経営学習研究所(MALL)で私が主宰するラボsMALLラボでは、ただいま5月19日開催予定の「酒場学習論」の申し込み受付中です。実は先ほど確認したところ、既に定員をかなり上回る方の応募をいただくというありがたい状況になっています。
さて、sMALLラボでは、次の企画も決まりました。リリースはまだ少々先になりますが、こちらで先行的に概要を書かせていただきます。 タイトルは『普段とは少し違った視点で、就職活動を一緒に考えてみませんか』。 新卒採用をテーマに取り上げます。開催予定日は6月22日(土)。2014年度の大手企業の選考が一段落ついた頃でしょうか。 新卒採用でいえば、「4月解禁」論が最近は出てきましたね。いつも強い違和感があるのですが、どうして「時期論」が問題を解決するという短絡的な発想になるのでしょうか。 そもそも、どうも就職活動についての論議では「ひとごと」の論調が横行しているように思います。 就職活動の長期化批判、就職活動の早期化批判、学生の大手志向批判、親の過剰な関与批判、企業の横並び思想批判、大学の授業内容批判、対大学のキャリア教育批判……とにかく「批判」ばかりが不思議なほど渦巻いているのがこの世界です。 自らは傷つかず汗もかかない立場から、批判を繰り広げているだけでは、何かを変えてやろうという「うねり」はけして生まれません。もちろん「時期論」だけで何かが解決すると勘違いしていては何も始まりません。 あと、就職活動論議で何とかしなければならないのは、誰もがしたり顔で自分たちの時代を基準にものを語ることです。ビジネスの世界ではありえないことです。20年前の自動車産業はこうだったと今の自動車産業にモノ申して何の意味があるのでしょう。今、を正確に理解せずしてまっとうな議論はできません。 でも、すでに局所的な素晴らしい「うねり」はさまざまなところから出てきています。当日はいくつかの現実の「うねり」を皆で共有しながら、「自分ごと」としてこの問題をとらえ、自分は自分のフィールドで明日から何ができるのか、に思いをめぐらせる時間にできればと思います。 さて、そんな「うねり」の1つである辻太一朗さんの「NPO法人 大学教育と就職活動のねじれを直し、大学生の就業力を向上させる会」についてもこのブログで何回かご紹介しましたが、辻さんがその思いを本にされました。NPO法人の名前も長いですが、本のタイトルも「なぜ日本の大学生は、世界でいちばん勉強しないのか?」と長いです。辻さんのいう、学生・企業・大学の3者間の負のスパイラルについて詳細にかつわかりやすく書かれています。6月22日(土)には辻さんもお招きしていますので、お楽しみに。
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経営学習研究所sMALLラボが、昨秋のドラムサークルに続いて送る第2弾「酒場学習論 〜古今東西、人は酒場で育てられてきた」(5/19)の申し込み受け付けを開始しました。
非営利型一般社団法人「経営学習研究所」、略称「モール」(MALL : MAnagement Learning Laboratory)とは、実務家と研究者による「全く新しいイニシアチブ」です。MALLは、経営・組織・学習に関する研究・実践の普及・振興・研究を行うために実務家と研究者がつくった新たな組織です。 具体的には、実務家と研究者の協働によって「経営」「組織」「学習」に関係するセミナー、シンポジウム、ワークショップを開催していきます。私たちは、「モール」という名前どおり、社会を「学びのショッピングモール(縁日)」のようにすることに貢献したいと思います。 「企業・組織の中の学習」を活性化することはもちろんのこと、組織外に出ても、様々な人々が自分の知識・専門性を高めるために、様々に集えるような「場」や「タネ」を仕掛けていきたいと考えています。 ほんの、ちょっとだけ大げさにいいますと、「日本を学習大国にする」これが、私たちの「志」です。http://www.mallweb.jp/ そしてMALL理事は1人ひとりがラボを持ちます。今回は、sMALLラボの主催企画となります。お申し込みは、MALLのwebページから。ここでは、案内文を転記します。 ==================================================================== MALLが「酒場」に飛び出します。 古今東西、人は酒場で育てられてきた。「酒場学習論」inまるます家@赤羽 ==================================================================== 古今東西、人は酒場で育てられてきました。酒呑みであれば、誰しも何か酒場での学びを語れるのではないでしょうか。 学びの「場」はさまざまなところにあります。私たちが膨大な時間を過ごす「職場」。職場は働く場であるとともに、学びの場でもあります。当研究所の中原代表理事は、著書「職場学習論」の中で職場での学びを探求しました。多くの企業人にとっては「酒場」は「職場」と「家庭」の間にあります。そこは憩いの場であり、懇親の場であるとともに、内省の場であり、そして学びの「場」でもあります。仲間とプロジェクトの打ち上げで交わした杯(さかずき)、上司に悩み事を相談した場末の酒場、明日を語りながら夜を明かしたあの店、仕事を振り返りつつ1人で呑んだあのカウンター。あなたにもそんな記憶がきっとあるはずです。 今回のMALLはそんな「酒場」に焦点を当てます。いわゆる「呑みにケーション」的な見地からの「酒場」だけでなく、「酒場」という「場」自体の魅力を改めて参加者の皆様と一緒に味わいたいと思います。 メインゲストは不定期誌『古典酒場』の編集長をつとめる倉嶋紀和子氏。『古典酒場』は日本の文化ともいえる名酒場を丁寧に取材し、ストーリー性を持って読者にその魅力を伝えている知る人ぞ知る人気誌です。倉嶋氏から東京の魅力的な酒場の紹介をいただいた後、学びの場としての「酒場」をちょっと皆で科学します。 本企画は「Learning Bar」の裏返しです。「場」つくりの道具としてのアルコールを上手に活用して学びの場を演出してきたのが「Learning Bar」だったとすると、「学び」という題材を活用して、アルコールを愉しむ場だとご理解ください。ですから、メインゲストをはじめスタッフ一同ものっけから呑みながら進行を司りますことをあらかじめご了承ください。 こんな企画に、素晴らしい会場を提供いただくのが赤羽の超人気酒場「まるます家」様。朝9時(!)の開店から一日中、お客様が途絶えない名酒場です。当日はこちらの2階を貸切で使用させていただきます。「まるます家」自慢の料理を愉しみながら愉しいお酒をいただきながら進めていきます。MALL史上、もっともアルコール摂取量が多いワークショップになることは間違いあまりません。 ■主催 一般社団法人経営学習研究所sMALLラボ ■協力 「まるます家」 『古典酒場』 ■日時 2013年5月19日(日)12時から14時45分まで(終了時刻は前後します) 開場は11時30分を予定しています。 会場後、開始時刻まで会場にて経営学習研究所各理事がお迎えします。 ■会場 まるます家 東京都北区赤羽1-17-7 03-3901-1405 http://r.gnavi.co.jp/6267441/map/ 当日は2階を貸切で使用します。1階は朝9時より通常営業をしていますので、ご迷惑にならないように2階におあがりください。 ■参加費・定員 お一人様6000円を申し受けます。 なお、会場は木造建築2階のために、建物構造上の制約から限定30名までの募集とさせていただきます。 応募者多数の場合は抽選とさせていただきます。なお、本ワークショップは、企画構成上、登壇者も進行者も運営者もすべて呑みながら進行させていただきます。これを不謹慎だと感じる方はお申し込みをご遠慮ください。また「愉しく呑める」ことを自認される方のみご参加ください。当日の泥酔もご遠慮ください。 ■メインゲスト 『古典酒場』編集長・酔女 倉嶋紀和子さん 『古典酒場』編集長。熊本県生まれ。お茶の水女子大学大学院卒業。三度の飯より大好きな酒の本をつくりたい、と2007年4月に『古典酒場』を創刊。2009年に会社を独立し、株式会社クラシマ・プロダクツにて、引き続き『古典酒場』を刊行中。東京を中心に、老舗の銘酒酒場や大衆酒場に特化した飲兵衛のための情報を発信。実際に呑んで味わって満足のいく酒場のみを掲載するため、刊行ペースは、ゆるゆると、不定期刊。泥酔しては記憶喪失、そんな日々の呑んだくれ生活を綴った「古典酒場編集長酔いどれブログhttp://ameblo.jp/kotensakaba/」を運営中。自著本『Tokyoぐびぐびばくばく口福日記』(新講社刊)も発売中。 ■内容 ・イントロダクション 〜あらためてMALLへようこそ〜 ・東京酒場ストーリー: …『古典酒場』編集長編集長・酔女 倉嶋紀和子 ・宴という名のダイアローグ ・倉嶋紀和子という生き方: …聞き手 植田亜紀子(メイン種目:日本酒)・佐伯和則(メイン種目:テキーラ) ・キャリア論の立場から「倉島紀和子」を語る …法政大学大学院 政策創造研究科准教授 石山恒貴 ・学習論の立場から「酒場」を語る …インテリジェンスHITO総研 研究員 田中聡 ・ダイアローグという名の宴 ・ラップアップという名の中締め ================================================== ■参加条件 下記の諸条件をよくお読みの上、参加申し込みください。 申し込みと同時に、諸条件についてはご承諾いただいているとみなさせていただきます。 1.本ワークショップは、企画構成上、登壇者も進行者も運営者もすべて呑みながら進行させていただきます。これを不謹慎だと感じる方はご参加をご遠慮ください。また、「愉しく呑める」ことを自認される方のみご参加ください。当日の泥酔もご遠慮ください。 2. 本ワークショップの様子は、予告・許諾なく、写真・ビデオ撮影・ストリーミング配信する可能性があります。写真・動画は、経営学習研究所、ないしは、経営学習研究所の企画担当理事が関与するWebサイト等の広報手段、講演資料、書籍等に許諾なく用いられる場合があります。マスメディアによる取材に対しても、許諾なく提供することがあります。参加に際しては、上記をご了承いただける方に限ります。 3.欠席の際には、お手数でもその旨、 info [あっとまーく]mallweb.jp(松浦) までご連絡下さい。 繰り上げで他の方に席をお譲りいたします。 参加可能人数が限られた企画になります。欠席の際は他の参加希望者に迷惑のかからないように、必ず事前連絡をお願いいたします。 4.人数多数の場合は、抽選とさせていただきます。 4月25日(木)まで にお申し込みをいただき、 4月29日(月)には抽選結果を送信させていただき ますので、あしからずご了承下さい。 以上、すべての項目にご了承いただいた方は、下記のフォームよりお申し込みください。 皆様とお会いできますこと愉しみにしております! ================================================== ![]() |
フィリップ・K・ディックは、1982年、私が大学生の時に亡くなりました。社会学部を卒業する際の卒論のタイトルが「日本SF史」であるくらいSF好きで、SF小説を読み漁っていた頃です。ディック作品は、ハヤカワSF文庫、創元SF文庫からも多数発刊されていましたが、1987年に幕を下ろしたサンリオSF文庫から21冊と大量発刊されています。なかなか新刊本で購入る資金力がなかった高校生・大学生時代は、古本屋を歩いて、見つけ次第、購入していました。
既に30年以上前に亡くなった作家ですから、新刊本というものを読むことはできません。でも、海外作家については未訳本というものが少なからずあり、ディック本も没後に細々と未訳本が発刊されています。そして、ごくわずかですが未だに未訳のままの作品が残っています。 長らく未訳本でいたということですから、必ずしも評価が高くなかった作品なのだろうと想像が容易につきます。しかし、ディック作品には強烈な固定客が多数いますから、出せば出したでそこそこは売れるだろうとも想像がつきます。そんなこともあり、忘れかけた頃に、新たな未訳本が世の中に出て、私たちファンを楽しませてくれるというのが、もう30年間も続いています。 未訳本だけでなく、ディックの短編が没後に次々と映画化されています。 「マイノリティ・レポート」「ペイチェック 消された記憶」「スキャナーダークリー」「NEXT」「アジャストメント」「クローン」「スクリーマーズ」、そして昨年リメイクされた「トータルリコール」。まだまだ私たちはディックの新しい世界を味わうことができるのです。 さて、本作品ですが、人口爆発に悩む近未来の世界。生活ができない人々はコールド・スリープを選択して凍民となり、いずれくる他惑星への移住が叶う世界を待っています。そんな中で、異世界との時空の切れ目が見つかります。まさにタイトルとおりの「空間亀裂」が現れるわけです。アメリカ大統領選におけるメディア戦略合戦、著名医師のスキャンダル、未だ残る人種差別、人工冬眠と臓器移植、売春人工衛星、北京原人とのコンタクト、惑星のテラフォーミング、といった具合に、あれやこれやとエピソードやSF的ガジェットが投げ込まれます。チープ感に溢れ、箱庭的ご都合主義が満載ではありますが、久しぶりに読む「新作」、いにしえのSFのテイストに満ち溢れ、けして駄作でも問題作でもありません。1ページ1ページを愛おしく読み終えることができました。
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