【INHOUSE】!!!②
【INHOUSE】の続きです。【INHOUSE】をついついイージーに考えると「内製化」と同一視してしまいますが、ちょっと考えるとそれはおかしいことに気づきます。「内製化」という言葉は明らかに「外でやっていたものを中でやるようにする」ことを意味していますが、どうも【INHOUSE】には、「そもそも本来的に外でやるのが適切ではないもの(というか中でやることが適しているもの)」が多く含まれるからです。

逆に「外製化」という言葉があります。一般的には「アウトソーシング」といっています。

例えば人事の中の業務でいうと、「そもそもこの仕事って社内でやる意味があるの?何か価値を生む仕事なの?」「高い社内人件費をかけているよりも、アウトソーシングの方が効率的で安価なんじゃないの?」「この仕事の後継者っているの?社内でやっていると継続の危険性があるんじゃないの?専門家にアウトソーシングに出した方が安全・安心なんじゃないの?」なんて意見に押されてアウトソーシングが活用されます。給与や福利厚生を丸抱えで社内でやっている会社はもうほとんどないでしょう。ピーター・F・ドラッカーは「ミッション(使命)」「ビジョン(構想)」「バリュー(価値観)」以外は何でも全部アウトソーシングできるといったと聞きます。

そんな時代に何を好き好んで「内製化」するのでしょう。ロジックがおかしくないですか。

アウトソーシングは基本的にコストを下げる、少なくとも中長期的にコストを下げて業務を安定させることが大きな目的です。そして、残った社員はより自社の独自価値を生む仕事に注力するわけです。
しかし、研修業務の内製化が語られる場面では、コスト削減が狙いだったりします。「今年の研修は予算がないので外に頼まずに中でやることにしました」。これは「アウトソーシング」を語るロジックと逆です。

給与のアウトソーシングと比較してみましょう。「今年は予算がないので、賞与計算は外に頼まずに中でやることにしました」なんてやっている会社は皆無に違いないと思います。この差はなぜでしょうか。かなりいい加減に分析してみます。

・研修業界(?)が非効率的であり、価格相場に誤りがある(高すぎる)。
・研修担当者が楽をしていた。本来、自分ができることを有償で外にやってもらい、二重コストを発生させていた。
・給与をアウトソーシングした場合、人事内の給与担当者というのは、アウトソーサーとのつなぎ役のみとなるが、研修担当者は他の仕事で使えないので、外に研修を頼んでいても中に残っている存在だ。

感覚的に私たちはNOといいたいですが、きちんとこれを否定できるでしょうか。特に2番目の「・」なんか言ってくる経営者はいそうですよ。頑張れば頑張るほど誤解されるというスパイラルに陥る可能性もありますよ。

逆に外製化についても、いくらでもちゃちゃを入れられます。結局、何をやってもちゃちゃを入れられてしまうのです。

・人材育成は専門性の高い仕事なので外に頼む必要がある。⇒お前がさぼっているだけじゃないか。
・外部のバラエティに富んだノウハウを活用するのが有効。⇒お前がさぼっているだけじゃないか。
・給与計算と違ってルーティンではないので、外部の活用が有効。⇒ルーティンでなく企業特殊性が高いのであれば、なおさら外に頼らずにお前がやれ。

これが企業内人材育成の本質です。理論的な基盤が明確にないのです。研修効果測定などを考えるといつもぶつかる課題です。何せ企業内人材育成を理論的な観点からまともに扱った本が、中原先生達のやつくらいしかないのですから。

かくもゆるい基盤の上に成り立っている企業内人材育成において、外との接合の概念である【INHOUSE】をテーマにした議論をするというのは、なかなかチャレンジングなことなのです。だから、あれだけのメンバーが集まり、あれだけ盛り上がったのではないかと思います。【INHOUSE】を考えることによって、企業内人材育成の本質にいやでも迫らざるを得ない感じもします。

そう、ドラッカーの言葉にちょっとヒントがありました。「ミッション(使命)」「ビジョン(構想)」「バリュー(価値観)」以外はアウトソーシングできるのです。逆にこの3つはアウトソーシングできないのです。となると、この3つに関わるテーマに関しては、研修ベンダーに頼むよりは【INHOUSE】が好ましいということになるとも考えられます。

事実、皆さんから寄せられた各社の事例でも、これら関係は結構あったように思います。

今日のブログですが、「内製化」の反対は「外製化」だな、と思ったところから当初書こうと思っていたことから大きくはずれてしまいました。良くあることです。

《2011年12月10日》 特例子会社の若手メンバーが千葉県障害者技能選手権で銀メダルをとりました。めでたしめでたし。












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【2011/12/10 23:23】 | HRM全般 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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