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夏への扉2011
先週の金曜日、大阪出張中にポスターを見つけました。なんと「夏への扉」が舞台化されるんですね。ポスターは、もろにピートの正面からの顔です。

アメリカSF黄金時代の御三家といえば、アイザック・アシモフ、アーサー・C・クラークとロパート・A・ハインライン。そのハインラインの不朽の名作が「夏への扉」です。特に日本のSFファンの支持度は高く、しばしばオールタイムSFベストのファン投票でトップの座に輝いています。

SFジャンルとしてはタイムマシンものです。

実は調べてみると、過去にこのブログでも2度も取り上げているみたいです。好きなんですねそれにしても、ブログで語句検索できるのは実に便利です。

2008年08月31日 図書紹介:『夏への扉』 ロバート・A・ハインライン著 (ハヤカワSF文庫)
2010年03月01日 優秀なコンサルタントとそうでないコンサルタントの違い

で、今日はこのSF小説の時間軸について考えてみたいと思います。

「夏への扉」が出版されたのは1956年。既に半世紀以上の昔です。

そして、描かれた未来の舞台は1970年。出版された当時からみれば14年後の未来です。その世界では「コールドスリープ」という技術が確立され、生きたまま冷凍されて当時の若さを保ったまま未来にいくことができています(冷凍で寝ているだけですけど)。また、主人公はこの時点で家事用ロボットを発明しています。

そして、私が初めてこれを読んだのがたぶん高校1年生だから1977年。小説の舞台よりも7年先の未来ですが、コールドスリープも家事用ロボットもまだ世の中にはかけらもありませんでした。

そして小説の中では、あれこれと紆余曲折の末に主人公は30年間の眠りにつきます。目覚めたのは2000年。今から11年前です。そして、ここでまたあれこれとあって、結果、まだ完成されていないタイムマシンを使い、主人公は過去(1970年)へとさかのぼります。

そして、今は2011年、主人公が過去に旅立って10年が経過していますが、タイムマシンなんてないですね。

土曜日のAAA3.0(昨日のブログ参照)で話題にのぼったのですが、今年の正月の新聞の記事広告で100年後の未来(だったかな)という日立の記事広告があったそうです。これに対して、慶應義塾大学の牛島先生は、昔いっていた未来とあまり変わらないなという鋭いコメントを。そうです、私も感じたのですが、ほとんど同じような絵を大阪万博を特集する子供向けの雑誌でみたような気がします。リニアモーターカーはもちろんエアカーが飛びまわる未来の交通の図です。

フィリップ・K・ディックの不朽の名作「アンドロイドは電気羊の夢をみるか」。これを映画化したハリソン・フォード主演の「ブレード・ランナー」。公開は1982年、そしてこの年以降、映画の世界では未来はユートピアではなく、ディストピアとして描かれることが普通になりました。「ブレード・ランナー」に登場する未来は荒廃が進む退廃的な未来です。

2011年になっても「夏への扉」が好まれて読まれるのは、未来というものに皆が期待を持ちたいからかもしれません。そして、その未来を自分で創っていきたいからかもしれません。これは非常に大切なことです。

以前のブログでも紹介していますが、山下達郎がずばり「夏への扉」という曲を作っています(名盤「Ride On Time」に収録)。こんな歌詞です。

 ひとつでも 信じてることさえあれば、扉はきっとみつかるさ
 もしか君 今すぐに 連れていけなくても 涙を流すことはない
 僕は 未来を創り出してる 過去へと向かい 遡る
 そしてピートと 連れ立って 君を迎えに戻るだろう
 だから リッキー ティッキー ティビー その日まで おやすみ


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《2011年1月11日》 溜池山王にてラッキーピエロの会。いやぁ、みんな大人の階段を上っていました。それにしてもいろいろな会に参加してますね。


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