うち向きキャリア観と功利的キャリア観
昨日のメンタルコンシェルジュ主催のセミナー、高橋俊介先生のご登壇です。中原先生、玄田先生と続き、今後は長岡先生、花田先生が予定されているとのことです。主催者の野口先生の交渉力と突破力には、恐るべきものがあります。

高橋俊介先生のお話は、何度も何度も聞いていますので、今回のお話も過去に伺った内容がほとんどでしたが、それでものめりこんで聞かせてしまうところが超人的です。また、当然ですが、聞くたびに新たな気づきが生まれます。

昨日の話の中から、大学のキャリア教育についてちょっと記録に残しておきます。
いつ聞いても、これは同感です。

基本はジョブマッチング的な発想、適職診断的な発想、やりたい仕事を探す的な発想がベースとなったキャリア教育の批判なのですが、なまじ予算がついた結果、外部業者丸投げに近いかたちで安易なキャリア教育が横行し、その結果ミスリードされてしまっている素直な大学生が多いのはそのとおりかと思います。ようやくここにきて、少し修正がされてきているようには思いますが。

高橋先生の整理で、問題とされているキャリア観は2つ。
「うち向きキャリア観」と「功利的キャリア観」。

「うち向きキャリア観」とは、過剰内省の結果、どんどん深みに入ってしまうタイプです。働いたこともないのに、自分にあった仕事がどこかにあるとか、やりたいことをやらなきゃだめだとか、そんなの無理に決まっている間違った規範に取り付かれてしまうパターンです。もちろん内省は必要です。ただ、あくまでも経験学習のプロセスにおいての内省に意味があるのであり、内省だけ切り取られたような内省をしてもどこにもたどり着けません。そもそも、やりたいことが社会に出るまでにみつかるわけがないのは当たり前のことです。また、本来、私たちの社会は1人ひとりがお互いに価値を生み出しあうことによってなりたっているものであり、その意味では仕事というのは他者のためにするものです。そういった規範的仕事観がどんどん失われていきます。「うち向きキャリア観」の行き着く果ては、自分にあった仕事であり、自分がやりたい仕事であり、他者のために働き、貢献して、その結果として報酬をいただくという視点が落ちてしまいます。自分だけのために青い鳥を探す姿は、実は後述の功利的キャリア観以上に自分本位、自分勝手な姿勢かもしれません。

「功利的キャリア観」は競争原理をベースにしたキャリア観です。個人的には「うち向きキャリア観」よりはまっとうだと考えますが、過度なものはやはり弊害があります。自分に役立つことにしか興味を持たないという感覚が強化され、それはいつか大きなしっぺ返しを受けるリスクがあります。

いずれにしても、大学でのキャリア教育がこのようなちょっと歪んだキャリア観を生んでいる側面は否めないと思いますが、もう1つ大切なのは、十把一絡にして大学でのキャリア教育を論じないことです。各現場では真剣に学生に向き合っている担当者の皆さんが大変に大勢います。傾向値で全体を論じる、ましてやそれを個々人にあてはめるというのは、最も危険な思想です。

《2011年9月16日》 トリプルブッキングの夜。
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