『破壊と創造の人事』楠田祐・大島由紀子著 ディスカバー21刊
これまたここでのご紹介が大変に遅れてしまった仲間の著書シリーズなのですが、楠田さんと大島さんの「創造と破壊の人事」です。大島さんが運営されるWEBサイトの濃厚なコンテンツをベースに書籍化されたものですが、人事パーソンのテキストとして成り立つ素晴らしいできになっています。

何事も歴史を知ることは大切です。
常に人事の分野には新しい理論と流行が押し寄せます。そして様々なベンダーやコンサルが言葉たくみに予算を持つ企業に迫り寄ります。もちろんそれ自体が悪いことではまったくないのですが、つまみ食い的な取り組みは悲劇を招く怖れがあります。特に新たに人事の仕事をする立場になった人には、2つの歴史をきちんと学んで欲しいと思います。

1つは自社の歴史、もう1つは日本の人事の歴史。
自社の歴史を学ぶことは、自社の風土を改めて理解することにもなります。営業の仕事に例えてみればお客様について事前に調べることに他なりません。当たり前にやることです。人事だけがこれを飛ばしいいいわけがありません。なぜ、この制度がうまくいっていないのか、そんな個別史まで紐解くといいですね。

もう1つは日本の人事の歴史。
それも自社との関係において整理ができるといいですね。その意味では、本書で楠田さんの書かれている第1章「バブル崩壊からリーマンショック直前まで人事部門を巡る環境はどう変化してきたのか?」は適した読み物になっています。

そして、その上で第2章「戦略人事で成果を上げていくためのキーワード」、第4章「戦略人事になるために」が活きてきます。このあたりも本当に読んでいて共感できることが多いです。ひたすらしゃべり立てながら飲んでいる楠田さんが、どのようなスタイルで執筆をされているのかとても興味がわいてきます。執筆されているときは無言なのでしょうか。

今の人事を語る場合に、戦略人事という視点と、支援人事という視点が必ず入ってきます。これらは相反するものではなく、戦略的に人事の仕事をするためには支援人事が必ず必要になるという関係にもなります。これらと相反する場所にあるのは、管理人事です。永らくそれを最大のミッションにしてきた企業も多いため、ことさら戦略人事といわなければならないのが現状なのだと思います。

本書は発刊以来、ツイッター・フェイスブック・リアルを織り交ぜた楠田さんの販促活動もとても魅力的でした。新大阪の書店で店員にいって書棚を並べ替えさせたというつぶやきには思わず爆笑してしまいました。

日々、全国の人事を駆け回っている楠田さんですが、今の時代がそういう役割の人を求めているのは間違いありません。まだまだ楠田さんには各社を駆け巡っていただきたいなぁと思います。また、折々にご一緒させてください。

あと、大島さんのいる会社が出されている人事情報システムは実にユニークです。更新を検討されている会社は覗いてみて損はないと思います。

破壊と創造の人事破壊と創造の人事
(2011/06/16)
楠田 祐、大島 由起子 他

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《2011年10月17日》 面白い本を読み始めると止まりません。昨日から読み始めた川俣千秋の「幻詩狩り」、会社帰りには歩きながらもずっと読んでいました。1984年の作品です。
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