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IT化が人材育成の大切なものを遠ざける
両親ともいいろいろあって、最近、結構頻繁に病院に行きます。たまには自分の診察でも行くことがあります。昔は病院が嫌いで滅多にいかなかったんですが、最近では少しでも早く元気になりたいために、比較的真面目に行くようになりました。

たまには検査が必要になり、大きな総合病院に行くことがあります。アクセス的な面から、いつも決まった総合病院に行くのですが、とても気になることがあります。ここの病院は最新機器が豊富にあり、至れり尽くせりの検査をしてもらえます。しかし、診察が………。

いまや大病院ではほとんどがカルテを電子化されています。キーボードを叩くと、医師の前のディスプレーには過去のカルテ、レントゲン写真、検査結果などがただちに表示されます。それらをもとに説得力のあるお話をしていただくことができます。そして、問診の結果は、ただちに医師の手により電子カルテシステムに入力されます。手元にメモをするのではなく、直接、医師がキーボードを叩きます。医師もキータッチが早くなければ成り立たない職業になってきています。

で、何が気になるかというと、医師は大半の時間、ディスプレーをみているのです。問診をする間も、キー入力をしなければならないので、患者の方をじっくりと診ている暇はありません。診察室の外には既に1時間以上待っている患者が列をなしているわけですから、無駄な時間を費やすことは許されません。そんなこんなで必要な検査を指示、検査から戻った患者に今度はディスプレーの検査結果をみながら診断をする…、極端な話そんな感じで流れていきます。患者の顔色をみることもほとんどないわけです。

よく指摘されるIT化の弊害の一つかもしれません。

「HRプロリニューアル記念フォーラム」で高橋俊介先生は、類似の例を検察官の話としてされていました。被疑者の顔もみずに調書を必死にキー入力する検察官。これでは嘘をついているのかどうかなんて見抜けませんね。

IT化によって大切な基礎能力が危機に瀕しています。患者の顔色から病状を類推することも、いうまでもなく大切な基礎能力です。データからの判断ではなく、勘と経験からの判断を磨くということです。

私が新入社員だった頃、研修の一環で受発注の部署に一時期配置されました。電話でお客様からの注文を受ける仕事です。
先輩からまず最初にいわれたのは、部署の中で一番大きな声で電話応対すること。新人は元気を出せという意味かと思ったのですが、実は理由は違いました。
大きな声で電話応対をしていれば、すべての先輩が私がどんな応対をしているのかを把握することができます。そうすると、ヤバイという状況になる寸前にヘルプを入れることができるわけです。そのヘルプを入れるタイミングが絶妙で、ギリギリまでは私が何とかしようとやっているのを聞き流し、明らかに間違った話をしていたり、このままやらせるとお客様が怒る可能性があるというタイミングで介入をしてくるのです。そして、事後にはその理由説明もあります。

仕事のコミュニケーションの大半がメールでなされる今、このような育成方法をとることができなくなりました。

先輩は新人に何が起きているのかわかりません。
先輩は新人がトラぶっているかどうかもわかりません。
極端な話、先輩は新人が仕事をしているのかどうかすらわかりません。

育てることをより意識しなければ、現場で人が育ちにくくなっていることは間違いありません。

《2011年2月6日》 仙台入りしました。都内でもんじゃをたらふく食べてからきたので、街には繰り出しません。やっぱり王道は、明太もちチーズだな。


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