆる「新しい」仕事にいえることです。このブログの中でも、ほぼ同じような話を「シェアードサービス」についても書きましたし、「COMPANY」についても書きました。最近では「障害者特例子会社」なんかでも同じことがいえるなと感じています。

私は幸いなことに、キャリアアドバイザーもSSCもCOMPANYも障害者特例子会社も第一世代です。第一世代として仕事をするのは何といっても面白いのです。前任者のいない仕事ほど、組織で働いていて面白いものはありません。私は前任者がいる仕事であっても、引継書などはほとんどみないように意識しています。自分で一から好きなやり方で仕事を始める方です。でも、なんだかんだのしがらみがありますから、第一世代的な仕事のような醍醐味までは味わうことはできません。

第一世代の共通の特徴として、外とのネットワークを構築しており、大切にしているところがあります。何せ社内には共通言語が通じる人がいないというのが、第一世代の宿命ですからこれは当然のことです。

でも、レッテル貼りはいけません。第二世代、第三世代にも、第一世代以上に意欲と熱意と使命感をもって、新しい価値をさらに加えることに奔走している人はたくさんいます。他者に安易なレッテルを貼った時から自分の堕落が往々にして始まります。

第一世代にとって必要なのは、何よりも回顧話をしないことです(今日は少ししてしまっていますがご容赦を)。いつまでたっても、健全に過去を否定して、第二世代や第三世代からも真摯に学んで、今よりもさらによい明日を創るためにはどうすればいいのかを考え続けることです。それができないことを自覚したら、そろそろ引退の時だということでしょう。気をつけなきゃいけません。

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【2013/03/23 19:50】 | キャリア~全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
ガラパゴス化している、日本の女性活用
ちょっと前の東洋経済オンラインで「ガラパゴス化している、日本の女性活用 ~過度な育休や時短は、キャリアアップの妨げに」なる記事がありました。アパショナータなる組織の代表であるパク・スックチャ氏の主張です。この方、どういう立場の方なのかまったく存じ上げなかったのですが、主張されていることはいずれもうなづけます。

くるみん的な取り組みによって、ここ10年ほどで結婚や出産を機会に退職をする女性は激的に減りました。これはもの凄いことかと思います。でも、どこの企業でも政府目標とおりに指導的立場に女性が30%つけるかというと、かなりお寒い状況ではないでしょうか。就業率は高まったのに、活躍の場がけして拡がっていないのは、日本の女性活躍支援が、育児休暇や時短の推奨・拡大という偏った方向で行われてきたことに要因があるというのは、非常にうなずける話です。

ビジネスのスピードがここまで早くなると、長期間のブランクは致命的にキャリアを損傷させるリスクがあります。また、長期間の時短勤務も責任の高い仕事から遠ざける結果をどうしても招きます。大和総研の主席研究員、河口真理子氏がり現在のワークライフバランス政策に対して「家庭責任が主で、会社では、補助的な仕事を行う女性社員を大量に作り出した」と厳しい指摘をされているそうですが、ほんとうにそうであれば本末転倒ともいえます。しかし、この4月に悲喜こもごものドラマが今年もありましたが、待機児童問題は一向に解決しません。4月から立ち上がる「子ども子育て会議」では、2年間に渡って検討を行い、その後5年間で実行に移していくというプランを待機児童撲滅に対しても掲げています。要は7年経たないと解決しないといっているのですが、その頃には少子化がさらに進み、待機児童なんていなくなっているかも、という笑い話のようなことも起こりかねません。

働き方には価値観が入ってしかるべきですから、すべての子育て世代がパワフルに働くことを求めるわけにはいきません。これは男女ともにでしょう。しかし、若年労働人口が致命的に減少することが目に見えている日本としては、キャリアの空白期間をできるだけ少なくして、子育てをしながらもハードワークをこなしていくことを明るく目指せるような選択肢を社会は提供するべきですし、そういった気持の人を増やしていくことは必要なはずです。詳細は東洋経済オンラインのリンクをみていただければと思いますが、日本の手厚い育児休業、時短施策は世界的には異様だといえるようです。社会で育児を支えるインフラの構築を行ってきたつけを、企業に強制した表面的な休業・時短で補い、結果的に女性が活躍する場を狭くしてきたのが、これまでの女性活躍施策であると、皮肉な表現ができなくもありません。

在宅勤務、託児所、ベビーシッターの3つをうまく組み合わせて、育児期でも人並み以上に働きたいことを望む人に対しては、そのような環境を提供することは必要です。企業の女性活躍支援施策も大きな転換を図るべき時期ではないかと思います。長く休むことに対して制度で投資をするのではなく、早期に復帰して働こうという人に投資をするという視点が必要になっているはずです。

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【2013/03/20 23:44】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
アイデア創造のための「時間軸」と「他人軸」~CJJ003
東京大学の中原淳先生のブログを題材に勝手にインスパイアされたことを書く企画「チャレンジJ&J」の第3回です。なんかお題トークみたいで愉しいですね、こういうのも。ただし、時間のある時の話ですが……。

本日(3月17日)の中原先生のブログのタイトルは『新しいアイデアをどのように生み出したらよいのか?:「自分の土俵にひっぱり力(時間軸)」 × 「異領域首突っ込む力(他人軸)」!?』でした。長いタイトルです。

学生からの「どうやってアイデアを出しているのか」という素朴極まりない問に即興で応えられた話だといいます。たいてい即興で応えた話は真実だったりします。

そして、その答えは
アイデアは、「時間軸」と「他人軸」の「かけ算」みたいして生まれてくるんじゃないの?」。
言葉の紡ぎ方が格好いいですね。そして、これ、まったくもって実感値的に同感です。まずは、ちょっと引用します。

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 ここでいう「時間軸」とは、文字通り、「アイデアを生み出すのに、自分がかけている時間であり、機会」です。「他人軸」とは「自分が、異領域の他者と出会い、相互作用すること」です。

 僕が、自分の研究生活で(しょーもないものも多々ありますが)アイデアを思いついちゃったときのことを考えると、この二つがうまく結びついたときであるような気がします。

(中略)

皆さんは、アイデアを思いつくというとき、そのことを考えることに、どのくらいの時間をかけているでしょうか?

 僕の答えは「シンプル」です。
 僕の場合は、目覚めているときは、ほぼ、自分の研究のことを考えています。「Management and Learning」というものから、たぶん本当に片時も、自由になることがありません(研究の奴隷のようなものなので、あまりオススメしません)。

 僕が理想とする「研究者」は、何を見ても、自分の研究領域のことに引きつけて、24時間、考えている人です。
 テレビを見ていても、友達とだべっていても、何をしていても、常に自分の研究領域のことが浮かんできますし、何を問いかけられても、自分の土俵にひっぱって、物事を考えます。
 街を歩いていて、ウィンドウショッピングをしていても、「常に、これ、なんかに使えるんちゃうか?」と考えます。

 少なくとも、僕にとっては、アイデアとは「常に考え続けること」から生まれているのではないか、と思っています。

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何回かここでも書きましたが、中原先生のいう「時間軸」に近い概念で、私は「熟成」という言葉を使っています。

例えば何かの企画書を書かねばならなくなった場合、プレゼンは来週の水曜日だったりします。この週末にゆっくり仕上げようとか思って放置しては駄目です。まず、すぐに、即に、ただちに、アウトラインだけでもいいから企画をしたためます。何でもいいから紙に残します。そうしてから、時間がとれる時まで放置しておくのはOKです。これが貴重な「熟成時間」になります。いったん考えられたアウトラインは、常に頭に残ります。そして、電車に乗っているときも、退屈な会議の時も(これは貴重な時間です!)、夜に寝るときも、酒を飲んでいるときも、常に自然とそれを考えることができます。何も着手していないでいるのとは大きく違う時間が過ごせるわけです。

肉も熟成されると旨くなり、麺も熟成されるとコシが出ます。それらと同じようにアイデアも熟成で間違いなく質があがります。

こういった考え方は、狭義のワークライフバランス論の否定が前提にあります。仕事と生活を分けては絶対に駄目です。徹底的なルーティン、流れ作業であればいいですが、少しでも創造性が求められる仕事であれば、渾然一体、汽水域で仕事をしなければ、価値はなかなか生み出せません。日本の労働法は、徹底的なルーティン、流れ作業の工場ラインが未だに前提となっていますから、もうほとんど対応できていません。法規上、タイムカードは押すけれども、創造力のタイムカードは押したら負けです。肉体は2つのことを同時にできませんが、脳はマルチで動かせることができるのです。

中原先生はもう1つ「他人軸」をあげられています。これもすみません、引用してしまいます。

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 もうひとつは「他人軸」です。
 それは、自分の知らない異領域の人、自分がお付き合いしたことのない専門性や経験をもっている人々からのお誘いは、原則として「断らない」ということです。
 敢えて「異領域に首突っ込むこと」をよし、として、積極的に「出会い」、もし都合があえば、「何かをご一緒すること」を考えます。
 でも、ふつう、逆にならないでしょうか。
「ちょっとお畑違いのところのつきあい」は、面倒くさいのでやめておいて、「自分と同じ人たちと群れたがる」。その方が心地よいし、気兼ねないですから。でも、それを敢えて「反転」させます。異領域にがんがんと首をつっこむ。

 そうしますと、面白いもので、「あっちの領域」では言い古されたことでも、こっちの領域ではめちゃめちゃ新鮮である、とか、そういう「情報の非対称性」に気づくことがままあります。
 あるいは、「あっちの領域」ではかなり名前を知られている方が、「こっちの領域」にくれば全く新しい、なんてことがよくおこります。

 ここまでくると、しめたものですね。
 あとは、最もこれまで「遠かった二つのもの」「一見、ソリの悪いと思われる人々」同士を、丁寧に結びつけることです。イノベーションの古典的定義も「新結合」でしたよね。

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私は業務上で、外部のディスカション・パートナーをたくさん持つようにしています。何か考えに詰まったら、会いに行ったり、お出でいただいて、フリーなディスカッションをさせていただく。その中で、いろいろなことを気づかせていただき、自分の考えを整理させていただくというやり方です。往々にして、そういった皆様はその分野の専門家でおられるので、不足している専門知識の補てんを同時に行えます。

中原先生の「他人軸」度とは飛躍性に大きな差があるかと思いますが、自分の中に異なる視座を持つということは、ともにあるのではないかと思います。

いい意味で素直ではないことの大切さも意識します。自分で考え、自分で反論してというセルフ・ディスカッションもよくやります。私の一番好きな作家は、アメリカのSF作家であるフィリップ・K・ディックなのですが、ディック作品では「何が真実なのかわからない」ことがよくモチーフになっています。自分が本当に人間なのかすら疑わなければならないところに追い込まれる主人公、なんて設定が普通にあります。

非常に素直な人が増えているように感じます。上司としてはマネジメントは楽なので一部に歓迎されるむきもありますが、新たな何かを生むためには、素直は邪魔をします(もちろん頑固はもっと駄目です)。中原先生と対話をしていると、たまに「なんでそんな当たり前のことに質問してくるんだろう、当たり前過ぎて説明できないじゃないか、もうどうでもいいのに…」というような問を受けます(失礼な表現、お許しを)。素直な人はわかったふりをして聞き流すようなことに、素朴に問を立てるのです。そんな素朴で素直じゃない問に、私は勝手に研究者魂を感じたりしています。素朴は大切なのですが、単なる素直は危険です(ここでの文脈は素直の反対語は「頑固」ではありませんよ)。そして、素直でいい人に陥らないためには、異なる視座を自分の中に持つことが必要です。異なる視座を持つ方とふれあうことが大切かなと思います。

今日はこれから中目黒に行き、ミュンヘンに赴任する高校時代の友人の壮行会です。昨日は土曜日にも関わらず、16時間ほど会社にいましたので、昼酒が飲めるのはとても幸せです。立石とか、野毛とか、赤羽とか行きたいで。

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【2013/03/17 10:25】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
「ラーニングイノベーション論 ~あなたが変われば 人が変わる 組織が変わる」第5期もやります!
まさか5期まで続くとは…と思われた「ラーニングイノベーション論 ~あなたが変われば 人が変わる 組織が変わる」、5期の案内が慶応丸の内シティキャンパスHPにてされています。私は1期生ですが、これに参加しなければ、経営学習研究所の立ち上げにかかわることもなかったでしょうし、その他、とにかくここから生まれたものは多いです。是非、興味のある方は、参加いただければと思います。内容について、何かお問い合わせがあれば、いってください。

では、HPからの引用です。
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企業人材育成のあり方が、今まさに「変革」の時期を迎え、人材育成が組織や職場のニーズ、経営戦略の実現、ひいては企業変革にいかに貢献できるかが問われています。

本プログラムは、
1. 学習理論、動機理論、戦略人事の基礎知識を理解する
2. 最新の企業人材育成のトレンド(現場・支援/イノベーション・場/信頼・内省)を知る
ことによって、「自社にフィットした人材育成のあり方」を見いだし、プランニングすることをめざします。

さらに自らも企業人材育成プロフェッショナルとして学び、成長し、変革する主体であることを認識し、自身や自部門の仕事をどう変革し、今後どのような新たな役割を担っていくべきなのかについても考えます。

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カリキュラムはこんな感じです。
ずるいことにまた進化しています。
いくつか、聴講希望の講座もあります。
それにしても、講師自らがリフレクション・ムービーを作ると書かれているカリキュラムはそうそうないですよね。まあ。
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[ファーストトラック:働く大人はいかに学び、成長するのか]

Session1-1 5/10(金)14:00-14:45
イントロダクション:働く大人の学びを科学する
[講師]中原 淳 東京大学 大学総合教育研究センター准教授

Session1-2 14:45-17:45
経験学習とOJT研究の現在 ~働く大人が学ぶメカニズムを探求する
[ゲスト講師]松尾 睦 神戸大学大学院 経営学研究科教授
[講師]中原 淳 東京大学 大学総合教育研究センター准教授

Session1-3 18:00-21:00
「大人の学び」ワークショップ
[講師]中原 淳 東京大学 大学総合教育研究センター准教授

Session2 5/16(木)10:00-18:00
ラーニングピクニック:体験!アドベンチャー教育~経験を通じた学習の実践
[ゲスト講師]難波克己 玉川大学 学術研究所・心の教育実践センター 准教授
[講師]中原 淳 東京大学 大学総合教育研究センター准教授

Session3 5/31(金)18:30-21:30
日本型戦略人的資源論とはなにか
[ゲスト講師]守島基博 一橋大学大学院 商学研究科教授
[講師]中原 淳 東京大学 大学総合教育研究センター准教授

Session4 6/3(月)14:00-18:00
ラーニングピクニック:やる気をひきだすマネジメント~社員自ら創り育てるわたしたちの働く場
[ゲスト講師]久保田美紀 スターバックスジャパン株式会社人事本部人材開発部部長
[講師]中原 淳 東京大学 大学総合教育研究センター准教授

[セカンドトラック:人材育成のトレンドと事例]

Session5 6/21(金)18:30-21:30
ネットワーカーとしての人材開発部門のあり方
[ゲスト講師]アキレス美知子 株式会社資生堂 執行役員 広報・お客様情報・環境・CSR・風土改革担当
[講師]中原 淳 東京大学 大学総合教育研究センター准教授

Session6 6/27(木)13:30-17:30
人材開発部門のあり方を考える:支援を手がかりに
[ゲスト講師]金井壽宏 神戸大学大学院 経営学研究科 教授
[講師]中原 淳 東京大学 大学総合教育研究センター准教授

Session7 7/4(木)18:30-21:30
職場の学びを科学する
[講師]中原 淳 東京大学 大学総合教育研究センター准教授

Session8 7/11(木)17:30-21:30
知識創造理論の現在 ~知識創造をめざす場のデザインとは
[ゲスト講師]妹尾 大 東京工業大学 大学院社会理工学研究科 経営工学専攻准教授
[講師]中原 淳 東京大学 大学総合教育研究センター准教授

Session9 7/24(水)17:30-21:30
慣性軌道を越えて創造する:異化としてのワークショップと越境
[ゲスト講師]長岡 健 法政大学 経営学部 教授
[講師]中原 淳 東京大学 大学総合教育研究センター准教授

Session10 7/31(水)10:00-17:30
ラーニングシアター:創造的なコラボレーションを生む~インプロビゼーション(即興演劇)の展開
[ゲスト講師]高尾 隆 東京学芸大学 芸術・スポーツ科学系音楽・演劇講座演劇分野准教授
[講師]中原 淳 東京大学 大学総合教育研究センター准教授

Session11 8/7(水)18:30-21:30
研修のデザイン:教えることを科学する
[講師]中原 淳 東京大学 大学総合教育研究センター准教授

[ファイナルトラック:未来をつくる]

Session12-1 9/19(木)16:00-19:00
“成長するしかけ”を創る
[ゲスト講師]曽山哲人 株式会社サイバーエージェント 取締役 人事本部長
[講師]中原 淳 東京大学 大学総合教育研究センター准教授

Session12-2 9/19(木)19:00-21:00
ラーニングイノベーターに聞く! ~アクションプランのそれから
[講師]中原 淳 東京大学 大学総合教育研究センター准教授

Session13 10/17(木)18:30-21:30
これからの人材育成を考える ~企業内人材育成家の挑戦
[講師]中原 淳 東京大学 大学総合教育研究センター准教授

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ついでに参加者の声もコピペしておきます。
玄人的には、どれが誰のコメントかのあてっこクイズなんかも面白いですね。
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「私は覚悟ができている。あなたはどうか?」との投げかけは、ガツンと揺さぶられました。私にとっては、既にそこから学びが始まってました。あまり肩肘はらず、まずは愉しむ。宣言して、やってみる。すると何かが動き出す・・・等々様々な気づきを得ました。これを機会に社内外で学びを進めていこうと思いました。事務局の振り返り、まとめがすばらしいと思います。研修は受講生、先生、事務局が皆で創ること。そのすばらしさを今回感じた次第です。ありがとうございました。そして、今後ともよろしくお願いします。

企業における人材育成の奥深さと面白さに改めて気づくことができました。プログラム構成が体系だっていて、とてもバランスが良かったと思います。(理論あり、体験あり、実例に基づいたお話あり。)また、講師陣が「今を生きる」方ばかりだったので、とても刺激を受ける場となりました。参加メンバーの意識が高く、毎回、グループディスカッションでは勉強させていただきました。取り組みは大変でしたが、事前課題、事後課題は振り返った時にとても役立つものだと思います。なんといっても事務局の方の場のしつらえ方は素晴らしいと思います。大人の学びを体験する事が出来ました。

セッション全体を通して、理論・社会的背景を踏まえた現在の状況・現場での実践バランスがよかった。それぞれ背景の異なる豪華な講師陣が登場し、講座内での交流、期を越えた交流を促進する仕掛けがあり、共に実践をしていく仲間ができ、これからの自分のキャリアやライフワークを深めるキッカケとなりました。毎回ライブ感いっぱいで、ワクワクする学びの場でした。参加しようか迷っていましたが、本当に参加して良かったです。有給とって参加した価値が十分ありました。事務局の細やかな気配り、心配りにはいつも感動でした!(感動を生む事務局ってすごい!)またMCCの講座に参加したいと思います。本当にありがとうございました!

各回の学びを受講者・先生・ゲスト・事務局それぞれが複数回いろんな形で表現できるところがすばらしい。通常、講師や事務局が「学んでいる」というのを実感することは少ないですが、すごくそれが感じられました。体を動かしたり、体験したことを、主観的に記述しながら、少しずつ自分が変わっていける過程がおもしろかった。

とにかく、講師の方々がすばらしかった。期待外れな部分はなかったですが、私のような、技術者あがりの素人には、議論の中で交わされているキーワードで理解できないものもありました。すばらしい講師陣と共に、貴重なディスカッションの時間(場)を提供していただき、ありがとうございました。毎回の講義がハッとすることの連続で、今までの受けたことのない刺激に満ちた講義でした。事務局の方々にも、色々とお世話になりありがとうございました。

まさに「理想的な大人の学び」がこのプログラム自体にあったのではと思います。私は人材育成部門に来てまもない段階で受講しましたが、経験の長さは関係なく、是非様々な方々にお勧めしたいプログラムです。こんなにも学ぶこと自体が楽しく、すぐに誰かに話したくなり、また実践していきたいと感じたのは社会人になって初めてです。本来、学ぶことは楽しい事なんでしょうね。ラップアップでの先生のコメントや余韻を残すまとめ方は絶妙です。ついつい研修内で完結することを目指してしまいますが、そうではなく、日常に繋げるためにも余韻を残すのも大事だなあと思います。事務局の存在がなければ、今の自分はないです。。とそのくらい、中原先生と自分たちを繋いでくれる大きな存在でした。プログラム中だけでなく、前後の絶妙なフォローメールや実況中継のような振り返りなど、是非色々教えていただきたいと感じましたし、研修事務局としても考えさせられました。終了後もいろんな人とのつながりの支援をしてくださる慶應MCCに大変感謝しております。

人事、組織開発というものについて、総括的な最新の所見が得られたこと。中原先生の仕切りと、各会の講師陣の方々が共に素晴らしかった。社会構成主義や、場の力というものが認知が広がり、トレンドになるという中で、さらなるアンチテーゼやその先というあたりにも興味がわいた。また、経営の視点から見た人材育成、組織開発の切り口に、より興味がわいた。

多様な講師やコンテンツで多くの学びを得ることができました。単なる講義だけでなく、セッションの進め方そのものから勉強できました。先生のご自身の知見もさることながら素晴らしいプログラム構成とファシリテーションのお蔭で、学びの多い6か月となりました。これからも追っかけますので引き続きお願い致します!

中原「キワ者」ワールドに触れられたこと。ラーニングイノベーターになりたいと本気で思えたこと。切磋琢磨し合える仲間に出会えたこと。ゆるやかなつながりの中で、ハードな学びとハードなfunが体験できたこと。オトナの成長周りの、あらゆる分野の専門家・実践家から直接話が聞けたこと。自分のチャレンジ領域が明確になってきたこと。新しいチャレンジを宣言できたこと。継続的な越境学習を実現できるという期待を持って、毎日の雑多なことに向かえるようになったこと。総じて、半年という期間をかけて、ぐるぐるできたことがよかったです。ラーニングイノベーターという言葉が、最初はよく分からなかったのですが、今は、とてもしっくりきております。いつも事務局の皆さんの支えがあってこその学びでした!今後ともよろしくお願いします!

いわゆる「導管型」の学びでなく、ワークショップ形式や校外プログラムなど、頭と体を使って考え、アクションを促す内容で、あっという間に終わってしまった感じです。参加者同士のつながりを深めるための支援もあり、毎回、参加するのが楽しみでした。個人的にはインプロやダイアログ・インザ・ダークが強く印象に残っています。事務局のサポートが素晴らしく、気持ちよく学ぶことができました。修了証と一緒に頂いた手作りの冊子には本当に感動しました。生涯の宝物として、折に触れて目を通していきたいと思います。

人材育成と組織開発について理論と実践の両面から最新の知識と刺激・気づきを得られたこと。参加者同士が対話をしながら進めていったことがとても良かったです。プログラムの構成も素晴らしかったです。何よりも今期のセッションだけで終わることのない継続的な学びの仲間と出会えたことは、私の人生にとってもかけがえのない体験になったと感謝しております。期待を大いに上回るプログラムでした。常に「自分ごと」として学んでいくことができるように工夫されていたこと、ほんとうに素晴らしいプログラムでした。「ラーニングイノベーション」という講座名は当初は格好良すぎて、ちょっと自分には遠い感じもしていたのですが、今は私も「ラーニングイノベーター」の一人だと思えるようになりました。受講するかどうか、ギリギリまで悩んだのですが、受講してほんとうによかったです。中原先生のセッション、参加者同士の対話も当然のことながら、慶應MCCの皆さんの素晴らしいラーニングファシリテーターぶりに学ぶこと多々ありました。リフレクションシートやふりかえりのメール、写真、ホスピタリティ溢れる運営に感謝感謝です!事務局ではなくて、同じ場で学ぶ仲間という気持ちになれる事務局ってほんとうに素敵です。これからも一緒に学んでいきましょうね。

「聞く」だけでなく、「考え」「対話し」「気付く」ことのできる点がよかった。理論+実践のSessionがあることで、机上の空論ではなく、「実行する」という覚悟も持てた。参加者からも多くの刺激があった。人事・教育担当の仕事に行き詰まりつつあった中で、各セッション・先生のスライド・メッセージが大きな力になりました。私自身の取り組みは小さなことからになりますが、意志を持って実践します!

難しい理論・考え方を素人にも分かり易く伝える技術、適度な緊張感をもちながらゆるやかな学びの場を作り出す中原先生のお人柄は素晴らしく、一ファンになりました。教えていただいたこと対する自分自身の理解度はまだ低く、ほんの入り口に立ったというイメージですが、今後の私の人生において非常に価値を持つであろう世界観に導いて頂いたと感謝しています。知見を広げつつ実践で鍛えたいと考えます。事務局のホスピタリティは素晴らしいなと思っておりました。絶妙なタイミングで配信されるリフレクションメールをはじめ、おかげでラーニングイノベーションの半年を何とか乗り切れました。

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この講座を中原先生と二人三脚で立ち上げた世界の事務局は、退職のより第5期には現れません。壮行会は第2金曜日です。

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【2013/03/16 23:44】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
4つの再構築で新しい社会を創る
本日、慶應MCCにてメンタルコンシェルジュのセミナー。「環境変化に合わせた雇用と日本社会のあり方」と題して東京大学大学院経済学研究科の柳川範之先生が登壇されました。

柳川先生いえば、前政権時に国家戦略室フロンティア会議にて「40歳定年制」を提唱された方です。文脈をまったく読めない方々からは様々な非難の声も浴びせられたそうですが、私は大賛成です。40歳定年制の中味については、以前のブログをご参照ください。これ、溝上さんが整理してくださったものですが。

本日伺っていて改めてそうだ!と感じるのは、論の中心に「学び」「学び直し」があることです。これが何よりもポイントです。

柳川先生は実はかなり変わり種の経歴をお持ちです。小学校はシンガポールで育ち、中学校こそ日本を出たものの、すぐにブラジルへ。ブラジルではポルトガル語ができないために学校には入らせてもらえずに独学。日本に戻ってきてから大検を受けて、普通の人よりは数年遅れで慶應義塾大学通信教育課程に入学……、という感じだそうです。おそらくその生き方が影響をされているのかと思いますが、価値観の多様性をとても大切にされる方のように感じられました。「日本の働き方、日本の学びが窮屈に感じる」と語られていましたが、確かにそのとおりかもしれません。

冒頭で4つの再構築で新しい社会を創ることを提唱されました。4つとは以下のとおりです。

①働き方の再構築
②学び方の再構築
③コミュニティの再構築
④アイデンティティの再構築

実は日本社会の特徴は、このほとんどをこれまで企業が担ってきたことだと指摘されます。働き方はまだいいとして、新卒一括採用・長期雇用という流れの中で確かに「学び」は企業が施すものでした。そして、自分の会社以外の「コミュニティ」に参加できていない社員、自分の会社にしか「アイデンティティ」を感じられていない社員、すべてを企業が提供し、企業が抱え、企業が囲ってきたと確かにいえます。

であれば、再構築とは企業に頼っているこれらを企業に頼らないですむ仕組みとかたちを創ることから始まります。

ただ、どうにも心配なのは、学びの再構築を国が担うとなると、そのための助成金ができて、助成金に群がるベンダーたちが役に立たない学びを提供して勘違いした国民を乱造して、どんどん国家財政を悪化させていくだけというストーリーです。

企業はこれまでもできることはきっとやります。国もそこそこであればやってもいいです。そして、それ以外にも私たちは思いを実行に移していろいろなところで学びの場を創ればいいのです。これは私たちが取り組んでいる一般社団経営学習研究所(MALL)の取り組みにも近いものがあります。ただし、変に合目的的になり過ぎず、変にシステマチックになり過ぎず、そんな思いで進めるのが大切かなと思っています。

なんか話がずれてきました。
今日のお話、さわりしか書けていないので、また後日続きはやります。きっと。

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【2013/03/13 23:40】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
大人が学ぶとき……人は、気づかせようとしても、気づかない。気づかせようとしているということに気づくだけ。
日経のヒューマンキャピタル・オンラインで株式会社ラーニングデザインセンターの清宮さんが「大人が学ぶとき」という記事を書かれていたのですが、備忘録として残させていただきます。よくよく考えると清宮さんの会社の社名って凄いですね。

マルコム・ノールズという学者が整理されている「大人が学ぶ」際の特徴だとのことです。すみません、原点はまったく確認しておりません。

①大人は自立した学習者である(自己決定する)
人は、気づかせようとしても、気づかない。気づかせようとしているということに気づくだけ。(顕在的または潜在的にでも)自分が変わりたいと思わない限り、変わらない。

②過去の経験は学びの源泉
既にある自分の経験や知識と結び付いた時、人は新しい知識、考え方、価値観を手に入れる。つまり情報は伝達されるのではなく、自分の中で再構築される。それが、「変わる」こと。学ぶこと、新しい知識、価値観を手に入れることである。

③実利的である
実際にどのような役に立つのか、が明確でなければならない。自分たちの生活に直接重要と思われるようなテーマについて学ぶことに最も興味を示す。そして必要性を感じるときにしか学ばない。

④問題解決の中から学ぶ
人は、答えを見つけたり問題を解決したりすることにはとても意欲的である。その問題解決をしたい、と心の底から思った時に気づきは生まれやすい。

⑤人は、感情と結び付いた時に学ぶ。

5番目は清宮さんが付け加えられたものです。清宮さんも書かれていますが、大人の学びというのは、知識の形成ではなく、変わることです。人は論理だけでは変わりません。ここにおける感情のファクターは大きいと感じます。

さて、そんな大人の学びをデザインするのが、私たちのお仕事です。

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【2013/03/12 23:43】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
『キャリア・アドバイザー養成講座』の募集が始まっています
慶應義塾大学丸の内シティキャンパスと慶應義塾大学SFC研究所キャリア・リソース・ラボラトリー共催の『キャリア・アドバイザー養成講座<アドバンス>』の募集が始まっています。いうまでもなく、花田光世先生の完全指導のカリキュラムです。

「アドバンス」は秋から開催される「ベーシック」の上級講座ですが、キャリアに関してそれなりの知見があれば「アドバンス」からの参加も可能です。事務局か私にでもいいので、興味のある方はご相談ください。

ホームページから案内文を引用します。6月から9月まで16回開催です。

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「キャリア・アドバイザー養成講座」と同様、組織内にてキャリア開発を担当している方々を対象に、キャリアアドバイスを実践する過程においての問題や経験を共有しながら、キャリア・アドバイザーとしてのレベルをさらに高めることをねらいとしたプログラムです。キャリア・アドバイザーとしてクライアントに適した手法を用いて、適切なアドバイスを実際に行うとともに、組織開発の手法についてのスキルや知識の習得をめざします。

キャリア自律の重要性は、「個人の意識」「組織の人材マネジメント」の双方の視点で着実に浸透してきたと言われています。一方で、個人が描くキャリアビジョンと組織が期待する役割や仕事内容をどのようにして統合していくか、個の自律と組織全体の活力向上をどう両立させていくかが大きな課題となっています。組織の中にあって、個人のキャリア開発支援と組織の活性化という両面からのサポートを担う「新たな役割と機能」が求められていることは間違いありません。

「キャリア・アドバイザー養成講座」は、その新たな役割として「キャリア・アドバイザー」を提唱するとともに、キャリア・アドバイザーに必要な知識とスキルを養うことを目的とします。本アドバンスコースでは、対個人、対組織の両面において、より専門的なアプローチ方法を習得し、実際のキャリアカウンセリングやアドバイスの事例を題材に受講生相互の議論を深めることにより、「キャリア・アドバイザー」としての知見と専門性を高めます。

アドバンスコースで学ぶこと

基本となる理論やスキルを中心に学ぶベーシックコースからさらに進み、事例による実践演習や受講者間でのディスカッションを通した相互の意見交換を中心に、「組織」・「コミュニケーション」・「カウンセリング」という3つの視点からキャリア・アドバイザーとして「キャリア・アドバイザーと組織の関わり方」「キャリア・アドバイザーにとって必要なコミュニケーション技法」「各派理論から実際に活用するためのカウンセリング知識と手法」等の専門性をさらに深めます。

また、セッション以外の時間で、花田講師による個別キャリア面談を実施します。

セッションの内容

Session1 キャリア・アドバイザーとして(1)アドバイザーの役割
キャリア・アドバイザーの重要性
キャリア・アドバイザーの仕事・役割
米国におけるキャリア自律
これからの人事サービス
Session2 キャリア・アドバイザーとして(2)アドバイザーの責任と自覚
必要とされる経験・バックグラウンド
必要とされる能力・資質・適性と知識
組織の活性化と個人への動機付け
キャリア・アドバイザーとキャリアカウンセラー
Session3 キャリア・アドバイザーの活動を活性化するサポートインフラ
人事業務との接点づくり、教育部門との役割分担
研修の活用
メンター制度の構築
これからの組織を支えるインフラ
Session4 コーチングとコミュニケーション(1)
コーチングの基本的な考え方の確認
コーチングスキルの理解
コーチング演習1
Session5 コーチングとコミュニケーション(2)
現場におけるコーチングの活用
コーチング演習2
Session6 コミュニケーション演習
キャリア・アドバイザーにとってのサービスとは
現場とのかかわり方について
キャリア自律プログラム(CSR)の展開方法について
キャリア自律(CSR)を通した行動変容
Session7・8 テスト・サーベイ開発の演習(1)(2)
アンケート調査の手法
さまざまなテストの開発と評価方法
テスト・サーベイ項目の作成演習
Session9 企業内臨床心理士の活動/カウンセリングにあたっての心構え
企業内臨床心理士の位置付けと役割
企業内臨床心理士の組織内ネットワーク
事例からみる企業内臨床心理士の活動
Session10 専門家との連携 メンタルヘルスの予防、克服、復職支援
知っておくべき健康管理および安全配慮の視点
多様な精神症状の存在
連携の重要性
Session11 キャリア健診/スーパービジョン
キャリア健診
成長意欲を持つための環境づくり
スーパービジョンについて
Session12 ユング派の心理療法
ユング派心理療法
ユング派心理療法のプロセスと「解釈」
Session13 ロジャースの来談者中心療法
カウンセラーとアドバイザー
カウンセリングとは
ロジャースの理論
ロジャースの来談者中心療法
Session14 ゲシュタルト心理学のカウンセリング
さまざまなカウンセリング手法
人間性心理学のカウンセリング
ゲシュタルト的なカウンセリング手法を考える
Session15 キャリア・アドバイザーの評価と育成
キャリア・アドバイザー自身の行動のあり方
キャリア・アドバイザーとしてのレベルアップ
キャリア・アドバイザーに対する評価
キャリア・アドバイザーとカウンセラーのマネジメント
Session16 ライフキャリアの課題/キャリア・アドバイザーの役割
キャリア・アドバイザーの能力レベルを高める組織内インフラ
キャリア・アドバイザーの能力レベルを高めるプラットフォーム
これからの人事教育の役割とキャリア・アドバイザー

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詳細については慶應丸の内シティキャンパスのホームページをご確認ください。

この講座の立ち上げ期に尽力された「世界の事務局」がMCCを去るそうです。でも、講座と思いは残ります。いずれもしもこの講座がなくなっても、受講した私たちの中にその思いは受け継がれますし、私たちはその思いにもとづいて日々活動を続けます。そして、さらにはここでいただいたネットワークは残ります。

何かを創り上げるというのは、そういうことであり、とても素敵なことです。

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【2013/03/11 23:49】 | キャリア~全般 | トラックバック(0) | コメント(1) | page top↑
「コミュニティデザイン~人がつながるしくみをつくる」 山崎亮著 学芸出版社刊
最近、読んだ本をぜんぜんアップしてないのですが、この本は少し書いておきます。

著者の山崎亮さんは、もともと建築やランドスケープのデザインに取り組みながら、「それだけでは解決できない何か」が自らの中で無視できないほど大きくなり、現在の「コミュニティ・デザイン」に辿りついたのだといいます。先日、「カンブリア宮殿」に出演されていたので、ご覧になった方にはご理解いただけると思いますが、ぱっと聞いて分かりやすい概念ではないかもしれません。

ランドケープデザインというのは、言葉のとおり風景をデザインする仕事だそうです。個人の庭、公園、広場、大学のキャンパスなどその対象は広いですね。なるほど、よくよく考えると、そういうものってきちんとデザインされているんですね。実は細かいところまで、デザイナーは心を配っているわけです。でも、そんな公園が10年もすると人もまばらな寂しい場所になったりします。これは開園後の公園マネジメントの問題ですが、通常ここまで建築家は立ち入りません。そして、それを手掛けたのが著者の山崎亮さんです。「つくらないデザイン」への挑戦だともいえます。

建築物は人がいて初めて生きるものなのだと思います。人が集い、人が愉しみ、人が使う「場」にするために、人をどう巻き込むか、そしてそんな「場」をどう創るか、つまりコミュニティをデザインするということです。そして、この活動は、地域社会のリ・デザインにまで広がります。瀬戸内の家島や隠岐諸島の海土町の仕掛け人も山崎亮さんだったんですね。

「地域に住む人がそれぞれの地域に住む課題を自分たちで乗り越えていく」のを手伝うことが、コミュニティ・デザイナーの役割だとすると、これは極めて重要な役割です。そして、ますます重要になるはずです。行政がすべての役割を適正に担えないことは既に今の時点でも明確です。これからの私たちの国は人は減り、公共予算も減ります。人口はいずれ昔の水準に戻るともいわれています。しかし、昔の日本に戻ればいいのではなく、21世紀の新しい人口が減った日本の姿を私たち皆で模索しなければなりません。

実は私たち人事担当者が社内で奮闘していることも、コミュニティデザインなのかもしれません。制度や組織というものがランドスケープ、もっといえば「箱物」だとすると、そこで働く人、正社員だけではなく外部スタッフも含めた人がそこでどう「それぞれの組織にある課題を自分たちで乗り越えていく」ことへの支援、まさに私たちの仕事ともいえます。組織内コミュニティ・デザインです。ある意味、【ちゑや】的活動もこの文脈にあるといえます。山崎亮さんの活動をみると、効果的なワークショップを活用されています。今、人事の世界でもワークショップ流行りですが、どちらかというと新しい「手法」としてブーム的に取り入れているきらいもあるのは気になります。

「カンブリア宮殿」では、山崎流「つながる」極意のステップとして以下の3段階を整理していました。
  ①自らがつながる
  ②住民同士がつながる
  ③町がつながる
これは、企業組織の活性化への取り組みのステップとしても同じはずです。私たちのビジネスにおいても、山崎亮さんのような方々の活動から学ぶところは大です。ただし、私たちは行政側としての立場も組織内で持ち合わせているというか、そちらが本務として見られますから、また1つ2つ違った工夫も必要になってくるのかと思います。

自分は都市部にすんでいますが、日本の人口推移をみている限りでは、今、過疎地で起こっていることはちょっと先の未来に日本のすべてで起こることだというイマジネーションを持つ必要があります。「カンブリア宮殿」の最後に村上龍さんがまとめていた言葉は、まさにその危機意識から生まれています。

「世間」は消失しつつあるが、それに代わるコミュニティは育っていない。宗教的規範が機能している国だったら、人々は教会やモスクに集まり孤独から逃れられる。山崎さんの活動を知って、自分はシリアスな変化に気づいていなかったと思った。疲弊した地方の現実、人口減少による全国的な過疎化への想像力が足りなかった。コミュニティの復元は、単なるヒューマニズムではない。生産性の急落を防ぐという経済イシューなのだ。そして、山崎さんの活動は「ひょっとしたらすべてが手遅れかもしれない」というニヒリズムとの闘いでもある。

でも、あせっても何にもなりません。自分のフィールドでできることを自分ゴトでやるのが何よりも大切なのだと思います。頑張っている人たちの活動からパワーをいただきながら。

コミュニティデザイン―人がつながるしくみをつくるコミュニティデザイン―人がつながるしくみをつくる
(2011/04/22)
山崎 亮

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【2013/03/10 09:55】 | 書籍紹介 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
なぜ仕事でスピードは大切なのか ~期待値調整という考え方
仕事で一番、大切なものはなにでしょうか。

難しいですね。いろいろな切り口からの答え方がありますが、私はあえて「スピード」と応えることが多いです。ただし、「そもそも、今の時代は…だから」などと言い出すつもりはありません。「スピード」さえあれば、いろいろないいことがあるのです。

顧客からある課題を出された2つの会社の営業担当者。

A社の担当者は、翌日に企画書を持って行きます。するとお客様は「おっ早いな、でも早いばかりで大したできじゃないんじゃないの、どうせ」と思って企画書を開きます。

B社の担当者は、1週間後に持って行きます。するとお客様は「ずいぶんじっくりと時間をかけたな、きっといいものに仕立て上げてきたんだろうな」とつぶやきつつ企画書を開きます。

仮に両者の企画のレベルが同程度だったときに、間違いなく軍配はA社にあがります。つまり、A社に対しては「一晩でここまで仕上げれば立派なもんだな」という評価が下され、B社には「一週間かけてこの程度かねぇ」という辛い評価が下されるからです。つまり、時間がかかってしまうことにより、お客様の期待値がぐんと跳ねあがってしまうのです。

仕事において「期待値調整」は実はとても大切です。

お客様もあなたの上司も実は仕事を「絶対価値」でばかりみているわけではないのです。自分の期待値と比較した上での「相対的な価値」で無意識に評価を下しているのです。ですから、仕事の成果を上げることと同じくらい、上手に相手の期待値を調整するというのは大切な戦略なのです。

そして、「スピード」というのは何のテクニックもつかわずに真正面から正々堂々と「期待値調整」を自然にできる手法なのです。ですから、何となく「スピード」感のある仕事をする人は、その仕事の出来栄え以上に「できる奴」と思われやすいのです。

「スピード」にはもう1つ極めて大きなメリットがあります。それは、やり直す余裕を担保していることです。先の例でA社の担当の場合、出された企画書がまったくNGなものであっても、十分にやり直せる時間があります。また、実はに早い応対だったために、見当違いだった謝り方も愛嬌さえ交えればお茶目な洒落ですむかもしれません。でも、B社の場合はどうでしょう。1週間もたってから、まったく的外れのものを出したら、もう間に合いません。これは深刻です。

実は「スピード」感をもった仕事をやるというのは、実に打算的な仕事のやり方でもあるのです。さあ、すぐに仕事に取り掛かりましょう。

172食材
【2013/03/05 23:52】 | 仕事の進め方 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
中途慣れと新卒慣れ ~CJJ02
1月29日のブログで東京大学の中原淳先生のブログを題材に「チャレンジJ&J」勝手にと称して、時折じっくりと考えてみる日を創りたいなどといいながら、2月はすっかりと忘れておりました。今回がその第2回目になります。

たまたま本日の中原先生のブログ、私も参加させていただいた先週のメンタルコンシェルジュセミナーの内容から書かれておられるので、それに反応したいと思います。実はこのセミナーの内容は昨日、私もここに書いておりました。

今日、反応したいのは中原先生のブログの後段の部分、「うちの会社は中途採用がメインである。中途採用をこれまでメインに行ってきた会社が、新卒採用を行っているが、かなり大変である。このことは、どう考えることができるだろうか?」という会場での問題提起についてです。

中原先生はまず2つの軸で企業を4分類します。

********************《引用開始》**************************

 会社は、敢えてざっくり、敢えて潔くわけてみるとと、2つの軸で4つに分類することができるのかもしれません。ひとつの軸は「中途慣れ」、ひとつの軸は「新卒慣れ」。前者は「中途採用者を受け入れることに組織が慣れている状況」、後者は「新卒一括採用者を受け入れることになれている状況」をさします。

 そうしますと、会社は「中途慣れしているし、新卒慣れしている会社」「中途慣れしているものの、新卒慣れしていない会社」「中途慣れはしていないものの、新卒慣れしている会社」「中途慣れしておらず、新卒慣れしていない会社」の4つにわけることができます。皆さんの組織は、どちらに属するでしょうか。

 最後の「中途慣れしておらず、新卒慣れしていない会社」は、社長がワンマンで経営している創業当初の状態か、ちょっと口にだすのははばかられる、かなりブ●ックな人材マネジメントが常態化している状況が想像されますので、この場では取り扱いません。また「中途慣れしているし、新卒慣れしている会社」というのは、問題があまり生じなそうなので、やはり取り扱わないません。

 そういたしますと、問題は、下記の2つになります。

「中途慣れはしていないものの、新卒慣れしている会社」
「中途慣れしているものの、新卒慣れしていない会社」

 前者の企業は、新卒一括採用と強固な内部労働市場によって、人材マネジメントを行っている会社。後者は外部労働市場に門戸をひらき、経験ある実務担当者の出入りが常に存在している会社を想像すればいいのかもしれません。皆さんの会社は、仮に2つに分けるのだとすれば、どちらでしょうか。


********************《引用終了》**************************

「中途慣れ」にも、よくよく注意するとさらに2つのタイプがあります。

まずは、中途入社を積極的に活用するために、いろいろな施策を意識、無意識にかかわらず採っている会社。つまり、中途入社者を雇い入れるということに最適適応しようとしているし、実際にしている会社です。

そして、もう1つは中途入社にすっかりと慣れてしまっている会社。つまり、中途入社は新卒と違うんだから自分で切り開けるだろとばかりに特に何もやっていないけれども、そこそこの比率の中途入社者はサバイバルして活躍しているという会社です。ただ、このタイプの会社は実力があれば認められる、成果を出せば認められるという前提がないと機能しないかと思います。そして、後者のタイプは転職慣れしていない人には少々(じゃなくて相当にかな)きつそうです。

文脈的に今回とりあげるのは前者のタイプの「中途慣れ」が適切でしょうか。

もう少し中原先生のブログを引用します。引用ばかりしていると楽チンです。

********************《引用開始》**************************

 ここで採用をあえて「学習」の問題から考えますと、こうも考えられます。
 「新卒一括採用によって新規参入者を受け入れること」も「中途採用を受け入れること」も、長く行っていれば、組織は、それに対処する方法を「学習」するということです。

 新卒をどのように扱い、どのような支援を行えばいいのか。彼らには何を期待して、何を期待できないのか。
 はたまた、中途採用者をどのように職場は受け入れ、どのように新たな役割を担ってもらうのか。中途採用者には、どの程度、最初は何を期待し、どの程度マネジャーがかかわればいいのか。

 こうした様々なノウハウが、長い年月をかけて、組織の中の智慧として学習されていくのです。「学習された対処法」は、長い時間をかけて、組織のルーティンや各種のツールに落とし込まれ、日々、実践されていきます。

 しかし、人材のマネジメントに変化があらわれ、たとえば「新卒慣れしている会社が、中途採用をがんがん行わなければならない事態」や「新卒慣れしていない会社が、新卒採用を受け入れる事態」が生まれ出しますと、そういうノウハウを多くの場合、ゼロから創り出さなくてはなりません。

 様々な試行錯誤の果てに、組織メンバーがつくりあげたノウハウが、共有され、制度化されるまでには、時間がかかります。しかし、これから逃げていては、いつまでたっても、組織の中に「採用のルーティン」ができません。


********************《引用終了》**************************

私は新卒慣れした企業から、中途慣れした企業に移った人間です。
どちらの良さもどちらの不足点も実感しています。1つ感じているのは、中途慣れした企業に新卒文化を移植することは、腹決めさえすれば間違いなくできるということです。何といっても、中途慣れした企業ですから、中途でいろいろな人が入ってくるわけです。その際に、新卒慣れした企業から採用する比率を意識的に高めるのです。特に育成関連に関与する部署に何人かそういった人材を配置すれば、いろいろなことを彼らは感じて動きます。フロンティアとして入社してくる最初の数代の新卒社員は少々しんどいでしょうが、数年のうちにそれなりの形はできてくるものです。ただし、大前提として経営者の明確な腹決め、方針決めが必要ですね。

難しいのは、新卒慣れした企業に中途文化を注入する方です。新卒慣れした企業で育った人は、中途の人の感じる気持ちが実感値としてわかりません。また、中途採用で中途慣れした企業から人事部長を持ってきて簡単に成功しそうな気もあまりしません。これには時間と強い思いが必要です。

中途慣れした企業と新卒慣れした企業の最大の相違点は何かと考えると、私は「序列思想」だと思います。

新卒慣れした企業には、たいていは昇格に「経験年数」という概念があったり、「年齢別モデル賃金」という概念があったりします。また、ある年齢段階までは昇格・昇進を年次管理したりもしている傾向があります。これに対して、中途慣れした企業では「序列」という思想が非常に薄くなります。誰がどこの大学なのかも知りませんし、大卒なのか高卒なのかもわかりません。昇格の経験年数管理なんかありませんし、採用時の賃金決定要素の一番はどうしても市場価格になります。モデルといっても何だかわかりません。また、序列がないということは、相対評価が容易にはできないことも意味します。

中途慣れした企業と、新卒慣れした企業とは、実は海水と淡水と同じくらいの違いがあるかもしれません。ずっと新卒慣れした企業という淡水で生活してきた人が、いきなり中途慣れした企業という海水に泳ぎ入って死んでしまうなんてことも十分にありえます。自分が海水で生きられるようなメタモルフォーゼができるかどうが、よく吟味した方がいいかもしれません。海水から淡水に移るときも一緒ですね。

水の問題ですから、これは入り口(採用)の問題ではなく、実は企業文化の相違の問題なのです。私は大学のキャリアセミナーなどで話すときによくいうのですが、志望先を業種・職種で絞るのもいいが、企業の文化タイプで絞った方が実は現実的だと思っています。ここでは省略しますが、よく企業文化を4つに類型化して、どこで生活する自分が一番イメージがつくかを考えさせたりしています。

そして、もちろんこれは二択のテーマではありません。

いいとこどりの文化があるはずです。組織も学習します。海水と淡水が交わる「汽水域」には多種多様な生物が生息し、独特な生態系ができているといいます。まさにダイバーシティです。そんな「汽水域」は一つの目指すべきメタファーのような気がします。

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【2013/03/04 23:55】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
キャリアスリップ~学習論的見地から?
野口先生と山中先生がタックを組んでやられている「メンタルコンシェルジュ」。意欲的なセミナーを毎月提供されています。今期は年間統一テーマを「キャリア・スリップ」と定め、非常に魅力的な講師陣が毎月このテーマに挑みます。初回の12月が花田光世先生、2回目1月は高橋俊介先生、そして先週の2月は中原淳先生。

「キャリアスリップ」という言葉は野口先生の造語のはずですが、想定外のできごとにより思い描いていたキャリアが突然変わってしまったような状況を指すのでしょう。

中原先生の冒頭の問いは、スリップというからには何かからすべり落ちることをいうのだろうが、果たして何からすべり落ちるのか、です。

「みんな同じはず」という「同調的」な思想、「こうなるはず」という「自己期待」、「外的キャリア」の価値観、人間は「線形的」に進むという感覚、つまり、旧来的な「キャリア論」的な視点からとらえると、キャリアスリップというのは天地がひっくりかえる一大事なことになるわけです。思っていた道筋から逸脱してしまうのですから。

これに対して学習論の観点。ここではまず1つの組織というのは想定されず、人は多様な場に属しているととらえます。確かにその通りです。そして、人が生きるとはある意味、移動し続けるということであり、その移動こそが学びだととらえます。

一般的には学びとは良いことだと考えられますが、けしてそんなことはありません。移動…学習には不安や痛み、そしてネガティブな感情が往々にして伴います。新しい場に移ったとき、必ず人には学びがあります。キャリアスリップとはある意味では、強制的に新しい場に移ることです。人の人生とは移動だととらえると、その移動というのは計画的、線形的にはけして進みません。
これはなかなかつらいです。で、学習には必ず他者がいるんだと中原先生は説きます。そしてキャリアってのは自分が切り開く感じ(俺論的な感じ)がするねぇと。
何か変わるときには影響を与える人がきっといる、これはたぶん間違いがありません。皆さんも経験上そうでしょう。境界をまたぐときに、何かを学びなおす、学習棄却する。そんなときに他者が一定の役割を果たします。

ちゃんとメモってないのでよくわからないのですが、中原先生は学習における何とかの10ステップみたいな話をされました。かなりいい加減ですが、メモから転記してみます。
①ジレンマ、方向性の喪失 ⇒ ②ネガティブな感情 ⇒ ③ アサンプション(前提や想定を批判的にとらえるように、本当にこれでよかったんだろうか) ⇒ ④他者 ⇒ ⑤ 新たな役割 ⇒ ⑥アクション・プラン ⇒ ⑦必要なことの学び ⇒ ⑧試してみる ⇒ ⑨能力が向上する ⇒ ⑩統合

これ、キャリア論で近い感覚があるのは、ブリッジスのトランジション論でしょうか。ブリッジスはトランジション(過渡期)のプロセスを3段階に分けて説明しています。
①何かが終わるとき………慣れ親しんできたものから引き離され、混乱・空虚感を感じ、時に自分自身すら見失う
②ニュートラル・ゾーン………内的な再方向付けの時。昔の現実は色あせ、深刻な空虚感。一時的な喪失状態。
③何かが始るとき………始まりはゆるやかにくる。「何かが違うな」と感じ、少しずつ新たなプロセスを踏み始める。
自分の過去のトランジションを思い出しても、こんな感じは確かにあります。そして、折々にやはり他者がいました。キャリアを積み重ねる、キャリアを踏むということは、その瞬間その瞬間に何かを学ぶ重ねるということです。そこには負の学びもあるかもしれませんが、いずれは前を向ける学びを得てトランジションの第3段階にいたります。「始まりはゆるやかにくる」というこの感じが何とも好きです。

約束されたストーリーのない、非線形化した世界というと、私はすぐにフィリップ・K・ディックの作品がうかんでしまうのですが、実はほんわかとではありますが、それが今の現実になってきているともいえます。

たぶんキャリアという言葉は、人類が1人だけだったら生まれなかっただろうと何かの講演の際に話したことがあります。これには意味が2つあります。1つは他者との比較ということがない世界で、自分のキャリアを考えるという発想は生まれ得なかっただろうという観点、そしてもう1つはけして1人だけでは人のキャリアは紡げないという観点。私は学習論もキャリア論も専門家レベルの知識はまったくもって持ち合わせませんが、人が生きるということを、この2つの理論はちょっとそれぞれ異なる角度から深掘りしているのかなぁという感じがしました。

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【2013/03/03 10:05】 | キャリア~全般 | トラックバック(0) | コメント(1) | page top↑
楽器で笑顔基金&東日本大震災復興支援チャリティ・ライブ produced by Pecker!
私もほんとう微力ですが設立に関与しました「特定非営利法人 楽器で笑顔基金」が設立初めての「事業報告書」をまとめ、来期に向けての「事業計画書」を策定しました。そして水曜日に総会を開催しました。

この「特定非営利法人 楽器で笑顔基金」は、東日本大震災で楽器を失った学校に楽器を送り、指導者が現地に入り、音楽の力で少しでも笑顔を拡げたいとの思いで、日本のパーカッション界の草分け、ペッカー橋田さんが中心になって設立したものです。これまで何度も東北に入り活動を行い、多くの楽器を寄贈してきましたが、まだまだ活動は途上です。今回は気仙沼から新たな理事にも加わっていただき、総会の後には理事・社員でのお定まりの懇親会を行いました。実は私、大幅遅刻で総会会場にビルに到着したときには、ちょうど総会が終了して先発隊がエレベーターから降りてきたところでした。ということで、懇親会のみの参加でした。念のために事前に委任状をお送りしておいてよかったです。

で、ペッカーさんを中心にしたミュージシャンが集まり、今年も「東日本大震災復興支援チャリティ・ライブ produced by Pecker!」を3月11日に開催します。場所は池袋のサルサバー「レラオシオーネ」。私も仕事が終わり次第、駆けつけます。今回はギリギリまで仕事があるので、残念ながら受付担当はできません…。

東日本大震災復興支援チャリティ・ライブ produced by Pecker!

●日時:2013年3月11日(月)19時開始
●場所:「レラシオーネ」
  〒171-0014 東京都豊島区池袋2丁目12−9 広瀬ビル-3 4階
  東京メトロ 副都心線 池袋駅 C1出口からすぐ!

●参加ミュージシャン: ペッカー(perc.)/やまもと きょうこ(vo.)/Masayo(vo.)/岩村健二郎(vo.)/MAKOTO(vo.)/仲田美穂(pf.)/澁谷和利(b.)/相川等(tb.)/伊波淑(perc.)
●参加DJ: DJ Mart
●参加ダンサー: Mina Martinez/Kimi/KEN/Frank Abel Carrion

●ミュージックチャージ:
  予約=3,000円 with 1ドリンク(うち2,500円を「楽器で笑顔基金」に寄付します)
  当日=3,500円 with 1ドリンク(うち3,000円を「楽器で笑顔基金」に寄付します)

※楽器の寄贈も受け付けています(特別なメンテナンス無しでそのまま使えるものでお願いします)。お譲りいただけるものがあれば当日お持ちください。

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【2013/03/02 17:45】 | 未分類 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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