就職活動に親が関与するという話が最近、ちらほらとマスコミにも出てきています。12月20日の朝日新聞朝刊31面では「娘に代わりセミナーへ」「提出書類も書きました」「親向けの説明会も登場」という見出しで6段抜きの記事が出ていました。
実はこの記事で初めて知ったのですが、「モンスター・ペアレンツ」ならぬ「ヘリコプター・ペアレンツ」という言葉があるそうですね。「子供の頭の上を旋回し、必要とあれば急降下してくる」と朝日新聞では書いていましたが、なるほどです。アメリカではすでに1990年代から使われていた言葉だそうです。 親が子供を心配するのは当然のことですが、その心配の仕方を間違えると子供をさらに苦しめます。相手は成人した大人なのです。 親が不安から、親向けの就職活動セミナーに出たり、そこらの本や雑誌を読むのは良いでしょう。今の就職活動、今の企業、今の大学が自分たちの頃といかに違うかを理解することは大切です。でも、せっかく得た内定を親の意向で断ってしまったり、大手の採用活動が終結する5月頃の段階で、親主導でもう就職をあきらめて留年(就職活動の1年先送り)を決めてしまったり、親の介入が強いのはどうかと思います。逆に介入を許す子供にも問題がないとはいえませんが。 以前にキャリアデザイン学会の発表のために行った某大学のキャリアセンター長の方のインタビューで聞いた言葉が実に印象的です。 「親が昔の感覚でいろいろということが、子供の可能性を狭めている」。 「就職活動が迷走するケースでは、親自体がキャリアにつまづいているケースが少なくない」。 「キャリアセンターで受ける就職相談のある部分は、事実上の親子関係の修復作業でもある」。 すごく実感が伝わってきます。 ある意味では就職活動とは親と子どもが強制的に向き合わなければならない場かもしれません。しかし、中学受験と同じように就職活動を支援しようと勘違いしてしまっている母親はいないでしょうか。自分の世代の常識と価値観で語ってしまっている父親はいないでしょうか。 就職活動とは、今までそれなりに幸せに育ってきた息子・娘が、初めて明確な「否定」を突きつけられる場です。しかも、その理由は詳しくは語られません。受験では不合格の理由はだいたいわかりますが、面接やエントリーシートではそれが説明されません。ですから、就職活動における否定は、気をつけないと心理的な自己否定に陥りかねません。しかし、否定されても前に進むことができるという力は、社会で生き抜くためにも必要な力なのです。 立教大学の小島先生が「ハラハラしても一歩引いて」と題する素敵なインタビュー記事を寄せられていました。お聞きしていませんでしたが、小島先生の息子さんは、昨年度に就職活動されていたようですね。しかも、結構、紆余曲折されたようです。最後に小島先生の言葉から2つ引用して終わりたいと思います。 『面接から戻った子どもに「どうだった?」は禁句。かける言葉は「おつかれさま」です。気持ちを切り替える練習は大人へのステップ。それで子どもは大人へと成長するのです』 『子どもと同じ目線でなく、一歩引いて物事を見るのが大人の役割です』 実は我が家の息子も今、大学3年生だったりします。 《2010年12月27日》 さあ、今年の営業日もあと3日、いよいよせつば詰まって予定がぎっしりです。そんなさなかちょっと遅めからですが、営業メンバーと飲みに。私には、このスタイルのエスノグラフィーが良さそうです。怒られる? ![]() ![]() ![]() ↑ブログランキングというのに参加してます。よろしければクリックして一票投票を
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