なぜかまじめに書評です。
夫婦関係、恋人関係、親子関係、職場関係、友人関係などで悩んでいる心優しいすべての人たちにお勧めしたい本です。 そして、気づかないうちにアンヘルプフル・ヘルプをもたらしてしまいがちな、まじめで相手のためになりたいと思っているキャリアカウンセラーの卵たちにも……。クライアントのことを思って一生懸命に支援をしようとしているのに、なかなか思うようなキャリアカウンセリングができないと悩んでいるとき、きっと何かヒントがあるはずです。 本書の以下の言葉は、私たちがキャリア・カウンセラーとして、もっともっと鍛錬をしていく心の支えにもなります。 『われわれが、支援者としてもっと有能になれたら、誰にとっても、人生はよりよいものになる』。 ****書評*********書評**********書評*********書評********* 「人を助けるとはどういうことか~本当の協力関係をつくる7つの法則」 エドガー・H・シャイン著 英知出版刊 日曜日に自宅で仕事をしている父親に小学生の子供が勉強を教えて欲しいといいよる、嫌な顔一つせずに勉強を教えて仕事に戻る優しい父親。 でも、本当に子供が求めていたのは、学校であったことを父親に思いっきり話すことだったのかもしれない。勉強の件は子供なりに一生懸命に考えたきっかけ作りだけだったのかもしれない。優しい父親は見当違いの支援を子供にしたのかもしれない。 本書は「支援学」の本である。著者であるシャイン氏は、組織心理学の大家だが、本書では「アンヘルプフル・ヘルプ」、つまり役に立たなかった支援を扱っている。そして、そう陥らないための心構えを伝えてくれている。 人事部の役割は、経営層、社員の双方に有効な支援を提供することだといってもいいだろう。研修を企画するのも、参加する社員にそれが役立つと思うからであり、評価制度を見直すのも、それが社員のモチベーションを喚起し、会社業績の向上に貢献すると思うからだ。 でも、よくよく考えてみると、独りよがりの支援をしてはいないだろうか。それは本当に相手が求めていることなのだろうか。ピントのずれている支援はしていないか。提供する側が役に立つと思っているだけで、提供される側には迷惑なだけなどという支援をしてはいないだろうか。 本書では本当の支援関係をつくるためのポイントが整理されているが、中でも最大のアドバイスは「控えめな質問をする」ということだ。 本当の支援は相手との対話なくしてはできない。対話のきっかけをつくるのが「控えめな質問」だ。最初に相手が言ってきたことに反射的に対応することが本当の支援になるとは限らない。問題の真の解決のために何を支援すればいいのか、実はこれがわかっておらずに「アンヘルプフル・ヘルプ」を提供してしまっているケースは多い。仕事でも、家庭でも。それでは信頼関係も作れないし、相手の満足も得られない。 日曜の朝、外出前の妻が2着の洋服を指して「どっちがいいかしら」と聞く。さて、あなたはどんな返答をするだろうか。
《2011年2月10日》 最後は門前仲町でした。 ![]() ![]() ![]() ↑ブログランキングというのに参加してます。よろしければクリックして一票投票を
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