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手っ取り早いリーダーシップ育成の場としてのプロジェクト
ちょこっと昨日のリーダーシップの話の続きです。

金井壽宏先生は著書「リーダーシップ入門」の中で、リーダーが育つ条件を整理してくださっています。

・自分がリーダーシップを直接に経験すること
・すごいリーダーだと思えるひとといっしょに仕事をして、そのひとの言動を観察すること
・それらの経験と観察からの教訓を言語化し、自分なりの持論を構築すること
・学者の理論やすぐれた実践家の持論は観賞するように読むのではなく、自分の持論を創出し肉付けするために活用すること

まさに経験とリフレクションと持論化ですね。あと、モニタリングです。まず何よりも「経験」がベースにあるのがリーダーシップ教育を難しくしています。極論をすれば、リーダーをやらせてみるしか、本当のリーダーシップ教育はできないのです。「あいつももう十分にリーダーの資格があるから、そろそろ課長でも任せてみるか」では駄目で、「あいつを課長ができるように育て上げたいから、課長にチャレンジさせてみよう」が必要なのです。これは伝統的な大企業ではなかなか難しいことです。

いろいろな会社の人と話していても、比較的小さな会社、ベンチャー的な会社の方が、リーダーシップを発揮されている方が多いように感じます。これはもう人材がいないわけですから、ストレッチして仕事をやるわけです。そして、大会社のように均質な社員ばかりの組織ではありませんから、リーダーとしても揉まれます。そんな経験の中からリーダーシップは育っていきます。ただ、伝統的大企業の中でも大きく舵を切ろうとするところも多く出ていますね。若手に子会社を任せたり、組織にダイバーシティを無理やりビルトインしたり。

でも、一番手っ取り早く、効果的なリーダーシップ育成の場は、プロジェクトだと思います。プロジェクト・リーダーであれば、若手を抜擢しやすいですよね。プロジェクトというのは各部署から人が集められ、外部の人材も多く関与しますから、リーダーシップを磨くには非常に良い場です。異なる立場とバックボーンの人を束ねるには、そのプロジェクトとしての大きくわくわくする「絵を描く」必要があります。そして、予算と期間の制約が健全なプレッシャーにもなります。ああ、この人は骨があるなぁと感じる方は、よくよく話してみると比較的若い頃に困難なプロジェクトに携わった経験があったりします。

リーダーシップ入門 (日経文庫)リーダーシップ入門 (日経文庫)
(2005/03)
金井 寿宏

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《2011年10月31日》 浜松町で学び、飲んでいるうちに、スワローズが鮮やかな勝利を決めていました。


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