図書紹介:『企業内人材育成入門』中原淳編著(ダイヤモンド社)
能力開発担当者になって早いうちにこんな本が読めていたらなぁと実感しました。

とにかく素晴らしい本です。約13年程度、人事・採用・能力開発担当者をつとめましたが、その間にはあれやこれやといろいろな勉強をしました。その初期にこんな本に出会っていたら、だいぶ時間を節約できたし、早く道筋を見極められたのかなぁと思います。まぁ、回り道をするのもいいことですけど。

どうも人事とか人材育成とかいう仕事の難しいところは、いまだに素人でもできると思っている経営者が少なくないところでしょう。確かに、人のこと、育成のこと、これらは誰でも一家言持っているものですから、それなりのビジネス経験のある人であれば、迫力のある持論はぶてるテーマです。また、比較的多くの人が嫌いではないテーマですので、ついつい口を出したがります。まったくの未経験者が人事に転属されて、数年でまた別の仕事に移るということが行われている企業はまだ多くあります。でも、それらの人がたまたま語る自己流の「人事論」「教育論」はあくまでも、その人の経験に基づいた持論でしかなく、企業全体の人事システム・教育システムを考える役割の人事担当者としては、逆に経験からくる持論は弊害をもたらしかねないものです。
本書で取り扱っている「人材育成」という分野は、特に人事領域の中でも基礎理論の習得が必要な分野だと感じています。まさに、そのような考え方に基づいて本書は構築されていますが、心理学・教育学・経営学等の極めて広範囲にわたって、人材育成に携わる人にとって必要な理論が、わかりやすく整然と解説されています。構成としても、単元毎に研修担当者の苦悩をドラマっぽく紹介し、それを理論に基づいてわかりやすく解説しています。経験をベースに、単なる持論をベースに人材育成の仕事をするのは、無免許運転で公道を爆走するのに匹敵する行為です。本当の持論とは、深い学習の末にたどり着くものだと思います。そんな意味では、この分野で仕事をするすべての人に紹介したい本です。そして、この本から興味を得た分野、今の自分により深い知識が必要と感じられた分野について、さらに深く学習していくことが、いいんでしょうね。

2006年に発刊された本ですが、私はうっかり見過ごしていました。昨秋にキャリアデザイン学会での発表をした際に、私の次の順番でこの本の共著者の方の発表があり、その後、一緒に勉強などもさせていただいているのですが、その縁で本書のことも知りました。いろいろなところに顔を出していると、いいことはあるものです。
企業内人材育成入門企業内人材育成入門
(2006/10/20)
中原 淳、荒木 淳子 他

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東京も雪でしたね。午前中に皇居あたりを車で走りましたが、雪景色となり226事件か何かのドラマの場面みたいに感じられました。夜は就職活動に差し掛かった大学生4名と、社会人チームで会いましたが、皆、素敵な学生ばかりで、日本の将来も明るいと何となく嬉しい気持ちになりました。


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【2008/01/23 23:35】 | 書籍紹介 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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