FC2ブログ
私たちは「文脈」の中で生きています
私たちは「文脈」の中で生きています。

「一文」に生きているわけではありませんし、「単語」に生きているわけではありません。ましてや「キーワード」の中に生きているわけでは絶対にありません。

もちろん様々な意味で「キーワード」は大切ですが、本質的に大切なのはその背後にある「文脈」です。「文脈」こそが本質であり、生きざまであり、生き方であるわけです。

経済産業大臣が誰であろうと気にはしませんが、あまりにも「文脈」がないがしろにされて「キーワード」で世の中を決めつけたり、裁こうとしたりする風潮が強まることには、どんなのかと思います。今回の「死の街」発言報道、「放射能」発言報道ともに、時間不足のためにテレビニュースもネットもあまりみていませんが、表面的な「キーワード」だけがどんどん独り歩きしている感じが否めません。どうなのでしょうか。どんな文脈でそういう発言が出たのかを丹念に追わなければ、その人の思いや思想はけしてわかりません。このあたりが丹念に検証されて報道がされているとは、どうも感じられません。情報の伝播力の側面からみれば、大臣の生の言葉が福島県民の気持ちを逆なでした影響度よりも、その言葉の報道が逆なでしていることは間違いありませんから、言葉を伝えるということを職業にされている方は「文脈」を意識しなければなりません。「単語」や「キーフレーズ」では真実はおそらく正しく伝わりません。

どうもも日本のプレスには言葉を切り取ることが大切な仕事だと勘違いしている人が少なくないようにも感じます。例えば5分間のインタビューにおいて語る人の「文脈」にスコープすることなく、都合のよい言葉だけを「切り抜いて」利用することが許されています。特にテレビはそれが得意です。この被害にあった人は山ほどいるでしょう。自分が発言した内容から、使いたい「フレーズ」が切り取られ、そのコラージュのように記事や番組は作られます。

それを責めることはできません。それが仕事なのです。特に日刊紙のようなタームの短い世界では、ある方針を立ててその方針に基づくコメントを集めようというプロセスを追って、つまり結論ありきで取材がされ記事が書かれることがあることは責められません。何にでも仕事には納期と要求品質というものがあるのです。テレビはなおさらそうです。ですから、やらせをするプロデューサーの行為は否定しても、心情を否定しきれるものではありません。やらせとコメントの恣意的切り張りはまぁ同根のようなものです。

大切なのは、私たちが「そういうものだ」と理解して対処できるかどうかです。日本人はこの部分の民力に相当に劣っているのではないでしょうか。新聞やテレビの報道を信じると答えた人の率が先進国では図抜けて多かったという調査結果を何かでみた記憶があります。
テレビの街かどインタビューで、「キーワード」だけを聞かせられて、インタビュアーの思惑とおりのコメントをしてしまうようなサービス精神旺盛というか、予定調和の神様というか、自分の頭で考える習慣のない人が少なくないのが現実です。これはこれからの世界では致命的なことのように想います。

多くの人が、震災後の報道の中で、マスコミとは実は「そういうものだ」と気づいたはずです。しかし、そんな気づきも半年で早くも風化されてしまったのかもしれません。もちろん誰を弁護したり支持したりするわけでもないのですが、「文脈」を意識しない失言報道がまた大臣の辞任を生み、それを政争の道具として使って任命責任などということがが出てきてさらに政治が空転するようなことがあったら、本当に悲しいことです。

私たちは「文脈」の中で生きています。

せめて、心ある人は「単語」ではなく「文脈」全体をとらえて相手を把握していきましょう。さらには「彼の発言の真意は何だろうか」「何が彼にそう発言させているのだろうか」というところにまで思いをはせたいものです。

「キーワード」に踊らせることなく、「文脈」を大切にコミュニケーションをとっていきたい、改めてそんな思いに駆られる週末でした。


《2011年9月11日》 1日は短い……、何をやるかではなく、何をあきらめるかの決断なので、決めにくいんですね、何事も。


ビジネスブログ100選
blogram投票ボタン  
↑ブログランキングというのに参加してます。よろしければクリックして一票投票を

関連記事
スポンサーサイト



【2011/09/11 23:12】 | キャリア~全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
<<給与アウトソーシングを進めるための4つの視点 | ホーム | 「決断経験値」と就職活動>>
コメント
コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバックURL
→http://jqut.blog98.fc2.com/tb.php/1369-933d2567
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
| ホーム |