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人づくりの二面性
以前に在籍していた企業がユーザー向けに発刊してる月刊誌に「今こそ人づくり」というタイトルで連載をさせていただいてきたのですが、20回という節目で連載を終了させていただくこととなりました。
それにしても、わがままをいって退職させていただいた自分にこのような機会をくださった前職企業の度量の深さには改めて感謝したいと思います。創業1900年のまだまだ古い体質を持った企業です。ネットワークの時代にOBも資源として有効活用するということは、ある意味、当然のことと考えている企業も多いのも事実ですが。

で、「人づくり」の話ですが、あれこれと20回に渡って書き続けましたが、これには二面性があります。

「人づくり」、つまり人材育成というのは、誰にでもできることですし、誰もがやらなければならないことです。人材育成の成果がパフォーマンスの向上であると考えれば、能力開発・スキルアップだけが人材育成担当者の仕事ではなく、良質の経験を積ませる機会をどう創るか、いかにしてモチベーションを維持・向上させるか、などといったことも当然に人材育成担当者の仕事なのです。また、それらは当然ですが、人材育成担当者だけの仕事ではなく、職場のリーダー・先輩・同僚・後輩、誰もができる仕事ですし、誰もがしなければ職場のパワーはあがりません。

しかし、誰でもができるコトとはいえ、これにはやはり理論であるとか、定石であるとか、そういったものが明らかにあります。皆がやるべきもの、誰でもできるもの、としてしまうと自己流ばかりが横行し、効率がそがれるだけではなく、時には逆効果になったり、人を傷つけたりします。このあたりを啓蒙・コントロールすることも人材育成担当者の大きな役割なのだと思っています。

実はこのことは人事の業務すべてにいえます。

人事の仕事については、いっぱしのマネージャーであれば、誰でも経験からそれなりの語りはできるはずです。ですから、人事担当者が経験から仕事をやっている限りでは、他部署のマネージャーとレベルはまったく変わりません。そのために、私たちは理論・定石を学ぶ必要があります。ちまたの人事関連雑誌は、他社事例で溢れています。他社事例はもちろん非常に参考になりますが、その事例の背景にある理論まで含めて私たちは理解する必要があります。単に事例の切り貼りではいけません。

私は人事職の採用選考の場では、「人事関係で好きな理論家は誰ですか」という質問をたいていはしますが、まともな回答とディスカッションができる人はあまりいません。経験と他社事例だけでできる仕事である限りは、人事の仕事のレベルアップは望めません。

《2010年12月1日》 今月の新入社員の導入研修から始まった日、最後は少人数での飲み会でした。明らかに個性が違うのに引き合うお二人と、同じ思いの同志として、たぶんいつか一緒に何かをやっているのではないかと予感される夜でした。私の思いは単純で、日本を良くする、です。


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