採用したい人材像で「素直な人」をあげる人事担当者は少なくありません。どんな若手が伸びますかという質問に「素直な人」と回答する諸先輩も多いんじゃないでしょうか。でも、「素直な人」ってどんな人でしょうか。相手がいうことを何でも、ハイハイと聞く人を指して「素直な人」といっているわけではないと思います。
昨日ご紹介した松尾睦先生の「経験学習入門」に東京消防庁で「伝説の救助隊長」といわれた元消防隊長の方が語られた言葉が載っています。 「伸びる人材は素直な人です。僕が言う素直な人とは、良いと思ったことを合理的に吸収していける人間です」。 そんです他者から言われたことを何でもかんでも盲目的に受け入れてしまうのではなく、他者の意見をよく吟味して自分がなるほどそうだと思ったことは積極的に取り入れることができる人が「素直な人」なのではないでしょうか。合理的ではないと判断したことは、受け入れなくてもいいわけですが、それはあくまでも「未来に開かれた合理性」で決めるべきものであり、過去の意地やプライドで決めるものでもありませんし、今の怠惰や億劫さで逃げるものでもありません。 簡単なようでこれがなかなかできません。プライド、怠惰、意地、億劫、様々な要因で人は「素直」にはなかなかなれないのです。そして、これは経験を積むほど難しくなるきらいがあるので要注意です。 「他者からのフィードバックを取捨選択し、本質的なものを見きわめて受け入れ、未来につなげること」(同書96頁)が何よりも大切だと松尾先生は書かれていますが、まさにこれがフィードバックを受ける極意です。この場合、結構、「誰が言ったか」がキーになります。残念ながら人間は感情の生き物ですから、言われる人によっては「素直」になれないこともままあります。ですから、自分が「素直」に耳を傾けることができる人を何人持つかというのはとても大切です。そういった存在は、まさにメンターだといってもいいでしょう。 逆にこの人のいうことはどうしても「素直」に聞けないなという人もいますよね。それは無理をする必要はありません。人の感情というのは自然に湧いてくるものですから、どうこうできるものではないのです。これは大切なことです。ただ、「この人のいうことはどうしても素直に聞けていない」ということをきちんと認識することができていれば大丈夫です。「セルフ・アウェアネス」ですね。「素直」になることは難しいですが、自分が今、どんな状態であるかに気づき意識していることは、意識して鍛錬すればできるはずです。
《2012年1月2日》 初詣のかわりにお墓参りにいってきました。昨年亡くなった父が浦安公園墓地に眠っているのですが、大みそかの日に添えた花はまだまだ元気に見守ってくれていました。この墓地は、家族が皆、市内の人なので、墓参り頻度が非常に高いように思えます。いずれのお墓も綺麗な花が飾っていました。
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