関根さんの新著「オトナ相手の教え方」からです。
シンプルで大切なことが、たくさん書かれています。そんな中から1つ。
教える行為のゴールは、教え終わることではなく、教えられた相手が理解することです。
でも、これがなかなか難しい…。相手が果たして理解したのかどうかって、実はなかなかわからないものです。
新人指導などの現場では、うまずきながらメモもとりながら聴いているので理解したとばかり思っていたけど、実は何にも理解していなかった、ということもしばしば発生します。なので、相手にどれだけ伝わったのかを説明の直後にきちんと確認することはとても大切です。
確認する方法は基本的に3つでしょう。
①.言葉にしてもらう
例:今説明したことを、ポイントだけでよいので、復唱してもらえるかな?
例:君だったら、今の説明をもとに、このあとどうやるかな?
例:もう少し詳しく聞いてみたい点はあるかな?
②.文字にしてもらう
例:今説明したことを資料にまとめてもらえる?
例:今日教わったことをレポートにまとめて明日までに出して。
③.行動してもらう
例:今の説明を参考に、ちょっとやってみせてもらえる?
例:実際にやってみてもらってもいいかな?
これらとは逆に、一番ナンセンスな言葉は、「わかった?」と聴くことです。
これは、二択で確認するオープンクエッションですね。つまり、「わかった」か「わからない」のどちらかで回答するしかありません。教わった側としては、一生懸命に教えてくれた人に対してなかなか「いいえ、ぜんぜんわかりませんでした」と全否定はしにくいところがあります。実際、半分くらいしかわからなかったとしても、とりあえずは「はい」と応えてしまいます。ましてや、相手が上司や先輩だったりすると、なおのことです。
本当に確認するべきは、どのくらいわかったのか、何がわかって何がわからなかったのか、です。そのために前出の3つの手法を活用するのです。でも、私たちは説明を終えたのちに、ついつい無邪気に「わかった?」と聞いてしまいがちです。
そして、もう1つナンセンスな言葉が、説明をし終わったあとについついしてしまう「何か質問ない?」という問です。ほとんどが「特にありません」「大丈夫です」と戻ってきます。自分が何がわかっていて何がわからないかを言語化できない状態では質問をしろといわれても質問など作れないのです。
「言葉にしてもらう」「文字にしてもらう」「行動してもらう」、とても大事ですね。
関根さんの「オトナ相手の教え方」、とても良い本ですね。