【INHOUSE】第2回②~丸投げ論
昨日の続きでもあるのですが、研修の丸投げについて。
基本的にありえないように思うのですが、実際にありえているようです。だいたい、次のようなパターンに収束されるのではないでしょうか、と勝手に考えました。

①担当部署に専門性が皆無であり、自助努力を志す人がいないケース

社長が「キャリア自律」の時代だ!と急に言い出し、人事に対応を投げます。テーマは、ダイバーシティでもリーダーシップ開発でもコーチングでも、何でもいいです。で、人事はなんのこっちゃわからないので、営業に来ている研修ベンダー何社かに相談をします。相談を主体的に受けて頭を使い始めればいいのですが、そうならずに「とにかく提案して」となったりします。そしてコストが大事ですから、コンペもしたりします。研修ベンダーはここぞとばかりに借り物の「狙い」から含めて提案をします。担当者はイニシャティブをまったく持っていませんから、プレゼンが綺麗でそこそこのコストのベンダーに発注します。これは極端な例ですが、結構、これに近いことやっている会社、あったりするのではないかと思います。そもそも専門性の低い(もしくはない)人事担当者というのが五万と日本にはいるのです。これは社内ローテーションの罪でもあります。ただ、専門性は低くても、仕事の本質をきちんととらえていれば、それなりにはキャッチアップできるはずなのですけどね。

②意欲的な担当者がいるのだけれども、経営を理解していないケース

これはそもそもの「丸投げ」とは少し違います。実に意欲的な担当者がいて、社外の勉強会などにも参加して、いろいろな知識を体得しています。ただ、自社のビジネスモデルを深く理解したり、自社の現場をよく体感したり、経営の目指す方向を認識したりという意識にちょっと欠けているケースです。東で良い研修カリキュラムがあると聞くと体験会に参加してみて、西で優れた先生がいるとなると話を聞きに行く、大変に素晴らしい行動力ですが、新しいものや自分のやりたいものには貪欲ですが、ただそれだけ。結局は経営ニーズに立脚していないので、コンテンツだけが浮き足立つような「丸投げ」に近いかたちに陥ります。パートナーとなる研修ベンダーがこれを正してくれるといいのですが、こんな担当者に上手に取り行った方が商売になりますから、そこに無意識の共犯関係も生まれたりするんじゃないでしょうか。

③最初は良かったんだけどというケース

何でもそうですが、二代目問題です。最初はある担当者がものすごい思いをもって研修を立ち上げます。研修後のフォローにも注力し、研修を成果に結び付けようという目線もきちんと持っています。これで2~3年ほど回って、人事異動があり担当が替わります。そして、後任は営業からきた、ある意味では人材開発の素人だったりします。タイプにもよりますが、多くは新担当としての無難な立ち上がりをします。既にある研修については、よくわからないなりに研修ベンダーのいうことを聞いてほぼ「去年のままに」実施します。1回は体験してみないと勝手なこともできないので…という正論と言い訳が渾然一体となった言葉を吐きながら。この瞬間から、思いをもって成果を目指していた研修カリキュラムが、「丸投げ」へと変容します。魂が抜け、惰性でまわるようになります。もちろんそれでも前任者の思いがずれていなければ、しばらくはそこそこの成果はあがるので、なかなか問題としては表面化しません。

これらはいずれも、神戸大学の金井先生のいうところのドゥアブルとデリバラブルの問題です。自分の仕事が、担当分担表に書かれていることを「やる」ことに位置づけるのか、それをやることによって現場もしくは経営に何かを「もたらす」ことに位置づけるのか、この違いです。「もたらす」ことに位置づけるのであれば、①②③のいずれもありえないですから。

ただ、日常では自分も含めて、結構やっちゃっているんですよ、この思想。もちろん人材開発に関わらず、人事の業務のほとんど、間接部門の仕事のほとんどにあてはまることです。


《2011年12月25日》 短い帰省先の静岡から東名高速を飛ばして帰ってきました。当面の由比あたりから冨士市を過ぎるあたりまでの富士山と海の景色はまさに絶景ですね。あのトンネルを出た瞬間の美しさは何度走ってもあせません。





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