私も理事をつとめさせていただいています「にっぽんお好み焼き協会」より、素敵なニュースです。といいましても、昨秋に上級検定に合格された方、限定のニュースです。行きたい!という方は、今年は我慢をいただいてまずは2014年の検定にチャレンジしてみてください。
********************************************************* お好み焼きのおいしい焼き方講習会のご案内 拝啓 厳冬の候 皆様ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。 平素は格別なるご愛顧を賜わり、厚く御礼申し上げます。 まずは、この度第2回お好み焼き上級検定をご受験頂きまして誠にありがとうございます。また、見事に合格されたことおめでとうございます。 受験当日にご案内させて頂きました通り、上級合格者の皆様を対象に、お好み焼きのおいしい焼き方講習会を東京・大阪の2会場にて以下の通り開催させて頂きますのでご案内申し上げます。講習会においては、当協会の会長を務めております佐竹が、皆様に家庭でも出来るお好み焼きのおいしい焼き方を伝授させて頂きます。佐竹は実際にお好み焼き店を開業される方にもお好み焼きの焼き方等そのノウハウを指導しております。そのため、是非皆様今回の講習会に参加頂き、お好み焼きのプロの焼き方をマスターし、友人・ご家族の皆様においしいお好み焼きを振る舞って下さい。多くの皆様のご参加をお待ち申し上げております。 敬具 記 開催日時 大阪会場 2014年2月23日(日) 午前の部・午後の部 計2回 東京会場 2014年3月 2日(日) 午前の部・午後の部 計2回 午前の部は10時~12時、午後の部は15時~17時を予定。 ※大阪会場と東京会場で日程が異なりますのでご注意下さい。 開催場所 大阪会場 若竹学園(大阪府吹田市江の木町1-1) 東京会場 お好み焼き文字平(東京都千代田区二番町1-2 番町ハイム1F) 受講料 無料 ************************************************************** お好み焼き検定にご興味のある方、まずは憲章10ヵ条からチェック願います。2014年度の開催は11月16日(日)の予定です。 ![]() |
Relaciones(レラシオーネ)
①スペイン語で「つながり」 ②池袋のサルサバー。2014年1月12日を持って3年半のファーストステージを閉じる。 片岡さんの思いのこもったお店が閉店しました。でも、きっとどこかでセカンドステージが始まります。東京の東の方に来てくれると頻繁に行けていいなぁなど勝手なことを思ったりしています。 お店というのは、やっぱり1つの世界です。物理的には単なる空間でしかありませんが、そこには人の思いと歴史が渦巻いています。閉店とともに1つの世界がいったん空白になります。そういう感じを思わせるお店っていうのは、凄くいいお店だったんだと思います。まさに物理的な空間ではなく、そこは「場」だったんです。「酒場」という言葉はつくづく凄いな、言い得て妙だなと思います。私たちは「場」としてのレラシオーネに脚を運ぶのです。 これまでも、親しくさせていただいていたお店がいくつも閉じて行きました。それぞれ事情はおありですが、できる限り最終日には脚を運ぼうと思いつつも、かなわないケースも多々ありました。そして、必ず後悔します。そういう後悔はできる限りしたくないな、最後の日を自分でも体感したいな、そんな思いで池袋に行きました。時計の針は逆に戻せません。 サルサバーなんてのは、まったく縁のない世界です。ペッカーさんのご紹介で日本橋で片岡さんと呑んでお話してから、片岡さんのファンになりました。でも、池袋というのは滅多にいかないエリアだということもあり、楽器で笑顔基金の日くらいしかお邪魔することもできず、残念です。サルサなどまったく踊れませんので、踊れているお客様は羨ましいものです。それでも、愉しい時間が過ごせます。不思議なものです。 最終日はペッカーさんらのクアトロロコスのライブでした。お店をオープンしようと思ったきっかけもクアトロロコスだったそうです。日付が変わるのをみとどけて店を出ましたが、宴は何時までつづいていたんでしょうか。レラシオーネの皆様、ほんとうにお疲れさまでした。セカンドステージの幕開けををゆっくりとお待ちしています。 ![]() ![]() ![]() |
あれやこれやと登録していると、日々、たくさんのメルマガがやってきますが、最近とても素敵だなと思っているメルマガを2つご紹介します。
1つ目は、まさに今日届いたのですが、月刊のメルマガ「 (株)Kaienニュースレター」です。 (株)Kaienという会社はご存じでしょうか。(株)Kaienの鈴木社長には、平素から大変にお世話になっているのですが、発達障害の方への支援を専門に行っている企業です。ほんとうに素晴らしい、すごい企業です。 (株)KaienのHPから鈴木社長の言葉を引用させていただきます。 ************************************************************************ Kaienは3つのことが重ならなければ、私にはとても考えもつかないことでした。 1つ目は、息子が、発達障害と診断されたこと。 2つ目は、起業精神が旺盛なアメリカのビジネススクールで学べたこと。 3つ目は、スペシャリスタナというデンマークの企業を「発見」できたこと。 3歳だった息子が発達障害とわかったのは、2007年8月。私がMBA留学の為に渡米するたった2日前のことでした。そのときは本当にショックでした。涙が勝手に出てきてとまりませんでした。なんでもっと早く気づいてあげられなかったのかと自分と妻を本当に責めました。 診断当初、まず思ったことは、子供の分まで稼がないといけないなぁということです。何億円かわかりませんが、息子がまったく就職できなかったとしても不自由のないよう、とにかくお金を稼ぐことに集中しようと思っていました。 しかし数週間、数ヶ月経ち、心が落ち着いてくると、なにか違うと思い始めました。お金が用意できて、彼の周りに冷たい世間との「塀」を張り巡らせることが出来たとしても、本当に彼は満足できる一生が送れるのかなぁと考えるようになりました。 社会に貢献する人間になってほしいし、なれるはず。それが息子の生きがいにつながるであろうということです。特に発達障害のことを知れば知るうちに、類まれな能力を上手く活用する手段があるはず、と感じるようになってきました。 私の前職はNHKのアナウンサー。当然ビジネス経験はゼロ。英語も非常に不得手で、よくビジネススクールに受かったなぁと言うような存在です。 ただ周りには30歳前後のバランスの取れたアツイ人材がたくさんいました。優秀な同世代の人たちと学びあい、その後も交流を続けていることは本当に刺激になっています。 アメリカでは、特に不況下では、新しいビジネスをおこして雇用を増やす、という考えが浸透しています。MBAの学生の中でも起業することは、メジャーな夢の一つです。こういったカルチャーの中にどっぷりつかりながら生活していたことで、「発達障害の人を活用したビジネスモデル」という、これまでの私では挑戦しようとすら思わなかったことを、本気で考え始めるようになったのだと思います。 「なにかヒントが無いかなぁ」といろいろな文献、ネットの資料を探すうちにたどり着いたのが、スペシャリスタナでした。 2008年5月末。ハーバード大学の資料を探していると、スペシャリスタナという発達障害の人を雇用した企業についての文章を発見しました。手短にこの会社を説明しますと、、、 デンマークの営利企業 ソフトウェアのバグを探すソフトウェア検証の会社 顧客はマイクロソフトやオラクルなど世界の名だたるIT企業 2004年に創業 従業員の75%がアスペルガーなどの発達障害の人たち 創業者はThorkil Sonne (息子さんが発達障害) 1年目から黒字経営 こんな企業が世の中に存在するのかと本当に信じられませんでした。とにかく感動して、深夜にも関わらず何度も文章を読み直したのを覚えています。世界のどこかには同じミッションを持った人がいるんだなぁとうれしくなりました。 私はまったくソフトウェアの知識は無いのですが、「これが人生で僕が成し遂げたいこと」と感じました。すぐにThorkilにメールを打ち、数ヶ月後にデンマークを訪問する確約を取りました。 このようにまったくもってゼロからのスタートだったにもかかわらず、その後、様々なご協力を多方面の方から頂戴し、2009年9月18日に株式会社Kaienを立ち上げることができました。 Kaienは本当に不思議なプロジェクトです。当初、自分で考えていた以上のペースで物事が進んでいます。いい意味で色々と思いがけないことが起こっているのは、同じ思いを共有してくださっている皆様がいて、私を含めKaienのリーダーシップチームを後押しして頂いているからだと感じています。今後も私でできることは精一杯行っていきたいと考えております。皆様のご理解、ご支援のほどよろしくお願い申し上げます。 2009年9月29日 株式会社Kaien 共同創業者・代表取締役 鈴木慶太 ************************************************************************ 「 (株)Kaienニュースレター」の中でとにかく好きなコーナーは、「4. 今月寄せられたご質問・ご意見にお答えします」というコーナーです。今月も11の質問に、鈴木社長が真摯に丁寧に回答をされています。そして素晴らしいのが、多くの質問に対するソリューションの可能性に結びつく(株)Kaienのサービスがどんどん増えていることです。今では、まったく対応できないといった回答をする質問はかなり減っています。まさに、1つ1つのニーズと思いに耳を傾けてきた結果、今日の(株)Kaienのサービスがあるのだと思います。そして、それらがどれだけの人を救ってきたことでしょう。どれだけの人のよりどころとなってきたことでしょう。 さて、もう1つのメルマガは、元マーサー代表、今はインディゴ・ブルーを率いる柴田さんの「【IndigoBlueメルマガ】柴田励司の人事の目」です。こちらは週刊です。毎回、必ずといっていいほど、刺激をいただけます。そして、このメルマガの秀逸なのは、単純なことなのですが日曜日に送ってくるところなのです。意外と日曜日というのは、ビジネスメルマガは届きません。毎日くるややうるさげな奴も多いですが、そういうのは日曜日は逆にお休みが大半です。そんな中、わざわざ日曜日に来ます。そして、その内容が月曜日からの仕事への思いを鼓舞してくれることが多くいつも感謝しています。 ![]() |
私の母は80歳になりますが、最近になって囲碁を始めました。昨年の後半は有楽町の日本棋院の教室まで、毎週1回通うほどの入れ込み具合です。私はとんとん囲碁とはご縁がないのですが、母が今、とても元気なのは、囲碁との出会いのおかげも少しあるかなと感じています。
で、昨年も少しご案内をしましたが、今年最初のMALL(経営学習研究所)の企画のテーマは、なんと囲碁です。開催日は1月31日(金)ですが、まだお席に空きがあるので、ご都合のつく方は早めにお申し込みをお願いいたします。 私も当日は参加する予定です。人生で初めて、囲碁を体験します。私のようにまったくやったことのない方、大歓迎の会です。囲碁を覚えたり、上達するのが目的ではありません。 お申し込みはMALLのHPからどうぞ。 ***************************************************************** ギャラリーMALL「囲碁の世界観に触れ今年の生き方を考える ―囲碁体験を通じて新年の序盤に布石を打つ― 」 ================================================== ギャラリーMALL 「囲碁の世界観に触れ今年の生き方を考える ―囲碁体験を通じて新年の序盤に布石を打つ― 」 2014年1月31日(金)18:00から21:00 内田洋行東京ユビキタス協創広場CANVAS地下1階 ================================================== 経営学習研究所 (Management Learning Laboratory : MALL)の 島田徳子です。 2014年1月31日(金)に、ギャラリーMALL企画として、 新しい年のはじまりに、「囲碁」をテーマに、 「人生・仕事・キャリア」を考えるイベントを行います。 ■今回のテーマは、 「囲碁の世界観に触れ今年の生き方を考える ―囲碁体験を通じて新年の序盤に布石を打つ― 」 です。 みなさん、「囲碁」は、なさいますか? 仕事や普段の生活で、何気なく使っていることばの中に、 囲碁から来たことばが実はたくさんあることをご存じですか? 「一目おく」 「布石を打つ」 「序盤・中盤・終盤」 「結局」 「駄目」 わたしは、全くの素人なのですが、 内田洋行教育総合研究所様から会場面でのご協力をいただき、 公益財団法人日本棋院様、友人の囲碁観戦記者の内藤由起子さんの 全面的なバックアップをいただき、 このたびのイベントを開催できることとなりました。 「囲碁」は、4000年前に中国で発祥し、日本では6世紀ごろ伝わったと 言われています。 古くは、『源氏物語』や『枕草子』などにもとりあげられ、 約1千年前の宮中の女官たちが囲碁を楽しむ様子が描かれているそうです。 戦国時代には、武田信玄、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康など、 名だたる武将たちが囲碁を嗜好してきたことから、 「囲碁」には、戦略や柔軟な発想、決断が求められることがうかがえます。 囲碁は何も置かれていない基盤に石を置き、陣地を形作る「創造のゲーム」です。 発想力を鍛えるとともに、最終的な和解(Win-Winの関係)を目的とする 平和なゲームという一面もあり、一方的に勝とうと欲張ると破たんすることが 多く、相手の出方や先を読むことが大切なのだそうです。 最近では、多くの大学の単位科目として「囲碁」が組み込まれ、 ゲーム世代の大学生たちの人気科目となっているそうです。 大学生たちは、「正解」のない「囲碁」の世界で、 大局観やバランス感覚、論理的思考能力を養い、 様々な局面において自身で判断し決断する経験を積んでいるようです。 さて、今回のイベントは、 わたくしのようなこれまで囲碁と縁がなかった方も、 囲碁が大好きな方にも奮ってご参加いただきたいと思っています。 この会は、囲碁をプロフェッショナルに探究する場ではなく、 「囲碁の世界観に触れることで、1年の始まりに、 人生や仕事やキャリアについて考えてみる」ことを目的とします。 囲碁を打ちながら・・・ バータイムに・・・ ダイアローグの時間に・・・ たくさんの新しい出会いが生まれ、 楽しく豊かで、時にシリアスな対話の時間を過ごしていただけたら、 そんな想いで、理事・スタッフ一同、みなさまをお迎えしたいと思います。 ■このたびご登壇いただく方は、 プロ棋士の、マイケル・レドモンド(Michael Redmond) (公益財団法人日本棋院所属棋士九段)さんです。 http://www.nihonkiin.or.jp/player/htm/ki000174.htm レドモンド棋士は、1963年生まれ、 アメリカのカリフォルニア州出身の日本のプロ棋士の方です。 13歳のとき旅行で日本を訪れ、日本の棋士に指導を受けたことを きっかけに、14歳で来日し囲碁のプロ修行を開始。 15歳で故大枝雄介九段に弟子入りし、17歳でプロ試験に合格。 1981年18歳より日本棋院初段、2000年には最高段位の九段に昇段。 2009年には、史上81人目の、棋士生活500勝を達成。 テレビ番組「NHK囲碁講座」の講師、アメリカ・ヨーロッパ などでの囲碁普及指導でも活躍されています。 ご著書、『直観力 私が囲碁から学んだ 生きるということ』海竜社 では、囲碁との出会いや自らの成長について振り返っていらっしゃいます。 日本棋院と関西棋院に所属されている棋士の500人のうち、 海外生まれの棋士は80人程度いらっしゃるそうですが、 台湾中国韓国がほとんどで、欧米系はわずか数人だそうです。 その中で、レドモンド九段の多方面での活躍と存在感は、 圧倒的なNO.1とのことです。 レドモンド九段の日本語の上手さ、日本語の語彙の豊富さや 表現の豊かさは、海外生まれ棋士の80人の中でも指折りとのこと。 今回のイベントでは、レドモンド棋士による囲碁についての お話に続き、参加者のみなさんには7(or 9)路盤を使った囲碁を体験 していただきます。 そして、その体験をふまえ、 レドモンド棋士の経験談をお聞きしながら、囲碁の豊かで深い 世界観に触れ、「人生・仕事・キャリア」について考える時間を みなさまとともに過ごしたいと考えています。 2014年、新しい年の幕開けに、 多様な参加者のみなさんと一緒に 囲碁の世界を覗きつつ、駄目を見極め、一目おかれる人を目指して、 新しい年が充実した一年となるよう、 布石を打っておきませんか? ■主催 経営学習研究所 ■共催 公益財団法人日本棋院 内田洋行教育総合研究所 ■日時 2014年1月31日(金)17:30開場 18:00開演 21:00終了 ■募集 70名さま ■会場 株式会社内田洋行 東京ユビキタス協創広場CANVAS地下1階 http://www.uchida.co.jp/company/showroom/canvas.html ■参加費 お一人様5,000円を申し受けます 囲碁体験で使用する、7/9路盤(表裏)(非売品)のおみやげ付きです ※釣銭のないようご用意いただきますようお願いいたします 会場には、お飲物と軽食をご用意しております ■スケジュール(予定) 17:30 開場 18:00 開演 ・18:00-18:10 オープニング (島田) ・18:10-18:25 イントロダクション「囲碁との出会い」(レドモンド棋士) ・18:25-19:20 第一部「みんなで囲碁を体験してみよう」(レドモンド棋士&日本棋院様) ルール説明(15分) 対戦(40分) <休憩> (25分)(バータイム & 軽食) ・19:45-20:35 第二部 「囲碁の世界観に触れ今年の生き方を考える」 「囲碁が教えてくれた人間の基本」(レドモンド棋士)(10分) Q&A タイム(20分) ・ダイアローグ(20分) 「囲碁体験を通して、今年の自分の生き方と 人材育成について考えてみる」 <休憩>(10分) ・20:45-21:00 ラップアップ&クロージング (島田) ■参加条件 下記の諸条件をよくお読みの上、参加申し込みください。 申し込みと同時に、諸条件についてはご承諾いただいて いるとみなします。 1.本ワークショップの様子は、予告・許諾なく、写真・ ビデオ撮影・ストリーミング配信する可能性があります。 写真・動画は、経営学習研究所、ないしは、経営学習研究所 の企画担当理事が関与するWebサイト等の広報手段、講演資料、 書籍等に許諾なく用いられる場合があります。マスメディアに よる取材に対しても、許諾なく提供することがあります。 参加に際しては、上記をご了承いただける方に限ります。 2.欠席の際には、お手数でもその旨、 info@mallweb.jp(松浦)までご連絡下さい。 応募者多数の場合には、繰り上げで他の方に席をお譲りいたします。 3.応募者多数の場合は、抽選とさせていただきます。 1月16日までにお申し込みをいただき、17日には抽選結果を 送信させていただきますので、ご了承ください。 応募者多数の場合は、1月16日以前にお申し込みを 締め切らせていただく場合があります。 以上、ご了承いただいた方は、下記のフォームよりお申し込み くださいますようお願いいたします。 それでは、皆様とお会いできますこと楽しみにしております! ================================================== 企画:経営学習研究所 理事 島田徳子 ================================================== ![]() ![]() |
昨日の朝日新聞ですが、1面トップの特集記事の内容が「反転学習」でした。年初からのシリーズ企画「教育2014世界は日本は」の3回目「授業の未来形」という記事の中での話です。
「反転学習」というのは、これまでの学習の主要コンテンツであった講義型のコンテンツをオンライン教材化して、事前に自宅等で予習することで、リアルな教室では講義は行なわずに、対話的なコンテンツに終始できるというもので、教室で講義を聞き、家に帰って課題に取り組むという従来型の学びの方法を「反転」させたものです。 反転学習ではITCの活用が主課題の1つとなります。たまたま昨年の秋に「e-Learning Awards」の中で「企業人の学びについて考える」という講演をさせていただき、このテーマについても少し考えました。 インターネットのもたらす本質的な変化は、便利さ、利便性ではなく、破壊的なコスト革命です。そして、インターネットはロングテールとの親和性が大変に強くあります。これらを考え合わせると、教育、学びの分野は、まさにインターネットが活躍する場だと考えられます。 これまでの教育の世界は高コスト体質に覆われていました。大学時代の奨学金を返すために生活を切り詰めざるを得ないでいる社会人が何人いることでしょう。社会人大学院も余裕のある人でないとなかなか門を叩けません。余裕というのは、時間的余裕よりも経済的余裕がキーになります。そもそも教育にコストがかかり過ぎることが、世襲的職業選択慣習を呼び起こしている一要素だともいえます。そして、個人の学びの分野はまさにロングテールの世界です。 おそらくITCの活用をもっとも早く商業化したのは、東進ハイスクールではないかと思います。林先生の「今でしょ」で有名になりましたが、従来型進学塾とは一線を画して、超著名講師の録画授業を各教室でDVD視聴できる仕組みで巨大化した塾です。 誰しも著名先生の良質の授業を受けたいのですが、教室のキャパは決まってますし、何よりも何曜日の何時にどこにいかなければならないという時間的、地理的制約を受けます。東進ハイスクールはこれを取っ払いました。いつでもどこでもどれだけでも受けたい授業が受けられるのです。 このシステムが副次的に招いた結果は、「逆転可能な学習」です。高校3年の夏まで遊び呆けてしまった高校生がいるとします。秋になって一念発起した彼、彼女は、東進ハイスクールで本気になれば普通の教室に通うのの数倍のスピードで良質な講義を受け、学び続けることが可能です。他の高校生が1カ月で学ぶことを徹底的に1週間で学ぶことが可能です。これはITCが生んだ新たな世界です。リアルな教室では不可能なことです。 e-Education Project、五大陸ドラゴン桜の税所さんをご存じでしょうか。凄い若者です。ITCの力で五大陸の貧困層の子どもたちに良質の教育を届けようという活動を続けていますが、彼も東進ハイスクールで逆転的学習をした1人だそうです。東進ハイスクールの方法が彼の活動のヒントになったことは容易に想像できます。 東進ハイスクールは絶妙のビジネスモデルを維持できており、進学塾分野の価格破壊にはまだいたっていません。しかし、大規模公開オンライン講座(MOOC)に期待されるように、教育へのITCの活用は、教育の世界に劇的なコストダウンという産業革命をもたらすインパクトがありえます。そうなると、高等学習というのも小金もちの特権ではなくなる社会が到来します。健全なる危機感と、健全なる向上心を持つ人が、どんどんと成長し、どんどん活躍していける素地ができます。そんな人達が、今に安住している学びの平和ボケをしている人達をいずれ凌駕していきます。そんなことが始まりかけているのが、今だ、というように感じています。 ※「反転学習」と入力したら、たまたま「飯店学習」と変換されました。これは「職場学習論」からインスパイアされて「酒場学習論」を企画したように、中華飯店を学びの場にするワークショップをつくれというおぼしめしでしょうか。 ![]() ※テーマとはほとんど関係ありませんが、静岡青葉横丁の某店の静岡おでん。後ろに控えるのは桜エビと生シラスという静岡アピール最強コンビおつまみですがこれは実はお通しという太っ腹ぶりです。 |
アベノミクスでも労働法の見直しはいろいろと取りざたされていますが、なかなか進んではいません。というか、あまり本質的なところまで踏み込める感じは伝わってきませんね。労働法=労働者を守る、労働法改革=強者の横暴・労働者をふみにじる、という短絡的なマスコミ報道と、それを鵜呑みにする世論がこの背景にあるともいえます。まあ、困った企業も確かに存在しているので、無理のないところではありますが。
確かにHRMを生業としていると、窮屈な日本の労働法制に閉口させられる感は多々あります。現実の人事管理の求めるものと、労働法制によって求められるもののギャップには、多くの人事パーソンが悩まされています。 本書はまさにタイトルとおり「人事と法の対話」です。 ありそうでなかった書籍です。そしてすべての人事パーソンにお薦めの書籍です。HRMに携わる人ならお馴染みの一橋大学の守島先生、つまり人事管理の専門家と、労働法の専門家である大内先生の対談により、HRMの各要素について、労働法の視点とHRMの視点をぶつけ合います。章ごとに異なるテーマを扱い、その対象は、採用、正規社員非正規社員、評価と賃金、人事異動、人材育成、WLB、メンタルヘルスと産業医、退職・解雇、高齢者雇用、労働紛争、グローバル人事と拡がります。それにしても、大学教授でありながら、このリアルな現場感を持っている守島先生は凄いです。 いずれのテーマでも、最初は労働法と人事管理が相反する思想のように論じられます。事実間違いなくそういう面はあります。例えば、第10章の「労働紛争の解決」ではこんな感じです。 『我々法律家は、労働組合法というのは非常に重要な法律だと考えています。そもそも労働組合というのは、憲法第28条で保障される団結権、団体交渉権、団体行動権という権利に基づいて結成され活動するものです。そこで想定されている労働組合は、企業と戦う存在です。(中略)労働法では、労働基準法とか、労働安全衛生法とか、最低賃金法という法律でガチッと最低基準を定め、その上乗せは、個々人では弱い労働者が組合を結成して、対等な交渉を通して、労働条件の引き上げをやっていく、そこでは徹底的にストライキとかをやって闘ってもいいというモデルなのです』(大内) 『優良な企業というか、普通の企業の場合には、敵対的なモデルというもの自体があまり前提とされていなくて、労働組合というのは協調的に、例えて言えば同じ船に乗って進んでいくパートナーという理解が多いようです。(中略)逆に企業の方でも、先ほど申し上げたような、協調的な労使関係を築けない企業、築く気のない企業がだんだん増えてきています。』(守島) 労働法は、企業性悪説というか、企業は放置しておくと変なことをするので法で縛っておかねばならないという発想に基づいています。でも、多くの企業はそんなことをいわれなくても、企業の幸せと従業員の幸せの双方を念頭に人事管理をしているわけです。そうでない一部の企業には労働法の縛りはなくてはならないものですが、逆にそういう企業は労働法をないがしろにした企業運営を行っていたりします。それらの企業を縛るために、優良企業の行動が制約されるという現実が存在していることは不合理であり、日本全体にとってはいいことではありません。このあたりが労働法の一番、難しいところです。 ただし、お2人の対談は、けして平行線をたどりません。大きなベクトルは実は違っていないのです。 労働法は、労働者の個人としての権利、尊厳、幸せ、公平性を守ることを第一義とします。何よりも労働者を大切にしているのです。 そして、人事管理の世界でもほとんどの企業は人を大切にします。ただし、人事管理の世界では、個人ニーズだけではなく、当然ですが企業ニーズにも寄り添います。この部分が大きな相違点ではありますが、どんな業種であっても継続的に強い企業であり続けるためには、従業員を大切にすることは、また必須です。 本書は労働法という視点を借りて、人事管理の全体像を考え直す良い機会をくれます。人事の仕事は好きだけど、労働法はなんとなく毛嫌いしているという人事パーソンは少なくはないでしょう。そんな人こそ、是非とも紐解いて欲しい書籍です。 今年は読んだ本をちゃんと記録に残しておこう、などと今のうちは思っています。
|
あらゆる目標は「学習目標」と「遂行目標」のいずれかに集約されるそうです。
今、読んでいる本で学んだ話です。 昔、中原先生のブログで見たような名前のドゥエックという心理学者の説だそうです。で、中原先生のブログ内検索をすると、いくつか出てきますが、『キャロル=ドゥエック著「やればできるの研究」を読んだ!』というのが2008年12月にありました。珍しい名前の人は印象に残るので得ですね。「やればできるの研究」、凄いタイトルです。当時は、Learning Bar の1ファンでしたが、今は中原先生とはご一緒に一般社団法人経営学習研究所の立ち上げまでさせていただけたりしているのは、不思議な感じです。本当にありがたいことです。 「学習目標」を持つ人は、学習によって自分の知識を増やし、深め、技能や見識を高めることそのものを目標としているそうです。となると、学習すること自体が目標であり、また学習自体が愉しいので学習を愉しむことそのものが目標だということになります。 これに対して、「遂行目標」というのは、良い成績をあげて競争に勝つこと、社会的な評価や報酬を得ること、自尊心を満たすこと、といったことが目標になります。「遂行目標」を持つ人は、学習そのものを目標とするのではなく、学習に伴う成果や社会的な評価を目標としているわけです。かなり目的志向的な学習態度ですね。 そして、この目標の持ち方の違いは、自分の能力に対する信念で決まるといいます。つまり、自分の能力というものは努力次第でいくらでも伸びるという信念と、自分の能力というものは生まれつきのもので固定的で変わらないという信念です。中原先生がブログで解説してくれている「拡張的知能観」と「固定的知能観」というののことですね。 前者の信念を持つ場合、自分が伸びるためには絶えず学習することが必要だとわかっているので「学習目標」を持つようになるわけです。それに対して、後者の場合は学習しても能力はたいして変わらないのだから、学習そのものには意義を感じられません。学習の結果として得られる名声や報酬を求めるような「遂行目標」を持つようになるということです。自分が今、持っている能力が他者よりも勝っていることを示すために、自尊心を維持するためにも必死で頑張りはするのですが、自分の能力自体は伸びると思っていないわけです。これは辛いですね。となると、自分が勝ち続けているときはいいですが、そうでなくなると一瞬にして燃え尽きてしまいそうです。 片や「学習目標」を持つ人は、学習そのものが目標ですから、自分の知識を増やし習熟することを目指して、他人の目などは気にせずに自分で納得のいくまで学習を続けるわけです。自分の能力は学習すればするほど伸びると信じているわけですから。 なるほどなるほど「学習目標」って素敵ですね、とはなるのですが、今一つしっくりときません。 手上げ式の研修を募集すると、いつも真っ先に参加するのだけれども、仕事にはあまり研修の成果は活かせずに、どうも学ぶこと自体が自己目的化してしまっているよねといった人の存在がよく研修担当者の中では話題にのぼります。越境学習マニアにも、これにあたるケースがあるかもしれません。そういう人って、学習自体が目的になっているところがあるんでしょう。もちろん、何も学ぼうとしない人よりは可能性がありますし、ましだとは思います。でも、こういうタイプの学習自己目的化パターンの人が、「拡張的知能観」をもっているかといえば、実は必ずしもそうではないのだと思います。 自分の能力はまだまだ伸びる、いつまでたっても今は成長プロセスの真っただ中、と思って学び続けている人は、たぶん間違いなく能力を高めていくことができます。そして、能力が高まったら、それを使いたい、発揮したい、何かに役立てたいと思うのは当たり前のことです。先のパターンの人には、この当たり前のことがあまり生じていないわけです。学習行動をしているということと、「拡張的知能観」を持つ人であるということは、イコールでないのでしょう。 「遂行目標」を持つ人の学習態度はとても合目的的になるんだと思います。何せ学びのプロセスには興味がないのですから、それがもたらす結果です、結果。でも、こういう人に少しでも学び自体の面白さを伝えることができたら、簡単には燃え尽きないようになるんじゃないでしょうか。 学ぶという行為は、膨大な無駄を伴うものです。一直線に合目的的に知識を得たいというデジタル的な学びには限界があります。無駄が無駄を重ねて、学びとることができます。研究なんてまさにそうでしょう。英単語だって覚えるはしから忘れちゃいますしね。経験学習なんて考え方もよくよく考えるとまどろっこしいですよね。 もちろんデジタル的な一直線の学びが必要になるときもあるでしょう。これに慣れると何でもネットに頼るようになっちゃいますけどね。 何となく、「遂行目標」と「学習目標」の話、食における、栄養素をとるために食べるという動物的行為と、食べることそのものを愉しむという人間的行為の違いのような感じもしてきました。 私は、学びの欲求の根本は、役に立つからと、愉しいからの2つだと思っています。食べることの根本が、生命維持に必要な栄養素を採ることと、人生を愉しむことであることと、やっぱり似ています。 こういった思いを抱いて、仕事でも仕事外でも、2014年はさらに多くの学びの場を創っていきたいと思います。なんて三が日には思ってましたとならないように…。 ![]() |
一橋大学は2012年10月にAPLAC(アカデミック・プランニング・センター、略称エイプラック)を設立したそうです。エイプラックでは、自由に学修できるスペースを設け、イベントなどを随時開催し、専門の学修カウンセラーや院生チューターをおき、学修上の相談に応じ、必要な部署と連携して学修を支援する体制を整えているといいます。エイプラックは、とあるスペースの名称ではなく、学生の自律的な学修を促進・支援するための機能の総称です。
ただ、学修スペース1つとっても、これはいわゆるラーニング・コモンズ的なものかと思いますが、愛称があるわけでもなく、18時にはクローズするなど、いけていないところ満載ですし、やっていることの1つ1つにセンセーショナルな新味はありません。1年間で1000名の利用者があったというのも、多いのか少ないのか判断に迷います。でも、こうした取り組みが着実にこの日本に拡がりつつあることが大切です。こうした場に育まれた若手がどんどん社会に出てくることが大切です。 エイプラックに対する落合副学長のコメントです。 『教員(ティーチャー)主体の教授(ティーチング)から、学生(ラーナー)主体の学び(ラーニング)へ。これは、学生には自分の将来を自ら切り拓いていく力を受け身ではなく能動的に獲得してもらおう、という変化です。そして大学には、ラーナーが学びの主体になるのに必要な情報や環境をできるだけ提供していくことが求められるようになったのです』 『学生たちは多様で、「学生」という言葉で一括りにはできません。その1人ひとりに「一橋大学で勉強する力がついた、社会に出ても勉強し続けよう」という自信と意欲を持って卒業してもらうためには、より総合的な学修支援体制を整える必要があると感じたのです』 大学も変わろうとしています。大学生も年々変わってきています。まず、私たちに必要なのは、私たちの錆ついた価値観に彼ら彼女らを閉じ込めないことです。「私たちの頃」を前提に語らないことです。数年前の知識を前提に語らないことです。学ぶことが必要なのは、私たちも同じですし、私たちの方がより求められる立場だともいえます。 ティーチングからラーニングへ。つきなみではありますが、大切なうねりです。企業内人材育成もますます変わっていきます。ラーニングのペースにあるのは、自律性、能動性でしょう。押し付けられたラーニングというものは、矛盾した存在です。もちろん最初はそういったきっかけから入ることが必要なケースもあるでしょう。でも、ラーニングが自分にとって意味があり、自分にとって愉しみであることが実感できることにより、ラーニングの拡大再生産は起こってきます。学びの拡大再生産を生むような投げかけを少しでもできればいいなぁと思っています。 ![]() ※帰り道の元旦は雲がかかっていたので、年末に静岡に行く途中の冨士です。お決まりの富士川サービスエリアからのショット。 |
| ホーム |
|