想定外のことを少しずつ想定内にたぐりよせる行為
昨日終わったキャリアデザイン学会の会長講話からです。相変わらず、毒を含んだユーモアたっぷりの川喜多会長のお話でした。あまりちゃんとメモをとっていないので、そのままの内容にはなっていません。たぶん。

まずは、想定内・想定外という言葉について。
この言葉、震災以降、しばしば使われています。非常に意味深い言葉です。

「キャリアデザインとは想定外のことを少しずつ想定内にたぐりよせる行為でもある」と川喜多先生はいいます。

例示に出されたのは、陶芸の人間国宝の方の話。どんな名手であっても、作品が窯から出でくるまでどんなものが出てくるのかはわからないといいます。陶芸は完全工業製品とは違いますから、何もかもすべてを想定内に設定することは不可能なのです。しかし、当然ですがすべてを偶然に任せているわけではありません。全力を注いで、イメージした作品を作ろうとします。しかし、最後の最後は自然の力にゆだねることになります。まさにキャリアデザインとは「想定外のことを少しずつ想定内にたぐりよせる行為」ということを想起させる例え話です。

次に「場数」という話。
岡本太郎は「芸術は爆発だ」といいましたが、これを「芸術は場数だ」と聞き間違えた芸術家がおり、愚直に場数を踏み続けることによりその道の大家になることができたという例を出されましたが、これが真実か否かは話し手のみが知る話です。

「場数」という意味では、そのポジションに決められた範囲の仕事を「はみでる仕事」をやらせて「場数」を踏ませることは大切です。1つ前のステージで次のステージの仕事をやらせる、ことです。その意味では、大学という場所における次のステージ、つまり組織人として働くのか、独立事業主として一本立ちするのか…、いずれにしても大学の次のステージの経験を「場数」として在学中に少し踏ませることができれば、それは大学の優れたキャリア教育になるはずです。

ただ、これは大学で職業能力の実務的知識を早めに詰め込めということではありません。川喜多先生流にいえば、「すぐに役立つ知識はすぐに滅びる」となります。もちろん実務知識の集積だけでは「想定外のことを少しずつ想定内にたぐりよせる」こともできません。

でも、どんなに「場数」を踏んでもそこから学ばない人もいます。そんな人に対しては支援が必要です。

また、キャリア発達にはハードルの存在がつきものです。次のステップの「場数」を踏むというのも大変なハードルです。順調に乗り越えることができればハッピーですが、時には乗り越えられない人もいます。そのために支援者、カウンセラーが必要になるわけです。

グローバリゼーションも同様です。この道は避けることができません。しかし、ローカルな志向を持っている人をどうするのか、グローバリゼーションに乗れない人、乗りたくない人、取り残される人をどうするのか、といった問題は必ず発生します。こういう人のために寄り添って何らかの解決に導く必要があります。それはいったい誰の役割なのでしょうか。

社会はどんどん安定しない方向に進んでいます。安定しない社会におけるキャリアで大切なものは、改めてベーシックな力ではないかというのが川喜多先生のご指摘です。職種横断的、企業横断的、地域横断的な基本的な力。明るさ、積極性、元気、論理性、感応できる力、ヒューマンリレーションズの力……。

1万円札は、くしゃくしゃにされても泥にまみれても1万円の価値があります。いかなる姿になっても価値は変わりません。そんな力を持てる支援ができると素敵なのではないでしょうか。

《2011年10月3日》 昨日の日大が少し寒かったのでしょうか、昨晩から喉が痛くて困ってます。私は喉が弱く、風邪はたいてい喉にきます。あと、口内炎ですね。
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