「越境学習」という言葉を初めて聞いたのは、当時は産業能率大学におられた法政大学の長岡先生からです。もう8年くらい前になると思います。「越境」というメタファーがとても好きです。ただ、いろいろと取り上げられながらも、メジャーになりきらないHR用語の1つかなという感じがしています。であっても、この概念、これからますます大切になると思います。越境学習先で出会った他社のHR仲間が早稲田のビジネススクールでの修士論文のテーマに「越境学習」を取り上げられると聞き、WEBアンケートに回答しました。
是非、皆さまもよろしければご回答をお願いします。 こちらから、リンクします。 それほど時間はかかりません。越境学習に参加する人とそれを送り出す側の組織について深めようとされているようです。これは大事なテーマです。 「越境学習」は私も随分と意識してきたテーマです。このブログの語句サーチで検索したら、約60回、ひっかかってきました。かなりな頻度です。特に2011年から2012年あたりがピークのようです。そんな中からいくつか、過去の関係するブログにリンクを貼ってみました。懐かしい話もいろいろあります。今回のアンケートの件でリフレクションの機会をいただけたことに感謝します。 個人的には、越境学習とは「企業人がよりよく生きること」と同義語のように思っています。 2012年09月27日 「経験学習」~キャリアインテグレート研究会にて 2012年09月28日 「経験学習」②~キャリアインテグレート研究会にて 2016年06月01日 人事パーソンが外に出て学ぶ意義 ~HR-Mall-Place 004 2012年12月23日 「学び続ける力」の4要素 ~40歳定年制を考えるにあたって 2012年05月12日 「越境学習」、すっきりしたら負け 2014年02月22日 学びマトリクス ~キャリアマネジメント委員会より 2012年05月13日 「人事の奴らって、結構、面白そうじゃん」って言わせよう 2012年05月06日 経営学習研究所(MALL)立ち上げに寄せて 2012月11年04日 「明日備(あそび)」としあわせ会 2011年05月11日 越境学習と、自らの枠組みの認識 2010年12月03日 「越境学習」にどうして出掛けるんだろう 2011年07月11日 越境の原点のお話し、かな 2014年01月03日 「学習目標」「遂行目標」、「拡張的知能観」「固定的知能観」 ~人はどうして学ぶんだろう 2010年10月30日 大人の学びと、よい学び手(Good learner) 2011年07月09日 「越境学習」について考えたりみたりしちゃったりして… 2011年04月07日 越境学習とサードプレイス 2011月02月11日 人事の書棚から117「知がめぐり、人がつながる場のデザイン」 2016年01月04日 「教える」ではなく「学ぶ」の観点から企業内人材育成を考える 2011年12月30日 越境学習について年末のどさくさに考える 2014年10月08日 サードプレイスも疲れる!…… 「4thプレイス」の薦め 2012年03月28日 越境学習の川の両岸 2015年01月04日 4年間の浪人時代 ~なぜか突然振り返り~ ※この夏、志賀高原まで越境してきました。 スポンサーサイト
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キャリアカウンセリング協会のスーパーバイザー養成・認定プログラムは、今年で8期目になります。私は、第1期に受講し、何とか認定もいただいた一期生です。ご縁があり、時折、コースにお呼びいただいてロープレをさせていただいています。
スーパーバイザーとは、ちょっと乱暴にいえばカウンセラーの指導者的な立場になります。カウンセラーがスーパーバイザーのもとを訪れ、スーパービジョンを受けます。この実践的なトレーニングのためにロープレを行います。普段の授業では仲間同士でロープレをしますが、何回から私のような人が訪れて受講者とロープレをすることになります。 ロープレ、結構長いです。まず、30分のゼロ回面談をやります。ゼロ回面談とは、呑み会のゼロ次会のようなもので(違う?)、本当のスーパービジョンとなる第1回の前にやるセッションになります。ここでは、スーパービジョンの内容をよく理解し、これから行うスーパービジョンについての目標をお互いに握ることが目的となります。これ、意外と難しいです。クラスの皆が見ている真ん中で、あたかもリング上にあがっているような状態でやるので、なおさら緊張もします。 30分間のゼロ回面談を終えると、スーパーバイジー(カウンセラー)役である私は、いったん教室を出て控室に行きます。皆で今の場を振り返り、第1回面談に向けての対策を練ります。それが終わるころに私は教室に戻り、第1回面談を行います。第1回面談は2時間なのですが、時間の都合でその冒頭の30分のみをその場ではやります。それが終わった後は、私も入って振り返りを行います。これを3セッションやります。もう一人、カウンセラー役が来ているのですが、それでも1日に6人しか実際のロープレはできません。終わるとかなり疲れます。 ケースは2つ持ってきます。カウンセラーとして相談をしたものをケース記録に残したかたちで持参します。それをベースに何がカウンセラーとしての課題であるのかを考えます。そうしないと目標が握れませんから。 3回のセッション、それぞれ私の側にも学びがありました。そのあたりはまたいずれ整理したいと思います。持ち込んだケースは、実際のものではないのですが、それでもスーパービジョンの中で自分の感情が揺れ動きます。演技したりということや、予定調和的に何をいったら何を伝えてあげようなどというお膳立ては何一つないのですが、その場のスーパーバイザーの言葉により、自分の気持ちは変わり、まったく同じ題材でやっても展開はまったく変わったりします。 言葉を用いるセッションは日々さまざまなところで繰り広げられていますが、それは他者に様々な影響を与えているのです。自分が何の気なしにいった言葉が、想定外の作用をすることもあります。何かを投げかけるということは、自分が相手に何かをしているということです。そして、相手は私から何かをされているということです。当たり前のことですが、これはきちんと意識しなければなりません。今、自分は相手に何をしようとしているのか。よく自分のことも鳥瞰しなければいけません。これは、スーパービジョンのセッションだけの話ではなく、日常でもまったく同じなんだと思います。 何、いっているか伝わっているでしょうか。言葉足らずですみません。 昨日は会社の研修でした。今日はここで書いたようなことをして一日を過ごしたのですが、やっていることは昨日とあんまり変わらないようなものです。週末の趣味の時間なのですが、やっていることのタイプが仕事と同じなので、どうも完全な心身のリフレッシュにはなりにくいのが、最近の悩みです。ほんと、週末も全部、趣味で仕事をしているみたい。 ※わかる人にしかわからないのですが、スーパーバイザー養成講座といえば、私たちにとっては三幸苑の焼餃子なんです。 |
情報伝達って難しいですね。 よく、「伝えた」と「伝わった」は違うという話をしますね。 相手に伝わってはじめて伝えたことになるのに、 通り一遍で「伝えた」つもりになってしまうことを戒める言葉です。 もう1つ、難しいことがあります。 情報強者は情報弱者の気持ちがわからないということ。 メンバーのとき、上司がちゃんと情報をおろしてくれないと いつも不満をいっていた人がいるとします。私もそうでした。 でも、この人が課長になったとき、 その課のメンバーに適切にメンバーが求める情報伝達ができるかというと、 必ずしもそうはならないケースがあります。 実は、いったん情報を得られるのが当たり前の立場になると、 情報を得られていない人の気持ちがわからなくなってしまうのです。 何の情報が必要なのか、情報が得られないとどんなことが困るのか、 そういったことが実感できなくなってしまい、 結果、気づかないうちに情報をメンバーにおろすことを おろそかにしてしまう、そんなことです。 なので、メンバーとしては上司が情報をおろさないのは別に意図的なのではなく、 おろす力を持っていないのだというくらい割り切って考える必要があります。 そして、自分から情報を取りに行く必要があります。 情報は黙っていてもらえるものだという幻想は捨て、 下からとりに行く、奪いにいく、これができると情報はうまくまわります。 とはいえ、そんな行動ができる人ばかりではないので、 やはり、上司はできる限り情報伝達の目配りをしなければいけません。 ただ、組織に1人でも情報を取りに来るタイプの人がいてくれると、楽ですね。 ※晩夏の思ひ出 |
キャリアデザイン学会に参加してきました。
一応、今年は理事です。分科会の1つの司会役と、総会の議長が今回の担当。 担当した分科会では、お1人はナラティブキャリアカウンセリングに関しての研究、そしてもうお1人は、電話・メール相談を受ける側に関する研究、いずれもなかなか興味深く、司会役なのにあれこれ質問もしてしまいました。 全体に何となく漂ったテーマは「リファー」。これは難しいです。自分の手に負えないものを抱えずに専門家にリファーすることは大切です。でも、安易なリファーも世の中には横行しています。適切とは思えないリファー先の紹介のケースも少なくないでしょう。 企業人事も、全社で発生する労務問題、トラブルなどが、日常的にリファーされてくる機能組織です。現場では解決できない、労務上の問題、マネジメント問題に関する相談が日々持ち込まれます。 リファーされるということは、それだけ人事が身近であり、信頼されており、そして専門性をもった集団だと認められているということだと思いますので、とても光栄なことです。でも、安易なリファーはいけません。きちんと職場で解決すべき問題、上司と部下が対話して解決すべき問題も少なくありません。それらは上手に現場に戻すことが大切です。 あと、人事担当者が抱えすぎるのもいけません。というか危険です。こっちがやられます。当事者に寄り添うのは大切ですが、少し鳥瞰的な目線で事案をみることがとても重要です。また、抱えすぎないために、人事部も適切なリファー先を持つ必要があります。人事部の場合は単にリファーするのではなく、より高次の専門家のアドバイスを受けて自らが対応するケースも少なくありませんから、単にリファー先というよりも、リソースとでもいう存在も必要になります。これらをきちんと整備しておかなければ、安心して日常の戦場で戦えません。 人事マネージャーに求められることは、自分の部下が安心して戦えるように、自らがすぐれたスーパーバイザーになる努力をし続けること(これは容易ではありませんね、無理のし過ぎも禁物です)と、必要に応じて使えるリファー先とリソースを豊富に確保個しておくことです。もちろんメンバー一人ひとりにもこれは求められますが、組織の長は自らの職責としてこれをやらねばなりません。ありていの言葉でいえば、外部ネットワークといってもいいでしょう。 キャリアデザイン学会のようなところに出入りし、積極的にその活動に関与することも、多くのリファー先、リソースを得るために役立ちます。リファー先、リソースは札束を使わない限り、一朝一夕ではなかなかできません。つながりと相互理解、相互信頼が大切です。 さあ、外にでましょう。 |
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