成熟期のパラダイムシフト
「Works」最新号のおまけ(?)についてきた「成熟期のパラダイムシフト~2020年の働くを展望する」がとてもいいです。豊富なデータをもとに解釈をして、それをポップな誌面でまとめあげるという芸当は、やっぱり今のところ「Works」編集部が抜きんでています。ほんとにとっても作りもいいんです。

で、コンテンツなのですが、タイトル通りに2020年の「働く」を展望しています。私たちのイメージからくる常識とは少々異なる解釈も並びます。項目を勝手に列挙します。

□トレンドから予測する2020年の労働市場

・「人不足」ではなく「人あまり」が大問題となる
・男性が仕事に就けず、失業率を押し上げる
・団塊ジュニアが中年になったら…
・若年層の失業率は低下、中高年は逆に上昇
・情報・サービス業従事者が全就業者の半数に
・男性が多い製造業は雇用が減り、女性が多いサービス業は雇用が増える
・専門職・技術職、サービス職が増加、労務職は減少
・正社員の減少は緩やかに
・男性の若年正社員が大幅に減少する
・女性の若年正社員比率が上昇し、男性に接近する

□人事・雇用・働き方、想定される12のシナリオ

①集団で海外に渡る「グローバル出稼ぎ」が現れる
②ミニジョブをかけ持ちするハイスキル・ワーカーが増える
③六次産業化が進み、人材の異業種間移動が活発になる
④アウトソーシングが有力産業になり、プロ人材の有力な仕事先となる
⑤社員のほとんどが「部長」という会社が生まれる
⑥主要企業で世代交代が起こり、40代の社長が続々誕生する
⑦見た目が若く、能力も高い「スーパーシニア」が活躍する
⑧日本企業が世界中で新卒採用を行い、優秀な外国人を大量採用する
⑨NPOが企業と拮抗する「雇用の受け皿」になる
⑩ジョブカラーチェンジを促進させる教育機関が充実する
⑪地元定着志向が強まり、地域の優良企業が注目される
⑫「女子力」が初めて経営に生かされる

「働く」ことに関する将来予測でもっとも重要なファクターは、経済成長率と人口増減率でしょう。この置き方で2020年の予測は大きく幅を持つわけですが、いずれにしても、経済成長に関しては超成熟、人口については減少、とこれまでの日本が経験したことのないフェーズについに本格的に入っていくわけです。

振り返ると、私が社会に出た1985年から、今年2012年にも多くの「パラダイム・シフト」があったといえます。懐かしい話なのですが、私が新卒採用担当になって初めて迎え入れた1992年採用向けに制作した入社案内のタイトルが「パラダイム・シフト」でした。私のいた製粉業界においては、きたるべき穀物の自由化という土台を揺るがす「パラダイム・シフト」の前夜という認識があり、「パラダイム・シフト」を見据えた人材戦略を考える必要があるとの危機感が強くありました。しかし、未だに日本は穀物の自由化に踏み込んでいません。来るべき「パラダイム・シフト」を人工的に無理にせき止めるつけが、後の世代に明確にまわってきます。

これまでの変化に、私たちはギリギリではありますが、それなりにしなやかに対応してきました。しかし、国家の財政は痛み、多くの矛盾が社会に顕在化してきています。税の適正分配が政治の基本的な役割だとすれば、次世代の税金まで使って日々を賄う現状は既に政治が能力を失って久しいともいえます。それでも、「成熟期のパラダイムシフト」はやってきます。

私たちにできることは何なのかを考えると胸が痛いですが、自企業の利益だけを追い求めることではないのは明白だと思います。綺麗なCSRに予算を投入しつつも、自企業の利益だけを追い求める姿勢は正しくはないでしょう。自分の仕事をまっとうし、それが自企業の利益に結びつき、自らも潤い、そして日本全体にも寄与するというロジックがつながる仕事が大切になるでしょうし、そういう仕事が世の中のマジョリティになれば「成熟期のパラダイムシフト」も乗りこえられるような気がします。また、企業姿勢でいえば、本業の中でCSRをやることが大切です。

そのためにも、まずは1人1人が外に出て、自分の中での外と中での相互作用の場を作ることかと思います。それはまた、時に大変ではあっても、本質的には楽しく面白いもののはずです。

《2011年10月22日》 本日、大學デー。東工大⇒慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス。
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