今日もまたちょっと営業時代の昔話から入りますが、私が営業していた業務用小麦粉という商材は、製パンメーカー、製麺メーカーとしては主原料にあたりますので、仕入れの最終決済は社長がされているケースが多かったです。で、中小のそういったメーカーの社長の皆様、そして問屋の社長の皆様と新入社員当時から接する経験を積み重ねさせていただきました。この経験は大きいです。小なりといえども(失礼)、オーナー社長という立場は、サラリーマン購買課長とは違った迫力があります。本当に多くのことを学ばせていただきました。そこで感じたのは、優れたオーナー経営者というのは24時間、365日、社業のこと、仕事のことを考えている、何をみて何を聞いても仕事に結びつけて考えようとするということです。これは私が以前いた会社の社長もそうでしたし、今の会社でもまったく同じに感じます。
サラリーマン根性で割り切った人は、会社に拘束されている時間だけが仕事時間であり、仕事について考える時間だという気持ちを持つのでしょう。私が未だに常に24時間日常に起こることを仕事のヒントに結び付けて考える傾向をもっているのは、新入社員当時に経営者の皆様の生きざまを目の当たりにさせていただいたことが大きいと思います。私はサラリーマンとしての道を選択して生きていますが、気持ちだけはオーナー経営者でありたいです。といいますか、自分の仕事については強いオーナーシップを意識し続けたいと思って日々、奮闘しているつもりです。 話は突然変わりますが、今日はラーニングイノベーション論のOB企画でした。ラーニングイノベーション論というのは、慶應義塾大学丸の内シティキャンパスで東京大学の中原淳先生が担当されている講座であり、つい先日、3期生が卒業されました。私は1期生ですが、今回は熱意あふれる2期生の取り計らいで3期合同のワークショップでした。終了後も1軒飲みに立ち寄り、帰りの電車でツイッターをみていると、3期みんなの師匠である中原先生がこんなつぶやきをされていました。 @nakaharajun 僕が理想とする「研究者」は、何を見ても、自分の研究領域のことに引きつけて、24時間、考えている人です。テレビを見ていても、友達とだべっていても、何をしていても、常に自分の研究領域のことが浮かんでくるのです。「学び狂」だの「学び病」だの揶揄されても、それしかないんだよ。 実は冒頭の営業時代の昔話は、この中原先生のツイートを読んで思い出したものです。研究者という立場になったことはありませんが、おそらくどんな組織に属していても、自らの研究に対する強いオーナーシップを持つものでしょうから、自分の研究領域のことになんでも引きつけて24時間考えるのは当然のことなのかもしれません。まさに創業オーナー経営者のマインドがなければ、本当の研究などという仕事は続かないようにも感じました。それはけして「囚われ」というものではなく、「宿命」のようなものじゃないかと感じます。そして、私もできれぱそう生きたいと思いますし、そういう仕事の楽しみと苦しみを理解できる後進を1人でも多く育てたいと思います。 《2011年11月9日》 LIN論後の飲み会は女性上位気味のこの世界の中で珍しく男4名でした。店員がイサキの煮つけを薦めるのですが、どんな卓越したセールストークよりも、諦めない心が大切だと痛感しました。あと、愛嬌と。うん、愛嬌は大事。
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中原です。
田中さん、感想をありがとうございます。 >優れたオーナー経営者というのは24時間 >365日、社業のこと、仕事のことを考え >ている、何をみて何を聞いても仕事に結び >つけて考えようとするということです。 そういうものなのですね。大変勉強になります。研究者は、そういう意味では、サラリーマン でありつつ、意識の上ではオーナー経営者 に近いかもしれませんね。 中原 淳 |
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