ちょっと昨日の告知に補足したいと思います。
「キャリアデザインライブ/ウインタースペシャル~働く人の選択肢がもっと多様になる時代へ」という企画の告知でしたが、この企画段階で登壇をいただく株式会社Waris代表取締役/Co-Founderの米倉史夏さんとあれこれとフリーディスカッションをしました。 Warisは4年前に創業して以来、ハイスキルを持つワーキング・ママの労働力を企業に提供することによって業績を伸ばしてきました。主に業務委託の形態で、何らかの専門性を持つワーキング・ママたちに、フルタイムではない仕事をマッチングさせてきたわけです。でも、多様な働き方の選択肢が必要なのは実はもはやワーキング・ママには限らなくなってきました。 Warisが対象としているのは、いわゆる文系総合職といわれる層です。もともとはフルタイムで1つの企業の中で、そして人事ローテーションに従って働いていたような人たちが対象です。そんな人たちが、いざ自分の経験とスキルを売ろうというとき、何が起こるでしょうか。 Warisでは、登録した候補者に丹念にヒヤリングをするそうです。果たしてその人が市場で売れるスキルは何なのかを深堀します。経験した職種名だけからでは実はスキルは読み取れません。例えば、人事をやっていましたというのはスキルではありません。育成体系の構築ができる、ダイレクトソーシングができる、そんな分解されたスキルを確認することが必要になってくるわけです。 時に、本人が認識していないスキルもあります。「業者交渉くらいしかやっていない」と自分を卑下して語る人……、でも、その交渉の中にに貴重なスキルが存在していたりするわけです。逆に、どれだけ丹念にヒヤリングをしても、売れるスキルが見つからない人もいるそうです。日本企業独特のこの「総合職」という立場はスキルを身につけにくい立場なのかもしれません。 総合職・フルタイムという働き方がマイノリティになる世界がもしも来たら、自分は生き抜いていけるでしょうか。企業は何も人を抱えなくても、スキルをスポット買いして業務を回すことが可能になってくるかもしれません。もしも、そうなると総合職・フルタイムという働き方は、ほんの一握りのマネージャー候補以外は存在意義がなくなるかもしれません。 ワーキング・ママという制約のあるハイスキルの人たちから、少しずつできてきたこのマーケット。もしかしたら、ここに働き方の1つの未来があるかもしれません。 こんなお話に興味のある方、ぜひ、12月10日に自由が丘の産業能率大学で会いましょう。キャリアデザイン学会は、おそらく一番、実務家が普通に活動できる学会です。働く人のキャリアをアカデミアだけで論じても意味はありません。ぜひ、多くの実務家の方に参加いただき、ゆるく楽しい雰囲気の中でいろいろなお話あいができればと思います。終了後は懇親会もありますので、あわせてどうぞ。お申し込みはこちらの学会ホームページからお願いします。 ※なんとなく冨士山ですね。 |
「キャリアデザインライブ」は、キャリデザイン学会が年に10回近く開催している研究会で、その名のとおり「ライブ」感あふれる雰囲気の中、毎回お招きしたゲストの話をキーにして、アカデミアと実務家が毎回ダイアローグを重ねる場です。 今年の最後の「キャリアデザインライブ」は、「ウインタースペシャル」と名打って、自由が丘の産業能率大学で土曜日の午後に開催します。そして、終了後は希望者による懇親会。時節柄、忘年会でもありますね。 今回のテーマは「働く人の選択肢がもっと多様になる時代へ」。私も企画者なのですが、メインスピーカーに株式会社Waris代表取締役/Co-Founderの米倉史夏さんをお迎えします。米倉さんとは創業当初にお会いしましたが、株式会社Warisは、制約のある中で働くママの支援という切り口でどうしても見てしまいがちですが、実はすべての働く人の選択肢が増えることを願って、このビズネスを展開されています。 案内は下記のとおりです。ぜひ、大勢のご来場をお待ちしています。また、終了後は一緒に呑みましょう。この分野の著名な先生方も多く参加されますので、なかなか貴重な機会かとも思います。 申し込みはこちらまで。 ****************************************************** 第69回 研究会 日 時 2016年12月10日(土) 15:30~17:30 テーマ 2016年 キャリアデザインライブ! 冬のスペシャル 「働く人の選択肢がもっと多様になる時代へ」 趣旨 働く人の選択肢がもっと多様になるように…、これがプロ人材と企業のジョブマッチング事業を行っている株式会社Waris(https://waris.co.jp/)創業の思い。Warisは3年前の創業以来、ハイスキルを持つワーキング・ママの労働力を企業に提供することによって業績を伸ばしてきました。フルタイムではない専門性を伴う仕事を企業のニーズとマッチングさせてきました。でも、多様な働き方の選択肢が求められているのは、実はワーキング・ママには限りません。 もともとはフルタイムで1つの企業の中で、そして企業内人事ローテーションに従って働いていたような人たち。そんな人たちが、いざプロフェッショナルとして、自分の経験とスキルを売ろうというとき、何が起こるか。限られた時間の中であなたを活かせる仕事は何か?それは「あなたしか発揮できないスキルや経験が何か?」を明確にすることに他なりません。 Warisのような存在やクラウドソーシングがさらに発展すれば、企業は何も人を抱えなくても、スキルをスポット買いして業務を回すことが可能になるかもしれない。総合職&フルタイムという働き方がマイノリティになる世界がもしも来たら、あなたはどのようなスキルや経験をもってプロフェッショナルとして活躍できるだろうか。 当日は、Warisの共同創設者の米倉史夏氏を迎え、目指していること、創業から現在に至る経緯と思いなどをプロ人材として活躍する個人の事例を交えながら語っていただきます。 一方、「多様な働き方」、ダイバーシティマネジメントという言葉が盛んに取り上げられている中、日本企業の中でなかなか根付いていかない現状の原因は、そこで働く個々人のスキルが明確でないこと、その人ならではのスキルではなく「そこにいる人」に頼ったマネジメントによって職場が形成されているからではないかという見方があります。人的資源管理、女性労働研究を専門とする松原光代学習院大学特別客員教授からは「新しい働き方」を模索する企業の先行事例などを紹介していただきます。 お2人の話をペースに、来場者の皆さんと一緒に単に女性の働き方というテーマを超えて、これからの働き方の可能性について考えていきましょう。 ゲスト 米倉史夏氏 (株式会社Waris代表取締役/Co-Founder) 略歴:米国CCE,Inc.認定GCDF-Japan キャリアカウンセラー。1975年生まれ。1999年に慶応義塾大学総合政策学部を卒業後、日本輸出入銀行(現 国際協力銀行)入行。企業の海外直接投資に関する調査に従事。その後、株式会社ボストンコンサルティンググループにリサーチャーとして入社。ヘルスケア業界を担当し、医療、製薬業界の調査・分析業務に携わる。2007年に株式会社リクルートへ転職。医療領域の新規事業立ち上げ、ブライダル事業の事業企画業務に従事。2011年に取得した、米国CCE,Inc.認定GCDF-Japan キャリアカウンセラーの資格を生かして女性のキャリア支援に携わりたいと考え、2012年にリクルートを退職。2013年に株式会社Warisを設立。 松原光代氏 (学習院大学特別客員教授) 東京ガス株式会社を経て、2010年学習院大学経済学研究科博士後期課程修了。博士(経済学)。2010年7月~2012年3月まで東京大学社会科学研究所特任研究員を務め、株式会社東レ経営研究所ダイバーシティ&ワークライフバランス推進部主任研究員、中央大学特任研究員を経て、2015年4月より現職。専門は人的資源管理、女性労働。主な論文として「短時間正社員制度の長期利用がキャリアに及ぼす影響」(『日本労働研究雑誌』2012年10月号)。 著書として「人を活かす企業が伸びる」(共著、勁草書房)、 『ワーク・ライフ・バランスと働き方改革』(編著、勁草書房)、『国際比較の視点から 日本のワーク・ライフ・バランスを考える』(編著、ミネルヴァ書房)。 【進行】 玄田有史(げんだ・ゆうじ) 参加費 会員/無料、一般/2,000円(大学院生、学部生1,000円)事前申込み制 会 場 産業能率大学(自由が丘キャンパス) 2号館2階2201教室 *東急東横線・大井町線、自由が丘駅正面口より徒歩12分 自由が丘駅正面口より東急コーチ(バス)が利用できます。 3番目の停留所、「等々力七丁目」で下車してください。(乗車時間約5分) ※今年の研究大会は、こちら愛知教育大学での開催でした。終了後の懇親会は同大学の学生食堂で立食形式で開催されましたが、学生生協が在庫するすべてのアルコールを吞み切りました。そんな一面もある素敵な学会です。ぜひ、ご一緒しましょう。 |
耳障りのよいカタカナ言葉、外来語は疑った方がよいことが少なくありません。
私はかねてから、職場の3大思考停止ワード(もしくは、HR界の3大思考停止ワード)というものを主張していますが、それは「マネジメント」「リーダーシップ」「モチベーション」の3つです。これらは頻繁に用いられます。例えば、「それはマネジメントの問題だね」「この組織にはリーダーシップが足りない」「そもそもモチベーションに問題があるね」などといって放置!というのがよく見られます。これらの耳障りのよい言葉を使うと、もうそれ以上掘り下げなくてもなんとなく許されるような雰囲気があります。でも、何一つ、解決には近づいていないんですよね。 そして、もう1つ怪しい言葉があります。「コミュニケーション」です。 これも頻繁に職場で使われますね。 「コミュニケーション」の語源をご存知でしょうか。 「コミュニケーション」の語源は、ラテン語の「コムニカチオ」だといいます。元の意味は「分かち合うこと、共有すること」なのだそうです。ですので、良いコミュニケーションとは、「円滑な分ち合い」なのです。しかし、一部の人は一方通行の「伝達すること」がコミュニケーションだととらえていたりします。これは大きなすれ違いです。カタカナ言葉の怖いところの1つは、個々人によって厳密な定義が違うままで会話されているところです。「コミュニケーションの悪い職場」という一言でも、上司と部下はまったく異なる問題意識を抱えているかもしれません。 小倉広さんの「アドラーに学ぶ職場コミュニケーションの心理学」を読んで、思い出したお話です。 ※酒場探訪シリーズ033 「山ちゃん」@蘇我。どこの駅にも素敵なコの字カウンター酒場ってあるんだと感動した乗換駅の蘇我。写真のメニューは東部の酒場では見かけるメニューの「重ネ」ですが、ここの「重ネ」はなかなかすごいです。 |
人事の人が自分で人を探すなんてことはありえない、 ビズリーチ創業の際にさんざん言われた言葉だそうです。 ビズリーチは求職者の情報を集め、その会員情報をヘッドハンターや企業にデータベースとして提供している企業で、日本における採用というビジネスに新たなビジネスモデルを打ち立てたといえます。確かに創業からしばらくは、やはり企業人事の人というよりは、独立系のヘッドハンターらに多く使用されていたようですが、ここにきて、もう私たち企業人事で採用をする人の普通のインフラになってきていますし、大手もこれに追随するようなサービスを提供し始めています。 企業が直接、求職者アプローチするダイレクトリクルーティングは、すっかり通常のことになりつつあります。ちょっと前までは、外資系とwebベンチャーだけが使っているような雰囲気もありましたが、今では経団連に加盟しているような伝統企業もこれを手掛けています。先日、ビズリーチの「ダイレクトリクルーティング・アワード」の発表会に参加してきましたが、100社近い企業が参加し、優秀賞として表彰された企業の中には、三菱重工や三井化学なんて名前もありました。ちょっと、びっくりです。 これは明らかに既存の人材ビジネス、特に人材紹介業のビジネスモデルが劣化してきている表れでもあります。もう、人材紹介会社に任せていては、イライラするだけで、求める成果はあがりません。ひたすら人数を紹介してくるだけの企業、ろくに紹介もしてこない企業、どう考えたらこんな人を紹介するのかなというくらいマッチングできていない人選をする企業、候補者の心情をまったくつかんでいない企業、単なる伝言役もまともに果たせない企業、こんな紹介会社に日々接していると、もう自分でやった方がなんぼも楽だろうと思うのは不思議ではありません。仮に800万円の年収の人を採用した場合、30%の紹介料を払えば、支出は240万円です。これに対して、ビズリーチの定価は年収にかかわらず70万円です。1人2人しか採用しない企業であれば別ですが、100名採用する企業であれば大変な差になりますね。 とはいっても、簡単に採用ができるわけではありません。「ダイレクトリクルーティング・アワード」でお会いした企業の皆さんとあれこれお話をしましたが、半分くらいの企業はほとんどうまくいっていないなぁという感じでした。まあ、そんなもんでしょう。また、だからこそ面白いともいえます。 ビズリーチ以外にも、企業が能動的に動くことを可能になるサービスがいろいろと生まれています。1人1人の採用担当者が、意思と思いとマーケティング能力をもって、狩猟民族となって人を取りに行くことが求められます。また、そのためには従来よりもさらに現場を巻き込む必要が出てきます。これって、すごくまっとうなことだと思います。人材紹介会社に採用をゆだねていたここ20年ほどは、採用担当者の退化を促す20年間だったともいえます。ようやく採用担当者がまっとうに働かないと、徹底的にアイデアを出し続けないと、採用という仕事が成り立たない時代になってきたのでしょう。それだけ、市場は厳しいです。 11月21日にビズリーチ社の「ダイレクトリクルーティング・アワード」に参加させていただいた際に感じたことを書き残しました。 ※酒場探訪シリーズ32 「文字平」@麹町。安心しておすすめできる関西焼の「文字平」。店主の中野さんがとても素敵です。お好み焼きに負けずに鶏料理がうまい。理由は店主にお聞きください。 |
先がみえないと、不安になることってありますよね。
でも、同じく先が見えない状態であっても、期待を持って対峙することもできますよね。 不安も、期待も、先がみえないときに抱くものですよね。 この差って何から生まれるのでしょうか。 例えば、壁にぶつかってしまった新卒新入社員。 この先どうなってしまうのだろうと、不安で気持ちが一杯になり、心が折れそうになる、 日本中の会社で何人かは、今、このときにも陥っている状況ではないかと思います。 でも、不安がというのは、この先に対して何らかの期待がある証なのです。 期待があって、なかなかそれが近づかないから不安も生まれます。 不安というのは「将来に対して、自分自身の期待や計画、ありたい姿などとの比較」であり、「現状に対して他者との相対的な比較」である不満とは大きな違いがあります。 本当に不安に陥ったとき、不安を消すことはできません。これをいったん脇に置くことが大切です。そうそう簡単に不安を期待に変えることなんかできません。不安を感じながら、不安と向き合い、そして不安をちょっと脇に置く。不安を期待に変えようとするのではなく、視点を不安ではなく視点に向けるようにする……。 例えば、この会社に入って何をやりたかったのか、 自分は将来、どうなりたいのか、そんなことも期待でしょう。 期待は不安を切り崩す原動力になります。 ちょっとした視点の転換でこれを実現させることができるかもしれません。 そんな寄り添い方をできると素敵です。そして、こういった取り組みは、人事担当者にこれからますます求められるようになることは間違いありまれん。 |
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