アポロ世代と、サイバー領土
次に大規模な戦争がおこるとすると場所はどこでしょうか。

歴史的に新たに発見された大陸で戦争は繰り広げられてきました。アメリカ大陸しかり、アフリカ大陸しかり。しかし「新たに発見された」というのは一方的な歴史観であり、発見された側からみればそちら側が旧世界なので、まったく迷惑な話だったりするのですが。勝手に発見して勝手に戦争されるのですから。

いにしえのSF小説での次の戦争の舞台は、宇宙でした。異星人との戦争テーマが多いですが、宇宙で地球の東西世界が戦争をするという話もあったりします。常に新たな陣地を奪い合うというのは、戦争の代表的な要因の1つです。

しかし、地球上の国家同士が宇宙の天体を奪い合うというのはどうも起こりそうにありません。

アポロ11号が月面に初めて人類を送ったのは1969年でした。私は小学生だったはずですが、ほんとに小さい頃からSF少年だった私は、自分が生きているうちに人類はどこまでいけるのだろうか、恒星間旅行くらいあるかななどとずっと思っていました。そんな未来観を持っていた私たちはアポロ世代です。でも、その後の宇宙進出熱は冷めるばかりです。そして、今後はますますその傾向に拍車がかかるのではないかと思います。

その最大の理由は、人類は宇宙空間に匹敵する広大な空間を見つけてしまったからです。そして宇宙開発よりもはるかに低いコストでその空間を闊歩することができるからです。

それが「サイバー空間」です。そして、次に戦争がおこるのはまさにこの「サイバー空間」ではないかといわれています。すでに小競り合いとみられる動きが出ているのはご承知のとおりです。

さて、実はここまでは長い前置きなのですが、昨日の土曜日、朝の9時という早い時間から慶應義塾大学三田キャンパスにまで赴き、牛島先生が中心にされている「ソーシャライズ!自分の旗を立てる」という学生対象のワークショップをオブザーブさせていただきました。趣旨もクオリティもなかなか感動ものの企画でした。

昨日のメインはブログ「女。MGの日記。」で有名な玉置沙由里さんのセッションです。そして彼女の語りの中で出てくるのが「サイバー領土」という概念です。

玉置さんはこの「サイバー空間」を「サイバー領土」と称して、この存在のとてつもなさに気づいている人、何となく気づいていない人、重要視している国家、たかをくくっている国家があるといいます。気づいている国の代表の1つはアメリカでしょう。そして、国家レベルだけではなく、個人レベルでもこの重要性は同じだといいます。個人レベルでも自分ができるところから、この「サイバー領土」に居場所、自分の家を創ることの大切さを玉置さんは語ります。ブログ、ツイッター、それらは「サイバー領土」における「家」であり、「資産」になります。それは「自己表現」を通じて建設している「家」です。今、ここに住民として登録をしておかないと、次の代に乗り遅れるに違いありません。

もはや、21世紀をより良く生きるためにもブログを書くことは当たり前だと続きます。今回のワークショップでは、皆がこの「サイバー領土」に自分の旗を立てることになります。まずはブログという旗であり、ツイッターとフェイスブックがそれに絡みます。「サイバー領土」でいかに自分の居場所を創るかは、次の時代を生きるためのリテラシーです。そしてその環境はものすごい速さで変化しています。ツールもまだまだ変遷を重ねるでしょう。当然ですがこれらについていけていない人が多数出てきます。それは、逆についていっている人に大きなチャンスをもたらすという意味にもなります。

ここにきてライフスタイルは変化の可能性を秘めています。玉置さんは「創職」という言葉を使われていましたが、「就職」をするのではなければ「起業」をするというのがこれまでのロジックでした。「起業」というのは新しい「企業」を創ることですから、主語が異なるだけ(大きな違いではありますが)で「会社組織」というもので働くことには変わりありません。でも、「サイバー領土」に建てた家が、マーケットにつながり、大きな規模ではないですが、収入を得られるいろいろな機会がもたらされることが増えてきます。けっして、1つひとつは大きな収入を伴いませんが、確かに「創職」です。これは働き方もライフスタイルも変える可能性につながります。

「サイバー領土」におけるマーケットのもう一つは、ぶつぶつ交換の世界です。玉置さんワードでいえば「八百屋2.0」という奴になります。八百屋というのは対面販売の世界です。webの世界では不特定多数との対面販売が可能になります。これはリアルの世界とはケタ違いの話です。フォロワーが1000名の人がツイッターに××が欲しいとつぶやくと、何人かはそれに応答します。そんな中から、web対面販売は始まります。家庭教師をやるときだって、トライのような業者に中間搾取されずに、生徒を見つけることが可能、というのが玉置さんの使っていた例でした(ちなみに私たちの時代は、スーパーの掲示板に「家庭教師やります」という連絡先の短冊をたくさんつけた案内を出すのが主要ルートでした。南麻布のナショナルスーパーに掲示したら韓国大使館の職員のご子弟の家庭教師をすることになり、大使館にしばしば通っていたことを思い出します)。

「サイバー領土」の拡大の中で、最大の危機は国家という存在でしょう。国境というものがとろけ出します。中国はこれと賢明に闘っていますね。しかし、国家にとって最大の危機は別にあります。それは「サイバー領土」の中で本当に「八百屋2.0」が浸透してしまうことです。国家の基本的機能の1つは健全な税収を確保してそれを再配分することです。ですから、国家にとっては国民が一生懸命に働いて、せめて1000万円プレーヤーにはなりたいなぁという将来期待を持っていることが、もっとも健全であり安心なのです。「八百屋2.0」的な経済の中で「ノマド」的価値観を持つ人が増えると、この前提が崩れます。ぶつぶつ交換によって、住む場所も食べるものも着るものも得られるにもかかわらず貨幣的には収入がない人は、今の規定では生活保護の対象になるでしょう。そんな矛盾が随所に出てきます。ですから、国家は「サイバー領土」で新しい秩序、税制を取り入れることにやっきになるはずです。そのための陣取り合戦は、ある意味では「戦争」と呼ばれるかもしれません。

私も3年半ほど、1日も欠かさずにブログを書いていますが、昨日のワークショップで玉置さんのお話しに引き続いて聞いたようなテクニック論は何一つ知りませんでした。でも、最低限、少し遅れてでも世の中にキャッチアップしたいと思う気持ちは強く持っています。昨日集まっていたようなメンバーが、自らの発信をしていくことによって、逆説的な感じでもありますが、日本という国家、日本人という国民が変わってくるように感じます。
「サイバー領土」の波が押し寄せてくることは、もはや避けるとか逃げるとかそういうレベルの議論を待ちません。どう、自らを進化させ対応させるかだけです。

アポロの月到着に未来への夢を馳せた私たちですが、「サイバー領土」にきちんとした居場所を持つことによって、次世代とともに生きていきたいと思います。少なくとも、そのささやかなつなぎ役のようなことはしていきたいと思います。

《2011年8月28日》 ついに今日、NPO法人『楽器で笑顔基金』設立総会です。ペッカーさんのぶれない熱い思いと、それに呼応した志を同じくした仲間たちの努力が、ここまでこぎつけさせました。いよいよ始まります。ホームページよく見てください。「楽器で笑顔」という文字自体が笑顔をみせています。私たちがやりたいのは、音楽を通してそんな自然な笑顔を自然に増やしそれが普通になることです。



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