大人の学びと、よい学び手(Good learner)
昨日、法政大学であったシンポジウム「新卒採用の現状をどう考えるか 大学と企業との対話」の終了後、出口で某社の人事の方とバッタリ会いました。この方とは7月に開催された「日本の人事部」主催の「HRcafe」で初めて出会ったのですが(その時のメンバーでの飲み会も続いています)、その後に開催されている「日本の人事部」の企画、すべてに出られているとか。2日のイベントには7月に会った仲間と連れ立って行くそうです。

そして「こういうの好きなんでしょ」と聞いたら、「好きなんです、楽しいんです」というお返事が。

ラーニングイノベーション論Ⅱ期が終了し、Ⅱ期生の皆さんのツイッターや三日月姫さんのブログ「日々是酒酒落落」を読んだり、中原先生ご自身と「Learning Bar」に関するディスカッションをさせていただく場をいただいたりして、「大人の学び」について改めて考えていたのですが、「好きなんです、楽しいんです」というのは1つの本質だなぁと感じました。

で、そうこうしているうちに、中原先生ご自身が早くも「ラーニングイノベーション論」終了についてブログに書かれています。ちょっと長くなりますが、一部を勝手に引用します。

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今年もっとも印象的だったのは、受講生の皆さんの中で有志の方々が、「裏カリキュラム」というものをお作りになったことです。

本編のコースでは触れられなかった内容、深めきれなかった内容、自分たちが学びたい内容をモジュールとして入れ込み、自ら講師を依頼し、他の受講生をつのって、自分たちの力で、コースをデザインなさっていたことです。シラバスも「表カリキュラム」そっくりのものを作り込んで、大変、興味深い内容でした。

上記、すなわち「自分の力で、自分自分と他者が学べるような場をデザイン」しはじめた、ということになりますね。
「誰かのデザインした環境」に参加するだけでは飽きたらず、自分自身がよりよく学べ、かつ、他者も学ぶことのできる機会や環境を、自分たちの力でデザインしはじめるということですね。

僕は、とても素晴らしいことだな、と思いました。また、「成人の学習」とはそういうものなのかな、と考えさせられました。 例えば、成人学習研究者のマルカム・ノールズが、「大人の学びは自律的だ」と言う場合、その本当の意味は、こういうことなのかな、と。
 
つまり、「自律的」といっても、「誰かのつくった学習機会に自律的に参加すること」ではなく、「自律的に学習機会を生み出す」ということなのかな、と。
 そう考えるのであれば、成人学習の可能性は、「大人に学習機会を与えることではなく、よい学び手(Good learner)を育成すること」なのかな、とも思うのです。

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そして、「よい学び手(Good learner)」は新たな学びを伝播し、新たな「よい学び手(Good learner)」を創るのだと思います。また、「よい学び手(Good learner)」同士はお互い共感し合いますから、自然に広範なネットワークがそこに出現します。

そして、これは越境学習にだけ言えることではなく、社内の人材育成についても同じことがいえるのではないでしょうか。人材育成担当者の大切なミッションの1つに、社内に「よい学び手(Good learner)」を自然と創る仕掛けをすることというのを是非、掲げたいですね。

「Learning Bar」に参加した人も、ただこれを体験として心に刻むだけでなく、外で自分の「Learning Bar」を持ちたくなるはずです。あんなに洗練されたものにするのは無理ですが、「よい学び手(Good learner)」というのは受動的に学ぶだけでは飽き足らず、学びの場を創ることをきっと求めたくなるはずです。

そして、今回、改めて思ったのは、「大人の学び」にとっての必須アミノ酸は「楽しい」なのだ、ということです。ラーニングイノベーション論Ⅱ期生の「裏カリキュラム」の取り組みでは、「表カリキュラム」そっくりのシラバスを創ったようですね。それ以外にも、とにかくどん欲に学びを楽しむ、学びを遊ぶという精神にあふれています。高校生が嬉々として文化祭の準備にいそしんでいるような感じでしょうか。極論すれば「大人の学びに苦学生は似合わない」ということにもなります。

「Learning Bar」は多くの「よい学び手(Good learner)」を育ててきているはずだと思います。ただ、時とともに著名イベントになり、大規模イベントになり、当初の怪しさよりも洗練さが魅力になってきたところもあります。これだけの規模になると運営側の負担も大変だと思います。

自分でもそうですが、小さいものであっても「学びの場」を主催・運営するというのはなかなか大変なものです。それでもやる原動力は何と言っても「自分こそ楽しめている」からです。その意味では、「Learning Bar」は中原先生ご自身が心底楽しめているうちは続くと思いますが、いろいろと悩みが入るようになったら微妙かもなぁと思います。また、そこは無理して欲しくはないなぁとも思います。無理をすると疲れます。疲れているのは、もったいないです。

既に「Learning Bar」は多くの「よい学び手(Good learner)」を育ててきているはずだという意味では、役割は果たしてきています。さらには、世の中に多くの「Learning Bar」的なものを生み、「Learning Bar」的なものがさらに多くの「よい学び手(Good learner)」を育ててくれるでしょう。

ちなみにラーニングイノベーション論については、第Ⅲ期継続宣言をされたと聞きました。第Ⅱ期生と事務局の熱い取り組みによって、まだまだここでは楽しめるぞと中原先生に感じさせたのでしょうか。これは本当に素敵なことです。

私もささやかながら、自らが「よい学び手(Good learner)」でありたいですし、「よい学び手(Good learner)」をこの日本という国に増やしていきたいと思います。この場合のよい学び手の定義は『自らが学び、そして新たな「よい学び手(Good learner)」を生む場、「よい学び手(Good learner)」同士がともに学ぶ場をつくる人』でしょうか。

本来はすべての人が「よい学び手(Good learner)」になりうる素養を持っているにも関わらず、不幸にも学校生活で「学びは楽しくないもの」という学習をしてしまった大人がたくさんいるように思います。そして下手をすると企業内研修がそらにそのネガティブな学習を強化してしまっている面もあるかもしれません。ここの認識を変えていくことにより、世の中が変わるという気がします。会社が変わるという気もします。

※「よい学び手(Good learner)」の「学び手」という言葉は、どうしても受身の印象をまだ人に与えます。何かさらにいい言葉はないものでしょうか。


《2010年10月30日》 寒い台風の近付く土曜日。やることがたくさんあるのですが、病院いってあれこれしてたらすぐに午前中も終わり、午後になっても…、このあと頑張ります。


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