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人事の書棚から115 「考える力を伸ばす教科書~ダイアローグと論理で思考力を高める」岸本光永・渡辺三枝子著 日本経済新聞出版社
考える力をつけるためにロジカルシンキングが必要だ、というのは極めて当たり前の話ですが、本書ではロジカルシンキングだけではなく、ダイアローグこそ、考える力をつけるために必要だと主張します。

本書の著者お2人は現在、立教大学大学院に籍を置かれます。
渡辺三枝子先生は、私たちキャリア関連の世界に興味を持つ人であれば、誰でも存じ上げている方ですが、専門分野はいうまでもなくカウンセリング心理学、職業心理学といった分野です。昨年は、スーパーバイザー養成講座で直接、ご指導をいただいたのですが、暖かくも厳しい姿勢に感動を覚えました。
そして、岸本先生は、民間企業、コンサルティング会社経営を経験されているファイナンス、事業再生、地域再生などの分野を専門とされる方です。

本書では、「考える力」を「時代の変革期を乗り越えて、新たな時代を創出す、という抽象的な、しかし、差し迫った課題を解決するのに必要な力」の総称であるとしています。課題を解決するために必要な考え力には、大きくわけて2つあるとしており、1つは「論理的に考える力」、そしてもう一つは「創造的に考える力」です。そして本書では、トレーニングによって向上可能である「論理的に考える力」に焦点を当てています。

日本人は比較的「意識的に考える」ことがそれほど重視してこなかった国民だといえます。国際化の進む社会において、以心伝心、時が自然に解決する、という手法が通用しなくなってきた今、それでは明らかに無理がきています。日本の停滞の原因の1つはここにあるともいえます。

伝統的な日本の教育は、座学が中心の導管教育・一斉授業の形式のものでした。つまり、教師が一方的に生徒に知識を効率よく伝達する手法です。これでは考える力が強まるわけがありません。マイケル・サルデル教授の「白熱教室」と比較してみれば、一目瞭然です。生徒から、それぞれの考えを引き出し、他の生徒の考えから自己の気付きを促すのが、考える教育の基本でしょう。まさに、ダイアローグとリフレクションの世界です。

ダイアローグが成立する前提として、1人1人が明確に考え、意識的に話す努力をする、というものがあるでしょう。そして、個々の人の考えには違いがあることを前提として認めることも必要となります。単一的価値観の集団出ない限り、これらは絶対に必要なことです。国際紛争の解決にはダイアローグのアプローチしかないといわれるのは、このあたりからくることなのだと思います。

そして、このために必要な要素が、クリティカル・シンキングとリフレクションだと本書では指摘しています。確かに、リフレクションなきクリティカル・シンキングは単なる相手への攻撃に終始してしまう可能性があります。

ダイアローグは、組織メンバー全員が学習し、気づき、考え、知恵を生むことを招きます。そんな組織こそ、「学習する組織」そのものです。

そんな組織を増やしていきたいものです。

考える力を伸ばす教科書―ダイアローグと論理で思考力を高める考える力を伸ばす教科書―ダイアローグと論理で思考力を高める
(2010/12/14)
渡辺 三枝子、岸本 光永 他

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《2011年1月4日》 仕事スタート。夕方からは深川不動尊にて昇段祈願。いよいよ明日から、新会社も始まります。


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