失敗は予測できる
「失敗は予測できる」という本を読みました。

結構、話題になった本だと思います。著者の中尾政之氏はエンジニア的な観点から、徹底的に過去の失敗を分析されています。そうすると失敗の要因は見事に類型化されて、世の中にはもはや新しい失敗など起こり得ない、逆にいえば失敗はすべて予測できる……、と断言されていますが、本書を読んでみるとなるほどそのとおりかもしれないと感じてきます。

本書の中で、技術的な要因による失敗に加え、組織的な要因による失敗についても分析がされています。
「組織の失敗シナリオ」としては、以下の5つが抽出されるそうです。

 ①コミュニケーション不足
 ②安全装置の解除
 ③企画変更の不作為
 ④倫理問題
 ⑤企画不良

「③企画変更の不作為」とは、一度決めた方針があきらかにおかしいと誰もが思い始めてもストップをかけることができずに突っ走ってしまい失敗を拡大することです。「⑤企画不良」は企画自体に問題があるということです。「②安全装置の解除」は安全装置を十分に準備しながらもそれを活用しないケースです。現場の効率重視の姿勢や従業員のモラルダウンがこれを招きます。コンプライアンス指針を守らないというのもこれに入るかもしれません。

それにしても最大の要素はやっぱり「①コミュニケーション不足」でしょう。②~⑤のシナリオもこの①との合併症のケースがかなりあるのではないでしょうか。人が2人以上で仕事をする場合、必ずこの危険性があります。

さらに著者はこのシナリオ「①コミュニケーション不足」にもいくつかの典型的なパターンがあると分析をされています。

 ①他人依存・同意体質……誰かがやるだろうは誰もやらないと同じ
 ②自信過剰・ワンマン……その道のプロである私の判断が正しい、すべてはオレが決める
 ③情報遅延・誤判断………現状がわからずに遠隔操作していた
 ④齟齬多発…………………伝えなければならない人が多かった
 ⑤干渉発生…………………効率的に仕事をしたつもりが干渉していた

これらはいずれも少人数のフラットな組織で顔をつけあわせて仕事をしていれば回避できるものでしょう。これが組織の難しいところです。

本書ではこれらのことが豊富な事例とともに紹介されます。事例の多くは、私たちがニュースで聞いた覚えのある事件です。その意味では納得感をもって読み進めることができる良書だといえます。

失敗は予測できる (光文社新書)失敗は予測できる (光文社新書)
(2007/08)
中尾 政之

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《2011年3月9日》 今晩は10社近くの人事の仲間とペッカーさんを訪ねました。音楽を人材育成の場として活用できるのではないかとの取り組み。飲みながらお話を聞くと、神戸大学の金井先生なんかともつながられておられます。何にしても一流の人、そして思いの明確にある人からは、様々なことが吸収できます。素晴らしい体験でした。必ず、つなげます。



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【2011/03/09 23:45】 | 書籍紹介 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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